JPH1180411A - ポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法

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JPH1180411A
JPH1180411A JP9234975A JP23497597A JPH1180411A JP H1180411 A JPH1180411 A JP H1180411A JP 9234975 A JP9234975 A JP 9234975A JP 23497597 A JP23497597 A JP 23497597A JP H1180411 A JPH1180411 A JP H1180411A
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勝己 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ポリカーボネート系樹脂発泡体を
得るための製造工程を1工程にして、しかも本来ポリカ
ーボネート系樹脂が有する物性的特徴をそのまま維持し
たまま、発泡特性を改善できる製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート系樹脂に、ポリエステ
ル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添
加して押出発泡する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジ等で使
用可能な耐熱性食品容器等に熱成形できるポリカーボネ
ート系樹脂発泡体の製造方法に関し、さらに詳細には、
押出発泡成形性を改善するとともに、高倍で独立気泡率
が高く、外観及び成形性に優れたポリカーボネート系樹
脂発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】ポリカーボネー
ト樹脂は、耐熱性、耐老化性、耐水性、電気的及び機械
的性質に優れているから、工業資材、建築資材、包装
材、各種容器等への用途展開が期待されている。また、
耐熱性が要求される電子レンジ用容器やレトルト食品用
容器や、耐寒性が要求される冷凍食品用容器として有用
である。また、軽量化や断熱性、緩衝性を付加する目的
で、各種物性に優れるポリカーボネート樹脂を発泡させ
る試みが行われてきた。ところが、ポリカーボネート系
樹脂を単独で発泡させようとしても、発泡適正温度にお
ける樹脂の溶融張力が低いため、通常の押出発泡法で独
立気泡率の高い、密度の小さい発泡体を得るのは困難で
あった。
【0003】また、特開平6−57026号公報では、
ポリカーボネート樹脂に1〜40重量%のポリエチレン
テレフタレート樹脂を混合、分散してなるポリマーアロ
イを発泡母材とし、平均気泡径が5μm以下の気泡を含
有する熱可塑性樹脂発泡体が開示されている。この熱可
塑性樹脂発泡体は、微細気泡を有し、目視による表面凹
凸がなく、しかも衝撃強度の大きい発泡体であるとされ
ている。しかしながら、上記したような平均気泡径が5
μm以下の気泡を含有する発泡体を製造するには、ポリ
カーボネート樹脂のペレットとポリエチレンテレフタレ
ート樹脂のペレットをドライブレンドして、押出機に供
給し、いったんシート状に成形した後、得られたシート
を高圧容器に不連続的あるいは連続的に送り、非反応ガ
スを30kg/cm2以上の圧力で1時間以上含有さ
せ、前記のガスを含有したシートを熱風循環乾燥機等で
加熱して発泡することが必要である。すなわち、特開平
6−57026号公報では、いったん非反応ガスを含有
した未だ発泡しないシート製造する工程、さらに前記シ
ートを熱風循環乾燥機等で加熱して発泡する工程の2つ
の工程を必要とするため、製造効率が良くない。さら
に、発泡温度を高温側にすると、発泡体の表面の凹凸が
大きくなり、実用に耐えなくなるので、発泡倍率はせい
ぜい2〜3倍程度が限界であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの課題
を解決し、すなわち、発泡体を得るための製造工程を1
工程にして、しかも本来ポリカーボネート系樹脂が有す
る物性的特徴をそのまま維持したまま、発泡特性を改善
できる製造方法を鋭意研究したものであって、ポリカー
ボネート系樹脂にポリエステル系樹脂を混合した基材樹
脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡することを
特徴とするポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方法で
ある。また、本発明は、ポリカーボネート系樹脂100
重量部に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混合
した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加して押出発泡
することを特徴とするポリカーボネート系樹脂発泡体の
製造方法である。本発明では、ポリカーボネート系樹脂
に、ポリエステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤
と発泡剤とを添加して押出発泡成形するので、溶融時の
溶融粘度、溶融張力及び弾性特性を改善することがで
き、したがって、独立気泡率の高い、低密度なポリカー
ボネート系樹脂発泡体を容易に製造することができる。
【0005】特に、本発明で使用する架橋剤として、1
分子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物又は多官
能エポキシ化合物を使用したものは、基材樹脂の溶融張
力を増大する効果が大きいので、押出発泡をより容易に
行うことができる。これは、架橋剤によって基材樹脂中
のポリエステル系樹脂が架橋され、基材樹脂全体の溶融
張力が増大した結果だと推察される。さらに、ポリカー
ボネート系樹脂100重量部に、ポリエステル系樹脂3
〜100重量部を混合した基材樹脂に金属、金属化合物
なる群から選ばれる少なくとも1種を添加することで、
上記したような架橋を促進することができるので、基材
樹脂全体の溶融張力を増大することができるので、押出
発泡をより容易とすることができる。
【0006】上記したように基材樹脂中のポリエステル
系樹脂を架橋させることで、基材樹脂全体の溶融張力を
増大することができるので、すなわち、発泡温度付近で
の溶融張力が増大できるので、押出機先端の金型から低
圧部に押し出され発泡する際形成される気泡が、発泡圧
力に十分耐えることができ、その結果、気泡は破壊され
ずに形状を維持できる。よって、得られたポリカーボネ
ート系樹脂発泡体を、独立気泡率の高い、密度の小さい
発泡体とすることができる。また、本発明の発泡体は、
シート状に限らず、板状、円筒状、ブロック状、柱状の
ものであってもよい。
【0007】本発明では、ポリカーボネート系樹脂10
0重量部に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混
合した基材樹脂を使用することが好ましい。この理由
は、ポリエステル系樹脂が3重量部未満だと、ポリカー
ボネート系樹脂の発泡成形性を改善できないからで、一
方、ポリエステル系樹脂が100重量部を超えると、ポ
リカーボーネート系樹脂の特性が失われてしまうので好
ましくないからである。
【0008】本発明に使用できるポリカーボネート樹脂
は、炭酸とグリコール又はビスフェノールから形成され
るポリカーボネートである。そして、分子鎖にジフェニ
ルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、結晶性
が高く高融点の上に、耐熱性、耐候性及び耐酸性に優れ
ているから好適である。このようなポリカーボネートと
しては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン
(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−オキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニ
ル)イソブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニル)
エタン等のビスフェノールから誘導されるポリカーボネ
ートが例示できる。芳香族ポリカーボネート成分として
ポリ(エステルカーボネート)も例示できる。これら
は、線状のポリマー鎖中に繰り返してカーボネート基、
カルボキシレート基及び芳香族炭素環式基を有するコポ
リエステルである。ただし、カルボキシレート基の少な
くともいくつかは芳香族炭素環式基の環炭素原子に直接
結合している。これら芳香族ポリカーボネートの他に、
それらを分岐化させて得られる分岐化ポリカーボネート
も例示できる。
【0009】また、本発明で使用できるポリエステル系
樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分の重縮
合体の線状ポリエステルであり、ジカルボン酸成分とし
てはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルス
ルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸
等であり、又、ジオール成分としてはエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメチロール、2、2−ビス(4
−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、4−
4’−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスル
ホン、ジエチレングリコール等である。しかして、用い
られるポリエステル系樹脂として好適なものとしてはポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテ
レフタル酸、ポリブチレンテレフタレートエラストマ
ー、非晶性ポリエチレンテレフタレート等であり、これ
らの樹脂単独もしくは、これらの樹脂を複数混合しても
良く、また、これらの樹脂を50重量%以上含む変性樹
脂等が挙げられる。
【0010】本発明で使用できる架橋剤としては、1分
子中にカルボン酸無水物を2個有する化合物又は多官能
エポキシ化合物が好ましく、これらから選ばれる少なく
とも1種を使用することが必要である。1分子中にカル
ボン酸無水物を2個有する化合物としては、ピロメリッ
ト酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテ
トラカルボン酸無水物、エチレングリコール(アンヒド
ロトリメリテート)及びグリセロール(アンヒドロトリ
メリテート)を使用することが好ましく、またピロメリ
ット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物
が特に好ましい。
【0011】多官能性エポキシ化合物としては、ジグリ
シジルテレフタレート、ジグリシジルオルトフタレー
ト、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、4官能窒化
エポキシ(例えば三菱瓦斯化学社製TETRAD−
D)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレンジグリシジルエーテル、ビスフェノール
ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジ
ルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、水添BP−
Aジグリシジルエーテル、2、2−ジブロモネオペンチ
ルグリコールジグリシジルエーテルを使用することが好
ましく、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルオ
ルトフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレー
ト、4官能窒化エポキシが特に好ましい。
【0012】架橋剤として、好ましくは上記の1分子中
にカルボン酸無水物を2個有する化合物又は多官能エポ
キシ化合物を添加することによって、ポリカーボネート
樹脂に混合しているポリエステル系樹脂に架橋構造が導
入され、これにより溶融時の溶融粘度、溶融張力及び弾
性特性が好ましく変化し、その結果ポリカーボネート樹
脂が容易に発泡できるようになると考えられる。
【0013】架橋剤の使用量は、押出条件、所望する倍
率等によって適宜使用すればよいが、ポリエステル系樹
脂100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好
ましい。架橋剤の量が0.01重量部よりも少ないと、
材料混合物の溶融時の粘弾性的特性が改善されず、微細
な気泡が均一に分散した良好な発泡成形体を得ることが
困難である。一方、5重量部よりも多いと、材料混合の
溶融物がゲル化して、安定した押出発泡成形を行うこと
が困難になる。
【0014】本発明において、さらに、金属、金属化合
物から選ばれる少なくとも1種を添加することにより架
橋を促進することができる。このような金属、金属化合
物としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、
炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の炭酸金属塩及びモンタ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸カリ
ウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。このような金属、
金属化合物は架橋剤100重量部に対して、1〜100
重量部、好ましくは5〜60重量部使用することが好ま
しい。
【0015】本発明に使用できる発泡剤は、不活性ガ
ス、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水素、ハロゲ
ン化炭化水素、エーテル、ケトン等で挙げられる。具体
的な例示としては、炭酸ガス、窒素、メタン、ノルマル
ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタ
ン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、2−メチルペン
タン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタ
ン、メチルシクロプロパン、シクロペンタン、1,1−
ジメチルシクロプロパン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン、エチルシクロブタン、1,1,2−トリメ
チルシクロプロパン、ベンゼン、トリクロルモノフルオ
ロメタン、ジクロルフルオロメタン、モノクロルジフル
オロメタン、トリクロルトリフルオロエチレン、ジクロ
ルテトラフルオロエチレン、クロルエチル、クロルメチ
ル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオ
ロエタン、1−クロル,1,1−ジフルオロエタン、
1,1−ジクロル,2,2,2−トリフルオロエタン、
1,1−ジクロル,1−フルオロエタン、ジフルオロメ
タン、トリフルオロメタン、ペンタフルオロメタン、ト
リフルオロエタン、ペンタフルオロプロパン、ジメチル
エーテル、2−エトキシエタノール、アセトン、メチル
エチルケトン、アセチルアセトンなどである。また、分
解型発泡剤も使用できるが、発泡倍率を上げる観点か
ら、無機発泡剤、揮発性発泡剤を使用することが好まし
く、中でも、ペンタン、ブタンが好ましい。発泡剤は、
単独又は2種以上混合して使用してもよく、例えば無機
発泡剤と揮発性発泡剤のように異なった型の発泡剤の併
用も可能である。
【0016】本発明でいう混合とは、ドライブレンド等
の一般的ポリマーブレンドをすべて含む。本発明の基材
樹脂には、更に安定剤、核剤、顔料、難燃剤、帯電防止
剤、粘弾性改質助剤、気泡調整剤その他の添加剤を加え
ることができる。本発明の方法においては、用いられる
架橋剤、金属化合物及び発泡剤の種類と量、押出機の構
造、温度その他の条件を変えることにより、希望する発
泡倍率に調節することができる。
【0017】本発明により製造された発泡体はその優れ
た性質により種々の分野で使用することができ、特に電
子レンジ等で使用できる耐熱性食品容器等に熱成形して
好適に使用できる。本発明のポリカーボネート系樹脂発
泡体を製造するに際して、基材樹脂と架橋剤とは次の手
段によって混合することができる。例えば、基材樹脂に
粉末状の架橋剤を100℃以下の温度でまぶして混合す
るとか、あらかじめ架橋剤を熱可塑性樹脂と溶解混合し
てペレットを造り、このペレットを基材樹脂と混合す
る。(ここで用いられる熱可塑性樹脂はポリエステル系
樹脂と同一でも異なってもよいが、ポリエステル系樹脂
と相溶性のよいものが好ましい)。また、あらかじめ基
材樹脂を押出発泡成形機のホッパーに供給し、押出発泡
成形機のシリンダーに設けられた供給口から架橋剤を供
給して混合する方法もある。いずれの方法により混合す
る場合でも、基材樹脂の含有水分はできるだけ少なくす
ることが望ましい。
【0018】本発明では、ポリカーボネート系樹脂を円
滑に発泡させるために、樹脂と発泡剤との溶融混練物中
に必要に応じて気泡調整剤を添加することができる。こ
の場合の気泡調整剤としては、タルク、シリカ、マイ
カ、雲母等の無機粉末、多価カルボン酸の酸性塩、多価
カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとの
混合物等が好ましい。これらの気泡調整剤は1種または
2種以上併用して用いてもよい。その添加量は、樹脂1
00重量部当り0.01〜5.0重量部、好ましくは
0.05〜3.0重量部とするのが良い。0.01重量
部より少ないと十分な気泡調整効果が得られず、一方5
重量部より多いとセル径が小さくなりすぎて得られる発
泡成形品の物性、成形性が低下するため好ましくない。
【0019】また、本発明の発泡体には、難燃剤、熱安
定剤、耐候性向上剤、着色剤等のように、通常の発泡体
に添加される公知の添加剤を添加することができる。以
上のように本発明の製造方法で得られたポリカーボネー
ト系樹脂発泡体は、独立気泡率の高く、成形性が良い上
に、ポリカーボネート系樹脂が本来有する低温脆性、耐
熱性、耐薬品性、耐老化性、耐水性に加え、断熱性、軽
量性、緩衝性、柔軟性、耐衝撃性と、美麗な外観とを兼
ね備えた押出発泡体である。
【0020】
【発明実施の態様】以下、実施例により更に具体的に本
発明を説明する。 実施例1.分子量25000のポリカーボネート樹脂と
IV値1.0のポリエチレンテレフタレート樹脂をそれ
ぞれ60重量%と40重量%配合した混合樹脂100重
量部に対し、タルク1.2重量部と架橋剤としてピロメ
リット酸無水物を0.16重量部配合した原料を押出機
に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてイソペンタン
を0.2モル/kg押出機に圧入することにより得られ
る溶融混練物を樹脂温度268℃に冷却した後、押出機
先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリ
ット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取り機にて
ラインスピード3.6m/minで引き取りプラグで冷
却後切開して幅640mm、厚み1.2mmの発泡シー
トを得た。この時の押出吐出量は36kg/hrで、押出
機ヘッドの圧力は250kg/cm2であった。得られた
発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に
示した。
【0021】
【表1】
【0022】なお、連続気泡率及び独立気泡率は下記の
ようにして測定した。 (連続気泡率及び独立気泡率の測定方法)得られたシー
トサンプルを一辺2.5cmの正方形切片に数枚切り出
し、それを重ね合わせて立方体を作りその見かけ体積を
ノギスを使用して測定する。次に重量を測定し、最後に
東京サイエンス社製空気比較式比重計を用いて立方体の
真体積を測定する。それぞれ得られた値を、見かけ体積
をA、重量をW、真体積をVとすると連続気泡率及び独
立気泡率は次式で計算される。 連続気泡率=(A−V)/A×100 独立気泡率=(V−W/1.2)/A×100 (ただし、1.2はポリカーボネート樹脂の比重)
【0023】実施例2.実施例1と同じ樹脂配合の処方
を用い該配合原料を実施例と同様に押出機に供給し加熱
溶融させた後、発泡剤としてブタン0.2モル/kgを
押出機に圧入する事により得られる溶融混練物を押出機
先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリ
ット0.4mm)より樹脂温度259℃に冷却した後、
円筒状に押出し、引き取り機にてラインスピード2.3
m/minで引き取りプラグで冷却後切開して幅640
mm、厚み2.1mmの発泡シートを得た。この時の押
出吐出量は33kg/hrで、押出機ヘッド圧力は17
0kg/cm2であった。得られた発泡シートの密度、
連続気泡率及び独立気泡率を表1に示した。
【0024】実施例3.実施例1のポリカーボネート樹
脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の混合割合をそれ
ぞれ85重量%と15重量%にした以外は実施例1と同
じ方法で樹脂温度250℃に冷却した後、押出機先端に
取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリット
0.5mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてライ
ンスピード3.6m/minで引き取りプラグで冷却後
切開して、幅640mm、厚み1.3mmの発泡シート
を得た。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出
機ヘッド圧力は185kg/cm2であった。得られた
発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に
示した。
【0025】実施例4.分子量25000のポリカーボ
ネート樹脂とIV値0.88のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂をそれぞれ60重量%と40重量%配合した混
合樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部とピロ
メリット酸無水物を0.16重量部、そして架橋助剤と
して炭酸ナトリウム0.01重量部配合した原料を押出
機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤としてブタンを
0.2モル/kg押出機に圧入することにより得られる
溶融混練物を樹脂温度266℃に冷却した後、押出機先
端に取り付けたサーキュラー金型(口径80φ、スリッ
ト0.4mm)より円筒状に押出し、引き取り機にてラ
インスピード2.3m/minで引き取りプラグで冷却
後切開して幅640mm、厚み2.1mmの発泡シート
を得た。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出
機ヘッド圧力は235kg/cm2であった。得られた
発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気泡率を表1に
示した。
【0026】実施例5.分子量25000のポリカーボ
ネート樹脂とIV値1.0のポリエチレンテレフタレー
ト樹脂をそれぞれ50重量%と50重量%配合した混合
樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部と架橋剤
としてピロメリット酸無水物を0.16重量部配合した
原料を押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡剤として
ブタンを0.2モル/kg押出機に圧入することにより
得られる溶融混練物を樹脂温度265℃に冷却した後、
押出機先端に取り付けたサーキュラー金型(口径80
φ、スリット0.5mm)より円筒状に押出し、引き取
り機にてラインスピード3.6m/minで引き取りプ
ラグで冷却後切開して幅640mm、厚み1.4mmの
発泡シートを得た。この時の押出吐出量は36kg/h
rで、押出機ヘッド圧力は250kg/cm2であっ
た。得られた発泡シートの密度、連続気泡率及び独立気
泡率を表1に示した。
【0027】比較例1.分子量25000のポリカーボ
ネート樹脂100重量部に対し、タルク1.2重量部を
配合した原料を押出機に供給し加熱溶融させた後、発泡
剤としてイソペンタンを0.2モル/kg押出機に圧入
することにより得られる溶融混練物を樹脂温度240℃
に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラー金
型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状に押
出し、引き取ろうとしたが張力が弱く引き取りができな
かった。この時の押出吐出量は33kg/hrで、押出
機ヘッド圧力は60kg/cm2であった。
【0028】比較例2.ピロメリット酸無水物を添加し
ないこと以外は実施例1と同じ処方で、樹脂温度を25
6℃に冷却した後、押出機先端に取り付けたサーキュラ
ー金型(口径80φ、スリット0.5mm)より円筒状
に押出し、引き取り機にてラインスピード4.0m/m
inで引き取りプラグで冷却後切開して幅640mm、
厚み0.7mmの発泡シートを得た。この時の押出吐出
量は36kg/hrで、押出機ヘッド圧力は87kg/
cm2であった。得られた発泡シートの密度、連続気泡
率及び独立気泡率を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート系樹脂発泡体
の製造方法によれば、ポリカーボネート系樹脂にポリエ
ステル系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤を混合する
ことによって、ポリカーボネート系樹脂の耐熱性、機械
的性質など優れた特性を維持したままで、溶融粘度、溶
融張力等の押出発泡性において、驚くべき樹脂の改質が
可能となり、ポリカーボネート系樹脂の押出発泡成形が
容易となる。その結果、押出発泡性が大幅に改善され、
倍率の高い外観が極めて良好な発泡体を得ることができ
る。また、ポリカーボネート系樹脂が本来有する低温脆
性、耐熱性、耐薬品性に加え、断熱性、軽量性、緩衝性
及び柔軟性に優れるポリカーボネート系樹脂発泡体を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 69:00 105:04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート系樹脂にポリエステル
    系樹脂を混合した基材樹脂に、架橋剤と発泡剤とを添加
    して押出発泡することを特徴とするポリカーボネート系
    樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート系樹脂100重量部
    に、ポリエステル系樹脂3〜100重量部を混合したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート系樹
    脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 架橋剤が1分子中にカルボン酸無水物を
    2個有する化合物、及び多官能エポキシ化合物から選ば
    れる少なくとも1種を使用することを特徴とする請求項
    1、2に記載のポリカーボネート系樹脂発泡体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 基材樹脂に金属、及び金属化合物なる群
    から選ばれる少なくとも1種を添加することを特徴とす
    る請求項1、2、3に記載のポリカーボネート系樹脂発
    泡体の製造方法。
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