JP5241713B2 - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂を含有する樹脂組成物に関する。さらに詳しくは生物起源物質である糖質から誘導されポリカーボネート樹脂を含有し、難燃性に優れた樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、芳香族もしくは脂肪族ジオキシ化合物を炭酸エステルにより連結させたポリマーであり、その中でも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)より得られるポリカーボネート樹脂(以下「PC−A」と称することがある)は、透明性、耐熱性に優れ、また耐衝撃性等の機械特性に優れた性質を有することから多くの分野に用いられている。
一般的にポリカーボネート樹脂は石油資源から得られる原料を用いて製造されるが、石油資源の枯渇が懸念されており、植物などの生物起源物質から得られる原料を用いたポリカーボネート樹脂の製造が求められている。例えば、下記式(a)
Figure 0005241713
に示したエーテルジオールは、糖類およびでんぷんなどから容易に作られ、3種の立体異性体が知られている。具体的には下記式(b)
Figure 0005241713
に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(本明細書では以下「イソソルビド」と呼称する)、下記式(c)
Figure 0005241713
に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(本明細書では以下「イソマンニド」と呼称する)、下記式(d)
Figure 0005241713
に示す、1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール(本明細書では以下「イソイディッド」と呼称する)がある。
イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドはそれぞれD−グルコース、D−マンノース、L−イドースから得られる。例えばイソソルビドの場合、D−グルコースを水添した後、酸触媒を用いて脱水することにより得ることができる。
これまで上記のエーテルジオールの中でも、特に、モノマーとしてイソソルビドを中心に用いてポリカーボネートに組み込むことが検討されてきた。
例えば特許文献1には、溶融エステル交換法を用いて製造された203℃の融点を持つホモポリカーボネート樹脂が提案されている。非特許文献1には、酢酸亜鉛を触媒とする溶融エステル交換法により製造された、ガラス転移温度が166℃で、熱分解温度(5%重量減少温度)が283℃程度のホモポリカーボネート樹脂が提案されている。非特許文献2には、イソソルビドのビスクロロフォーメートを用いた界面重合により製造されたガラス転移温度が144℃程度のホモポリカーボネート樹脂が提案されている。特許文献2には、スズ触媒を用いて製造されたガラス転移温度が170℃以上のポリカーボネート樹脂が提案されている。特許文献3には、イソソルビドと直鎖脂肪族ジオールとの共重合ポリカーボネート樹脂が提案されている。
これらのイソソルビドからなるポリカーボネート樹脂の、電気/電子関係用部品、OA関連用部品、自動車部品などの工業用途への展開を考えた場合、難燃性について検討する必要がある。例えば、イソソルビドからなるホモポリカーボネート樹脂の、厚み1.6mmの成形品におけるUL−94規格の難燃レベルはnot−Vであり、難燃性についての改良が必要である。
イソソルビドからなるポリカーボネート樹脂は、公知のビスフェノールAタイプの芳香族ポリカーボネート樹脂とは構造が相違する。そのため、燃焼機構もビスフェノールAタイプの芳香族ポリカーボネート樹脂で提唱されている分子内転移、異性化して炭化皮膜を形成するというような燃焼機構とは異なるものと考えられる。また、イソソルビドからなるポリカーボネート樹脂は、公知のビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂とは、難燃剤との相溶性も相違する。
従って、イソソルビドからなるポリカーボネート樹脂には、芳香族ポリカーボネート樹脂に用いられている難燃剤の全てがそのまま使える訳ではなく、別途検討が必要になってくる。
英国特許出願公開第1079686号明細書 国際公開第2007/013463号パンフレット 国際公開第2004/111106号パンフレット
"Journal of Applied Polymer Science",2002年,第86巻,p.872〜880 "Macromolecules",1996年,第29巻,p.8077〜8082
そこで本発明の目的は、イソソルビドなどのエーテルジオール由来のポリカーボネート樹脂を含有し、難燃性に優れた樹脂組成物を提供することにある。また本発明の目的は、耐熱性、熱安定性、剛性、透明性および成形加工性に優れた樹脂組成物を提供することにある。また本発明の目的は、該樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
本発明者は、主として上記式(a)で表されるエーテルジオールを特定の触媒の存在下で溶融重合すると5%重量減少温度(Td)が300℃を超える従来にない熱安定性を有するポリカーボネート樹脂が得られることを見出した。
またこのポリカーボネート樹脂は特定のリン化合物との相溶性が良好で、かつ得られる樹脂組成物は優れた難燃性を有することを見出した。また、得られた樹脂組成物は、耐熱性、熱安定性、剛性、透明性および成形加工性に優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づく。
即ち本発明は、全繰り返し単位中、下記式(1)で表される繰り返し単位を70モル%以上含有するポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、
Figure 0005241713
下記式(3)で表され、熱分解温度が340℃以下のリン化合物(B成分)1〜60重量部を含有する難燃性樹脂組成物である。
Figure 0005241713
式中、R は水素原子、炭素原子数6〜15のアリール基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、R ,R はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のアリール基、炭素原子数6〜15のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、または炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基である。
また本発明は、上記樹脂組成物からなる成形品を包含する。
本発明の樹脂組成物は、難燃性に優れる。また本発明の樹脂組成物は、耐熱性、熱安定性、剛性、透明性および成形加工性に優れる。従って、また本発明の成形品も、難燃性、耐熱性、熱安定性、剛性、透明性および成形加工性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、イソソルビドなどのエーテルジオールを主として含有するので、生物起源物質の含有率が高い。
実施例で製造したノートパソコンのハウジングを模した成形品の表側斜視概要図である(縦178mm×横245mm×縁の高さ10mm、厚み1.2mm)。 実施例で製造したノートパソコンのハウジングを模した成形品の表面側正面概要図であり、ゲート位置、および評価用サンプルの切り出し位置を示す。 実施例で製造したノートパソコンのハウジングを模した成形品の裏面側正面概要図であり、リブ付ボスがある様子を示す(艶消し面の部分は上下両側にリブがあるボスとなる)。 実施例で製造した大型OA機器外装部品を模した成形品の表面斜視概要図である(外形寸法:縦500mm、横600mm、厚み2.5mm)。 実施例で製造した携帯電話の外装部品を模した成形品表面斜視概要図である(外形寸法:縦100mm、横35mm、厚み1.5mm)。
以下、本発明について詳細に説明する。
〈樹脂組成物〉
(ポリカーボネート樹脂:A成分)
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位を含有する。式(1)で表される繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位中、70モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。上限は100モル%である。最も好適には、式(1)の繰り返し単位のみからなるホモポリカーボネート樹脂である。
式(1)で表される繰り返し単位は、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の繰り返し単位であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を含有していてもよい。他の繰り返し単位として、脂肪族ジオールまたは芳香族ビスフェノール由来の繰り返し単位が挙げられる。
脂肪族ジオール由来の繰り返し単位として、直鎖アルカンジオール、シクロアルカンジオールなどから誘導される繰り返し単位が挙げられる。直鎖アルカンジオールとして、下記式(2)

Figure 0005241713
(式中、mは1〜10の整数である)
で表される繰り返し単位が挙げられる。直鎖アルカンジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。シクロアルカンジオールとして、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。中でも1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオールおよびシクロヘキサンジメタノールが好ましい。
芳香族ビスフェノール由来の繰り返し単位として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンなどから誘導される繰り返し単位が挙げられる。
また他の繰り返し単位として、ジメタノールベンゼン、ジエタノールベンゼンなどの芳香族ジオールなどから誘導される単位が挙げられる。
他の繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、さらにより好ましくは5モル%以下、特に好ましくは2モル%以下である。
(末端基)
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(5)または(6)で表される末端基を含有していてもよい。
Figure 0005241713
式(5)、(6)において、Rは炭素原子数4〜30のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数4〜30のパーフルオロアルキル基、または下記式(7)
Figure 0005241713
で表される基である。
のアルキル基の炭素原子数は、好ましくは4〜22、より好ましくは8〜22である。アルキル基として、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
のアラルキル基の炭素原子数は、好ましくは8〜20、より好ましくは10〜20である。アラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
のパーフルオロアルキル基の炭素原子数は好ましくは4〜20である。パーフルオロアルキル基として4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプチル基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノニル基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロウンデシル基などが挙げられる。
式(7)中、R、R、R、RおよびRは夫々独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
式(7)中の炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜20のシクロアルキル基として、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロへキシル基、シクロデシル基等が挙げられる。炭素原子数2〜10のアルケニル基として、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基等が挙げられる。炭素原子数6〜10のアリール基として、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
式(7)中、R、R、R、RおよびRは、夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基および炭素原子数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であることが好ましい。特に夫々独立してメチル基およびフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であることが好ましい。
bは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは2〜3の整数である。cは、好ましくは4〜100の整数、より好ましくは4〜50の整数、さらに好ましくは8〜50の整数である。
式(6)のYは、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミノ結合およびアミド結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合を表わす。Yは、好ましくは単結合、エーテル結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合である。なかでも単結合、エステル結合が好ましい。
aは、好ましくは1〜5の整数、より好ましくは1〜3の整数、さらに好ましくは1である。
上記式(5)または(6)で表される末端基は、生物起源物質由来であることが好ましい。生物起源物質として、炭素原子数14以上の長鎖アルキルアルコール、例えばセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
式(5)または(6)で表される末端基の含有量は、ポリマー主鎖に対して好ましくは0.3〜9重量%、より好ましくは0.3〜7.5重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%である。
ポリカーボネート樹脂(A成分)の末端に式(5)または(6)で表される末端基を含有させることにより、樹脂組成物の成形加工性(離型性)、耐吸湿性が向上する。
(溶融粘度)
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、250℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート600sec−1の条件下で0.08×10〜2.4×10Pa・sの範囲にあることが好ましく、0.1×10〜2.0×10Pa・sの範囲にあることがより好ましく、0.1×10〜1.5×10Pa・sの範囲がさらに好ましい。溶融粘度がこの範囲であると機械的強度に優れ、本発明の樹脂組成物を用いて成形する際に成形時のシルバーの発生等が無く良好である。
(比粘度)
また、ポリカーボネート樹脂(A成分)は、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度の下限は、好ましくは0.14、より好ましくは0.20、特に好ましくは0.22である。また上限は、好ましくは0.45、より好ましくは0.37、さらに好ましくは0.34である。比粘度が0.14より低くなると本発明の樹脂組成物より得られた成形品に充分な機械強度を持たせることが困難となる。また比粘度が0.45より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなってしまう。
(ガラス転移温度:Tg)
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、そのガラス転移温度(Tg)の下限は、好ましくは145℃、より好ましくは148℃である。また上限は好ましくは165℃である。従って、A成分のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは145〜165℃である。Tgが145℃未満であると耐熱性(殊に吸湿による耐熱性)に劣り、165℃を超えると本発明の樹脂組成物を用いて成形する際の溶融流動性に劣る。TgはTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定される。
(5%重量減少温度:Td)
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、その5%重量減少温度(Td)の下限は、好ましくは320℃、より好ましくは330℃である。また上限は、好ましくは400℃、より好ましくは390℃、さらに好ましくは380℃である。従って、A成分の5%重量減少温度(Td)は、好ましくは320〜400℃である。5%重量減少温度が上記範囲内であると、本発明の樹脂組成物を用いて成形する際の樹脂の分解がほとんど無く好ましい。5%重量減少温度はTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定される。
(ポリカーボネート樹脂(A成分)の製造)
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(a)
Figure 0005241713
で表されるエーテルジオールを主として含有するジオール成分および炭酸ジエステルを溶融重合して製造することができる。エーテルジオールとしては、具体的には下記式(b)、(c)および(d)
Figure 0005241713
で表されるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドなどが挙げられる。
これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドは、でんぷんから得られるD−グルコースに水添した後、脱水させることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
特に、エーテルジオールとして、イソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)が好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることができるエーテルジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れている。
式(a)のエーテルジオールの含有量は、全ジオール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらにより好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。ジオールは、式(a)のエーテルジオールのみからなることが最も好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A成分)は、その特性を損なわない範囲で脂肪族ジオールまたは芳香族ビスフェノールと共重合させても良い。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖状アルカンジオールや、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルカンジオールなどが挙げられる。中でも1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
芳香族ビスフェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン等が挙げられる。また、ジメタノールベンゼン、ジエタノールベンゼンなどの芳香族ジオールなどを挙げることができる。
脂肪族ジオールまたは芳香族ビスフェノールの含有量は、全ジオール成分中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、さらにより好ましくは5モル%以下、特に好ましくは2モル%以下である。
末端変性されたポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(8)または(9)
Figure 0005241713
で表されるヒドロキシ化合物を反応させ製造することができる。ヒドロキシ化合物の量は、全ジオール成分に対して好ましくは0.3〜7.5重量%、より好ましくは0.5〜6重量%である。
式(8)または(9)で表されるヒドロキシ化合物において、R、Y、a、R、R、R、R、R、b、cは、式(5)および(6)と同じである。ヒドロキシ化合物は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。2種類以上使用する場合は、式(8)または(9)で表されるヒドロキシ化合物とそれ以外のヒドロキシ化合物とを組み合わせて使用してもよい。ヒドロキシ化合物により、ポリカーボネート樹脂の耐熱性、熱安定性、成形加工性、耐吸水性が向上する。
反応温度は、エーテルジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進める為には重合温度は180〜280℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは180〜270℃の範囲である。
また、反応初期にはエーテルジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、徐々に減圧にして反応後期には系を1.3×10−3〜1.3×10−5MPa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は通常1〜4時間程度である。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(A成分)は、(i)含窒素塩基性化合物および(ii)アルカリ(土類)金属化合物の存在下で溶融重合することにより製造することができる。(ii)アルカリ(土類)金属化合物とは、(ii−1)アルカリ金属化合物、(ii−2)アルカリ土類金属化合物またはこれらの混合物である。
(i)含窒素塩基性化合物としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
(ii−1)アルカリ金属化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、二価フェノールのナトリウム塩またはカリウム塩などが挙げられる。(ii−2)アルカリ土類金属化合物として、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。なかでも、(i)含窒素塩基性化合物と(ii−1)アルカリ金属化合物とを併用して使用することが好ましい。
これらの重合触媒の使用量は、それぞれ炭酸ジエステル成分1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−4当量の範囲である。反応系は窒素などの原料、反応混合物、反応生成物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。更に、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
(i)含窒素塩基性化合物および(ii)アルカリ(土類)金属化合物からなる触媒を用いると、スズなどを触媒として製造する場合に比べ、5%重量減少温度(Td)が高いポリカーボネート樹脂を製造することができる。
炭酸ジエステルとして、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(p−ブチルフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
炭酸ジエステルは全ジオール成分に対してモル比で1.02〜0.98となるように混合することが好ましく、より好ましくは1.01〜0.98であり、さらに好ましくは1.01〜0.99である。炭酸ジエステルのモル比が1.02より多くなると、炭酸ジエステル残基が末端封止として働いてしまい充分な重合度が得られなくなってしまい好ましくない。また炭酸ジエステルのモル比が0.98より少ない場合でも、充分な重合度が得られず好ましくない。
上記製造方法により得られたポリカーボネート樹脂(A成分)に触媒失活剤を添加することもできる。触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類が好ましい。またスルホン酸のエステルとしてベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。その中でもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量は、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた重合触媒1モル当たり、好ましくは0.5〜50モル、より好ましくは0.5〜10モル、更に好ましくは0.8〜5モルである。
(リン化合物:B成分)
本発明に用いるリン化合物(B成分)の熱分解温度(5%重量減少温度)は、340℃以下である。B成分の熱分解温度は、好ましくは330℃以下、より好ましくは325℃以下である。熱分解温度(5%重量減少温度)はTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定される。
本発明の樹脂組成物中のリン化合物(B成分)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、1〜60重量部であり、好ましくは3〜55重量部、より好ましくは3〜50重量部である。
ン化合物(B成分は、下記式(3)で表されるホスフィネート化合物である。
Figure 0005241713
式(3)中、Rは、水素原子、炭素原子数6〜15のアリール基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基である。アリール基の炭素原子数は、好ましくは8〜15、より好ましくは10〜15である。アリール基として、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素原子数は、好ましくは8〜20、より好ましくは10〜20である。アラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。Rは、炭素原子数7〜20のアラルキル基であることがより好ましい。
式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のアリール基、炭素原子数6〜15のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、または炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基である。
ハロゲン原子として、フッソ原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1〜10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基等が挙げられる。炭素原子数1〜10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘプトキシ基等が挙げられる。炭素原子数6〜15のアリール基として、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜15のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、トリルオキシ基、ジメチルフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。炭素原子数7〜20のアラルキルオキシとして、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、メチルベンジルオキシ基、2−フェニルプロパン−2−イル−オキシ基、ジフェニルメチルオキシ基等が挙げられる。
およびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜15のアリール基、炭素原子数7〜20のアラルキル基であることがより好ましい。またRおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基であることが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物中の式(3)で表される有機リン化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは3〜15重量部、さらに好ましくは3〜10重量部である。
(ドリップ防止剤:C成分)
本発明で使用されるドリップ防止剤(C成分)としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称することがある)、ポリオルガノシロキサン等のシリコーン樹脂、ベース樹脂のポリオレフィンやポリアミドと溶融混練可能で、重量平均分子量が高い(100万以上)樹脂などが挙げられる。好ましいドリップ防止剤は、PTFE(PTFEを含有する混合粉体を含む)である。かかるPTFEの市販品としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)製のテフロン(登録商標)6J、ダイキン工業(株)製のポリフロンMPA FA500、F−201Lなどを挙げることができる。
本発明の樹脂組成物中のドリップ防止剤(C成分)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部である。ドリップ防止剤(C成分)の量が0.01重量部より少ない場合にはドリップ防止の発現が不十分になりやすく、5重量部より多くなると、押出または成形時に着色成分が生じやすくなってしまう。
(離型剤)
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて離型剤を含有することができる。離型剤として、アルコールと脂肪酸とのエステルが好ましい。その中でも一価アルコールと脂肪酸とのエステルまたは多価アルコールと脂肪酸との部分エステルあるいは全エステルが好ましい。多価アルコールと脂肪酸との部分エステルおよび/または全エステルがより好ましい。多価アルコールと脂肪酸との部分エステルがさらに好ましい。なお、ここで云う部分エステルとは、多価アルコールの水酸基の一部が脂肪酸とエステル反応せずに残存しているものを意味する。さらに、炭素原子数1〜20の一価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸とのエステルおよび炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種の離型剤が好ましい。特に炭素原子数1〜25の多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルが使用される。
具体的に一価アルコールと飽和脂肪酸とのエステルとしては、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。
具体的に多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスルトールの全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。
これらのエステルのなかでも、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリンモノベヘネート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート等の部分エステルが好ましく、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレートがより好ましく、特に、グリセリンモノステアレートが好ましい。かかるC成分の化合物は、1種または2種以上の混合物であってもよい。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.03〜0.5重量部、さらに好ましくは0.03〜0.3重量部、特に好ましくは0.03〜0.2重量部である。離型剤がこの範囲内にあると、ヤケを抑制しつつ離型性の向上を達成することができる。
(熱安定剤)
本発明の樹脂組成物には、さらにヒンダードフェノール系熱安定剤および/またはリン系熱安定剤を含有していても良い。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、例えばオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシアルキルエステル(アルキルは炭素数7〜9で側鎖を有する)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−イソプロピリデンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−tert−ペンチル−6−(3−tert−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルメタクリレート、2−tert−ペンチル−6−(3−tert−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルメタクリレート、および2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルメタクリレートなどが挙げられる。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
ヒンダードフェノール系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは0.0005〜0.1重量部、より好ましくは0.001〜0.1重量部、さらに好ましくは0.005〜0.1重量部、特に好ましくは0.01〜0.1重量部である。ヒンダードフェノール系熱安定剤がこの範囲内にあると、本発明の樹脂組成物を成形する際の分子量低下や色相悪化などを抑えることができる。
リン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステルなどが例示される。具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
更に他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができる。好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等が挙げられる。テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4ージーtert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4ージーtert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。上記リン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
リン系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは0.001〜0.5重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.005〜0.3重量部、特に好ましくは0.01〜0.3重量部である。リン系安定剤がこの範囲内にあると、本発明の樹脂組成物を成形する際の分子量低下や色相悪化などを抑えることができる。
(ゴム質重合体)
本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性を上げる目的でゴム質重合体を含有しても良い。かかるゴム質重合体とは、ガラス転移温度が10℃以下、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−30℃以下であるゴム成分からなる重合体、並びに該ゴム成分からなる重合体に他のポリマー鎖が結合してなる共重合体をいう。更にそのゴム成分がゴム質重合体100重量%中少なくとも35重量%、より好ましくは45重量%含有する重合体をいう。ゴム成分の含有量の上限は実用上90重量%程度が適切である。
ゴム質重合体として、SB(スチレン−ブタジエン)共重合体、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)共重合体、MBS(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン)共重合体、MABS(メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)共重合体、MB(メチルメタクリレート−ブタジエン)共重合体、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム)共重合体、AES(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン)共重合体、MA(メチルメタクリレート−アクリルゴム)共重合体、MAS(メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン)共重合体、メチルメタクリレート・アクリル−ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体、および天然ゴムなどを挙げることができる。その中でもSB共重合体、ABS共重合体、MBS共重合体、メチルメタクリレート・アクリル−ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体、および天然ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴム質重合体が好ましい。
本発明の樹脂組成物中のゴム質重合体の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは1〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは1〜7重量部である。ゴム質重合体の含有量が1重量部より少ない場合には衝撃強度の発現が不十分になりやすく、30重量部より多い場合には耐熱性または剛性が低下し、更には難燃性が発現しなくなる。
(溶融粘度)
本発明の樹脂組成物の250℃におけるキャピラリーレオメータで測定した溶融粘度は、シェアレート600sec−1の条件下で0.08×10〜2.4×10Pa・sの範囲にあることが好ましく、0.1×10〜2.0×10Pa・sの範囲にあることがより好ましく、0.1×10〜1.5×10Pa・sの範囲がさらに好ましい。溶融粘度が上記範囲にあると機械的強度に優れ、また溶融成形時のシルバーの発生等が無く良好な成形品が得られる。
(曲げ弾性率)
本発明の樹脂組成物のISO178に従って測定された曲げ弾性率は、2,500〜6,000MPaの範囲が好ましく、2,750〜5,000MPaの範囲がより好ましく、3,000〜5,000MPaの範囲がさらに好ましい。曲げ弾性率が上記範囲にあると、剛性(曲げ弾性率)に優れた成形品を得ることができる。
(荷重たわみ温度)
本発明の樹脂組成物のISO75に従って測定された0.45MPa荷重下における荷重たわみ温度は、80〜160℃の範囲が好ましく、90〜150℃の範囲がより好ましく、100〜150℃の範囲がさらに好ましく、110〜150℃の範囲が特に好ましい。荷重たわみ温度が上記範囲にあると耐熱性と溶融流動性のバランスが良いという点で好ましい。
(UL−94)
また、本発明の樹脂組成物は、1.6mm(1/16インチ)のテストピースにおける米国UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に従って評価した難燃レベルが少なくともV−2である。
(樹脂組成物の製造)
本発明の樹脂組成物は、押出機を用いて各成分を溶融混練することにより製造することができる。
押出機としては特に二軸押出機が好適であり、原料中の水分や溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。
また、押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど) などを挙げることができる。
さらにB成分およびその他添加剤(以下の例示において単に“添加剤”と称する)の押出機への供給方法は特に限定されないが、以下の方法が代表的に例示される。
(i)添加剤をA成分の樹脂とは独立して押出機中に供給する方法。
(ii)添加剤とA成分の樹脂粉末とをスーパーミキサーなどの混合機を用いて予備混合した後、押出機に供給する方法。
(iii)添加剤とA成分の樹脂とを予め溶融混練してマスターペレット化する方法。
(iv)他の予備混合の方法として、樹脂と添加剤を溶媒中に均一分散させた溶液とした後、該溶媒を除去する方法。
押出機より押出された樹脂組成物は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。更に外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。更にかかるペレットの製造においては、光学ディスク用ポリカーボネート樹脂や光学用環状ポリオレフィン樹脂において既に提案されている様々な方法を用いて、ペレットの形状分布の狭小化、ミスカット物の低減、運送または輸送時に発生する微小粉の低減、並びにストランドやペレット内部に発生する気泡(真空気泡)の低減を適宜行うことができる。これらの処方により成形のハイサイクル化、およびシルバーの如き不良発生割合の低減を行うことができる。
ペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.3mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜3.5mmである。
〈成形品〉
本発明の樹脂組成物は、通常、前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種成形品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。
射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などを用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また、本発明の樹脂組成物は、押出成形により異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
本発明の樹脂組成物は各種電子・電気部品用途に有用である。OA機器や家電製品などの電気・電子機器に具備された部品としては、電線同士の接続、絶縁電線の接続、あるいは電気・電子機器と電線の接続に用いられる各種コネクター類、コンセント類、プラグ類、回路の導通と遮断を切り替えるための各種スイッチ類、回路の通電状態を制御するための各種電子素子類、および、その他電気・電子機器に内臓された各種機構部品などが挙げられる。具体的には、コネクター、リレー、コンデンサーケース、スイッチ、トランスボビン、端子台、プリント基板、冷却ファン、バルブ類、シールド板、各種ボタン類、各種ハンドル類、各種センサー類、小型モーター部品、各種ソケット類、チューナー部品、ヒューズケース、ヒューズホルダー、ブラッシュホルダー、ブレーカー部品、電磁開閉器、偏向ヨーク、フライバックトランス、キートップ、ローラー、軸受け、ランプハウジングなどが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は各種電気・電子機器外装部品用途に有用である。電気・電子機器外装部品としては、デスクトップパソコン、ノートパソコンなどのパソコン類の外装部品、プリンター、コピー機、スキャナーおよびファックス(これらの複合機を含む)等のOA機器の外装部品、ディスプレー装置(CRT、液晶、プラズマ、プロジェクタ、および有機ELなど)の外装部品、マウスなどの外装部品、キーボードのキーや各種スイッチなどのスイッチ機構部品、ゲーム機(家庭用ゲーム機、業務用ゲーム機、およびパチンコ、およびスロットマシーンなど)の外装部品などが例示される。
(機能付与剤)
また、本発明の樹脂組成物には、用途に応じて各種の機能付与剤を添加してもよく、例えば可塑剤、光安定剤、重金属不活性化剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤などである。さらに、本発明の樹脂組成物には、用途に応じて各種の有機および無機のフィラー、繊維などを複合化して用いることもできる。フィラーとしては例えばカーボン、タルク、マイカ、ワラストナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどを挙げることができる。繊維としては例えばケナフなどの天然繊維のほか、各種の合成繊維、ガラス繊維、石英繊維、炭素繊維などが挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物には、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル、ABS、ポリウレタンなどの、各種の生物起源物質からなるポリマー、合成樹脂、ゴムなどと混合しアロイ化して用いることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。但し、本発明はこれら実施例に何ら制限されるものではない。また、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法によった。
(1)比粘度 ηsp
ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度ηspは下記式から求めた。
ηsp=t/t−1
t :試料溶液のフロータイム
:溶媒のみのフロータイム
(2)ガラス転移温度
ペレットを用いてTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定した。
(3)ポリカーボネート樹脂の5%重量減少温度
ペレットを用いてTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定した。
(4)リン化合物の熱分解温度(5%重量減少温度)
リン化合物を用いてTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定した。
(5)溶融粘度
(株)東洋精機製キャピラリーレオメータ(キャピログラフ 型式1D)を用い、キャピラリー長10.0mm、キャピラリー径1.0mm、測定温度250℃にて測定速度を任意に変更し測定した結果得られたShear Rate/Viscosityカーブより600sec−1での溶融粘度を読み取った。
(6)末端変性基含有率
JEOL製JNM−AL400を用いてペレットの重クロロホルム溶液中におけるH−NMRを測定し、エーテルジオール由来の特定プロトンと末端ヒドロキシ化合物由来の特定プロトンとの積分比から末端変性基含有率を求めた。なお末端変性基含有率は下記式から求めた。
Figure 0005241713
Rt:H−NMRの積分比から求めた末端ヒドロキシ化合物のエーテルジオールに対する割合
Mt:末端ヒドロキシ化合物構成単位の分子量
Re:H−NMRの積分比から求めた主鎖中におけるエーテルジオールの組成比。
Me:エーテルジオール構成単位の分子量
(7)燃焼性
1.6mm(1/16インチ)のテストピースを成形し、これを用いて難燃性の評価尺度として、米国UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に従って評価を行った。
(8)曲げ弾性率
ペレットを120℃で12時間乾燥した後、日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いてシリンダ温度250℃、金型温度90℃にて曲げ試験片を成形した。曲げ試験をISO178に従って行った。
(9)荷重たわみ温度(0.45MPa)
上記(8)にて作成した曲げ試験片を用いてISO75で規定される低荷重下(0.45MPa)の荷重たわみ温度を測定した。
(10)成形性
日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIIIを用いて成形を行い、厚み2mmの見本板の形状を目視にて評価した(金型温度:80〜110℃、シリンダ温度:230〜260℃)。なお判断基準は以下の通りである。
○;濁り、割れ、ヒケ、および分解によるシルバーが見られない。
X;濁り、割れ、ヒケ、または分解によるシルバーが見られる。
参考例1 ポリカーボネート樹脂の製造
イソソルビド7307重量部(50モル)とジフェニルカーボネート10709重量部(50モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを4.8重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを5.0×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し、30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.33のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度(Tg)は165℃、5%重量減少温度(Td)は355℃であった。
参考例2 ポリカーボネート樹脂の製造
最終的に255℃、6.66×10−5MPaで30分反応せしめた以外は参考例1と同様にして、比粘度が0.23のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度(Tg)は158℃、5%重量減少温度(Td)は353℃であった。
参考例3 ポリカーボネート樹脂の製造
イソソルビド7,307重量部(50モル)とジフェニルカーボネート10,923重量部(51モル)とステアリルアルコール270重量部(1.0モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを4.7重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを4.0×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.20×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.31のペレットを得た。このペレットの末端変性基含有率は1.7重量%であり、ガラス転移温度は150℃、5%重量減少温度は362℃であった。
参考例4 ポリカーボネート樹脂の製造
イソソルビド7,234重量部(49.5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン163重量部(0.5モル)、ジフェニルカーボネート11,030重量部(51.5モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを9.4重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して2×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを5.2×10−2重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して2.5×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−5MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化し、比粘度が0.38のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度は158℃、5%重量減少温度は356℃であった。
参考例5 共重合ポリカーボネート樹脂の製造
イソソルビド6,722重量部(46モル)とジフェニルカーボネート10,709重量部(50モル)と1,3−プロパンジオール304重量部(4モル)とした以外は参考例1と同様にして比粘度が0.28のペレットを得た。このペレットのガラス転移温度(Tg)は146℃、5%重量減少温度(Td)は342℃であった。
実施例1〜参照例4〜5、実施例6、参照例7〜9、比較例1〜3
表1に記載の樹脂組成物を以下の要領で作成した。表1の割合の各成分を計量して、均一に混合し、かかる混合物を押出機に投入して樹脂組成物の作成を行った。押出機としては径15mmφのベント式二軸押出機((株)テクノベル社製KZW15−25MG)を使用した。押出条件は吐出量14kg/h、スクリュー回転数250rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第1供給口からダイス部分まで250℃とし、ペレットを得た。得られたペレットを100℃で12時間乾燥した後、各物性評価を行った。
表中の各成分は以下の通りである。
(A成分)
A−1:参考例1にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−2:参考例2にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−3:参考例3にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−4:参考例4にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
A−5:参考例5にて製造したポリカーボネート樹脂ペレット
(B成分)
B−1:BCA(10−ベンジル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド;三光(株)製)熱分解温度=265℃
B−2:HCA(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド;三光(株)製)熱分解温度=245℃
B−3:Exolit AP−462(ヘキスト社製)、熱分解温度=314℃
(N成分:B成分以外の難燃剤)
N−1:Exolit OP−1312(有機リン化合物{クラリアント社製})、熱分解温度=415℃
N−2:PX−200(縮合リン酸エステル{大八化学(株)製 レゾルシノール−ビス(ジキシリルホスフェート)})、熱分解温度=346℃
(C成分)
C−1:ポリフロンMPA FA500(ダイキン工業(株)製)
(その他の成分)
L−1:グリセリンモノステアレート(理研ビタミン(株)製 リケマールS−100A)
S−1:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト((株)アデカ製 アデカスタブPEP−36)
電子・電気部品(コネクター)の成形
参照例10
表2に示す組成でポリカーボネート樹脂、および各種添加剤を、径15mmφのベント式二軸押出機[(株)テクノベル製KZW15ー25MG]に供給し、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量14kg/h、およびベント減圧度3kPaで溶融押出してペレット化した。
得られたペレットを100℃で12時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した。乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製 JSWJー75EIII)により、表2に示したシリンダー温度、金型温度90℃、成形サイクル180秒で、荷重たわみ温度、曲げ特性、および難燃性試験用の試験片を成形した。また、外形20×5×5mm、12×2列の24ピン用コネクターを、シリンダー温度250℃、金型温度90℃、成形サイクル180秒にて成形した。なお、ビスフェノールA−ポリカーボネート樹脂は、シリンダー温度300℃、金型温度90℃、成形サイクル180秒にて、またポリ−L−乳酸は、シリンダー温度200℃、金型温度25℃、成形サイクル300秒にてコネクターを成形した。これらの成形品を用いて各特性を測定した。それらの射出成形性および測定結果を表2および表3に示す。なお、各種評価は下記の方法により行った。
(1)耐熱性:ISO75−1および2に従って、荷重:1.80MPaの条件下にて荷重たわみ温度を測定した。
(2)曲げ強度、曲げ弾性率:ISO178に従って曲げ特性を測定した(試験片形状:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)。
(3)燃焼性:米国アンダーライターラボラトリー社の定める方法(UL94)により、試験片厚さ3.2mmにおける難燃性ランクを評価した。
(4)耐薬品性:コネクター成形品を、室温下、トルエン、キシレン、アセトン、トリクロロエタン中に24時間浸漬し、表面状態を観察した。
(5)耐加水分解性:コネクター成形品を、恒温恒湿槽中、80℃×90%相対湿度の条件にて10日間処理した後の分子量を、処理前の値に対する保持率で評価した。
また、比較用樹脂としては、以下のものを用いた。
(比−1)ビスフェノールA−ポリカーボネート樹脂:L−1250(帝人化成(株)製)
(比−2)ポリ−L−乳酸樹脂:LACEA H−100J(三井化学(株)製)
電気・電子機器外装部品の成形
実施例11および参照例12
表4に示す組成でポリカーボネート樹脂、および各種添加剤を、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30XSST]に供給し、シリンダー温度260℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量20kg/h、およびベント減圧度3kPaで溶融押出してペレット化した。
スクリュー構成はサイドフィーダー位置以前に第1段のニーディングゾーン(送りのニーディングディスク×2、送りのローター×1、戻しのローター×1および戻しニーディングディスク×1から構成される)を、サイドフィーダー位置以後に第2段のニーディングゾーン(送りのローター×1、および戻しのローター×1から構成される)を設けてあった。
得られたペレットを100℃で12時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した。乾燥後、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−150EN)により、表4に示したシリンダー温度、金型温度90℃、成形サイクル180秒で、荷重たわみ温度、曲げ特性、難燃性試験用の試験片を成形した。
次に、乾燥後のペレットを用いてシリンダー内径50mmφの射出成形機(住友重機械工業(株)製ULTRA220−NIVA)を使用し、図1に示すノートパソコン外装部品模擬成形品を、シリンダー温度250℃、金型温度90℃にて成形し、中央部分よりサンプルを採取した。
また、乾燥後のペレットを用いて、射出成形機((株)日本製鋼所製J1300E−C5)を使用し、図4に示す大型OA機器外装部品模擬成形品を、シリンダー温度250℃、金型温度90℃にて成形し、中央部分よりサンプルを採取した。
さらに、乾燥後のペレットを用いて、射出成形機(東芝機械(株)製:IS−150EN)を使用し、図5に示す携帯電話外装部品模擬成形品を、シリンダー温度250℃、金型温度90℃にて成形し、中央部分よりサンプルを採取した。
なお、特性比較用のビスフェノールA−ポリカーボネート樹脂は、シリンダー温度300℃、金型温度90℃、成形サイクル180秒にて、またポリ−L−乳酸は、シリンダー温度200℃、金型温度25℃、成形サイクル300秒にて成形した。
これらの成形品、サンプルを用いて、各特性を測定した。それらの射出成形性および測定結果を表4〜8に示す。なお、各種評価は下記の方法により行った。
(1)耐熱性:ISO75−1および2に従って、荷重:1.80MPaの条件下にて荷重たわみ温度を測定した。
(2)曲げ強度、曲げ弾性率:ISO178に従って曲げ特性を測定した(試験片形状:長さ80mm×幅10mm×厚み4mm)。
(3)燃焼性:米国アンダーライターラボラトリー社の定める方法(UL94)により、試験片厚さ1.6mmまたは3.2mmにおいて難燃性ランクを評価した。
(4)耐薬品性:各種電気・電子機器外装部品の模擬成形品から切削した成形品を、室温下、トルエン、キシレン、アセトン、トリクロロエタン中に24時間浸漬し、表面状態を観察した。
(5)耐加水分解性:各種電気・電子機器外装部品の模擬成形品から切削した成形品を、恒温恒湿槽中、80℃×90%相対湿度の条件にて10日間処理した後の分子量を、処理前の値に対する保持率で評価した。
(6)鉛筆引っかき値
JIS K5400中に定められた方法に従って、厚み1mmの平滑角板成形品を用い手かき法にて、鉛筆引っかき値を測定した。
上記成分以外の成分は下記のものを用いた。
(G−1)タルク(巴工業(株)製:HiTalc Premium HTP ultra 5C)
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
Figure 0005241713
本発明の樹脂組成物は、電気/電子関係用部品、OA関連用部品、各種機械部品、建築材料、自動車部品、各種の樹脂トレー、食器類をはじめとする様々な用途に幅広く用いることができる。
1.ノートパソコンのハウジングを模した成形品本体
2.艶消し表面部
3.鏡面部
4.ゲート(ピンゲート0.8mmφ、5個所)
5.耐薬品性、耐加水分解性測定用サンプル採取位置
6.リブ付ボス(鏡面部裏側に対応)
7.リブ付ボス(艶消し表面部裏側に対応)
8.成形品本体
9.ピンサイドゲート(サイドゲート部の幅5mm、ゲート厚み1.2mm、ゲートランド長さ6mm、サイドゲートのタブ:幅8mm×長さ15mm、タブ部へのピンゲートの直径1.8mm)
10.耐薬品性、耐加水分解性測定用サンプル採取位置
11.成形品本体
12.スプールおよびランナー
13.ゲート
14.耐薬品性、耐加水分解性測定用サンプル採取位置

Claims (8)

  1. 全繰り返し単位中、下記式(1)で表される繰り返し単位を70モル%以上含有するポリカーボネート樹脂(A成分)100重量部に対して、
    Figure 0005241713
    下記式(3)で表され、熱分解温度が340℃以下のリン化合物(B成分)1〜60重量部を含有する難燃性樹脂組成物。
    Figure 0005241713
    式中、Rは水素原子、炭素原子数6〜15のアリール基、または炭素原子数7〜20のアラルキル基であり、R,Rはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜15のアリール基、炭素原子数6〜15のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、または炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基である。
  2. 式(1)で表される繰り返し単位がイソソルビド(1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール)由来の繰り返し単位である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂(A成分)は、式(1)で表される繰り返し単位を主鎖に対して95〜100モル%含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  4. ポリカーボネート樹脂(A成分)は、(i)含窒素塩基性化合物および(ii)アルカリ(土類)金属化合物の存在下で溶融重合された樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
  5. ポリカーボネート樹脂(A成分)は、下記式(5)または(6)で表される末端基を、主鎖に対し0.3〜9重量%含有する請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 0005241713
    (式(5)、(6)中、Rは、炭素原子数4〜30のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数4〜30のパーフルオロアルキル基、または下記式(7)
    Figure 0005241713
    式(7)中、R、R、R、RおよびRは夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表し、bは0〜3の整数、cは4〜100の整数である)
    であり、Yは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミノ結合およびアミド結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の結合を表わし、aは1〜5の整数である。
  6. ポリカーボネート樹脂(A成分)は、ガラス転移温度(Tg)が145〜165℃であり、かつ5%重量減少温度(Td)が320〜400℃である請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 厚み1.6mmの成形品において、UL−94規格の難燃レベルが少なくともV−2である請求項1記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1記載の樹脂組成物からなる成形品。
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