JP2003262599A - 薄膜ガスセンサ - Google Patents

薄膜ガスセンサ

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JP2003262599A
JP2003262599A JP2002063223A JP2002063223A JP2003262599A JP 2003262599 A JP2003262599 A JP 2003262599A JP 2002063223 A JP2002063223 A JP 2002063223A JP 2002063223 A JP2002063223 A JP 2002063223A JP 2003262599 A JP2003262599 A JP 2003262599A
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film
thin film
gas sensor
filter layer
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JP2002063223A
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English (en)
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Soichi Tabata
総一 田畑
Katsumi Higaki
勝己 檜垣
Hiroichi Sasaki
博一 佐々木
Hisao Onishi
久男 大西
Kenji Kunihara
健二 国原
Mitsuo Kobayashi
光男 小林
Takeshi Matsubara
健 松原
Takuya Suzuki
卓弥 鈴木
Shinji Ogino
慎次 荻野
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Fuji Electric Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたH2選択性を長期にわたり維持し得る
薄膜ガスセンサの提供。 【解決手段】 薄膜状の支持膜の外周部または両端部を
Si基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央
部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板1,2上
に薄膜のヒータ3を形成し、この薄膜のヒータ3を絶縁
膜4で覆い、その上にガス感知膜用の電極5を形成し、
さらに半導体薄膜からなるガス感知膜6を形成した後、
その最表面に触媒フィルタ層7を形成した薄膜ガスセン
サにおける触媒フィルタ層7を、ガス感知膜6を被覆す
るように多孔質アルミナ層を形成後、貴金属触媒を含
浸,担持させて形成することで、従来のものより活性が
高く、長期安定性に優れた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電池駆動を念頭
においた低消費電力型薄膜ガスセンサ、特にその改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ガスセンサはガス漏れ警報器
などの用途に用いられ、或る特定のガス、例えばCO,
CH4,C38,CH3OH等に選択的に感応するデバイ
スであり、その性格上、高感度,高選択性,高応答性,
高信頼性,低消費電力が必要不可欠である。ところで、
家庭用として普及しているガス漏れ警報器には、都市ガ
ス用やプロパンガス用の可燃性ガス検知を目的とするも
のと、燃焼機器の不完全燃焼ガス検知を目的とするも
の、または両方の機能を併せ持ったものなどがあるが、
いずれもコストや設置性の問題から普及率はそれほど高
くはない。
【0003】このような事情から、普及率の向上を図る
べく、設置性の改善、具体的には電池駆動としコードレ
ス化することが望まれている。電池駆動を実現するため
には低消費電力化が最も重要であるが、接触燃焼式や半
導体式のガスセンサでは、200℃〜500℃の高温に
加熱し検知する必要がある。このことから、SnO2
どの粉体を燒結する従来の方法では、スクリーン印刷等
の方法を用いたとしても厚みを薄くするには限界があ
り、電池駆動に用いるには熱容量が大きすぎる。そこ
で、微細加工プロセスによりダイアフラム構造などの高
断熱,低熱容量の構造とした薄膜ガスセンサの出現が待
たれている。
【0004】ダイアフラム構造などの超低熱容量構造と
した低消費電力薄膜ガスセンサを適用したガス漏れ警報
器においても、電池の交換無しで5年以上の寿命を持た
すためには薄膜ガスセンサのパルス駆動が必須となる。
通常、ガス漏れ警報器は20〜60秒の一定周期に一回
の検知が必要であり、この周期に合わせ検知部を室温か
ら200℃〜500℃の高温に加熱する。前記の電池の
交換無しで5年以上の寿命要請にこたえるため、この加
熱時間は数100ms以下が目標となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、感知膜に半導
体薄膜を用いた場合、感知膜単体では複数の還元性ガス
種に感応してしまい、或る特定のガス種だけに選択的に
感応することはできない。そこで、感知膜の上にPdま
たはPt等の貴金属触媒からなる選択燃焼層(触媒フィ
ルタ層)を設け、検知ガスより活性の強いガスを燃焼さ
せることが有効である。CH4/H2混合ガス系に関して
は、触媒フィルタ層として例えばPtまたはPdなどの
貴金属触媒をアルミナ担体に担持した多孔質触媒フィル
タ層を設け、適度なセンサ温度を選択することにより、
CH4/H2混合ガス系においては、酸化し易いH2は感
知膜に到達する前に触媒フィルタ層で選択接触酸化し、
CH4のみ感知膜に到達するようにすることで、H2選択
性をもたすことが可能である。
【0006】上記のような原理で選択性を付与している
ため、当然、触媒フィルタ層の温度を昇温するため、触
媒フィルタ層は感知膜に接し、完全に被覆するように構
成される。センサ温度へ感知膜を昇温する予熱で触媒フ
ィルタ層を加熱し選択性を付与することが、構造上重要
となる。触媒フィルタ層の熱容量はセンサの消費電力と
関連するため、そのサイズは低消費電力化のためにはな
るべく小さい方が好ましい。すなわち、触媒フィルタ層
のサイズを小さくするため、触媒フィルタ層の触媒は高
活性で、しかも長期間安定な活性を維持できるものが望
まれている。
【0007】触媒フィルタ層は、微小な細孔が無数に存
在し、大きな比表面積を持ったアルミナ担体とそれに担
持された触媒からなっている。電池駆動ガスセンサでは
消費電力低減のため、触媒フィルタ層の体積は微小なほ
ど好ましいが、選択性を大きくするためにはより大きい
体積の方が好ましいというトレードオフの関係にある。
従来の触媒フィルタ層は、SnO2感知膜まで成膜した
ウエハに以下の方法で形成している。PdまたはPt触
媒を担持したアルミナ粉末(Pd(Pt)/アルミナ)
とシリカゾルなどの無機バインダーとエチルセルロース
などの有機バインダーおよびエチルカルビトールなどの
有機溶剤とを混合調製した印刷ペーストをスクリーン印
刷でSnO2感知膜上のウエハ所定位置に位置あわせし
て印刷し、室温で乾燥後、500℃で1時間焼き付けし
て形成している。
【0008】現状は100μm□のSnO2感知膜に対
し、φ200μm厚み30μmのサイズの触媒フィルタ
層を形成し、消費電力と選択性のバランスをとってい
る。電池駆動ガス警報器の寿命はセンサの消費電力(電
池寿命)により決まっており、上記触媒フィルタ層サイ
ズでも消費電力(電池寿命)から寿命は約5年となって
いる。電池駆動ガス警報器の寿命を5年よりさらに長寿
命化する、または電池容量に対するマージン確保のた
め、触媒活性の高い触媒フィルタ層を開発し、更なる消
費電力の低下が望まれている。また、長期寿命において
触媒活性の低下に伴う水素選択性の低下が認められてお
り、触媒活性の経時変化の少ない安定性の良い触媒フィ
ルタ層の開発も望まれている。したがって、この発明の
課題は、より活性で安定な触媒フィルタ層を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、請求項1の発明では、薄膜状の支持膜の外周ま
たは両端部をSi基板により支持し、外周部または両端
部が厚く、中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支
持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータを
電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成
し、さらに半導体薄膜によりガス感知膜を形成した後、
その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成し
た触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層を有
する薄膜ガスセンサにおいて、前記触媒フィルタ層を、
ガス感知膜を被覆する多孔質アルミナからなるフィルタ
層を形成する第1の工程と、前記フィルタ層へ触媒化合
物を含む溶液を含浸し、熱分解することにより、多孔質
アルミナ層に触媒を担持した触媒フィルタ層を形成する
第2の工程とにより形成することを特徴とする。
【0010】請求項1の発明においては、前記感知膜材
料が、SnO2を主成分とするものであることができ
(請求項2の発明)、請求項1または2の発明において
は、前記触媒溶液の含浸をウエハ丸ごと行なうことがで
きる(請求項3の発明)。請求項1ないし3のいずれか
の発明においては、前記触媒溶液の含浸を、ディスペン
サにより多孔質アルミナフィルタ層の空孔容積に相当す
る溶液を滴下して含浸させることができ(請求項4の発
明)、請求項1ないし4のいずれかの発明においては、
前記ヒータを、一定時間毎に極めて短い時間のみ電圧印
加を繰り返すパルス駆動とすることができ(請求項5の
発明)、請求項1ないし5のいずれかの発明において
は、前記触媒が、PdまたはPt、もしくはPdとPt
の混合物を主成分とする貴金属触媒であることができる
(請求項6の発明)。
【0011】請求項6の発明においては、前記Pd触媒
の含浸液がジニトロジアミンPd(化学式:Pd(Pd
(NO22(NH32)硝酸水溶液であることができ
(請求項7の発明)、または、前記Pt触媒の含浸液が
ジニトロジアミンPt(化学式:Pt(Pd(NO22
(NH32)硝酸水溶液であることができる(請求項8
の発明)。さらに、請求項1ないし5のいずれかの発明
においては、前記触媒が、Wを主成分とする卑金属触媒
であることができ(請求項9の発明)、または、前記触
媒が、Wを主成分とする卑金属触媒と貴金属触媒との混
合物であることができる(請求項10の発明)。上記請
求項9の発明においては、前記W触媒の含浸液がタング
ステン酸(H2WO4)水溶液であることができる(請求
項11の発明)。
【0012】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す構成図で、薄膜ガスセンサの断面構造を示す。
以下、図1を参照してその作成方法と構成を説明する。
まず、両面に熱酸化膜を0.3μm形成したSi基板1
の表面に、ダイアフラム構造の支持層2となるSiNと
SiO2膜を順次プラズマCVD法にてそれぞれ0.1
5μm,1μm形成する。この上に第1接合層としての
Taを0.05μm形成後、連続してヒータ層3として
PtW(Pt+4wt%W)膜を0.5μm形成し、さ
らに連続して第2接合層としてのTaを0.05μm形
成する。成膜はRFマグネトロンスパッタリング装置を
用い、通常のスパッタリング方法によって行なう。成膜
温度は100℃、成膜パワーは100W、成膜圧力は1
Paである。
【0013】その後、微細加工によりヒータパターンを
形成する。ウェットエッチングのエッチャントとしてT
aには水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液、Ptには
王水をそれぞれ90℃に加熱して用いた。さらに、Si
2絶縁膜4をスパッタ法により1.0μm形成した
後、微細加工により図示されていないヒータの電極パッ
ド部分をHF(フッ化水素)にてエッチングし、窓明け
後に導通の確保とワイヤボンディング性を向上させるた
め、第2接合層Taは水酸化ナトリウムと過酸化水素混
合液で除去する。次に、下地のSiO2との密着性向上
のための中間層を0.05μm形成後、連続してPt感
知膜電極を0.2μm成膜する。
【0014】成膜はRFマグネトロンスパッタリング装
置を用い、通常のスパッタリング方法によって行なう。
成膜温度は100℃、成膜パワーは100W、成膜圧力
は1Paである。その後、ヒータ層と同様ウェットエッ
チにより一対の感知膜SnO 2の抵抗測定用感知膜電極
5をパターニングする。さらに、この上部にガスの感知
膜6として、スパッタでSnO2をレジストリフトオフ
法により形成する。SnO2感知膜のサイズは100μ
m□で、成膜条件は300W、1Pa、Ar+O2中1
00℃で、膜厚は2μmである。
【0015】つづいて、この発明に係る選択燃焼層(触
媒フィルタ層)7を形成する。図2に触媒フィルタ層7
の形成に関し、この発明によるプロセスフローと、比較
のためのプロセスフローとを示す。まず、この発明のプ
ロセスフロー(図2左側)について、Pd触媒を用いた
例で説明する。良く乾燥した平均粒径2〜3μmのγ−
アルミナ担体粉末(100g)にシリカゾル(15g)
とエチルセルロース(45g)およびエチルカルビトー
ル(40g)を混ぜ(図2参照)、良く混合する(図
2参照)。混合物であるペーストの粘度は約100ポ
イズとなる。その後スクリーン印刷機で選択印刷マスク
の開口部(φ200μm)をウエハ上の100μm□S
nO2感知膜の位置に合わせ、感知膜を完全に被覆する
ようにφ200μmで、厚み18μmのサイズにペース
トを印刷する(図2参照)。室温で30分乾燥後、電
気炉で300℃/時間で昇温し、600℃×1時間焼成
し、焼付け後(図2参照)、炉冷し触媒無しの多孔質
アルミナフィルタ層を形成する(図2参照:模式断面
図もあわせて示す)。多孔質アルミナフィルタ層の空孔
率は約50%となる。この時点でフィルタ層サイズは厚
みが3μm減少し、15μmとなる。
【0016】次に、7wt%のPdを含むジニトロジア
ミンPd硝酸水溶液中に多孔質アルミナフィルタ層を形
成したウエハを10分浸漬し、アルミナ層の細孔にジニ
トロジアミンPd硝酸水溶液を含浸する(図2参
照)。取り出したウエハ表面に余分に付着したジニトロ
ジアミンPd硝酸水溶液をN2ブローなどで吹き飛ばす
(図2参照)。このとき、アルミナ層の細孔に含浸さ
れたジニトロジアミンPd硝酸水溶液は毛細管力で保持
されており、N2ブローなどで飛散することはない。そ
の後、ウエハを電気炉で空気気流中150℃で60分乾
燥後、さらに空気気流中で500℃×1時間熱分解しP
dを担持する(図2参照)。さらにもう一度含浸から
同様に行ない(図2〜参照)、7wt%Pdを担持
した多孔質アルミナ(7wt%Pd/アルミナ)からな
る触媒フィルタ層(図2参照:模式断面図もあわせて
示す)を得る。Pdは空気気流中で分解しているため、
大部分がPdOとなっている。このようにして試作した
素子をAと呼ぶ。
【0017】比較のために、従来法(前含浸法)でセン
サBを試作する(図2の右側プロセスフロー参照)。こ
の発明との差異は触媒フィルタ層の形成工程のみであ
る。良く乾燥した平均粒径2〜3μmのγ−アルミナ担
体粉末(100g)を7wt%Pdを含むジニトロジア
ミンPd硝酸水溶液に10分浸漬する(図2の右側参
照)。細かい目のろ紙でジニトロジアミンPd硝酸水溶
液が含浸されたγ−アルミナ担体粉末をろ過し取り出す
(図2の右側参照)。ジニトロジアミンPd硝酸水溶
液が含浸されたγ−アルミナ担体粉末を電気炉で空気気
流中で150℃,60分乾燥後、さらに空気気流中で5
00℃×1時間分解しPdを担持する(図2参照)。
同様なことをもう一度繰り返し(図2右側〜参
照)、7wt%Pdを担持したアルミナ粉末(7wt%
Pd/アルミナ)を得る(図2参照)。こうして得た
7wt%Pdを担持したアルミナ粉末(7wt%Pd/
アルミナ)にシリカゾル(15g)とエチルセルロース
(45g)およびエチルカルビトール(40g)を混ぜ
(図2右側参照)、良く混合する(図2参照)。混
合物であるペーストの粘度は約100ポイズとなる。
【0018】その後スクリーン印刷機で選択印刷マスク
の開口部(φ200μm)をウエハ上の100μm□S
nO2感知膜の位置に合わせ、感知膜を完全に被覆する
ようにφ200μmで、厚み35μmのサイズにペース
トを印刷する(図2参照)。室温で30分に乾燥後、
電気炉で300℃/時間で昇温し、600℃×1時間焼
成し、焼付け後(図2参照)、炉冷しφ200μm
で、印刷膜厚より5μm減少した厚み30μmの触媒フ
ィルタ層を形成する(図2参照:模式断面図もあわせ
て示す)。この段階で触媒フィルタ層の色,形状などマ
クロな状態としては、この発明のように形成した触媒フ
ィルタ層と何ら差異はない。最後に、基板裏面よりエッ
チングによりSiを除去し、ダイアフラム構造とする。
【0019】このようにして試作した素子をBとする。
さらに、比較のため前含浸法で、この発明と同一サイズ
になるようにφ200μmで厚み15μmの触媒フィル
タ層を形成した素子Cを試作した。ここで、ヒータ層
(Ta/PtW/Ta)と感知膜電極(Ta/Pt)の
パターニングの際には、きのこのかさ状に形成された二
種のメタル層をマスクとした一種のリフトオフ法を用い
ても良い。
【0020】以上のようにして作製された薄膜ガスセン
サA,B,Cの特性を示す。表1はこの発明の後含浸法
で試作したセンサAと、従来の前含浸法で試作したセン
サBと、比較のためのセンサAと同一サイズの触媒フィ
ルタを従来の前含浸法で試作したセンサCの水素選択性
の経時変化を示す。試験はパルス通電(試験条件3V/
50mW通電 100msecオン、1secオフ(通
電時ヒータ温度450℃))を500,1000,20
00万回繰り返した後の、20℃,60%RH(相対湿
度)でのH2選択性(CH4感度/H2感度:2000p
pmCH4/空気中とH21000ppm/空気中の感度
比)を示す。実用的にはH2選択性>2であることが望
まれている。
【0021】
【表1】
【0022】表1からこの発明による素子Aが優れたH
2選択性を持ち、長期間に亘り高いH2選択性を維持して
いる事が分かる。それに比べ素子Bでは選択層厚みがA
の約2倍にも関わらず、Aに比べ当初よりH2選択性が
悪く、また長期間の試験でその低下の激しい事が分か
る。また、触媒フィルタ層サイズをAと同一にした素子
Cでは当初よりH2選択性が低く、しかも長期間の試験
でその低下が激しいため、5年相当のパルス通電回数2
000万回で目標値であるH2選択比「2」を相当下回
ってしまうことが分かる、素子Aの触媒フィルタ層の体
積は素子Bの半分以下であるにもかかわらず、素子Bと
同等以上の水素選択性を有する。すなわち、熱容量は半
分以下となり消費電力も相当な低下を図ることが可能に
なり、素子Aでは同一の電池容量でも寿命5年以上に対
して相当マージンを持つことが可能となる。
【0023】TEM(透過型電子顕微鏡)で素子の触媒
粒径をみると、素子A,B,Cで3〜4nmとあまり差
異は認められないが、高倍率のFE−SEM(フィール
ドエミッション型走査型電子顕微鏡)で触媒部を拡大比
較すると、素子B,Cでは触媒が無機バインダー(シリ
カゾル)が焼結してできたシリカにより被覆されている
ように見えるのが認められる。その状態を説明するた
め、図3にこの発明と従来方法で作製した触媒フィルタ
のPd触媒の状態を比較模式図で示す。この発明の触媒
フィルタ層ではAl23担体のみばかりでなく、シリカ
ゾルの焼結で析出した微細なシリカの上にもPd触媒が
担持される。一方、従来方法においては担持されたPd
触媒がシリカゾルの焼結で析出した微細なシリカにより
被覆され、触媒活性が低下/消失する。
【0024】前含浸法で試作した素子B,Cで当初のH
2選択性が素子Aより劣るのは、上記のように、担持さ
れた触媒の一部がシリカにより被覆され、無効な触媒成
分に変質したことが理由と考えられる。素子B,CでH
2選択性の長期試験での経時的低下については良く分か
らないが、やはり無機バインダー(シリカゾル)が焼結
してできたシリカによる触媒の被覆の影響がでているも
のと推定される。なお、触媒としてPdを例に説明した
が、Ptでも同様の効果が得られる。また、その化合物
であるPd/Pt合金でも良い。また、これまで貴金属
触媒を担持した触媒フィルタについて説明してきたが、
2に対して酸化活性の高いWなどの卑金属触媒を用い
ても同様の効果が得られる。Wの含浸液としてはタング
ステン酸(H2WO4)水溶液を含浸液として用い、50
0℃〜600℃×1時間(空気気流中)で分解すること
で、酸化活性の高いWOxが得られる。なお、Wと貴金
属触媒の混合触媒にしても同様の効果が得られる。さら
に、ここではジニトロジアミンPd硝酸水溶液を用いた
が、塩化Pd(PdCl2)の塩酸酸性水溶液を用いて
も良い。さらに、無機バインダーとしてシリカゾルを用
いたが、アルミナゾルでも良い。
【0025】また、多孔質アルミナフィルタ層へのジニ
トロジアミンPd硝酸水溶液の含浸は、ウエハ丸ごとジ
ニトロジアミンPd硝酸水溶液へ浸漬したが、ディスペ
ンサなどで多孔質アルミナフィルタ層の空孔容積に相当
する容量を滴下し含浸させても良いことは勿論である。
発明による方法では、余分に付着したジニトロジアミン
Pd硝酸水溶液をN2ブローなどで吹き飛ばす必要がな
くなる。
【0026】
【発明の効果】この発明によれば、後含浸法でPdを担
持した高活性な触媒フィルタ層を有する素子は、優れた
2選択性を長期にわたり維持する。また、フィルタ層
の触媒活性が高いため、触媒フィルタ層の体積を従来
(前含浸法)の半分以下にすることが可能であり、熱容
量の低下に伴う消費電力の低減も可能であり、5年以上
の警報器の寿命に対するマージンを大きくとれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】この発明による触媒フィルタ層の形成方法につ
き、従来例と対比して説明するための説明図である。
【図3】この発明による触媒の状態について、従来例と
対比して説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…Si基板(ダイアフラム)、2…支持層、3…ヒー
タ、4…絶縁膜、5…感知膜電極、6…感知膜、7…触
媒フィルタ層(選択燃焼層)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 檜垣 勝己 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 佐々木 博一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 大西 久男 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 国原 健二 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 小林 光男 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 松原 健 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 卓弥 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 荻野 慎次 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 2G046 AA01 AA02 AA11 AA19 AA21 AA24 BA01 BA04 BB02 BB06 BC04 BD02 BD05 BD06 BE01 BE07 EA02 EA07 EA09 EA10 EA11 EA16 FB01 FC01 FC02 FE03 FE29 FE31 FE39 FE46 5C086 AA02 CA04 CB12 DA04 EA02 EA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜状の支持膜の外周または両端部をS
    i基板により支持し、外周部または両端部が厚く、中央
    部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜
    のヒータを形成し、この薄膜のヒータを電気絶縁膜で覆
    い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに半導
    体薄膜によりガス感知膜を形成した後、その最表面にガ
    ス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔
    質アルミナからなる触媒フィルタ層を有する薄膜ガスセ
    ンサにおいて、 前記触媒フィルタ層を、ガス感知膜を被覆する多孔質ア
    ルミナからなるフィルタ層を形成する第1の工程と、前
    記フィルタ層へ触媒化合物を含む溶液を含浸し、熱分解
    することにより、多孔質アルミナ層に触媒を担持した触
    媒フィルタ層を形成する第2の工程とにより形成するこ
    とを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記感知膜材料が、SnO2を主成分と
    するものであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜
    ガスセンサ。
  3. 【請求項3】 前記触媒溶液の含浸をウエハ丸ごと行な
    うことを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜ガス
    センサ。
  4. 【請求項4】 前記触媒溶液の含浸を、ディスペンサに
    より多孔質アルミナフィルタ層の空孔容積に相当する溶
    液を滴下して含浸させることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の薄膜ガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記ヒータを、一定時間毎に極めて短い
    時間のみ電圧印加を繰り返すパルス駆動とすることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のに記載の
    薄膜ガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記触媒が、PdまたはPt、もしくは
    PdとPtの混合物を主成分とする貴金属触媒であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の薄
    膜ガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記Pd触媒の含浸液がジニトロジアミ
    ンPd(化学式:Pd(Pd(NO22(NH32)硝
    酸水溶液であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜
    ガスセンサ。
  8. 【請求項8】 前記Pt触媒の含浸液がジニトロジアミ
    ンPt(化学式:Pt(Pd(NO22(NH32)硝
    酸水溶液であることを特徴とする請求項6に記載の薄膜
    ガスセンサ。
  9. 【請求項9】 前記触媒が、Wを主成分とする卑金属触
    媒であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    に記載の薄膜ガスセンサ。
  10. 【請求項10】 前記触媒が、Wを主成分とする卑金属
    触媒と貴金属触媒との混合物であることを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜ガスセンサ。
  11. 【請求項11】 前記W触媒の含浸液がタングステン酸
    (H2WO4)水溶液であることを特徴とする請求項9に
    記載の薄膜ガスセンサ。
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