以下に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施形態においては、本明細書にかかる表示装置または半導体装置の駆動方法によって、動画ボケを低減する方法の一例について説明する。
本実施形態では、入力される画像データのフレームレート(1秒間あたりのフレームの数:単位Hz)(入力フレームレートとも記す)と、表示のフレームレート(表示フレームレートとも記す)を比較したときに、表示フレームレートが、入力フレームレートよりも大きい場合について、主に取り扱う。具体的には、入力フレームレートが60Hzであるとき、表示フレームレートは90Hz、120Hzまたは180Hzであってもよい。また、入力フレームレートが50Hzであるとき、表示フレームレートは75Hz、100Hzまたは150Hzであってもよい。ただし、これに限定されず、様々な入力フレームレートおよび表示フレームレートを用いることができる。
入力のフレームレートが、表示フレームレートよりも大きい場合ならば、入力される画像データの一部を破棄することで表示フレームレートを満足させることができる。しかし、本実施形態のように、表示フレームレートが、入力フレームレートよりも大きい場合は、入力される画像データだけでは表示フレームレートを満足させることができない。このとき、入力される画像データを何らかの方法によって補間することで、表示フレームレートを満足させることができる。
本明細書においては、入力フレームレートに従って表示される画像のことを基本画像と呼び、基本画像を補間するために作成された画像を補間画像と呼ぶことにする。補間画像を作成する方法としては、フレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該フレームと次のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とする方法、基本画像をそのまま補間画像とする方法、基本画像の輝度にある係数をかけた画像を補間画像とする方法、などがある。
ここで、中間状態の画像とは、複数の画像データの違いを画像の動きとしたとき、動きの範囲内で予想される画像のことである。すなわち、複数の画像データの違いから内挿によって求められた画像データを持つ画像を、中間状態の画像と呼ぶことにする。
ここで、補間画像と中間状態の画像の違いを明確にしておく。補間画像とは、入力フレームレートと表示フレームレートの違いを補間するため、基本画像の間に挿入される画像のことであり、そこに含まれる画像データは特に限定されない。一方、中間状態の画像は、内挿によって求められた画像データを持つ画像のことである。すなわち、入力フレームレートと表示フレームレートの違いを補間する場合、補間画像として中間状態の画像を用いることもできるし、他の画像を用いることもできる。
なお、複数の画像データの違いから内挿によって中間状態の画像を求めることを、動き補償と呼ぶことにする。
本実施形態では、フレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該フレームと次のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法について説明する。
まず、図1を参照して、動画ボケを低減する方法の一例ついて説明する。図1(A)乃至(C)に示す方法においては、各画像上の円形の領域がフレームによって位置が変化する領域であり、画像上の三角形の領域がフレームによって位置がほぼ変化しない領域であるとしている。ただし、これは説明のための一例であり、表示される画像はこれに限定されない。図1(A)乃至(C)の方法は、様々な画像に対して適用することができる。
図1(A)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍である場合を表している。図1(A)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像101は前フレームの基本画像、第2の画像102は前フレームの補間画像、第3の画像103は当該フレームの基本画像、第4の画像104は当該フレームの補間画像、第5の画像105は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。
ここで、第2の画像102は、第1の画像101から第3の画像103までの画像の変化量(すなわち、画像が動いている量)を検出することで、第1の画像101および第3の画像103の中間状態となるように作成された画像である。図1(A)では、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)の、中間状態の画像の様子を表している。すなわち、第2の画像102における円形の領域の位置は、第1の画像101における位置と、第3の画像103における位置の中間の位置としている。つまり、第2の画像102は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
さらに、第2の画像102は、第1の画像101および第3の画像103の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、たとえば、図1(A)のように、第1の画像101の代表的な輝度をL、第2の画像102の代表的な輝度をLcとしたとき、L>Lcが好ましい。また、望ましくは、0.1L<Lc<0.8Lであり、さらに望ましくは、0.2L<Lc<0.5Lである。このような輝度に制御することで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
なお、画像の代表的な輝度については、後に図3を参照して詳しく述べる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
さらに、補間画像である第4の画像104についても、基本画像である第3の画像103および第5の画像105から同様な方法を用いて作成されてもよい。すなわち、第4の画像104は、第3の画像103から第5の画像105までの画像の変化量を検出することで、第3の画像103および第5の画像105の中間状態となるように作成された画像であって、さらに、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。
図1(B)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍である場合を表している。図1(B)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像111は前フレームの基本画像、第2の画像112は前フレームの第1の補間画像、第3の画像113は前フレームの第2の補間画像、第4の画像114は当該フレームの基本画像、第5の画像115は当該フレームの第1の補間画像、第6の画像116は当該フレームの第2の補間画像、第7の画像117は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。
ここで、第2の画像112および第3の画像113は、第1の画像111から第4の画像114までの画像の変化量を検出することで、第1の画像111および第4の画像114の中間状態となるように作成された画像であってもよい。図1(B)では、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)の、中間状態の画像の様子を表している。すなわち、第2の画像112および第3の画像113における円形の領域の位置は、第1の画像111における位置と、第4の画像114における位置の中間の位置としている。具体的には、第1の画像111および第4の画像114から検出した、円形の領域が移動する量(即ち、画像の変化量)をXとしたとき、第2の画像112における円形の領域の位置は、第1の画像111における位置から、(1/3)X程度変位した位置であっても良い。さらに、第3の画像113における円形の領域の位置は、第1の画像111における位置から、(2/3)X程度変位した位置であっても良い。つまり、第2の画像112および第3の画像113は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することにより、なめらかな表示を行なうことができる。
さらに、第2の画像112および第3の画像113は、第1の画像111および第4の画像114の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、たとえば、図1(B)のように、第1の画像111の代表的な輝度をL、第2の画像112の代表的な輝度をLc1、第3の画像113の代表的な輝度をLc2としたとき、L、Lc1、Lc2において、L>Lc1またはL>Lc2またはLc1=Lc2という関係が好ましい。また、望ましくは、0.1L<Lc1=Lc2<0.8Lであり、さらに望ましくは、0.2L<Lc=Lc2<0.5Lであるこのような輝度に制御することで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
さらに、補間画像である第5の画像115および第6の画像116についても、基本画像である第4の画像114および第7画像117から同様な方法を用いて作成されてもよい。すなわち、第5の画像115および第6の画像116は、第4の画像114から第7画像117までの画像の変化量を検出することで、第4の画像114および第7画像117の中間状態となるように作成された画像であって、さらに、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。
図1(B)の方法を用いると、表示フレームレートが大きいので、画像の動きが目の動きによく追従できるようになり、画像の動きをなめらかに表示することができるため、動画ボケを大幅に低減することができる。
図1(C)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの1.5倍である場合を表している。図1(C)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像121は前フレームの基本画像、第2の画像122は第1の補間画像、第3の画像123は第2の補間画像、第4の画像124は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。なお、実際には表示されなくてもよいが、入力された画像データである第5の画像125は当該フレームの基本画像であり、第2の画像122および第3の画像123が作成されるために用いられてもよい。
ここで、第2の画像122および第3の画像123は、第1の画像121から第5の画像125を経由して第4の画像124までの画像の変化量を検出することで、第1の画像121および第4の画像124の中間状態となるように作成された画像であってもよい。図1(C)では、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)の、中間状態の画像の様子を表している。すなわち、第2の画像122および第3の画像123における円形の領域の位置は、第1の画像121における位置と、第4の画像124における位置の中間の位置としている。つまり、第2の画像122および第3の画像123は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することにより、なめらかな表示を行なうことができる。
さらに、第2の画像122および第3の画像123は、第1の画像121および第4の画像124の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、たとえば、図1(C)のように、第1の画像121の代表的な輝度をL、第2の画像122の代表的な輝度をLc1、第3の画像123の代表的な輝度をLc2としたとき、L、Lc1、Lc2において、L>Lc1またはL>Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L<Lc1=Lc2<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc=Lc2<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、図1(C)の方法を用いると、表示フレームレートが小さいので、表示装置に信号を書き込む時間を長くすることができる。そのため、表示装置のクロック周波数をが小さくできるので、消費電力を低減することができる。また、動き補償を行なう処理速度を遅くできるので、消費電力を低減することができる。
次に、図2を参照して、動画ボケを低減する方法の一例ついて説明する。図2(A)乃至(C)に示す方法は、図1(A)乃至(C)に示す方法とは、画像の輝度を制御する方法が異なっている。
図2(A)に示す方法において、期間100は1フレーム期間、第1の画像201は前フレームの基本画像、第2の画像202は前フレームの補間画像、第3の画像203は当該フレームの基本画像、第4の画像204は当該フレームの補間画像、第5の画像205は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第1の画像201、第2の画像202、第3の画像203、第4の画像204、第5の画像205は、それぞれ、図1(A)の第1の画像101、第2の画像102、第3の画像103、第4の画像104、第5の画像105に対応し、図1(A)と同様の方法を用いてそれぞれの画像を表示してもよい。
ただし、図2(A)に示す方法は、画像の輝度を制御する方法が異なっている。すなわち、第2の画像202を、第1の画像201および第3の画像203の中間状態となるように作成した上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像としても良い。一定の規則とは、たとえば、図2(A)のように、第1の画像201の代表的な輝度をL、第2の画像202の代表的な輝度をLcとしたとき、L、Lcにおいて、L<Lcという関係が好ましい。また、望ましくは、1.1L<Lc<1.8Lであり、さらに望ましくは、1.2L<Lc<1.5Lである。図1(A)においては、補間画像の輝度のほうが基本画像の輝度よりも小さい場合を示したが、図2(A)に示すように両者が示す輝度の大きさの関係は逆であっても良い。すなわち、図2(A)のように、補間画像の輝度のほうが基本画像の輝度よりも大きい場合においても、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、第2の画像202および第4の画像204の代表的な輝度を変化させず、第1の画像201、第3の画像203および第5の画像205の代表的な輝度を小さくしてもよい。具体的には、L、Lcにおいて、L<Lcという関係であってもよい。望ましくは、0.1Lc<L<0.8Lcという関係であってもよい。さらに望ましくは、0.2Lc<L<0.5Lcという関係であってもよい。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
図2(B)に示す方法において、期間100は1フレーム期間、第1の画像211は前フレームの基本画像、第2の画像212は前フレームの第1の補間画像、第3の画像213は前フレームの第2の補間画像、第4の画像214は当該フレームの基本画像、第5の画像215は当該フレームの第1の補間画像、第6の画像216は当該フレームの第2の補間画像、第7の画像217は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第1の画像211、第2の画像212、第3の画像213、第4の画像214、第5の画像215、第6の画像216、第7の画像217は、それぞれ、図1(B)に示す方法における、第1の画像111、第2の画像112、第3の画像113、第4の画像114、第5の画像115、第6の画像116、第7の画像117と対応するとし、同様の方法を用いてもよい。
ただし、図2(B)に示す方法は、画像の輝度を制御する方法が異なっている。すなわち、第2の画像212および第3の画像213を、第1の画像211および第4の画像214の中間状態となるように作成した上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像としてもよい。一定の規則とは、たとえば、図2(B)のように、第1の画像211の代表的な輝度をL、第2の画像212の代表的な輝度をLc1、第3の画像213の代表的な輝度をLc2としたとき、L、Lc1、Lc2において、L<Lc1またはL<Lc2またはLc1=Lc2という関係であってもよい。望ましくは、1.1L<Lc1=Lc2<1.8Lという関係であってもよい。さらに望ましくは、1.2L<Lc1=Lc2<1.5Lという関係であってもよい。図1(B)においては、補間画像の輝度のほうが基本画像の輝度よりも小さい場合を示したが、図2(A)に示すように両者が示す輝度の大きさの関係は逆であっても良い。すなわち、図2(B)のように、補間画像の輝度のほうが基本画像の輝度よりも大きい場合においても、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、第2の画像212、第3の画像213、第5の画像215および第6の画像216の代表的な輝度は変化させず、第1の画像211、第4の画像214および第7の画像217の代表的な輝度を小さくしてもよい。具体的には、L、Lc1、Lc2において、L<Lc1またはL<Lc2またはLc1=Lc2という関係が好ましい。また、望ましくは、0.1Lc1=0.1Lc2<L<0.8Lc1=0.8Lc2という関係であってもよい。さらに望ましくは、0.2Lc1=0.2Lc2<L<0.5Lc1=0,5Lc2という関係であってもよい。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
図2(C)に示す方法において、期間100は1フレーム期間、第1の画像221は前フレームの基本画像、第2の画像222は第1の補間画像、第3の画像223は第2の補間画像、第4の画像224は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第1の画像221、第2の画像222、第3の画像223、第4の画像224は、それぞれ、図1(C)に示す方法における、第1の画像121、第2の画像122、第3の画像123、第4の画像124と対応するとし、同様の方法を用いてもよい。
ただし、図2(C)に示す方法は、画像の輝度を制御する方法が異なっている。すなわち、第2の画像222および第3の画像223を、第1の画像221および第4の画像224の中間状態となるように作成した上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像としても良い。一定の規則とは、たとえば、図2(C)のように、第1の画像221の代表的な輝度をL、第2の画像222の代表的な輝度をLc1、第3の画像223の代表的な輝度をLc2としたとき、L、Lc1、Lc2において、L<Lc1またはL<Lc2またはLc1=Lc2という関係が好ましい。また、望ましくは、1.1L<Lc1=Lc2<1.8Lという関係であってもよい。さらに望ましくは、1.2L<Lc1=Lc2<1.5Lという関係であってもよい。図1(C)においては、補間画像の輝度のほうが基本画像の輝度よりも小さい場合を示したが、図2(C)に示すように両者が示す輝度の大きさの関係は逆であっても良い。すなわち、図2(C)のように、補間画像の輝度のほうが基本画像の輝度よりも大きい場合においても、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、第2の画像222および第3の画像223の代表的な輝度は変化させず、第1の画像221および第4の画像224の代表的な輝度を小さくしてもよい。具体的には、L、Lc1、Lc2において、L<Lc1またはL<Lc2またはLc1=Lc2という関係であってもよい。望ましくは、0.1Lc1=0.1Lc2<L<0.8Lc1=0.8Lc2という関係であってもよい。さらに望ましくは、0.2Lc1=0.2Lc2<L<0.5Lc1=0,5Lc2という関係であってもよい。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
次に、図3を参照して、画像の代表的な輝度について説明する。図3(A)乃至(D)に示す図は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。図3(E)は、ある領域内の画像の輝度を測定する方法の一例である。
図3(A)は、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)の輝度を、画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間100は1フレーム期間、第1の画像301は前フレームの基本画像、第2の画像302は前フレームの補間画像、第3の画像303は当該フレームの基本画像、第1の領域304は第1の画像301における輝度測定領域、第2の領域305は第2の画像302における輝度測定領域、第3の領域306は第3の画像303における輝度測定領域を、それぞれ表している。
画像の代表的な輝度を用いることで、表示が擬似的にインパルス型に近づいているかどうかを判断することができる。第1の領域304で測定される輝度をL、第2の領域305で測定される輝度をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型に近づいているといえるので、動画ボケは低減されていると判断することができる。
なお、第1の領域304および第3の領域306で測定される輝度に対する、第2の領域305で測定される輝度については、次のような範囲であることが望ましい。動画ボケを低減する観点から判断すると、第2の領域305で測定される輝度は、第1の領域304および第3の領域306のいずれか一方で測定される輝度の80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは50%以下である。さらに、消費電力を低減する、またはフリッカを抑える観点から判断すると、第2の領域305で測定される輝度は、第1の領域304および第3の領域306のいずれか一方で測定される輝度の10%以上であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上である。つまり、第2の領域305で測定される輝度の範囲は、第1の領域304および第3の領域306のいずれか一方で測定される輝度に対し、10%以上80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上50%以下である。
図3(B)は、タイル状に分割された領域の輝度を測定し、その平均値を画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間100は1フレーム期間、第1の画像311は前フレームの基本画像、第2の画像312は前フレームの補間画像、第3の画像313は当該フレームの基本画像、第1の領域314は第1の画像311における輝度測定領域、第2の領域315は第2の画像312における輝度測定領域、第3の領域316は第3の画像313における輝度測定領域を、それぞれ表している。
画像の代表的な輝度を用いることで、表示が擬似的にインパルス型に近づいているかどうかを判断することができる。第1の領域314で測定される輝度の全ての領域における平均値をL、第2の領域315で測定される輝度の全ての領域における平均値をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型に近づいているといえるので、動画ボケは低減されていると判断することができる。
なお、第1の領域314および第3の領域316で測定される輝度に対する、第2の領域315で測定される輝度については、次のような範囲であることが望ましい。動画ボケを低減する観点から判断すると、第2の領域315で測定される輝度は、第1の領域314および第3の領域316で測定される輝度の80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは50%以下である。さらに、消費電力を低減する、またはフリッカを抑える観点から判断すると、第2の領域315で測定される輝度は、第1の領域314および第3の領域316で測定される輝度の10%以上であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上である。つまり、第1の領域314および第3の領域316で測定される輝度に対する、第2の領域315で測定される輝度の範囲は、10%以上80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上50%以下である。
図3(C)は、画像の中央の領域の輝度を測定し、その平均値を画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間100は1フレーム期間、第1の画像321は前フレームの基本画像、第2の画像322は前フレームの補間画像、第3の画像323は当該フレームの基本画像、第1の領域324は第1の画像321における輝度測定領域、第2の領域325は第2の画像322における輝度測定領域、第3の領域326は第3の画像323における輝度測定領域を、それぞれ表している。
画像の代表的な輝度を用いることで、表示が擬似的にインパルス型に近づいているかどうかを判断することができる。第1の領域324で測定される輝度をL、第2の領域325で測定される輝度をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型に近づいているといえるので、動画ボケは低減されていると判断することができる。
なお、第1の領域324および第3の領域326で測定される輝度に対する、第2の領域325で測定される輝度については、次のような範囲であることが望ましい。動画ボケを低減する観点から判断すると、第2の領域325で測定される輝度は、第1の領域324および第3の領域326で測定される輝度の80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは50%以下である。さらに、消費電力を低減する、またはフリッカを抑える観点から判断すると、第2の領域325で測定される輝度は、第1の領域324および第3の領域326で測定される輝度の10%以上であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上である。つまり、第1の領域324および第3の領域326で測定される輝度に対する、第2の領域325で測定される輝度の範囲は、10%以上80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上50%以下である。
図3(D)は、画像全体からサンプリングした複数の点の輝度を測定し、その平均値を画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間100は1フレーム期間、第1の画像331は前フレームの基本画像、第2の画像332は前フレームの補間画像、第3の画像333は当該フレームの基本画像、第1の領域334は第1の画像331における輝度測定領域、第2の領域335は第2の画像332における輝度測定領域、第3の領域336は第3の画像333における輝度測定領域を、それぞれ表している。
画像の代表的な輝度を用いることで、表示が擬似的にインパルス型に近づいているかどうかを判断することができる。第1の領域334で測定される輝度の全ての領域における平均値をL、第2の領域335で測定される輝度の全ての領域における平均値をLcとしたとき、Lc < Lであれば、表示は擬似的にインパルス型に近づいているといえるので、動画ボケは低減されていると判断することができる。
なお、第1の領域334および第3の領域336で測定される輝度に対する、第2の領域335で測定される輝度については、次のような範囲であることが望ましい。動画ボケを低減する観点から判断すると、第2の領域335で測定される輝度は、第1の領域334および第3の領域336で測定される輝度の80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは50%以下である。さらに、消費電力を低減する、またはフリッカを抑える観点から判断すると、第2の領域335で測定される輝度は、第1の領域334および第3の領域336で測定される輝度の10%以上であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上である。つまり、第1の領域334および第3の領域336で測定される輝度に対する第2の領域335で測定される輝度の範囲は、10%以上80%以下であることが望ましく、さらに望ましくは20%以上50%以下である。
図3(E)は、図3(A)乃至(D)に示す図において、輝度測定領域内の測定方法を示した図である。領域341は注目している輝度測定領域、点342は輝度測定領域である領域341内の輝度測定点である。時間分解能の高い輝度計測機器は、その測定対象範囲が小さい場合があるため、領域341が大きい場合は、領域全てを測定するのではなく、図3(E)のように、領域341内を点状で偏り無く、複数の点で測定し、その平均値をもって領域341の輝度であるとしてもよい。
なお、画像がR、G、Bの3原色の組み合わせを持つ場合は、測定される輝度は、R、G、Bを合わせた輝度であってもよいし、RおよびGを合わせた輝度、GおよびBを合わせた輝度、BおよびRを合わせた輝度であってもよいし、R、G、Bそれぞれの輝度であってもよい。
なお、本実施形態で述べた内容は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施形態においては、本明細書にかかる表示装置または半導体装置の駆動方法によって、フレーム間の画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する方法、およびフレーム間の画像の動き等に従って駆動方法を制御する方法について説明する。
図4を参照して、フレーム間の画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する方法の例について説明する。図4(A)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍である場合を表したものである。図4(A)は、横軸を時間として、画像の動きを検出する方法を、模式的に表したものである。期間100は1フレーム期間、第1の画像401は前フレームの基本画像、第2の画像402は補間画像、第3の画像403は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。また、画像中に、時間に依存しない領域として、第1の領域404、第2の領域405および第3の領域406を設ける。
まず、第3の画像403においては、画像をタイル状の複数の領域に分割し、そのうちの1つの領域である第3の領域406内の画像データに着目する。
次に、第1の画像401において、第3の領域406を中心とした第3の領域406よりも大きな範囲に着目する。ここで、第3の領域406を中心とした第3の領域406よりも大きな範囲は、データ検索範囲である。データ検索範囲は、水平方向(X方向)の範囲を407、垂直方向(Y方向)の範囲を408とする。なお、データ検索範囲の水平方向の範囲407および垂直方向の範囲408は、第3の領域406の水平方向の範囲および垂直方向の範囲を、それぞれ15画素分程度拡大した範囲であってもよい。
そして、データ検索範囲内において、前記第3の領域406内の画像データと最も類似した画像データを持つ領域を検索する。検索方法は、最小二乗法などを用いることができる。検索の結果、最も類似した画像データを持つ領域として、第1の領域404が導出されたとする。
次に、導出された第1の領域404と、第3の領域406との位置の違いを表す量として、ベクトル409を導出する。なお、ベクトル409を、動きベクトルと呼ぶことにする。
そして、第2の画像402においては、動きベクトル409から求めたベクトル410と、第3の画像403における第3の領域406内の画像データと、第1の画像401における第1の領域404内の画像データと、によって、第2の領域405を形成する。
ここで、動きベクトル409から求めたベクトル410を変位ベクトルと呼ぶことにする。変位ベクトル410は、第2の領域405を形成する位置を決める役割を持つ。第2の領域405は、第3の領域406から変位ベクトル410だけ離れた位置に形成される。なお、変位ベクトル410は、動きベクトル409に(1/2)をかけた量であってもよい。
第2の画像402における第2の領域405内の画像データは、第3の画像403における第3の領域406内の画像データと、第1の画像401における第1の領域404内の画像データによって決められるとしてもよい。たとえば、第2の画像402における第2の領域405内の画像データは、第3の画像403における第3の領域406内の画像データと、第1の画像401における第1の領域404内の画像データの平均値であってもよい。
このようにして、第3の画像403における第3の領域406に対応する、第2の画像402における第2の領域405を形成することができる。なお、以上の処理を、第3の画像403における他の領域にも行なうことで、第3の画像403と第1の画像401の中間状態となる、第2の画像402を形成することができる。
図4(B)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍である場合を表したものである。図4(B)は、横軸を時間として、画像の動きを検出する方法を、模式的に表したものである。期間100は1フレーム期間、第1の画像411は前フレームの基本画像、第2の画像412は第1の補間画像、第3の画像413は第2の補間画像、第4の画像414は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。また、画像中に、時間に依存しない領域として、第1の領域415、第2の領域416、第3の領域417および第4の領域418を設ける。
まず、第4の画像414においては、画像をタイル状の複数の領域に分割し、そのうちの1つの領域である第4の領域418内の画像データに着目する。
次に、第1の画像411において、第4の領域418を中心とした第4の領域418よりも大きな範囲に着目する。ここで、第4の領域418を中心とした第4の領域418よりも大きな範囲は、データ検索範囲である。データ検索範囲は、水平方向(X方向)の範囲を419、垂直方向(Y方向)の範囲を420とする。なお、データ検索範囲の水平方向の範囲419および垂直方向の範囲420は、第4の領域418の水平方向の範囲および垂直方向の範囲を、それぞれ15画素分程度拡大した範囲であってもよい。
そして、データ検索範囲内において、前記第4の領域418内の画像データと最も類似した画像データを持つ領域を検索する。検索方法は、最小二乗法などを用いることができる。検索の結果、最も類似した画像データを持つ領域として、第1の領域415が導出されたとする。
次に、導出された第1の領域415と、第4の領域418との位置の違いを表す量として、ベクトル421を導出する。なお、ベクトル421を、動きベクトルと呼ぶことにする。
そして、第2の画像412および、第3の画像413においては、動きベクトル421から求めたベクトル422および423と、第4の画像414における第4の領域418内の画像データと、第1の画像411における第1の領域415内の画像データと、によって、第2の領域416および第3の領域417を形成する。
ここで、動きベクトル421から求めたベクトル422を第1の変位ベクトルと呼ぶことにする。また、ベクトル423を第2の変位ベクトルと呼ぶことにする。第1の変位ベクトル422は、第2の領域416を形成する位置を決める役割を持つ。第2の領域416は、第4の領域418から第1の変位ベクトル422だけ離れた位置に形成される。なお、変位ベクトル422は、動きベクトル421に(1/3)をかけた量であってもよい。また、第2の変位ベクトル423は、第3の領域417を形成する位置を決める役割を持つ。第3の領域417は、第4の領域418から第2の変位ベクトル423だけ離れた位置に形成される。なお、変位ベクトル423は、動きベクトル421に(2/3)をかけた量であってもよい。
第2の画像412における第2の領域416内の画像データは、第4の画像414における第4の領域418内の画像データと、第1の画像411における第1の領域415内の画像データによって決められるとしてもよい。たとえば、第2の画像412における第2の領域416内の画像データは、第4の画像414における第4の領域418内の画像データと、第1の画像411における第1の領域415内の画像データの平均値であってもよい。
第3の画像413における第3の領域417内の画像データは、第4の画像414における第4の領域418内の画像データと、第1の画像411における第1の領域415内の画像データによって決められるとしてもよい。たとえば、第3の画像413における第3の領域417内の画像データは、第4の画像414における第4の領域418内の画像データと、第1の画像411における第1の領域415内の画像データの平均値であってもよい。
このようにして、第4の画像414における第4の領域418に対応する、第2の画像402における第2の領域416、および第3の画像413における第3の領域417を形成することができる。なお、以上の処理を、第4の画像414における他の領域にも行なうことで、第4の画像414と第1の画像411の中間状態となる、第2の画像412および第3の画像413を形成することができる。
次に、図5を参照して、フレーム間の画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する回路の例について説明する。図5(A)は、表示領域に画像を表示するためのソースドライバ、ゲートドライバを含む周辺駆動回路と、周辺駆動回路を制御する制御回路の接続関係を表した図である。図5(B)は、前記制御回路の詳細な回路構成の一例を表した図である。図5(C)は、前記制御回路に含まれる画像処理回路の詳細な回路構成の一例を表した図である。図5(D)は、前記制御回路に含まれる画像処理回路の詳細な回路構成の別の例を表した図である。
図5(A)のように、本明細書に係る表示装置または半導体装置は、制御回路511と、ソースドライバ512と、ゲートドライバ513と、表示領域514と、を含んでいてもよい。
なお、制御回路511、ソースドライバ512およびゲートドライバ513は、表示領域514が形成されている基板と同一の基板上に形成されていてもよい。
なお、制御回路511、ソースドライバ512およびゲートドライバ513は、これらのうち一部が、表示領域514が形成されている基板と同一の基板上に形成され、その他の回路は、表示領域514が形成されている基板とは異なる基板上に形成されていてもよい。たとえば、ソースドライバ512およびゲートドライバ513が、表示領域514が形成されている基板と同一の基板上に形成され、制御回路511は異なる基板上に外付けICとして形成されていてもよい。同様に、ゲートドライバ513が、表示領域514が形成されている基板と同一の基板上に形成され、その他の回路は異なる基板上に外付けICとして形成されていてもよい。同様に、ソースドライバ512、ゲートドライバ513および制御回路511の一部が、表示領域514が形成されている基板と同一の基板上に形成され、その他の回路は異なる基板上に外付けICとして形成されていてもよい。
制御回路511は、外部画像信号500と、水平同期信号501と、垂直同期信号502と、が入力され、画像信号503と、ソーススタートパルス504と、ソースクロック505と、ゲートスタートパルス506と、ゲートクロック507と、が出力される構成であってもよい。
ソースドライバ512は、画像信号503と、ソーススタートパルス504と、ソースクロック505と、が入力され、画像信号503に従った電圧または電流を表示領域514に出力する構成であってもよい。
ゲートドライバ513は、ゲートスタートパルス506と、ゲートクロック507と、が入力され、ソースドライバ512から出力される信号を表示領域514に書き込むタイミングを指定する信号が出力される構成であってもよい。
外部画像信号500の周波数と、画像信号503の周波数が異なっている場合、ソースドライバ512およびゲートドライバ513を駆動するタイミングを制御する信号も、入力される水平同期信号501および垂直同期信号502とは異なる周波数を持つことになる。そのため、画像信号503の処理に加えて、ソースドライバ512およびゲートドライバ513を駆動するタイミングを制御する信号も処理する必要がある。制御回路511は、そのための機能を持った回路であってもよい。たとえば、外部画像信号500の周波数に対して画像信号503の周波数が倍であった場合、制御回路511は、外部画像信号500に含まれる画像信号を補間して倍の周波数の画像信号503を生成し、かつ、タイミングを制御する信号も倍の周波数になるように制御する。
また、制御回路511は、図5(B)のように、画像処理回路515と、タイミング発生回路516と、を含んでいてもよい。
画像処理回路515は、外部画像信号500と、周波数制御信号508と、が入力され、画像信号503が出力される構成であってもよい。
タイミング発生回路516は、水平同期信号501と、垂直同期信号502と、が入力され、ソーススタートパルス504と、ソースクロック505と、ゲートスタートパルス506と、ゲートクロック507と、周波数制御信号508と、が出力される構成であってもよい。なお、タイミング発生回路516は、周波数制御信号508の状態を指定するためのデータを保持するメモリまたはレジスタ等を含んでいてもよい。また、タイミング発生回路516は、外部から周波数制御信号508の状態を指定する信号が入力される構成であってもよい。
画像処理回路515は、図5(C)のように、動き検出回路520と、第1のメモリ521と、第2のメモリ522と、第3のメモリ523と、輝度制御回路524と、高速処理回路525と、を含んでいてもよい。
動き検出回路520は、複数の画像データが入力され、画像の動きが検出され、前記複数の画像データの中間状態である画像データが出力される構成であってもよい。
第1のメモリ521は、外部画像信号500が入力され、前記外部画像信号500を一定期間保持しつつ、動き検出回路520と第2のメモリ522に前記外部画像信号500を出力する構成であってもよい。
第2のメモリ522は、第1のメモリ521から出力された画像データが入力され、前記画像データを一定期間保持しつつ、動き検出回路520と高速処理回路525に前記画像データを出力する構成であってもよい。
第3のメモリ523は、動き検出回路520から出力された画像データが入力され、前記画像データを一定期間保持しつつ、輝度制御回路524に前記画像データを出力する構成であってもよい。
高速処理回路525は、第2のメモリ522から出力された画像データと、輝度制御回路524から出力された画像データと、周波数制御信号508と、が入力され、前記画像データを、画像信号503として出力する構成であってもよい。
外部画像信号500の周波数と、画像信号503の周波数が異なっている場合、画像処理回路515によって、外部画像信号500に含まれる画像信号を補間して画像信号503を生成してもよい。入力された外部画像信号500は、一旦第1のメモリ521に保持される。そのとき、第2のメモリ522には、1つ前のフレームで入力された画像データが保持されている。動き検出回路520は、第1のメモリ521および第2のメモリ522に保持された画像データを適宜読み込み、両者の画像データの違いから動きベクトルを検出し、さらに、中間状態の画像データを生成してもよい。生成された中間状態の画像データは、第3のメモリ523によって保持される。
動き検出回路520が中間状態の画像データを生成しているとき、高速処理回路525は、第2のメモリ522に保持されている画像データを、画像信号503として出力する。その後、第3のメモリ523に保持された画像データを輝度制御回路524を通じて画像信号503として出力する。このとき、第2のメモリ522および第3のメモリ523が更新される周波数は外部画像信号500の周波数と同じだが、高速処理回路525を通じて出力される画像信号503の周波数は、外部画像信号500の周波数と異なっていてもよい。具体的には、画像信号503の周波数は外部画像信号500の周波数の1.5倍、2倍、3倍が望ましいが、これに限定されるものではなく、様々な周波数とすることができる。なお、画像信号503の周波数は、周波数制御信号508によって指定されてもよい。
図5(D)に示した画像処理回路515の構成は、図5(C)に示した画像処理回路515の構成に、第4のメモリ526を加えたものである。このように、第1のメモリ521から出力された画像データと、第2のメモリ522から出力された画像データに加えて、第4のメモリ526から出力された画像データも動き検出回路520に出力することで、正確に画像の動きを検出することが可能になる。
なお、入力される画像データが、データ圧縮等のために、すでに動きベクトルを含んでいるような場合、たとえばMPEG(Moving Picture Expert Group)の規格に基づく画像データである場合は、これを用いて中間状態の画像を補間画像として生成すればよい。このとき、動き検出回路520に含まれる、動きベクトルを生成する部分は不要となる。また、外部画像信号500に係るエンコードおよびデコード処理も簡単なものとなるため、消費電力が低減する。
次に、図6を参照して、フレーム間の画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する方法の例について説明する。図6(A)乃至(E)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍である場合に表示される画像の模式図を表したものである。図6(A)は、横軸を時間として、画像の動きを検出する方法を、模式的に表したものである。期間100は1フレーム期間、第1の画像601は前フレームの基本画像、第2の画像602は補間画像、第3の画像603は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。また、画像中に、時間に依存しない領域として、第1の領域604、第2の領域605、第3の領域606、第4の領域607、第5の領域608、第6の領域609、を設ける。
第3の画像603における第3の領域606、および第1の画像601における第1の領域604から、第2の画像602における第2の領域605を求める方法については、既に述べた方法を用いてもよい。つまり、図6における第1の画像601、第2の画像602、第3の画像603、第1の領域604、第2の領域605、第3の領域606、動きベクトル610および変位ベクトル611を、それぞれ、図4における第1の画像401、第2の画像402、第3の画像403、第1の領域404、第2の領域405、第3の領域406、動きベクトル409および変位ベクトル410に対応しているとしてもよい。
第4の領域607および第6の領域609は、それぞれの領域に含まれる画像データが、第1の画像601および第3の画像603において、ほぼ動いていない状態である場合を示している。このとき、第5の領域608に生成される画像データは、第1の画像601における第4の領域607内の画像データと、第3の画像603における第6の領域609内の画像データの平均値であってもよいが、図6(A)のように、輝度の小さい黒画像であってもよい。すなわち、画像の動きの大きい領域においては中間状態の画像を生成し、画像の動きの小さい領域においては黒画像を生成するとしてもよい。こうすることで、第2の画像602の代表的な輝度が小さくなり、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、中間状態の画像を生成するか、黒画像を生成するかを決める場合、動きベクトル610の大きさに閾値を設けることとしてもよい。動きベクトル610の大きさの閾値としては、3画素分であることが望ましく、さらに望ましくは2画素分である。
図6(B)は、図6(A)に示した中間画像の生成方法を用いた場合の、画像の切り替わりを表した模式図である。期間100は1フレーム期間、第1の画像621は前フレームの基本画像、第2の画像622は補間画像、第3の画像623は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。また、走査信号によって画像を走査する様子を、矢印624、625、626によって表している。
図6(B)においては、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)が、同時に含まれている画像を例としてあげている。このとき、図6(B)に示す駆動方法では、画像の動きによって検出された動きベクトルが大きい領域と小さい領域で、第2の画像622の生成方法を変える。具体的には、動きベクトルが大きい領域(ここでは主に円形の領域)では中間状態とし、動きベクトルが小さい領域(ここでは主に三角形の領域)では黒画像とする。こうすることで、第2の画像622の代表的な輝度が小さくなり、表示が擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、図6(B)において、第2の画像622の画像データを表示領域に書き込むときに、積極的に黒データを書き込むのではなく、画像が大きく動いている部分のみに書き込みを行い、画像があまり動いていない部分においては、書き込みをせず、第1の画像621のデータを保持する駆動としてもよい。この場合、第1の画像621のデータを書き込むときは、走査信号を矢印624のように全体に走査させる。次に、第2の画像622のデータを書き込むときは、走査信号を矢印625のように、動きの大きい領域のみに走査させる。第3の画像623のデータを書き込むときは、走査信号を矢印626のように全体に走査させる。こうすることで、動きが小さく、中間状態の画像を表示する必要のない部分にはデータ書き込みをしなくてもよくなるため、消費電力を低減できる。また、第2の画像622を生成する際にノイズが混入しないので、画質を向上することができる。
図6(C)乃至(E)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)が、同時に含まれている画像を例としてあげている。そして、フレームによって位置が変化する領域において、動きの大きさがそれぞれ異なっている場合を表している。
図6(C)において、期間100は1フレーム期間、第1の画像631は前フレームの基本画像、第2の画像632は補間画像、第3の画像633は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像632は、第1の画像631から第3の画像画像633までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第1の画像611および第3の画像633の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第2の画像632は、第1の画像631および第3の画像633の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさによって決められるとしてもよい。
図6(D)において、期間100は1フレーム期間、第1の画像641は前フレームの基本画像、第2の画像642は補間画像、第3の画像643は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像642は、第1の画像641から第3の画像画像643までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第1の画像641および第3の画像643の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第2の画像642は、第1の画像641および第3の画像643の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさによって決められるとしてもよい。
図6(E)において、期間100は1フレーム期間、第1の画像651は前フレームの基本画像、第2の画像652は補間画像、第3の画像653は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像652は、第1の画像651から第3の画像画像653までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第1の画像651および第3の画像653の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第2の画像652は、第1の画像651および第3の画像653の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさによって決められるとしてもよい。
図6(C)乃至(E)において、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)の動きが一番大きいのが図6(D)に示す駆動方法であり、その次に大きいのが図6(C)に示す駆動方法であり、その次に大きいのが図6(E)に示す駆動方法であるとする。このとき、補間画像の輝度は、検出された動きベクトルの大きさから決められるとしてもよい。
すなわち、図6(C)における第2の画像632の輝度をLc0とし、図6(D)における第2の画像642の輝度をLc1とし、図6(E)における第2の画像652の輝度をLc2としたとき、Lc0、Lc1、Lc2は、Lc1 < Lc0 < Lc2という関係があってもよい。つまり、フレームによって位置が変化する領域の動きが大きいほど、補間画像の輝度を小さくするようにしてもよい。こうすることで、画像の動きが大きく、動画ボケが強く発生してしまう場合には、表示をより擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、画像の動きが小さく、動画ボケがあまり発生しない場合には、表示をホールド型に近づけることができるので、フリッカおよび消費電力を低減することができる。
なお、画像の輝度が制御される量は、検出された動きベクトルの大きさだけではなく、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
次に、図7を参照して、画像の動きと表示フレームレートを関係付ける方法について説明する。図7(A)乃至(C)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図7(A)乃至(C)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。図7(A)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍である場合を表している。図7(B)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍である場合を表している。図7(C)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの1.5倍である場合を表している。
図7(A)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像701は前フレームの基本画像、第2の画像702は前フレームの補間画像、第3の画像703は当該フレームの基本画像、第4の画像704は当該フレームの補間画像、第5の画像705は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図7(A)において、第2の画像702は、第1の画像701から第3の画像703までの画像の変化量を検出することで、第1の画像701および第3の画像703の中間状態となるように作成された画像であってもよい。同様に、第4の画像704は、第3の画像703から第5の画像705までの画像の変化量を検出することで、第3の画像703および第5の画像705の中間状態となるように作成された画像であってもよい。
図7(B)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像711は前フレームの基本画像、第2の画像712は前フレームの第1の補間画像、第3の画像713は前フレームの第2の補間画像、第4の画像714は当該フレームの基本画像、第5の画像715は当該フレームの第1の補間画像、第6の画像716は当該フレームの第2の補間画像、第7の画像717は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図7(B)において、第2の画像712および第3の画像713は、第1の画像711から第4の画像714までの画像の変化量を検出することで、第1の画像711および第4の画像714の中間状態となるように作成された画像であってもよい。同様に、第5の画像715および第6の画像716は、第4の画像714から第7の画像717までの画像の変化量を検出することで、第4の画像714および第7の画像717の中間状態となるように作成された画像であってもよい。
図7(C)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像721は前フレームの基本画像、第2の画像722は第1の補間画像、第3の画像723は第2の補間画像、第4の画像724は次フレームの基本画像を、それぞれ表している。なお、実際は表示されなくてもよいが、第5の画像725は当該フレームの基本画像を表している。
図7(C)において、第2の画像722および第3の画像723は、第1の画像721から第5の画像725を通じて第4の画像724までの画像の変化量を検出することで、第1の画像721および第4の画像724の中間状態となるように作成された画像であってもよい。
ここで、図7(A)乃至(C)においては、それぞれの基本画像における、フレームによって位置が変化する領域の動きの大きさが異なっている。すなわち、図7(B)で示す画像(表示フレームレート3倍)が画像の動きが一番大きく、その次に大きいのが図7(A)で示す画像(表示フレームレート2倍)、その次に大きいのが図7(C)で示す画像(表示フレームレート1.5倍)である。このように、画像の動きの大きさに従って、表示フレームレートの周波数を変更して表示させてもよい。こうすることによって、画像の動きの大きさに対して適切な駆動周波数を選択することができるので、動画のなめらかさを向上することによって動画ボケを効果的に低減しつつ、消費電力の増加および処理量の増加による発熱の増加も低減することができる。また、画像の動きが小さいときのフリッカも低減することができる。
なお、表示フレームレートは、検出された動きベクトルの大きさだけではなく、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
さらに、図7(A)乃至(C)における補間画像は、複数の基本画像の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型に近づけてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
次に、図8を参照して、画像の動きと駆動方法を関係付ける方法について説明する。図8(A)乃至(E)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図8(A)乃至(E)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。
図8(A)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像801は前フレームの基本画像、第2の画像802は前フレームの補間画像、第3の画像803は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像802は、第1の画像801から第3の画像画像803までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第1の画像801および第3の画像803の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第2の画像802は、第1の画像801および第3の画像803の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図8(A)は、実施形態1で説明した駆動方法を表している。つまり、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。本実施形態においては、図8(A)に示す駆動方法を、輝度制御倍速駆動と呼ぶ。
図8(B)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像811は前フレームの基本画像、第2の画像812は前フレームの補間画像、第3の画像813は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像812は、第1の画像811から第3の画像画像813までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第1の画像811および第3の画像813の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第2の画像812は、第1の画像811および第3の画像813の中間状態となるように作成された上で、表示フレームレートを一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図8(B)は、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像として、表示フレームレートを入力フレームレートよりも大きくする方法である。本実施形態においては、図8(B)に示す駆動方法を、倍速駆動と呼ぶ。
図8(C)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像821は前フレームの基本画像、第2の画像822は前フレームの補間画像、第3の画像823は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像822は、第1の画像821の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図8(C)は、補間画像として暗画像または黒画像を用いることで、表示を擬似的にインパルス型に近づける方法である。本実施形態においては、図8(C)に示す駆動方法を、黒画像挿入駆動と呼ぶ。
図8(D)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像831は前フレームの基本画像、第2の画像832は前フレームの補間画像、第3の画像833は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第2の画像832は、第1の画像831の画像データにしたがって、一定の規則で生成された画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図8(D)は、第1の画像831の階調レベルを大きくし、輝度が飽和した部分について、第2の画像1942を補間画像として表示し、第1の画像831の階調を補うことで、表示を擬似的にインパルス型に近づける方法であってもよい。
本実施形態においては、図8(D)に示す駆動方法を、階調補間駆動と呼ぶ。
図8(E)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像841は前フレームの基本画像、第2の画像843は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図8(E)は、基本画像を1フレーム期間にわたって表示し続ける、ホールド型駆動を表している。
ここで、図8(A)乃至(E)においては、それぞれの基本画像における、フレームによって位置が変化する領域の動きの大きさが異なっている。すなわち、図8(A)示す画像(輝度制御倍速駆動)が画像の動きが一番大きく、その次に大きいのが図8(B)で示す画像(倍速駆動)、その次に大きいのが図8(C)で示す画像(黒画像挿入駆動)、その次に大きいのが図8(D)で示す画像(階調補間駆動)、その次に大きいのが図8(E)で示す画像(ホールド型駆動)である。このように、画像の動きの大きさに従って、駆動方法を変更して表示させてもよい。こうすることによって、画像の動きの大きさに対して適切な駆動方法を選択することができるので、動画ボケを効果的に低減しつつ、消費電力の増加および処理量の増加による発熱の増加も低減することができる。また、画像の動きが小さいときのフリッカも低減することができる。
次に、図9を参照して、画像の動きおよび周囲の明るさによって駆動方法を選択するフローチャートについて説明する。
開始後に、第1のステップとして、周囲の明るさを検出するかどうかを選択する。選択する場合は、第2のステップに進む。選択しない場合は、第6のステップに進む。なお、周囲の明るさを検出しない場合には、本明細書に係る表示装置または半導体装置が、周囲の明るさを検出する手段を持たない場合も含んでいる。
第2のステップとして、周囲の明るさを検出する。その後、第3のステップに進む。
第3のステップとして、第2のステップで検出した明るさが、あらかじめ決められた明るさの閾値以下かどうかを判断する。明るさの閾値以下だった場合は、第4のステップに進む。明るさの閾値より大きかった場合は、第5のステップに進む。なお、明るさの閾値は、本明細書に係る表示装置または半導体装置内のメモリに保持されていてもよい。また、明るさの閾値は、ユーザーが指定できるような構成であってもよい。
第4のステップとして、本明細書に係る表示装置または半導体装置が液晶表示装置のようにバックライトを有するものであった場合、バックライト点滅モードを選択する。その後、第5のステップに進む。なお、本明細書に係る表示装置または半導体装置がバックライトを有さないものであった場合は、そのまま第5のステップに進む。なお、バックライト点滅モードとは、バックライト全体の輝度を一斉に増減させるものでもよいし、バックライトの一部分の輝度を順次増減させるものであってもよい。なお、バックライト点滅モードを選択した場合、バックライトの最大輝度が同じであれば、平均輝度が小さくなるのでバックライトは暗くなってしまうが、周囲の明るさが閾値以下であれば、バックライトが暗くなることで表示が見やすくなり、黒浮きが低減され、かつ、消費電力を低減することができる。
第5のステップとして、本明細書に係る表示装置または半導体装置が液晶表示装置のようにバックライトを有するものであった場合、バックライト出力を決定する。その後、第6のステップに進む。なお、本明細書に係る表示装置または半導体装置がバックライトを有さないものであった場合は、そのまま第6のステップに進んでもよいし、検出した明るさによって最大輝度を決定し、その後に第6のステップに進んでもよい。なお、周囲の明るさが小さいほど、バックライト出力も小さくするのが望ましい。こうすることによって、黒浮きを低減しつつ、消費電力を低減することができる。
第6のステップとして、動きベクトルεを検出する。その後、第7のステップに進む。なお、動きベクトルεは、ここではスカラー量として取り扱う。
なお、第6のステップにおいて、画像から検出する動きベクトルεは、1つの動きベクトルであってもよいし、複数の動きベクトルから求めたものであってもよい。たとえば、複数の動きベクトルを検出し、検出された動きベクトルの大きさと数から、駆動法の選択に使用する動きベクトルεを求めてもよい。
第7のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第1の閾値ε1よりも大きいかどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第12のステップに進む。そうでない場合は、第8のステップに進む。
第8のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第2の閾値ε2よりも大きく、第1の閾値ε1以下かどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第13のステップに進む。そうでない場合は、第9のステップに進む。
第9のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第3の閾値ε3よりも大きく、第2の閾値ε2以下かどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第14のステップに進む。そうでない場合は、第10のステップに進む。
第10のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第4の閾値ε4よりも大きく、第3の閾値ε3以下かどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第15のステップに進む。そうでない場合は、第11のステップに進む。
第11のステップとして、ホールド型駆動(図8(E))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第12のステップとして、輝度制御倍速駆動(図8(A))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第13のステップとして、倍速駆動(図8(B))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第14のステップとして、黒画像挿入駆動(図8(C))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第15のステップとして、階調補間駆動(図8(D))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第16のステップとして、選択した駆動方法を、一定期間維持する。その後、終了する。
なお、第16のステップにおいて、駆動法を維持する期間は、適宜選択することができる。たとえば、1フレームごとに検出した動きベクトルによって1フレームごとに駆動法を切替えてもよいし、数秒単位で駆動法を切替えてもよいし、数分単位で駆動法を切替えてもよいし、ユーザーが設定した表示モード等によって駆動方法を維持する期間を決定してもよい。
このように、図9に示したフローチャートに従って駆動方法を選択することで、画像の動きの大きさに対して適切な駆動方法を選択することができるので、動画ボケを効果的に低減しつつ、消費電力の増加および処理量の増加による発熱の増加も低減することができる。また、画像の動きが小さいときのフリッカも低減することができる。
なお、ここでは動きベクトルの閾値を4つ設定し、これらに従って5つの駆動方法から1つ選択するとしたが、選択できる駆動方法の内容は、上述したものに限定されず、様々な駆動方法を用いることができる。また、選択できる駆動方法の数は、あまり大きいと駆動回路が複雑になり、処理も複雑になるため、5種類以下が望ましい。こうすることで、製造コストを低減できる。また、消費電力を低減できる。
なお、動きベクトルの閾値ε1乃至ε4の大小関係は、0<ε4<ε3<ε2<ε1であってもよい。
なお、本実施形態で述べた内容は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
実施形態1において、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる、という方法について説明したが、補間画像の輝度を変化させる方法は、様々なものが考えられる。
本実施形態においては、画像の輝度を制御する方法について説明する。なお、本実施形態において説明する方法によって輝度が制御される画像は、補間画像でも、基本画像でも良い。
まず、図10を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図10(A)乃至(F)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図10(A)乃至(F)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
なお、曲線1000は下に凸の形状で示されているが、これは次の理由による。すなわち、人間の目が感じる明るさは、物理的な輝度と比例関係にはなく、人間の目の輝度に対する感度は、輝度の大きい範囲よりも、輝度の小さい範囲のほうが敏感であるためである。つまり、人間の目がきれいな階調を感じるためには、輝度の小さい範囲における輝度の変化量よりも、輝度の大きい範囲における輝度の変化量を大きくする必要がある。
人間の目がきれいな階調を感じるとき、曲線1000は数式1に示すような曲線である。
ここで、Yは(物理的な)輝度、Xは階調、γは定数である。定数γが、2<γ<3の範囲内であれば、人間の目はきれいな階調であると感じる。なお、XおよびYは、規格化されていてもよい。
以上の理由によって、曲線1000は下に凸の形状で示されており、他の曲線もこれに準じた形状となっているが、本実施形態において述べるのは画像の階調−輝度特性を如何に制御するかという点であって、曲線1000の形状自体は特に言及しない。つまり、曲線1000の形状は、下に凸であるのが望ましいが、直線であってもよいし、上に凸であってもよいし、1つまたは複数の変曲点を持つ曲線であってもよい。
図10(A)において、曲線1001は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1001の最高階調は階調X1010、最高輝度は輝度Y1021である。曲線1001は、曲線1000に対し、階調の全領域において1以上の係数Aによって除算されたものであってもよい。このとき、曲線1001の階調−輝度特性は、数式2のように表すことができる。
なお、図10(A)において、曲線1001は、曲線1000に対し、輝度に対して1以上の係数Bによって除算されたものであってもよい。このとき、曲線1001の階調−輝度特性は、数式3のように表すことができる。
なお、数式2で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、除算を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
なお、数式3で表したような階調−輝度特性の制御方法は、表示装置全体の駆動条件を変化させることで実現できる。たとえば、液晶表示装置においては、バックライトの輝度を制御することで代表的な輝度を制御することで実現できる。この場合は、画像データ処理が簡単であるため、消費電力および発熱を低減できる。
なお、数式2および数式3において、Aのγ乗がBに等しいとき、両者の式は等しくなる。すなわち、輝度制御後に得られる階調−輝度特性である曲線1001は、どちらの制御方法であっても得ることができる。
図10(B)において、曲線1002は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1002の最高階調は階調X1010、最高輝度は輝度Y1022である。曲線1001は、曲線1000に対し、階調の全領域において正の数Aだけ減算されたものであってもよい。ここで、Aに相当する階調量はX1012である。このとき、曲線1002の階調−輝度特性は、数式4のように表すことができる。
ただし、AがXよりも大きい場合は、Yは0であるとする。
なお、数式4で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、減算を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図10(C)において、曲線1003は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1003の最高階調は階調X1010、最高輝度は輝度Y1023である。曲線1003は、曲線1000に対し、階調の全領域において1以上の係数Aによって乗算されたものであってもよい。このとき、曲線1003の階調−輝度特性は、数式5のように表すことができる。
なお、図10(C)において、曲線1003は、曲線1000に対し、輝度に対して1以上の係数Bによって乗算されたものであってもよい。このとき、曲線1003の階調−輝度特性は、数式6のように表すことができる。
なお、数式5で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、除算を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
なお、数式6で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度自体を増減させることで実現できる。これは、液晶表示装置においては、バックライトの輝度を制御することに対応する。この場合は、画像データ処理が簡単であるため、消費電力および発熱を低減できる。
なお、数式5および数式6において、Aのγ乗がBに等しいとき、両者の式は等しくなる。すなわち、輝度制御後に得られる階調−輝度特性である曲線1003は、どちらの制御方法であっても得ることができる。
図10(D)において、曲線1004は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1004の最高階調は階調X1010、最高輝度は輝度Y1024である。曲線1004は、曲線1000に対し、階調の全領域において正の数Aだけ加算されたものであってもよい。ここで、Aに相当する階調量はX1014である。このとき、曲線1004の階調−輝度特性は、数式7のように表すことができる。
なお、数式7で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、加算を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図10(E)において、曲線1005は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1005は、曲線1003とおなじ制御方法であってもよいが、輝度の上限を曲線1000の最高輝度とする点が異なっている。そのため、曲線1005の最高階調は階調X1010、最高輝度は輝度Y1020である。なお、上限の輝度Y1020となる以外の階調範囲において、曲線1005の階調−輝度特性は、数式5のように表すことができる。
図10(F)において、曲線1006は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1006は、曲線1004とおなじ制御方法であってもよいが、輝度の上限を曲線1000の最高輝度とする点が異なっている。そのため、曲線1006の最高階調は階調X1010、最高輝度は輝度Y1020である。また、階調の全領域において加算される階調量はX1016である。なお、上限の輝度Y1020となる以外の階調範囲において、曲線1006の階調−輝度特性は、数式7のように表すことができる。
なお、本実施の形態では、図10(C)および図10(D)に示す場合以外では、輝度制御後の画像の階調−輝度特性における輝度の上限は、輝度制御前の最高輝度Y1020として説明するが、全ての場合において、図10(C)および図10(D)のように、輝度制御後の最高輝度が輝度制御前の最高輝度よりも大きくなる様態もとることができる。
次に、図11を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図11(A)乃至(D)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図11(A)乃至(D)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図11(A)において、曲線1101は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1101は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1131a、領域1131b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1111aは曲線1101の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1111bは階調X1111aから階調X1111cだけ引いた階調、階調X1111cは領域1131bにおける処理階調量、輝度Y1121aは領域1131aにおける曲線1101の最高輝度、輝度Y1121bは階調X1111aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1121cは領域1131bにおける曲線1101の最高輝度を、それぞれ表している。
領域1131aは、階調の範囲は0から階調X1111aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1121bまでの領域である。領域1131aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1131aにおいて、曲線1101は、最低階調0、最高階調X1111a、最低輝度0、最高輝度Y1121aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1131bは、階調の範囲は階調X1111bから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1121aから輝度Y1121cまでの領域である。領域1131bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ減算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1111cである。領域1131bにおいて、曲線1101は、最低階調X1111a、最高階調X1010、最低輝度Y1121a、最高輝度Y1121cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1101は、階調X1111aにおいて連続であってもよい。こうすることで、階調の境界で不自然な輪郭が出ることがないため、画質を向上することができる。
なお、図11(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図11(B)において、曲線1102は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1102は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1132a、領域1132b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1112aは曲線1102の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1112bは階調X1112aから階調X1112cだけ引いた階調、階調X1112cは領域1132bにおける処理階調量、輝度Y1122aは領域1132aにおける曲線1102の最高輝度、輝度Y1122bは階調X1112aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1122cは領域1132bにおける曲線1102の最高輝度、輝度Y1122dは領域1132bにおける曲線1102の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1132aは、階調の範囲は0から階調X1112aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1122bまでの領域である。領域1132aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1132aにおいて、曲線1102は、最低階調0、最高階調X1112a、最低輝度0、最高輝度Y1122aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1132bは、階調の範囲は階調X1112bから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1122dから輝度Y1122cまでの領域である。領域1132bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ減算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1112cである。領域1132bにおいて、曲線1102は、最低階調X1112a、最高階調X1010、最低輝度Y1122d、最高輝度Y1122cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1102は、階調X1112aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1122a>輝度Y1122d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図11(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図11(C)において、曲線1103は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1103は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1133a、領域1133b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1113aは曲線1103の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1113bは階調X1113aから階調X1113cだけ引いた階調、階調X1113cは領域1133bにおける処理階調量、輝度Y1123aは領域1133aにおける曲線1103の最高輝度、輝度Y1123bは階調X1113aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1123cは領域1133bにおける曲線1103の最高輝度、輝度Y1123dは領域1133bにおける曲線1103の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1133aは、階調の範囲は0から階調X1113aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1123bまでの領域である。領域1133aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1133aにおいて、曲線1103は、最低階調0、最高階調X1113a、最低輝度0、最高輝度Y1123aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1133bは、階調の範囲は階調X1113bから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1123dから輝度Y1123cまでの領域である。領域1133bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ減算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1113cである。領域1133bにおいて、曲線1103は、最低階調X1113a、最高階調X1010、最低輝度Y1123d、最高輝度Y1123cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1103は、階調X1113aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1123a<輝度Y1123d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図11(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図11(D)において、曲線1104は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1104は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1134a、領域1134b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1114aは曲線1104の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1114bは階調X1010から階調X1114cだけ引いた階調、階調X1114cは領域1134bにおける処理階調量、輝度Y1124aは領域1134aにおける曲線1104の最高輝度、輝度Y1124bは階調X1114aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1124dは領域1134bにおける曲線1104の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1134aは、階調の範囲は0から階調X1114aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1124bまでの領域である。領域1134aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1134aにおいて、曲線1104は、最低階調0、最高階調X1114a、最低輝度0、最高輝度Y1124aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1134bは、階調の範囲は階調X1114aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1124dから輝度Y1020までの領域である。領域1134bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1114cである。領域1134bにおいて、階調X1114aから階調X1114bまでの領域では、曲線1104は、最低階調X1114a、最高階調X1114b、最低輝度Y1124d、最高輝度Y1020であり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1114bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1104は、階調X1114aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1124a<輝度Y1124d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域ではより暗く、高階調の領域ではより明るくすることができるため、コントラストを高めることができる。
なお、図11(D)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図12を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図12(A)乃至(C)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図12(A)乃至(C)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図12(A)において、曲線1201は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1201は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1231a、領域1231b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1211は曲線1201の階調−輝度特性が変化する境界の階調、輝度Y1221aは領域1231aにおける曲線1201の最高輝度、輝度Y1221bは階調X1211aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1221cは領域1231bにおける曲線1201の最高輝度、輝度Y1221dは領域1231bにおける曲線1201の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1231aは、階調の範囲は0から階調X1211まで、輝度の範囲は0から輝度Y1221bまでの領域である。領域1231aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1231aにおいて、曲線1201は、最低階調0、最高階調X1211、最低輝度0、最高輝度Y1221aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1231bは、階調の範囲は階調X1211から階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1221dから輝度Y1020までの領域である。領域1231bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1231bにおいて、曲線1201は、最低階調X1211、最高階調X1010、最低輝度Y1221d、最高輝度Y1221cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1201は、階調X1211において小さくなる方向で不連続(輝度Y1221a>輝度Y1221d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図12(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図12(B)において、曲線1202は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1202は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1232a、領域1232b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1212は曲線1202の階調−輝度特性が変化する境界の階調、輝度Y1222aは領域1232aにおける曲線1202の最高輝度、輝度Y1222bは階調X1212aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1222cは領域1232bにおける曲線1202の最高輝度、輝度Y1222dは領域1232bにおける曲線1202の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1232aは、階調の範囲は0から階調X1212まで、輝度の範囲は0から輝度Y1222bまでの領域である。領域1232aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1232aにおいて、曲線1202は、最低階調0、最高階調X1212、最低輝度0、最高輝度Y1222aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1232bは、階調の範囲は階調X1212から階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1222dから輝度Y1020までの領域である。領域1232bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1232bにおいて、曲線1202は、最低階調X1212、最高階調X1010、最低輝度Y1222d、最高輝度Y1222cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1202は、階調X1212において大きくなる方向で不連続(輝度Y1222a<輝度Y1222d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図12(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図12(C)において、曲線1203は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1203は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1233a、領域1233b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1213aは曲線1203の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1213bは曲線1203の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、輝度Y1223aは領域1233aにおける曲線1203の最高輝度、輝度Y1223bは階調X1213aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1223dは領域1233bにおける曲線1203の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1233aは、階調の範囲は0から階調X1213aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1223bまでの領域である。領域1233aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって除算されることであってもよい。領域1233aにおいて、曲線1203は、最低階調0、最高階調X1213a、最低輝度0、最高輝度Y1223aであり、数式2(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1233bは、階調の範囲は階調X1213aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1223bから輝度Y1020までの領域である。領域1233bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1233bにおいて、階調X1213aから階調X1213bまでの領域では、曲線1203は、最低階調X1213a、最高階調X1213b、最低輝度Y1223d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1213bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1203は、階調X1213aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1223a<輝度Y1223d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域ではより暗く、高階調の領域ではより明るくすることができるため、コントラストを高めることができる。
なお、図12(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図13を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図13(A)乃至(D)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図13(A)乃至(D)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図13(A)において、曲線1301は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1301は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1331a、領域1331b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1311aは曲線1301の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1311bは階調X1010から階調X1311cだけ引いた階調、階調X1311cは領域1331bにおける処理階調量、輝度Y1321aは領域1331aにおける曲線1301の最高輝度、輝度Y1321bは階調X1311aにおける曲線1000の輝度を、それぞれ表している。
領域1331aは、階調の範囲は0から階調X1311aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1321aまでの領域である。領域1331aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1331aにおいて、曲線1301は、最低階調0、最高階調X1311a、最低輝度0、最高輝度Y1321aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1331bは、階調の範囲は階調X1311aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1321aから輝度Y1020までの領域である。領域1331bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1311cである。領域1331bにおいて、階調X1311aから階調X1311bまでの領域では、曲線1301は、最低階調X1311a、最高階調X1311b、最低輝度Y1321a、最高輝度Y1020であり、数式7(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1311bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1301は、階調X1311aにおいて連続であってもよい。こうすることで、階調の境界で不自然な輪郭が出ることがないため、画質を向上することができる。
なお、図13(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図13(B)において、曲線1302は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1302は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1332a、領域1332b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1312aは曲線1302の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1312bは階調X1010から階調X1312cだけ引いた階調、階調X1312cは領域1332bにおける処理階調量、輝度Y1322aは領域1332aにおける曲線1302の最高輝度、輝度Y1322bは階調X1312aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1322dは領域1332bにおける曲線1302の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1332aは、階調の範囲は0から階調X1312aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1322aまでの領域である。領域1332aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1332aにおいて、曲線1302は、最低階調0、最高階調X1312a、最低輝度0、最高輝度Y1322aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1332bは、階調の範囲は階調X1312aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1322dから輝度Y1020までの領域である。領域1332bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1312cである。領域1332bにおいて、階調X1312aから階調X1312bまでの領域では、曲線1302は、最低階調X1312a、最高階調X1312b、最低輝度Y1322d、最高輝度Y1020であり、数式7(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1312bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1302は、階調X1312aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1322a<輝度Y1322d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図13(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図13(C)において、曲線1303は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1303は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1333a、領域1333b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1313aは曲線1303の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1313bは階調X1010から階調X1313cだけ引いた階調、階調X1313cは領域1333bにおける処理階調量、輝度Y1323aは領域1333aにおける曲線1303の最高輝度、輝度Y1323bは階調X1313aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1323dは領域1333bにおける曲線1303の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1333aは、階調の範囲は0から階調X1313aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1323aまでの領域である。領域1333aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1333aにおいて、曲線1303は、最低階調0、最高階調X1313a、最低輝度0、最高輝度Y1323aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1333bは、階調の範囲は階調X1313aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1323dから輝度Y1020までの領域である。領域1333bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1313cである。領域1333bにおいて、階調X1313aから階調X1313bまでの領域では、曲線1303は、最低階調X1313a、最高階調X1313b、最低輝度Y1323d、最高輝度Y1020であり、数式7(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1313bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1303は、階調X1313aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1323a>輝度Y1323d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図13(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図13(D)において、曲線1304は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1304は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1334a、領域1334b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1314aは曲線1304の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1314bは階調X1314aから階調X1314cだけ引いた階調、階調X1314cは領域1334bにおける処理階調量、輝度Y1324aは領域1334aにおける曲線1304の最高輝度、輝度Y1324bは階調X1314aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1324cは領域1334bにおける曲線1304の最高輝度、輝度Y1324dは領域1334bにおける曲線1304の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1334aは、階調の範囲は0から階調X1314aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1324aまでの領域である。領域1334aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1334aにおいて、曲線1304は、最低階調0、最高階調X1314a、最低輝度0、最高輝度Y1324aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1334bは、階調の範囲は階調X1314bから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1324dから輝度Y1324cまでの領域である。領域1334bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ減算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1314cである。領域1334bにおいて、曲線1304は、最低階調X1314a、最高階調X1010、最低輝度Y1324d、最高輝度Y1324cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1304は、階調X1314aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1324a>輝度Y1324d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では明るく、高階調の領域では暗くすることができるため、コントラストを低めることができる。
なお、図13(D)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図14を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図14(A)乃至(C)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図14(A)乃至(C)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図14(A)において、曲線1401は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1401は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1431a、領域1431b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1411aは曲線1401の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1411bは曲線1401の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、輝度Y1421aは領域1431aにおける曲線1401の最高輝度、輝度Y1421bは階調X1411aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1421dは領域1431bにおける曲線1401の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1431aは、階調の範囲は0から階調X1411aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1421aまでの領域である。領域1431aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1431aにおいて、曲線1401は、最低階調0、最高階調X1411a、最低輝度0、最高輝度Y1421aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1431bは、階調の範囲は階調X1411aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1421bから輝度Y1020までの領域である。領域1431bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1431bにおいて、階調X1411aから階調X1411bまでの領域では、曲線1401は、最低階調X1411a、最高階調X1411b、最低輝度Y1421d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1411bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1401は、階調X1411aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1421a<輝度Y1421d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図14(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図14(B)において、曲線1402は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1402は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1432a、領域1432b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1412aは曲線1402の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1412bは曲線1402の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、輝度Y1422aは領域1432aにおける曲線1402の最高輝度、輝度Y1422bは階調X1412aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1422dは領域1432bにおける曲線1402の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1432aは、階調の範囲は0から階調X1412aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1422aまでの領域である。領域1432aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1432aにおいて、曲線1402は、最低階調0、最高階調X1412a、最低輝度0、最高輝度Y1422aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1432bは、階調の範囲は階調X1412aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1422bから輝度Y1020までの領域である。領域1432bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1432bにおいて、階調X1412aから階調X1412bまでの領域では、曲線1402は、最低階調X1412a、最高階調X1412b、最低輝度Y1422d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1412bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1402は、階調X1412aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1422a<輝度Y1422d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図14(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図14(C)において、曲線1403は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1403は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1433a、領域1433b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1413は曲線1403の階調−輝度特性が変化する境界の階調、輝度Y1423aは領域1433aにおける曲線1403の最高輝度、輝度Y1423bは階調X1413aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1423cは領域1433bにおける曲線1403の最高輝度、輝度Y1423dは領域1433bにおける曲線1403の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1433aは、階調の範囲は0から階調X1413まで、輝度の範囲は0から輝度Y1423aまでの領域である。領域1433aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A1によって乗算されることであってもよい。領域1433aにおいて、曲線1403は、最低階調0、最高階調X1413、最低輝度0、最高輝度Y1423aであり、数式5(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1433bは、階調の範囲は階調X1413から階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1423dから輝度Y1020までの領域である。領域1433bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1433bにおいて、曲線1403は、最低階調X1413、最高階調X1010、最低輝度Y1423d、最高輝度Y1423cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1403は、階調X1413において小さくなる方向で不連続(輝度Y1423a>輝度Y1423d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では明るく、高階調の領域では暗くすることができるため、コントラストを低めることができる。
なお、図14(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図15を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図15(A)乃至(C)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図15(A)乃至(C)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図15(A)において、曲線1501は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1501は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1531a、領域1531b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1511aは曲線1501の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1511bは階調X1511aから階調X1511cだけ引いた階調、階調X1511cは領域1531bにおける処理階調量、階調X1511dは領域1531aにおける処理階調量、輝度Y1521aは領域1531aにおける曲線1501の最高輝度、輝度Y1521cは領域1531bにおける曲線1501の最高輝度、輝度Y1521dは領域1531bにおける曲線1501の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1531aは、階調の範囲は0から階調X1511aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1521aまでの領域である。領域1531aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1511dである。領域1531aにおいて、曲線1501は、最低階調0、最高階調X1511a、最低輝度0、最高輝度Y1521aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調X1511dまでの範囲における曲線1501の輝度は、0であってもよい。
領域1531bは、階調の範囲は階調X1511bから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1521dから輝度Y1521cまでの領域である。領域1531bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ減算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1511cである。領域1531bにおいて、曲線1501は、最低階調X1511a、最高階調X1010、最低輝度Y1521d、最高輝度Y1521cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1501は、階調X1511aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1521a>輝度Y1521d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図15(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図15(B)において、曲線1502は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1502は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1532a、領域1532b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1512aは曲線1502の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1512bは階調X1512aから階調X1512cだけ引いた階調、階調X1512cは領域1532bにおける処理階調量、階調X1512dは領域1532aにおける処理階調量、輝度Y1522aは領域1532aにおける曲線1502の最高輝度、輝度Y1522cは領域1532bにおける曲線1502の最高輝度、輝度Y1522dは領域1532bにおける曲線1502の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1532aは、階調の範囲は0から階調X1512aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1522aまでの領域である。領域1532aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1512dである。領域1532aにおいて、曲線1502は、最低階調0、最高階調X1512a、最低輝度0、最高輝度Y1522aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調X1512dまでの範囲における曲線1502の輝度は、0であってもよい。
領域1532bは、階調の範囲は階調X1512aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1522dから輝度Y1522cまでの領域である。領域1532bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ減算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1512cである。領域1532bにおいて、曲線1502は、最低階調X1512a、最高階調X1010、最低輝度Y1522d、最高輝度Y1522cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1502は、階調X1512において大きくなる方向で不連続(輝度Y1522a<輝度Y1522d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図15(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図15(C)において、曲線1503は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1503は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1533a、領域1533b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1513aは曲線1503の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1513bは階調X1010から階調X1513cだけ引いた階調、階調X1513cは領域1533bにおける処理階調量、階調X1513dは領域1533aにおける処理階調量、輝度Y1523aは領域1533aにおける曲線1503の最高輝度、輝度Y1523dは領域1533bにおける曲線1503の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1533aは、階調の範囲は0から階調X1513aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1523aまでの領域である。領域1533aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1513dである。領域1533aにおいて、曲線1503は、最低階調0、最高階調X1513a、最低輝度0、最高輝度Y1523aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調X1513dまでの範囲における曲線1503の輝度は、0であってもよい。
領域1533bは、階調の範囲は階調X1513aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1523dから輝度Y1020までの領域である。領域1533bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1513cである。領域1533bにおいて、階調X1513aから階調X1513bまでの領域では、曲線1503は、最低階調X1513a、最高階調X1513b、最低輝度Y1523d、最高輝度Y1020であり、数式7(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1513bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1503は、階調X1513aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1523a<輝度Y1523d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域ではより暗く、高階調の領域ではより明るくすることができるため、コントラストを高めることができる。
なお、図15(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図16を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図16(A)乃至(D)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図16(A)乃至(D)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図16(A)において、曲線1601は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1601は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1631a、領域1631b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1611aは曲線1601の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1611dは領域1631aにおける処理階調量、輝度Y1621aは領域1631aにおける曲線1601の最高輝度、輝度Y1621cは領域1631bにおける曲線1601の最高輝度を、それぞれ表している。
領域1631aは、階調の範囲は0から階調X1611aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1621aまでの領域である。領域1631aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1613dである。領域1631aにおいて、曲線1601は、最低階調0、最高階調X1611a、最低輝度0、最高輝度Y1621aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調階調X1611dまでの範囲における曲線1601の輝度は、0であってもよい。
領域1631bは、階調の範囲は階調X1611aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1621aから輝度Y1020までの領域である。領域1631bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1631bにおいて、曲線1601は、最低階調X1611a、最高階調X1010、最低輝度Y1621a、最高輝度Y1621cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1601は、階調X1611aにおいて連続であってもよい。こうすることで、階調の境界で不自然な輪郭が出ることがないため、画質を向上することができる。
なお、図16(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図16(B)において、曲線1602は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1602は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1632a、領域1632b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1612aは曲線1602の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1612dは領域1632aにおける処理階調量、輝度Y1622aは領域1632aにおける曲線1602の最高輝度、輝度Y1622cは領域1632bにおける曲線1602の最高輝度、輝度Y1622dは領域1632bにおける曲線1602の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1632aは、階調の範囲は0から階調X1612aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1622aまでの領域である。領域1632aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1612dである。領域1632aにおいて、曲線1602は、最低階調0、最高階調X1612a、最低輝度0、最高輝度Y1622aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調階調X1612dまでの範囲における曲線1602の輝度は、0であってもよい。
領域1632bは、階調の範囲は階調X1612aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1622dから輝度Y1020までの領域である。領域1632bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1632bにおいて、曲線1602は、最低階調X1612a、最高階調X1010、最低輝度Y1622d、最高輝度Y1622cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1602は、階調X1612aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1622a>輝度Y1622d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図16(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図16(C)において、曲線1603は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1603は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1633a、領域1633b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1613aは曲線1603の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1613dは領域1633aにおける処理階調量、輝度Y1623aは領域1633aにおける曲線1603の最高輝度、輝度Y1623cは領域1633bにおける曲線1603の最高輝度、輝度Y1623dは領域1633bにおける曲線1603の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1633aは、階調の範囲は0から階調X1613aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1623aまでの領域である。領域1633aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1613dである。領域1633aにおいて、曲線1603は、最低階調0、最高階調X1613a、最低輝度0、最高輝度Y1623aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調階調X1613dまでの範囲における曲線1603の輝度は、0であってもよい。
領域1633bは、階調の範囲は階調X1613aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1623dから輝度Y1020までの領域である。領域1633bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1633bにおいて、曲線1603は、最低階調X1613a、最高階調X1010、最低輝度Y1623d、最高輝度Y1623cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1603は、階調X1613aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1623a<輝度Y1623d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図16(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図16(D)において、曲線1604は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1604は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1634a、領域1634b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1614aは曲線1604の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1614bは曲線1604の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、階調X1614dは領域1634aにおける処理階調量、輝度Y1624aは領域1634aにおける曲線1604の最高輝度、輝度Y1624bは階調X1614aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1624dは領域1634bにおける曲線1604の最低輝度を、それぞれ表している。
領域1634aは、階調の範囲は0から階調X1614aまで、輝度の範囲は0から輝度Y1624aまでの領域である。領域1634aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ減算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1614dである。領域1634aにおいて、曲線1604は、最低階調0、最高階調X1614a、最低輝度0、最高輝度Y1624aであり、数式4(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。なお、階調0から階調階調X1614dまでの範囲における曲線1604の輝度は、0であってもよい。
領域1634bは、階調の範囲は階調X1614aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1624bから輝度Y1020までの領域である。領域1634bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1634bにおいて、階調X1614aから階調X1614bまでの領域では、曲線1604は、最低階調X1614a、最高階調X1614b、最低輝度Y1624d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1614bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1604は、階調X1614aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1624a<輝度Y1624d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域ではより暗く、高階調の領域ではより明るくすることができるため、コントラストを高めることができる。
なお、図16(D)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図17を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図17(A)乃至(C)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図17(A)乃至(C)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図17(A)において、曲線1701は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1701は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1731a、領域1731b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1711aは曲線1701の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1711bは階調X1010から階調X1711cだけ引いた階調、階調X1711cは領域1731bにおける処理階調量、階調X1711dは階調X1711aから階調X1711eだけ足した階調、階調X1711eは領域1731aにおける処理階調量、輝度Y1721aは領域1731aにおける曲線1701の最高輝度、輝度Y1721dは領域1731bにおける曲線1701の最低輝度、輝度Y1721eは階調0における曲線1701の輝度を、それぞれ表している。
領域1731aは、階調の範囲は0から階調X1711dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1721aまでの領域である。領域1731aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1711eである。領域1731aにおいて、曲線1701は、最低階調0、最高階調X1711a、最低輝度Y1721e、最高輝度Y1721aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1731bは、階調の範囲は階調X1711aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1721bから輝度Y1020までの領域である。領域1731bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1711cである。階調X1711aから階調X1711bまでの領域では、領域1731bにおいて、曲線1701は、最低階調X1711a、最高階調X1711b、最低輝度Y1721d、最高輝度Y1020であり、数式7(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1711bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1701は、階調X1711aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1721a<輝度Y1721d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図17(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図17(B)において、曲線1702は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1702は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1732a、領域1732b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1712aは曲線1702の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1712bは階調X1010から階調X1712cだけ引いた階調、階調X1712cは領域1732bにおける処理階調量、階調X1712dは階調X1712aから階調X1712eだけ足した階調、階調X1712eは領域1732aにおける処理階調量、輝度Y1722aは領域1732aにおける曲線1702の最高輝度、輝度Y1722dは領域1732bにおける曲線1702の最低輝度、輝度Y1722eは階調0における曲線1702の輝度を、それぞれ表している。
領域1732aは、階調の範囲は0から階調X1712dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1722aまでの領域である。領域1732aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1712eである。領域1732aにおいて、曲線1702は、最低階調0、最高階調X1712a、最低輝度Y1722e、最高輝度Y1722aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1732bは、階調の範囲は階調X1712aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1722dから輝度Y1020までの領域である。領域1732bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1712cである。階調X1712aから階調X1712bまでの領域では、領域1732bにおいて、曲線1702は、最低階調X1712a、最高階調X1712b、最低輝度Y1722d、最高輝度Y1020であり、数式7(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1712bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1702は、階調X1712aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1722a<輝度Y1722d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図17(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図17(C)において、曲線1703は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1703は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1733a、領域1733b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1713aは曲線1703の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1713bは階調X1713aから階調X1713cだけ引いた階調、階調X1713cは領域1733bにおける処理階調量、階調X1713dは階調X1713aから階調X1713eだけ足した階調、階調X1713eは領域1733aにおける処理階調量、輝度Y1723aは領域1733aにおける曲線1703の最高輝度、輝度Y1723cは領域1733bにおける曲線1703の最高輝度、輝度Y1723dは領域1733bにおける曲線1703の最低輝度、輝度Y1723eは階調0における曲線1703の輝度を、それぞれ表している。
領域1733aは、階調の範囲は0から階調X1713dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1723aまでの領域である。領域1733aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1713eである。領域1733aにおいて、曲線1703は、最低階調0、最高階調X1713a、最低輝度Y1723e、最高輝度Y1723aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1733bは、階調の範囲は階調X1713bから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1723dから輝度Y1723cまでの領域である。領域1733bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A2だけ加算されることであってもよい。ここで、A2に相当する階調量はX1713cである。領域1733bにおいて、曲線1703は、最低階調X1713a、最高階調X1010、最低輝度Y1723d、最高輝度Y1723cであり、数式4(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1703は、階調X1713において小さくなる方向で不連続(輝度Y1723a>輝度Y1723d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では明るく、高階調の領域では暗くすることができるため、コントラストを低めることができる。
なお、図17(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
次に、図18を参照して、画像の輝度を制御する方法の一例ついて説明する。図18(A)乃至(D)は、横軸を階調、縦軸を輝度とし、画像に含まれる階調に対する輝度の大きさ(階調−輝度特性)を表したものである。図18(A)乃至(D)において、曲線1000は輝度制御前の画像の階調−輝度特性、階調X1010は曲線1000における最高階調、輝度Y1020は曲線1000における最高輝度を、それぞれ表している。
図18(A)において、曲線1801は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1801は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1831a、領域1831b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1811aは曲線1801の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1811bは曲線1801の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、階調X1811dは階調X1811aから階調X1811eだけ足した階調、階調X1811eは領域1831aにおける処理階調量、輝度Y1821aは領域1831aにおける曲線1801の最高輝度、輝度Y1821bは階調X1811aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1821eは階調0における曲線1801の輝度を、それぞれ表している。
領域1831aは、階調の範囲は0から階調X1811dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1821aまでの領域である。領域1831aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1811eである。領域1831aにおいて、曲線1801は、最低階調0、最高階調X1811a、最低輝度Y1821e、最高輝度Y1821aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1831bは、階調の範囲は階調X1811aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1821bから輝度Y1020までの領域である。領域1831bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1831bにおいて、階調X1811aから階調X1811bまでの領域では、曲線1801は、最低階調X1811a、最高階調X1811b、最低輝度Y1821d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1811bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1801は、階調X1811aにおいて連続であってもよい。こうすることで、階調の境界で不自然な輪郭が出ることがないため、画質を向上することができる。
なお、図18(A)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図18(B)において、曲線1802は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1802は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1832a、領域1832b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1812aは曲線1802の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1812bは曲線1802の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、階調X1812dは階調X1812aから階調X1812eだけ足した階調、階調X1812eは領域1832aにおける処理階調量、輝度Y1822aは領域1832aにおける曲線1802の最高輝度、輝度Y1822bは階調X1812aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1822dは領域1832bにおける曲線1802の最低輝度、輝度Y1822eは階調0における曲線1802の輝度を、それぞれ表している。
領域1832aは、階調の範囲は0から階調X1812dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1822aまでの領域である。領域1832aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1812eである。領域1832aにおいて、曲線1802は、最低階調0、最高階調X1812a、最低輝度Y1822e、最高輝度Y1822aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1832bは、階調の範囲は階調X1812aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1822bから輝度Y1020までの領域である。領域1832bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1832bにおいて、階調X1812aから階調X1812bまでの領域では、曲線1802は、最低階調X1812a、最高階調X1812b、最低輝度Y1822d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1812bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1802は、階調X1812aにおいて大きくなる方向で不連続(輝度Y1822a<輝度Y1822d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。
なお、図18(B)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図18(C)において、曲線1803は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1803は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1833a、領域1833b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1813aは曲線1803の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1813bは曲線1803の輝度が輝度Y1020となる階調の内一番小さい階調、階調X1813dは階調X1813aから階調X1813eだけ足した階調、階調X1813eは領域1833aにおける処理階調量、輝度Y1823aは領域1833aにおける曲線1803の最高輝度、輝度Y1823bは階調X1813aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1823dは領域1833bにおける曲線1803の最低輝度、輝度Y1823eは階調0における曲線1803の輝度を、それぞれ表している。
領域1833aは、階調の範囲は0から階調X1813dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1823aまでの領域である。領域1833aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1813eである。領域1833aにおいて、曲線1803は、最低階調0、最高階調X1813a、最低輝度Y1823e、最高輝度Y1823aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1833bは、階調の範囲は階調X1813aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1823bから輝度Y1020までの領域である。領域1833bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって乗算されることであってもよい。領域1833bにおいて、階調X1813aから階調X1813bまでの領域では、曲線1803は、最低階調X1813a、最高階調X1813b、最低輝度Y1823d、最高輝度Y1020であり、数式5(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。階調X1813bから階調X1010までの領域では、輝度は最高輝度Y1020で一定であってもよい。
なお、曲線1803は、階調X1813aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1823a>輝度Y1823d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では曲線1000との輝度差を大きくできるため、動画ボケを低減することができる。高階調の領域では曲線1000との輝度差を小さくできるため、フリッカを低減することができる。
なお、図18(C)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
図18(D)において、曲線1804は、輝度制御後の画像の階調−輝度特性である。曲線1804は、階調−輝度平面に2つの領域(領域1834a、領域1834b)を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性である。また、階調X1814aは曲線1804の階調−輝度特性が変化する境界の階調、階調X1814dは階調X1814aから階調X1814eだけ足した階調、階調X1814eは領域1834aにおける処理階調量、輝度Y1824aは領域1834aにおける曲線1804の最高輝度、輝度Y1824bは階調X1814aにおける曲線1000の輝度、輝度Y1824cは領域1834bにおける曲線1804の最高輝度、輝度Y1824dは領域1834bにおける曲線1804の最低輝度、輝度Y1824eは階調0における曲線1804の輝度を、それぞれ表している。
領域1834aは、階調の範囲は0から階調X1814dまで、輝度の範囲は0から輝度Y1824aまでの領域である。領域1834aにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、正の数A1だけ加算されることであってもよい。ここで、A1に相当する階調量はX1814eである。領域1834aにおいて、曲線1804は、最低階調0、最高階調X1814a、最低輝度Y1824e、最高輝度Y1824aであり、数式7(AはA1とする)で表される曲線であってもよい。
領域1834bは、階調の範囲は階調X1814aから階調X1010まで、輝度の範囲は輝度Y1824dから輝度Y1824cまでの領域である。領域1834bにおいて曲線1000に対して行なわれる処理は、1以上の係数A2によって除算されることであってもよい。領域1834bにおいて、曲線1804は、最低階調X1814a、最高階調X1010、最低輝度Y1824d、最高輝度Y1824cであり、数式2(AはA2とする)で表される曲線であってもよい。
なお、曲線1804は、階調X1814aにおいて小さくなる方向で不連続(輝度Y1824a>輝度Y1824d)であってもよい。こうすることで、低階調の領域では明るく、高階調の領域では暗くすることができるため、コントラストを低めることができる。
なお、図18(D)で表したような階調−輝度特性の制御方法は、輝度を指定するための画像データに対して、処理を行なうことで実現できる。この場合は、輝度制御を画像データ処理によって行なうことが可能であるため、精細な制御を行なうことができる。
以上に説明した画像の輝度を制御する方法の例では、階調−輝度平面の全ての領域において同じ処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性と、階調−輝度平面に2つの領域を設けて、それぞれの領域において異なる処理を曲線1000に対して行なうことで得られる階調−輝度特性と、について述べたが、同じ処理を行なう領域はこれに限定されず、様々な数の領域を設けることができる。たとえば、3つの領域を設けてもよいし、4つの領域を設けてもよいし、それ以上の領域を設けてもよい。
なお、画像の輝度を制御する方法のうち、複数の領域を設ける場合において、表示装置全体の駆動条件を変化させることでも実現できる。たとえば、液晶表示装置においては、バックライトの輝度を、画像データによって部分ごとに制御することで実現できる。また、この場合は、画像データ処理が簡単であるため、消費電力および発熱を低減できる。また、黒画像を表示する場合において光漏れを低減できるので、コントラストを向上することができる。
なお、本実施形態で述べた内容は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施形態においては、本明細書にかかる表示装置または半導体装置の駆動方法によって、動画ボケを低減する方法の例について説明する。
まず、図19を参照して、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍である場合について説明する。図19(A)乃至(E)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図19(A)乃至(E)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。
図19(A)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像1901は前フレームの基本画像、第2の画像1902は前フレームの第1の補間画像、第3の画像1903は前フレームの第2の補間画像、第4の画像1904は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図19(A)は、実施形態1で説明した駆動方法を表している。つまり、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像1902および第3の画像1903は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
このとき、第1の画像1901の代表的な輝度をL、第2の画像1902の代表的な輝度をLc1、第3の画像1903の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL > Lc1またはL > Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L < Lc1=Lc2 < 0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L < Lc1=Lc2 < 0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、第2の画像1902および第3の画像1903を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図19(B)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像1911は前フレームの基本画像、第2の画像1912は前フレームの第1の補間画像、第3の画像1913は前フレームの第2の補間画像、第4の画像1914は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図19(B)は、図19(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像1912および第3の画像1913は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図19(B)においては、基本画像か補間画像かに関わらず、輝度を制御する画像を交互に表示する点が図19(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像1911の代表的な輝度をL、第2の画像1912の代表的な輝度をLc1、第3の画像1913の代表的な輝度をLc2、第4の画像1914の代表的な輝度をLc3としたとき、LとLc1とLc2とLc3でL > Lc1またはL=Lc2またはL > Lc3またはLc1 < Lc2またはLc1=Lc3またはLc2 > Lc3という関係があってもよい。望ましくは、0.1L=0.1Lc2 < Lc1=Lc3 < 0.8L=0.8Lc2という関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L=0.2Lc2 < Lc1=Lc3 < 0.5L=0.5Lc2という関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。その上で、代表的な輝度の変化の周波数を大きくすることができるため、フリッカを低減することができる。
なお、輝度を制御する画像を交互に表示することにより、補間画像であっても輝度が小さくならず、基本画像と同等の輝度を持つ場合がある。この場合、平均輝度が大きくなり、光の利用効率が向上するため、表示輝度が向上し、消費電力を低減することができる。
なお、第2の画像1912および第4の画像1914を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図19(C)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像1921は前フレームの基本画像、第2の画像1922は前フレームの第1の補間画像、第3の画像1923は前フレームの第2の補間画像、第4の画像1924は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図19(C)は、図19(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像1922および第3の画像1923は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図19(C)においては、第3の画像1923の輝度を全体的に小さくし、黒画像またはほぼ黒画像に近い暗い画像とする点が図19(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像1921の代表的な輝度をL、第2の画像1922の代表的な輝度をLc1、第3の画像1923の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc1またはL>Lc2またはLc1>Lc2という関係があってもよい。望ましくは、Lc2=0<0.1L<Lc1<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、Lc2=0<0.2L<Lc1<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。なお、このとき、生成する補間画像は1種類でもよい。こうすることで、画像データ処理にかかる負荷を低減できるので、消費電力および発熱を低減できる。また、第1の画像1921から第3の画像1923までの輝度変化が滑らかになるので、フリッカを低減することができる。
なお、第2の画像1922を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。また、第3の画像1923を表示するとき、バックライトの輝度を0としてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図19(D)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像1931は前フレームの基本画像、第2の画像1932は前フレームの第1の補間画像、第3の画像1933は前フレームの第2の補間画像、第4の画像1934は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図19(D)は、図19(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像1932および第3の画像1933は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図19(D)においては、第2の画像1932の輝度を全体的に小さくし、黒画像またはほぼ黒画像に近い暗い画像とする点が図19(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像1931の代表的な輝度をL、第2の画像1932の代表的な輝度をLc1、第3の画像1933の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc2またはL>Lc1またはLc1<Lc2という関係があってもよい。望ましくは、Lc1=0<0.1L<Lc2< 0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、Lc1=0<0.2L<Lc2<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。なお、このとき、生成する補間画像は1種類でもよい。こうすることで、画像データ処理にかかる負荷を低減できるので、消費電力および発熱を低減できる。また、第2の画像1932から第4の画像1934までの輝度変化が滑らかになるので、フリッカを低減することができる。
なお、表示装置として、液晶表示装置のように電圧に対する応答速度が遅い表示素子を用いた表示装置を用いた場合、表示素子の応答速度を高めるために、一旦、目的の輝度よりも大きく輝度を変化させるという駆動方法(オーバードライブ)がある。図19(D)のように、第1の画像1931から第3の画像1933に至るまでに、第2の画像1932として黒画像を挿入することは、ちょうどオーバードライブと同様の駆動を行なっているため、第3の画像1933を表示する速度が速くなるという効果がある。
なお、第2の画像1932を表示するとき、バックライトの輝度を0としてもよい。また、第3の画像1933を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図19(E)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像1941は前フレームの基本画像、第2の画像1942は前フレームの第1の補間画像、第3の画像1943は前フレームの第2の補間画像、第4の画像1944は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図19(E)は、図19(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像1942および第3の画像1943は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図19(E)においては、第1の画像1941の階調レベルを大きくし、輝度が飽和した部分について、第2の画像1942を補間画像として表示し、第1の画像1941の階調を補う点が図19(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像1941の代表的な輝度をL、第2の画像1942の代表的な輝度をLc1、第3の画像1943の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc1またはL>Lc2またはLc1<Lc2という関係があってもよい。望ましくは、Lc1<0.1L<Lc2<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、Lc1<0.2L<Lc2<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。なお、このとき、動きベクトルにより生成する補間画像は1種類でもよい。こうすることで、画像データ処理にかかる負荷を低減できるので、消費電力および発熱を低減できる。
なお、第2の画像1942および第3の画像1943を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
なお、図19に示す方法は、図6および図7に示す方法と組み合わせることができる。すなわち、補間画像が、複数の基本画像の中間状態となるように作成された上で、表示フレームレートを一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。表示フレームレートが大きくなる場合は、補間画像の輝度を時間に対して徐々に変化させるようにすれば、動画がなめらかになり、かつ、輝度変化がなめらかになる。したがって、動画ボケが低減でき、かつ、フリッカが減少する。また、明るい画像と暗い画像が交互に表示されるようにしてもよい。こうすることで、代表的な輝度の変化の周波数を大きくすることができるため、フリッカを低減することができる。
次に、図20を参照して、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍である場合の別の例について説明する。図20(A)乃至(E)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図20(A)乃至(E)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。
図20(A)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2001は前フレームの基本画像、第2の画像2002は前フレームの第1の補間画像、第3の画像2003は前フレームの第2の補間画像、第4の画像2004は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図20(A)は、実施形態1で説明した駆動方法を表している。つまり、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像2002および第3の画像2003は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
このとき、第1の画像2001の代表的な輝度をL、第2の画像2002の代表的な輝度をLc1、第3の画像2003の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc1またはL>Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L<Lc1=Lc2<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc1=Lc2<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、第2の画像2002および第3の画像2003を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図20(B)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2011は前フレームの基本画像、第2の画像2012は前フレームの第1の補間画像、第3の画像2013は前フレームの第2の補間画像、第4の画像2014は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図20(B)は、図20(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像2012および第3の画像2013は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図20(B)においては、基本画像および第2の画像2012の輝度はそのままで、第3の画像2013の輝度を変化させる点が図20(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像2011の代表的な輝度をL、第2の画像2012の代表的な輝度をLc1、第3の画像2013の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL=Lc1またはL>Lc2またはLc1>Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L=0.1Lc1<Lc2<0.8L=0.8Lc1という関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L=0.2Lc1<Lc2<0.5L=0.5Lc1という関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。また、1フレーム期間内の平均輝度が大きいので、消費電力を低減することができる。
なお、第3の画像2013を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図20(C)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2021は前フレームの基本画像、第2の画像2022は前フレームの第1の補間画像、第3の画像2023は前フレームの第2の補間画像、第4の画像2024は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図20(C)は、図20(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像2022および第3の画像2023は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図20(C)においては、基本画像および第3の画像2023の輝度はそのままで、第2の画像2022の輝度を変化させる点が図20(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像2021の代表的な輝度をL、第2の画像2022の代表的な輝度をLc1、第3の画像2023の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc1またはL=Lc2またはLc1<Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L=0.1Lc2<Lc1<0.8L=0.8Lc2という関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L=0.2Lc2<Lc1<0.5L=0.5Lc2という関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。また、1フレーム期間内の平均輝度が大きいので、消費電力を低減することができる。
なお、第2の画像2022を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図20(D)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2031は前フレームの基本画像、第2の画像2032は前フレームの第1の補間画像、第3の画像2033は前フレームの第2の補間画像、第4の画像2034は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図20(D)は、図20(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像2032および第3の画像2033は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図20(D)においては、補間画像である第2の画像2032と第3の画像2033において、輝度を変化させる量を変える点が図20(A)で示す方法と異なる。すなわち、第1の画像2031の代表的な輝度をL、第2の画像2032の代表的な輝度をLc1、第3の画像2033の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc1またはL>Lc2またはLc1>Lc2という関係があってもよい。望ましくは、Lc1に関しては、0.2L<Lc1<0.8L、Lc2に関しては、0.1L<Lc2<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。また、第1の画像2031から第3の画像2033までの輝度変化が滑らかになるので、フリッカを低減することができる。
なお、第2の画像2032および第3の画像2033を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
図20(E)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2041は前フレームの基本画像、第2の画像2042は前フレームの第1の補間画像、第3の画像2043は前フレームの第2の補間画像、第4の画像2044は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。
図20(E)は、図20(A)で示す方法と同じく、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。つまり、第2の画像2042および第3の画像2043は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
図20(E)においては、補間画像である第2の画像2042と第3の画像2043において、輝度を変化させる量を変える点が図20(A)で示す方法と異なる。。すなわち、第1の画像2041の代表的な輝度をL、第2の画像2042の代表的な輝度をLc1、第3の画像2043の代表的な輝度をLc2としたとき、LとLc1とLc2でL>Lc1またはL>Lc2またはLc1<Lc2という関係があってもよい。望ましくは、Lc1に関しては、0.1L<Lc1<0.5L、Lc2に関しては、0.2L<Lc2<0.8Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。また、第2の画像2042から第4の画像2044までの輝度変化が滑らかになるので、フリッカを低減することができる。
なお、第2の画像2042および第3の画像2043を表示するとき、バックライトの輝度を小さくしてもよい。こうすることで、光漏れが減少し、表示のコントラストを向上できる。また、消費電力も低減することができる。
なお、表示装置として、液晶表示装置のように電圧に対する応答速度が遅い表示素子を用いた表示装置を用いた場合、表示素子の応答速度を高めるために、一旦、目的の輝度よりも大きく輝度を変化させるという駆動方法(オーバードライブ)がある。図20(D)のように、第1の画像2041から第3の画像2043に至るまでに、第2の画像2042として暗い画像を挿入することは、ちょうどオーバードライブと同様の駆動を行なっているため、第3の画像2043を表示する速度が速くなるという効果がある。
なお、図20に示す方法は、図6および図7に示す方法と組み合わせることができる。すなわち、補間画像が、複数の基本画像の中間状態となるように作成された上で、表示フレームレートを一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザーによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。表示フレームレートが大きくなる場合は、補間画像の輝度を時間に対して徐々に変化させるようにすれば、動画がなめらかになり、かつ、輝度変化がなめらかになる。したがって、動画ボケが低減でき、かつ、フリッカが減少する。また、明るい画像と暗い画像が交互に表示されるようにしてもよい。こうすることで、代表的な輝度の変化の周波数を大きくすることができるため、フリッカを低減することができる。
次に、図21を参照して、本明細書に係る別の駆動方法について説明する。図21(A)および(B)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図21(A)および(B)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。また、図21(A)および(B)は、複数のサブフレームを用いて1つの画像を表示する場合を表している。
図21(A)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2101は前フレームの基本画像、第2の画像2102は前フレームの補間画像、第3の画像2103は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第1の画像2101、第2の画像2102および第3の画像2103は、それぞれ複数のサブフレームで構成されていてもよい。ここでは、第1の画像2101を表示するための複数のサブフレームはSF2111、SF2112およびSF2113とし、第2の画像2102を表示するための複数のサブフレームはSF2114、SF2115およびSF2116とし、第3の画像2103を表示するための複数のサブフレームはSF2117、SF2118およびSF2119として説明する。
図21(A)に示す駆動方法は、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法であって、第1の画像2101と第2の画像2102の輝度を異ならせる一方で、それぞれの画像における複数のサブフレームの代表的な輝度は概ね同じとする方法である。つまり、第2の画像2102は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
ここで、第1の画像2101を表示するための複数のサブフレームSF2111、SF2112およびSF2113の代表的な輝度をL、第2の画像2102を表示するための複数のサブフレームSF2114、SF2115およびSF2116の代表的な輝度をLcとしたとき、LとLcで0.1L<Lc<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
図21(B)において、期間100は、1フレーム期間を表している。第1の画像2121は前フレームの基本画像、第2の画像2122は前フレームの補間画像、第3の画像2123は当該フレームの基本画像を、それぞれ表している。ここで、第1の画像2121、第2の画像2122および第3の画像2123は、それぞれ複数のサブフレームで構成されていてもよい。ここでは、第1の画像2121を表示するための複数のサブフレームはSF2131、SF2132およびSF2133とし、第2の画像2122を表示するための複数のサブフレームはSF2134、SF2135およびSF2136とし、第3の画像2123を表示するための複数のサブフレームはSF2137、SF2138およびSF2139として説明する。
図21(B)に示す駆動方法は、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法であって、表示されるサブフレームの順番に対して交互に輝度を異ならせる方法である。つまり、第2の画像2102および第3の画像2103は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
ここで、サブフレームSF2131、SF2133およびSF2135の代表的な輝度をL、サブフレームSF2132、SF2134およびSF2136の代表的な輝度をLcとしたとき、LとLcで0.1L<Lc<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc<0.5Lという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。その上で、代表的な輝度の変化の周波数を大きくすることができるため、フリッカを低減することができる。
なお、画像を複数のサブフレームに分ける方法としては、色ごとに分ける方法(フィールドシーケンシャル)、階調で分ける方法(時間階調)などがあるが、本明細書に係る駆動方法は、いずれの方法でも適用することができる。また、画像を複数のサブフレームに分ける数は3つに限定されず、様々な数に分けることができる。
なお、本実施形態で述べた内容は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施形態においては、本明細書にかかる表示装置または半導体装置の駆動方法における駆動タイミングの例について説明する。
まず、図22を参照して、バックライトで画像の輝度を制御する方法について説明する。図22(A)乃至(C)は、表示フレームレートが入力フレームレートの2倍である場合におけるタイミングチャートである。期間100は1フレーム期間、期間2291は第1の画像を表示する期間、期間2292は第2の画像を表示する期間を、それぞれ表している。また、図22(A)乃至(C)は、期間2291においては本来の画像を表示し、期間2292においては輝度が減少された画像を表示する場合を表している。
図22(A)乃至(C)において、G1乃至Gnは走査線であり、タイミングチャートではそれぞれの走査線の電圧を表している。ここで、走査線とは、たとえば図5(A)におけるゲートドライバ513の出力端子であってもよい。ゲートドライバ513の出力端子は表示領域514内の画素回路に接続され、画素回路を一列ごとに選択(走査)できる構成となっていてもよい。図22(A)乃至(C)では、走査線G1乃至Gnのタイミングチャートによって、画素回路が走査される様子を表している。また、走査は走査線G1から始まり、走査線Gnで終わるとして示している。
図22(A)に示すタイミングチャートにおいては、走査している期間ではバックライトの輝度を0とし、全ての走査線の走査が終わった後に、バックライトを光らせて表示を行なう場合を表している。図22(A)において、電圧V2201、電圧V2202はデータ電圧の絶対値の上限、輝度L2203、輝度L2204はバックライト輝度を表している。
期間2291においては、走査している期間ではバックライトの輝度は0であり、データ電圧の絶対値の上限は電圧V2201である。なお、データ電圧は、画素回路によって異なる電圧であってもよいため、幅を持たせて示している。全ての走査線の走査が終わった後は、バックライト輝度を輝度L2203とし、表示を行なう。
期間2292においては、走査している期間ではバックライトの輝度は0であり、データ電圧の絶対値の上限は電圧V2202である。全ての走査線の走査が終わった後は、バックライト輝度を輝度L2204とし、表示を行なう。
ここで、期間2291におけるバックライトの輝度L2203は、期間2292におけるバックライトの輝度L2204よりも大きい輝度であってもよい。こうすることによって、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
なお、電圧V2201と電圧V2202は、同程度の大きさであってもよい。こうすることで、画像データの処理が簡単になるため、消費電力および発熱を低減することができる。
なお、図22(A)に示すタイミングチャートでは、輝度L2203と輝度L2204が異なることによって表示を擬似的にインパルス型に近づけることに加えて、走査している期間でバックライトの輝度を0とすることによって、さらにインパルス型に近づいている。そのため、目の残像を抑える効果が非常に大きく、動画ボケを大幅に低減することができる。
図22(B)に示すタイミングチャートにおいては、走査している期間でもバックライト光らせている。そして、期間2291と期間2292でバックライト輝度を変えることで、画像の輝度制御を行なっている。図22(B)において、電圧V2211、電圧V2212はデータ電圧の絶対値の上限、輝度L2213、輝度L2214はバックライト輝度を表している。
期間2291においては、データ電圧の絶対値の上限は電圧V2211である。また、走査している期間はバックライト輝度を輝度L2213とし、表示を行なう。
期間2292においては、データ電圧の絶対値の上限は電圧V2212である。また、走査している期間はバックライト輝度を輝度L2214とし、表示を行なう。
ここで、期間2291におけるバックライトの輝度L2213は、期間2292におけるバックライトの輝度L2214よりも大きい輝度であってもよい。こうすることによって、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができる。
なお、電圧V2211と電圧V2212は、同程度の大きさであってもよい。こうすることで、画像データの処理が簡単になるため、消費電力および発熱を低減することができる。
なお、図22(B)に示すタイミングチャートにおいては、走査している期間でもバックライト光らせることで、走査線G1乃至Gnおよびデータ電圧の周波数を小さくできる。こうすることで、消費電力および発熱を低減することができる。
図22(C)に示すタイミングチャートにおいては、個別に輝度を制御できる複数のバックライトBL1乃至BLmを備えている場合を示している。複数のバックライトBL1乃至BLmの輝度は、走査線G1乃至Gnの走査タイミングに合わせて制御されていてもよい。本明細書においては、このような方法をバックライトスキャンと呼ぶ。図22(C)において、電圧V2221、電圧V2222はデータ電圧の絶対値の上限、輝度L2223、輝度L2224はバックライト輝度を表している。
なお、複数のバックライトの数は、走査線の数と同じであってもよい。この場合は、バックライトスキャンによって、走査のタイミングに合わせてバックライト輝度を変更できるため、正確な輝度を表示することができる。
なお、複数のバックライトの数は、走査線の数よりも少なくてもよい。この場合は、1つのバックライトに複数の走査線が割り当てられて、走査のタイミングを合わせる。こうすることで、バックライトの数を少なくすることができるため、製造コストを小さくすることができる。また、駆動が簡単になるため、消費電力および発熱を低減することができる。
なお、電圧V2221と電圧V2222は、同程度の大きさであってもよい。こうすることで、画像データの処理が簡単になるため、消費電力および発熱を低減することができる。
なお、図22(A)乃至(C)は、期間2291においては本来の画像を表示し、期間2292においては輝度が減少された画像を表示する場合を表しているが、これに限定されず、様々な組み合わせを用いることができる。たとえば、期間2291においては本来の画像を表示し、期間2292においては輝度が増加された画像を表示してもよいし、期間2291においては輝度が減少された画像を表示し、期間2292においては本来の画像を表示してもよいし、期間2291においては輝度が増加された画像を表示し、期間2292においては本来の画像を表示してもよい。
なお、図22(A)乃至(C)は、表示フレームレートが入力フレームレートの2倍である場合におけるタイミングチャートを示しているが、これに限定されず、様々なフレームレートを用いることができる。たとえば、入力フレームレートに対する表示フレームレートが1.5倍であってもよいし、3倍であってもよいし、4倍以上であってもよい。
次に、図23を参照して、データ電圧で画像の輝度を制御する方法について説明する。図23(A)および(B)は、表示フレームレートが入力フレームレートの2倍である場合におけるタイミングチャートである。期間100は1フレーム期間、期間2391は第1の画像を表示する期間、期間2392は第2の画像を表示する期間を、それぞれ表している。また、図23(A)および(B)は、期間2391においては本来の画像を表示し、期間2392においては輝度が減少された画像を表示する場合を表している。
図23(A)および(B)において、G1乃至Gnは走査線であり、タイミングチャートではそれぞれの走査線の電圧を表している。ここで、走査線とは、たとえば図5(A)におけるゲートドライバ513の出力端子であってもよい。ゲートドライバ513の出力端子は表示領域514内の画素回路に接続され、画素回路を一列ごとに選択(走査)できる構成となっていてもよい。図23(A)乃至(C)では、走査線G1乃至Gnのタイミングチャートによって、画素回路が走査される様子を表している。また、走査は走査線G1から始まり、走査線Gnで終わるとして示している。
図23(A)および(B)において、データ電圧は、表示素子がノーマリーブラックである場合(データ電圧NB)と、ノーマリーホワイトである場合(データ電圧NW)の2種類が示されている。ここで、ノーマリーブラックとは、画素回路にデータ電圧0をかけたとき(電圧をかけないとき)に黒を表示し(輝度最小)、かける電圧を大きくするにしたがって輝度が大きくなる表示素子のことである。ここで、ノーマリーホワイトとは、画素回路にデータ電圧0をかけたとき(電圧をかけないとき)に白を表示し(輝度最大)、かける電圧を大きくするにしたがって輝度が小さくなる表示素子のことである。
図23(A)に示すタイミングチャートにおいては、1フレーム期間100において、バックライトの輝度は一定であり、データ電圧によって期間2391における画像の輝度と期間2392における画像の輝度を変化させる場合を表している。図23(A)において、電圧V2301、電圧V2302、電圧V2303、電圧V2304はデータ電圧の絶対値の上限、輝度L2305はバックライト輝度を表している。
図23(A)の期間2391におけるデータ電圧NBの絶対値の上限電圧V2301は、図23(A)の期間2392におけるデータ電圧NBの絶対値の上限電圧V2302よりも大きくする。ノーマリーブラックの表示素子は、かける電圧が大きいほど輝度が大きくなるので、データ電圧の絶対値の上限が大きいということは、小さい場合に比べて、画像全体の輝度が大きくなる。すなわち、図23(A)のデータ電圧NBのように、電圧V2301を電圧V2302よりも大きくすることによって、期間2391における画像の輝度は、期間2392における画像の輝度よりも大きくなる。こうすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができ、動画ボケを低減することができる。
図23(A)の期間2391におけるデータ電圧NWの絶対値の上限電圧V2303は、図23(A)の期間2392におけるデータ電圧NWの絶対値の上限電圧V2304よりも小さくする。ノーマリーホワイトの表示素子は、かける電圧が大きいほど輝度が小さくなるので、データ電圧の絶対値の上限が小さいということは、大きい場合に比べて、画像全体の輝度が大きくなる。すなわち、図23(A)のデータ電圧NWのように、電圧V2303を電圧V2304よりも小さくすることによって、期間2391における画像の輝度は、期間2392における画像の輝度よりも大きくなる。こうすることで、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができ、動画ボケを低減することができる。
図23(B)に示すタイミングチャートにおいては、1フレーム期間100において、バックライトの輝度は一定であり、データ電圧によって期間2391における画像の輝度と期間2392における画像の輝度を変化させる場合のうち、オーバードライブを行なうときを示している。このとき、期間2391および期間2392において、走査線G1乃至Gnの走査を、前半部分と後半部分に分けて2回行なってもよい。前半部分でオーバードライブを行い、後半部分で本来の画像の輝度を表示することで、表示素子の応答速度が向上する。図23(B)において、期間2393は期間2391の前半部分、期間2394は期間2391の後半部分、期間2395は期間2392の前半部分、期間2396は期間2392の後半部分、電圧V2311、電圧V2312、電圧V2313、電圧V2314、電圧V2315、電圧V2316、電圧V2317、電圧V2318はデータ電圧の絶対値の上限、輝度L2309はバックライト輝度を表している。
まず、図23(B)のデータ電圧NBにおける本来の画像のデータ電圧について説明する。期間2391および期間2392におけるデータ電圧NBの本来の電圧値は、後半部分である電圧V2312および電圧V2314であってもよい。電圧V2312を電圧V2314よりも大きくすることによって、期間2391における画像の輝度を期間2392における画像の輝度よりも大きくできるので、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができ、動画ボケを低減することができる。
ここで、期間2391および期間2392の前半部分のデータ電圧NBは、本来の電圧値である後半部分に素早く近づけるためのオーバードライブ電圧であってもよい。具体的には、期間2391における本来の画像のデータ電圧V2312から、期間2392における本来の画像のデータ電圧V2314までは、電圧を小さくする方向へ変化させなければならないから、この変化の速度を大きくするために、両者の間にある期間2395におけるデータ電圧電圧V2313は、目的の画像のデータ電圧V2314よりも小さくする。こうすることによって、データ電圧V2312から、データ電圧V2314までの変化の速度を大きくすることができる。
同様に、期間2392における本来の画像のデータ電圧V2314から、期間2391における本来の画像のデータ電圧V2312までは、電圧を大きくする方向へ変化させなければならないから、この変化の速度を大きくするために、両者の間にある期間2393におけるデータ電圧V2311は、目的の画像のデータ電圧V2312よりも大きくする。こうすることによって、データ電圧V2314から、データ電圧V2312までの変化の速度を大きくすることができる。
次に、図23(B)のデータ電圧NWにおける本来の画像のデータ電圧について説明する。期間2391および期間2392におけるデータ電圧NWの本来の電圧値は、後半部分である電圧V2316および電圧V2318であってもよい。電圧V2316を電圧V2318よりも小さくすることによって、期間2391における画像の輝度を期間2392における画像の輝度よりも大きくできるので、表示を擬似的にインパルス型に近づけることができるため、目の残像を抑えることができ、動画ボケを低減することができる。
ここで、期間2391および期間2392の前半部分のデータ電圧NWは、本来の電圧値である後半部分に素早く近づけるためのオーバードライブ電圧であってもよい。具体的には、期間2391における本来の画像のデータ電圧V2316から、期間2392における本来の画像のデータ電圧V2318までは、電圧を大きくする方向へ変化させなければならないから、この変化の速度を大きくするために、両者の間にある期間2395におけるデータ電圧電圧V2317は、目的の画像のデータ電圧V2318よりも大きくする。こうすることによって、データ電圧V2316から、データ電圧V2318までの変化の速度を大きくすることができる。
同様に、期間2392における本来の画像のデータ電圧V2318から、期間2391における本来の画像のデータ電圧V2316までは、電圧を小さくする方向へ変化させなければならないから、この変化の速度を大きくするために、両者の間にある期間2393におけるデータ電圧V2315は、目的の画像のデータ電圧V2316よりも小さくする。こうすることによって、データ電圧V2318から、データ電圧V2316までの変化の速度を大きくすることができる。
なお、図23(B)に示すタイミングチャートにおいては、期間2391および期間2392の前半部分でオーバードライブ電圧、後半部分で本来の画像の電圧をかけるとしたが、逆でもよい。つまり、期間2391および期間2392の前半部分で本来の画像の電圧、後半部分でオーバードライブ電圧をかけてもよい。この場合においても、本来の画像の電圧を小さくする方向ならば、本来の画像を表示する期間の間にある期間においては、かける電圧を目的の電圧よりも小さくし、本来の画像の電圧を大きくする方向ならば、本来の画像を表示する期間の間にある期間においては、かける電圧を目的の電圧よりも大きくしてもよい。
なお、図23(B)においては、1フレーム期間100を4つの期間に分割したが、これに限定されず、様々な分割数を用いることができる。たとえば、1フレーム期間100を3つの期間に分割すれば、期間2391および期間2392のいずれか一方の応答速度を大きくできることに加えて、駆動する周波数を小さくできるので、消費電力および発熱を低減することができる。
なお、図23(A)および(B)は、表示フレームレートが入力フレームレートの2倍である場合におけるタイミングチャートを示しているが、これに限定されず、様々なフレームレートを用いることができる。たとえば、入力フレームレートに対する表示フレームレートが1.5倍であってもよいし、3倍であってもよいし、4倍以上であってもよい。
なお、図22(A)乃至(C)に示した例と、図23(A)および(B)に示した例は、それぞれ組み合わせて実施できる。
なお、本実施形態で述べた内容は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置の画素構造について説明する。特に、液晶表示装置の画素構造について説明する。
図24は、液晶表示装置の画素構造のうち、TN方式と呼ばれるものに、薄膜トランジスタ(TFT)を組み合わせた場合の画素の断面図と上面図である。図24の(A)は、画素の断面図であり、図24の(B)は、画素の上面図である。また、図24の(A)に示す画素の断面図は、図24の(B)に示す画素の上面図における線分a−a’に対応している。図24に示す画素構造の液晶表示装置に本発明を適用することによって、安価に液晶表示装置を製造することができる。
図24の(A)を参照して、TN方式の液晶表示装置の画素構造について説明する。液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図24の(A)において、2枚の基板は、第1の基板10101および第2の基板10116である。第1の基板には、TFTおよび画素電極を作製し、第2の基板には、遮光膜10114、カラーフィルタ10115、第4の導電層10113、スペーサ10117、および第2の配向膜10112を作製してもよい。
なお、本発明は、第1の基板10101にTFTを作製しなくとも実施可能である。TFTを作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。さらに、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、TFTを作製して本発明を実施する場合は、より大型の表示装置を得ることができる。
なお、図24に示すTFTは、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のTFTである。非結晶半導体を用いたTFTを適応した液晶パネルは、大面積の基板を用いて、安価に作製できるという利点がある。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。使用できるTFTの構造は、ボトムゲート型のTFTではチャネルエッチ型、チャネル保護型などがある。また、トップゲート型でもよい。さらに、非晶質半導体だけではなく、多結晶半導体も用いることができる。
なお、本発明は、第2の基板10116に遮光膜10114を作製しなくとも実施可能である。遮光膜10114を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、遮光膜10114を作製して本発明を実施する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10116にカラーフィルタ10115を作製しなくとも実施可能である。カラーフィルタ10115を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。ただし、カラーフィルタ10115を作製せずに本発明を実施する場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10115を作製して本発明を実施する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10116にスペーサ10117を作製せず、球状のスペーサを散布することでも実施可能である。球状のスペーサを散布することで本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10117を作製して本発明を実施する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
次に、第1の基板10101に施す加工について説明する。第1の基板10101は透光性を有する基板が好適であり、例えば石英基板、ガラス基板またはプラスチック基板でもよい。なお、第1の基板10101は遮光性の基板でもよく、半導体基板又はSOI(Silicon on Insulator)基板でもよい。
まず、第1の基板10101に第1の絶縁膜10102を成膜してもよい。第1の絶縁膜10102は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)等の絶縁膜であってもよい。あるいは、第1の絶縁膜10102は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)等のうちの2つ以上の膜を組み合わせた積層構造の絶縁膜を用いてもよい。第1の絶縁膜10102を成膜して本発明を実施する場合は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、TFTの性質が変化してしまうのを防ぐことができる。また、TFTの性質の変化を抑制できるので、信頼性の高い表示装置を得ることができる。なお、第1の絶縁膜10102を成膜せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。
次に、第1の基板10101または第1の絶縁膜10102上に、第1の導電層10103を形成する。なお、第1の導電層10103は、形状を加工して形成してもよい。形状を加工する工程は、次のようなものであることが好適である。まず、第1の導電層10103を全面に成膜する。このとき、第1の導電層10103は、スパッタ装置、またはCVD装置などの成膜装置を用いて成膜されてもよい。次に、全面に成膜した第1の導電層上に、感光性のレジスト材料を全面に形成する。次に、フォトリソグラフィ法やレーザー直描法などによって、形成したい形状に従ってレジスト材料を感光させる。次に、感光させたレジスト材料、または感光させなかったレジスト材料のうち、どちらか一方を、エッチングによって除去することで、第1の導電層10103を形状加工するためのマスクを得ることができる。その後、形成したマスクパターンに従って、第1の導電層10103をエッチングにより除去することで、所望のパターンに第1の導電層10103を形状加工することができる。なお、第1の導電層10103をエッチングする方法には、化学的な方法(ウェットエッチング)と、物理的な方法(ドライエッチング)があるが、第1の導電層10103の材料や、第1の導電層10103の下層にある材料の性質などを勘案し、適宜選択する。なお、第1の導電層10103に使用する材料は、Mo、Ti、Al、Nd、Crなどが好適である。あるいは、Mo、Ti、Al、Nd、Crなどのうちの2つ以上を組み合わせた積層構造であってもよい。
次に、第2の絶縁膜10104を形成する。このとき、第2の絶縁膜10104は、スパッタ装置またはCVD装置などの成膜装置を用いて成膜されてもよい。なお、第2の絶縁膜10104に使用する材料は、熱酸化膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などが好適である。あるいは、熱酸化膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などのうち2以上を組み合わせた積層構造であってもよい。なお、第1の半導体層10105に接する部分の第2の絶縁膜10104は、酸化シリコン膜であることが、特に好適である。なぜならば、酸化シリコン膜にすると半導体層10105との界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。なお、第1の導電層10103をMoで形成するときは、第1の導電層10103と接する部分の第2の絶縁膜10104は窒化シリコン膜が好ましい。なぜならば、窒化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
次に、第1の半導体層10105を形成する。その後、第2の半導体層10106を連続して形成するのが好適である。なお、第1の半導体層10105および第2の半導体層10106は、形状を加工して形成してもよい。形状を加工する工程は、前述したフォトリソグラフィ法等の方法であることが好適である。なお、第1の半導体層10105に使用する材料は、シリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)などが好適である。また、第2の半導体層10106に使用する材料は、リン等を含んだシリコン等が好適である。
次に、第2の導電層10107を形成する。このとき、第2の導電層10107の形成方法としては、スパッタ法または印刷法を用いるのが好適である。なお、第2の導電層10107に使用する材料は、透明性を有していても、反射性を有していてもよい。透明性を有する場合は、例えば、酸化インジウムに酸化スズを混ぜたインジウムスズ酸化物(ITO)膜、インジウムスズ酸化物(ITO)に酸化珪素を混ぜたインジウムスズ珪素酸化物(ITSO)膜、酸化インジウムに酸化亜鉛を混ぜたインジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、酸化亜鉛膜または酸化スズ膜を用いることができる。なお、IZOとは、ITOに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合させたターゲットを用いてスパッタリングにより形成される透明導電材料である。一方、反射性を有する場合は、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Alなどを用いることができる。また、Ti、Mo、Ta、Cr、WとAlを積層させた2層構造、AlをTi、Mo、Ta、Cr、Wなどの金属で挟んだ3層積層構造としてもよい。なお、第2の導電層10107は、形状を加工して形成されてもよい。形状を加工する方法は、前述したフォトリソグラフィ法等の方法であることが好適である。なお、エッチング方法は、ドライエッチングで行なうのが好適である。ドライエッチングはECR(Electron Cycrotron Resonance)やICP(Inductive Coupled Plazma)などの高密度プラズマ源を用いたドライエッチング装置によって行われてもよい。
次に、TFTのチャネル領域を形成する。このとき、第2の半導体層10106をエッチングするためのマスクとしては、第2の導電層10107を用いてもよいし、第2の導電層10107をエッチングするためのマスク(レジスト)を用いてもよい。こうすることで、マスク枚数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。導電性をもつ第2の半導体層10106のエッチングを行なうことで、除去された部分がTFTのチャネル領域となる。なお、第1の半導体層10105と第2の半導体層10106を連続で形成せずに、第1の半導体層10105の形成のあと、TFTのチャネル領域となる部分にストッパーとなる膜を成膜およびパターン加工し、その後、第2の半導体層10106を形成してもよい。なお、第1の半導体層10105と第2の半導体層10106は、第2の導電層10107を前述したフォトリソグラフィ法等の方法で形状を加工するときに、同じマスクを用いてエッチングされる。こうすることで、第2の導電層10107をマスクとして用いないで、TFTのチャネル領域を形成することができるので、レイアウトパターンの自由度が大きくなる利点がある。また、第2の半導体層10106のエッチング時に第1の半導体層10105までエッチングしてしまわないため、エッチング不良を起こすことなく、確実にTFTのチャネル領域が形成できる利点がある。
次に、第3の絶縁膜10108を形成する。第3の絶縁膜は、透明性を有していることが好適である。なお、第3の絶縁膜10108に用いる材料は、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)または、低誘電率の有機化合物材料(感光性又は非感光性の有機樹脂材料)などが好適である。また、シロキサンを含む材料を用いてもよい。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料である。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。あるいは、置換基としてフルオロ基を用いてもよい。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。なお、第3の絶縁膜10108には、をエッチングによって、選択的にコンタクトホールが形成される。また、コンタクトホールは少なくとも第2の導電層10107上に形成される。なお、第3の絶縁膜10108をエッチングすると同時に第2の絶縁膜10104もエッチングすることで、第2の導電層10107だけではなく、第1の導電層10103とのコンタクトホールを形成することができる。なお、第3の絶縁膜10108の表面は、できるだけ平坦であることが好適である。なぜならば、液晶が接する面の凹凸により、液晶分子の配向が影響を受けてしまうからである。
次に、第3の導電層10109を形成する。このとき、第3の導電層10109の形成方法としては、スパッタ法または印刷法を用いるのが好適である。なお、第3の導電層10109に使用する材料は、第2の導電層10107と同じく、透明性を有していても、反射性を有していてもよい。なお、第3の導電層10109として使用できる材料は、第2の導電層10107と同様でもよい。また、第3の導電層10109は、形状を加工して形成してもよい。形状を加工する方法は、第2の導電層10107と同様でもよい。
次に、第1の配向膜10110を形成する。配向膜10110には、ポリイミドなどの高分子膜を用いることができる。なお、第1の配向膜10110を形成後、液晶分子の配向を制御するために、ラビングを行なってもよい。ラビングは、布で配向膜をこすることによって、配向膜にスジをつける工程である。ラビングを行なうことによって、配向膜に配向性を持たせることができる。
以上のように作製した第1の基板10101と、遮光膜10114、カラーフィルタ10115、第4の導電層10113、スペーサ10117および第2の配向膜10112を作製した第2の基板10116とは、シール材によって数μmのギャップを持たせて貼り合わせられる。そして、2枚の基板間に液晶材料を注入することで、液晶パネルが作製できる。なお、図24に示すようなTN方式の液晶パネルにおいては、第4の導電層10113は、第2の基板10116の全面に作製されていてもよい。
次に、図24に示す、TN方式の液晶パネルの画素構造の特徴について説明する。図24の(A)に示した液晶分子10118は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10118の向きを示すため、図24の(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10118は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10118ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図24の(A)に示した液晶分子10118は、第1の基板10101に近いものと、第2の基板10116に近いものとでは、その長軸の向きが90度異なっており、これらの中間に位置する液晶分子10118の長軸の向きは、これらを滑らかにつなぐような向きとなる。すなわち、図24の(A)に示した液晶分子10118は、第1の基板10101と第2の基板10116の間で、90度ねじれているような配向状態となっている。
次に、図24の(B)を参照して、TN方式の液晶表示装置に本発明を適用した場合の、画素のレイアウトの一例について説明する。本発明を適用したTN方式の液晶表示装置の画素は、走査線10121と、映像信号線10122と、容量線10123と、TFT10124と、画素電極10125と、画素容量10126と、を備えていてもよい。
走査線10121は、TFT10124のゲート電極と電気的に接続されるため、第1の導電層10103で構成されているのが好適である。
映像信号線10122は、TFT10124のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されるため、第2の導電層10107で構成されているのが好適である。また、走査線10121と映像信号線10122はマトリックス状に配置されるため、少なくとも、異なる層の導電層で形成されるのが好適である。
容量線10123は、画素電極10125と平行に配置されることで、画素容量10126を形成するための配線であり、第1の導電層10103で構成されているのが好適である。なお、図24の(B)に示すように、容量線10123は、映像信号線10122に沿って、映像信号線10122を囲むように延設されていてもよい。こうすることで、映像信号線10122の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象、いわゆるクロストークを低減することができる。なお、映像信号線10122との交差容量を低減させるため、図24の(B)に示すように、第1の半導体層10105を容量線10123と映像信号線10122の交差領域に設けてもよい。
TFT10124は、映像信号線10122と画素電極10125を導通させるスイッチとして動作する。なお、図24の(B)に示すように、TFT10124のソース領域またはドレイン領域のどちらか一方を、ソース領域またはドレイン領域の他方を囲むように配置してもよい。こうすることで、小さい面積で大きなチャネル幅を得ることができ、スイッチング能力を大きくすることができる。なお、図24の(B)に示すように、TFT10124のゲート電極は、第1の半導体層10105を囲むように配置してもよい。
画素電極10125は、TFT10124のソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10125は、映像信号線10122によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。また、容量線10123を配置することで、画素容量10126を形成してもよい。こうすることで、画素電極10125は、映像信号線10122によって伝達された信号電圧を保持しやすくなる。なお、画素電極10125は、図24の(B)に示すように、矩形であってもよい。こうすることで、画素の開口率を大きくすることができるので、液晶表示装置の効率が向上する。また、画素電極10125を、透明性をもつ材料で作製した場合は、透過型の液晶表示装置を得ることができる。透過型の液晶表示装置は、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。また、画素電極10125を、反射性をもつ材料で作製した場合は、反射型の液晶表示装置を得ることができる。反射型の液晶表示装置は、屋外などの明るい環境下における視認性が高く、また、バックライトが不要なので、消費電力を非常に小さくすることができる。なお、画素電極10125を、透明性をもつ材料および反射性をもつ材料の両方を用いて作成した場合は、両者の利点を併せ持つ、半透過型の液晶表示装置を得ることができる。なお、画素電極10125を、反射性をもつ材料で作製した場合は、画素電極10125の表面に凹凸を持たせてもよい。あるいは、第3の絶縁膜10108の表面に凹凸を持たせることで、画素電極10125を凹凸にすることもできる。こうすることで、反射光が乱反射するので、反射光の強度分布の角度依存性が小さくなる利点がある。つまり、どの角度で見ても、一定の明るさを持った反射型の液晶表示装置を得ることができる。
次に、図25を参照して、VA(Vertical Alignment)モードの液晶表示装置に、本発明を適用した場合を説明する。図25は、VAモードの液晶表示装置の画素構造のうち、配向制御用突起を用いることで、液晶分子が様々な向きを持つように制御し、視野角を大きくした、いわゆるMVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式に、本発明を適用した場合の、画素の断面図と上面図である。図25の(A)は、画素の断面図であり、図25の(B)は、画素の上面図である。また、図25の(A)に示す画素の断面図は、図25の(B)に示す画素の上面図における線分a−a’に対応している。図25に示す画素構造の液晶表示装置に本発明を適用することによって、視野角が大きく、応答速度が速く、コントラストの大きい液晶表示装置を得ることができる。
図25の(A)を参照して、MVA方式の液晶表示装置の画素構造について説明する。液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図25の(A)において、2枚の基板は、第1の基板10201および第2の基板10216である。第1の基板には、TFTおよび画素電極を作製し、第2の基板には、遮光膜10214、カラーフィルタ10215、第4の導電層10213、スペーサ10217、第2の配向膜10212、および配向制御用突起10219を作製してもよい。
なお、本発明は、第1の基板10201にTFTを作製しなくとも実施可能である。TFTを作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。さらに、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、TFTを作製して本発明を実施する場合は、より大型の表示装置を得ることができる。
なお、図25に示すTFTは、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のTFTである。非結晶半導体を用いたTFTを適応した液晶パネルは、大面積の基板を用いて、安価に作製できるという利点がある。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。使用できるTFTの構造は、ボトムゲート型のTFTではチャネルエッチ型、チャネル保護型などがある。また、トップゲート型でもよい。さらに、非晶質半導体だけではなく、多結晶半導体も用いることができる。
なお、本発明は、第2の基板10216に遮光膜10214を作製しなくとも実施可能である。遮光膜10214を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、遮光膜10214を作製して本発明を実施する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10216にカラーフィルタ10215を作製しなくとも実施可能である。カラーフィルタ10215を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。ただし、カラーフィルタ10215を作製せずに本発明を実施する場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10215を作製して本発明を実施する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10216にスペーサ10217を作製せず、球状のスペーサを散布することでも実施可能である。球状のスペーサを散布することで本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10217を作製して本発明を実施する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
次に、第1の基板10201に施す加工については、図24で説明した方法を用いてもよいため、省略する。ここで、第1の基板10201、第1の絶縁膜10202、第1の導電層10203、第2の絶縁膜10204、第1の半導体層10205、第2の半導体層10206、第2の導電層10207、第3の絶縁膜10208、第3の導電層10209、第1の配向膜10210が、それぞれ、図24における第1の基板10101、第1の絶縁膜10102、第1の導電層10103、第2の絶縁膜10104、第1の半導体層10105、第2の半導体層10106、第2の導電層10107、第3の絶縁膜10108、第3の導電層10109、第1の配向膜10110、と対応する。なお、図示はしないが、第1の基板側にも、配向制御用突起を設けてもよい。こうすることで、より確実に液晶分子の配向を制御することができる。また、第1の配向膜10210および第2の配向膜10212は、垂直配向膜でもよい。こうすることで、液晶分子10218を垂直に配向することができる。
以上のように作製した第1の基板10201と、遮光膜10214、カラーフィルタ10215、第4の導電層10213、スペーサ10217、および第2の配向膜10212を作製した第2の基板10216を、シール材によって数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで、液晶パネルが作製できる。なお、図25に示すようなMVA方式の液晶パネルにおいては、第4の導電層10213は、第2の基板10216の全面に作製されていてもよい。また、第4の導電層10213に接して、配向制御用突起10219を作製してもよい。なお、配向制御用突起10219の形状に限定はないが、滑らかな曲面を持った形状であるのが好適である。こうすることで、近接する液晶分子10218の配向が極近いものとなるため、配向不良が低減する。また、第2の配向膜10212が、配向制御用突起10219によって段切れを起こしてしまうことによる、配向膜の不良も低減することができる。
次に、図25に示す、MVA方式の液晶パネルの画素構造の特徴について説明する。図25の(A)に示した液晶分子10218は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10218の向きを示すため、図25の(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10218は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10218ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図25の(A)に示した液晶分子10218は、その長軸の向きが配向膜の法線方向を向くように配向している。よって、配向制御用突起10219のある部分の液晶分子10218は、配向制御用突起10219を中心として放射状に配向する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
次に、図25の(B)を参照して、MVA方式の液晶表示装置に本発明を適用した場合の、画素のレイアウトの一例について説明する。本発明を適用したMVA方式の液晶表示装置の画素は、走査線10221と、映像信号線10222と、容量線10223と、TFT10224と、画素電極10225と、画素容量10226と、配向制御用突起10219と、を備えていてもよい。
走査線10221は、TFT10224のゲート電極と電気的に接続されるため、第1の導電層10203で構成されているのが好適である。
映像信号線10222は、TFT10224のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されるため、第2の導電層10207で構成されているのが好適である。また、走査線10221と映像信号線10222はマトリックス状に配置されるため、少なくとも、異なる層の導電層で形成されるのが好適である。
容量線10223は、画素電極10225と平行に配置されることで、画素容量10226を形成するための配線であり、第1の導電層10203で構成されているのが好適である。なお、図25の(B)に示すように、容量線10223は、映像信号線10222に沿って、映像信号線10222を囲むように延設されていてもよい。こうすることで、映像信号線10222の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象、いわゆるクロストークを低減することができる。なお、映像信号線10222との交差容量を低減させるため、図25の(B)に示すように、第1の半導体層10205を容量線10223と映像信号線10222の交差領域に設けてもよい。
TFT10224は、映像信号線10222と画素電極10225を導通させるスイッチとして動作する。なお、図25の(B)に示すように、TFT10224のソース領域またはドレイン領域のどちらか一方を、ソース領域またはドレイン領域の他方を囲むように配置してもよい。こうすることで、小さい面積で大きなチャネル幅を得ることができ、スイッチング能力を大きくすることができる。なお、図25の(B)に示すように、TFT10224のゲート電極は、第1の半導体層10205を囲むように配置してもよい。
画素電極10225は、TFT10224のソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10225は、映像信号線10222によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。また、容量線10223を配置することで、画素容量10226を形成してもよい。こうすることで、画素電極10225は、映像信号線10222によって伝達された信号電圧を保持しやすくなる。なお、画素電極10225は、図25の(B)に示すように、矩形であってもよい。こうすることで、画素の開口率を大きくすることができるので、液晶表示装置の効率が向上する。また、画素電極10225を、透明性をもつ材料で作製した場合は、透過型の液晶表示装置を得ることができる。透過型の液晶表示装置は、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。また、画素電極10225を、反射性をもつ材料で作製した場合は、反射型の液晶表示装置を得ることができる。反射型の液晶表示装置は、屋外などの明るい環境下における視認性が高く、また、バックライトが不要なので、消費電力を非常に小さくすることができる。なお、画素電極10225を、透明性をもつ材料および反射性をもつ材料の両方を用いて作成した場合は、両者の利点を併せ持つ、半透過型の液晶表示装置を得ることができる。なお、画素電極10225を、反射性をもつ材料で作製した場合は、画素電極10225の表面に凹凸を持たせてもよい。あるいは、第3の絶縁膜10208の表面に凹凸を持たせることで、画素電極10225を凹凸にすることもできる。こうすることで、反射光が乱反射するので、反射光の強度分布の角度依存性が小さくなる利点がある。つまり、どの角度で見ても、一定の明るさを持った反射型の液晶表示装置を得ることができる。
次に、図26を参照して、VA(Vertical Alignment)モードの液晶表示装置に、本発明を適用した場合の、別の例を説明する。図26は、VAモードの液晶表示装置の画素構造のうち、第4の導電層10313にパターン加工を施すことで、液晶分子が様々な向きを持つように制御し、視野角を大きくした、いわゆるPVA(Paterned Vertical Alignment)方式に、本発明を適用した場合の、画素の断面図と上面図である。図26の(A)は、画素の断面図であり、図26の(B)は、画素の上面図である。また、図26の(A)に示す画素の断面図は、図26の(B)に示す画素の上面図における線分a−a’に対応している。図26に示す画素構造の液晶表示装置に本発明を適用することによって、視野角が大きく、応答速度が速く、コントラストの大きい液晶表示装置を得ることができる。
図26の(A)を参照して、PVA方式の液晶表示装置の画素構造について説明する。液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図26の(A)において、2枚の基板は、第1の基板10301、および第2の基板10316である。第1の基板には、TFTおよび画素電極を作製し、また、第2の基板には、遮光膜10314、カラーフィルタ10315、第4の導電層10313、スペーサ10317、および第2の配向膜10312を作製してもよい。
なお、本発明は、第1の基板10301にTFTを作製しなくとも実施可能である。TFTを作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。さらに、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、TFTを作製して本発明を実施する場合は、より大型の表示装置を得ることができる。
なお、図26に示すTFTは、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のTFTである。非結晶半導体を用いたTFTを適応した液晶パネルは、大面積の基板を用いて、安価に作製できるという利点がある。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。使用できるTFTの構造は、ボトムゲート型のTFTではチャネルエッチ型、チャネル保護型などがある。また、トップゲート型でもよい。さらに、非晶質半導体だけではなく、多結晶半導体も用いることができる。
なお、本発明は、第2の基板10316に遮光膜10314を作製しなくとも実施可能である。遮光膜10314を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、遮光膜10314を作製して本発明を実施する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10316にカラーフィルタ10315を作製しなくとも実施可能である。カラーフィルタ10315を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。ただし、カラーフィルタ10315を作製せずに本発明を実施する場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10315を作製して本発明を実施する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10316にスペーサ10317を作製せず、球状のスペーサを散布することでも実施可能である。球状のスペーサを散布することで本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10317を作製して本発明を実施する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
次に、第1の基板10301に施す加工については、図24で説明した方法を用いてもよいため、省略する。ここで、第1の基板10301、第1の絶縁膜10302、第1の導電層10303、第2の絶縁膜10304、第1の半導体層10305、第2の半導体層10306、第2の導電層10307、第3の絶縁膜10308、第3の導電層10309、第1の配向膜10310が、それぞれ、図24における第1の基板10101、第1の絶縁膜10102、第1の導電層10103、第2の絶縁膜10104、第1の半導体層10105、第2の半導体層10106、第2の導電層10107、第3の絶縁膜10108、第3の導電層10109、第1の配向膜10110、と対応する。なお、第1の基板10301側の第3の導電層10309に、電極切り欠き部を設けてもよい。こうすることで、より確実に液晶分子の配向を制御することができる。また、第1の配向膜10310および第2の配向膜10312は、垂直配向膜でもよい。こうすることで、液晶分子10318を垂直に配向することができる。
以上のように作製した第1の基板10301と、遮光膜10314、カラーフィルタ10315、第4の導電層10313、スペーサ10317、および第2の配向膜10312を作製した第2の基板10316を、シール材によって数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで、液晶パネルが作製できる。なお、図26に示すようなPVA方式の液晶パネルにおいては、第4の導電層10313は、パターン加工を施して、電極切り欠き部10319を作製してもよい。なお、電極切り欠き部10319の形状に限定はないが、異なる向きを持った複数の矩形を組み合わせた形状であるのが好適である。こうすることで、配向の異なる複数の領域が形成できるので、視野角の大きな液晶表示装置を得ることができる。また、電極切り欠き部10319と第4の導電層10313の境界における第4の導電層10313の形状は、滑らかな曲線であることが好適である。こうすることで、近接する液晶分子10318の配向が極近いものとなるため、配向不良が低減する。また、第2の配向膜10312が、電極切り欠き部10319によって段切れを起こしてしまうことによる、配向膜の不良も低減することができる。
次に、図26に示す、PVA方式の液晶パネルの画素構造の特徴について説明する。図26の(A)に示した液晶分子10318は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10318の向きを示すため、図26の(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10318は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10318ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図26の(A)に示した液晶分子10318は、その長軸の向きが配向膜の法線方向を向くように配向している。よって、電極切り欠き部10319のある部分の液晶分子10318は、電極切り欠き部10319と第4の導電層10313の境界を中心として放射状に配向する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
次に、図26の(B)を参照して、PVA方式の液晶表示装置に本発明を適用した場合の、画素のレイアウトの一例について説明する。本発明を適用したPVA方式の液晶表示装置の画素は、走査線10321と、映像信号線10322と、容量線10323と、TFT10324と、画素電極10325と、画素容量10326と、電極切り欠き部10319と、を備えていてもよい。
走査線10321は、TFT10324のゲート電極と電気的に接続されるため、第1の導電層10303で構成されているのが好適である。
映像信号線10322は、TFT10324のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されるため、第2の導電層10307で構成されているのが好適である。また、走査線10321と映像信号線10322はマトリックス状に配置されるため、少なくとも、異なる層の導電層で形成されるのが好適である。
容量線10323は、画素電極10325と平行に配置されることで、画素容量10326を形成するための配線であり、第1の導電層10303で構成されているのが好適である。なお、図26の(B)に示すように、容量線10323は、映像信号線10322に沿って、映像信号線10322を囲むように延設されていてもよい。こうすることで、映像信号線10322の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象、いわゆるクロストークを低減することができる。なお、映像信号線10322との交差容量を低減させるため、図26の(B)に示すように、第1の半導体層10305を容量線10323と映像信号線10322の交差領域に設けてもよい。
TFT10324は、映像信号線10322と画素電極10325を導通させるスイッチとして動作する。なお、図26の(B)に示すように、TFT10324のソース領域またはドレイン領域のどちらか一方を、ソース領域またはドレイン領域の他方を囲むように配置してもよい。こうすることで、小さい面積で大きなチャネル幅を得ることができ、スイッチング能力を大きくすることができる。なお、図26の(B)に示すように、TFT10324のゲート電極は、第1の半導体層10305を囲むように配置してもよい。
画素電極10325は、TFT10324のソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10325は、映像信号線10322によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。また、容量線10323を配置することで、画素容量10326を形成してもよい。こうすることで、画素電極10325は、映像信号線10322によって伝達された信号電圧を保持しやすくなる。なお、画素電極10325は、図26の(B)に示すように、第4の導電層10313に設けた電極切り欠き部10319の形状に合わせて、電極切り欠き部10319のない部分に、画素電極10325を切り欠いた部分を形成するのが好適である。こうすることで、液晶分子10318の配向が異なる複数の領域を形成することができるので、視野角の大きな液晶表示装置を得ることができる。また、画素電極10325を、透明性をもつ材料で作製した場合は、透過型の液晶表示装置を得ることができる。透過型の液晶表示装置は、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。また、画素電極10325を、反射性をもつ材料で作製した場合は、反射型の液晶表示装置を得ることができる。反射型の液晶表示装置は、屋外などの明るい環境下における視認性が高く、また、バックライトが不要なので、消費電力を非常に小さくすることができる。なお、画素電極10325を、透明性をもつ材料および反射性をもつ材料の両方を用いて作成した場合は、両者の利点を併せ持つ、半透過型の液晶表示装置を得ることができる。なお、画素電極10325を、反射性をもつ材料で作製した場合は、画素電極10325の表面に凹凸を持たせてもよい。あるいは、第3の絶縁膜10308の表面に凹凸を持たせることで、画素電極10325を凹凸にすることもできる。こうすることで、反射光が乱反射するので、反射光の強度分布の角度依存性が小さくなる利点がある。つまり、どの角度で見ても、一定の明るさを持った反射型の液晶表示装置を得ることができる。
次に、図27を参照して、横電界方式の液晶表示装置に、本発明を適用した場合を説明する。図27は、液晶分子の配向が基板に対して常に水平であるようにスイッチングを行なうために、横方向に電界をかける方式の液晶表示装置の画素構造のうち、画素電極10425と共通電極10423に櫛歯状のパターン加工を施すことで、横方向に電界をかける方式、いわゆるIPS(In−Plane−Switching)方式に、本発明を適用した場合の、画素の断面図と上面図である。図27の(A)は、画素の断面図であり、図27の(B)は、画素の上面図である。また、図27の(A)に示す画素の断面図は、図27の(B)に示す画素の上面図における線分a−a’に対応している。図27に示す画素構造の液晶表示装置に本発明を適用することによって、原理的に視野角が大きく、応答速度の階調依存性の小さい液晶表示装置を得ることができる。
図27の(A)を参照して、IPS方式の液晶表示装置の画素構造について説明する。液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図27の(A)において、2枚の基板は、第1の基板10401、および第2の基板10416である。第1の基板には、TFTおよび画素電極を作製し、また、第2の基板には、遮光膜10414、カラーフィルタ10415、スペーサ10417、および第2の配向膜10412を作製してもよい。
なお、本発明は、第1の基板10401にTFTを作製しなくとも実施可能である。TFTを作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。さらに、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、TFTを作製して本発明を実施する場合は、より大型の表示装置を得ることができる。
なお、図27に示すTFTは、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のTFTである。非結晶半導体を用いたTFTを適応した液晶パネルは、大面積の基板を用いて、安価に作製できるという利点がある。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。使用できるTFTの構造は、ボトムゲート型のTFTではチャネルエッチ型、チャネル保護型などがある。また、トップゲート型でもよい。さらに、非晶質半導体だけではなく、多結晶半導体も用いることができる。
なお、本発明は、第2の基板10416に遮光膜10414を作製しなくとも実施可能である。遮光膜10414を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、遮光膜10414を作製して本発明を実施する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10416にカラーフィルタ10415を作製しなくとも実施可能である。カラーフィルタ10415を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。ただし、カラーフィルタ10415を作製せずに本発明を実施する場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、カラーフィルタ10415を作製して本発明を実施する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10416にスペーサ10417を作製せず、球状のスペーサを散布することでも実施可能である。球状のスペーサを散布することで本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10417を作製して本発明を実施する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
次に、第1の基板10401に施す加工については、図24で説明した方法を用いてもよいため、省略する。ここで、第1の基板10401、第1の絶縁膜10402、第1の導電層10403、第2の絶縁膜10404、第1の半導体層10405、第2の半導体層10406、第2の導電層10407、第3の絶縁膜10408、第3の導電層10409、第1の配向膜10410が、それぞれ、図24における第1の基板10101、第1の絶縁膜10102、第1の導電層10103、第2の絶縁膜10104、第1の半導体層10105、第2の半導体層10106、第2の導電層10107、第3の絶縁膜10108、第3の導電層10109、第1の配向膜10110、と対応する。なお、第1の基板10401側の第3の導電層10409にパターン加工を施し、互いにかみ合った2つの櫛歯状の形状に形成してもよい。また、一方の櫛歯状の電極は、TFT10424のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続され、他方の櫛歯状の電極は、共通電極10423と電気的に接続されていてもよい。こうすることで、液晶分子10418に効果的に横方向の電界をかけることができる。
以上のように作製した第1の基板10401と、遮光膜10414、カラーフィルタ10415、スペーサ10417、および第2の配向膜10412を作製した第2の基板10416を、シール材によって数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで、液晶パネルが作製できる。なお、図示しないが、第2の基板10416側に、導電層を形成してもよい。第2の基板10416側に導電層を形成することで、外部からの電磁波ノイズの影響を受けにくくすることができる。
次に、図27に示す、IPS方式の液晶パネルの画素構造の特徴について説明する。図27の(A)に示した液晶分子10418は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10418の向きを示すため、図27の(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10418は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10418ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図27の(A)に示した液晶分子10418は、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を向くように配向している。図27の(A)においては、電界のない状態における配向を表しているが、液晶分子10418に電界がかかったときは、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を保ったまま、水平面内で回転する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
次に、図27の(B)を参照して、IPS方式の液晶表示装置に本発明を適用した場合の、画素のレイアウトの一例について説明する。本発明を適用したIPS方式の液晶表示装置の画素は、走査線10421と、映像信号線10422と、共通電極10423と、TFT10424と、画素電極10425と、を備えていてもよい。
走査線10421は、TFT10424のゲート電極と電気的に接続されるため、第1の導電層10403で構成されているのが好適である。
映像信号線10422は、TFT10424のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されるため、第2の導電層10407で構成されているのが好適である。また、走査線10421と映像信号線10422はマトリックス状に配置されるため、少なくとも、異なる層の導電層で形成されるのが好適である。なお、図27の(B)に示すように、映像信号線10422は、画素電極10425および共通電極10423の形状に合わせるように、画素内で屈曲して形成されていてもよい。こうすることで、画素の開口率を大きくすることができるため、液晶表示装置の効率を向上させることができる。
共通電極10423は、画素電極10425と平行に配置されることで、横方向の電界を発生させるための電極であり、第1の導電層10403および第3の導電層10409で構成されているのが好適である。なお、図27の(B)に示すように、共通電極10423は、映像信号線10422に沿って、映像信号線10422を囲むように延設されていてもよい。こうすることで、映像信号線10422の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象、いわゆるクロストークを低減することができる。なお、映像信号線10422との交差容量を低減させるため、図27の(B)に示すように、第1の半導体層10405を共通電極10423と映像信号線10422の交差領域に設けてもよい。
TFT10424は、映像信号線10422と画素電極10425を導通させるスイッチとして動作する。なお、図27の(B)に示すように、TFT10424のソース領域またはドレイン領域のどちらか一方を、ソース領域またはドレイン領域の他方を囲むように配置してもよい。こうすることで、小さい面積で大きなチャネル幅を得ることができ、スイッチング能力を大きくすることができる。なお、図27の(B)に示すように、TFT10424のゲート電極は、第1の半導体層10405を囲むように配置してもよい。
画素電極10425は、TFT10424のソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10425は、映像信号線10422によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。また、共通電極10423を配置することで、画素容量を形成してもよい。こうすることで、画素電極10325は、映像信号線10422によって伝達された信号電圧を保持しやすくなる。なお、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423は、図27の(B)に示すように、屈曲した櫛歯状の形状として形成するのが好適である。こうすることで、液晶分子10418の配向が異なる複数の領域を形成することができるので、視野角の大きな液晶表示装置を得ることができる。また、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423を、透明性をもつ材料で作製した場合は、透過型の液晶表示装置を得ることができる。透過型の液晶表示装置は、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。さらに、透過型の液晶表示装置は、画素が高開口率となって、光効率を向上することができる。ただし、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423を透明性もたず、かつ、反射性をもたいない材料で作製した場合でも、透過型の液晶表示装置を得ることができる。当該透過型の液晶表示装置は、横電界が存在する部分の液晶分子10418のみを光が透過するため、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。また、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423を、反射性をもつ材料で作製した場合は、半透過型の液晶表示装置を得ることができる。半透過型の液晶表示装置は、屋外などの明るい環境下における視認性が高く、消費電力を非常に小さくすることができる。さらに、半透過型の液晶表示装置は、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。ただし、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423を、透明性をもつ材料および反射性をもつ材料の両方を用いて作成した場合でもは半透過型の液晶表示装置を得ることができる。なお、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423を、反射性をもつ材料で作製した場合は、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423の表面に凹凸を持たせてもよい。あるいは、第3の絶縁膜10408の表面に凹凸を持たせることで、画素電極10425および櫛歯状の共通電極10423を凹凸にすることもできる。こうすることで、反射光が乱反射するので、反射光の強度分布の角度依存性が小さくなる利点がある。つまり、どの角度で見ても、一定の明るさを持った反射型の液晶表示装置を得ることができる。
なお、櫛歯状の画素電極10425と、櫛歯状の共通電極10423は、ともに第3の導電層10409で形成されるとしたが、本発明が適用できる画素構成は、これに限定されず、適宜選択することができる。たとえば、櫛歯状の画素電極10425と、櫛歯状の共通電極10423を、ともに第2の導電層10407で形成してもよいし、ともに第1の導電層10403で形成してもよいし、どちらか一方を第3の導電層10409で形成し、他方を第2の導電層10407で形成してもよいし、どちらか一方を第3の導電層10409で形成し、他方を第1の導電層10407で形成してもよいし、どちらか一方を第2の導電層10409で形成し、他方を第1の導電層10407で形成してもよい。
次に、図28を参照して、別の横電界方式の液晶表示装置に、本発明を適用した場合を説明する。図28は、液晶分子の配向が基板に対して常に水平であるようにスイッチングを行なうために、横方向に電界をかける方式の液晶表示装置の別の画素構造を示す図である。より詳細には、画素電極10525と共通電極10523のうち、どちらか一方に櫛歯状のパターン加工を施し、他方は櫛歯状の形状に重なる領域に一様に電極を形成することで、横方向に電界をかける方式、いわゆるFFS(Fringe Field Switching)方式に、本発明を適用した場合の、画素の断面図と上面図である。図28の(A)は、画素の断面図であり、図28の(B)は、画素の上面図である。また、図28の(A)に示す画素の断面図は、図28の(B)に示す画素の上面図における線分a−a’に対応している。図28に示す画素構造の液晶表示装置に本発明を適用することによって、原理的に視野角が大きく、応答速度の階調依存性の小さい液晶表示装置を得ることができる。
図28の(A)を参照して、FFS方式の液晶表示装置の画素構造について説明する。液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図28の(A)において、2枚の基板は、第1の基板10501および第2の基板10516である。第1の基板には、TFTおよび画素電極を作製し、第2の基板には、遮光膜10514、カラーフィルタ10515、スペーサ10517、および第2の配向膜10512を作製してもよい。
なお、本発明は、第1の基板10501にTFTを作製しなくとも実施可能である。TFTを作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、TFTを作製して本発明を実施する場合は、より大型の表示装置を得ることができる。
なお、図28に示すTFTは、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のTFTである。非結晶半導体を用いたTFTを適応した液晶パネルは、大面積の基板を用いて、安価に作製できるという利点がある。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。使用できるTFTの構造は、ボトムゲート型のTFTではチャネルエッチ型、チャネル保護型などがある。また、トップゲート型でもよい。さらに、非晶質半導体だけではなく、多結晶半導体も用いることができる。
なお、本発明は、第2の基板10516に遮光膜10514を作製しなくとも実施可能である。遮光膜10514を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、遮光膜10514を作製して本発明を実施する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10516にカラーフィルタ10515を作製しなくとも実施可能である。カラーフィルタ10515を作製せずに本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。ただし、カラーフィルタ10515を作製せずに本発明を実施する場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10515を作製して本発明を実施する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、本発明は、第2の基板10516にスペーサ10517を作製せず、球状のスペーサを散布することでも実施可能である。球状のスペーサを散布することで本発明を実施する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。また、構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10517を作製して本発明を実施する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
次に、第1の基板10501に施す加工については、図24で説明した方法を用いてもよいため、省略する。ここで、第1の基板10501、第1の絶縁膜10502、第1の導電層10503、第2の絶縁膜10504、第1の半導体層10505、第2の半導体層10506、第2の導電層10507、第3の絶縁膜10508、第3の導電層10509、第1の配向膜10510が、それぞれ、図24における第1の基板10101、第1の絶縁膜10102、第1の導電層10103、第2の絶縁膜10104、第1の半導体層10105、第2の半導体層10106、第2の導電層10107、第3の絶縁膜10108、第3の導電層10109、第1の配向膜10110、と対応する。
ただし、図24と異なる点は、第1の基板10501側に、第4の絶縁膜10519および第4の導電層10513を形成してもよいという点である。より詳細には、第3の導電層10509にパターン加工を施したあと、第4の絶縁膜10519を成膜し、パターン加工を施してコンタクトホールを形成した後、第4の導電層10513を成膜し、同様にパターン加工を施した後、第1の配向膜10510を形成してもよい。なお、第4の絶縁膜10519および第4の導電層10513に使用できる材料および加工方法は、第3の絶縁膜10508および第3の導電層10509に用いるものと同様のものを用いることができる。また、一方の櫛歯状の電極は、TFT10524のソース電極またはドレイン電極の一方と電気的に接続され、他方の一様な電極は、共通電極10523と電気的に接続されていてもよい。こうすることで、液晶分子10518に効果的に横方向の電界をかけることができる。
以上のように作製した第1の基板10501と、遮光膜10514、カラーフィルタ10515、スペーサ10517、および第2の配向膜10512を作製した第2の基板10516を、シール材によって数μmのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで、液晶パネルが作製できる。なお、図示しないが、第2の基板10516側に、導電層を形成してもよい。第2の基板10516側に導電層を形成することで、外部からの電磁波ノイズの影響を受けにくくすることができる。
次に、図28に示す、FFS方式の液晶パネルの画素構造の特徴について説明する。図28の(A)に示した液晶分子10518は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10518の向きを示すため、図28の(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10518は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10518ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図28の(A)に示した液晶分子10518は、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を向くように配向している。図28の(A)においては、電界のない状態における配向を表しているが、液晶分子10518に電界がかかったときは、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を保ったまま、水平面内で回転する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
次に、図28の(B)を参照して、FFS方式の液晶表示装置に本発明を適用した場合の、画素のレイアウトの一例について説明する。本発明を適用したFFS方式の液晶表示装置の画素は、走査線10521と、映像信号線10522と、共通電極10523と、TFT10524と、画素電極10525と、を備えていてもよい。
走査線10521は、TFT10524のゲート電極と電気的に接続されるため、第1の導電層10503で構成されているのが好適である。
映像信号線10522は、TFT10524のソース電極またはドレイン電極と電気的に接続されるため、第2の導電層10507で構成されているのが好適である。また、走査線10521と映像信号線10522はマトリックス状に配置されるため、少なくとも、異なる層の導電層で形成されるのが好適である。なお、図28の(B)に示すように、映像信号線10522は、画素電極10525の形状に合わせるように、画素内で屈曲して形成されていてもよい。こうすることで、画素の開口率を大きくすることができるため、液晶表示装置の効率を向上させることができる。
共通電極10523は、第1の導電層10503および第3の導電層10509で構成されているのが好適である。なお、映像信号線10522との交差容量を低減させるため、図28の(B)に示すように、第1の半導体層10505を共通電極10523と映像信号線10522の交差領域に設けてもよい。
TFT10524は、映像信号線10522と画素電極10525を導通させるスイッチとして動作する。なお、図28の(B)に示すように、TFT10524のソース領域またはドレイン領域のどちらか一方を、ソース領域またはドレイン領域の他方を囲むように配置してもよい。こうすることで、小さい面積で大きなチャネル幅を得ることができ、スイッチング能力を大きくすることができる。なお、図28の(B)に示すように、TFT10524のゲート電極は、第1の半導体層10505を囲むように配置してもよい。
画素電極10525は、TFT10524のソース電極またはドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10525は、映像信号線10522によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。また、共通電極10523を配置することで、画素容量を形成してもよい。こうすることで、画素電極10525は、映像信号線10522によって伝達された信号電圧を保持しやすくなる。なお、画素電極10525は、図28の(B)に示すように、屈曲した櫛歯状の形状として形成するのが好適である。こうすることで、液晶分子10518の配向が異なる複数の領域を形成することができるので、視野角の大きな液晶表示装置を得ることができる。また、櫛歯状の画素電極10525および共通電極10523を、透明性をもつ材料で作製した場合は、透過型の液晶表示装置を得ることができる。ただし、櫛歯状の画素電極10525を反射性をもたない材料で作製し、かつ、共通電極10523を透明性をもつ材料で作製した場合でも、透過型の液晶表示装置を得ることができる。透過型の液晶表示装置は、色の再現性が高く、高い画質を持った映像を表示することができる。また、櫛歯状の画素電極10525および共通電極10523を、反射性をもつ材料で作製した場合は、反射型の液晶表示装置を得ることができる。ただし、すくなくとも共通電極10523を反射性をもつ材料で作製すれば、反射型の液晶表示装置を得ることができる。反射型の液晶表示装置は、屋外などの明るい環境下における視認性が高く、また、バックライトが不要なので、消費電力を非常に小さくすることができる。なお、櫛歯状の画素電極10525および共通電極10523を、透明性をもつ材料および反射性をもつ材料の両方を用いて作成した場合は、両者の利点を併せ持つ、半透過型の液晶表示装置を得ることができる。ただし、櫛歯状の画素電極10525を反射性をもつ材料で作製し、画素電極10525を透過性を持つ材料で作製した場合でも、半透過型の液晶表示装置を得ることができる。なお、画素電極10525および櫛歯状の共通電極10523を、反射性をもつ材料で作製した場合は、櫛歯状の画素電極10525および共通電極10523の表面に凹凸を持たせてもよい。あるいは、第3の絶縁膜10508の表面に凹凸を持たせることで、櫛歯状の画素電極10525および共通電極10523を凹凸にすることもできる。こうすることで、反射光が乱反射するので、反射光の強度分布の角度依存性が小さくなる利点がある。つまり、どの角度で見ても、一定の明るさを持った反射型の液晶表示装置を得ることができる。
なお、櫛歯状の画素電極10525は、第4の導電層10513で形成され、一様な共通電極10523は、第3の導電層10509で形成されるとしたが、本発明が適用できる画素構成は、これに限定されず、ある条件を満たしていれば、適宜選択することができる。より詳細には、第1の基板10501から見て、櫛歯状の電極が、一様な電極より液晶に近いほうに位置していればよい。なぜならば、横方向の電界は、櫛歯状の電極から見た場合、常に、一様な電極とは逆方向に発生するからである。つまり、液晶に横電界をかけるためには、櫛歯状の電極は、一様な電極よりも液晶よりに位置していなければならないからである。
この条件を満たすには、たとえば、櫛歯状の電極を第4の導電層10513で形成し、一様な電極を第3の導電層10509で形成してもよいし、櫛歯状の電極を第4の導電層10513で形成し、一様な電極を第2の導電層10507で形成してもよいし、櫛歯状の電極を第4の導電層10513で形成し、一様な電極を第1の導電層10503で形成してもよいし、櫛歯状の電極を第3の導電層10509で形成し、一様な電極を第2の導電層10507で形成してもよいし、櫛歯状の電極を第3の導電層10509で形成し、一様な電極を第1の導電層10503で形成してもよいし、櫛歯状の電極を第2の導電層10507で形成し、一様な電極を第1の導電層10503で形成してもよい。なお、櫛歯状の電極は、TFT10524のソース領域またはドレイン領域の一方と電気的に接続され、一様な電極は、共通電極10523と電気的に接続されるとしたが、この接続は、逆でもよい。その場合は、一様な電極が画素ごとに独立して形成されていてもよい。
続いて、本実施形態の液晶表示装置に適応しうる各種液晶モードについて、説明する。
まず図29(A1)(A2)にはTNモードの液晶表示装置の模式図を示す。
上記実施の形態と同様に、互いに対向するように配置された第1の基板10601及び第2の基板10602に、液晶層10600が挟持されている。そして、第1の基板10601側には、第1の偏光子を含む層10603が積層され、第2の基板10602側には、第2の偏光子を含む層10604が配置されている。なお、第1の偏光子を含む層10603と、第2の偏光子を含む層10604とは、クロスニコルになるように配置されている。
なお、図示しないが、バックライト等は、第2の偏光子を含む層の外側に配置される。第1の基板10601、及び第2の基板10602上には、それぞれ第1の電極10605、第2の電極10606が設けられている。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極10605は、少なくとも透光性を有するように形成する。
図29(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置において、ノーマリホワイトモードの場合、第1の電極10605及び第2の電極10606に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)されると、図29(A1)に示すように黒色表示が行われる。このとき液晶分子は縦に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、基板を通過することができず黒色表示となる。
そして、図29(A2)に示すように、第1の電極10605及び第2の電極10606の間に電圧が印加されていないときは白色表示となる。このとき、液晶分子は横に並び、平面内で回転している状態となる。その結果、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
図29(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることによって、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。ただし、図29(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けなくてもバックライトからの光が経時的に変化すれば、フィールドシーケンシャル駆動によってフルカラー表示を行うことができる。
TNモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図29(B1)にはVAモードの液晶表示装置の模式図を示す。VAモードは、無電界の時に液晶分子が基板に垂直となるように配向されているモードである。
図29(A1)(A2)と同様に、第1の基板10601、及び第2の基板10602上には、それぞれ第1の電極10605、第2の電極10606が設けられている。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極10605は、少なくとも透光性を有するように形成する。そして、第1の基板10601側には、第1の偏光子を含む層10603が積層され、第2の基板10602側には、第2の偏光子を含む層10604が配置されている。なお、第1の偏光子を含む層10603と、第2の偏光子を含む層10604とは、クロスニコルになるように配置されている。
図29(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極10605、及び第2の電極10606に電圧が印加される(縦電界方式)と、図29(B1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。このとき液晶分子は横に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。このとき、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。
そして、図29(B2)に示すように、第1の電極10605及び第2の電極10606の間に電圧が印加されていないときは黒色表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は縦に並んだ状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
オフ状態では、液晶分子が基板に対して垂直に立ち上がって、黒表示となり、オン状態では液晶分子が基板に対して水平に倒れて白表示となる。オフ状態では液晶分子が立ち上がっているため、偏光されたバックライトからの光は、液晶分子の複屈折の影響を受けることなくセル内を通過し、対向基板側の偏光子を含む層で遮断することができる。
ここで、液晶の配向が分割されたMVAモードに、本発明の積層された偏光子を含む層を適用する例を図29(C1)(C2)に示す。MVAモードは、それぞれの部分の視野角依存性を互いに補償する方法である。図29(C1)に示すように、MVAモードでは、第1の電極10605、及び第2の電極10606上に配向制御用に断面が三角の突起物10607、及び10608が設けられている。第1の電極10605、及び第2の電極10606に電圧が印加される(縦電界方式)と、図29(C1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。このとき液晶分子は突起物10607、及び10608に対して倒れて並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。なお、図29(C1)(C2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることによって、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。もちろん、図29(C1)(C2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けなくても、フィールドシーケンシャル駆動によってフルカラー表示を行うことができる。
そして、図29(C2)に示すように、第1の電極10605、及び第2の電極10606の間に電圧が印加されていないときは黒色表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は縦に並んだ状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
MVAモードの他の例を上面図、及び断面図を図32に示す。図32(A)のように、第2の電極10606a、10606b、10606cは、くの字型のように屈曲したパターンに形成されていてもよい。また、液晶層10600に近接して、絶縁層10901および10902が形成されている。なお、絶縁層10901および10902は、配向膜であってもよい。図32(B)で示すように第1の電極10605に近接して、突起物10607が第2の電極10606a、10606b、10606cと対応して形成されていてもよい。突起物10607を第2の電極10606a、10606b、10606cと対応して形成することによって、第2の電極10606a、10606b、10606cの開口部が、突起物のように機能し、液晶分子を効果的に配向させることができる。なお、第1の電極10605と突起物10607が形成される順番は、図32(B)と逆であってもよい。
図30(A1)(A2)にはOCBモードの液晶表示装置の模式図を示す。OCBモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しており、これはベンド配向と呼ばれる。
図29と同様に、第1の基板10601、及び第2の基板10602上には、それぞれ第1の電極10605、第2の電極10606が設けられている。また、図示しないが、バックライト等は第2の偏光子を含む層10604の外側に配置される。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極10605は、少なくとも透光性を有するように形成する。そして、第1の基板10601側には、第1の偏光子を含む層10603が積層され、第2の基板10602側には、第2の偏光子を含む層10604が配置されている。なお、第1の偏光子を含む層10603と、第2の偏光子を含む層10604とは、クロスニコルになるように配置されている。
図30(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極10605、及び第2の電極10606に一定のオン電圧が印加される(縦電界方式)と、図30(A1)に示すように黒色表示が行われる。このとき液晶分子は縦に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、基板を通過することができず、黒色表示となる。
そして、図30(A2)に示すように、第1の電極10605、及び第2の電極10606の間に一定のオフ電圧が印加されるときは白色表示となる。このとき、液晶分子はベンド配向の状態となる。その結果、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。なお、図30(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることによって、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。もちろん、図30(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けなくても、フィールドシーケンシャル駆動によってフルカラー表示を行うことができる。
図30(A1)(A2)のようなOCBモードでは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償できるため視野角依存が少なく、さらに、一対の積層された偏光子を含む層によりコントラスト比を高めることができる。
図30(B1)(B2)には、FLCモード及びAFLCモードの液晶の模式図を示す。
図29と同様に、第1の基板10601、及び第2の基板10602上には、それぞれ第1の電極10605、第2の電極10606が設けられている。そして、バックライトと反対側、つまり視認側の電極である第1の電極10605は、少なくとも透光性を有するように形成する。そして第1の基板10601側には、第1の偏光子を含む層10603が積層され、第2の基板10602側には、第2の偏光子を含む層10604が配置されている。なお、第1の偏光子を含む層10603と、第2の偏光子を含む層10604とは、クロスニコルになるように配置されている。
図30(B1)(B2)のような構成を有する液晶表示装置において、第1の電極10605及び第2の電極10606に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)されると、図30(B1)に示すように、白色表示となる。このときの液晶分子はラビング方向からずれた方向で横に並んでいる状態となる。よって、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
そして、図30(B2)に示すように、第1の電極10605、及び第2の電極10606の間に電圧が印加されていないときは、黒色表示が行われる。このときの液晶分子はラビング方向に沿って横に並んだ状態となる。すると、バックライトからの光は、基板を通過することができず黒色表示となる。
なお、図30(B1)(B2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることによって、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。もちろん、図30(B1)(B2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けなくても、フィールドシーケンシャル駆動によってフルカラー表示を行うことができる。
FLCモード及びAFLCモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図31(A1)(A2)にはIPSモードの液晶表示装置の模式図を示す。IPSモードは、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
IPSモードは一方の基板に設けられた対となる電極により液晶を制御することを特徴とする。そのため、第2の基板10602上に対となる電極10801、10802が設けられている。対となる電極10801、10802は、それぞれ遮光性を有していてもよい。そして、第1の基板10601側には、第1の偏光子を含む層10603が積層され、第2の基板10602側には、第2の偏光子を含む層10604が配置されている。なお、第1の偏光子を含む層10603と、第2の偏光子を含む層10604とは、クロスニコルになるように配置されていてもよい。
図31(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置において、対となる電極10801、10802に電圧が印加されると、図31(A1)に示すように液晶分子はラビング方向からずれた電気力線に沿って配向し白色表示が行われるオン状態となる。すると、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
なお、図31(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。もちろん、図31(A1)(A2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けなくても、フィールドシーケンシャル駆動によってフルカラー表示を行うことができる。
そして、図31(A2)に示すように、一対の電極10604、10602の間に電圧が印加されていないとき黒表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は、ラビング方向に沿って横に並んだ状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
IPSモードで用いることできる対となる電極10801、10802の例を図33に示す。図33(A)乃至(D)においては、電極10801は電極10801a、電極10801b、電極10801cおよび電極10801dと対応する。また、電極10802は電極10802a、電極10802b、電極10802cおよび電極10802dと対応する。図33(A)では電極10801a、及び電極10802aはうねりを有する波状形状であり、図33(B)では電極10801b、及び電極10802bは同心円状の開口部を有する形状であり、図33(C)では電極10801c、及び電極10802cは櫛場状であり一部重なっている形状であり、図33(D)では電極10801d、及び電極10802dは櫛場状であり電極同士がかみ合うような形状である。
IPSモードのほかにFFSモードも用いることができる。IPSモードは、対となる電極が同一の絶縁膜上に形成されているのに対し、FFSモードは、図31(B1)、(B2)に示すように、対となる電極10803、10804が、それぞれ異なる層の絶縁膜上に形成されていてもよい。
図31(B1)、(B2)に示すような構成を有する液晶表示装置において、対となる電極10803、10804に電圧が印加されると、図31(B1)に示すように白色表示が行われるオン状態となる。すると、バックライトからの光は、クロスニコルになるように配置された一対の偏光子を含む層(第1の偏光子を含む層10603、及び第2の偏光子を含む層10604)を通過することができ、所定の映像表示が行われる。
なお、図31(B1)、(B2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることにより、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板10601側、又は第2の基板10602側のいずれかに設けることができる。もちろん、図31(B1)、(B2)のような構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けなくても、フィールドシーケンシャル駆動によってフルカラー表示を行うことができる。
そして、図31(B2)に示すように、対となる電極10803、10804の間に電圧が印加されていないとき黒表示、つまりオフ状態とする。このとき、液晶分子は、横に並び、且つ平面内で回転した状態となる。その結果、バックライトからの光は基板を通過することができず、黒色表示となる。
FFSモードで用いることできる対となる電極10803、10804の例を図34に示す。図34(A)乃至(D)においては、電極10803は電極10803a、電極10803b、電極10803cおよび電極10803dと対応する。また、電極10804は電極10804a、電極10804b、電極10804cおよび電極10804dと対応する。図34(A)では電極10803aは屈曲したくの字形状であり、電極10804aは画素領域内ではパターン形成されていなくてもよい。図34(B)では電極10803bは同心円状の形状であり、電極10804bは画素領域内ではパターン形成されていなくてもよい。図34(C)では電極10803cは櫛場状で電極同士がかみ合うような形状であり、電極10804cは画素領域内ではパターン形成されていなくてもよい。図34(D)では電極10803dは櫛場状の形状であり、電極10804dは画素領域内ではパターン形成されていなくてもよい。
なお、電極10803(10803a、10803b、10803c、10803d)および電極10804(10804a、10804b、10804c、10804d)は、透光性を有していてもよい。透光性を有することで、開口率の大きい透過型の表示装置を得ることができる。
なお、電極10803(10803a、10803b、10803c、10803d)および電極10804(10804a、10804b、10804c、10804d)は、遮光性または反射性を有していてもよい。遮光性または反射性を有することで、バックライトが不要で消費電力の小さい反射型の表示装置を得ることができる。
なお、電極10803(10803a、10803b、10803c、10803d)および電極10804(10804a、10804b、10804c、10804d)は、透光性を有する領域と、遮光性または反射性を有する領域と、双方の領域を有していてもよい。双方の領域を有することで、屋内のような暗い環境下では表示品質の高い透過型の表示を行い、屋外のような明るい環境下ではバックライトが不要で消費電力の小さい反射型の表示を行う、半透過型の表示装置を得ることができる。
IPSモード及びFFSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
なお、本実施の形態の液晶表示装置に適応しうる液晶モードとして、上述した液晶モードの他に、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モードなどがある。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置の表示パネル構成、および周辺構成について説明する。特に、液晶表示装置の表示パネル(液晶パネルとも記す)構成、および周辺構成について説明する。
まず、液晶パネルの簡単な構成について、図35(A)を参照して説明する。また、図35(A)は、液晶パネルの上面図である。
図35(A)に示す液晶パネルは、基板20100上に、画素部20101、走査線側入力端子20103及び信号線側入力端子20104が形成されている。走査線側入力端子20103から走査線が行方向に延在して基板20100上に形成され、信号線入力端子20104から信号線が列方向に延在して基板20100上に形成されている。また、画素部20101には、画素20102が走査線と、信号線とが交差するところで、マトリクス上に配置されている。また、画素20102には、スイッチング素子と画素電極層とが配置されている。
図35(A)の液晶パネルに示すように、走査線側入力端子20103は、基板20100の行方向の両側に形成されている。信号線入力端子20103は、基板20100の列方向のうち一方に形成されている。また、一方の走査線側入力端子20103から延在する走査線と、他方の走査線側入力端子20103から延在する走査線とは、交互に形成されている。
また、画素部20101の画素20102それぞれでは、スイッチング素子の第1端子が信号線に接続され、第2端子が画素電極層に接続されることによって、個々の画素20102を外部から入力する信号によって独立して制御することができる。なお、スイッチング素子のオン・オフは走査線に供給されている信号によって制御されている。
なお、走査線側入力端子20103を基板20100の行方向のうち両方に配置することで、画素20102を高密度に配置することができる。また、信号線側入力端子20103を基板20100の列方向のうち一方に配置することで、液晶パネルの額縁を小さくしたり、画素20101の領域を大きくしたりできる。
なお、基板20100には、すでに述べたように、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることができる。
なお、スイッチング素子には、すでに述べたように、トランジスタ、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、サイリスタ、それらを組み合わせた論理回路などを用いることができる。
なお、スイッチング素子として、TFTを用いた場合、TFTのゲートが走査線に接続され、第1端子が信号線に接続され、第2端子が画素電極層に接続されることにより、個々の画素20102を外部から入力する信号によって独立して制御することができる。
なお、走査線側入力端子20103を基板20100の行方向のうち一方に配置してもよい。走査線側入力端子20103を基板20100の行方向のうち一方に配置することで、液晶パネルの額縁を小さくしたり、画素20101の領域を大きくしたりできる。
なお、一方の走査線側入力端子20103から延在する走査線と、他方の走査線側入力端子20103から延在する走査線とは、共通にしてもよい。
なお、信号線側入力端子20103を基板20100の列方向のうち両方に配置してもよい。信号線側入力端子20103を基板20100の列方向のうち両方に配置することで、画素20102を高密度に配置できる。
なお、画素20102には、さらに容量素子を形成してもよい。画素20102に容量素子を設ける場合、基板20100上に、容量線を形成してもよい。基板20100上に容量線を形成する場合、容量素子の第1電極が容量線に接続され、第2端子が画素電極層に接続されるようにする。また、基板20100上に容量線を形成しない場合、容量素子の第1電極がこの容量素子が配置されている画素20102とは別の走査線に接続され、第2端子が画素電極層に接続されているようにする。
ここで、図35(A)に示した液晶パネルは、走査線及び信号線に供給する信号を外付けの駆動回路によって制御する構成を示しているが、図36(A)に示すように、COG(Chip on Glass)方式によりドライバIC20201を基板20100上に実装してもよい。また、別の構成として、図36(B)に示すように、TAB(Tape Automated Bonding)方式によりドライバIC20201をFPC(Flexible Printed Circuit)20200上に実装してもよい。また、図36において、ドライバIC20201は、FPC20200と接続されている。
なお、ドライバIC20201は単結晶半導体基板上に形成されたものでもよいし、ガラス基板上にTFTで回路を形成したものでもよい。
なお、図35(A)に示した液晶パネルは、図35(B)に示すように、走査線駆動回路20105を基板20100上に形成してもよい。また、図35(C)に示すように、走査線駆動回路20105及び信号線駆動回路20106を基板20100上に形成してもよい。
なお、走査線駆動回路20105及び走査線駆動回路20106は、多数のNチャネル型及び多数のPチャネル型のトランジスタから構成されている。ただし、多数のNチャネル型のトランジスタのみで構成されていてもよいし、多数のPチャネル型のトランジスタのみで構成されていてもよい。
続いて、画素20102の詳細について、図37及び図38の回路図を参照して説明する。
図37(A)の画素20102は、トランジスタ20301、液晶素子20302及び容量素子20303を有している。トランジスタ20301のゲートが配線20305に接続され、第1端子が配線20304に接続されている。液晶素子20302の第1電極が対向電極20307に接続され、第2電極がトランジスタ20301の第2端子に接続されている。容量素子20303の第1電極が配線20306に接続され、第2電極がトランジスタ20301の第2端子に接続されている。
なお、配線20304は信号線であり、配線20305は走査線であり、配線20306は容量線である。また、トランジスタ20301は、スイッチングトランジスタであり、Pチャネル型トランジスタでもNチャネル型トランジスタでもよい。また、液晶素子20307は、動作モードとしてTN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)などを用いることができる。
配線20304及び配線20305には、それぞれビデオ信号、走査信号が入力されている。ビデオ信号はアナログの電圧信号であり、走査信号はHレベル又はLレベルのデジタルの電圧信号である。ただし、ビデオ信号は電流信号でもよいし、デジタル信号でもよい。また、走査信号のHレベル及びLレベルは、トランジスタ20301のオン・オフを制御できる電位であればよい。
容量線20306には、一定の電源電圧が供給されている。ただし、パルス状の信号が供給されていてもよい。
図37(A)の画素20102の動作について説明する。まず、配線20305がHレベルになると、トランジスタ20301がオンし、ビデオ信号が配線20304からオンしたトランジスタ20301を介して液晶素子20302の第2電極及び容量素子20303の第2電極に供給される。そして、容量素子20303は配線203076の電位とビデオ信号の電位との電位差を保持する。
次に、配線20305がLレベルになると、トランジスタ20301がオフし、配線20304と、液晶素子20302の第2電極及び容量素子20303の第2電極とは、電気的に遮断される。しかし、容量素子20303が配線203076の電位とビデオ信号の電位との電位差を保持しているため、容量素子20302の第2電極の電位はビデオ信号と同様な電位を維持することができる。
こうして、図37(A)の画素20102は、液晶素子20302の第2電極の電位をビデオ信号と同電位に維持でき、液晶素子20302をビデオ信号に応じた透過率に維持できる。
なお、図示はしないが、液晶素子20302がビデオ信号を保持できるたけの容量成分を有していれば、容量素子20303は必ずしも必要ではない。
なお、図37(B)のように、液晶素子20302の第1電極は、配線20306と接続されていてもよい。例えば、液晶素子20302の液晶モードがFFSモードのときなどに、液晶素子20302は図37(B)の構成を用いる。
なお、図38のように、容量素子20303の第1電極は前行の配線20305aに接続されていてもよい。なお、配線20305aをn行目(nは正の整数)の走査線としたとき、配線20305bはn+1行目の走査線である。同様に、トランジスタ20301a、画素20102a、容量素子20303aをn行目の素子としたとき、トランジスタ20301b、画素20102b、容量素子20303bはn+1行目の素子である。このように、容量素子20303bの第1電極が前列の配線20305aに接続されることで、配線を少なくすることができる。よって、図38の画素20102aおよび20102bは、開口率を大きくすることができる。
次に、図35及び図36を参照して説明した液晶パネルの構成よりも、詳細な液晶パネルの構成について、図39を参照して説明する。具体的には、TFT基板と、対向基板と、対向基板とTFT基板との間に挟持された液晶層とを有する液晶パネルの構成について説明する。また、図39(A)は、液晶パネルの上面図である。図39(B)は、図39(A)の線C−Dにおける断面図である。なお、図39(B)は、基板20100上に、半導体膜として結晶性半導体膜(ポリシリコン膜)を用いた場合のトップゲート型のトランジスタを形成した場合の断面図である。
図39(A)に示す液晶パネルは、基板20100上に、画素部20101、走査線駆動回路20105a、走査線駆動回路20105b及び信号線駆動回路20106が形成されている。画素部20101、走査線駆動回路20105a、走査線駆動回路20105b及び信号線駆動回路20106は、シール材20516によって、基板20100と対向基板20515との間に封止されている。また、TAB方式によって、FPC20518及びICチップ20530が基板20100上に配置されている。
図39(A)の線C−Dにおける断面構造について、図39(B)を参照して説明する。基板20100上に、画素部20101と、その周辺駆動回路部(走査線回路20105a及び走査線回路20105b及び信号線駆動回路20106)が形成されているが、ここでは、駆動回路領域20525(走査線駆動回路20105a及び走査線駆動回路20105b)と、画素領域20526(画素部20101)とが示されている。
まず、基板20100上に、下地膜として、絶縁膜20501が成膜されている。絶縁膜20501としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)等の絶縁膜の単層、或いはこれらの膜の少なくとも2つの膜を有する積層構造を用いてもよい。
なお、半導体と接する部分では、酸化シリコン膜を用いる方がよい。その結果、下地膜における電子のトラップやトランジスタ特性のヒステリシスを抑えることが出来る。また、下地膜として、窒素を多く含む膜を少なくとも1つ配置することが望ましい。それにより、ガラスからの不純物を低減することが出来る。
次に、絶縁膜20501上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、半導体膜20502が形成されている。
次に、絶縁膜20501上及び半導体膜20502上に、ゲート絶縁膜として、絶縁膜20503が形成されている。
なお、絶縁膜20503としては、熱酸化膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの単層または積層構造を用いることができる。半導体膜20503と接する絶縁膜20503は酸化珪素膜が好ましい。それは、酸化珪素膜にすると半導体膜20503との界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。また、ゲート電極をMoで形成するときは、ゲート電極と接するゲート絶縁膜は窒化シリコン膜が好ましい。それは、窒化シリコン膜はMoを酸化させないからである。ここでは絶縁膜20503として、プラズマCVD法により厚さ115nmの酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成する。
次に、絶縁膜20503上に、ゲート電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20504が形成されている。
なお、導電膜20504としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなどや、これら元素の合金等がある。もしくは、これら元素またはこれら元素の合金の積層により構成してもよい。ここではMoによりゲート電極を形成する。Moは、エッチングしやすく、熱に強いので好適である。
なお、半導体膜20502には、導電膜20504又はレジストをマスクとして半導体膜20502に不純物元素がドーピングされており、チャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域となる不純物領域とが形成されている。
なお、不純物領域は、不純物濃度を制御して高濃度領域と低濃度領域とを形成されていてもよい。
なお、トランジスタ20521の導電膜20504は、デュアルゲート構造としている。トランジスタ20531は、デュアルゲート構造にすることで、トランジスタ20531のオフ電流を小さくすることができる。なお、デュアルゲート構造とは、2つのゲート電極を有している構造である。ただし、トランジスタのチャネル領域上に、複数のゲート電極を有していてもよい。
次に、絶縁膜20503上及び導電膜20504上に、層間膜として、絶縁膜20505が形成されている。
なお、絶縁膜20505としては、有機材料又は無機材料、若しくはそれらの積層構造を用いることができる。例えば酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、ポリシラザン、窒素含有炭素(CN)、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、有機絶縁性材料を用いてもよく、有機材料としては、感光性、非感光性どちらでも良く、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン、シロキサン樹脂などを用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
なお、絶縁膜20503及び絶縁膜20505には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、各トランジスタの不純物領域の上面に形成されている。
次に、絶縁膜20505上に、ドレイン電極、ソース電極及び配線として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20506が形成されている。
なお、導電膜20506としては、材料としてはTi、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなどや、これら元素の合金等がある。もしくは、これら元素またはこれら元素の合金の積層構造を用いることができる。
なお、絶縁膜20503及び絶縁膜20504のコンタクトホールが形成されている部分では、導電膜20506とトランジスタの半導体膜20502の不純物領域とが接続されている。
次に、絶縁膜20505及び絶縁膜20505上に形成された導電膜20506上に、平坦化膜として、絶縁膜20507が形成されている。
なお、絶縁膜20507としては、平坦性や非覆性がよいことが望ましいため、有機材料を用いて形成されることが多い。なお、絶縁膜20507としては多層構造になっていてもよく、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン)の上に有機材料が形成されていてもよい。
なお、絶縁膜20507には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。
次に、絶縁膜20507上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。
なお、導電膜20508としては、光を透過する透明電極及び光を反射する反射電極を用いることができる。
透明電極の場合は、例えば、酸化インジウムに酸化スズを混ぜたインジウムスズ酸化物(ITO)膜、インジウムスズ酸化物(ITO)に酸化珪素を混ぜたインジウムスズ珪素酸化物(ITSO)膜、酸化インジウムに酸化亜鉛を混ぜたインジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、酸化亜鉛膜、または酸化スズ膜などを用いることができる。なお、IZOとは、ITOに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合させたターゲットを用いてスパッタリングにより形成される透明導電材料であるが、これに限定されない。
反射電極の場合は、例えば、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなどやそれらの合金などを用いることができる。また、Ti、Mo、Ta、Cr、WとAlを積層させた2層構造、AlをTi、Mo、Ta、Cr、Wなどの金属で挟んだ3層積層構造としてもよい。
次に、絶縁膜20507上及び絶縁膜20507上に形成された導電膜20508上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。
次に、画素部20101の周辺部、若しくは画素部20101の周辺部とその周辺駆動回路部の周辺部に、インクジェット法などにより、シール材20516が形成される。
次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100とがスペーサ20531を介して貼り合わされており、その隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、基板20115は、対向基板として機能してもよい。また、絶縁膜20514は、ブラックマトリックス(遮光膜)として機能してもよい。また、絶縁膜20513は、カラーフィルターとして機能してもよい。また、スペーサ20531は、数μmの粒子を散布して設ける方法でもよいし、基板全面に樹脂膜を形成した後に、樹脂膜をエッチング加工して形成する方法でもよい。また、導電膜20512は、対向電極として機能してもよい。導電膜20512としては、導電膜20508と同様なものを用いるこができる。また、絶縁膜20511は、配向膜として機能してもよい。
なお、絶縁膜20513及び絶縁膜20514と導電膜20512との間には、平坦化膜として絶縁膜20532を形成してもよい。ただし、図39では、絶縁膜20532を図示していない。
なお、液晶層20510としては公知の液晶を自由に用いることができる。例えば、液晶20510として強誘電性の液晶を用いてもよいし、反強誘電性の液晶を用いてもよい。また、液晶の駆動方式は、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)等を自由に用いることができる。
次に、画素部20101と、その周辺駆動回路部と電気的に接続されている導電膜20531上に、異方性導電体層20517を介して、FPC20200が配置されている。また、FPC20200上に、異方性導電体層20517を介して、ICチップが配置されている。つまり、FPC20200、導電膜20531及びICチップ20530は、電気的に接続されている。
なお、導電膜20531は、FPC20200から入力される信号及び電位を、画素や周辺回路に伝達する機能を有している。導電膜20531としては、導電膜20506と同様なものを用いてもよいし、導電膜20504と同様なものを用いてもよいし、半導体膜20502の不純物領域と同様なものを用いてもよいし、これらを少なくとも2層以上組み合わせたものを用いてもよい。
なお、ICチップ20530は、機能回路(メモリやバッファ)を形成することで、基板面積を有効利用することができる。
図39(A)、(B)の液晶パネルは、走査線駆動回路20105a、走査線駆動回路20105b及び信号線駆動回路20106を基板20100上に形成した場合の構成について説明したが、図40(A)の液晶パネルに示すように、信号線駆動回路20106に相当する駆動回路をドライバIC20601に形成して、COG方式などで液晶パネルに実装した構成としてもよい。信号線駆動回路20106をドライバIC20601に形成することで、省電力化を図ることができる。また、ドライバIC20601はシリコンウエハ等の半導体チップとすることで、図40(A)の液晶パネルはより高速、且つ低消費電力化を図ることができる。
同様に、図40(B)の液晶パネルに示すように、走査線駆動回路20105a、走査線駆動回路20105b及び信号線駆動回路20106に相当する駆動回路を、それぞれドライバIC20602a、ドライバIC20602b及びドライバIC20601に形成して、COG方式などで液晶パネルに実装した構成としてもよい。また、走査線駆動回路20105a、走査線駆動回路20105b及び信号線駆動回路20106に相当する駆動回路を、それぞれドライバIC20602a、ドライバIC20602b及びドライバIC20601に形成することで、低コスト化が図れる。
なお、トランジスタ20521はデュアルゲート構造としたが、図41の画素部20526に示すように、トランジスタ20521はシングルゲート構造としてもよい。ただし、図41は、画素部20526のみを示している。
次に、基板20100上にボトムゲート型トランジスタを形成した場合の断面図について、図42を参照して説明する。ただし、図42は、画素領域20526のみを示している。
まず、基板20100上に、下地膜として、絶縁膜20501が成膜されている。次に、絶縁膜20501上に、ゲート電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20504が形成されている。なお、トランジスタ20521の導電膜20504は、デュアルゲート構造としている。なぜなら、すでに述べたように、トランジスタ20521はデュアルゲート構造にすることで、トランジスタ20521のオフ電流を小さくできる。次に、絶縁膜20501上及び導電膜20504上に、ゲート絶縁膜として、絶縁膜20503が形成されている。次に、絶縁膜20503上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、半導体膜20502が形成されている。なお、半導体膜20502には、レジストをマスクとして半導体膜20502に不純物元素がドーピングされており、チャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域となる不純物領域とが形成されている。なお、不純物領域は、不純物濃度を制御して高濃度領域と低濃度領域とを形成されていてもよい。次に、絶縁膜20503上及び半導体層20502上に、層間膜として、絶縁膜20505が形成されている。なお、絶縁膜20505には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、各トランジスタの不純物領域の上面に形成されている。次に、絶縁膜20505上に、ドレイン電極、ソース電極及び配線として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20506が形成されている。なお、絶縁膜20505のコンタクトホールが形成されている部分では、導電膜20506とトランジスタの半導体膜20502の不純物領域とが接続されている。次に、絶縁膜20505上及びた導電膜20506上に、平坦化膜として、絶縁膜20507が形成されている。なお、絶縁膜20507には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。次に、絶縁膜20507上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。次に、絶縁膜20507上及び導電膜20508上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100との隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、図42では、トランジスタ20521をデュアルゲート構造とした。ただし、図43の画素部20526に示すように、トランジスタ20521はシングルゲート構造としてもよい。
次に、基板20100上に、ダブルゲート型のトランジスタを形成した場合の断面図について、図44を参照して説明する。ただし、図44は、画素領域20526のみを示している。
なお、ダブルゲート型のトランジスタとは、半導体膜の上下にゲート電極が、それぞれ配置されている構造のことをいう。また、ダブルゲート型のトランジスタは、トップゲート型トランジスタ及びボトムゲート型トランジスタに比べて、同様のサイズ及び同様の印加電圧であれば流れる電流が2倍になる。つまり、ダブルゲート型のトランジスタは、小さいトランジスタサイズでより多くの電流を流すことができる。
まず、基板20100上に、下地膜として、絶縁膜20501が成膜されている。次に、絶縁膜20501上に、第1のゲート電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20504aが形成されている。なお、導電膜20504aは、導電膜20504と同様な材料及び構造のものを用いることができる。次に、絶縁膜20501上及び導電膜20504a上に、第1のゲート絶縁膜として、絶縁膜20503aが形成されている。なお、絶縁膜20503aは、絶縁膜20503と同様な材料及び構造のものを用いることができる。次に、絶縁膜20503a上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、半導体膜20502が形成されている。次に、絶縁膜20503a上及び半導体膜20502上に、第2のゲート絶縁膜として、絶縁膜20503bが形成されている。なお、導電膜20503bは、導電膜20503と同様な材料及び構造のものを用いることができる。次に、絶縁膜20504b上に、第2のゲート電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20504bが形成されている。なお、導電膜20504bは、導電膜20504と同様な材料及び構造のものを用いることができる。なお、半導体膜20502には、導電膜20504b又はレジストをマスクとして半導体膜20502に不純物元素がドーピングされており、チャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域となる不純物領域とが形成されている。なお、不純物領域は、不純物濃度を制御して高濃度領域と低濃度領域とを形成されていてもよい。なお、半導体膜20502には、絶縁膜20503b及び導電膜20504bが形成される前に、レジストをマスクとして半導体膜20502に不純物元素がドーピングされ、チャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域となる不純物領域とが形成されていてもよい。次に、絶縁膜20503b上及び導電膜20504b上に、層間膜として、絶縁膜20505が形成されている。なお、絶縁膜20503b及び絶縁膜20505には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、各トランジスタの不純物領域の上面に形成されている。次に、絶縁膜20505上に、ドレイン電極、ソース電極及び配線として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20506が形成されている。なお、絶縁膜20503及び絶縁膜20504のコンタクトホールが形成されている部分では、導電膜20506とトランジスタの半導体膜20502の不純物領域とが接続されている。次に、絶縁膜20505上及び導電膜20506上に、平坦化膜として、絶縁膜20507が形成されている。なお、絶縁膜20507には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。次に、絶縁膜20507上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。次に、絶縁膜20507上及び導電膜20508上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100との隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、図39及び図41〜図44では、絶縁膜20505上及び絶縁膜20505上に形成された導電膜20506上に、平坦膜として、絶縁膜20507が形成されている場合の断面図について説明した。ただし、絶縁膜20507は、図45に示すように、必ずしも必要ではない。
なお、図45に示す断面図は、トップゲート型のトランジスタの場合について示しているが、ボトムゲート型のトランジスタ及びダブルゲート型のトランジスタの場合についても同様である。
次に、基板20100上に、半導体膜として非結晶半導体膜(アモルファスシリコン膜)を用いたトランジスタを形成した場合の断面図について、図46を参照して説明する。図46に示す断面図は、逆スタガ型のチャネルエッチ構造のトランジスタの断面図である。
まず、基板20100上に、下地膜として、絶縁膜20501が成膜されている。次に、絶縁膜20501上に、ゲート電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20504が形成されている。次に、絶縁膜20501及び導電膜20504上に、ゲート絶縁膜として、絶縁膜20503が形成されている。次に、絶縁膜20503上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、半導体膜20502が形成されている。なお、半導体膜20502は第1の半導体膜及び第2の半導体膜を有しており、第1の半導体膜の上に第2の半導体膜が形成されている。また、第1の半導体膜及び第2の半導体膜は連続して成膜され、同時にフォトリソグラフィ法によってパターニングされてもよい。また、第2の半導体膜は不純物元素を含んでいる。次に、絶縁膜20503上及び半導体膜20502上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20506が形成されている。なお、半導体膜20502は、導電膜20506をマスクとしてエッチングをすることによって、チャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域となる不純物領域とが形成されている。つまり、チャネル領域では、不純物元素を含む第2の半導体膜が除去される。ただし、半導体膜20502は、導電膜20506をエッチングするためのレジストをマスクにして、エッチングされてもよい。次に、絶縁膜20503上、半導体膜20502上及び導電膜20506上に、平坦化膜として、絶縁膜20507が形成されている。なお、絶縁膜20507には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。次に、絶縁膜20507上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。次に、絶縁膜20507上及び導電膜20508上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100との隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、チャネルエッチ構造のトランジスタについて説明したが、図47に示すように、半導体膜20502上に絶縁膜21301を設けてもよい。絶縁膜21301は、第1の半導体膜と第2の半導体膜との間に形成される。また、半導体膜20502は、導電膜20506を形成するときに、同時にエッチングされる。
なお、図46のトランジスタ20521をチャネルエッチ構造と呼び、図47のトランジスタ20521をチャネル保護構造と呼ぶ。
次に、基板20100上に、半導体膜として非結晶半導体膜を用いたトップゲート型のトランジスタを形成した場合の断面図について、図48を参照して説明する。
まず、基板20100上に、下地膜として、絶縁膜20501が成膜されている。次に、絶縁膜20501上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20506が形成されている。次に、導電膜20506上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、半導体膜20502aが形成されている。なお、半導体膜20502aは、半導体膜20502と同様な材料及び構造のものを用いることができる。また、半導体膜20502aは、不純物元素を含んでいる。次に、絶縁膜20501上及び半導体膜20502a上に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、半導体膜20502bが形成されている。なお、半導体膜20502bは、半導体膜20502と同様な材料及び構造のものを用いることができる。次に、絶縁膜20501上、半導体膜20502b上及び導電膜20506上に、ゲート絶縁膜として、絶縁膜20503が形成されている。次に、絶縁膜20503上に、ゲート電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20504が形成されている。次に、絶縁膜20503上及び絶縁膜20503上に形成された導電膜20504上に、平坦化膜として、絶縁膜20507が形成されている。なお、絶縁膜20507には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。次に、絶縁膜20507上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。次に、絶縁膜20507上及び導電膜20508上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100との隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、図47及び図48では、絶縁膜20505上及び絶縁膜20505上に形成された導電膜20506上に、平坦膜として、絶縁膜20507が形成されている場合の断面図について説明した。ただし、絶縁膜20507は、図49に示すように、必ずしも必要ではない。
なお、図49に示す断面図は、逆スタガ型のチャネルエッチ構造のトランジスタの場合について示しているが、逆スタガ型のチャネル保護構造のトランジスタの場合についても同様である。また、図49では、逆スタガ型のトランジスタの場合について示しているが、トップゲート型トランジスタとしてもよい。トップゲート型トランジスタのトランジスタの場合の断面図を図50及び図51に示す。
なお、図50に示す断面図の場合、絶縁膜20501上及び導電膜20506上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。また、導電膜20508は、導電膜20506を形成してから絶縁膜20503を形成するまでに、形成される。
なお、図51に示す断面図の場合、絶縁膜20501上に、画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508が形成されている。また、導電膜20508は、絶縁膜20501の形成後、形成される。
次に、半透過型の液晶パネルの断面図について、図52を参照して説明する。
なお、図52の断面図は、トランジスタが半導体膜として多結晶半導体を用いた場合の液晶パネルの断面図である。ただし、トランジスタはボトムゲート型でもよいし、ダブルゲート型でもよい。また、トランジスタのゲート電極は、シングルゲート構造でもよいし、デュアルゲート構造でもよい。
なお、図52は、導電膜20506が形成されるまでは、図41と同様である。したがって、導電膜20506が形成された後の工程及び構造について説明する。
まず、絶縁膜20505及び絶縁膜20505上に形成された導電膜20506上に、液晶層20510の厚さ(いわいるセルギャップ)を薄くするための膜として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、絶縁膜21801が形成されている。なお、絶縁膜21801としては、平坦性や非覆性がよいことが望ましいため、有機材料を用いて形成されることが多い。なお、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン)の上に、有機材料が形成され、多層構造になっていてもよい。なお、絶縁膜21801には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。次に、絶縁膜20505上及び絶縁膜20507上に、第1の画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508aが形成されている。なお、導電膜20508aとしては、導電膜20508と同様な光を透過する透明電極を用いることができる。次に、導電膜20508a上に、第2の画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508bが形成されている。なお、導電膜20508bとしては、導電膜20508と同様な光を反射する反射電極を用いることができる。なお、導電膜20508bが形成される領域を反射領域という。また、導電膜20508aが形成されている領域のうち、導電膜20508a上に導電膜20508bが形成されていない領域を透過領域という。次に、絶縁膜21801上、導電膜20508a及び導電膜20508b上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100との隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、図52では、導電膜20508aが形成された後に導電膜20508bが形成されているが、図53に示すように、導電膜20508bが形成された後に導電膜20508aが形成されていてもよい。
なお、図52及び図53では、液晶層20510(セルギャップ)を調整するための絶縁膜が導電膜20508aの下及び導電膜20508bの下に、形成されている。しかし、図54のように絶縁膜22001が基板20515側に形成されていてもよい。絶縁膜22001は、絶縁膜21801と同様に、液晶層20510(セルギャップ)を調整するための絶縁膜である。
なお、図54では、平坦化膜として絶縁膜20507が形成されている場合について説明したが、図55に示すように、絶縁膜20507が形成されていなくてもよい。図55の場合は、反射画素電極として導電膜20506を用いることができる。もちろん、反射画素電極として、別の導電膜が形成されていてもよい。
なお、絶縁膜22001は、導電膜20512と絶縁膜20511との間に形成されていてもよいし、絶縁膜20511と液晶層20510との間に形成されていてもよい。
次に、半透過型の液晶パネルにおいて、トランジスタの半導体膜として多結晶半導体を用いられている場合の液晶パネルの断面図を図56に示す。
なお、図56の断面図は、逆スタガ型のチャネルエッチ構造を用いたトランジスタを有する液晶パネルの断面図である。ただし、トランジスタは、トップゲート型でもよいし、逆スタガ型のチャネル保護構造を用いてもよい。
なお、図56は、導電膜20506が形成されるまでは、図56と同様である。したがって、導電膜20506が形成された後の工程及び構造について説明する。
まず、半導体膜20502上、絶縁膜20503及び導電膜20506上に、液晶層20510の厚さ(いわいるセルギャップ)を薄くするための層として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、絶縁膜22201が形成されている。なお、絶縁膜22201としては、平坦性や非覆性がよいことが望ましいため、有機材料を用いて形成されることが多い。なお、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン)の上に、有機材料が形成され、多層構造になっていてもよい。なお、絶縁膜22201には、コンタクトホールが選択的に形成されている。例えば、コンタクトホールは、トランジスタ20521のドレイン電極の上面に形成されている。次に、絶縁膜20503上及び絶縁膜22201上に、第1の画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508aが形成されている。次に、導電膜20508a上に、第2の画素電極として、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などにより、導電膜20508bが形成されている。なお、導電膜20508bが形成される領域を反射領域という。また、導電膜20508aが形成されている領域のうち、導電膜20508a上に導電膜20508bが形成されていない領域を透過領域という。次に、絶縁膜22201上、導電膜20508a及び導電膜20508b上に、配向膜として、絶縁膜20509が形成されている。次に、絶縁膜20514、絶縁膜20513、導電膜20512及び絶縁膜20511などが形成された基板20515と、基板20100との隙間に、液晶層20510が配置されている。
なお、図56では、導電膜20508aが形成された後に導電膜20508bが形成されているが、図57に示すように、導電膜20508bが形成された後に導電膜20508aが形成されていてもよい。
なお、図56及び図57では、液晶層20510(セルギャップ)を調整するための絶縁膜が導電膜20508aの下及び導電膜20508bの下に、形成されている。しかし、図58のように絶縁膜22001が基板20515側に形成されていてもよい。絶縁膜22001は、絶縁膜22201と同様に、液晶層20510(セルギャップ)を調整するための絶縁膜である。
なお、図57及び図58では、平坦化膜として絶縁膜20507が形成されている場合について説明したが、図59に示すように、絶縁膜20507が形成されていなくてもよい。図59の場合は、反射画素電極として導電膜20506を用いることができる。もちろん、反射画素電極として、別の導電膜が形成されていてもよい。
なお、図39及び図41〜図59では、液晶層20510に電圧を印加する一対の電極(導電膜20508及び導電膜20512)を異なる基板上に形成した例を示した。しかし、導電膜20512が基板20100上に設けられていてもよい。こうして、液晶の駆動方式として、IPS(In−Plane−Switching)モードを用いることができる。また、液晶層20510によっては、2つの配向膜(絶縁膜20509及び絶縁膜20511)の一方又は両方が無くてもよい。
なお、図39及び図41〜図59において、反射画素電極として、導電膜20508(導電膜20508b)が形成されているが、導電膜20508の形状は凹凸となっていることが望ましい。なぜなら、反射画素電極は、外光を反射させて、表示を行うためのものである。反射電極に入ってきた外光を効率的に活用し、表示輝度を高めるために、反射電極で乱反射させることができるからである。なお、導電膜20508の下の膜(絶縁膜20505、絶縁膜20507、絶縁膜21801又は絶縁膜22201など)の形状を凹凸にすることで、導電膜20508の形状が凹凸になる。
続いて、図39〜図59で説明した液晶パネルを有する液晶表示装置について、図60を参照して説明する。
まず、図60に示した液晶表示装置には、バックライトユニット22601、液晶パネル22607、第1の偏光子を含む層22608、第2の偏光子を含む層22609が設けられている。
なお、液晶パネル22607は、本実施形態で説明したものと同様なものとすることができる。また、本実施形態の液晶パネルは、各画素にスイッチング素子が設けられたアクティブ型の構造について説明してきたが、図60の液晶パネルはパッシブ型の構造でもよい。
バックライトユニット22601の構造について説明する。バックライトユニット22601は、拡散板22602、導光板22603、反射板22604、ランプリフレクタ22605、光源22606を有するように構成されている。光源22606としては冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード、無機EL又は有機ELなどが用いられ、光源22606は必要に応じて発光する機能を有する。ランプリフレクタ22605は、光源22606からの蛍光を効率よく導光板22603に導く機能を有する。導光板22603は、蛍光を全反射させて、全面に光を導く機能を有する。拡散板22602は、明度のムラを低減する機能を有する。反射板22604は、導光板22603から下方向(液晶パネル22607と反対方向)に漏れた光を反射して再利用する機能を有する。
なお、拡散板22602と第2の偏光子を含む層22609との間に、プリズムシートを配置することで、本実施形態の液晶表示装置は液晶パネルの画面の明るさを向上させることができる。
バックライトユニット22601には、光源22606の輝度を調整するための制御回路が接続されている。制御回路からの信号供給によって、光源22606の輝度を調整することができる。
液晶パネル22607とバックライトユニット22601との間には第2の偏光子を含む層22609が設けれ、バックライトユニット22601とは反対方向の液晶パネル22607にも第1の偏光子を含む層22608が設けられている。
なお、第1の偏光子を含む層22608と第2の偏光子を含む層22609とは、液晶パネル22607の液晶素子がTNモードで駆動する場合、クロスニコルになるように配置される。また、第1の偏光子を含む層22608と第2の偏光子を含む層22609とは、液晶パネル22607の液晶素子がVAモードで駆動する場合、クロスニコルになるように配置される。また、第1の偏光子を含む層22608と第2の偏光子を含む層22609とは、液晶パネル22607の液晶素子がIPSモード及びFFSモードで駆動する場合、クロスニコルになるように配置されていてもよいし、パラレルニコルになるように配置されていてもよい。
第1の偏光子を含む層22608及び第2の偏光子を含む層22609の両方又は一方と、液晶パネル22607との間に位相差板を有していてもよい。
なお、図63に示すように、第2の偏光子を含む層22609とバックライトユニット22601との間に、スリット(格子)22610を配置することで、本実施形態の液晶表示装置は3次元表示を行うことができる。
バックライトユニット側に配置された開口部を有するスリット22610は、光源より入射された光をストライプ状にして透過し、表示装置へ入射させる。このスリット22610によって、視認側にいる視認者の両目に視差を作ることができ、視認者は右目では右目用の画素だけを、左目では左目用の画素だけを同時に見ることになる。よって、視認者は、3次元表示を見ることができる。つまり、スリット22610によって特定の視野角を与えられた光が右目用画像及び左目用画像のそれぞれに対応する画素を通過することで、右目用画像と左目用画像とが異なる視野角に分離され、3次元表示が行われる。
図63の液晶表示装置を用いて、テレビジョン装置、携帯電話などの電子機器を作製すれば、3次元表示を行うことができる高機能でかつ高画質の電子機器を提供することができる。
続いて、バックライトの詳細な構成について、図62を参照して説明する。バックライトは光源を有するバックライトユニットとして液晶表示装置に設けられ、バックライトユニットは効率よく光を散乱させるため、光源は反射板により囲まれている。
図62(A)に示すように、バックライトユニット22852は、光源として冷陰極管22801を用いることができる。また、冷陰極管22801からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ22832を設けることができる。冷陰極管22801は、大型表示装置に用いることが多い。これは冷陰極管からの輝度の強度のためである。そのため、冷陰極管を有するバックライトユニットは、パーソナルコンピュータのディスプレイに用いることができる。
図62(B)に示すように、バックライトユニット22852は、光源として発光ダイオード(LED)22802を用いることができる。例えば、白色に発する発光ダイオード(W)22802を所定の間隔に配置する。また、発光ダイオード(W)22802からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ22832を設けることができる。
また図62(C)に示すように、バックライトユニット22852は、光源として各色RGBの発光ダイオード(LED)22803、22804、22805を用いることができる。各色RGBの発光ダイオード(LED)22803、22804、22805を用いることにより、白色を発する発光ダイオード(W)22802のみと比較して、色再現性を高くすることができる。また、発光ダイオードからの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ22832を設けることができる。
またさらに図62(D)に示すように、光源として各色RGBの発光ダイオード(LED)22803、22804、22805を用いる場合、それらの数や配置を同じとする必要はない。例えば、発光強度の低い色(例えば緑)を複数配置してもよい。
さらに白色を発する発光ダイオード22802と、各色RGBの発光ダイオード(LED)22803、22804、22805とを組み合わせて用いてもよい。
なお、RGBの発光ダイオードを有する場合、フィールドシーケンシャルモードを適用すると、時間に応じてRGBの発光ダイオードを順次点灯させることによりカラー表示を行うことができる。
発光ダイオードを用いると、輝度が高いため、大型表示装置に適する。また、RGB各色の色純度が良いため冷陰極管と比べて色再現性に優れており、配置面積を小さくすることができるため、小型表示装置に適応すると、狭額縁化を図ることができる。
また、光源を必ずしも図62に示すバックライトユニットとして配置する必要はない。例えば、大型表示装置に発光ダイオードを有するバックライトを搭載する場合、発光ダイオードは該基板の背面に配置することができる。このとき発光ダイオードは、所定の間隔を維持し、各色の発光ダイオードを順に配置させることができる。発光ダイオードの配置により、色再現性を高めることができる。
続いて、偏光子を含む層(偏光板又は偏光フィルムともいう)の一例について、図64を参照して説明する。
図64の偏光子を含む層23000は、保護フィルム23001、基板フィルム23002、PVA偏光フィルム23003、基板フィルム23004、粘着剤層23005及び離型フィルム23006を有するように構成されている。
PVA偏光フィルム23003は、ある振動方向だけの光(直線偏光)を作り出す機能を有する。具体的には、PVA偏光フィルム23003は、電子の密度が縦と横で大きく異なる分子(偏光子)を含んでいる。PVA偏光フィルム23003は、この電子の密度が縦と横で大きく異なる分子の方向を揃えることで、直線偏光を作り出すことができる。
一例として、PVA偏光フィルム23003は、ポリビニールアルコール(Poly Vinyl Alcohol)の高分子フィルムに、ヨウ素化合物をドープし、PVAフィルムをある方向に引っ張ることで、一定方向にヨウ素分子の並んだフィルムを得ることができる。そして、ヨウ素分子の長軸と平行な光は、ヨウ素分子に吸収される。また、高耐久用途及び高耐熱用途として、ヨウ素の代わりに2色性の染料が用いてもよい。なお、染料は、車載用LCDやプロジェクタ用LCDなどの耐久性、耐熱性が求められる液晶表示装置に用いられることが望ましい。
PVA偏光フィルム23003は、両側を基材となるフィルム(基板フィルム23002及び基板フィルム3604)で挟むことで、信頼性を増すことができる。また、PVA偏光フィルム23003は、高透明性、高耐久性のトリアセチルロース(TAC)フィルムによって挟まれていてもよい。なお、基板フィルム及びTACフィルムは、PVA偏光フィルム23003が有する偏光子の保護層として機能する。
一方の基板フィルム(基板フィルム23004)には、液晶パネルのガラス基板に貼るための粘着剤層23005が貼られている。なお、粘着剤層23005は、粘着剤を片側の基板フィルム(基板フィルム23004)に塗布することで形成される。また、粘着剤層23005には、離形フィルム23005(セパレートフィルム)が備えられている。
他方の基板フィルム(基板フィルム23002)には、保護フィルムが備えられている。
なお、偏光フィルム23000表面に、ハードコート散乱層(アンチグレア層)が備えられていてもよい。ハードコート散乱層は、AG処理によって表面に微細な凹凸が形成されており、外光を散乱させる防眩機能を有するため、液晶パネルへの外光の映り込みや表面反射を防ぐことができる。
また、偏光フィルム23000表面に、複数の屈折率の異なる光学薄膜層を多層化(アンチリフレクション処理、若しくはAR処理ともいう)してもよい。多層化された複数の屈折率のことなる光学薄膜層は、光の干渉効果によって表面の反射率を低減することができる。
続いて、液晶表示装置が有する各回路の動作について、図61を参照して説明する。
図61には、表示装置の画素部22705及び駆動回路部22708のシステムブロック図を示す。
画素部22705は、複数の画素を有し、各画素となる信号線22712と、走査線22710との交差領域には、スイッチング素子が設けられている。スイッチング素子により液晶分子の傾きを制御するための電圧の印加を制御することができる。このように各交差領域にスイッチング素子が設けられた構造をアクティブ型と呼ぶ。本発明の画素部は、このようなアクティブ型に限定されず、パッシブ型の構成を有してもよい。パッシブ型は、各画素にスイッチング素子がないため、工程が簡便である。
駆動回路部22708は、制御回路22702、信号線駆動回路22703、走査線駆動回路22704を有する。映像信号22701が入力される制御回路22702は、画素部22705の表示内容に応じて、階調制御を行う機能を有する。そのため、制御回路22702は、生成された信号を信号線駆動回路22703及び走査線駆動回路22704に入力する。そして、走査線駆動回路22704に基づき、走査線22710を介してスイッチング素子が選択されると、選択された交差領域の画素電極に電圧が印加される。この電圧の値は、信号線駆動回路22703から信号線を介して入力される信号に基づき決定される。
さらに、制御回路22702では、照明手段22706へ供給する電力を制御する信号が生成され、該信号は、照明手段22706の電源22707に入力される。照明手段には、上記実施の形態で示したバックライトユニットを用いることができる。なお照明手段はバックライト以外にフロントライトもある。フロントライトとは、画素部の前面側に取りつけ、全体を照らす発光体および導光体で構成された板状のライトユニットである。このような照明手段により、低消費電力で、均等に画素部を照らすことができる。
図61(B)に示すように走査線駆動回路22704は、シフトレジスタ22741、レベルシフタ22742、バッファ22743として機能する回路を有する。シフトレジスタ22741にはゲートスタートパルス(GSP)、ゲートクロック信号(GCK)等の信号が入力される。なお、本発明の走査線駆動回路は、図61(B)に示す構成に限定されない。
また図61(C)に示すように信号線駆動回路22703は、シフトレジスタ22731、第1のラッチ22732、第2のラッチ22733、レベルシフタ22734、バッファ22735として機能する回路を有する。バッファ22735として機能する回路とは、弱い信号を増幅させる機能を有する回路であり、オペアンプ等を有する。レベルシフタ22734には、スタートパルス(SSP)等の信号が、第1のラッチ22732にはビデオ信号等のデータ(DATA)が入力される。第2のラッチ22733にはラッチ(LAT)信号を一時保持することができ、一斉に画素部22705へ入力させる。これを線順次駆動と呼ぶ。そのため、線順次駆動ではなく、点順次駆動を行う画素であれば、第2のラッチは不要とすることができる。このように、本発明の信号線駆動回路は図61(C)に示す構成に限定されない。
このような信号線駆動回路22703、走査線駆動回路22704、画素部22705は、同一基板状に設けられた半導体素子によって形成することができる。半導体素子は、ガラス基板に設けられた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。この場合、半導体素子には結晶性半導体膜を適用するとよい。結晶性半導体膜は、電気特性、特に移動度が高いため、駆動回路部が有する回路を構成することができる。また、信号線駆動回路22703や走査線駆動回路22704は、IC(Integrated Circuit)チップを用いて、基板上に実装することもできる。この場合、画素部の半導体素子には非晶質半導体膜を適用することができる。
ここで、本実施形態の液晶表示モジュールを図65(A)及び図65(B)を用いて説明する。
図65(A)は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板23100と対向基板23101がシール材23102により固着され、その間にTFT等を含む画素部23103と液晶層23104が設けられ表示領域を形成している。着色層23105はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板23100と対向基板23101の外側には第1の偏光子を含む層23106、第2の偏光子を含む層23107、拡散板23113が配設されている。光源は冷陰極管23110と反射板23111により構成され、回路基板23112は、フレキシブル配線基板23109によりTFT基板23100と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。
TFT基板23100と光源であるバックライトの間には第2の偏光子を含む層23107が積層して設けられ、対向基板23101にも第1の偏光子を含む層23106が積層して設けられている。一方、第2の偏光子を含む層23107の吸収軸と、視認側に設けられた第1の偏光子を含む層23106の吸収軸とは、クロスニコルになるように配置される。
積層された第2の偏光子を含む層23107や積層された第1の偏光子を含む層23106は、TFT基板23100、対向基板23101に接着されている。また積層された偏光子を含む層と、基板との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。また、必要に応じて、視認側である第1の偏光子を含む層23106には反射防止処理を施してもよい。
液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
図65(B)は図65(A)の液晶表示モジュールにOCBモードを適用した一例であり、FS−LCD(Field sequential−LCD)となっている。FS−LCDは、1フレーム期間に赤色発光と緑色発光と青色発光をそれぞれ行うものであり、時間分割を用いて画像を合成しカラー表示を行うことが可能である。また、各発光を発光ダイオードまたは冷陰極管等で行うので、カラーフィルターが不要である。よって、3原色のカラーフィルターを並べ、各色の表示領域を限定する必要がなく、どの領域でも3色全ての表示を行うことができる。一方、1フレーム期間に3色の発光を行うため、液晶の高速な応答が求められる。本発明の表示装置に、FS方式を用いたFLCモード及びOCBモードを適用し、高性能で高画質な表示装置、また液晶テレビジョン装置を完成させることができる。
OCBモードの液晶層は、いわゆるπセル構造を有している。πセル構造とは、液晶分子のプレチルト角がアクティブマトリクス基板と対向基板との基板間の中心面に対して面対称の関係で配向された構造である。πセル構造の配向状態は、基板間に電圧が印加されていない時はスプレイ配向となり、電圧を印加するとベンド配向に移行する。このベンド配向が白表示となる。さらに電圧を印加するとベンド配向の液晶分子が両基板と垂直に配向し、光が透過しない状態となる。なお、OCBモードにすると、従来のTNモードより約10倍速い高速応答性を実現できる。
また、FS方式に対応するモードとして、高速動作が可能な強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)を用いたHV(Half V)−FLC、SS(Surface Stabilized)−FLCなども用いることができる。
また、液晶表示モジュールのセルギャップを狭くすることで、液晶表示モジュールの光学応答速度を高速化することができる。また、液晶材料の粘度を下げることでも高速化できる。高速化は、TNモードの液晶表示モジュールの画素領域の画素ピッチが30μm以下の場合に、より効果的である。また、液晶層にかける印加電圧を本来の電圧よりも一瞬だけ高く(または低く)するオーバードライブを用いることで、高速化を行なってもよい。
図65(B)の液晶表示モジュールは透過型の液晶表示モジュールを示しており、光源として赤色光源23190a、緑色光源23190b、青色光源23190cが設けられている。光源は赤色光源23190a、緑色光源23190b、青色光源23190cのそれぞれオンオフを制御するために、制御部23199が設置されている。制御部23199によって、各色の発光は制御され、液晶に光は入射し、時間分割を用いて画像を合成し、カラー表示が行われる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置の駆動方法について説明する。特に、液晶表示装置の駆動方法について説明する。
まず、オーバードライブ駆動について、図66を参照して説明する。図66の(A)は、表示素子の、入力電圧に対する出力輝度の時間変化を表したものである。破線で表した入力電圧30121に対する表示素子の出力輝度の時間変化は、同じく破線で表した出力輝度30123のようになる。すなわち、目的の出力輝度Loを得るための電圧はViであるが、入力電圧としてViをそのまま入力した場合は、目的の出力輝度Loに達するまでに、素子の応答速度に対応した時間を要してしまう。
オーバードライブ駆動は、この応答速度を速めるための技術である。具体的には、まず、Viよりも大きい電圧であるVoを素子に一定時間与えることで出力輝度の応答速度を高めて、目的の出力輝度Loに近づけた後に、入力電圧をViに戻す、という方法である。このときの入力電圧は入力電圧30122、出力輝度は出力輝度30124に表したようになる。出力輝度30124のグラフは、目的の輝度Loに至るまでの時間が、出力輝度30123のグラフよりも短くなっている。
なお、図66の(A)においては、入力電圧に対し出力輝度が正の変化をする場合について述べたが、入力電圧に対し出力輝度が負の変化をする場合も、本発明は含んでいる。
このような駆動を実現するための回路について、図66の(B)および図66の(C)を参照して説明する。まず、図66の(B)を参照して、入力映像信号30131がアナログ値(離散値でもよい)をとる信号であり、出力映像信号30132もアナログ値をとる信号である場合について説明する。図66の(B)に示すオーバードライブ回路は、符号化回路30101、フレームメモリ30102、補正回路30103、DA変換回路30104、を備える。
入力映像信号30131は、まず、符号化回路30101に入力され、符号化される。つまり、アナログ信号から、適切なビット数のデジタル信号に変換される。その後、変換されたデジタル信号は、フレームメモリ30102と、補正回路30103と、にそれぞれ入力される。補正回路30103には、フレームメモリ30102に保持されていた前フレームの映像信号も、同時に入力される。そして、補正回路30103において、当該フレームの映像信号と、前フレームの映像信号から、あらかじめ用意された数値テーブルにしたがって、補正された映像信号を出力する。このとき、補正回路30103に出力切替信号30133を入力し、補正された映像信号と、当該フレームの映像信号を切替えて出力できるようにしてもよい。次に、補正された映像信号または当該フレームの映像信号は、DA変換回路30104に入力される。そして、補正された映像信号または当該フレームの映像信号にしたがった値のアナログ信号である出力映像信号30132が出力される。このようにして、オーバードライブ駆動が実現できる。
次に、図66の(C)を参照して、入力映像信号30131がデジタル値をとる信号であり、出力映像信号30132もデジタル値をとる信号である場合について説明する。図66の(C)に示すオーバードライブ回路は、フレームメモリ30112、補正回路30113、を備える。
入力映像信号30131は、デジタル信号であり、まず、フレームメモリ30112と、補正回路30113と、にそれぞれ入力される。補正回路30113には、フレームメモリ30112に保持されていた前フレームの映像信号も、同時に入力される。そして、補正回路30113において、当該フレームの映像信号と、前フレームの映像信号から、あらかじめ用意された数値テーブルにしたがって、補正された映像信号を出力する。このとき、補正回路30113に出力切替信号30133を入力し、補正された映像信号と、当該フレームの映像信号を切替えて出力できるようにしてもよい。このようにして、オーバードライブ駆動が実現できる。
なお、本発明におけるオーバードライブ回路は、入力映像信号30131がアナログ信号であり、出力映像信号30132がデジタル信号である場合も含む。このときは、図66の(B)に示した回路から、DA変換回路30104を省略すればよい。また、本発明におけるオーバードライブ回路は、入力映像信号30131がデジタル信号であり、出力映像信号30132がアナログ信号である場合も含む。このときは、図66の(B)に示した回路から、符号化回路30101を省略すればよい。
次に、コモン線の電位を操作する駆動について、図67を参照して説明する。図67の(A)は、液晶素子のような容量的な性質を持つ表示素子を用いた表示装置において、走査線1本に対し、コモン線が1本配置されているときの、複数の画素回路を表した図である。図67の(A)に示す画素回路は、トランジスタ30201、補助容量30202、表示素子30203、映像信号線30204、走査線30205、コモン線30206、を備えている。
トランジスタ30201のゲート電極は、走査線30205に電気的に接続され、トランジスタ30201のソース電極またはドレイン電極の一方は、映像信号線30204に電気的に接続され、トランジスタ30201のソース電極またはドレイン電極の他方は、補助容量30202の一方の電極、および表示素子30203の一方の電極に電気的に接続されている。
また、補助容量30202の他方の電極は、コモン線30206に電気的に接続されている。
まず、走査線30205によって選択された画素は、トランジスタ30201がオンとなるため、それぞれ、映像信号線30204を介して、表示素子30203および補助容量30202に映像信号に対応した電圧がかかる。このとき、その映像信号が、コモン線30206に接続された全ての画素に対して最低階調を表示させるものだった場合、または、コモン線30206に接続された全ての画素に対して最高階調を表示させるものだった場合は、画素にそれぞれ映像信号線30204を介して映像信号を書き込む必要はない。映像信号線30204を介して映像信号を書き込む代わりに、コモン線30206の電位を動かすことで、表示素子30203にかかる電圧を変えることができる。
次に、図67の(B)は、液晶素子のような容量的な性質を持つ表示素子を用いた表示装置において、走査線1本に対し、コモン線が2本配置されているときの、複数の画素回路を表した図である。図67の(B)に示す画素回路は、トランジスタ30211、補助容量30212、表示素子30213、映像信号線30214、走査線30215、第1のコモン線30216、第2のコモン線30217、を備えている。
トランジスタ30211のゲート電極は、走査線30215に電気的に接続され、トランジスタ30211のソース電極またはドレイン電極の一方は、映像信号線30214に電気的に接続され、トランジスタ30211のソース電極またはドレイン電極の他方は、補助容量30212の一方の電極、および表示素子30213の一方の電極に電気的に接続されている。
また、補助容量30212の他方の電極は、第1のコモン線30216に電気的に接続されている。
また、当該画素と隣接する画素においては、補助容量30212の他方の電極は、第2のコモン線30217に電気的に接続されている。
図67の(B)に示す画素回路は、コモン線1本に対し電気的に接続されている画素が少ないため、映像信号線30214を介して映像信号を書き込む代わりに、第1のコモン線30216または第2のコモン線30217の電位を動かすことで、表示素子30213にかかる電圧を変えることができる頻度が、顕著に大きくなる。また、ソース反転駆動またはドット反転駆動が可能になる。ソース反転駆動またはドット反転駆動により、素子の信頼性を向上させつつ、フリッカを抑えることができる。
次に、走査型バックライトについて、図68を参照して説明する。図68の(A)は、冷陰極管を並置した走査型バックライトを示す図である。図68の(A)に示す走査型バックライトは、拡散板30301と、N個の冷陰極管30302―1から30302―Nと、を備える。N個の冷陰極管30302―1から30302―Nを、拡散板30301の後ろに並置することで、N個の冷陰極管30302―1から30302―Nは、その輝度を変化させて走査することができる。
走査するときの各冷陰極管の輝度の変化を、図68の(C)を用いて説明する。まず、冷陰極管30302―1の輝度を、一定時間変化させる。そして、その後に、冷陰極管30302―1の隣に配置された冷陰極管30302―2の輝度を、同じ時間だけ変化させる。このように、冷陰極管30302―1から30302―Nまで、輝度を順に変化させる。なお、図68の(C)においては、一定時間変化させる輝度は、元の輝度より小さいものとしたが、元の輝度より大きくてもよい。また、冷陰極管30302―1から30302―Nまで走査するとしたが、逆方向に冷陰極管30302―Nから30302―1まで走査してもよい。
図68のように駆動することで、バックライトの平均輝度を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置の消費電力の大部分を占める、バックライトの消費電力を低減することができる。
なお、走査型バックライトの光源として、LEDを用いてもよい。その場合の走査型バックライトは、図68の(B)のようになる。図68の(B)に示す走査型バックライトは、拡散板30311と、LEDを並置した光源30312―1から30312―Nと、を備える。走査型バックライトの光源として、LEDを用いた場合、バックライトを薄く、軽くできる利点がある。また、色再現範囲を広げることができるという利点がある。さらに、LEDを並置した光源30312―1から30312―Nのそれぞれに並置したLEDも、同様に走査することができるので、点走査型のバックライトとすることもできる。点走査型とすれば、動画像の画質をさらに向上させることができる。
なお、バックライトの光源としてLEDを用いた場合も、図68の(C)に示すように輝度を変化させて駆動することができる。
次に、高周波駆動について、図69を参照して説明する。図69の(A)は、1フレーム期間30400に1つの画像および1つの中間画像を表示するときの図である。30401は当該フレームの画像、30402は当該フレームの中間画像、30403は次フレームの画像、30404は次フレームの中間画像である。
なお、当該フレームの中間画像30402は、当該フレームおよび次フレームの映像信号を元に作成された画像であってもよい。また、当該フレームの中間画像30402は、当該フレームの画像30401から作成された画像であってもよい。また、当該フレームの中間画像30402は、黒画像であってもよい。こうすることで、ホールド型表示装置の動画像の画質を向上できる。また、1フレーム期間30400に1つの画像および1つの中間画像を表示する場合は、映像信号のフレームレートと整合性が取り易く、画像処理回路が複雑にならないという利点がある。
図69の(B)は、1フレーム期間30400が2つ連続する期間(2フレーム期間)に1つの画像および2つの中間画像を表示するときの図である。30411は当該フレームの画像、30412は当該フレームの中間画像、30413は次フレームの中間画像、30414は次々フレームの画像である。
なお、当該フレームの中間画像30412および次フレームの中間画像30413は、当該フレーム、次フレーム、次々フレームの映像信号を元に作成された画像であってもよい。また、当該フレームの中間画像30412および次フレームの中間画像30413は、黒画像であってもよい。2フレーム期間に1つの画像および2つの中間画像を表示する場合は、周辺駆動回路の動作周波数をそれほど高速化することなく、効果的に動画像の画質を向上できるという利点がある。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態9)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置の画素構造について説明する。特に、有機EL素子を用いた表示装置の画素構造について説明する。
図70(A)に、1つの画素に2つのTFTを有する画素の素子のレイアウト例を示す。また、図70(A)において、X−X’で示される部分の断面図を図70(B)に示す。
図70(A)に示すように、本発明における画素は、第1のTFT60105、第1の配線60106、第2の配線60107、第2のTFT60108、第3の配線60111、対向電極60112、コンデンサ60113、画素電極60115、隔壁60116、有機導電体膜60117、有機薄膜60118、基板60119を有していてもよい。なお、第1のTFT60105はスイッチング用TFTとして、第1の配線60106はゲート信号線として、第2の配線60107はソース信号線として、第2のTFT60108は駆動用TFTとして、第3の配線60111は電流供給線として、それぞれ用いられるのが好適である。
図70(A)に示すように、第1のTFT60105のゲート電極は、第1の配線60106と電気的に接続され、第1のTFT60105のソース電極またはドレイン電極の一方は、第2の配線60107と電気的に接続され、第1のTFT60105のソース電極またはドレイン電極の他方は、第2のTFT60108のゲート電極およびコンデンサ60113の一方の電極と電気的に接続されているのが好適である。なお、第1のTFT60105のゲート電極は、図70(A)に示すように、複数のゲート電極によって構成されていても良い。こうすることで、第1のTFT60105のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
また、第2のTFT60108のソース電極またはドレイン電極の一方は、第3の配線60111と電気的に接続され、第2のTFT60108のソース電極またはドレイン電極の他方は、画素電極60115と電気的に接続されているのが好適である。こうすることで、画素電極60115に流れる電流を、第2のTFT60108によって制御することができる。
画素電極60115上には、有機導電体膜60117が設けられ、さらに有機薄膜(有機化合物層)60118が設けられていてもよい。有機薄膜(有機化合物層)60118上には、対向電極60112が設けられていてもよい。なお、対向電極60112は、全ての画素で共通に接続されるように、ベタ付けの形で形成されていてもよく、シャドーマスクなどを用いてパターン形成されていてもよい。
有機薄膜(有機化合物層)60118から発せられた光は、画素電極60115もしくは対向電極60112のうちいずれかを透過して発せられる。このとき、図70(B)において、画素電極側、すなわちTFT等が形成されている側に光が発せられる場合を下面射出、対向電極側に光が発せられる場合を上面射出と呼ぶ。
下面射出の場合、画素電極60115は透明導電膜によって形成されるのが好適である。逆に、上面射出の場合、対向電極60112は透明導電膜によって形成されるのが好適である。
また、カラー表示の発光装置においては、R・G・Bそれぞれの発光色を持つEL素子を塗り分けても良いし、単色のEL素子をベタ付けの形で塗り、カラーフィルタによってR・G・Bの発光を得るようにしても良い。
なお、図70に示した構成はあくまで一例であり、画素レイアウト、断面構成、EL素子の電極の積層順等に関して、図70に示した構成以外にも、様々な構成をとることができる。また、発光層は、図示した有機薄膜で構成される素子の他に、LEDのような結晶性の素子、無機薄膜で構成される素子など、様々な素子を用いることができる。
次に、図71(A)を参照して、1つの画素に3つのTFTを有する画素の素子のレイアウト例について説明する。また、図71(A)において、X−X’で示される部分の断面図を図71(B)に示す。
図71(A)に示すように、本発明における画素は、基板60200、第1の配線60201、第2の配線60202、第3の配線60203、第4の配線60204、第1のTFT60205、第2のTFT60206、第3のTFT60207、画素電極60208、隔壁60211、有機導電体膜60212、有機薄膜60213、対向電極60214、を有していてもよい。なお、第1の配線60201はソース信号線として、第2の配線60202は書込用ゲート信号線として、第3の配線60203は消去用ゲート信号線として、第4の配線60204は電流供給線として、第1のTFT60205はスイッチング用TFTとして、第2のTFT60206は消去用TFTとして、第3のTFT60207は駆動用TFTとして、それぞれ用いられるのが好適である。
図71(A)に示すように、第1のTFT60205のゲート電極は、第2の配線60202と電気的に接続され、第1のTFT60205のソース電極またはドレイン電極の一方は、第1の配線60201と電気的に接続され、第1のTFT60205のソース電極またはドレイン電極の他方は、第3のTFT60207のゲート電極と電気的に接続されているのが好適である。なお、第1のTFT60205のゲート電極は、図71(A)に示すように、複数のゲート電極によって構成されていても良い。こうすることで、第1のTFT60205のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
また、第2のTFT60206のゲート電極は、第3の配線60203と電気的に接続され、第2のTFT60206のソース電極またはドレイン電極の一方は、第4の配線60204と電気的に接続され、第2のTFT60206のソース電極またはドレイン電極の他方は、第3のTFT60207のゲート電極と電気的に接続されているのが好適である。なお、第2のTFT60206のゲート電極は、図71(A)に示すように、複数のゲート電極によって構成されていても良い。こうすることで、第2のTFT60206のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
また、第3のTFT60207のソース電極またはドレイン電極の一方は、第4の配線60204と電気的に接続され、第3のTFT60207のソース電極またはドレイン電極の他方は、画素電極60208と電気的に接続されているのが好適である。こうすることで、画素電極60208に流れる電流を、第3のTFT60207によって制御することができる。
画素電極60208上には、有機導電体膜60212が設けられ、さらに有機薄膜(有機化合物層)60213が設けられていてもよい。有機薄膜(有機化合物層)60213上には、対向電極60214が設けられていてもよい。なお、対向電極60214は、全ての画素で共通に接続されるように、ベタ付けの形で形成されていてもよく、シャドーマスクなどを用いてパターン形成されていてもよい。
有機薄膜(有機化合物層)60213から発せられた光は、画素電極60208もしくは対向電極60214のうちいずれかを透過して発せられる。このとき、図71(B)において、画素電極側、すなわちTFT等が形成されている側に光が発せられる場合を下面射出、対向電極側に光が発せられる場合を上面射出と呼ぶ。
下面射出の場合、画素電極60208は透明導電膜によって形成されるのが好適である。逆に、上面射出の場合、対向電極60214は透明導電膜によって形成されるのが好適である。
また、カラー表示の発光装置においては、R・G・Bそれぞれの発光色を持つEL素子を塗り分けても良いし、単色のEL素子をベタ付けの形で塗り、カラーフィルタによってR・G・Bの発光を得るようにしても良い。
なお、図71に示した構成はあくまで一例であり、画素レイアウト、断面構成、EL素子の電極の積層順等に関して、図71に示した構成以外にも、様々な構成をとることができる。また、発光層は、図示した有機薄膜で構成される素子の他に、LEDのような結晶性の素子、無機薄膜で構成される素子など、様々な素子を用いることができる。
次に、図72(A)を参照して、1つの画素に4つのTFTを有する画素の素子のレイアウト例について説明する。また、図72(A)において、X−X’で示される部分の断面図を図72(B)に示す。
図72(A)に示すように、本発明における画素は、基板60300、第1の配線60301、第2の配線60302、第3の配線60303、第4の配線60304、第1のTFT60305、第2のTFT60306、第3のTFT60307、第4のTFT60308、画素電極60309、第5の配線60311、第6の配線60312、隔壁60321、有機導電体膜60322、有機薄膜60323、対向電極60324、を有していてもよい。なお、第1の配線60301はソース信号線として、第2の配線60302は書込用ゲート信号線として、第3の配線60303は消去用ゲート信号線として、第4の配線60304は逆方向バイアス用信号線として、第1のTFT60305はスイッチング用TFTとして、第2のTFT60306は消去用TFTとして、第3のTFT60307は駆動用TFTとして、第4のTFT60308は逆方向バイアス用TFTとして、第5の配線60311は電流供給線として、第6の配線60312は逆方向バイアス用電源線として、それぞれ用いられるのが好適である。
図72(A)に示すように、第1のTFT60305のゲート電極は、第2の配線60302と電気的に接続され、第1のTFT60305のソース電極またはドレイン電極の一方は、第1の配線60301と電気的に接続され、第1のTFT60305のソース電極またはドレイン電極の他方は、第3のTFT60307のゲート電極と電気的に接続されているのが好適である。なお、第1のTFT60305のゲート電極は、図72(A)に示すように、複数のゲート電極によって構成されていても良い。こうすることで、第1のTFT60305のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
また、第2のTFT60306のゲート電極は、第3の配線60303と電気的に接続され、第2のTFT60306のソース電極またはドレイン電極の一方は、第5の配線60311と電気的に接続され、第2のTFT60306のソース電極またはドレイン電極の他方は、第3のTFT60307のゲート電極と電気的に接続されているのが好適である。なお、第2のTFT60306のゲート電極は、図72(A)に示すように、複数のゲート電極によって構成されていても良い。こうすることで、第2のTFT60306のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
また、第3のTFT60307のソース電極またはドレイン電極の一方は、第5の配線60311と電気的に接続され、第3のTFT60307のソース電極またはドレイン電極の他方は、画素電極60309と電気的に接続されているのが好適である。こうすることで、画素電極60309に流れる電流を、第3のTFT60307によって制御することができる。
また、第4のTFT60308のゲート電極は、第4の配線60304と電気的に接続され、第4のTFT60308のソース電極またはドレイン電極の一方は、第6の配線60312と電気的に接続され、第4のTFT60308のソース電極またはドレイン電極の他方は、画素電極60309と電気的に接続されているのが好適である。こうすることで、画素電極60309の電位を、第4のTFT60308によって制御することができるので、有機導電体膜60322および有機薄膜60323に、逆方向のバイアスを印加することができる。有機導電体膜60322および有機薄膜60323などで構成される発光素子に逆方向のバイアスを印加することによって、発光素子の信頼性を大きく向上させることができる。
たとえば、直流電圧(3.65V)で駆動した場合の輝度半減時間が400時間程度である発光素子を、交流電圧(順方向バイアス:3.7V、逆方向バイアス:1.7V、デューティ50%、交流周波数60Hz)で駆動すると、輝度半減時間は700時間以上となることがわかっている。
次に、画素電極60309上には、有機導電体膜60322が設けられ、さらに有機薄膜(有機化合物層)60323が設けられていてもよい。有機薄膜(有機化合物層)60323上には、対向電極60324が設けられていてもよい。なお、対向電極60324は、全ての画素で共通に接続されるように、ベタ付けの形で形成されていてもよく、シャドーマスクなどを用いてパターン形成されていてもよい。
有機薄膜(有機化合物層)60323から発せられた光は、画素電極60309もしくは対向電極60324のうちいずれかを透過して発せられる。このとき、図72(B)において、画素電極側、すなわちTFT等が形成されている側に光が発せられる場合を下面射出、対向電極側に光が発せられる場合を上面射出と呼ぶ。
下面射出の場合、画素電極60309は透明導電膜によって形成されるのが好適である。逆に、上面射出の場合、対向電極60324は透明導電膜によって形成されるのが好適である。
また、カラー表示の発光装置においては、R・G・Bそれぞれの発光色を持つEL素子を塗り分けても良いし、単色のEL素子をベタ付けの形で塗り、カラーフィルタによってR・G・Bの発光を得るようにしても良い。
なお、図72に示した構成はあくまで一例であり、画素レイアウト、断面構成、EL素子の電極の積層順等に関して、図72に示した構成以外にも、様々な構成をとることができる。また、発光層は、図示した有機薄膜で構成される素子の他に、LEDのような結晶性の素子、無機薄膜で構成される素子など、様々な素子を用いることができる。
次に、本発明に適用できるEL素子の構造について説明する。
本発明に適用できるEL素子は、正孔注入材料からなる正孔注入層、正孔輸送材料からなる正孔輸送層、発光材料からなる発光層、電子輸送材料からなる電子輸送層、電子注入材料からなる電子注入層等が、明確に区別されるような積層構造ではなく、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料、電子注入材料等の材料のうち、複数の材料が混合された層(混合層)を有する構成(以下、混合接合型のEL素子と表記する)でもよい。
混合接合型のEL素子の構造を示す模式図を、図73に示す。図73において、60401はEL素子の陽極である。60402はEL素子の陰極である。陽極60401と陰極60402の間に挟まれた層が、EL層に相当する。
図73(A)において、EL層は、正孔輸送材料からなる正孔輸送領域60403と、電子輸送材料からなる電子輸送領域60404とを含み、前記正孔輸送領域60403は前記電子輸送領域60404よりも陽極側に位置し、且つ、前記正孔輸送領域60403と、前記電子輸送領域60404の間に、前記正孔輸送材料及び前記電子輸送材料の両方を含む混合領域60405が設けられた構成とすることができる。
なお、このとき、陽極60401から陰極60402の方向に、前記混合領域60405内の前記正孔輸送材料の濃度は減少し、前記混合領域60405内の電子輸送材料の濃度は増加することを特徴としても良い。
なお、上記構成において、正孔輸送材料のみからなる正孔輸送領域60403が存在せず、正孔輸送材料及び電子輸送材料の両方を含む混合領域60405内部で各機能材料の濃度の割合が変化する(濃度勾配を有する)構成であってもよい。また、正孔輸送材料のみからなる正孔輸送領域60403及び電子輸送材料のみからなる電子輸送領域60404が存在せず、正孔輸送材料及び電子輸送材料の両方を含む混合領域60405内部で各機能材料の濃度の割合が変化する(濃度勾配を有する)構成であってもよい。また、前記濃度の割合は、陽極や陰極からの距離に依存して変化する構成であってもよい。更に、前記濃度の割合の変化は連続的であってもよい。濃度勾配の設定の仕方は、自由に設定することが可能である。
前記混合領域60405内に、発光材料が添加された領域60406を有する。発光材料によって、EL素子の発光色を制御することができる。また、発光材料によって、キャリアをトラップすることができる。発光材料としては、キノリン骨格を含む金属錯体、ベンゾオキサドール骨格を含む金属錯体、ベンゾチアゾ−ル骨格を含む金属錯体等の他、各種蛍光色素を用いることができる。これらの発光材料を添加することによって、EL素子の発光色を制御することができる。
陽極60401としては、効率よく正孔を注入するため、仕事関数の大きな電極材料を用いることが好ましい。例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)や、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、ZnO、SnO2、In2O3等の透明電極を用いることができる。また、透光性を有する必要が無いならば、陽極60401は、不透明の金属材料でもよい。
また、正孔輸送材料としては、芳香族アミン系の化合物等を用いることができる。
また、電子輸送材料としては、キノリン誘導体、8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体(特に、トリス(8−キノリノライト)アルミニウム(Alq3))等を用いることができる。
陰極60402としては、効率よく電子を注入するため、仕事関数の小さな電極材料を用いることが好ましい。アルミニウム、インジウム、マグネシウム、銀、カルシウム、バリウム、リチウム等の金属を単体で用いることができる。また、これらの金属の合金であっても良いし、これらの金属と他の金属との合金であっても良い。
図73(A)とは異なる構成のEL素子の模式図を図73(B)に示す。なお、図73(A)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
図73(B)では、発光材料が添加された領域を有さない。しかし、電子輸送領域60404に添加する材料として、電子輸送性及び発光性の両方を有する材料(電子輸送発光材料)、例えば、トリス(8−キノリノライト)アルミニウム(Alq3)を用いる構成とし、発光を行うことができる。
または、正孔輸送領域60403に添加する材料として、正孔輸送性及び発光性の両方を有する材料(正孔輸送発光材料)を用いてもよい。
図73(A)及び図73(B)とは異なる構成のEL素子の模式図を図73(C)に示す。なお、図73(A)及び図73(B)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
図73(C)において、正孔輸送材料に比べて最高被占分子軌道と最低被占分子軌道とのエネルギー差が大きい正孔ブロッキング性材料が、混合領域60405内に添加された領域60407を有する。正孔ブロッキング性材料が添加された領域60407を、混合領域60405内の発光材料が添加された領域60406より陰極60402側に配置することによって、キャリアの再結合率を上げ、発光効率を上げることができる。上記、正孔ブロッキング性材料が添加された領域60407を設ける構成は、特に、三重光励起子のよる発光(燐光)を利用するEL素子において有効である。
図73(A)、図73(B)及び図73(C)とは異なる構成のEL素子の模式図を図73(D)に示す。なお、図73(A)、図73(B)及び図73(C)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
図73(D)において、電子輸送材料に比べて最高被占分子軌道と最低被占分子軌道とのエネルギー差が大きい電子ブロッキング性材料が、混合領域60405内に添加された領域60408を有する。電子ブロッキング性材料が添加された領域60408を、混合領域60405内の発光材料が添加された領域60406より陽極60401側に配置することによって、キャリアの再結合率を上げ、発光効率を上げることができる。上記、電子ブロッキング性材料が添加された領域60408を設ける構成は、特に、三重光励起子のよる発光(燐光)を利用するEL素子において有効である。
図73(E)は、図73(A)、図73(B)、図73(C)および図73(D)とは異なる混合接合型のEL素子の構成を示す模式図である。図73(E)では、EL素子の電極に接するEL層の部分に、金属材料を添加した領域60409を有する構成の例を示す。図73(E)において、図73(A)〜図73(D)と同じ部分は同じ符号を用いて示し説明は省略する。図73(E)に示す構成は、たとえば、陰極60401としてMgAg(Mg―Ag合金)を用い、電子輸送材料が添加された領域60404の、陰極60402に接する領域にAl(アルミニウム)合金を添加した領域60409を有する構成であってもよい。上記構成によって、陰極の酸化を防止し、且つ、陰極からの電子の注入効率を高めることができる。こうして、混合接合型のEL素子では、その寿命を長くすることができる。また、駆動電圧も低くすることができる。
上記混合接合型のEL素子を作製する手法としては、共蒸着法等を用いることができる。
図73(A)〜図73(E)に示したような混合接合型のEL素子では、明確な層の界面が存在せず、電荷の蓄積を低減することができる。こうして、その寿命を長くすることができる。また、駆動電圧も低くすることができる。
なお、図73(A)〜図73(E)に示した構成は、自由に組み合わせて実施することが可能である。
なお、混合接合型のEL素子の構成は、これに限定されない。公知の構成を自由に用いることができる。
なお、EL素子のEL層を構成する有機材料としては、低分子材料でも高分子材料でもよい。また、これらの材料を両方用いてもよい。有機化合物材料として低分子材料を用いる場合は、蒸着法によって成膜することができる。一方、EL層として高分子材料を用いる場合では、高分子材料を溶媒に溶かし、スピン塗布法やインクジェット方式で成膜することができる。
また、EL層は、中分子材料によって構成されていても良い。本明細書中において、中分子系有機発光材料とは、昇華性を有さず、かつ、重合度が20程度以下の有機発光材料を示すものとする。EL層として中分子材料を用いる場合では、インクジェット方式等で成膜することができる。
なお、低分子材料と、高分子材料と、中分子材料とを組み合わせて用いても良い。
また、EL素子は、一重項励起子からの発光(蛍光)を利用するものでも、三重項励起子からの発光(燐光)を利用するものでも、どちらでも良い。
次に、本発明が適用できる表示装置を製造するための蒸着装置について、図面を参照して説明する。
本発明が適用できる表示装置は、EL層を形成して製造されてもよい。EL層は、エレクトロルミネセンスを発現する材料を少なくとも一部に含んで形成される。EL層は機能の異なる複数の層で構成されても良い。その場合、EL層は、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層などとも呼ばれる機能の異なる層が組み合わさって構成されていてもよい。
トランジスタが形成された素子基板に、EL層を形成するための蒸着装置の構成を図74に示す。この蒸着装置は、搬送室60560、60561に複数の処理室を連結している。処理室には、基板を供給するロード室60562、基板を回収するアンロード室60563、その他、加熱処理室60568、プラズマ処理室60572、EL材料を蒸着する成膜処理室60569〜60575、EL素子の一方の電極として、アルミニウム若しくはアルミニウムを主成分とする導電膜を形成する成膜処理室60576を含んでいる。また、搬送室と各処理室の間にはゲートバルブ60577a〜60577mが設けられていて、各処理室の圧力は独立して制御可能とされており、処理室間の相互汚染を防いでいる。
ロード室60562から搬送室60560に導入された基板は、回転自在に設けられたアーム方式の搬送手段60566により、所定の処理室へ搬入される。また、基板は搬送手段60566により、ある処理室から他の処理室へ搬送される。搬送室60560と搬送室60561とは成膜処理室60570で連結され、ここで搬送手段60566と搬送手段60567により基板の受け渡しが行う。
搬送室60560及び搬送室60561に連結する各処理室は減圧状態に保持されている。従って、この蒸着装置では、基板は大気に触れることなく連続してEL層の成膜処理が行われる。EL層の成膜処理が終わった表示パネルは、水蒸気などにより劣化する場合があるので、この蒸着装置では、品質を保持するために大気に触れさせる前に封止処理を行うための封止処理室60565が搬送室60561に連結されている。封止処理室60565は大気圧若しくはそれに近い減圧下におかれているので、搬送室60561と封止処理室60565の間にも中間処理室60564が備えられている。中間処理室60564は基板の受け渡しと、室間の圧力を緩衝するために設けられている。
ロード室、アンロード室、搬送室及び成膜処理室には室内を減圧に保持するための排気手段が備えられている。排気手段としては、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプなど各種の真空ポンプを用いることができる。
図74の蒸着装置において、搬送室60560及び搬送室60561に連結される処理室の数やその構成は、EL素子の積層構造に応じて適宜組み合わせることができる。以下に、その組み合わせの一例を示す。
加熱処理室60568は、最初に下部電極や絶縁隔壁等が形成された基板を加熱して脱ガス処理を行う。プラズマ処理室60572は、下地電極表面を希ガスや酸素プラズマ処理を行う。このプラズマ処理は、表面を清浄化、表面状態の安定化、表面の物理的若しくは化学的状態(例えば、仕事関数など)を安定化させるために行う。
成膜処理室60569は、EL素子の一方の電極と接触する電極バッファ層を形成する処理室である。電極バッファ層はキャリア注入性(正孔注入若しくは電子注入)があり、EL素子の短絡や暗点欠陥の発生を抑制する層である。代表的には、電極バッファ層は、有機無機混合材料であって、抵抗率が5×104〜1×106Ωcmであり、30〜300nmの厚さに形成される。また、成膜室60571は正孔輸送層を成膜する処理室である。
EL素子における発光層は、単色発光をする場合と白色発光をする場合とで、その構成が異なる。蒸着装置において成膜処理室もそれに応じて配置することが好ましい。例えば、表示パネルに発光色が異なる三種類のEL素子を形成する場合には、各発光色に対応した発光層を成膜する必要がある。この場合、成膜処理室60570を第1の発光層の成膜用として、成膜処理室60573を第2の発光層の成膜用として、成膜処理室60574を第3の発光層の成膜用として用いることができる。発光層ごとに成膜処理室を分けることで、異なる発光材料による相互汚染を防止することが出来、成膜処理のスループットを向上させることが出来る。
また、成膜処理室60570、成膜処理室60573、成膜処理室60574のそれそれで、発光色が異なる三種類のEL材料を順次蒸着しても良い。この場合、シャドーマスクを使い、蒸着する領域に応じて当該マスクをずらして蒸着を行うことになる。
白色発光するEL素子を形成する場合には、異なる発光色の発光層を縦積みにして形成する。その場合にも、素子基板が成膜処理室を順次移動して、発光層ごとに成膜することができる。また、同じ成膜処理室で異なる発光層を連続して成膜することもできる。
成膜処理室60576では、EL層の上に電極を成膜する。電極の形成は、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法を適用することもできるが、好ましくは抵抗加熱蒸着法を用いることが好ましい。
電極の形成まで終了した素子基板は、中間処理室60564を経て封止処理室60565に搬入される。封止処理室60565は、ヘリウム、アルゴン、ネオン、若しくは窒素などの不活性な気体が充填されており、その雰囲気下で素子基板のEL層が形成された側に封止板を貼り付けて封止する。封止された状態において、素子基板と封止板との間には、不活性気体が充填されていても良いし、樹脂材料を充填しておいても良い。封止処理室60565には、シール材を描画するディスペンサーや、素子基板に対向して封止板を固定する固定ステージやアームなどの機械的要素、樹脂材料を充填するディスペンサー若しくはスピンコーターなどが備えられている。
図75は、成膜処理室の内部構成を示す。成膜処理室は減圧下に保たれていて、図75では天板60691と底板60692で挟まれる内側が室内であり、減圧状態に保たれる室内を示している。
処理室内には、一つ又は複数個の蒸発源が備えられている。組成の異なる複数の層を成膜する場合や、異なる材料を共蒸着する場合は、複数個の蒸発源を設けることが好ましいからである。図75では、蒸発源60681a、60681b、60681cが蒸発源ホルダ60680に装着されている。蒸発源ホルダ60680は多関節アーム60683によって保持されている。多関節アーム60683は関節の伸縮によって、蒸発源ホルダ60680の位置をその可動範囲内で自在に移動可能としている。また、蒸発源ホルダ60680に距離センサー60682を設け、蒸発源60681a〜60681cと基板60689との間隔をモニターして、蒸着時における最適な間隔を制御しても良い。その場合には、多関節アームに上下方向(Z方向)にも変位する多関節アームとしても良い。
基板ステージ60686と基板チャック60687は一対となって基板60689を固定する。基板ステージ60686はヒータを内蔵させて基板60689を加熱できるように構成しても良い。基板60689は、基板チャック60687の禁緩により、基板ステージ60686に固定されまた搬出入される。蒸着に際しては、必要に応じて蒸着するパターンに対応して開口部を備えたシャドーマスク60690を用いることもできる。その場合、シャドーマスク60690は、基板60689と蒸発源60681a〜60681cの間に配置されるようにする。シャドーマスク60690はマスクチャック60688により、基板60689と密着若しくは一定の間隔を持って固定される。シャドーマスク60690のアライメントが必要な場合には、処理室内にカメラを配置し、マスクチャック60688にX−Y−θ方向に微動する位置決め手段を備えることで、その位置合わせを行う。
蒸発源60681には、蒸着材料を蒸発源に連続して供給する蒸着材料供給手段が付加されている。蒸着材料供給手段は、蒸発源60681と離れた位置に配置される蒸着材料供給源60685a、60685b、60685cと、その両者の間を繋ぐ材料供給管60684を有している。典型的には、材料供給源60685a、60685b、60685cは蒸発源60681に対応して設けられている。図75の場合は、材料供給源60685aと606蒸発源81aが対応している。材料供給源60685bと蒸発源60681b、材料供給源60685cと蒸発源60681cについても同様である。
蒸着材料の供給方式には、気流搬送方式、エアロゾル方式などが適用できる。気流搬送方式は、蒸着材料の微粉末を気流に乗せて搬送するもので、不活性ガスなどを用いて蒸発源60681に搬送する。エアロゾル方式は、蒸着材料を溶剤中に溶解または分散させた原料液を搬送し、噴霧器によりエアロゾル化し、エアロゾル中の溶媒を気化させながら行う蒸着である。いずれの場合にも、蒸発源60681には加熱手段が設けられ、搬送された蒸着材料を蒸発させて基板60689に成膜する。図75の場合、材料供給管60684は柔軟に曲げることができ、減圧状態下においても変形しない程度の剛性を持った細管で構成されている。
気流搬送方式やエアロゾル方式を適用する場合には、成膜処理室内を大気圧若しくはそれ以下であって、好ましくは133Pa〜13300Paの減圧下で成膜を行えば良い。成膜処理室内にはヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、若しくは窒素などの不活性気体を充填し、または当該気体を供給しながら(同時に排気しながら)、圧力の調節を行うことができる。また、酸化膜を形成する成膜処理室では、酸素、亜酸化窒素などの気体を導入して酸化雰囲気としておいても良い。また、有機材料を蒸着する成膜処理室内には水素などの気体を導入して還元雰囲気にしておいても良い。
その他の蒸着材料の供給方法として、材料供給管60684の中にスクリューを設け蒸着材料を蒸発源に向けて連続的に押し出す構成としても良い。
この蒸着装置によれば、大画面の表示パネルであっても、均一性良く、連続して成膜することができる。また、蒸発源に蒸着材料が無くなる度に、その都度蒸着材料を補給する必要がないので、スループットを向上することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態10)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置の画素回路及び駆動方法について説明する。
まず、本発明に適応可能なデジタル時間階調駆動について説明する。まず、画素への信号書き込み期間(アドレス期間)と発光期間(サステイン期間)とが分離されている場合の駆動方法について、図76(A)を参照して説明する。ここでは、一例として4ビットのデジタル時間階調の場合について説明する。
なお、1表示領域分の画像を完全に表示するための期間を1フレーム期間という。1フレーム期間は複数のサブフレーム期間を有し、1サブフレーム期間はアドレス期間とサステイン期間とを有する。アドレス期間Ta1〜Ta4は、全行分の画素への信号書き込みにかかかる時間を示し、期間Tb1〜Tb4は一行分の画素(又は一画素分)への信号書き込みにかかる時間を示している。また、サスティン期間Ts1〜Ts4は、画素へ書き込まれたビデオ信号にしたがって点灯又は非点灯状態を維持する時間を示し、その長さの比をTs1:Ts2:Ts3:Ts4=23:22:21:20=8:4:2:1としている。どのサスティン期間で発光するかによって階調を表現している。
動作について説明する。まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素選択信号が入力され、画素が選択される。そして、画素が選択されているときに、信号線から画素へビデオ信号が入力される。そして、画素にビデオ信号が書き込まれると、画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサスティン期間Ts1における各画素の点灯、非点灯が制御される。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4において画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサスティン期間Ts2、Ts3、Ts4における各画素の点灯、非点灯が制御される。そして、それぞれのサブフレーム期間において、アドレス期間中は点灯せず、アドレス期間が終了した後、サスティン期間が始まり、点灯させるための信号が書き込まれている画素が点灯する。
ここで、図76(B)を参照して、i行目の画素行に着目して説明する。まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素選択信号が入力され、アドレス期間Ta1のうち期間Tb1(i)においてi行目の画素が選択される。そして、i行目の画素が選択されているときに、信号線からi行目の画素へビデオ信号が入力される。そして、i行目の画素にビデオ信号が書き込まれると、i行目の画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサステイン期間Ts1におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4においてi行目の画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサスティン期間Ts2、Ts3、Ts4におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。そして、それぞれのサブフレーム期間において、アドレス期間中は点灯せず、アドレス期間が終了した後、サスティン期間が始まり、点灯させるための信号が書き込まれている画素が点灯する。
なお、ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれに限定されない。また、点灯の順番はTs1、Ts2、Ts3、Ts4である必要はなく、ランダムでもよいし、複数に分割して発光をさせてもよい。また、Ts1、Ts2、Ts3、Ts4の点灯時間は、2のべき乗にする必要はなく、同じ長さの点灯時間にしてもよいし、2のべき乗からすこしだけずらしてもよい。
続いて、画素への信号書き込み期間(アドレス期間)と発光期間(サスティン期間)とが分離されていない場合の駆動方法について説明する。つまり、ビデオ信号の書き込み動作が完了した行の画素は、次に画素へ信号の書き込み(又は消去)が行われるまで、信号を保持する。書き込み動作から次にこの画素へ信号の書き込みが行われるまでの期間をデータ保持時間という。そして、このデータ保持時間中は画素に書き込まれたビデオ信号に従って、画素が点灯又は非点灯となる。同じ動作が、最終行まで行われ、アドレス期間が終了する。そして、データ保持時間が終了した行から順に次のサブフレーム期間の信号書き込み動作へ移る。
このように、信号書き込み動作が完了しデータ保持時間となると、直ちに画素へ書き込まれたビデオ信号に従って画素が点灯又は非点灯となる駆動方法の場合には、データ保持時間をアドレス期間より短くしようとしても、同時に2行に信号を入力できないため、アドレス期間を重ならないようにしなければならないので、データ保持時間を短くすることができない。よって、その結果、高階調表示を行うことが困難になる。
よって、消去期間を設けることによって、アドレス期間より短いデータ保持時間を設定する。消去期間を設けアドレス期間より短いデータ保持時間を設定する場合の駆動方法について図77(A)を用いて説明する。
まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素走査信号が入力され、画素が選択される。そして、画素が選択されているときに、信号線から画素へビデオ信号が入力される。そして、画素にビデオ信号が書き込まれると、画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサスティン期間Ts1における各画素の点灯、非点灯が制御される。ビデオ信号の書き込み動作が完了した行においては、直ちに書き込まれたビデオ信号にしたがって、画素が点灯又は非点灯の状態となる。同じ動作が、最終行まで行われ、アドレス期間Ta1が終了する。そして、データ保持時間が終了した行から順に次のサブフレーム期間の信号書き込み動作へ移る。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4において画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサスティン期間Ts2、Ts3、Ts4における各画素の点灯、非点灯が制御される。そして、サスティン期間TS4はその終期を消去動作の開始によって設定される。なぜなら、各行の消去時間Teに画素に書き込まれた信号の消去が行われると、次の画素への信号の書き込みが行われるまでは、アドレス期間に画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、強制的に非点灯となるからである。つまり、消去時間Teが始まった行の画素からデータ保持時間が終了する。
ここで、図77(B)を参照して、i行目の画素行に着目して説明する。i行目の画素行において、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素走査信号が入力され、画素が選択される。そして、期間Tb1(i)においてi行目の画素が選択されているときに、i行目の画素にビデオ信号が入力される。そして、i行目の画素にビデオ信号が書き込まれると、i行目の画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によって、サスティン期間Ts1(i)におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。つまり、i行目にビデオ信号の書き込み動作が完了したら、直ちに書き込まれたビデオ信号にしたがって、i行目の画素が点灯又は非点灯の状態となる。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4においてi行目の画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサスティン期間Ts2、Ts3、Ts4におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。そして、サスティン期間Ts4(i)はその終期を消去動作の開始によって設定さえる。なぜなら、i行目の消去時間Ts(i)にi行目の画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、強制的に非点灯となるからである。つまり、消去時間Te(i)が始まるとi行目の画素のデータ保持時間が終了する。
よって、アドレス期間とサスティン期間とを分離せずに、アドレス期間より短い高階調且つデューティー比(1フレーム期間中の点灯期間の割合)の高い表示装置を提供することができる。また、瞬間輝度を低くすることが可能であるため表示素子の信頼性の向上を図ることが可能である。
なお、ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれに限定されない。また、点灯の順番はTs1、Ts2、Ts3、Ts4である必要はなく、ランダムでもよいし、複数に分割して発光をしてもよい。また、Ts1、Ts2、Ts3、Ts4の点灯時間は、2のべき乗にする必要はなく、同じ長さの点灯時間にしてもよいし、2のべき乗からすこしだけずらしてもよい。
ここで、図76(A)及び図77(A)で説明したデジタル時間階調駆動を可能な画素構成について図78(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を参照して説明する。なお、図78(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)に示す表示素子としては、EL素子(有機EL素子、無機EL素子又は有機物及び無機物を含むEL素子)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、カーボンナノチューブ、など、電気磁気的作用によりコントラストが変化する表示媒体を適応することができる。また、図78(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)に示す画素は、表示素子としてEL素子などのような自発光型の素子が適している。なお、図78(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)は1画素のみを図示しているが、表示装置の画素部には行方向と列方向にマトリクス状に複数の画素が配置されている。
図78(A)に示す画素は、スイッチング用トランジスタ80301a、駆動用トランジスタ80302a、容量素子80304aを有している。スイッチング用トランジスタ80301aは、ゲート端子が走査線80312aに接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線80311aに接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動用トランジスタ80302aのゲート端子と接続されている。また、スイッチング用トランジスタ80301aの第2端子は容量素子80304aを介して電源線80313aに接続されている。さらに、駆動用トランジスタ80302aは第1端子が電源線80313aに接続され、第2端子が表示素子80320aの第1の電極に接続されている。表示素子80320aの第2の電極80321aには低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80313aに設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を表示素子80320aに印加して、表示素子80320aに電流を流して表示素子80320aを発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が表示素子80320aの順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、容量素子80304aは駆動用トランジスタ80302aのゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80302aのゲート容量については、ソース領域やドレイン領域やLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
走査線80312aで画素が選択されているとき、つまりスイッチング用トランジスタ80301aがオンになっているときに信号線80311aから画素にビデオ信号が入力される。そして、ビデオ信号に相当する電圧分の電荷が容量素子80304aに蓄積され、容量素子80304aはその電圧を保持する。この電圧は駆動用トランジスタ80302aのゲート端子と第1端子間の電圧であり、駆動用トランジスタ80302aのゲートソース間電圧Vgsに相当する。
一般に、トランジスタの動作領域は、線形領域と飽和領域とに分けることが出来る。その境目は、ドレインソース間電圧をVds、ゲートソース間電圧をVgs、しきい値電圧をVthとすると、(Vgs−Vth)=Vdsの時になる。(Vgs−Vth)>Vdsの場合は、線形領域であり、Vds、Vgsの大きさによって電流値が決まる。一方、(Vgs−Vth)<Vdsの場合は飽和領域になり、理想的には、Vdsが変化しても、電流値はほとんど変わらない。つまり、Vgsの大きさだけによって電流値が決まる。
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、駆動用トランジスタ80302aのゲート端子には、駆動用トランジスタ80302aが十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、駆動用トランジスタ80302aは線形領域で動作させる。
よって、駆動用トランジスタ80302aがオンするビデオ信号であるときには、理想的には電源線80313aに設定されている電源電位Vddをそのまま表示素子80320aの第1の電極に設定する。
つまり、理想的には表示素子80320aに印加する電圧を一定にし、表示素子80320aから得られる輝度を一定にする。そして、1フレーム期間内に複数のサブフレーム期間を設け、サブフレーム期間毎に画素へのビデオ信号の書き込みを行い、サブフレーム期間毎に画素の点灯又は非点灯を制御し、その点灯しているサブフレーム期間の合計によって、階調を表現する。
次に、図78(B)の画素構成について説明する。図78(B)に示す画素は、スイッチングトランジスタ80301a、駆動用トランジスタ80302a、整流素子80306a、容量素子80304a、表示素子80320bを有している。スイッチング用トランジスタ80301bは、ゲート端子が第1の走査線80312bに接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線80311bに接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動用トランジスタ80302bのゲート端子と接続されている。さらに、駆動用トランジスタ80302のゲート端子は整流素子80306aを介して第2の走査線80313bに接続されている。また、スイッチング用トランジスタ80301bの第2端子は容量素子80304bを介して電源線80313bに接続されている。さらに、駆動用トランジスタ80302bは第1端子が電源線80313bに接続され、第2端子が表示素子80320bの第1の電極に接続されている。表示素子80320bの第2の電極80321bには低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80313bに設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を表示素子80320bに印加して、表示素子80320bに電流を流して表示素子80320bを発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が表示素子80320bの順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、容量素子80304bは駆動用トランジスタ80302bのゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80302bのゲート容量については、ソース領域やドレイン領域やLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
本画素構成は、図78(A)の画素に、整流素子80306aと第2の走査線80313bを追加したものである。よって、スイッチング用トランジスタ80301b、駆動用トランジスタ80302b、容量素子80304b、信号線80311b、第1の走査線80312b、電源線80313bは、それぞれスイッチング用トランジスタ80301a、駆動用トランジスタ80302a、容量素子80304a、信号線80311a、走査線80312a、電源線80313aに相当し、書き込みの動作や発光の動作は同様であるためここではその説明を省略する。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線80313bにHレベルの信号を入力する。すると、整流素子80306aに電流が流れ、容量素子80304bによって保持されていた駆動用トランジスタ80302bのゲート電位をある電位に設定することができる。つまり、駆動用トランジスタ80302bのゲート端子の電位を、ある電位に設定し、画素へ書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動用トランジスタ80302bを強制的にオフさせることができる。
なお、第2の走査線80313bに入力するLレベルの信号は、画素に非点灯となるビデオ信号が書き込まれているときに整流素子80306aに電流が流れないような電位とする。また、第2の走査線80313bに入力するHレベルの信号は、画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動用トランジスタ80302bがオフするような電位をゲート端子に設定することができるような電位とする。
なお、整流素子80306aには、ダイオード接続したトランジスタを用いることが可能である。さらに、ダイオード接続したトランジスタの他にも、PN接合やPIN接合のダイオードやショットキー型のダイオードやカーボンナノチューブで形成されたダイオードなどを用いてもよい。ダイオード接続したNチャネル型トランジスタを適用した場合を図78(C)に示す。ダイオード接続トランジスタ80303cの第1端子(ソース端子又はドレイン端子)を駆動用トランジスタ80302cのゲート端子と接続する。また、ダイオード接続トランジスタ80303cの第2端子(ソース端子又はドレイン端子)をゲート端子と接続するとともに、第2の走査線80313cに接続する。すると、第2の走査線80313cがLレベルのときにはダイオード接続トランジスタ80303cはゲート端子とソース端子が接続されているため電流が流れないが、第2の走査線80313cにHレベルの信号を入力したときにダイオード接続トランジスタ80303cの第2端子はドレイン端子となるためダイオード接続トランジスタ80303cに電流が流れる。よって、ダイオード接続トランジスタ80303cは整流作用を奏する。
なお、スイッチング用トランジスタ80301c、駆動用トランジスタ80302c、容量素子80304c、信号線80311c、第1の走査線80312c、電源線80313cは、それぞれ図78(A)のスイッチング用トランジスタ80301a、駆動用トランジスタ80302a、容量素子80304a、信号線80311a、走査線80312a、電源線80313aに相当する。また、第2の走査線80312cは、図78(B)の第2の走査線80312dに相当する。
また、ダイオード接続したPチャネル型トランジスタを適用した場合は図78(D)に示す。ダイオード接続トランジスタ80303dの第1端子(ソース端子又はドレイン端子)を第2の走査線80313dに接続する。また、ダイオード接続トランジスタ80303dの第2端子(ソース端子又はドレイン端子)をゲート端子と接続するとともに、駆動用トランジスタ80302dのゲート端子と接続する。すると、第2の走査線80313dがLレベルのときにはダイオード接続トランジスタ80303dはゲート端子とソース端子が接続されているため電流が流れないが、第2の走査線80313dにHレベルの信号を入力したときにダイオード接続トランジスタ80303dの第2端子はドレイン端子となるためダイオード接続トランジスタ80303dに電流が流れる。よって、ダイオード接続トランジスタ80303dは整流作用を奏する。
なお、スイッチング用トランジスタ80301d、駆動用トランジスタ80302d、容量素子80304d、信号線80311d、第1の走査線80312d、電源線80313dは、それぞれ図78(A)のスイッチング用トランジスタ80301a、駆動用トランジスタ80302a、容量素子80304a、信号線80311a、走査線80312a、電源線80313aに相当する。また、第2の走査線80312dは、図78(B)の第2の走査線80312dに相当する。
また、画素へ書き込まれた信号を消去させるために消去用トランジスタを設けてもよい。図78(E)に示す画素は、図78(A)の画素に消去用トランジスタ80303eと第2の走査線80312eを追加したものである。よって、スイッチング用トランジスタ80301e、駆動用トランジスタ80302e、容量素子80304e、信号線80311e、第1の走査線80312e、電源線80313eは、それぞれ図78(A)のスイッチング用トランジスタ80301a、駆動用トランジスタ80302a、容量素子80304a、信号線80311a、走査線80312a、電源線80313aに相当し、書き込みの動作や発光の動作は同様であるためここではその説明を省略する。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線80312eにHレベルの信号を入力する。すると、消去用トランジスタ80303eがオンし、駆動用トランジスタ80302eのゲート端子と第1端子を同電位にすることができる。つまり、駆動用トランジスタ80302eのゲートソース間電圧を0Vにすることができる。なお、第2の走査線80312eのHレベルの電位は、電源線80313eの電位よりも消去用トランジスタ80303eのしきい値電圧Vth以上高いことが望ましい。こうして、駆動用トランジスタ80302eを強制的にオフさせることができる。
続いて、本発明に適応可能なしきい値電圧補正型の画素回路及び駆動方法の一例について、図79(A)を参照して説明する。
図79(A)に示す画素は、駆動用トランジスタ80400、第1のスイッチ80401、第2のスイッチ80402、第3のスイッチ80403、第1の容量素子80404、第2の容量素子80405及び表示素子80420を有している。駆動用トランジスタ80400は、ゲート端子が第1の容量素子80404と第1のスイッチ80401とを順に介して信号線80411と接続され、第1端子が電源線80412と接続され、第2端子が第3のスイッチ80403を介して表示素子80420の第1の電極に接続されている。さらに、駆動用トランジスタ80400のゲート端子が第2の容量素子80405を介して電源線80412と接続されている。また、駆動用トランジスタ80400のゲート端子が第2のスイッチ80402を介して駆動用トランジスタ80400のの第2端子と接続されている。また、表示素子80420の第2の電極80421には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80412に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を表示素子80420に印加して、表示素子80420に電流を流して表示素子80420を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が表示素子80420の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、第2の容量素子80405は駆動用トランジスタ80400のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80400のゲート容量については、ソース領域やドレイン領域やLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。なお、第1のスイッチ80401、第2のスイッチ80402、第3のスイッチ80403は、それぞれ第1の走査線80413、第2の走査線80414、第3の走査線80414によってオン・オフが制御される。
図79(A)に示す画素の駆動方法は、初期化期間、データ書き込み期間、しきい値取得期間、発光期間に分割することができる。
初期化期間では、第2のスイッチ80402及び第3のスイッチ80403がオンして、駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位が少なくとも電源線80412の電位よりも低くなる。なお、このとき、第1のスイッチ80401は、オンしていてもオフしていてもよい。なお、初期化期間は必ずしも必要ではない。
しきい値取得期間では、第1の走査線80413によって画素が選択される。つまり、第1のスイッチ80401がオンし、信号線80411からある一定電圧が入力される。このとき、第2のスイッチ80402がオンしており、駆動用トランジスタ80400がダイオード接続される。また、第3のスイッチ80403はオフしている。したがって、駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位は、電源線80412の電位から駆動用トランジスタ80400のしきい値電圧を引いた値となる。第1の容量素子80404には駆動用トランジスタ80400のしきい値電圧が保持される。また、第2の容量素子80405には、駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位と信号線80411から入力されている一定電圧との電位差が保持される。
データ書き込み期間では、信号線80411からビデオ信号(電圧)が入力される。このとき、第1のスイッチ80401がオンのままであり、第2のスイッチ80402がオフし、第2のスイッチ80402がオフのままである。また、駆動用トランジスタ80400のゲート端子は浮遊状態となっている。よって、駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位は、しきい値取得期間において信号線80411入力される一定電圧と、データ書き込み期間において信号線80411入力されるビデオ信号と、の電位差に応じて変化する。例えば、第1の容量素子80404の容量値<<第2の容量素子80405の容量値であれば、データ書き込み期間における駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位は、しきい値取得期間において信号線80411入力される一定電圧とデータ書き込み期間において信号線80411入力されるビデオ信号との電位差を、電源線80412の電位から駆動用トランジスタ80400のしきい値電圧を引いた値に足した値とおおむね等しくなる。つまり、駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位は、駆動トランジスタ80400のしきい値電圧を補正した電位となる。
発光期間では、駆動用トランジスタ80400のゲート端子の電位と電源線80412との電位差(Vgs)に応じた電流が表示素子80420に流れる。このとき、第1のスイッチ80401がオフし、第2のスイッチ80402がオフのままであり、第3のスイッチ80403がオンする。なお、表示素子80420に流れる電流は、駆動用トランジスタ80400のしきい値電圧によらず一定である。
なお、図79(A)に示す画素構成は、図79(A)に限定されない。例えば、図79(A)に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。また、例えば、第2のスイッチ80402をPチャネル型トランジスタ又はNチャネル型トランジスタで構成し、第3のスイッチ80403を第2のスイッチ80402とは別の極性のトランジスタで構成し、第2のスイッチ80402及び第3のスイッチ80403を同じ走査線で制御してもよい。
続いて、本発明に適応可能な電流入力型の画素回路及び駆動方法の一例について、図79(B)を参照して説明する。
図79(B)に示す画素は、駆動用トランジスタ80430、第1のスイッチ80431、第2のスイッチ80432、第3のスイッチ80433、容量素子80434及び表示素子80450を有している。駆動用トランジスタ80430は、ゲート端子が第2のスイッチ80432と第1のスイッチ80431とを順に介して信号線80441に接続され、第1端子が電源線80442と接続され、第2端子が第3のスイッチ80433を介して表示素子80450の第1の電極に接続されている。さらに、駆動用トランジスタ80430のゲート端子が容量素子80434を介して電源線80442と接続されている。また、駆動用トランジスタ80430のゲート端子が第2のスイッチ80432を介して駆動用トランジスタ80430の第2端子と接続されている。また、表示素子80450の第2の電極80451には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80442に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を表示素子80450に印加して、表示素子80450に電流を流して表示素子80450を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が表示素子80450の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、容量素子80434は駆動用トランジスタ80430のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80430のゲート容量については、ソース領域やドレイン領域やLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。なお、第1のスイッチ80431、第2のスイッチ80432、第3のスイッチ80433は、それぞれ第1の走査線80443、第2の走査線80444、第3の走査線80454によってオン・オフが制御される。
図79(B)に示す画素の駆動方法は、データ書き込み期間、発光期間に分割することができる。
データ書き込み期間では、第1の走査線80443によって画素が選択される。つまり、第1のスイッチ80431がオンし、信号線80431からビデオ信号として電流が入力される。このとき、第2のスイッチ80432がオンし、第3のスイッチ80433がオフする。したがって、駆動用トランジスタ80430のゲート端子の電位は、ビデオ信号に応じた電位となる。つまり、容量素子80434には、駆動用トランジスタ80430がビデオ信号と同じ電流を流すような駆動用トランジスタ80430のゲート・ソース間電圧が保持される。
次に、発光期間では、第1のスイッチ80431及び第2のスイッチ80432がオフし、第3のスイッチ80433がオンする。したがって、表示素子80450にはビデオ信号と同じ値の電流が流れる。
なお、図79(B)に示す画素構成は、図79(B)に限定されない。例えば、図79(B)に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。また、例えば、第1のスイッチ80431をPチャネル型トランジスタ又はNチャネル型トランジスタで構成し、第2のスイッチ80432を第1のスイッチ80431と同じ極性のトランジスタで構成し、第1のスイッチ80431及び第2のスイッチ80432を同じ走査線で制御してもよい。また、第2のスイッチ80432は駆動用トランジスタ80430のゲート端子と信号線80431との間に配置されていてもよい。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態11)
本実施形態においては、本発明を適用できる半導体装置が薄膜トランジスタ(TFT)を素子として有する場合の半導体装置の作製方法について、図面を参照して説明する。
図80は、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの構造および製造プロセスの例を示す図である。図80(A)は、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの構造の例を示す図である。また、図80(B)乃至(G)は、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの製造プロセスの例を示す図である。
なお、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの構造および製造プロセスは、図80に示すものに限定されず、様々な構造および製造プロセスを用いることができる。
まず、図80(A)を参照し、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの構造の例について説明する。図80(A)は複数の異なる構造を有するTFTの断面図である。ここで、図80(A)においては、複数の異なる構造を有するTFTを並置して示しているが、これは、発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの構造を説明するための表現であり、発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTが、実際に図80(A)のように並置されている必要はなく、必要に応じてつくり分けることができる。
次に、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTを構成する各層の特徴について説明する。
基板110111は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板またはステンレスを含む金属基板等を用いることができる。他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。可撓性を有する基板を用いることによって、折り曲げが可能である半導体装置を作製することが可能となる。また、可撓性を有す基板であれば、基板の面積及び基板の形状に大きな制限はないため、基板110111として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
絶縁膜110112は、下地膜として機能する。基板110111からNaなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属が、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。絶縁膜110112としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜の単層構造若しくはこれらの積層構造で設けることができる。例えば、絶縁膜110112を2層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を設け、2層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設けるとよい。また、絶縁膜110112を3層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設け、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を設け、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設けるとよい。
半導体膜110113、110114、110115は、非晶質(アモルファス)半導体またはセミアモルファス半導体(SAS)で形成することができる。あるいは、多結晶半導体膜を用いても良い。SASは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶領域を観測することができ、珪素を主成分とする場合にはラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折では珪素結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)を終端するために水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。SASは、珪化物気体をグロー放電分解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可能である。あるいは、GeF4を混合させても良い。この珪化物気体をH2、または、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈してもよい。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよい。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm−1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。ここでは、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)で非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜をレーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法などの公知の結晶化法により結晶化させる。
絶縁膜110116は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、若しくはこれらの積層構造で設けることができる。
ゲート電極110117は、単層の導電膜、または二層、三層の導電膜の積層構造とすることができる。ゲート電極110117の材料としては、公知の導電膜を用いることができる。たとえば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)などの元素の単体膜、または、前記元素の窒化膜(代表的には窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、窒化チタン膜)、または、前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、または、前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜)などを用いることができる。なお、上述した単体膜、窒化膜、合金膜、シリサイド膜などは、単層で用いてもよいし、積層して用いてもよい。
絶縁膜110118は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)によって、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜の単層構造、若しくはこれらの積層構造で設けることができる。
絶縁膜110119は、シロキサン樹脂、または、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、または、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料、からなる単層若しくは積層構造で設けることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。なお、本発明における半導体装置において、絶縁膜110118を設けずにゲート電極110117を覆うように直接絶縁膜110119を設けることも可能である。
導電膜110123は、Al、Ni、C、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Au、Mnなどの元素の単体膜、または、前記元素の窒化膜、または、前記元素を組み合わせた合金膜、または、前記元素のシリサイド膜などを用いることができる。例えば、前記元素を複数含む合金として、C及びTiを含有したAl合金、Niを含有したAl合金、C及びNiを含有したAl合金、C及びMnを含有したAl合金等を用いることができる。また、積層構造で設ける場合、AlをMoまたはTiなどで挟み込んだ構造とすることができる。こうすることで、Alの熱や化学反応に対する耐性を向上することができる。
次に、図80(A)に示した、複数の異なる構造を有するTFTの断面図を参照して、各々の構造の特徴について説明する。
110101は、シングルドレインTFTであり、簡便な方法で製造できるため、製造コストが低く、歩留まりを高く製造できる利点がある。ここで、半導体膜110113、110115は、それぞれ不純物の濃度が異なり、半導体膜110113はチャネル領域、半導体膜110115はソースおよびドレイン領域として用いる。このように、不純物の量を制御することで、半導体膜の抵抗率を制御できる。また、半導体膜と導電膜110123との電気的な接続状態を、オーミック接続に近づけることができる。なお、不純物の量の異なる半導体膜を作り分ける方法としては、ゲート電極110117をマスクとして半導体膜に不純物をドーピングする方法を用いることができる。
110102は、ゲート電極110117に一定以上のテーパー角を有するTFTであり、簡便な方法で製造できるため、製造コストが低く、歩留まりを高く製造できる利点がある。ここで、半導体膜110113、110114、110115は、それぞれ不純物濃度が異なり、半導体膜110113はチャネル領域、半導体膜110114は低濃度ドレイン(Lightly Doped Drain:LDD)領域、半導体膜110115はソースおよびドレイン領域として用いる。このように、不純物の量を制御することで、半導体膜の抵抗率を制御できる。また、半導体膜と導電膜110123との電気的な接続状態を、オーミック接続に近づけることができる。また、LDD領域を有するため、TFT内部に高電界がかかりにくく、ホットキャリアによる素子の劣化を抑制することができる。なお、不純物の量の異なる半導体膜を作り分ける方法としては、ゲート電極110117をマスクとして半導体膜に不純物をドーピングする方法を用いることができる。110102においては、ゲート電極110117が一定以上のテーパー角を有しているため、ゲート電極110117を通過して半導体膜にドーピングされる不純物の濃度に勾配を持たせることができ、簡便にLDD領域を形成することができる。
110103は、ゲート電極110117が少なくとも2層で構成され、下層のゲート電極が上層のゲート電極よりも長い形状を有するTFTである。本明細書中においては、上層のゲート電極及び下層のゲート電極の形状を、ハットシェイプ型と呼ぶ。ゲート電極110117の形状がハットシェイプ型であることによって、フォトマスクを追加することなく、LDD領域を形成することができる。なお、110103のように、LDD領域がゲート電極110117と重なっている構造を、特にGOLD構造(Gate Overlapped LDD)と呼ぶ。なお、ゲート電極110117の形状をハットシェイプ型とする方法としては、次のような方法を用いてもよい。
まず、ゲート電極110117をパターニングする際に、ドライエッチングにより、下層のゲート電極及び上層のゲート電極をエッチングして側面に傾斜(テーパー)のある形状にする。続いて、異方性エッチングにより上層のゲート電極の傾斜を垂直に近くなるように加工する。これにより、断面形状がハットシェイプ型のゲート電極が形成される。その後、2回、不純物元素をドーピングすることによって、チャネル領域として用いる半導体膜110113、LDD領域として用いる半導体膜110114、ソースおよびドレイン電極として用いる半導体膜110115が形成される。
なお、ゲート電極110117と重なっているLDD領域をLov領域、ゲート電極110117と重なっていないLDD領域をLoff領域と呼ぶことにする。ここで、Loff領域はオフ電流値を抑える効果は高いが、ドレイン近傍の電界を緩和してホットキャリアによるオン電流値の劣化を防ぐ効果は低い。一方、Lov領域はドレイン近傍の電界を緩和し、オン電流値の劣化の防止には有効であるが、オフ電流値を抑える効果は低い。よって、種々の回路毎に、求められる特性に応じた構造のTFTを作製することが好ましい。たとえば、本発明における半導体装置を表示装置として用いる場合、画素TFTは、オフ電流値を抑えるために、Loff領域を有するTFTを用いることが好適である。一方、周辺回路におけるTFTは、ドレイン近傍の電界を緩和し、オン電流値の劣化を防止するために、Lov領域を有するTFTを用いることが好適である。
110104は、ゲート電極110117の側面に接して、サイドウォール110121を有するTFTである。サイドウォール110121を有することによって、サイドウォール110121と重なる領域をLDD領域とすることができる。
110105は、半導体膜にマスクを用いてドーピングすることにより、LDD(Loff)領域を形成したTFTである。こうすることにより、確実にLDD領域を形成することができ、TFTのオフ電流値を低減することができる。
110106は、半導体膜にマスクを用いてドーピングすることにより、LDD(Lov)領域を形成したTFTである。こうすることにより、確実にLDD領域を形成することができ、TFTのドレイン近傍の電界を緩和し、オン電流値の劣化を低減することができる。
次に、図80(B)乃至(G)を参照して、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの製造プロセスの例を説明する。
なお、本発明を適用できる半導体装置が有することのできるTFTの構造および製造プロセスは、図80に示すものに限定されず、様々な構造および製造プロセスを用いることができる。
本発明においては、基板110111の表面に、絶縁膜110112の表面に、半導体膜110113の表面に、110114の表面に、110115の表面に、絶縁膜110116の表面に、絶縁膜110118の表面に、または絶縁膜110119の表面に、プラズマ処理を用いて酸化または窒化を行うことにより、半導体膜または絶縁膜を酸化または窒化することができる。このように、プラズマ処理を用いて半導体膜または絶縁膜を酸化または窒化することによって、当該半導体膜または当該絶縁膜の表面を改質し、CVD法やスパッタ法により形成した絶縁膜と比較してより緻密な絶縁膜を形成することができるため、ピンホール等の欠陥を抑制し半導体装置の特性等を向上させることが可能となる。
まず、基板110111の表面をフッ酸(HF)、アルカリまたは純水を用いて洗浄する。基板110111は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板またはステンレスを含む金属基板等を用いることができる。他にも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。なお、ここでは基板110111としてガラス基板を用いる場合を示す。
ここで、基板110111の表面にプラズマ処理を行うことで、基板110111の表面を酸化または窒化することによって、基板110111の表面に酸化膜または窒化膜を形成してもよい(図80(B))。表面にプラズマ処理を行うことで形成された酸化膜または窒化膜などの絶縁膜を、以下では、プラズマ処理絶縁膜とも記す。図80(B)においては、絶縁膜131がプラズマ処理絶縁膜である。一般的に、ガラス又はプラスチック等の基板上に薄膜トランジスタ等の半導体素子を設ける場合、ガラス又はプラスチック等に含まれるNaなどの、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等の不純物元素が半導体素子に混入して汚染することによって、半導体素子の特性に影響を及ぼす恐れがある。しかし、ガラス又はプラスチック等からなる基板の表面を窒化することにより、基板に含まれるNaなどの、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等の不純物元素が半導体素子に混入するのを防止することができる。
なお、プラズマ処理により表面を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または、酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下、または、一酸化二窒素と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。一方、プラズマ処理により半導体膜を窒化する場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または、窒素と水素と希ガス雰囲気下、または、NH3と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。あるいは、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。そのため、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。たとえば、Arを用いた場合にはプラズマ処理絶縁膜にArが含まれている。
また、プラズマ処理は、上記ガスの雰囲気中において、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下であり、プラズマの電子温度が0.5ev以上1.5eV以下で行うことが好適である。プラズマの電子密度が高密度であり、被処理物付近での電子温度が低いため、被処理物に対するプラズマによる損傷を防止することができる。また、プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上と高密度であるため、プラズマ処理を用いて、被照射物を酸化または窒化することよって形成される酸化物または窒化膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された膜と比較して膜厚等が均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。あるいは、プラズマの電子温度が1eV以下と低いため、従来のプラズマ処理や熱酸化法と比較して低温度で酸化または窒化処理を行うことができる。たとえば、ガラス基板の歪点温度よりも100度以上低い温度でプラズマ処理を行っても十分に酸化または窒化処理を行うことができる。なお、プラズマを形成するための周波数としては、マイクロ波(2.45GHz)等の高周波を用いることができる。なお、以下に特に断らない場合は、プラズマ処理として上記条件を用いて行うものとする。
なお、図80(B)においては、基板110111の表面をプラズマ処理することによってプラズマ処理絶縁膜を形成する場合を示しているが、本発明は、基板110111の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成しない場合も含む。
なお、図80(C)乃至(G)においては、被処理物の表面をプラズマ処理することによって形成されるプラズマ処理絶縁膜を図示しないが、本発明においては、基板110111、絶縁膜110112、半導体膜110113、110114、110115、絶縁膜110116、絶縁膜110118、または絶縁膜110119の表面に、プラズマ処理を行なうことによって形成されるプラズマ処理絶縁膜が存在する場合も含む。
次に、基板110111上に公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて絶縁膜110112を形成する(図80(C))。絶縁膜110112としては、酸化珪素(SiOx)または酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)を用いることができる。
ここで、絶縁膜110112の表面にプラズマ処理を行い、絶縁膜110112を酸化または窒化することによって、絶縁膜110112の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜110112の表面を酸化することによって、絶縁膜110112の表面を改質しピンホール等の欠陥の少ない緻密な膜を得ることができる。また、絶縁膜110112の表面を酸化することによって、N原子の含有率が低いプラズマ処理絶縁膜を形成することができるため、プラズマ処理絶縁膜に半導体膜を設けた場合にプラズマ処理絶縁膜と半導体膜界面特性が向上する。また、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。なお、プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。
次に、絶縁膜110112上に島状の半導体膜110113、110114を形成する(図80(D))。島状の半導体膜110113、110114は、絶縁膜110112上に公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)等を用いて非晶質半導体膜を形成し、当該非晶質半導体膜を結晶化させ、半導体膜を選択的にエッチングすることにより設けることができる。なお、非晶質半導体膜の結晶化は、レーザ結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法またはこれら方法を組み合わせた方法等の公知の結晶化法により行うことができる。なお、ここでは、島状の半導体膜の端部を直角に近い形状(θ=85〜100°)で設ける。あるいは、低濃度ドレイン領域となる半導体膜110114は、マスクを用いて不純物をドーピングすることによって形成されてもよい。
ここで、半導体膜110113、110114の表面にプラズマ処理を行い、半導体膜110113、110114の表面を酸化または窒化することによって、半導体膜110113、110114の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。例えば、半導体膜110113、110114としてSiを用いた場合、プラズマ処理絶縁膜として、酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNx)が形成される。あるいは、プラズマ処理により半導体膜110113、110114を酸化させた後に、再度プラズマ処理を行うことによって窒化させてもよい。この場合、半導体膜110113、110114に接して酸化珪素(SiOx)が形成され、当該酸化珪素の表面に窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)が形成される。なお、プラズマ処理により半導体膜を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または、酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下または一酸化二窒素と希ガス雰囲気下)、でプラズマ処理を行う。一方、プラズマ処理により半導体膜を窒化する場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、または、窒素と水素と希ガス雰囲気下またはNH3と希ガス雰囲気下)、でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。また、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。そのため、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。たとえば、Arを用いた場合にはプラズマ処理絶縁膜にArが含まれている。
次に、絶縁膜110116を形成する(図80(E))。絶縁膜110116は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。なお、半導体膜110113、110114の表面をプラズマ処理することにより、半導体膜110113、110114の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成した場合には、プラズマ処理絶縁膜を絶縁膜110116として用いることも可能である。
ここで、絶縁膜110116の表面にプラズマ処理を行い、絶縁膜110116の表面を酸化または窒化することによって、絶縁膜110116の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。なお、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。また、プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。
あるいは、一旦酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより絶縁膜110116を酸化させた後に、再度窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより窒化させてもよい。このように、絶縁膜110116にプラズマ処理を行い、絶縁膜110116の表面を酸化または窒化することによって、絶縁膜110116の表面を改質し緻密な膜を形成することができる。プラズマ処理を行うことによって得られた絶縁膜は、CVD法やスパッタ法で形成された絶縁膜と比較して緻密でピンホール等の欠陥も少ないため、薄膜トランジスタの特性を向上させることができる。
次に、ゲート電極110117を形成する(図80(F))。ゲート電極110117は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて形成することができる。
110101においては、ゲート電極110117を形成した後に不純物ドーピングを行なうことで、ソースおよびドレイン領域として用いる半導体膜110115を形成することができる。
110102においては、ゲート電極110117を形成した後に不純物ドーピングを行なうことで、LDD領域として用いる110114と、半導体膜ソースおよびドレイン領域として用いる半導体膜110115を形成することができる。
110103においては、ゲート電極110117を形成した後に不純物ドーピングを行なうことで、LDD領域として用いる110114と、半導体膜ソースおよびドレイン領域として用いる半導体膜110115を形成することができる。
110104においては、ゲート電極110117の側面にサイドウォール110121を形成した後、不純物ドーピングを行なうことで、LDD領域として用いる110114と、半導体膜ソースおよびドレイン領域として用いる半導体膜110115を形成することができる。
なお、サイドウォール110121は、酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNx)を用いることができる。サイドウォール110121をゲート電極110117の側面に形成する方法としては、たとえば、ゲート電極110117を形成した後に、酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNx)を公知の方法で成膜した後に、異方性エッチングによって酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNx)膜をエッチングする方法を用いることができる。こうすることで、ゲート電極110117の側面にのみ酸化珪素(SiOx)または窒化珪素(SiNx)膜を残すことができるので、ゲート電極110117の側面にサイドウォール110121を形成することができる。
110105においては、ゲート電極110117を覆うようにマスク110122を形成した後、不純物ドーピングを行なうことで、LDD(Loff)領域として用いる110114と、半導体膜ソースおよびドレイン領域として用いる半導体膜110115を形成することができる。
110106においては、ゲート電極110117を形成した後に不純物ドーピングを行なうことで、LDD(Lov)領域として用いる110114と、半導体膜ソースおよびドレイン領域として用いる半導体膜110115を形成することができる。
次に、絶縁膜110118を形成する(図80(G))。絶縁膜110118は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。
ここで、絶縁膜110118の表面にプラズマ処理を行い、絶縁膜110118の表面を酸化または窒化することによって、絶縁膜110118の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。なお、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。また、プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。
次に、絶縁膜110119を形成する。絶縁膜110119は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜を用いることができる他に、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料やシロキサン樹脂の単層構造、またはこれらの積層構造で設けることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、プラズマ処理絶縁膜には、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)が含まれており、例えばArを用いた場合にはプラズマ処理絶縁膜中にArが含まれている。
絶縁膜110119としてポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料やシロキサン樹脂等を用いた場合、絶縁膜110119の表面をプラズマ処理により酸化または窒化することにより、当該絶縁膜の表面を改質することができる。表面を改質することによって、絶縁膜110119の強度が向上し開口部形成時等におけるクラックの発生やエッチング時の膜減り等の物理的ダメージを低減することが可能となる。また、絶縁膜110119の表面が改質されることによって、絶縁膜110119上に導電膜110123を形成する場合に導電膜との密着性が向上する。例えば、絶縁膜110119としてシロキサン樹脂を用いてプラズマ処理を用いて窒化を行った場合、シロキサン樹脂の表面が窒化されることにより窒素または希ガスを含むプラズマ処理絶縁膜が形成され、物理的強度が向上する。
次に、半導体膜110115と電気的に接続された導電膜110123を形成するため、絶縁膜110119、絶縁膜110118、絶縁膜110116にコンタクトホールを形成する。なお、コンタクトホールの形状はテーパー状であってもよい。こうすることで、導電膜110123のカバレッジを向上させることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態12)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置に適用できる発光素子の詳細な構成について説明する。
エレクトロルミネセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた電界発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる電界発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。一般的に、分散型無機ELではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
本発明で用いることのできる発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素とで構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法や液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。あるいは、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y2S3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる。また、酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)等を用いることができる。また、窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。さらに、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等も用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa2S4)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa2S4)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa2S4)、等の3元系の混晶であってもよい。
局在型発光の発光中心として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などを用いることができる。なお、電荷補償として、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心として、ドナー準位を形成する第1の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等を用いることができる。
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化アルミニウム(Al2S3)等を用いることができ、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅(Cu2S)、硫化銀(Ag2S)等を用いることができる。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
また、固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)等を用いることができる。
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01〜10atom%であればよく、好ましくは0.05〜5atom%の範囲である。
薄膜型無機ELの場合、電界発光層は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。
図81(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる薄膜型無機EL素子の一例を示す。図81(A)乃至(C)において、発光素子は、第1の電極層120100、電界発光層120102、第2の電極層120103を含む。
図81(B)及び図81(C)に示す発光素子は、図81(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁層を設ける構造である。図81(B)に示す発光素子は、第1の電極層120100と電界発光層120102との間に絶縁層120104を有し、図81(C)に示す発光素子は、第1の電極層120100と電界発光層120102との間に絶縁層120105、第2の電極層120103と電界発光層120102との間に絶縁層120106とを有している。このように絶縁層は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また、絶縁層は単層でもよいし複数層を有する積層でもよい。
なお、図81(B)では第1の電極層120100に接するように絶縁層120104が設けられているが、絶縁層と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層120103に接するように絶縁層120104を設けてもよい。
分散型無機ELの場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の電界発光層を形成する。粒子状に加工する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、電界発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって電界発光層中に均一に分散し固定される。
分散型無機ELの場合、電界発光層の形成方法は、選択的に電界発光層を形成できる液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。また、発光材料及びバインダを含む電界発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
図82(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる分散型無機EL素子の一例を示す。図82(A)における発光素子は、第1の電極層120200、電界発光層120202、第2の電極層120203の積層構造を有し、電界発光層120202中にバインダによって保持された発光材料120201を含む。
本実施の形態に用いることのできるバインダは、絶縁材料を用いることができる。絶縁材料としては、有機材料および無機材料を用いることができる。あるいは、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機絶縁材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。あるいは、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。あるいは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
バインダに含まれる無機絶縁材料としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウム、酸素及び窒素を含む酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、BaTiO3、SrTiO3、チタン酸鉛(PbTiO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸鉛(PbNbO3)、酸化タンタル(Ta2O5)、タンタル酸バリウム(BaTa2O6)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ZnSその他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等によって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる電界発光層の誘電率をより制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散される。本実施の形態に用いることのできるバインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、電界発光層を形成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。たとえば、溶媒として有機溶媒等を用いることができる。バインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3メチル−1−ブタノール(MMBともいう)などを溶媒として用いることができる。
図82(B)及び図82(C)に示す発光素子は、図82(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁層を設ける構造である。図82(B)に示す発光素子は、第1の電極層120200と電界発光層120202との間に絶縁層120204を有し、図82(C)に示す発光素子は、第1の電極層120200と電界発光層120202との間に絶縁層120205、第2の電極層120203と電界発光層120202との間に絶縁層120206とを有している。このように絶縁層は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。また絶縁層は単層でもよいし複数層を有する積層でもよい。
また、図82(B)では第1の電極層120200に接するように絶縁層120204が設けられているが、絶縁層と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層120203に接するように絶縁層120204を設けてもよい。
図81における絶縁層120104、図82における絶縁層120204のような絶縁層に用いることのできる材料は、絶縁耐性が高く、緻密な膜質であることが好ましい。さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、窒化シリコン(Si3N4)、酸化ジルコニウム(ZrO2)等やこれらの混合膜又は2種以上の積層膜を用いることができる。これらの絶縁膜は、スパッタリング、蒸着、CVD等により成膜することができる。また、絶縁層はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して成膜してもよい。バインダ材料は、電界発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。
本実施の形態で示す発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態13)
本実施形態においては、本発明を実施できる表示装置の一例、特に光学的な取り扱いを行なう場合について説明する。
図83(A)及び(B)に示す背面投影型表示装置130100は、プロジェクタユニット130111、ミラー130112、スクリーンパネル130101を備えている。その他に、スピーカ130102、操作スイッチ類130104を備えていてもよい。このプロジェクタユニット130111は、背面投影型表示装置130100の筐体130110の下部に配設され、映像信号に基づいて映像を映し出す投射光をミラー130112に向けて投射する。背面投影型表示装置130100はスクリーンパネル130101の背面から投影される映像を表示する構成となっている。
一方、図84は、前面投影型表示装置130200を示している。前面投影表示装置130200は、プロジェクタユニット130111と投射光学系130201を備えている。この前面投影光学系130200は前面に配設するスクリーン等に映像を投影する構成となっている。
図83に示す背面投影型表示装置130100、図84に示す前面投影型表示装置130200に適用されるプロジェクタユニット130111の構成を以下に説明する。
図85は、プロジェクタユニット130111の一構成例を示している。このプロジェクタユニット130111は、光源ユニット130301及び変調ユニット130304を備えている。光源ユニット130301は、レンズ類を含んで構成される光源光学系130303と、光源ランプ130302を備えている。光源ランプ130302は迷光が拡散しないように筐体内に収納されている。光源ランプ130302としては、大光量の光を放射可能な、例えば、高圧水銀ランプやキセノンランプなどが用いられる。光源光学系130303は、光学レンズ、偏光機能を有するフィルム、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等を適宜設けて構成される。そして、光源ユニット130301は、放射光が変調ユニット130304に入射するように配設されている。変調ユニット130304は、複数の表示パネル130308、カラーフィルター、ダイクロイックミラー130305、全反射ミラー130306、プリズム130309、投射光学系130310を備えている。光源ユニット130301から放射された光は、ダイクロイックミラー130305で複数の光路に分離される。
各光路には、所定の波長若しくは波長帯の光を透過するカラーフィルターと、表示パネル130308が備えられている。透過型である表示パネル130308は映像信号に基づいて透過光を変調する。表示パネル130308を透過した各色の光は、プリズム130309に入射し投射光学系130310を通して、スクリーン上に映像を表示する。なお、フレネルレンズがミラー及びスクリーンの間に配設されていてもよい。そして、プロジェクタユニット130111によって投射されミラーで反射される投影光は、フレネルレンズによって概略平行光に変換され、スクリーンに投影される。
図86で示すプロジェクタユニット130111は、反射型の表示パネル130407、130408、130409を備えた構成を示している。
図86で示すプロジェクタユニット130111は、光源ユニット130301と変調ユニット130400を備えている。光源ユニット130301は、図85と同様の構成であってもよい。光源ユニット130301からの光は、ダイクロイックミラー130401、130402、全反射ミラー130403により、複数の光路に分けられて、偏光ビームスプリッタ130404、130405、130406に入射する。偏光ビームスプリッタ130404、130405、130406は、各色に対応する反射型表示パネル130407、130408、130409に対応して設けられている。反射型表示パネル130407、130408、130409は、映像信号に基づいて反射光を変調する。反射型表示パネル130407、130408、130409で反射された各色の光は、プリズム130309に入射することで合成されて、投射光学系130411を通して投射される。
光源ユニット130301から放射された光は、ダイクロイックミラー130401で赤の波長領域の光のみを透過し、緑および青の波長領域の光を反射する。さらに、ダイクロイックミラー130402では、緑の波長領域の光のみが反射される。ダイクロイックミラー130401を透過した赤の波長領域の光は、全反射ミラー130403で反射され、偏光ビームスプリッタ130404へ入射する、また、青の波長領域の光は偏光ビームスプリッタ130405へ入射し、緑の波長領域の光は偏光ビームスプリッタ130406に入射する。偏光ビームスプリッタ130404、130405、130406は、入射光をP偏光とS偏光とに分離する機能を有し、且つP偏光のみを透過させる機能を有している。反射型表示パネル130407、130408、130409は、映像信号に基づいて、入射した光を偏光する。
各色に対応する反射型表示パネル130407、130408、130409には各色に対応するS偏光のみが入射する。なお、反射型表示パネル130407、130408、130409は液晶パネルであってもよい。このとき、液晶パネルは電界制御複屈折モード(ECB)で動作する。また、液晶分子は基板に対してある角度をもって垂直配向している。よって、反射型表示パネル130407、130408、130409は画素がオフ状態にある時は入射光の偏光状態を変化させないで反射させるように表示分子が配向している。また、画素がオン状態にある時は表示分子の配向状態が変化し、入射光の偏光状態が変化する。
図86に示すプロジェクタユニット130111は、図83に示す背面投影型表示装置130100及び、図84に示す前面投影型表示装置130200に適用することができる。
図87で示すプロジェクタユニットは単板式の構成を示している。図87(A)に示したプロジェクタユニット130111は、光源ユニット130301、表示パネル130507、投射光学系130511、位相差板130504を備えている。投射光学系130511は一つ又は複数のレンズにより構成されている。表示パネル130507にはカラーフィルターが備えられていてもよい。
図87(B)は、フィールドシーケンシャル方式で動作するプロジェクタユニット130111の構成を示している。フィールドシーケンシャル方式は、赤、緑、青などの各色の光を時間的にずらせて順次表示パネルに入射させて、カラーフィルター無しでカラー表示を行う方式である。特に、入力信号変化に対する応答速度の大きい表示パネルと組み合わせると、高精細な映像を表示することができる。図87(B)では、光源ユニット130301と表示パネル130508の間に、赤、緑、青などの複数のカラーフィルターが備えられた回動式のカラーフィルター板130505を備えている。
図87(C)で示すプロジェクタユニット130111は、カラー表示の方式として、マクロレンズを使った色分離方式の構成を示している。この方式は、マイクロレンズアレイ130506を表示パネル130509の光入射側に備え、各色の光をそれぞれの方向から照明することでカラー表示を実現する方式である。この方式を採用するプロジェクタユニット130111は、カラーフィルターによる光の損失が少ないので、光源ユニット130301からの光を有効に利用することができるという特徴を有している。図87(C)に示すプロジェクタユニット130111は、表示パネル130509に対して各色の光をそれぞれの方向から照明するように、ダイクロイックミラー130501、ダイクロイックミラー130502、赤色光用ダイクロイックミラー130503を備えている。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態14)
本実施形態においては、本発明に係る電子機器の例について説明する。
図88は表示パネル900101と、回路基板900111を組み合わせた表示パネルモジュールを示している。表示パネル900101は画素部900102、走査線駆動回路900103及び信号線駆動回路900104を有している。回路基板900111には、例えば、コントロール回路900112及び信号分割回路900113などが形成されている。表示パネル900101と回路基板900111とは接続配線900114によって接続されている。接続配線にはFPC等を用いることができる。
表示パネル900101は、画素部900102と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にTFTを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)などで表示パネル900101に実装してもよい。こうすることで、回路基板900111の面積を削減でき、小型の表示装置を得ることができる。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いて表示パネル900101に実装してもよい。こうすることで、表示パネル900101の面積を小さくできるので、額縁サイズの小さい表示装置を得ることができる。
例えば、消費電力の低減を図るため、ガラス基板上にTFTを用いて画素部を形成し、全ての周辺駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOGまたはTABで表示パネルに実装してもよい。
図88に示した表示パネルモジュールによって、テレビ受像機を完成させることができる。図89は、テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ900201は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路900202と、映像信号増幅回路900202から出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路900203と、その映像信号を駆動回路の入力仕様に変換するためのコントロール回路900212により処理される。コントロール回路900212は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路900213を設け、入力デジタル信号をm個(mは正の整数)に分割して供給する構成としても良い。
チューナ900201で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路900205に送られ、その出力は音声信号処理回路900206を経てスピーカー900207に供給される。制御回路900208は受信局(受信周波数)及び音量の制御情報を入力部900209から受け、チューナ900201や音声信号処理回路900206に信号を送出する。
また、図89とは別の形態の表示パネルモジュールを組み込んだテレビ受像器について図90(A)に示す。図90(A)において、筐体900301内に収められた表示画面900302は、表示パネルモジュールで形成される。なお、スピーカー900303、操作スイッチ900304などが適宜備えられていてもよい。
また、図90(B)に、ワイヤレスでディスプレイのみを持ち運び可能なテレビ受像器を示す。筐体900312にはバッテリー及び信号受信器が内蔵されており、そのバッテリーで表示部900313やスピーカー部900317を駆動させる。バッテリーは充電器900310で繰り返し充電が可能となっている。また、充電器900310は映像信号を送受信することが可能で、その映像信号をディスプレイの信号受信器に送信することができる。筐体900312は操作キー900316によって制御する。あるいは、図90(B)に示す装置は、操作キー900316を操作することによって、筐体900312から充電器900310に信号を送ることが可能である、映像音声双方向通信装置であってもよい。あるいは、操作キー900316を操作することによって、筐体900312から充電器900310に信号を送り、さらに充電器900310が送信できる信号を他の電子機器に受信させることによって、他の電子機器の通信制御も可能である、汎用遠隔制御装置であってもよい。本発明は表示部900313に適用することができる。
図91(A)は、表示パネル900401とプリント配線基板900402を組み合わせたモジュールを示している。表示パネル900401は、複数の画素が設けられた画素部900403と、第1の走査線駆動回路900404、第2の走査線駆動回路900405と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路900406を備えていてもよい。
プリント配線基板900402には、コントローラ900407、中央処理装置(CPU)900408、メモリ900409、電源回路900410、音声処理回路900411及び送受信回路900412などが備えられている。プリント配線基板900402と表示パネル900401は、フレキシブル配線基板(FPC)900413により接続されている。プリント配線基板900413には、保持容量、バッファ回路などを設け、電源電圧や信号にノイズがのったり、信号の立ち上がりが鈍ったりすることを防ぐ構成としても良い。また、コントローラ900407、音声処理回路900411、メモリ900409、CPU900408、電源回路900410などは、COG(Chip On Glass)方式を用いて表示パネル900401に実装することもできる。COG方式により、プリント配線基板900402の規模を縮小することができる。
プリント配線基板900402に備えられたインターフェース(I/F)部900414を介して、各種制御信号の入出力が行われる。また、アンテナとの間の信号の送受信を行うためのアンテナ用ポート900415が、プリント配線基板900402に設けられている。
図91(B)は、図91(A)に示したモジュールのブロック図を示す。このモジュールは、メモリ900409としてVRAM900416、DRAM900417、フラッシュメモリ900418などが含まれている。VRAM900416にはパネルに表示する画像のデータが、DRAM900417には画像データまたは音声データが、フラッシュメモリには各種プログラムが記憶されている。
電源回路900410は、表示パネル900401、コントローラ900407、CPU900408、音声処理回路900411、メモリ900409、送受信回路900412を動作させる電力を供給する。またパネルの仕様によっては、電源回路900410に電流源が備えられている場合もある。
CPU900408は、制御信号生成回路900420、デコーダ900421、レジスタ900422、演算回路900423、RAM900424、CPU900408用のインターフェース900419などを有している。インターフェース900419を介してCPU900408に入力された各種信号は、一旦レジスタ900422に保持された後、演算回路900423、デコーダ900421などに入力される。演算回路900423では、入力された信号に基づき演算を行い、各種命令を送る場所を指定する。一方デコーダ900421に入力された信号はデコードされ、制御信号生成回路900420に入力される。制御信号生成回路900420は入力された信号に基づき、各種命令を含む信号を生成し、演算回路900423において指定された場所、具体的にはメモリ900409、送受信回路900412、音声処理回路900411、コントローラ900407などに送る。
メモリ900409、送受信回路900412、音声処理回路900411、コントローラ900407は、それぞれ受けた命令に従って動作する。以下その動作について簡単に説明する。
入力手段900425から入力された信号は、インターフェイス900414を介してプリント配線基板900402に実装されたCPU900408に送られる。制御信号生成回路900420は、ポインティングデバイスやキーボードなどの入力手段900425から送られてきた信号に従い、VRAM900416に格納してある画像データを所定のフォーマットに変換し、コントローラ900407に送付する。
コントローラ900407は、パネルの仕様に合わせてCPU900408から送られてきた画像データを含む信号にデータ処理を施し、表示パネル900401に供給する。またコントローラ900407は、電源回路900410から入力された電源電圧やCPU900408から入力された各種信号をもとに、Hsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)、切り替え信号L/Rを生成し、表示パネル900401に供給する。
送受信回路900412では、アンテナ900428において電波として送受信される信号が処理されており、具体的にはアイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路を含んでいてもよい。送受信回路900412において送受信される信号のうち音声情報を含む信号が、CPU900408からの命令に従って、音声処理回路900411に送られる。
CPU900408の命令に従って送られてきた音声情報を含む信号は、音声処理回路900411において音声信号に復調され、スピーカー900427に送られる。またマイク900426から送られてきた音声信号は、音声処理回路900411において変調され、CPU900408からの命令に従って、送受信回路900412に送られる。
コントローラ900407、CPU900408、電源回路900410、音声処理回路900411、メモリ900409を、本実施形態のパッケージとして実装することができる。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
次に、図92を参照して、本発明に係る携帯電話の構成例について説明する。
表示パネル900501はハウジング900530に脱着自在に組み込まれる。ハウジング900530は表示パネル900501のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。表示パネル900501を固定したハウジング900530はプリント基板900531に嵌入されモジュールとして組み立てられる。
表示パネル900501はFPC900513を介してプリント基板900531に接続される。プリント基板900531には、スピーカー900532、マイクロフォン900533、送受信回路900534、CPU及びコントローラなどを含む信号処理回路900535が形成されている。このようなモジュールと、入力手段900536、バッテリー900537を組み合わせ、筐体900539に収納する。表示パネル900501の画素部は筐体900539に形成された開口窓から視認できように配置する。
表示パネル900501は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にTFTを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)で表示パネル900501に実装しても良い。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。このような構成とすることで、表示装置の低消費電力化を図り、携帯電話機の一回の充電による使用時間を長くすることができる。また、携帯電話機の低コスト化を図ることができる。
また、図93で示す携帯電話機は、操作スイッチ類900604、マイクロフォン900605などが備えられた本体(A)900601と、表示パネル(A)900608、表示パネル(B)900609、スピーカー900606などが備えられた本体(B)900602とが、蝶番900610で開閉可能に連結されている。表示パネル(A)900608と表示パネル(B)900609は、回路基板900607と共に本体(B)900602の筐体900603の中に収納される。表示パネル(A)900608及び表示パネル(B)900609の画素部は筐体900603に形成された開口窓から視認できるように配置される。
表示パネル(A)900608と表示パネル(B)900609は、その携帯電話機900600の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル(A)900608を主画面とし、表示パネル(B)900609を副画面として組み合わせることができる。
本実施形態に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番900610の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。また、操作スイッチ類900604、表示パネル(A)900608、表示パネル(B)900609を一つの筐体内に納めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。また、表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施形態の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
本発明は様々な電子機器に適用することができる。具体的には、電子機器の表示部に適用することができる。そのような電子機器として、カメラ(ビデオカメラ、デジタルカメラ等)、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図94(A)はディスプレイであり、筐体900711、支持台900712、表示部900713等を含む。
図94(B)はカメラであり、本体900721、表示部900722、受像部900723、操作キー900724、外部接続ポート900725、シャッター900726等を含む。
図94(C)はコンピュータであり、本体900731、筐体900732、表示部900733、キーボード900734、外部接続ポート900735、ポインティングデバイス900736等を含む。
図94(D)はモバイルコンピュータであり、本体900741、表示部900742、スイッチ900743、操作キー900744、赤外線ポート900745等を含む。
図94(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、本体900751、筐体900752、表示部A900753、表示部B900754、記録媒体(DVD等)読み込み部900755、操作キー900756、スピーカー部900757等を含む。表示部A900753は主として画像情報を表示し、表示部B900754は主として文字情報を表示することができる。
図94(F)はゴーグル型ディスプレイであり、本体900761、表示部900762、イヤホン900763、支持部900764を含む。
図94(G)は携帯型遊技機であり、筐体900771、表示部900772、スピーカー部900773、操作キー900774、記憶媒体挿入部900775等を含む。
図94(H)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、本体900781、表示部900782、操作キー900783、スピーカー900784、シャッター900785、受像部900786、アンテナ900787等を含む。
図94(A)乃至(E)に示したように、本発明に係る電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。本発明に係る電子機器は、なめらかな動画を表示でき、目の残像が抑制され、動画ボケのない画像を表示することができる。
次に、本発明に係る半導体装置の応用例を説明する。
図95に、本発明に係る半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図95は、筐体900810、表示部900811、操作部であるリモコン装置900812、スピーカー部900813等を含む。本発明に係る半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペースを広く必要とすることなく設置可能である。
図96に、建造物内に本発明に係る半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示パネル900901は、ユニットバス900902と一体に取り付けられており、入浴者は表示パネル900901の視聴が可能になる。表示パネル900901は入浴者が操作することで情報を表示したり、広告や娯楽手段として利用できる機能を有する。
なお、本発明に係る半導体装置は、図96で示したユニットバス900902の側壁だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、鏡面の一部や浴槽自体と一体にするなどとしてもよい。このとき、表示パネル900901の形状は、鏡面や浴槽の形状に合わせたものとなっていてもよい。
図97に、本発明に係る半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示パネル901002は、柱状体901001の曲面に合わせて湾曲させて取り付けられている。なお、ここでは柱状体901001を電柱として説明する。
図97に示す表示パネル901002は、人間の視点より高い位置に設けられている。電柱のように屋外で繰り返し林立している建造物に表示パネル901002を設置することで、不特定多数の視認者に広告を行なうことができる。ここで、表示パネル901002は、外部からの制御により、同じ画像を表示させること、また、瞬時に画像を切替えることが容易であるため、極めて効率的な情報表示、及び広告効果が期待できる。また、表示パネル901002に自発光型の表示素子を設けることで、夜間であっても、視認性の高い表示媒体として有用であるといえる。また、電柱に設置することで、表示パネル901002の電力供給手段の確保が容易である。また、災害発生時などの非常事態の際には、被災者に素早く正確な情報を伝達する手段ともなり得る。
なお、表示パネル901002としては、たとえば、フィルム状の基板に有機トランジスタなどのスイッチング素子を設けて表示素子を駆動することにより画像の表示を行なう表示パネルを用いることができる。
なお、本実施形態において、建造物として壁、柱状体、ユニットバスを例としたが、本実施形態はこれに限定されず、様々な建造物に本発明に係る半導体装置を設置することができる。
次に、本発明に係る半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
図98は、本発明に係る半導体装置を、自動車と一体にして設けた例について示した図である。表示パネル901102は、自動車の車体901101と一体に取り付けられており、車体の動作や車体内外から入力される情報をオンデマンドに表示することができる。また、ナビゲーション機能を有していてもよい。
なお、本発明に係る半導体装置は、図98で示した車体901101だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、ガラス窓、ドア、ハンドル、シフトレバー、座席シート、ルームミラー等と一体にしてもよい。このとき、表示パネル901102の形状は、設置するものの形状に合わせたものとなっていてもよい。
図99は、本発明に係る半導体装置を、列車車両と一体にして設けた例について示した図である。
図99(a)は、列車車両のドア901201のガラスに表示パネル901202を設けた例について示した図である。従来の紙による広告に比べて、広告切替えの際に必要となる人件費がかからないという利点がある。また、表示パネル901202は、外部からの信号により表示部で表示される画像の切り替えを瞬時に行なうことが可能であるため、たとえば、電車の乗降客の客層が入れ替わる時間帯ごとに表示パネルの画像を切り替えることができ、より効果的な広告効果が期待できる。
図99(b)は、列車車両のドア901201のガラスの他に、ガラス窓901203、及び天井901204に表示パネル901202を設けた例について示した図である。このように、本発明に係る半導体装置は、従来では設置が困難であった場所に容易に設置することが可能であるため、効果的な広告効果を得ることができる。また、本発明に係る半導体装置は、外部からの信号により表示部で表示される画像の切り替えを瞬時に行なうことが可能であるため、広告切替え時のコストおよび時間が削減でき、より柔軟な広告の運用および情報伝達が可能となる。
なお、本発明に係る半導体装置は、図99で示したドア901201、ガラス窓901203、及び天井901204だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、つり革、座席シート、てすり、床等と一体にしてもよい。このとき、表示パネル901202の形状は、設置するものの形状に合わせたものとなっていてもよい。
図100は、本発明に係る半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図である。
図100(a)は、旅客用飛行機の座席上部の天井901301に表示パネル901302を設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル901302は、天井901301とヒンジ部901303を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部901303の伸縮により乗客は表示パネル901302の視聴が可能になる。表示パネル901302は乗客が操作することで情報を表示したり、広告や娯楽手段として利用できる機能を有する。また、図100(b)に示すように、ヒンジ部を折り曲げて天井901301に格納することにより、離着陸時の安全に配慮することができる。なお、緊急時に表示パネルの表示素子を点灯させることで、情報伝達手段および誘導灯としても利用可能である。
なお、本発明に係る半導体装置は、図100で示した天井901301だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、座席シート、座席テーブル、肘掛、窓等と一体にしてもよい。また、多数の人が同時に視聴できる大型の表示パネルを、機体の壁に設置してもよい。このとき、表示パネル901302の形状は、設置するものの形状に合わせたものとなっていてもよい。
なお、本実施形態において、移動体としては電車車両本体、自動車車体、飛行機車体について例示したがこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。本発明に係る半導体装置は、外部からの信号により、移動体内における表示パネルの表示を瞬時に切り替えることが可能であるため、移動体に本発明に係る半導体装置を設置することにより、移動体を不特定多数の顧客を対象とした広告表示板、災害発生時の情報表示板、等の用途に用いることが可能となる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態15)
本実施形態においては、輝度が制御された画像が表示される順番について説明する。
図101(A)乃至(E)は、横軸を時間として、表示される画像の輝度の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。
図101(A)は、輝度が制御された画像と、輝度が制御されずにそのまま表示される画像が、1つずつ交互に表示される場合を表している。図101(A)では、第1の画像2401、第2の画像2402、第3の画像2403、第4の画像2404、第5の画像2405、第6の画像2406、第7の画像2407、第8の画像2408が、順次表示されている様子を表している。ここで、第1の画像2401の代表的な輝度をL1、第2の画像2402の代表的な輝度をL2、第3の画像2403の代表的な輝度をL3、第4の画像2404の代表的な輝度をL4、第5の画像2405の代表的な輝度をL5、第6の画像2406の代表的な輝度をL6、第7の画像2407の代表的な輝度をL7、第8の画像2408の代表的な輝度をL8とする。
ここで、時間的に隣り合う画像の代表的な輝度を比較したとき、L1>L2、L2<L3、L3>L4、L4<L5、L5>L6、L6<L7、L7>L8という関係であってもよい。こうすることで、輝度が変化する周波数を大きくすることができるので、フリッカを低減することができる。また、代表的な輝度が制御された画像が表示されるので、目の残像が抑制され、動画ボケを低減することができる。
なお、第1乃至第8の画像のうち、輝度が制御される画像は、黒画像でもよい。このとき、画像全体が黒であってもよいし、画像の大部分が黒であってもよい。
なお、上述した輝度の関係となるのは、動画など、比較的似通った画像が表示されている間だけでもよい。場面が切り替わるなど、急激に画像の内容が変化する場合は、必ずしも上述した輝度の関係とならなくてもよい。
なお、期間2490乃至2497は、第1乃至第8の画像を表示するときの、入力フレームレートに対応する1周期(1フレーム)である。
期間2490が1フレームであった場合は、表示フレームレートは入力フレームレートの半分である。すなわち、1つの画像が表示され、次の画像が表示される期間内に、別の1つの画像が入力されている場合に相当する。この場合、入力されても表示されない画像があってもよい。
期間2491が1フレームであった場合は、表示フレームレートと入力フレームレートは等しい。すなわち、第1乃至第8の画像は全て基本画像である。つまり、輝度が制御されずにそのまま表示される基本画像と、輝度が制御されて表示される基本画像が、交互に表示される場合に相当する。
期間2492が1フレームであった場合は、表示フレームレートは入力フレームレートの2倍である。このとき、第1の画像2401、第3の画像2403、第5の画像2405および第7の画像2407は基本画像である。第2の画像2402、第4の画像2404、第6の画像2406および第8の画像2408は入力されない画像であるので、動き補償などによって生成された補間画像である。すなわち、補間画像の輝度が制御されて表示される場合に相当する。
期間2493が1フレームであった場合は、表示フレームレートは入力フレームレートの3倍である。このとき、第1の画像2401、第4の画像2404および第7の画像2407は基本画像である。第2の画像2402、第3の画像2403、第5の画像2405、第6の画像2406および第8の画像2408は入力されない画像であるので、動き補償などによって生成された補間画像である。この場合は、1フレームのうち1番目に表示される補間画像(たとえば第2の画像2402)の輝度が制御されて表示されるフレームと、1フレームのうち基本画像(たとえば第4の画像2404)および2番目に表示される補間画像(たとえば第6の画像2406)の輝度が制御されて表示されるフレームが、交互に表れる。
期間2494が1フレームであった場合は、表示フレームレートは入力フレームレートの4倍である。このとき、第1の画像2401および第5の画像2405は基本画像である。第2の画像2402、第3の画像2403、第4の画像2404、第6の画像2406、第7の画像2407および第8の画像2408は入力されない画像であるので、動き補償などによって生成された補間画像である。この場合は、1フレームのうち1番目に表示される補間画像(たとえば第2の画像2402)および3番目に表示される補間画像(たとえば第4の画像2404)の輝度が制御されて表示される。
期間2495が1フレームであった場合は、表示フレームレートは入力フレームレートの5倍である。このとき、第1の画像2401および第6の画像2406は基本画像である。第2の画像2402、第3の画像2403、第4の画像2404、第5の画像2405、第7の画像2407および第8の画像2408は入力されない画像であるので、動き補償などによって生成された補間画像である。この場合は、1フレームのうち1番目に表示される補間画像(たとえば第2の画像2402)および3番目に表示される補間画像(たとえば第4の画像2404)の輝度が制御されて表示されるフレームと、1フレームのうち基本画像(たとえば第6の画像2406)および2番目に表示される補間画像(たとえば第8の画像2408)および4番目に表示される補間画像(図示しない)の輝度が制御されて表示されるフレームが、交互に表れる。
このように、第1乃至第8の画像を表示するときの、入力フレームレートに対する表示フレームレートは、様々な値をとることができる。
なお、図101(B)乃至(E)についても同様に、入力フレームレートに対する表示フレームレートは、様々な値をとることができる。
図101(B)は、輝度が制御された画像と、輝度が制御されずにそのまま表示される画像が、2つずつ交互に表示される場合を表している。図101(B)では、第1の画像2411、第2の画像2412、第3の画像2413、第4の画像2414、第5の画像2415、第6の画像2416、第7の画像2417、第8の画像2418が、順次表示されている様子を表している。ここで、第1の画像2411の代表的な輝度をL1、第2の画像2412の代表的な輝度をL2、第3の画像2413の代表的な輝度をL3、第4の画像2414の代表的な輝度をL4、第5の画像2415の代表的な輝度をL5、第6の画像2416の代表的な輝度をL6、第7の画像2417の代表的な輝度をL7、第8の画像2418の代表的な輝度をL8とする。
ここで、時間的に隣り合う画像の代表的な輝度を比較したとき、L1=L2、L2>L3、L3=L4、L4<L5、L5=L6、L6>L7、L7=L8という関係であってもよい。こうすることで、代表的な輝度が制御された画像が表示されるので、目の残像が抑制され、動画ボケを低減することができる。
なお、第1乃至第8の画像のうち、輝度が制御される画像は、黒画像でもよい。このとき、画像全体が黒であってもよいし、画像の大部分が黒であってもよい。
なお、輝度が制御された画像と、輝度が制御されずにそのまま表示される画像が交互に表示される数は、1つまたは2つに限定されず、様々な数をとることができる。たとえば、3つずつ交互に表示されてもよいし、4つずつ交互に表示されてもよい。
なお、上述した輝度の関係となるのは、動画など、比較的似通った画像が表示されている間だけでもよい。場面が切り替わるなど、急激に画像の内容が変化する場合は、必ずしも上述した輝度の関係とならなくてもよい。
図101(C)は、輝度が徐々に小さくなるように制御された4つの画像が順次表示される場合を表している。図101(C)では、第1の画像2421、第2の画像2422、第3の画像2423、第4の画像2424、第5の画像2425、第6の画像2426、第7の画像2427、第8の画像2428が、順次表示されている様子を表している。ここで、第1の画像2421の代表的な輝度をL1、第2の画像2422の代表的な輝度をL2、第3の画像2423の代表的な輝度をL3、第4の画像2424の代表的な輝度をL4、第5の画像2425の代表的な輝度をL5、第6の画像2426の代表的な輝度をL6、第7の画像2427の代表的な輝度をL7、第8の画像2428の代表的な輝度をL8とする。
ここで、時間的に隣り合う画像の代表的な輝度を比較したとき、L1>L2、L2>L3、L3>L4、L4<L5、L5>L6、L6>L7、L7>L8という関係であってもよい。こうすることで、輝度が徐々に変化するため、フリッカを低減することができる。また、代表的な輝度が制御された画像が表示されるので、目の残像が抑制され、動画ボケを低減することができる。
なお、輝度が徐々に小さくなるように制御された画像の数は、4つに限定されず、様々な数をとることができる。たとえば、3つずつ交互に表示されてもよいし、5つずつ交互に表示されてもよい。
なお、第1乃至第8の画像のうち、輝度が制御される画像は、黒画像でもよい。このとき、画像全体が黒であってもよいし、画像の大部分が黒であってもよい。
なお、上述した輝度の関係となるのは、動画など、比較的似通った画像が表示されている間だけでもよい。場面が切り替わるなど、急激に画像の内容が変化する場合は、必ずしも上述した輝度の関係とならなくてもよい。
図101(D)は、輝度が徐々に小さくなるように制御された4つの画像と、輝度が徐々に大きくなるように制御された4つの画像が順次表示される場合を表している。図101(D)では、第1の画像2431、第2の画像2432、第3の画像2433、第4の画像2434、第5の画像2435、第6の画像2436、第7の画像2437、第8の画像2438が、順次表示されている様子を表している。ここで、第1の画像2431の代表的な輝度をL1、第2の画像2432の代表的な輝度をL2、第3の画像2433の代表的な輝度をL3、第4の画像2434の代表的な輝度をL4、第5の画像2435の代表的な輝度をL5、第6の画像2436の代表的な輝度をL6、第7の画像2437の代表的な輝度をL7、第8の画像2438の代表的な輝度をL8とする。
ここで、時間的に隣り合う画像の代表的な輝度を比較したとき、L1>L2、L2>L3、L3>L4、L4=L5、L5<L6、L6<L7、L7<L8という関係であってもよい。こうすることで、輝度が徐々に変化するため、フリッカを低減することができる。また、代表的な輝度が制御された画像が表示されるので、目の残像が抑制され、動画ボケを低減することができる。
なお、輝度が徐々に大きくまたは小さくなるように制御された画像の数は、4つに限定されず、様々な数をとることができる。たとえば、3つずつ交互に表示されてもよいし、5つずつ交互に表示されてもよい。
なお、第1乃至第8の画像のうち、輝度が制御される画像は、黒画像でもよい。このとき、画像全体が黒であってもよいし、画像の大部分が黒であってもよい。
なお、上述した輝度の関係となるのは、動画など、比較的似通った画像が表示されている間だけでもよい。場面が切り替わるなど、急激に画像の内容が変化する場合は、必ずしも上述した輝度の関係とならなくてもよい。
図101(E)は、輝度が徐々に大きくなるように制御された4つの画像が順次表示される場合を表している。図101(E)では、第1の画像2441、第2の画像2442、第3の画像2443、第4の画像2444、第5の画像2445、第6の画像2446、第7の画像2447、第8の画像2448が、順次表示されている様子を表している。ここで、第1の画像2441の代表的な輝度をL1、第2の画像2442の代表的な輝度をL2、第3の画像2443の代表的な輝度をL3、第4の画像2444の代表的な輝度をL4、第5の画像2445の代表的な輝度をL5、第6の画像2446の代表的な輝度をL6、第7の画像2447の代表的な輝度をL7、第8の画像2448の代表的な輝度をL8とする。
ここで、時間的に隣り合う画像の代表的な輝度を比較したとき、L1<L2、L2<L3、L3<L4、L4>L5、L5<L6、L6<L7、L7<L8という関係であってもよい。こうすることで、輝度が徐々に変化するため、フリッカを低減することができる。また、代表的な輝度が制御された画像が表示されるので、目の残像が抑制され、動画ボケを低減することができる。
なお、輝度が徐々に大きくまたは小さくなるように制御された画像の数は、4つに限定されず、様々な数をとることができる。たとえば、3つずつ交互に表示されてもよいし、5つずつ交互に表示されてもよい。
なお、第1乃至第8の画像のうち、輝度が制御される画像は、黒画像でもよい。このとき、画像全体が黒であってもよいし、画像の大部分が黒であってもよい。
なお、上述した輝度の関係となるのは、動画など、比較的似通った画像が表示されている間だけでもよい。場面が切り替わるなど、急激に画像の内容が変化する場合は、必ずしも上述した輝度の関係とならなくてもよい。
なお、本実施形態で述べた内容は、他の実施の形態と自由に組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態における各々の図の内容は、他の図の内容と自由に組み合わせることができる。