JP5224175B2 - 加飾合成樹脂成形品 - Google Patents
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Description
このような加飾方法の一つとして、成形品の表面にホットスタンプ法を用いて箔膜を形成し、金属光沢を有する図案が立体的に現出するような視覚効果を付与する加飾方法がある。また厚肉印刷などにより成形品表面に文字や図柄などを浮かび上がらせ、容器を高級感のある外観に仕上げる加飾方法もある。
透明性を有する合成樹脂製の基材の裏面の所定領域に、オンデマンド印刷機能を有する印刷機により印刷塗膜を形成すること、
この印刷塗膜の形成部と非形成部により凹凸状の図柄を形成すること、
さらに基材の裏面側に反射面としての機能を有する薄板状の加飾部材を印刷塗膜の形成部と非形成部を含む領域に、この非形成部との間に隙間を形成した状態で、積重状に配設すること、と云うものである。
このような印刷機によれば、合成樹脂製の基材の裏面に高い精度で位置合わせをしながら所定位置に印刷塗膜を、繊細な形状で高品位に形成することができる。
また、印刷塗膜は単色は勿論のことフルカラーとすることもできる。
また、印刷版等の製作の必要もないので、加飾目的に応じて容易に多種多様のパターンに印刷塗膜を形成することができる。
ここで、上記したオンデマンド印刷機では、高精度に複数回に亘って重ね印刷が可能であり、このような重ね印刷により印刷塗膜を肉厚することにより、さらに図柄を彫深く、立体的に現出させることができる。
また、透明性加飾層を有色透明性とすることにより、凹凸状の図柄にさらに色合の変化を加味させることが可能となる。
また、反射面は鏡面状に光を完全に反射させるものだけでなく、一部の光を通過する半反射性とすることもできる。
また反射面は、所定領域全域に積重させることも部分的に積重させることもできる。
透明性を有する合成樹脂製の基材の裏面の所定領域に、平坦部と、周辺に該平坦部を残して彫刻状に形成された刻設凹部により図柄を形成すること、
所定領域の、刻設凹部を除いた平坦部にオンデマンド印刷機により印刷塗膜を形成して第1の加飾層とすること、
第1の加飾層に重ねて、平坦部と刻設凹部を含む全領域に、平坦部と刻設凹部に係る凹凸形状に沿って塗膜と蒸着膜から選ばれる少なくとも一層の膜からなる第2の加飾層を積層形成すること、にある。
印刷塗膜からなる第1の加飾層と第2の加飾層を積層した平坦部と、第2の加飾層だけを積層した刻設凹部で図柄を形成することになるが、これらの積層態様の違いにより平坦部と刻設凹部の色合い、着色濃度、金属光沢、表面性状に係る質感を変化させて、彫刻様の図柄に繊細に陰影を付与したり、金属光沢を微妙に変化させることが可能となり、透明な基材の光学的効果が相俟って、さらに図柄をより彫深く、より立体的に現出させることができると共に、色合い、着色濃度、金属光沢あるいは質感を繊細に変化させて高品位な加飾を実現することができる。
また、第1の加飾層と第2の加飾層を同色系の塗膜で形成して平坦部と刻設凹部の着色濃度を微妙に変化させることもできる。
また、蒸着膜は真空蒸着法等の方法で形成することができる。
透明性を有する合成樹脂製の基材の裏面の所定領域に、平坦部と、周辺に平坦部を残して彫刻状に形成された刻設凹部により図柄を形成し、所定領域の、刻設凹部を除いた平坦部にオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜を形成して第1の加飾層とし、
さらに基材の裏面側に反射面を有する薄板状の加飾部材を積重状に配設する、と云うものである。
なお、上記構成で、加飾部材の基材の裏面側への積重態様は、加飾部材を平坦部に形成された第1の加飾層あるいは第2の加飾層に密着させた態様に限定されず、第1の加飾層あるいは第2の加飾層との間に隙間を形成した態様とすることもできる。
また、反射面は鏡面状に光を完全に反射させるものだけでなく、一部の光を通過する半反射性とすることもできる。
また反射面は、所定領域全域に積重させることも部分的に積重させることもできる。
第1の主たる構成を有するものにあっては、印刷塗膜の形成部と非形成部による凹凸状の図柄と、加飾部材による反射面からの光の反射と、透明性を有する基材の光学的な作用効果が相俟って、この図柄を、金属光沢を付加して、彫深く、立体的に現出させることができる。
反射面からの反射光による光学的効果により、図柄をより立体的に、また複雑に現出させることができる。
図1、2には本発明に係る加飾合成樹脂成形品の参考例である化粧料用容器1を示す。この化粧料用容器1は合成樹脂成形品で、容器本体2と蓋体3をヒンジ結合した構成である。蓋体3は透明な合成樹脂製であり、裏面に文字「ABC」を図案化した図柄5が形成されており、透明な基材11を通して表側からこの図柄5を見えるようにしている。
そして、蓋体3を表側から見ると、周辺が金属光沢を有する中で、図柄5である「ABC」の部分だけが着色しており、透明な基材11による光の屈折効果も相俟って、この着色した図柄5である文字「ABC」が浮かび上がっているような立体的な視覚効果が発揮される。
ここで、オンデマンド印刷によれば、印刷塗膜30を高い精度で多数回重ねて印刷して厚肉状に形成することができ、繊細な図柄をより立体的に現出させることができる。またさらには、図柄に沿って高精度に印刷塗膜30の印刷回数を変えることもでき、高品位に微妙にその高さが変化する凹凸感を現出させることもできる。
また、透明性加飾層23を半透明性としてもよく、また違った光学的効果を現出させることができる。
この加飾部材25は透明な合成樹脂製のシート25aの片面に蒸着膜25bを積層して反射面としたものである。
この例は、図7の加飾層の構成が第1の加飾層21と第2の加飾層22を組合わせたものに対して、第1の加飾層21だけから構成されるものではあるが、平坦部12と刻設凹部13により形成される彫刻様の図柄と、平坦部にだけに選択的に形成される印刷塗膜30により、透明性を有する基材11の光学的な効果も相俟って、彫刻様の図柄を彫深く、より立体的に現出させることができる。
この加飾部材25は透明な合成樹脂製のシート25aの片面に蒸着膜25bを積層して反射面としたものであり、この反射面からの反射光による光学的効果が相俟って、図柄をより立体的に現出させることができる。
また、図9(b)は加飾部材25を蒸着膜25bが上になるようにして、加飾部材25自体を、基材11との間に隙間26を形成した状態で積重した例である。
勿論、図6(a)、(b)においてシート25aと蒸着膜25bの上下位置は逆にすることもできる。
たとえば、加飾部材は金属板片、金属薄膜片、表面に真空蒸着やホットスタンプによる金属薄膜層を形成した合成樹脂成形品等、さまざまな態様で用意することができる。
また反射面は、鏡面状に光を完全に反射させるものだけでなく一部の光を通過する半反射性とすることもでき、所定領域全域に積重させることも部分的に積重させることもできる。
たとえば、図柄は図1の文字「ABC」や、図4に示すような幾何学模様のようなものに限るものではなく、さまざまな形状の図案や、模様とすることができる。また基材となる成形品は半透明性のものでも使用することができる。
2 ;容器本体
3 ;蓋体
5 ;図柄
11;基材
12;平坦部
13;刻設凹部
14;(印刷塗膜の)形成部
15;(印刷塗膜の)非形成部
20;加飾層
21;第1の加飾層
22;第2の加飾層
23;透明性加飾層
25;加飾部材
25a;シート
25b;蒸着膜
26;隙間
30;印刷塗膜
32;蒸着膜
Claims (7)
- 透明性を有する合成樹脂製の基材(11)の裏面の所定領域に、
オンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜(30)を形成し、
該印刷塗膜(30)の形成部(14)と非形成部(15)により凹凸状の図柄を形成し、
さらに基材(11)の裏面側に反射面としての機能を有する薄板状の加飾部材(25)を前記形成部(14)と非形成部(15)を含む領域に、該非形成部(15)との間に隙間を形成した状態で、積重状に配設したことを特徴とする加飾合成樹脂成形品。 - 印刷塗膜(30)の形成部(14)に透明性加飾層(23)を積層した請求項1記載の加飾合成樹脂成形品。
- 印刷塗膜(30)の形成部(14)と非形成部(15)を含む所定領域に透明性加飾層(23)を積層した請求項1または2記載の加飾合成樹脂成形品。
- 透明性を有する合成樹脂製の基材(11)の裏面の所定領域に、平坦部(12)と、周辺に該平坦部(12)を残して彫刻状に形成された刻設凹部(13)により図柄を形成し、前記所定領域の、刻設凹部(13)を除いた平坦部(12)にオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜(30)を形成して第1の加飾層(21)とし、該第1の加飾層(21)に重ねて、平坦部(12)と刻設凹部(13)を含む全領域に、該平坦部(12)と刻設凹部(13)に係る凹凸形状に沿って塗膜と蒸着膜から選ばれる少なくとも一層の膜からなる第2の加飾層(22)を積層形成したことを特徴とする加飾合成樹脂成形品。
- 透明性を有する合成樹脂製の基材(11)の裏面の所定領域に、平坦部(12)と、周辺に該平坦部(12)を残して彫刻状に形成された刻設凹部(13)により図柄を形成し、前記所定領域の、刻設凹部(13)を除いた平坦部(12)にオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜(30)を形成して第1の加飾層(21)とし、さらに前記基材(11)の裏面側に反射面を有する薄板状の加飾部材(25)を積重状に配設した加飾合成樹脂成形品。
- 加飾部材(25)を第1の加飾層(21)との間に隙間を形成した状態で積重状に配設した請求項5記載の加飾合成樹脂成形品。
- コンパクト容器の蓋体とした請求項1、2、3、4、5または6記載の加飾合成樹脂成形品。
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