JP3768004B2 - 多官能化合物濃縮物及びそれを用いるポリエステル成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度の多官能化合物(分岐剤)を含有する多官能化合物濃縮物、それを用いるポリエステル成形体の製造方法に関する。
本発明の多官能化合物濃縮物は、特に飽和ポリエステル樹脂の成形体、中でも押出発泡成形用のマスターバッチとして好適に使用できる。
【0002】
【発明の技術的背景】
飽和ポリエステルを主成分とする発泡体は、飽和ポリエステルのヒドロキシル基またはカルボキシル基と多官能化合物とを混合反応させ、高溶融粘弾性化することによって得られることが報告されている。(特公昭61−48409号、特開平59−210955号、特公平5−15736号等) 主な多官能化合物は、グリシジルエステル、無水ピロメリット酸等である。
これらの多官能化合物を飽和ポリエステルに均一に分散させることが均一な発泡倍率、均一なセル径の発泡体を得るためには重要である。
【0003】
ところで添加剤を樹脂中に均一に分散させる方法として、予め高濃度の添加剤を含有する樹脂混合物(濃縮物)を作り、この濃縮物を樹脂に配合する方法が知られている。
飽和ポリエステルの押出発泡成形に関しても、多官能化合物濃縮物の担体樹脂として飽和ポリエステル樹脂を用いることが提案されている。(特表平7−505675号、特公平5−15736号)
しかし、濃縮物の担体樹脂を飽和ポリエステルとした場合、飽和ポリエステルは吸水性があるため、濃縮物をペレット化した後、乾燥しなければ、飽和ポリエステルの押出発泡成形を行っても溶融粘弾性が向上せず、発泡しないという問題があることがわかった。
そこで、乾燥せずにあるいは乾燥を簡略化しても飽和ポリエステルの押出発泡に使用できる濃縮物の検討を行った結果、濃縮物の担体樹脂をポリエチレンとすることによりこの問題を解決できることを見出した。
【0004】
【発明の目的】
本発明の目的は特に乾燥を行わなくても飽和ポリエステルの成形加工性を改良可能な多官能化合物濃縮物を提供すること、およびそのような濃縮物を用いて優れた品質のポリエステル成形体、特に発泡成形体を効率よく製造する方法を提供することである。
【0005】
【発明の概要】
即ち本発明は、
(1)1分子当たり3個以上の官能基を有する多官能化合物2〜30重量%およびポリエチレン98〜70重量%とを含有することを特徴とする多官能化合物濃縮物。
(2)多官能化合物が無水ピロメリット酸であることを特徴とする前記(1)記載の多官能化合物濃縮物。
(3)ポリエチレンが低密度ポリエチレンであることを特徴とする前記(1)ないし(2)に記載の多官能化合物濃縮物。
(4)飽和ポリエステル99〜90重量%及び前記(1)〜(3)のいずれかに記載の多官能化合物濃縮物1〜10重量%とを溶融混練し、次いで所定の形状に成形することを特徴とするポリエステル成形体の製造方法。
(5)飽和ポリエステル99〜90重量%及び前記(1)〜(3)のいずれかに記載の多官能化合物濃縮物1〜10重量%とを溶融混練し、得られた溶融混練物に発泡剤を添加した後、押し出して発泡させることを特徴とするポリエステル発泡体の製造方法。
である。
【0006】
[多官能化合物濃縮物]
1分子当たり3個以上の官能基を有する多官能化合物としては、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、グリシジル基等の官能基を有する芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環族化合物を例示できる。このような多官能化合物としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロール−トリス(アンヒドロトリメリテート)、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジグリシジルテレフタレート、テトラデカン−1,4−ジカルボン酸グリシジルエステル等を挙げることができ、特に無水ピロメリット酸が好ましい。
【0007】
前記多官能化合物の濃縮担体樹脂としてはポリエチレンが用いられる。
本発明のポリエチレンのASTM D−1238、190℃、荷重2140gで測定したメルトフローレート(MFR)は通常0.2〜25g/10分、好ましくは1〜20g/10分ある。
【0008】
該ポリエチレンには本発明の目的を損なわない範囲で、少量の、例えば5モル%以下の他の共重合成分、例えばエチレン以外のα−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等が共重合されていてもよい。
このようなポリエチレンとしては好ましくは低密度ポリエチレンを挙げることができる。
この低密度ポリエチレンはASTM D1505で測定した密度が通常0.905〜0.940g/cm3、好ましくは0.91〜0.935g/cm3 である。
【0009】
本発明の多官能化合物とポリエチレンとの合計を100重量%としたとき、多官能化合物の割合は、通常2〜30重量%、好ましくは5〜20重量%であり、ポリエチレンの割合は98〜70重量%、好ましくは95〜80重量%である。
このような割合で配合すると、ポリエチレン中での多官能化合物の分散性に優れるため好ましい。
【0010】
前記の多官能化合物濃縮物は、本発明の目的を損なわない範囲で他の添加剤、例えば着色剤、安定剤等や他の樹脂を少量含有してもよい。
【0011】
本発明の多官能化合物濃縮物は、多官能化合物とポリエチレンとを前記の割合で溶融混練することにより得ることができる。通常はペレット化して使用する。
【0012】
[ポリエステル成形体の製造方法]
前記の濃縮物は、発泡成形、非発泡成形において、ポリエステルの成形加工性を改良するために、特に溶融粘弾性を改良するために用いることができる。
【0013】
この方法では、飽和ポリエステル99〜90重量%及び前記の多官能化合物濃縮物1〜10重量%とを溶融混練し、次いで所定の形状に成形する。
【0014】
本発明の飽和ポリエステルとしては、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(低級アルキルエステル等)とジヒドロキシ化合物またはそのエステル形成性誘導体とを重縮合することにより得ることができる。
【0015】
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸を挙げることできる。
【0016】
ジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、
ビスフェノール類、ハイドロキノン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族ジヒドロキシ化合物を挙げることができる。
【0017】
本発明の飽和ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が好ましい。
該ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等は少量、例えば20モル%以下の割合で他のジカルボン酸から誘導される構成単位、ないし、他のジヒドロキシ化合物から誘導される構成単位を含んでいてもよい。
【0018】
飽和ポリエステルのフェノール/1,1,2,2,−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比 1/1)中で25℃で測定した極限粘度(IV)は、通常0.5〜1.4dl/g、好ましくは0.6〜1.2dl/gである。
極限粘度(IV)がこのような範囲にあると、溶融成形性、機械的強度が優れる。
【0019】
飽和ポリエステルは、融点がある場合、融点は通常210〜280℃、好ましくは220〜270℃の範囲にある。また、ガラス転移温度は通常50〜130℃、好ましくは60〜120℃の範囲にある。
【0020】
本発明では原料の飽和ポリエステルとして、飽和ポリエステルを一旦ボトルなどの成形物とし、この成形物を回収して粉砕する等して得られた飽和ポリエステルを用いてもよい。
【0021】
飽和ポリエステルと前記の多官能化合物濃縮物の配合割合は、合計を100重量%とした場合、飽和ポリエステルの割合は99〜90重量%、好ましくは98〜92重量%であり、多官能化合物濃縮物の割合は1〜10重量%、好ましくは、2〜8重量%である。
【0022】
このような割合で配合すると、材料混合物の溶融時の粘弾性が改善され、かつ材料混合物の溶融物がゲル化することなく安定して成形を行うことができるので好ましい。
特に後述の押出発泡成形の場合、高発泡倍率で、微小なセルが均一に分散した発泡体を得ることができるので好ましい。
【0023】
このポリエステル組成物には、必要に応じてさらに着色剤、安定剤、滑剤、帯電防止剤等の他の添加剤や他の樹脂を本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
【0024】
このポリエステル組成物を調整する方法としては、任意の方法、例えばタンブラーブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合し、次いで押出機等で溶融混練することができる。
【0025】
本発明では、この溶融混練物を一旦粉末またはペレットに変え、再溶融して所望の成形品に加工してもよいし、粉末やペレットを経ることなく1つの成形機内で溶融混練と成形を行ってもよい。
【0026】
成形機としては、一軸押出機、二軸押出機等の押出成形機、射出成形機、ブロー成形機を挙げることができる。
【0027】
得られる成形体の形状は特に制限がなく、フィルム状、シート状、中空状、円筒状、ブロック状、その他どのような形状でもよい。
さらに例えば押出ラミネート法等により他の物品と積層する等の二次加工を施してもよい。
【0028】
前記の飽和ポリエステル、多官能化合物濃縮物、及び発泡剤を用いてポリエステル発泡成形体を製造することもできる。
【0029】
発泡体の製造法としては、
1)前記方法で製造されたポリエステル成形体に、加圧下で、通常3MPa以上、好ましくは5〜15MPaの加圧下で二酸化炭素等の発泡剤を含浸させて、例えば150〜245℃、好ましくは230〜240℃に加熱して発泡させる方法。
発泡剤の含浸温度は通常1〜245℃、好ましくは60〜200℃である。
2)前記の飽和ポリエステル、多官能化合物濃縮物、及び発泡剤を配合した組成物を溶融し、所定の形状に成形した後、発泡剤の分解温度以上の温度に加熱して発泡させる方法。
適当な発泡剤としては、分解温度が150℃以上のアゾビスカルボジアミド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン等の有機発泡剤、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機発泡剤を挙げることができる。しかし、本発明のポリエステル発泡体の製造は、以下に説明する押出発泡成形が好ましい。
【0030】
[押出発泡成形によるポリエステル発泡成形体の製造方法]
押出発泡成形では、前記の飽和ポリエステル99〜90重量%、好ましくは 98〜92重量%と、前記多官能化合物濃縮物を1〜10重量%、好ましくは、2〜8重量%とを一軸押出機、二軸押出機等の押出機中で溶融混練し、得られる溶融混練物に発泡剤を添加した後、押し出して発泡させる。
【0031】
一般に飽和ポリエステルの発泡成形に使用される多官能化合物濃縮物の担体樹脂としては、飽和ポリエステルのように、飽和ポリエステルと相溶性のよいものが好ましいと考えられていた。(特公平5−15736)
しかし、本発明では担体樹脂を飽和ポリエステルとの相溶性に乏しいポリエチレンにすることにより、飽和ポリエステルを担体樹脂とする場合に比較して生産工程が簡素で、優れた発泡体が得られることを見出した。
【0032】
即ち濃縮物の担体樹脂がポリエステルの場合、濃縮物をペレット化した後に乾燥する工程が必要であるが、ポリエチレンを使用することによって、乾燥工程を省略ないし簡略化できる。 また、ポリエチレンと飽和ポリエステルは相溶性に乏しいので、濃縮物中の多官能化合物とポリエステルとが反応しにくく、発泡しないかセルが不均一になると考えるのが一般的である。 意外にも、本発明では、ポリエステルと多官能化合物を含有するポリエチレンとを上記の特定の組成比で溶融混練することにより均一なセルを有する発泡体を得ることができた。
【0033】
本発明のポリエステル発泡成形体は、前記ポリエステル組成物を押出機で溶融して、押出機内の溶融樹脂に加圧下に発泡剤を添加した後、フィルム状、シート状、中空状、円筒状、ブロック状またはその他の形状に押出して発泡させることにより製造できる。
【0034】
押出機での溶融時の樹脂温度は飽和ポリエステルの溶融する温度以上、例えば240〜310 ℃の温度範囲が好ましい。
【0035】
発泡剤は、容易に気化可能か熱分解可能であればよく、不活性ガス、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等を使用することができる。
具体的には、乾燥空気、二酸化炭素、窒素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、メチルペンタン、ジメチルブタン、メチルシクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、エチルシクロブタン、1,1,2−トリメチルシクロプロパン、トリクロロモノフルオロエタン。ジクロロジフルオロメタン、モノクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、モノクロロジフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ジメチルエーテル、アセトン、2−エトキシアセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、及びこれらの適当な混合物を挙げることができる。
【0036】
発泡剤の添加量は、溶融混合物の量に対して、通常0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%である。
【0037】
発泡剤の注入は、押出機中の任意の位置で、例えばメタリング部に注入することができる。
注入圧力は2MPa〜30MPaが好ましい。
【0038】
発泡体をシート状に押出す場合は、100℃以下の温度に調節された1個もしくは複数個の冷却ロールで冷却、固化させる。 その際、発泡体は必要に応じて巻き取るか、任意の長さに切断される。
【0039】
このようにして製造することにより、発泡セルが均一で、例えば発泡セル径が1〜400μで、しかも高発泡倍率の発泡体が効率よく得られる。
発泡倍率は特に制限されないが、通常2〜15倍、好ましくは4〜12倍である。得られたポリエステル発泡体は、断熱材、緩衝材、容器等の所望の用途に使用できる。
【0040】
【実施例】
【実施例1】
(多官能化合物濃縮物の製造)
無水ピロメリット酸(和光純薬(株)製、純度95%以上)を10重量%、ポリエチレン(商品名ミラソン11P、メルトフローレート=7g/10分、密度=0.917g/cm3、三井化学(株)製)90重量%を、30mmΦ2軸押出機(TEM35、東芝機械(株)製)のホッパーに供給し、下記の製造条件でペレット化し濃縮物を得た。得られたペレットは乾燥せずにそのまま密閉容器に保管した。
【0041】
<押出機での製造条件>
押出機ダイ部の設定温度: 290℃
スクリュー回転数 : 220rpm
押出量 : 12kg/hr
【0042】
(ポリエステル発泡体の製造)
ポリエチレンテレフタレート(商品名J120、IV=0.73dl/g、三井化学(株)製)を160℃で4時間除湿乾燥した。このポリエチレンテレフタレート96重量%、前記濃縮物のペレット4重量%をポリ袋で混合し45mmΦ2軸押出機(PCM45、池貝機販(株)製を発泡成形用に改造)のホッパーに供給し、下記の製造条件下で押出発泡成形を行い、厚さ3mmの発泡シートを製造した。
【0043】
<押出発泡成形条件>
押出機ダイ部の設定温度: 270℃
スクリュー回転数 : 100rpm
炭酸ガス注入圧力 : 4MPa
炭酸ガス注入量 : 溶融混合物に対して2重量%
押出量 : 6kg/hr
【0044】
その結果、発泡倍率が8倍で、発泡セル径が微小で均一なセルの発泡体が得られた。
発泡セル径は主として150〜200μであった。
この発泡体の倍率20倍の断面顕微鏡写真を図1に示す。
【0045】
【実施例2】
実施例1において、濃縮物中の無水ピロメリット酸の濃度を5重量%に、発泡成形時の濃縮物の添加量を8重量%に変更した以外は実施例1と同様に行った。
その結果、発泡倍率が8倍で、発泡セル径が微小で均一なセルの発泡体が得られた。
発泡セル径は主として150〜200μであった。
【0046】
【実施例3】
実施例1において、濃縮物中の無水ピロメリット酸の濃度を20重量%に、発泡成形時の濃縮物の添加量を2重量%に変更した以外は実施例1と同様に行った。その結果、発泡倍率が8倍で、発泡セル径が微小で均一なセルの発泡体が得られた。
発泡セル径は主として140〜180μであった。
【0047】
【比較例1】
実施例1において、無水ピロメリット酸の濃縮物を製造せずに、ポリエチレンテレフタレートと直接混合したこと以外は実施例1と同様に発泡成形を行った。
その結果、発泡倍率が8倍であったが、発泡セル径が実施例1より大きく、不均一な発泡体が得られた。発泡セル径は主として100〜380μであった。
この発泡体の倍率20倍の断面顕微鏡写真を図2に示す。
【0048】
【比較例2】
実施例1において、濃縮物の担体樹脂をポリエチレンから、160℃で4時間除湿乾燥済みのポリエチレンテレフタレート(商品名J120、IV=0.73dl/g、三井化学(株)製)に変更した以外は実施例1と同様に行った。
その結果、発泡成形時に溶融粘弾性が向上しないため、発泡しなかった。
【0049】
【比較例3】
比較例2において、濃縮物をペレット化した後、濃縮物を130℃で48時間真空乾燥を行ったこと以外は比較例2と同様に行った。
その結果、発泡倍率が8倍で、発泡セル径が微小で均一なセルの発泡体が得られた。発泡セル径は主として150〜200μであった。
この発泡体の倍率20倍の断面顕微鏡写真を図3に示す。
【0050】
実施例1〜3、比較例1〜3の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003768004
【0052】
【発明の効果】
本発明の多官能化合物濃縮物は、特に乾燥を行わなくてもポリエステルの成形に使用することができる。
この濃縮物をポリエステルの成形加工に使用することにより、溶融時の粘弾性が改良され、効率よく成形を行うことができる。
特に押出発泡成形に使用すると、発泡セルが微小、均一で、しかも高発泡倍率の成形体を製造することができる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の発泡体の倍率20倍の写真である。
【図2】比較例1の発泡体の倍率20倍の写真である。
【図3】比較例3の発泡体の倍率20倍の写真である。

Claims (5)

  1. カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、グリシジル基を有する芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環族化合物から選ばれる、1分子当たり3個以上の官能基を有する多官能化合物2〜30重量%およびポリエチレン98〜70重量%とを含有することを特徴とする多官能化合物濃縮物からなる飽和ポリエステル樹脂の押出発泡成形用マスターバッチ
  2. 多官能化合物が無水ピロメリット酸であることを特徴とする請求項1記載の押出発泡成形用マスターバッチ
  3. ポリエチレンが低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1ないし2に記載の押出発泡成形用マスターバッチ
  4. 飽和ポリエステル98〜92重量%及び請求項1〜3のいずれかに記載の多官能化合物濃縮物からなる押出発泡成形用マスターバッチ2〜8重量%とを溶融混練し、次いで所定の形状に成形することを特徴とするポリエステル成形体の製造方法。
  5. 飽和ポリエステル98〜92重量%及び請求項1〜3のいずれかに記載の多官能化合物濃縮物からなる押出発泡成形用マスターバッチ2〜8重量%とを溶融混練し、得られた溶融混練物に発泡剤を添加した後、押し出して発泡させることを特徴とするポリエステル発泡体の製造方法。
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