JP5327509B2 - 加飾合成樹脂成形品 - Google Patents

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本発明は表面に凹凸状の図柄を形成して加飾した加飾合成樹脂成形品に関する。
化粧料用向けの製品分野では、パッケージングにより高級感や差別化したアイキャッチ効果を付与するための加飾方法が求められている。
このような加飾方法の一つとして、成形品の表面にホットスタンプ法を用いて箔膜を形成し、金属光沢を有する図案が立体的に現出するような視覚効果を付与する加飾方法がある。また厚肉印刷などにより成形品表面に文字や図柄などを浮かび上がらせ、容器を高級感のある外観に仕上げる加飾方法もある。
特開2001−058463号公報
しかしながら、従来のホットスタンプ法や厚肉印刷では、立体的な視覚効果が不十分である点や、高品位な質感と云う面でまだ不満足な点がある。
本発明は、成形品に形成された凹凸状の図柄を、より立体的で高品位な視覚効果で現出させることができる加飾のための構成を創出することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の加飾合成樹脂成形品に係る第1の主たる構成は、
化粧料用容器の蓋体である加飾合成樹脂成形品において、
透明性を有する合成樹脂製の基材の表面側と裏面側に、それぞれオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜の形成部と非形成部により凹凸状の第1の図柄と第2の図柄を形成し、
基材の裏面側の印刷塗膜の下側に反射面を配設し、
第1の図柄と第2の図柄を、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有するものとし、
基材の表面側に該第1の図柄と第2の図柄の光学的な干渉効果によるモアレ模様の現出が可能に構成する、と云うものである。
上記構成において、オンデマンド印刷機能を有する印刷機(以下、オンデマンド印刷機と記す。)とはインクジェット印刷機、昇華型印刷機、熱転写型印刷等の、予めコンピューターに記憶させたパターンに沿って被印刷物に印刷塗膜を形成することが可能な印刷機を指す。このような印刷機によれば、合成樹脂製の基材の表面側あるいは裏面側に高い精度で位置合わせをしながら所定位置に印刷塗膜を、繊細な形状を高品位に形成することができる。
また、印刷塗膜は単色は勿論のことフルカラーとすることもできる。
また、印刷版等の製作の必要もないので、加飾目的に応じて容易に多種多様のパターンに印刷塗膜を形成することができる。
なお、本発明の上記、あるいは以降に説明する構成中、膜、層の積層態様を規定するにあたって下側、上側等の用語を用いるが、成形品を基準としその表面側の方向を上側、裏面側の方向を下側とする。
そして、上記構成により基材の裏面側に、印刷塗膜の形成部と非形成部を含む領域の下側に配設した反射面により、光が反射され、透明性を有する基材の光学的効果が相俟って、裏面側の印刷塗膜の形成部と非形成部による凹凸状の第2の図柄を、反射面による金属光沢を付加して、彫深く、立体的に現出させることができる。
ここで、上記したオンデマンド印刷機では、高精度に複数回に亘って重ね印刷が可能であり、このような重ね印刷により印刷塗膜を肉厚することにより、さらに図柄を彫深く、立体的に現出させることもできる。
ここで、また、反射面は鏡面状に光を完全に反射させるものだけでなく、一部の光が透過する半反射性とすることもできる。また反射面は、所定領域全域に配設させることも、部分的に配設させることもできる。
そして、上記したしたように金属光沢を付加して、彫深く、立体的に現出される第2の図柄に、透明な基材を挟んで、オンデマンド印刷により形成される第1の図柄を重ねることにより、より複雑で高度な図柄を現出させることができる。
そして、前述したようにオンデマンド印刷により印刷塗膜を所定位置に繊細な形状に高品位に形成することができること、基材の裏面側に配設した反射面により光が反射され、透明性を有する基材の光学的効果が相俟って裏面側に形成される印刷塗膜の形成部と非形成部による凹凸状の第2図柄を、金属光沢を付加して、彫深く、立体的に現出させることができること、さらに透明な基材を挟んで、オンデマンド印刷により形成される第1の図柄を重ねること、が相俟って高品位で、立体的で、さらに複雑な、今までにない視覚効果を現出させることが可能となる。
本発明の他の構成は、上記第1の主たる構成に加えて、基材の裏面側において、少なくとも印刷塗膜の形成部を含む領域に透明加飾層を積層する、と云うものである。
上記構成により、基材の裏面側において少なくとも印刷塗膜の形成部に透明性加飾層を積層することより、すなわち、印刷塗膜と反射面との間に透明性加飾層を積層することにより、透明な基材と透明性加飾層の光学的な作用が相俟って、より立体的な視覚効果を現出させることが可能となる。
ここで、この透明性加飾層は印刷塗膜の形成部にだけに積層することもできるし、形成部と非形成部を含む全体に積層することもできる。
また、透明性加飾層を有色透明性とすることにより、凹凸状の図柄にさらに色合の変化を加味させることが可能となる。
本発明のさらに他の構成は、基材の裏面側において蒸着膜を積層して反射面とする、と云うものである。
上記構成は、反射面を蒸着膜で構成するものであり、蒸着膜は真空蒸着法により形成するが、印刷塗膜の形成部と非形成部による凹凸に沿って、反射面を積層させることができ、より高品位に凹凸感を現出させることが可能となる。
また、蒸着密度を小さくして、反射面を一部の光を透過する半反射性とすることもできる。
本発明のさらに他の構成は、反射性部材を積重して反射面を配設する、と云うものである。
上記構成で、反射性部材としては金属板片、金属薄膜片、表面に蒸着膜等の金属薄膜を形成した合成樹脂成形品等、さまざまな態様で準備することができる。
そしてこの反射性部材の基材の裏面側への積重態様は、基材の裏面側に積層されている印刷塗膜や透明性加飾層に密着させた態様に限定されず、隙間を形成した態様とすることもできる。
本発明の加飾合成樹脂成形品に係る第2の主たる構成は、
化粧料用容器の蓋体である加飾合成樹脂成形品において、
透明性を有する合成樹脂製の基材の表面側にオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜の形成部と非形成部により凹凸状の第1の図柄を形成し、
基材の裏面側に、平坦部と、周辺に平坦部を残して彫刻状に形成された刻設凹部を形成し、これら平坦部と刻設凹部により凹凸状の第2の図柄を形成し、
刻設凹部を除いた平坦部にオンデマンド印刷機能を有する印刷機により印刷塗膜を形成し、
第1の図柄と第2の図柄を、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有するものとし、基材の表面側にこれら第1の図柄と第2の図柄の光学的な干渉効果によるモアレ模様の現出が可能に構成する、
と云うものである。
上記第2の主たる構成は、前述した第1の主たる構成が透明な基材の裏面側で印刷塗膜により凹凸状の第2の図柄を形成するのに対して、透明な基材の裏面側に彫刻状に刻設凹部を形成し、平坦部と刻設凹部により凹凸状の第2の図柄を形成することに特徴がある。
そして、成形品の表面側から入射した光は、この刻設凹部の底面や側面の形状に沿って反射されるため、平坦部に印刷塗膜が積層されること、透明性を有する基材の光学的な効果が相俟って、第2の図柄を表面側に彫深く、立体的に現出させることができる。
このため、裏面側への反射面の配設は必ずしも必要ではない。勿論、裏面側に反射面を配設することにより反射光による視覚効果をより強調することもできる。
ここで、オンデマンド印刷機によれば、平坦部と刻設凹部により形成される彫刻様の図柄が細かくて精細な場合にも刻設凹部を除く平坦部だけに図柄に沿ってずれることなく高い精度で印刷塗膜を形成することができ、立体的な視覚効果を高品位に現出させることができる。
そして、上記表面側に彫深く、立体的に現出する第2の図柄に透明な基材を挟んで、オンデマンド印刷により形成される第1の図柄を重ねることにより、より複雑で高度な図柄を現出させることができ、全体として高品位で、立体的で、さらに複雑な、今までにない視覚効果を現出させることが可能となる。
本発明の加飾合成樹脂成形品に係る第3の主たる構成は、
化粧料用容器の蓋体である加飾合成樹脂成形品において、
透明性を有する合成樹脂製の基材の表面側にオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜の形成部と非形成部により凹凸状の第1の図柄を形成し、
基材の裏面側に、平坦部と、周辺に平坦部を残して彫刻状に形成された刻設凹部を形成し、これら平坦部と刻設凹部により凹凸状の第2の図柄を形成し、
刻設凹部を除いた平坦部にオンデマンド印刷機能を有する印刷機により印刷塗膜を形成し、
この平坦部に形成する印刷塗膜により第3の図柄を形成し、
第1の図柄と第3の図柄を、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有するものとし、基材の表面側にこれら第1の図柄と第3の図柄の光学的な干渉効果によるモアレ模様の現出が可能に構成する、
と云うものであり、さらにこの第3の図柄を重ねることにより、より高度で複雑な図柄を現出させることができる。
本発明のさらに他の構成は、上記第2の主たる構成に加えて、基材の裏面側において、印刷塗膜の下側に重ねて、平坦部と刻設凹部を含む領域に、平坦部と刻設凹部に係る凹凸形状に沿って塗膜と蒸着膜から選ばれる少なくとも一種の膜からなる付加加飾層を積層する、と云うものである。
上記構成によれば、裏面側において、印刷塗膜の下側に重ねて平坦部と刻設凹部に係る凹凸形状に沿って塗膜と蒸着膜から選ばれる少なくとも一種の膜からなる付加加飾層を積層することにより、加飾態様をさらに高度に、また多様に展開することが可能となる。
すなわち、平坦部と刻設凹部の色合い、着色濃度、金属光沢、表面性状に係る質感を変化させて、彫刻様の図柄に繊細に陰影を付与したり、金属光沢を微妙に変化させることが可能となり、透明な基材の光学的効果が相俟って、さらに図柄をより彫深く、より立体的に現出させることができると共に、色合い、着色濃度、金属光沢あるいは質感を繊細に変化させて高品位な加飾を実現することができる。
ここで、付加加飾層は塗膜と蒸着膜とから選ばれる少なくとも1種の膜からなるものであり、単一の膜で形成する他にも、たとえば透明な着色塗膜+蒸着膜というように複数の膜で形成することも選択でき、平坦部と刻設凹部の加飾の違いをさまざまな態様で設定することが可能となる。
また、印刷塗膜と付加加飾層を同色系の塗膜で形成して平坦部と刻設凹部の着色濃度を微妙に変化させることもできる。
本発明のさらに他の構成は、上記第2の主たる構成に加えて、基材の裏面側において、印刷塗膜の下側に重ねて反射性部材を積重して反射面を配設する、と云うものである。
上記構成によれば、基材の裏面側に積重状に配設した反射性部材の反射面からの反射光による光学的効果により、図柄をより立体的に、また複雑に現出させることができる。
ここで、前述した本発明の加飾合成樹脂成形品に係る第1、第2及び第3の主たる構成では、
第1の図柄(P1)と第2の図柄(P2) 若しくは第3の図柄(P3)を、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有するものとし、表面側に、これら第1の図柄(P1)と第2の図柄(P2) 若しくは第3の図柄(P3)の光学的な干渉効果によるモアレ模様の現出が可能に構成する、というものであり、モアレ模様により、より複雑で、さらに高度に動的な視覚効果を付与することができることができる。
ここで、規則的な繰り返しパターンとしては、線分を所定のピッチで並列したもの、正方格子状のもの、パンチメタル状にドットを一定の規則で配置したもの、同心円等様々な形態があり、また、これらの組み合わせによって発生するモアレ模様自体も規則性を有するパターンの一つである。
本発明のさらに他の構成は、上記第1、第2の主たる構成に加えて、基材の表面側の印刷塗膜の上側に、この印刷塗膜の形成部と非形成部を含む領域に透明な保護層を積層する、と云うものである。
上記構成により、透明な保護層を積層することにより、光学的な効果を損なうことなく、表面側の印刷塗膜の損傷を効果的に防止することができる。
また、この保護層により印刷塗膜の形成部と非形成部による凹凸をなくして、表面側の光沢を維持することができると共に、手で触れた際の感触をスムーズなものとすることができる。
本発明の加飾合成樹脂成形品は上記のような構成であり、以下に示す効果を奏する。
第1の主たる構成を有するものにあっては、基材の表面側と裏面側のそれぞれに印刷塗膜により、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有する第1の図柄と第2の図柄を形成するものであり、オンデマンド印刷により印刷塗膜を所定位置に繊細な形状に高品位に形成することができること、基材の裏面側に配設した反射面により光が反射され、透明性を有する基材の光学的効果が相俟って裏面側に形成される印刷塗膜の形成部と非形成部による凹凸状の第2の図柄を、金属光沢を付加して、彫深く、立体的に現出させることができること、さらに透明な基材を挟んで、オンデマンド印刷により形成される第1の図柄を重ねること、が相俟って高品位で、立体的で、さらに複雑な、今までにない視覚効果を現出させることができ、さらに第1の図柄と第2の図柄による光学的な干渉効果により動的な視覚効果も現出させることもできる。
第2の主たる構成を有するものにあっては、基材の表面側に印刷塗膜により、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有する第1の図柄を形成し、裏面側に彫刻状の刻設凹部により少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有する第2の図柄を形成するものであり、オンデマンド印刷により印刷塗膜を刻設凹部を除いた平坦部だけに図柄に沿ってずれることなく高い精度で形成することができること、透明性を有する基材の光学的な効果も相俟って、刻設凹部と平坦部により凹凸状に裏面側に形成される第2の図柄を彫深く、立体的に現出させることができること、また透明な基材を挟んで、オンデマンド印刷により形成される第1の図柄と第2の図柄さらには第3の図柄を重ねること、が相俟って高品位で、立体的で、さらに複雑な、今までにない視覚効果を現出させることができ、
さらに第1の図柄と第2の図柄あるいは第3の図柄による光学的な干渉効果により動的な視覚効果も現出させることもできる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1と図2は本発明の加飾合成樹脂成形品の一実施例である化粧料用容器1を示ものであり、図1は全体斜視図、図2は図1の化粧料用容器1の蓋体3を開いた状態の斜視図である。
この化粧料用容器1は合成樹脂成形品であり、容器本体2と蓋体3をヒンジ結合した構成である。蓋体3の基材11は透明な合成樹脂製である。
そして、表面側から見ると、図1に示されるように、透明な基材11を透して、モアレ模様の中に図案化した「ABC」の文字が浮かんでいるような3次元的な視覚効果が発揮されている。
ここで、蓋体3の基材11の表面側には波状に湾曲した線分を所定のピッチで並べて規則的な繰り返しパターンを有する第1の図柄P1が描かれ(図1参照)、裏面側には第1の図柄P1を若干回転させたような規則的な図柄P2mと、図案化した「ABC」の文字を表す図柄P2fからなる第2の図柄P2が描かれており(図1、2参照)、これら第1の図柄P1と図柄P2mを透明な基材11を挟んで、対向位置させることにより、モアレ模様を現出するようにしている。
図3は、図1中のA−A線に沿った蓋体3の縦断面図であり、この蓋体3では透明な基材11の表面側にはオンデマンド印刷機として代表的なインクジェット印刷機により印刷塗膜12u(12)を形成し、所定のピッチで規則的に並べた線分を描き、この印刷塗膜12uの形成部13u(13)と非形成部14u(14)により規則的な繰り返しパターンを有する第1の図柄P1を形成している。
また、印刷塗膜12uの上から透明な保護膜19でオーバーコートするようにしている。
なお、上記および以降の説明では、印刷層12、形成部13、非形成部14については、必要に応じて各符号にuとbの文字を付けて、表面側(u)にあるものと、裏面側(b)にあるものを区別する。
基材11の裏面側には、表面側と同様にインクジェット印刷機により印刷塗膜12bを形成し、この印刷塗膜12bの形成部13bと非形成部14bにより第2の図柄P2が形成されているが、この第2の図柄P2は、規則的な図柄P2mの中に、上記のように図案化した「ABC」の文字を表す図柄P2fを組合わせたものであり、図3中では印刷塗膜12bfが図柄P2fに、印刷塗膜12bmが規則的な図柄P2mを構成している。
そして、印刷塗膜12bの下側には、形成部13bと非形成部14bによる凹凸に沿って、真空蒸着によるアルミニウムの蒸着膜17を積層しており反射面としての機能を発揮する。
そして、蓋体3を表面側から見ると、図1に示されるように、印刷塗膜12bfの形成部13bと非形成部14bによる凹凸形状が、蒸着膜17による光の反射作用と透明な基材11の光学的な屈折効果が相俟って、より立体性が強調され、周囲に金属光沢が付加された状態で「ABC」の文字が、第1の図柄P1と図柄P2mによるモアレ模様の中に浮かんでいるような3次元的な視覚効果が発揮されている。この、モアレ模様は見る角度により大きく変化するので、動的な加飾効果を付与する。
また、第1の図柄P1と第2の図柄P2がオンデマンド印刷による印刷塗膜12により、繊細に高精度に形成されているので、「ABC」の文字とモアレ模様が高品位に現出されている。
次に、図4は本発明の加飾合成樹脂成形品の他の加飾態様を示す縦断面図であり、上記した実施例の加飾態様(図3の縦断面図参照)と類似的な加飾態様であるが、裏面側で印刷塗膜12bの下側に、この印刷塗膜12bの形成部13bと非形成部14bによる凹凸に沿って塗装により無色の透明性加飾層18を形成し、さらにその下側に蒸着膜17を積層していることが特徴である。
このように、透明性加飾層18を積層することにより、蒸着膜17による反射面が透明性加飾層18を介して印刷塗膜12bの形成部13bと非形成部14bに積層するので、透明な基材11とこの透明性加飾層18の光学的な作用が相俟って、印刷塗膜12bの形成部13bと非形成部14bによる凹凸状の図柄P2fをより立体的に現出させることができる。
また、透明性加飾層18を有色透明性とすることにより、凹凸状の図柄にさらに色合の変化を加味させることができる。
また、透明性加飾層18を半透明性として、柔らかな感じの視覚効果を現出させることができる。
次に、図5は本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図である。この例は図4に示される例に対して、基材11の裏面側に配設する反射面を蒸着膜17の替わりに、薄板状の反射性部材25を使用した点、そして透明性加飾層18を印刷塗膜12bだけに積層した点に特徴がある。
この反射性部材25は合成樹脂製のシート25aの片面に蒸着膜25bを積層して反射面としたものである。
反射性部材25としては、この他にも金属板片等を使用することもできる。
次に、図6は本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図であり、図3に示される例と比較すると、表面側の積層態様は同様であるが、裏面側に、平坦部21と、周辺にこの平坦部21を残して彫刻状に形成された刻設凹部22により第2の図柄P2を形成した透明な基材11を使用することが特徴的である。
そして、刻設凹部22を除く平坦部21にはオンデマンド印刷機による印刷塗膜23が形成され、さらにこの印刷塗膜23の下側に、平坦部21と刻設凹部22を含む領域に、この平坦部21と刻設凹部22による凹凸に沿って、蒸着膜による付加加飾層24が積層している。
ここで、平坦部21と刻設凹部22による凹凸状の第2の図柄P2は、規則的な繰り返しパターンを有する図柄P2m中に、図案化した文字等の図柄P2fを組合わせたものであり、図6中、刻設凹部22のうち、刻設凹部22mは規則的な繰り返しパターンを有する図柄P2mを、刻設凹部22fは図案化した文字等の図柄P2fを構成するものである。
そして、蒸着膜による付加加飾層24により周辺が金属光沢を有する中で、刻設凹部22fと平坦部21による凹凸状の図案化した文字等の図柄P2fが、透明な基材11の光学的な屈折効果が相俟ってより立体性が強調され、図柄P2mと表面側の第1の図柄P1によるモアレ模様の中に浮かんでいるような3次元的な視覚効果が発揮される。
この図6の加飾態様によれば、図3に示した例に比較して、図案を刻設凹部22fと平坦部21でより立体的に形成しているので、より立体的な視覚効果を現出させることができる。
ここで、印刷塗膜23はオンデマンド印刷機によるものであり、第2の図柄P2が繊細な場合にも刻設凹部22との境界に沿ってずれることなく、平坦部21だけに高い精度でこの印刷塗膜23を形成することができる。
次に図7は本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図であり、図6に示した平坦部21と刻設凹部22による凹凸に沿って、蒸着膜による付加加飾層24が積層したものと類似的な構成を有するものであるが、規則的な繰り返しパターンを有する刻設凹部22mの替わりに、平坦部21に積層する印刷塗膜23により規則的な繰り返しパターンを有する第3の図柄P3を形成し、表面側に形成される第1の図柄P1との間でモアレ模様を現出させるものであり、図6のように刻設凹部22mで規則的な繰り返しパターンを形成するのに比較してオンデマンド印刷により、より繊細なパターンを形成し、より高品位なモアレ模様を現出させることができる。
次に図8(a)は本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図であり、図7に示される加飾態様と類似的な構成を有するものであるが、
図7中の蒸着膜による付加加飾層24の替わりに、図5に示される反射性部材25により反射面を形成しているのが特徴的である。
この反射性部材25は合成樹脂製の透明なシート25aに蒸着膜25bを積層したものであり、この例では透明なシート25aを上側にして、この透明なシート25aの光学的な作用によりさらに平坦部21と刻設凹部22による第2の図柄P2をより立体的に現出するようにしている。
図8(b)の例は、反射性部材25を蒸着膜25bが上になるようにして、基材11との間に隙間26を形成した状態で積重した例である。
ここで、反射性部材25の構成あるいはその積重態様は上記実施例に限定されず、さまざまなバリエーションの中から選択することができる。
たとえば、反射性部材は金属板片、金属薄膜片、表面に真空蒸着やホットスタンプによる金属薄膜層を形成した合成樹脂成形品等、さまざまな態様で準備することができる。
以上、本発明の加飾合成樹脂成形品について、その実施の形態を実施例に沿って説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
たとえば、図柄は図1に示すような図案化した文字のようなものに限定されるものではなく、さまざまな形状の図案や、模様、絵柄とすることができる。
また、上記実施例では規則的なパターンを有する第1の図柄と、第2若しくは第3の図柄を組み合わせて、モアレ模様を現出するようにしたが、透明な基材を挟んで例えば通常の図柄を縦横に少しずらしたり、角度を少しずらして配置することによっても効果的に光学的な干渉効果を発揮させることもでき、さらには特に干渉効果がなくても、単に第1の図柄と、第2若しくは第3の図柄を組み合わせることによっても、今までにない加飾効果を得ることができる。
また成形品の基材は半透明性のものを使用することができるし、また、透明な基材を介した、モアレ模様や、図柄の立体化に係る機能を損なわない範囲で、基材や、印刷塗膜、透明性加飾層、付加加飾層等の色合いを選択することができ、さらに必要に応じて他の加飾層を積層することもできる。
以上説明したように、本発明の加飾合成樹脂成形品は立体的で高品位な質感を有する視覚効果に、光の干渉による動的な視覚効果を付与することもでき、今までにない加飾効果を有するものであり、化粧料用容器等の分野での幅広い展開が期待される。
本発明の加飾合成樹脂成形品の一実施例である化粧料用容器の斜視図である。 図1の化粧料用容器の蓋体を開いた状態の斜視図である。 図1中のA−A線に沿って示す蓋体の加飾態様を示す縦断面図である。 本発明の加飾合成樹脂成形品の他の加飾態様を示す縦断面図である。 本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図である。 本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図である。 本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の加飾合成樹脂成形品のさらに他の加飾態様を示す縦断面図である。
符号の説明
1 ;化粧料用容器
2 ;容器本体
3 ;蓋体
11;基材
12(12u、12b(12bf、12bm));印刷塗膜
13(13u、13b);(印刷塗膜の)形成部
14(14u、14b);(印刷塗膜の)非形成部
17;蒸着膜
18;透明性加飾層
19;保護層
21;平坦部
22(22f、22m);刻設凹部
23;印刷塗膜
24;付加加飾層
25;反射性部材
25a;シート
25b;蒸着膜
26;隙間
P1;第1の図柄
P2;第2の図柄
P2f、P2m;図柄
P3;第3の図柄

Claims (4)

  1. 透明性を有する合成樹脂製の基材(11)の表面側にオンデマンド印刷機能を有する印刷機による印刷塗膜(12)の形成部(13)と非形成部(14)により凹凸状の第1の図柄(P1)を形成し、
    前記基材(11)の裏面側に、平坦部(21)と、周辺に該平坦部(21)を残して彫刻状に形成された刻設凹部(22)を形成し、該平坦部(21)と刻設凹部(22)により凹凸状の第2の図柄(P2)を形成し、
    前記刻設凹部(22)を除いた平坦部(21)にオンデマンド印刷機能を有する印刷機により印刷塗膜(23)を形成し、
    前記第1の図柄(P1)と第2の図柄(P2)を、少なくとも部分的に規則的な繰り返しパターンを有するものとし、前記基材(11)の表面側に該第1の図柄(P1)と第2の図柄(P2)の光学的な干渉効果によるモアレ模様の現出が可能に構成したことを特徴とする化粧料用容器(1)の蓋体(3)である加飾合成樹脂成形品。
  2. 基材(11)の裏面側において、印刷塗膜(23)の下側に重ねて、平坦部(21)と刻設凹部(22)を含む領域に、該平坦部(21)と刻設凹部(22)に係る凹凸形状に沿って塗膜と蒸着膜から選ばれる少なくとも一種の膜からなる付加加飾層(24)を積層した請求項記載の加飾合成樹脂成形品。
  3. 基材(11)の裏面側において、印刷塗膜(23)の下側に重ねて反射性部材(25)を積重して反射面を配設した請求項1または2記載の加飾合成樹脂成形品。
  4. 基材(11)の表面側の印刷塗膜(12u)の上側の、該印刷塗膜(12u)の形成部(13u)と非形成部(14u)を含む領域に透明な保護層(19)を積層した請求項1、2または3記載の加飾合成樹脂成形品。
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