JP6048795B2 - 加飾積層体を有する容器 - Google Patents
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Description
たとえば特許文献1には、成形品の表面に、金属箔膜層による鏡面層/透明塗膜層/印刷層を形成し、鏡面層からの反射光により所定のパターンに形成した印刷層の周縁部を縁取りして、模様を立体的に現出することが記載されている。
透明な合成樹脂製の基板の裏面側に鏡面層を積層し、
表面側に所定のパターンで加飾層を積層し、
さらに加飾層を被覆するように光の透過の遮蔽が可能に遮蔽層を積層し、
基板の表面側を該表面に対して垂直方向から見ると、遮蔽層により加飾層による加飾効果の現出が不能に、
また垂直方向に対して斜め方向から見ると、遮蔽層の非積層領域から、鏡面層により形成される加飾層の虚像による加飾効果の現出が可能に構成した加飾積層体を有する、と云うものである。
特に、加飾層を被覆するように光の透過を遮蔽する遮蔽層を積層すると云う構成により、基板の表面に対して垂直方向から見た際には、遮蔽層により加飾層による加飾効果が見えないように、また垂直方向に対して斜め方向から見ると、遮蔽層の非積層領域から鏡面層により形成される加飾層の虚像による加飾効果が見えるようにすることが可能となる。
ここで、加飾層により現出する加飾効果は鏡面層により形成される加飾層の虚像によるものであり、この虚像は透明の基板の奥深く見え3次元的な視覚効果を高度に発揮させることが可能となる。
また、遮蔽層の端縁、すなわちエッジを加飾層の虚像で縁取りするような加飾態様とすることもでき、遮蔽層が透明な基板のなかで浮いたような視覚効果を発揮させることが可能となる。
なお、上記構成や以下の説明では積層体における各層の積層の順番や、積層の方向を明確にするために、便宜上「表面側」、「裏面側」と云う用語を使用している。
表面側は加飾効果が現出する側、裏面側はその反対側である。
従って、基板の厚さ、加飾層の種類と積層パターン、遮蔽層の種類と積層パターン、加飾層と遮蔽層の積層態様を組み合わせることにより、容器の加飾効果をさまざまな態様で現出させることが可能となる。
ここで、加飾層の端縁の位置を遮蔽層の端縁から内側に後退させると、その分、広い角度範囲で、加飾層による加飾効果を見えなくすることができ、加飾目的に合わせてその範囲を調整することができる。
さらに、加飾層の端縁の遮蔽層の端縁に対する位置は全周に沿って一定である必要はなく、加飾目的に応じて変化させることもできる。
上記構成に有るように、鏡面層と遮蔽層を形成する金属箔膜層の双方を、例えば金属蒸着層とすると云うように、同種の金属箔膜層で形成することにより、垂直方向から見た際に遮蔽層と鏡面層の境界が目立つことなく、基板全体に均一にメタリック調の光沢を付与した容器とすることが可能となる。
なお、上記構成で金属箔膜層が同種であるとは、金属箔膜層の材質、色合い、あるいは光沢性等が同種であること指し、これら性状をすべて同種にすることは勿論のこと、いずれかの性状を同種とすることも含まれる。
また、金属箔膜層は真空蒸着やスパッタリングにより直接積層することも可能であるが、真空蒸着やスパッタリング層を積層した転写フィルムを用意し、ホットスタンプにより積層することもできる。
また、本発明のさらに他の構成は、上記主たる構成において、加飾層をホログラム層とする、と云うものである。
印刷層の色合いにより加飾目的に応じてさまざまな加飾効果を発揮する容器とすることができ、さらには濃度や、色合いをグラデーション状に変化させてより高度な加飾効果を現出させることも可能である。
また、ホログラム層には表面に凹凸を形成してホログラム形成面とした透明なホログラムフィルムを用いることができ、ホログラム層と鏡面層との光学的な作用により虹色に煌くような、さらには浮かび上がるような視覚効果を現出させる容器とすることができる。
もちろん、加飾層の形成パターンは限定されるものではなく、加飾目的応じて文字、図案、絵柄等の模様を採用することができる。
また、基板の厚さ、印刷層やホログラム層等の加飾層の種類と積層パターン、金属箔膜層や印刷層等の遮蔽層の種類と積層パターン、加飾層と遮蔽層の積層態様を組み合わせることにより、加飾効果をさまざまな態様で現出させる容器とすることができる。
図1、図2、図3は本発明の加飾積層体を有する容器における加飾積層体の第1実施例を示すものであり、図1は平面図、図2は図1中のA−A線に沿って示す断面図、図3は前方左側斜め上方から見た斜視図である。
この加飾積層体は図2に示されるように、表面側から裏面側にかけて、遮蔽層4/加飾層3/基板1/鏡面層2、と云う積層構造を有する。
また、基板1の裏面側の全面にホットスタンプにより真空蒸着による金属箔膜層2mを積層し鏡面層2としている。
また、着色した印刷層3aを加飾層3とし、鏡面層2に使用したものと色合い、材質、あるいは光沢等が同種の金属箔膜層4mを遮蔽層4としているが、これら印刷層3aと金属箔膜層4mを予め積層した転写フィルムを用意しておいて、ホットスタンプにより基板1の表面側に積層したものである。
ここで、図1に示されるように、加飾層3と遮蔽層4は共に矩形帯状で、加飾層3の端縁3eは遮蔽層4の端縁4eの内側に全周に亘って後退した構成としており、後退距離daは全周に亘って0.5mmとしている。
なお、図1では遮蔽層4を矩形状に明確に描いているが、実際には鏡面層2と遮蔽層4は共に真空蒸着による同種の金属箔膜層2m、金属箔膜層4mであり、鏡面層2と遮蔽層4の境界が目立つことなく、基板1全体に均一にメタリック調の光沢が現出する。
図4(a)は見る方向Vpを、垂直方向からどの程度の角度にすると加飾層3の虚像3vの端縁3eが見え始めるかを説明するためのものであり、基板1の厚さをtmm、加飾層3の端縁3eの遮蔽層4の端縁4eからの後退距離をdaとすると、加飾層3の虚像3vの端縁3eが見え始める角度Ana(°)は次の(1)式により算出することができる。
・tan(Ana)=da/2t・・・(1)式
上記説明した第1実施例ではtは3mm、daは0.5mmで、角度Anaは4.8°であり、4.8°までは加飾層3の虚像3vは見えないが、4.8°でその端縁3eが見え始め、さらに見える範囲が広がっていくことが予測される。
そして、基板1の厚さを薄くすること、後退距離daを大きくすることにより加飾層3の虚像3vが見えない角度範囲を大きくすることができる。
因みに、後退距離daを0とした場合、すなわち加飾層3の端縁3eと遮蔽層4の端縁4eを一致させた場合には、当然ではあるが、垂直方向から少しでも傾くと加飾層3の虚像3vの端縁3eが現出する。
・tan(Anb)=(da+db)/2t・・・(2)式
上記説明した第1実施例で、角度Anbを30°とした場合のdbを算出すると、虚像3vの端縁3eから3mm程度の範囲が見えことが予測される。
積層構造は図2に示す積層構造と基本的には同一で、透明な基板1の裏面側に金属箔膜層2mからなる鏡面層2を積層し、表面側に印刷層3aからなる加飾層3(図5中黒塗りで示している。)を積層し、この加飾層3を被覆するように金属箔膜層4mからなる遮蔽層4を積層したものである。
図5(a)に9本の横長矩形状の遮蔽層4が、この遮蔽層4である非積層領域Nにより所定の隙間Sをあけて並列状に横方向に延設されており、
一方、加飾層3の積層パターンは、図5(b)中、黒く塗って示されるように波状に湾曲した縞模様を、上記隙間Sに相当する部分で分断したものである。
この加飾積層体の積層構造は図8に示すが、基本的には図2示す積層構造を有するが、本実施例では加飾層3として、表面に凹凸を形成してホログラム形成面としたホログラムフィルムによるホログラム層3hを波状に湾曲した縞模様のパターンに積層し、このパターンに沿うように遮蔽層4として着色した印刷層4a(図7中では黒く塗り潰して示している。)積層している。
なお、この場合も、ホログラム層3hと印刷層4aはホログラム層3hと印刷層4aを予め積層した転写フィルムを用意しておいて、ホットスタンプにより基板1の表面側に積層している。
そして、図9のように、前方、斜め上方から見ると、図中、黒く塗り潰して示される遮蔽層4の縞模様の間の非積層領域Nを介して、この黒く塗り潰して示される遮蔽層4の縞模様に沿った灰色で塗り潰して示される縞模様の領域でホログラム層3hと鏡面層2による光学的な干渉効果により、虹色に煌くような、さらには浮かび上がるような視覚効果が現出される。
基板の厚さ、加飾層の種類と積層パターン、遮蔽層の種類と積層パターン、加飾層と遮蔽層の積層態様を組み合わせることにより、加飾効果をさまざまな態様で現出させる容器とすることができる。
2 ;鏡面層
2m;金属箔膜層
3 ;加飾層
3e;(加飾層の)端縁
3v;(加飾層の)虚像
3a;印刷層
3h;ホログラム層
4 ;遮蔽層
4e(遮蔽層の)端縁
4a;印刷層
4m;金属箔膜層
da;後退距離
N ;(遮蔽層の)非積層領域
L ;光線
S ;隙間
Vp;見る方向
Claims (8)
- 透明な合成樹脂製の基板(1)の裏面側に鏡面層(2)を積層し、表面側に所定のパターンで加飾層(3)を積層し、さらに前記加飾層(3)を被覆するように光の透過の遮蔽が可能に遮蔽層(4)を積層し、前記基板(1)の表面側を該表面に対して垂直方向から見ると、前記遮蔽層(4)により加飾層(3)による加飾効果の現出が不能に、また垂直方向に対して斜め方向から見ると、前記遮蔽層(4)の非積層領域(N)から、鏡面層(2)により形成される加飾層(3)の虚像(3v)による加飾効果の現出が可能に構成した加飾積層体を有する容器。
- 加飾層(3)と遮蔽層(4)の積層態様を、加飾層(3)の端縁(3e)が遮蔽層(4)の端縁(4e)以内に位置する構成とした請求項1記載の加飾積層体を有する容器。
- 遮蔽層(4)を金属箔膜層(4m)とした請求項1または2記載の加飾積層体を有する容器。
- 鏡面層(2)を遮蔽層(4)に使用する金属箔膜層(4m)と同種のものとした請求項3記載の加飾積層体を有する容器。
- 遮蔽層(4)を印刷層(4a)とした請求項1または2記載の加飾積層体を有する容器。
- 加飾層(3)を印刷層(3a)とした請求項1、2、3、4または5記載の加飾積層体を有する容器。
- 加飾層(3)をホログラム層(3h)とした請求項1、2、3、4または5記載の加飾積層体を有する容器。
- 加飾層(3)の積層パターンを縞模様とした請求項1、2、3、4、5、6または7記載の加飾積層体を有する容器。
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