JP5240767B2 - 薄膜ガスセンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池駆動を念頭においた低消費電力型の薄膜ガスセンサ、および、この薄膜ガスセンサの製造方法に関する。
一般的にガスセンサは、ガス漏れ警報器などの用途に用いられている。ガスセンサは、ある特定ガス、例えば、一酸化炭素(CO)、メタンガス(CH)、プロパンガス(C)、エタノール蒸気(COH)等に選択的に感応するデバイスであり、その性格上、高感度、高選択性、高応答性、高信頼性、低消費電力が必要不可欠である。
ところで、家庭用として普及しているガス漏れ警報器は、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガス検知を目的としたもの、燃焼機器の不完全燃焼ガス検知を目的としたもの、または、両方の機能を合わせ持ったもの、などであるが、いずれもコストや設置性(ガス検知が必要であるが電源供給不能の箇所である点)の問題から、ガス漏れ警報器の普及率はそれほど高くない。そこで、ガス漏れ警報器の普及率の向上を図るべく、設置性の改善、具体的には、電池駆動によるガス漏れ警報器としてコードレス化することが望まれている。
ガス漏れ警報器の電池駆動を実現するためにはガスセンサの低消費電力化が最も重要である。しかしながら、接触燃焼式や半導体式のガスセンサを動作させるためには、ガスセンサのガス感知膜が200℃〜500℃の高温に加熱される必要があり、この加熱が電力を消費する要因である。SnOなどの粉体を焼結して作製したガス感知膜によるガスセンサは、スクリーン印刷等の方法を用いてガス感知膜の厚みを可能な限り薄くしてガス感知膜の熱容量を小さくしているが、薄膜化は限界があって、ガス感知膜は充分に薄くならない。このため、ガスセンサを電池駆動する場合、ガス感知膜の熱容量は大きすぎることとなり、ガス感知膜を高温に加熱するには大きい電力が必要となって電池の消耗が大きくなる。このような理由から、ガス感知膜を電池駆動するガスセンサは、実用化が困難であった。
そこで、微細加工プロセスにより高断熱・低熱容量のダイヤフラム構造として、実用上許容しうる低消費電力の薄膜ガスセンサが開発実用化されて現在に至っている。続いてこのような薄膜ガスセンサについて説明する。図6は、従来技術の薄膜ガスセンサを概略的に示す縦断面図である。
この従来技術の薄膜ガスセンサは、シリコン基板(以下Si基板)1、熱絶縁支持層2、ヒータ層3、電気絶縁層4、ガス検出層5を備える。熱絶縁支持層2は、詳しくは、熱酸化SiO層21、CVD−Si層22、CVD−SiO層23の三層構造となっている。また、ガス検出層5は、詳しくは、接合層51、感知電極層52、ガス感応層53、ガス選択燃焼層54を備える。このガス感応層53はアンチモン(Sb)をドープした二酸化スズ層(以下、SnO層)であり、ガス選択燃焼層54はパラジウム(Pd)または白金(Pt)を触媒として担持したアルミナ焼結材(以下、触媒担持Al焼結材)である。そして、ヒータ層3およびガス検出層5(詳しくは感知電極層52を介してガス感応層53)は、図示しない駆動・処理部に接続されている。
この従来技術の薄膜ガスセンサは、様々な気体成分と接触することにより酸化物半導体であるガス感応層53の電気抵抗値(センサ抵抗値)が変化する現象を利用するセンサである。200〜500℃程度に加熱された金属酸化物半導体は、ガス濃度によりその導電率が変化する特性を持つ。金属酸化物半導体は、空気中では酸素を吸着して高抵抗化するが可燃性ガス中では可燃性ガスを吸着して低抵抗化する。
詳しくは以下のような理由による。
SnO層などのn型金属酸化物半導体であるガス感応層53は、空気中にある場合、ガス感応層53の表面に酸素などを活性化吸着する。酸素は電子受容性が強くて負電荷吸着するため、ガス感応層53の表面に空間電荷層が形成される。したがって、ガス感応層53は導電率が低下して高抵抗化する。
そして、SnO層などのn型金属酸化物半導体であるガス感応層53は、可燃性ガスなどの電子供与性の還元性気体中にあるガス感応層53が200〜500℃程度に加熱されることにより可燃性ガスの燃焼反応が起こる場合、ガス感応層53の表面の吸着酸素が消費され、吸着酸素が捕獲していた電子がガス感応層53内にもどされることによりガス感応層53内の電子密度が増加する。したがって、ガス感応層53は導電率が増大して低抵抗化する。
このガス感応層53は、多様なガスの検知が可能である反面、特定のガスを選択的に検知することは困難であった。
そこでガス検出層5は、SnO層であるガス感応層53の表面全体を、触媒担持Al焼結材で構成されたガス選択燃焼層54が覆う構造としている。
このガス選択燃焼層54は、検知ガスよりも酸化活性の強いガスを燃焼させるため、ガス検出層5におけるある特定のガスのみの感度を向上させる機能を有している。さらにそのガス検出層5の大きさや膜厚、Si基板1のダイヤフラム径との比なども工夫されている。これにより、ある特定のガス選択性がさらに高められ、消費電力の低減化が可能となっている。
このような薄膜ガスセンサは、CH,C等の可燃性ガス検知に低消費電力化を実現するため、そのヒータ層3の駆動方式が工夫されたセンサとしている。この駆動方式は、Duty比(ヒータをONにしている時間の比)が1/300〜1/100程度の間欠動作として駆動時間を短くしている。そのため、高湿度中または高濃度アルコール環境下では、オン時間に比べ十分長いオフ時間中にガス感応層53およびガス選択燃焼層54に吸着した水分またはアルコールが、短時間の加熱では脱離しきれずガス検知を妨害する場合がある。
さて、薄膜を積層したダイヤフラム構造の場合、数μm程度の歪みが生じるので、ガス選択燃焼層54にもある程度以上の機械的強度が必要である。ガス選択燃焼層54の機械的強度を確保するためには、シリカゾルやアルミナゾルのようなバインダを添加するのが一般的である。
バインダがシリカゾルの場合、下地となる電気絶縁層4との密着性が優れており長時間の駆動でも電気絶縁層4からガス選択燃焼層54が剥離しないが、シリカゾルに水分やアルコールが多量に吸着してガス選択燃焼機能が損なわれたり、シリカゾルがガス感応層53を被覆することで、初期特性、特にガス感知特性が損なわれるという問題があった。
バインダがアルミナゾルの場合、水分やアルコールの吸着によるガス選択燃焼54の機能低下や、ガス感応層53の被覆によるガス感知特性の低下は見られず優れた初期特性を得られるものの、ガス感応層53の周辺部の電気絶縁層4とガス選択燃焼層54との接着強度が低く、長時間の駆動により電気絶縁層4からガス選択燃焼層54が剥離するという問題点がある。さらに、アルミナゾルの場合には、ガス選択燃焼層54を形成するときに、形状の制御性が悪くばらつきが大きいことに起因して、特性のばらつきが大きくなるという問題があった。
ガス選択燃焼層54を形成する場合、このガス選択燃焼層54の構成材料をペースト状にしてからスクリーン印刷やディスペンサ塗布により形成するが、その際、高沸点の有機溶剤を溶媒とした方が溶媒の蒸発が少なく、ペーストの粘度が安定しガス選択燃焼層54の形状が良くばらつきが小さく抑えられる。一般に、バインダがシリカゾルの場合は、溶媒として有機溶剤を用いたものも水を用いたものも両方とも安定に存在するが、アルミナゾルの場合は水を用いたもののみが存在し、有機溶剤を用いたものは安定に存在し得ない。したがって、シリカゾルの場合は有機溶剤系を用いることで形状のばらつきは抑えられるが、アルミナゾルの場合は水系であるために形状のばらつきが大きくなるのである。
本願の発明者らは上記問題を解決する発明をしてこの発明を特許出願した。この特許出願は、特開2005−017242号(特許文献1)として出願公開されている。出願公開された発明は、下層に多孔質ガス感知膜(SnO)、SiO絶縁膜との接着強度が高い薄膜厚のシリカゾル選択層を形成後、上層にガス感知特性が良い膜厚の厚いアルミナゾル選択層を形成した2層構造選択層を採用したものである。
上記2層構造選択層により、選択層が下地から剥離することがなく、ガス感知特性が良い薄膜ガスセンサとしている。
特開2005−017242号公報(段落番号[0012]〜[0016],図1)
上記2層構造選択層では、高温高湿(60℃/80%RH)試験においてシリカゾル選択層ではRair(空気中抵抗)の低下などの問題があることが判明してきている。このような現象はアルミナゾル選択層では見られず、これはシリカゾル選択層のシリカゾルに対する水分の多量吸着などが原因と考えられる。
そこでシリカゾルをバインダとするガス選択燃焼層54におけるシリカゾルに対する水分の多量吸着の原因を微視解析などの手段を用いて調査した。この結果について図を参照しつつ説明する。図7,図8はシリカゾルに対する水分の多量吸着を説明する説明図である。図7に示すように、電気絶縁層4(スパッタSiO層)および感知電極層52上に形成したガス感応層53は、径が10nm〜100nmのSnOの柱状結晶531の集合体であり柱状結晶531間には5nm〜50nmの間隙532が存在する。さらに、SnOの柱状結晶531の表面や内部には数nmの無数の細孔533が存在する。細孔はその大きさ(細孔径)からマイクロポア(<2nm)、メソポア(2nm〜50nm)、マクロポア(>50nm)に分類される。
シリカゾルをバインダとするガス選択燃焼層54の場合、図8に示すように、熱処理(ガス選択燃焼層54の焼成)を行う時点で、多孔質SnOのガス感応層53の間隙532や細孔533内に数nmのサイズのSiO微粒子がガス選択燃焼層54から析出していることが判明した。ガス感応層53とガス選択燃焼層54との接着強度は面の接合強度で決まり、ガス感応層53の間隙532内や細孔533内へ浸入したSiO微粒子は接着強度にほとんど寄与していない。また、SiO微粒子が減少するため、ガス選択燃焼層54の機械的強度も若干ではあるが低下する。そして水分となじみの良いSiO微粒子/SnO最表面が形成されて空気中の水分と相互作用してOH基の生成、水分の凝縮を促進してガス感応層53のRair(空気中抵抗)の低下を促進しているものと推定される。
アルミナゾルでは上記のようなことは起こらない。この差異は、シリカゾルのシリカコロイドのサイズは数nmと小さいため数十nmの大きさのSnO細孔中には容易に浸入し、SnO細孔表面で高分散するのに対して、アルミナゾル中のアルミナ水和物はコロイドサイズが100〜200nmと大きく、SnO細孔中(<50nm)へは浸入できない(焼成物で粒径も>数百nmの大きいものしかできない)ためと推定している。したがってアルミナゾルでは少なくとも多孔質ガス感知膜(SnO膜)の細孔中に拡散することがないためSnO細孔表面にOH基の生成、水分の凝縮を促進する部分が生成しない。
これらシリカゾルやアルミナゾルの長所・短所を考慮し、バインダとしてシリカゾルを選択し、シリカゾル特有の問題点を解決することで密着性の向上・機械的強度の向上を共に実現することが望ましい。つまりバインダとしてシリカゾルを用いたガス選択燃焼層から、多孔質ガス感知膜(SnO膜)細孔中へのシリカゾル(シリカコロイド)の浸透がないようにして感応特性を改善した薄膜ガスセンサにしたいという要請があった。なお、特許文献1の2層構造選択層はスクリーン印刷工程が2回必要となりコスト面で若干不利である。コスト面でも良好な薄膜ガスセンサにしたいという要請があった。
そこでこの発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、バインダとしてシリカゾルを含有するガス選択燃焼層が覆う多孔質のガス感応層(SnO層)でも、細孔や間隙中のシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の浸透を低減して、ガス選択燃焼層の機械的強度の向上やガス感応層の検出性能の向上をともに実現する薄膜ガスセンサ、および、このような薄膜ガスセンサの製造方法を提供することにある。
本発明の薄膜ガスセンサは、加熱により飛散する成分の充填物を、焼成前のガス感応膜に充填し、バインダとしてシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)を添加したガス選択燃焼膜によりガス感応膜を覆うように形成してガス感応膜の細孔や間隙へのシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の浸透を防止し、これらガス感応膜およびガス選択燃焼膜をともに焼成して充填物も蒸発させて細孔や間隙が形成されたガス感応層とする。
請求項1に記載の発明によれば、
貫通孔を有するSi基板と、
この貫通孔の開口部に張られるダイヤフラム様の熱絶縁支持層と、
この熱絶縁支持層上に設けられるヒータ層と、
熱絶縁支持層およびヒータ層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
電気絶縁層上に設けられる一対の感知電極層と、
一対の感知電極層を渡されるように電気絶縁層上に設けられるガス感応層と、
ガス感応層を覆うガス選択燃焼層と、
を備え、
このガス感応層は、断面径が10nm〜100nmの柱状結晶の集合体であって柱状結晶間に5nm〜50nmの複数の間隙を有し、また、柱状結晶の表面および内部に複数の外界に連通する細孔を有し、これら複数の間隙および複数の細孔にマイクロポア、メソポア、および、マクロポアが含まれる層であることを特徴とする薄膜ガスセンサとした。
この構成によれば、薄膜ガスセンサは、そのガス感応層が、複数のマイクロポア、複数のメソポアおよび複数のマクロポアを有し、またシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)が浸透しないようにして外界と確実に連通する層としたため、接触面積を大幅に増やして空気中(低温時)では多くの酸素を吸着して確実に高抵抗化し、また、可燃性ガス中(高温時)では可燃性ガスを吸着して確実に低抵抗化する。このようにガス濃度によりその導電率を確実に変化させるようにする。
また、柱状結晶の集合体であって柱状結晶間で複数の間隙を有し、また、柱状結晶の表面および内部に複数の細孔を有し、これら複数の間隙および複数の細孔にマイクロポア、メソポア、および、マクロポアを有する前記ガス感応層は、酸素の吸着や検出対象ガスとの接触が確実に行われて、検出性能を高めている。
請求項2に記載の発明によれば、
前記ガス感応層は、SnO (二酸化スズ)により形成される層であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜ガスセンサとした。
ガス感応層としてSnO が選択されることが特に好ましい点を知見した。
請求項3に記載の発明によれば、
前記ガス感応層は、SnO (二酸化スズ)にSbがドープされた層であることを特徴とする請求項2に記載の薄膜ガスセンサとした。
請求項4に記載の発明によれば、
前記ガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)またはPt(白金)を触媒として担持したAl(アルミナ)焼結材による層であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサとした。
Pd(パラジウム)またはPt(白金)を触媒として担持したAl焼結材であってガス感応層を覆うガス選択燃焼層は、ガス感応層における検出対象ガスの選択性を向上させる。
請求項5に記載の発明によれば、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサの製造方法であって、
前記ガス感応層および前記ガス選択燃焼層を基板上に形成する工程は、
電気絶縁層上にガス感応膜を形成するガス感応膜形成工程と、
ガス感応膜の複数の間隙および複数の細孔に高沸点液体を充填する充填工程と、
ガス感応膜を覆うようにガス選択燃焼膜を形成するガス選択燃焼膜形成工程と、
ガス感応膜およびガス選択燃焼膜を、高沸点液体の沸点以上で昇温して間隙および細孔の高沸点液体を蒸発させてガス感応膜に間隙および細孔を形成するとともにガス感応膜およびガス選択燃焼膜を焼成してガス感応層およびガス選択燃焼層を形成する焼成工程と、
を有することを特徴とする薄膜ガスセンサの製造方法とした。
ガス感応膜の複数の間隙および複数の細孔に高沸点液体を充填してからガス選択燃焼膜を形成し、ガス選択燃焼膜の焼成時に高沸点液体を除去するようにした。
このような製造方法ではガス感応層にシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)が析出しないため、多くのシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)は接着に用いられてガス感応層とガス選択燃焼層との接着強度、および電気絶縁層とガス選択燃焼層との接着強度を増加させる。また、ガス感応層にシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)がない間隙や細孔が形成される、つまり水分となじみの良いSiO微粒子/SnO最表面が形成されないため、空気中の水分と相互作用してOH基の生成、水分の凝縮を促進してガス感応層のRair(空気中抵抗)の低下という事態の発生も起こりにくくしている。
請求項6に記載の発明によれば、
前記充填工程は、ガス感応膜まで形成された基板を高沸点液体の飽和蒸気圧以上の雰囲気で一定時間晒した後、この基板を高沸点液体中へ浸漬する工程であることを特徴とする請求項5に記載の薄膜ガスセンサの製造方法とした。
前記充填工程は、二段階で行うというものであり、高沸点液体の飽和蒸気圧以上の雰囲気で一定時間晒して特に細孔にまで高沸点液体が到達し、さらにその後に高沸点液体中へ浸漬して細孔や間隙に高沸点液体を確実に浸透させるようにした。
特に多孔質のガス感応膜のマイクロポア、メソポアのような小さな径の細孔の充填は気体状態の充填材料を用い細孔への毛管凝縮を利用して行うのがよい。充填材料の飽和蒸気圧で満たされた空間に多孔質のガス感応膜を晒すことで達成される。マクロポアに関しては液体含浸法で行う。
請求項7に記載の発明によれば、
前記ガス選択燃焼膜形成工程は、触媒粉末とシリカゾルバインダを主成分として有機溶剤を混合させてなる印刷ペーストを用いてガス感応膜上にスクリーン印刷などで所定形状のガス選択燃焼膜を形成する工程であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の薄膜ガスセンサの製造方法とした。
ガス選択燃焼膜形成工程は、詳しくは印刷ペーストを用いてガス選択燃焼層を形成(スクリーン印刷)する工程であることを明瞭にした。
請求項8に記載の発明によれば、
前記充填工程は、高沸点液体がHO(水)であることを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサの製造方法とした。
高沸点液体を安価で使い勝手が良いHOとした。
請求項9に記載の発明によれば、
前記充填工程は、高沸点液体を印刷ペーストが含有する有機溶剤と同じ成分とした工程であることを特徴とする請求項7に記載の薄膜ガスセンサの製造方法とした。
高沸点液体を印刷ペーストが含有する有機溶剤と同じ成分とし、ガス選択燃焼層の焼成温度と同じ温度で気化するようにして温度管理を容易にした。
請求項10に記載の発明によれば、
前記充填工程は、高沸点液体がジエチレングリコールモノエチルエーテルであることを特徴とする請求項9に記載の薄膜ガスセンサの製造方法とした。
高沸点液体として印刷ペーストが含有する有機溶剤のうちジエチレングリコールモノエチルエーテルが良好である点を知見した。
請求項1に係る発明によれば、そのガス感応層が、複数のマイクロポア、複数のメソポアおよび複数のマクロポアが外界に連通する層としたため、接触面積を大幅に増やしてガス濃度によりその導電率を確実に変化させるようにする薄膜ガスセンサとすることができる。
また、請求項2に係る発明によれば、柱状結晶の集合体であって柱状結晶間で複数の間隙を有し、また、柱状結晶の表面および内部に複数の細孔を有し、これら複数の間隙および複数の細孔にマイクロポア、メソポア、および、マクロポアを有する前記ガス感応層としたため、酸素の吸着や検出対象ガスとの接触が確実に行われるように接触面積を大幅に増やしてガス濃度によりその導電率を確実に変化させるようにする薄膜ガスセンサとすることができる。
また、請求項3に係る発明によれば、ガス感応層としてSnOが選択されるときに、酸素の吸着や検出対象ガスとの接触が確実に行われるように接触面積を大幅に増やしてガス濃度によりその導電率を確実に変化させるようにする薄膜ガスセンサとすることができる。
また、請求項4に係る発明によれば、Pd(パラジウム)またはPt(白金)を触媒として担持したAl焼結材のガス選択燃焼層がさらに設けられるときに、酸素の吸着や検出対象ガスとの接触が確実に行われるように接触面積を大幅に増やしてガス濃度によりその導電率を確実に変化させるようにする薄膜ガスセンサとすることができる。
また、請求項5に係る発明によれば、ガス感応層内の高沸点液体が充填される間隙や細孔へはシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)が析出しないため、多くのシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)は接着に用いられてガス感応層とガス選択燃焼層との接着強度、および電気絶縁層とガス選択燃焼層との接着強度を増加させ、また、水分となじみの良いSiO微粒子/SnO最表面が形成されないため、空気中の水分と相互作用してOH基の生成、水分の凝縮を促進してガス感応層のRair(空気中抵抗)の低下という事態の発生も起こりにくくするような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
また、請求項6に係る発明によれば、特に多孔質のガス感応層のマイクロポア、メソポアのような小さな径の細孔の充填は気体状態の高沸点液体を用い細孔への毛管凝縮を利用して行い、マクロポアに関しては液体含浸法で行うようにして、細孔および間隙に高沸点液体が確実に充填されてシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の析出を防止するような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
また、請求項7に係る発明によれば、詳しくは印刷ペーストを用いてガス選択燃焼層を形成(スクリーン印刷)するガス選択燃焼膜形成工程のときに、細孔および間隙に高沸点液体が確実に充填されてシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の析出を防止するような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
また、請求項8に係る発明によれば、高沸点液体を安価で使い勝手が良いHOとしたときに、細孔および間隙に高沸点液体が確実に充填されてシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の析出を防止するような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
また、請求項9に係る発明によれば、高沸点液体を印刷ペーストが含有する有機溶剤と同じ成分とし、材料を共通化してコストを低下させ、また、ガス選択燃焼層の焼成温度と同じ温度で気化するようにして温度管理を容易にするような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
また、請求項10に係る発明によれば、高沸点液体がジエチレングリコールモノエチルエーテルとして、材料を共通化してコストを低下させ、また、ガス選択燃焼層の焼成温度と同じ温度で気化するようにして温度管理を容易にするような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
総じて以上のような本発明によれば、バインダとしてシリカゾルを含有するガス選択燃焼層が覆う多孔質のガス感応層(SnO層)でも、細孔や間隙中のシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の浸透を低減して、ガス選択燃焼層の機械的強度の向上やガス感応層の検出性能の向上をともに実現する薄膜ガスセンサ、および、このような薄膜ガスセンサの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態の薄膜ガスセンサ、および、この薄膜ガスセンサの製造方法について図を参照しつつ説明する。なお、本形態の薄膜ガスセンサは、主にガス感応層の構造およびその製造方法を改良する点に特徴があり、薄膜ガスセンサの全体の構造そのものは、図5で示した従来技術の薄膜ガスセンサ10と同じである。
すなわち薄膜ガスセンサ10は、図6で示すように、Si基板1、熱絶縁支持層2、ヒータ層3、電気絶縁層4、ガス検出層5を備える。熱絶縁支持層2は、詳しくは、熱酸化SiO層21、CVD−Si層22、CVD−SiO層23の三層構造となっている。また、ガス検出層5は、詳しくは、接合層51、感知電極層52、ガス感応層53、ガス選択燃焼層54を備える。このガス感応層53はSbをドープしたSnO層であり、ガス選択燃焼層54は触媒担持Al焼結材である。そして、ヒータ層3およびガス検出層5(詳しくは感知電極層52を介してガス感応層53)は、駆動・処理部(図示せず)に接続されている。
続いて各部構成について説明する。
Si基板1はシリコン(Si)により形成され、貫通孔を有するように形成される。
熱絶縁支持層2はこの貫通孔の開口部に張られてダイヤフラム様に形成されており、Si基板1の上に設けられる。
熱絶縁支持層2は、詳しくは、熱酸化SiO層21、CVD−Si層22、CVD−SiO層23の三層構造となっている。
熱酸化SiO層21は、熱絶縁層として形成され、ヒータ層3で発生する熱をSi基板1側へ熱伝導しないようにして熱容量を小さくする機能を有する。また、この熱酸化SiO層21はプラズマエッチングに対して高い抵抗力を示し、後述するがプラズマエッチングによるSi基板1への貫通孔の形成を容易にする。
CVD−Si層22は、熱酸化SiO層21の上側に形成される。
CVD−SiO層23は、ヒータ層3との密着性を向上させるとともに電気的絶縁を確保する。CVD(化学気相成長法)によるSiO層は内部応力が小さい。
ヒータ層3は、薄膜状のNi−Cr膜(ニッケル−クロム膜)であって、熱絶縁支持層2のほぼ中央の上面に設けられる。また、図示しない電源供給ラインも形成される。この電源ラインは、駆動・処理部(図示せず)に接続される。
電気絶縁層4は、電気的に絶縁を確保するスパッタSiO層からなり、熱絶縁支持層2およびヒータ層3を覆うように設けられる。ヒータ層3と感知電極層52との間に電気的な絶縁を確保し、また、電気絶縁層4はガス感応層53との密着性を向上させる。
接合層51は、例えば、Ta膜(タンタル膜)またはTi膜(チタン膜)からなり、電気絶縁層4の上に設けられる。この接合層51は、感知電極層52と電気絶縁層4との間に介在して接合強度を高める機能を有している。
感知電極層52は、例えば、Pt膜(白金膜)またはAu膜(金膜)からなり、ガス感応層53の感知電極となるように左右一対に設けられる。なお、上記の接合層51を省略するようにしても良く、一対の感知電極層52は、接合層51を介して、または、接合層51を省略して直接に電気絶縁層4上に設けられる。
ガス感応層53は、SbをドープしたSnO層からなり、一対の感知電極層52,52を渡されるように電気絶縁層4の上に形成される。
ガス選択燃焼層54は、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)である触媒を担持した焼結体であり、先に説明したように触媒担持Al焼結材である。ガス選択燃焼層54は、ガス感応層53の表面に設けられる。Alは多孔質体であるため、孔を通過する検知ガスが触媒に接触する機会を増加させて燃焼反応を促進させる。ガス選択燃焼層54は、電気絶縁層4、接合層51、一対の感知電極層52,52およびガス感応層53の表面を覆うように設けられる。
このような薄膜ガスセンサはダイヤフラム構造により高断熱,低熱容量の構造としている。
図示しないが、駆動・処理部は、駆動部と処理部とを一体に構成したものであり、ヒータ層3を電気により駆動するように接続され、また、感知電極層52を介してガス感応層53のセンサ抵抗値の変化を検出するように接続される。駆動・処理部によりガス検出駆動が行われる。
薄膜ガスセンサ10の構成はこのようなものである。
続いて本発明の薄膜ガスセンサの特徴的部分であるガス感応層53およびガス選択燃焼層54の詳細について図を参照しつつ説明する。図1は本形態の薄膜ガスセンサのガス感応層およびガス選択燃焼層の詳細図である。
ガス感応層53は、多数の柱状結晶531の集合体である。この柱状結晶531の径は10nm〜100nm程度である。これら多数の柱状結晶の間には5nm〜50nmの間隙532が複数形成される。さらに円部に図示されるように、この柱状結晶531の表面および内部に複数の細孔533が形成される。これら複数の間隙532および複数の細孔533にマイクロポア、メソポア、および、マクロポアが含まれる層となる。
このようなガス感応層53ではシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)がない間隙や細孔が形成される、つまり水分となじみの良いSiO微粒子/SnO最表面が形成されないため、空気中の水分と相互作用してOH基の生成、水分の凝縮を促進してガス感応層53のRair(空気中抵抗)の低下という事態の発生も起こりにくくしている。また、ガス感応層53の表面積が広くなるため、酸素の吸着や検出対象ガスとの接触が確実に行われて、検出性能を高めている。
続いて、本形態の薄膜ガスセンサの製造方法について図を参照しつつ概略説明する。図2はガス感応膜形成工程の説明図、図3は第一充填工程の説明図、図4は第二充填工程の説明図、図5はガス選択燃焼膜形成工程の説明図である。
基板に熱絶縁支持層が形成される(熱絶縁層形成工程)。
まず、板状のシリコンウェハー(図示せず)である基板の片面(または表裏両面)に熱酸化法により熱酸化が施されて熱酸化SiO膜が形成され、最終的に熱酸化SiO層21となる。
続いてプラズマCVD法にて熱酸化SiO層21の上面にCVD−Si膜が堆積して形成され、最終的にCVD−Si層22となる。
続いてプラズマCVD法にてCVD−Si層22の上面にCVD−SiO膜が堆積して形成され、最終的にCVD−SiO層23となる。
続いて、熱絶縁支持層上にヒータ層が形成される(ヒータ層形成工程)。
スパッタリング法によりCVD−SiO層23の上面にNi−Cr膜が所定パターンで蒸着して形成され、最終的にヒータ層3となる。
続いて、熱絶縁支持層およびヒータ層上に電気絶縁層が形成される(電気絶縁層形成工程)。
スパッタリング法によりCVD−SiO層23とヒータ層3との上面にSiO膜が蒸着して形成され、最終的に電気絶縁層4となる。
続いて、電気絶縁層上に感知電極層が形成される(感知電極層形成工程)。
スパッタリング法により電気絶縁層4の上面にTa膜あるいはTi膜が蒸着して形成され、最終的に接合層51となる。接合層51を形成しない場合はこの接合層形成を省略する。
同様にスパッタリング法により接合層51の上面にPt膜あるいはAu膜が蒸着して形成され、最終的に感知電極層52となる。
これら接合層51および感知電極層52の成膜は、RFマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング法によって行う。成膜条件は接合層(TaあるいはTi)51、感知電極層(PtあるいはAu)52とも同じで、Arガス(アルゴンガス)圧力1Pa、基板温度300℃、RFパワー2W/cm、膜厚は接合層51/感知電極層52=500Å/2000Åである。
続いて、電気絶縁層上にガス感応膜を形成する(ガス感応膜形成工程)。
スパッタリング法により一対の感知電極層52,52の間を渡されるように電気絶縁層4の上面に多孔質のSb−doped SnO膜が蒸着して形成される。なお、ガス感応膜は、ガス感応膜を覆うガス選択燃焼膜を形成したのち両者を焼成して初めてガス感応層53になるというものであり、焼成がなされるまで便宜上ガス感応膜という。
成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を用い、反応性スパッタリング法によって行う。ターゲットにはSbを0.5wt%とPt6.0wt%を含有するSnOを用いる。成膜条件はAr+Oガス圧力2Pa、基板温度150〜300℃、RFパワー2W/cm、膜厚5000Åである。なお、ガス感応膜(焼成後ではガス感応層53)の大きさは、50ないし200μm角程度、厚さは0.2ないし1.6μm程度が望ましい。このガス感応膜には、図2で示すように複数の柱状結晶が立設し、複数の間隙532および複数の細孔533が形成される。
ガス感応膜の複数の間隙および複数の細孔に高沸点液体を充填する(充填工程)。
この充填工程は、二工程に分けられる。詳しくは、ガス感応膜まで形成された基板を高沸点液体の飽和蒸気圧以上の雰囲気で一定時間晒す工程(第一充填工程)と、この後にこの基板を高沸点液体中へ浸漬する工程(第二充填工程)である。本形態の高沸点液体は、具体的には水を採用する。
まず第一充填工程を行うが、さらに詳しくは多孔質のガス感知膜(SnO膜)まで形成された基板(ウェハ)を、水を満たしたビーカーとともに密閉容器内に24時間放置する。密閉容器温度は1℃以上99℃以下であればどのような温度でもかまわないが密閉容器内の相対湿度はHOの飽和蒸気圧となる。このような雰囲気下では、ガス感知膜(SnO膜)の細孔や間隙のうちのマイクロポアと比較的径の小さなメソポアでは毛管凝縮作用のため、図3で示すように、これらマイクロポアと比較的径の小さなメソポアの内部に高沸点液体60である水(HO)が充填される。
続いて第二充填工程を行うが、さらに詳しくは、第一充填工程を施した基板(ウェハ)を室温で高沸点液体である水(HO)に60分浸漬(HO含浸)する。すると図4で示すように、比較的径の大きなメソポアやマクロポアの内部にも高沸点液体である水(HO)が到達して、高沸点液体60である水(HO)が充填される。そして、水から取り出した基板(ウェハ)表面をNガスでブローして表面に付着している水分を吹き飛ばす。この後のガス感応膜の状態は図4で示すように、殆どのマイクロポア、メソポアおよびマクロポアの内部に高沸点液体60が充填される。なお、図4中では網目模様と黒地模様で高沸点液体60を図示しているが、これは第一,第二充填工程で充填された高沸点液体60を分けて図示するものであって両者は結局同じ高沸点液体60であり、一体となっている。
このように第一,第二充填工程を行う理由であるが、第二充填工程のみ(HO含浸のみ)では表面張力、内部の残存ガス(空気)の影響があり、マイクロポアとメソポアをHOで充填することが難しいが、予め第一充填工程(毛管凝縮作用)を施してマイクロポアとメソポアを充填しておき、その上で第二充填工程(HO含浸)を行うことで、柱状結晶531の表面および内部の複数の間隙532や複数の細孔533に含まれる多数のマイクロポア、メソポア、および、マクロポアの殆ど全てに確実に高沸点液体60である水が充填される。充填工程はこのようにして行われる。
続いてガス選択燃焼膜を形成する(ガス選択燃焼膜形成工程)。
第一,第二充填工程により高沸点液体である水が充填されたガス感応膜を有する基板に対し、あらかじめ用意しておいたガス選択燃焼層印刷用ペーストをガス感応膜の直上に厚さ30μmとなるようにスクリーン印刷してガス選択燃焼膜を形成する。このようにスクリーン印刷により厚みを薄くしている。ガス選択燃焼膜は、図5,図6で示すように、電気絶縁層4、接合層51、一対の感知電極層52,52およびガス感応膜を覆うようになされる。このガス選択燃焼層印刷用ペーストは、Pdを7.0wt%添加したγ−アルミナ(平均粒径2〜3μm)にジエチレングリコールモノエチルエーテルを同重量、さらにバインダとなるシリカゾルを20wt%添加して混練してなるペーストである。なお、ガス選択燃焼膜は、ガス感応膜およびガス選択燃焼膜をともに焼成して初めてガス選択燃焼層54になるというものであり、焼成がなされるまで便宜上ガス選択燃焼膜という。
続いて、ガス感応膜およびガス選択燃焼膜を焼成してガス感応層およびガス選択燃焼層を形成する(焼成工程)。
ガス感応膜およびガス選択燃焼膜が形成された基板に対し、室温で乾燥後、500℃で1時間焼成する。この際、ガス感応膜およびガス選択燃焼膜を、高沸点液体の沸点以上に昇温して間隙および細孔の高沸点液体を蒸発させてガス感応膜に間隙および細孔を形成させつつ、併せて図1に示すようなガス感応層53およびガス選択燃焼層54が形成される。水は100℃以上で水蒸気となり多孔質のガス感応膜および多孔質のガス選択燃焼膜の間隙532や細孔533を通過してガス感応層53およびガス選択燃焼層54に何の影響も与えることなく飛散する。
最後にシリコンウェハー(図示せず)は、その裏面から微細加工プロセスとしてエッチングによりシリコンが除去され、貫通孔が形成されたSi基板1となる。これによりダイヤフラム構造の薄膜ガスセンサ10となる。そして、ヒータ層3および感知電極層52は、駆動・処理部と電気的に通信可能に接続される。
薄膜ガスセンサ10の製造方法はこのようなものである。
以上説明した本形態の薄膜ガスセンサは、バインダとしてシリカゾルを含有するガス選択燃焼層54が覆う多孔質のガス感応層53(SnO層)でも、細孔や間隙中のシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の浸透を低減しており、ガス選択燃焼層54の機械的強度の向上やガス感応層53の検出性能の向上をともに実現する薄膜ガスセンサとした。そしてこのような薄膜ガスセンサを実現する製造方法とした。
続いて他の形態の薄膜ガスセンサについて説明する。先に説明した形態(以下第1形態とする)薄膜ガスセンサと比較すると、高沸点液体のみを変更する点で相違する。第1形態では高沸点液体として水を採用するのに対し、本形態(以下第2形態とする)では高沸点液体としてガス選択燃焼層印刷用ペーストが含有する有機溶剤、つまりジエチレングリコールモノエチルエーテルを採用する点が相違する。これ以外は図1,図6を用いて説明された多数のマイクロポア、メソポア、および、マクロポアを有する薄膜ガスセンサ10の構造および製造方法は同じであり重複する説明を省略する。
この第2形態の相違点のみ説明する。
ガス感応膜の複数の間隙および複数の細孔に高沸点液体を充填する(充填工程)。
この充填工程は、二工程に分けられる。詳しくは、ガス感応膜まで形成された基板を高沸点液体の飽和蒸気圧以上の雰囲気で一定時間晒す工程(第一充填工程)と、この後にこの基板を高沸点液体中へ浸漬する工程(第二充填工程)である。本形態の高沸点液体は、具体的にはジエチレングリコールモノエチルエーテルとなる。
まず第一充填工程を行うが、さらに詳しくは多孔質のガス感知膜(SnO膜)まで形成された基板(ウェハ)を、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを満たしたビーカーとともに密閉容器内に24時間放置する。ジエチレングリコールモノエチルエーテルは約200℃程度であり密閉容器温度は1℃以上199℃以下であればどのような温度でもかまわないが密閉容器内の相対湿度はジエチレングリコールモノエチルエーテルの飽和蒸気圧となる。このような雰囲気下では、ガス感知膜(SnO膜)の細孔や間隙のうちのマイクロポアと比較的径の小さなメソポアでは毛管凝縮作用のため、図3で示すように、マイクロポアと比較的径の小さなメソポアの内部にはジエチレングリコールモノエチルエーテル(液体)が充填される。
続いて第二充填工程を行うが、さらに詳しくは、第一充填工程を施した基板(ウェハ)室温で高沸点液体であるジエチレングリコールモノエチルエーテルに60分浸漬(有機溶剤含浸)する。すると図4で示すように、比較的径の大きなメソポアやマクロポアの内部にも高沸点液体であるジエチレングリコールモノエチルエーテルが到達して、高沸点液体60が充填される。そして、ジエチレングリコールモノエチルエーテルから取り出した基板(ウェハ)表面をNガスでブローして表面に付着しているジエチレングリコールモノエチルエーテルを吹き飛ばす。この後のガス感応膜の状態は図4で示すように、殆どのマイクロポア、メソポアおよびマクロポアの内部にジエチレングリコールモノエチルエーテルである高沸点液体60が充填される。
続いてガス選択燃焼膜を形成する(ガス選択燃焼膜形成工程)。
第一,第二充填工程により高沸点液体であるジエチレングリコールモノエチルエーテルが充填されたガス感応膜を有する基板に対し、あらかじめ用意しておいたガス選択燃焼層印刷用ペーストをガス感応膜の直上に厚さ30μmとなるようにスクリーン印刷してガス選択燃焼膜を形成する。ガス選択燃焼膜は、図5で示すように、電気絶縁層4、接合層51、一対の感知電極層52,52およびガス感応膜を覆うようになされる。このガス選択燃焼層印刷用ペーストは、Pdを7.0wt%添加したγ−アルミナ(平均粒径2〜3μm)にジエチレングリコールモノエチルエーテルを同重量、さらにバインダとなるシリカゾルを20wt%添加して混練してなるペーストである。
続いて、ガス感応膜およびガス選択燃焼膜を焼成してガス感応層およびガス選択燃焼層を形成する(焼成工程)。
ガス感応膜およびガス選択燃焼膜が形成された基板に対し、室温で乾燥後、500℃で1時間焼成する。この際、ガス感応膜およびガス選択燃焼膜を、高沸点液体の沸点以上に昇温して間隙および細孔の高沸点液体を蒸発させてガス感応膜に間隙および細孔が形成されつつ、併せて図1に示すようなガス感応層53およびガス選択燃焼層54が形成される。ジエチレングリコールモノエチルエーテルは約200℃以上で蒸気となり多孔質のガス感応膜および多孔質のガス選択燃焼膜の細孔や間隙を通過してガス感応層53およびガス選択燃焼層54に何の影響も与えることなく飛散する。以下は同様であり重複する説明を省略する。
以上説明した本形態の薄膜ガスセンサは、高沸点液体としてガス選択燃焼層印刷用ペーストが含有する有機溶剤、つまりジエチレングリコールモノエチルエーテルを採用する点で相違するが、この場居でもバインダとしてシリカゾルを含有するガス選択燃焼層54が覆う多孔質のガス感応層53(SnO層)でも、細孔や間隙中のシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)の浸透を低減しており、ガス選択燃焼層の機械的強度の向上やガス感応層の検出性能の向上を実現する薄膜ガスセンサとした。そしてこのような薄膜ガスセンサを実現する製造方法とした。
続いて、先に第1形態、第2形態として作製された薄膜ガスセンサの特性を示す。ここに第1形態(高沸点液体に水を採用した形態)で作成された薄膜ガスセンサを素子Aとする。また、第2形態(高沸点液体にジエチレングリコールモノエチルエーテルを採用した形態)で作成された薄膜ガスセンサを素子Bとする。なお、ジエチレングリコールモノエチルエーテルでの処理は全て室温で行った。また従来方法で作製した従来技術の薄膜ガスセンサ(SiO微粒子/SnO最表面が形成されて空気中の水分と相互作用してOH基の生成、水分の凝縮を促進してRair(空気中抵抗)の低下を促進しているものと推定される薄膜ガスセンサ)を素子Cとする。これら素子A,素子B,素子Cに高温高湿試験を施してRair(空気中抵抗)の変化を調べる。その結果を次表に示す。
表1は高温高湿中(60℃、80%RH)で30日間通電した前後での、空気中でのRair(空気中抵抗)を示す。従来技術による素子Cでは半桁近く抵抗値が低下しているが、試験前後において素子A,BのCHなどの検知ガスに対する特性も何の変動もない。つまり、素子A,Bでは全く変化がないことがわかる。このようにガス感応層の多数のマイクロポア、メソポア、および、マクロポアの高沸点液体を充填してからガス選択燃焼層ともども焼成することで、多数のマイクロポア、メソポア、および、マクロポアが形成されたガス感応層とすることができ、高湿中で通電しても安定なセンサ特性が得られたことになる。
以上本発明の薄膜ガスセンサおよびその製造方法について説明した。本発明によれば、ガス感応膜の細孔や間隙に予め高沸点液体を充填しておくことで、その上に印刷されたガス選択燃焼膜中のシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)成分は多孔質のガス感応膜(SnO膜)の細孔や間隙中へは浸透せず、ガス選択燃焼膜の最表面のみに残存する。従ってガス選択燃焼膜を焼き付けるため高温で熱処理しても多孔質のガス感知膜(SnO膜)細孔内部にはシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)が析出しない。その際、細孔や間隙を充填していた高沸点液体は気化して多孔質のガス感知膜から飛散するため問題はない。ガス選択燃焼膜の最表面に残るシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)成分は多孔質のガス感知膜(SnO膜)との接着に寄与する。表面に高濃度に存在するシリカゾル(シリカコロイド、SiO微粒子)は熱処理で凝集(高分散しない)し比較的大きなシリカ粒子となるためOH基の生成、水分の凝集にはほとんど寄与しない。
上記により、良好な接着強度を有しかつ高温高湿下でもRair(空気中抵抗)の低下などの特性変動のない、長期信頼性の良いシリカゾルを含むガス選択燃焼層を有する薄膜ガスセンサとすることができる。また、このような薄膜ガスセンサの製造方法とすることができる。
本発明を実施するための最良の形態の薄膜ガスセンサのガス感応層およびガス選択燃焼層の詳細図である。 ガス感応膜形成工程の説明図である。 第一充填工程の説明図である。 第二充填工程の説明図である。 ガス選択燃焼膜形成工程の説明図である。 従来技術の薄膜ガスセンサを概略的に示す縦断面図である。 シリカゾルに対する水分の多量吸着を説明する説明図である。 シリカゾルに対する水分の多量吸着を説明する説明図である。
符号の説明
10:薄膜ガスセンサ
1:Si基板
2:絶縁支持層
21:熱酸化SiO
22:CVD−Si
23:CVD−SiO
3:ヒータ層
4:電気絶縁層
5:ガス検出層
51:接合層
52:感知電極層
53:ガス感応層(SnO層)
531:柱状結晶
532:間隙
533:細孔
54:ガス選択燃焼層(Pd担持Al焼結材)
60:高沸点液体

Claims (10)

  1. 貫通孔を有するSi基板と、
    この貫通孔の開口部に張られるダイヤフラム様の熱絶縁支持層と、
    この熱絶縁支持層上に設けられるヒータ層と、
    熱絶縁支持層およびヒータ層を覆うように設けられる電気絶縁層と、
    電気絶縁層上に設けられる一対の感知電極層と、
    一対の感知電極層を渡されるように電気絶縁層上に設けられるガス感応層と、
    ガス感応層を覆うガス選択燃焼層と、
    を備え、
    このガス感応層は、断面径が10nm〜100nmの柱状結晶の集合体であって柱状結晶間に5nm〜50nmの複数の間隙を有し、また、柱状結晶の表面および内部に複数の外界に連通する細孔を有し、これら複数の間隙および複数の細孔にマイクロポア、メソポア、および、マクロポアが含まれる層であることを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  2. 前記ガス感応層は、SnO (二酸化スズ)により形成される層であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜ガスセンサ。
  3. 前記ガス感応層は、SnO(二酸化スズ)にSbがドープされた層であることを特徴とする請求項2に記載の薄膜ガスセンサ。
  4. 前記ガス選択燃焼層は、Pd(パラジウム)またはPt(白金)を触媒として担持したAl(アルミナ)焼結材による層であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサの製造方法であって、
    前記ガス感応層および前記ガス選択燃焼層を基板上に形成する工程は、
    電気絶縁層上にガス感応膜を形成するガス感応膜形成工程と、
    ガス感応膜の複数の間隙および複数の細孔に高沸点液体を充填する充填工程と、
    ガス感応膜を覆うようにガス選択燃焼膜を形成するガス選択燃焼膜形成工程と、
    ガス感応膜およびガス選択燃焼膜を、高沸点液体の沸点以上で昇温して間隙および細孔の高沸点液体を蒸発させてガス感応膜に間隙および細孔を形成するとともにガス感応膜およびガス選択燃焼膜を焼成してガス感応層およびガス選択燃焼層を形成する焼成工程と、
    を有することを特徴とする薄膜ガスセンサの製造方法。
  6. 前記充填工程は、ガス感応膜まで形成された基板を高沸点液体の飽和蒸気圧以上の雰囲気で一定時間晒した後、この基板を高沸点液体中へ浸漬する工程であることを特徴とする請求項5に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
  7. 前記ガス選択燃焼膜形成工程は、触媒粉末とシリカゾルバインダを主成分として有機溶剤を混合させてなる印刷ペーストを用いてガス感応膜上にスクリーン印刷などで所定形状のガス選択燃焼膜を形成する工程であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
  8. 前記充填工程は、高沸点液体がHO(水)であることを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか一項に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
  9. 前記充填工程は、高沸点液体を印刷ペーストが含有する有機溶剤と同じ成分とした工程であることを特徴とする請求項7に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
  10. 前記充填工程は、高沸点液体がジエチレングリコールモノエチルエーテルであることを特徴とする請求項9に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
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