JP4647477B2 - 両面装飾体用の印刷物、その製造方法、及び両面装飾体 - Google Patents
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Description
また、基本的に両面印刷であるから、結局のところ、2枚の印刷物を背中合わせに貼り合わせたものに対し、基材が一枚でよく、貼り合わせが必要でない程度の利点があるに過ぎず、コスト面、製造面での改良の余地があった。
この手法は、フィルム等の基材の表面側に印刷を施す通常の表印刷に対し、透明なフィルムの裏面側に印刷を施して表面側から見るものである。即ち表印刷では、印刷面が表面に位置するため、摩擦に弱く、透明クリアなどをオーバーコートする必要があるが、裏印刷では、透明フィルムが表面に位置するため、摩擦に強く、オーバーコートも必要としないという利点がある。
しかし、表印刷でも裏印刷でも、基本的に一方のみから見ることを想定して作成されるものであって、表裏両面から見ることは想定されていない。
仮に表裏両面から見ることを想定した場合には、多色印刷の各色毎に割り付け部分を分割して色の重なりが生じないようにする必要があり、各色の印刷に用いる版の作成が極めて面倒になるという問題があった。
特に金属光沢層を蒸着フィルムのラミネートにより形成した場合には、表面側からばかりでなく裏面側からの摩擦にも強いものとなる。
そのため、この印刷物をクリアーファイル、ポスター、下敷き等に適用することより、両面から異なる装飾性を持ったものとして利用することができる。
また、この多色印刷における各印刷層の厚みは0.5〜3μmであることが望ましい。この範囲より薄いと、形成される微細な段差(凹凸)も小さすぎ、後述する金属光沢層を形成した場合に、微細な凹凸が反映されにくく、この範囲より厚くてもそれ以上の効果はない。
さらに、理論的には、表面側から後述する金属光沢層が見えなくてもよいが、表面側から見た場合に、背景でもデザインでもよいが、部分的に金属光沢層が見えるようなデザインとすることが望ましい。
蒸着する金属粉の種類等を特に限定するものではなく、通常の手法でも数十〜数百Åの極めて薄肉の蒸着層が形成されるため、多色印刷の裏面の微細な凹凸に沿って金属粒子が蒸着される。スパッタリングでもほぼ同様である。
インキバインダーに分散する金属粉の種類等を限定するものではなく、この金属粉を分散させた金属インキを多色印刷の裏面に直接的に印刷する際には、レベリング作用が生じないように、薄肉の印刷層を形成する。
予め用意する蒸着フィルムは、透明なプラスチックフィルムの片面に蒸着が施されているものであって、この蒸着面を多色印刷の裏面にラミネートする。
このように金属光沢層を部分的に設けるようにした場合には、金属光沢層を形成していない部分では当然のことながら裏面からも多色印刷の図柄を見ることができる。
0.2mm厚みの光透過性のPPシートの裏面に、UVインキ層が2μmになる多色印刷を施し、その上に、全面に500Åの厚みの金属蒸着層を持ったPETフィルムを、多色印刷と金属光沢層とが接するようにラミネートした。
POP材として、ガラス内面に貼り付けて用いたところ、表面側から見ると、絵柄にメタリック調の背景が形成された装飾となり、裏面側から見ると、メタリック調のベタ地の中に、微細な凹凸が浮かび上がった装飾となった。
前記実施例1と同じ印刷を施し、一部に500Åの厚みの金属蒸着層を持ったPETフィルムを、多色印刷と金属光沢層とが接するようにラミネートし、更に蒸着フィルムに多色印刷を行った。
POP材として、ガラス内面に貼り付けて用いたところ、表面側から見ると、絵柄にメタリック調の背景が形成された装飾となり、裏面側から見ると、メタリック調の背景が表面側よりも広く取られてその中に微細な凹凸が浮かび上がり、表面側で見た絵柄の一部が見える装飾となった。
0.5mm厚みの透明PETシートの裏面に、UVインキ層が2.5μmになる多色印刷を施し、1μmの厚みの金属インキでの印刷を部分的に施した。
回転用看板として用いたところ、一面側から見ると、図柄にメタリック調の背景が形成された装飾となり、他面側から見ると、メタリック調のベタ地の中に、微細な凹凸が浮かび上がった装飾となった。
0.25mm厚みの透明PETシートの裏面に、2μm厚みのUV多色印刷を施し、その上に、一部に500Åの厚みの金属光沢層を持った厚み16μmのPETフィルムを、接着剤を用いて貼り合せ、その上に、0.25mmの厚みのPETシートを更に貼り合せた。
下敷きとして用いたところ、一面側から見ると、絵柄にメタリック調の背景が形成された装飾となり、裏面側から見ると、メタリック調の背景が表面側よりも広く取られてその中に微細な凹凸が浮かび上がった装飾となった。
0.2mm厚みの光透過性のPPシートの裏面に、UVインキ層が2μmになる多色印刷を施し、一部にマスキングを施し、400Åの厚みの金属蒸着層を形成した。
POP材として、ガラス内面に貼り付けて用いたところ、表面側から見ると、絵柄にメタリック調の背景が形成された装飾となり、裏面側から見ると、メタリック調の背景が表面側よりも広く取られてその中に微細な凹凸が浮かび上がり、表面側で見た絵柄の一部が見える装飾となった。
0.2mm厚みの光透過性のPPシートの裏面に、UVインキ層が2μmになる多色印刷を施し、一部にマスキングを施し、450Åの厚みのスパッタリング層を形成した。
POP材として、ガラス内面に貼り付けて用いたところ、表面側から見ると、絵柄にメタリック調の背景が形成された装飾となり、裏面側から見ると、メタリック調の背景が表面側よりも広く取られてその中に微細な凹凸が浮かび上がり、表面側で見た絵柄の一部が見える装飾となった。
前記実施例1と同様の多色印刷を施し、金属蒸着層を持たないPETフィルムを貼り合せた。
POP材としては、印刷インキ層の光透過性のために、絵柄がハッキリしない状態となり、不具合となるため、室内用ポスターとして用いる他はなかった。
Claims (5)
- 透明なプラスチックフィルムの片面に、多色印刷を施し、更にその印刷面に、蒸着、スパッタリング、金属インキでの印刷、或いは蒸着フィルムのラミネートにより、金属光沢層を積層させてなり、表面側から見た場合には多色印刷による絵柄の背景に金属光沢が形成された装飾が得られ、裏面側から見た場合には多色印刷の段差が金属光沢層に反映された装飾が得られることを特徴とする両面装飾体用の印刷物。
- 多色印刷を構成する各印刷層の厚みは0.5〜3μmであることを特徴とする請求項1に記載の両面装飾体用の印刷物。
- 金属光沢層の厚みは300〜1000Åであることを特徴とする請求項1又は2に記載の両面装飾体用の印刷物。
- 透明なプラスチックフィルムの片面に、多色印刷を施し、更にその印刷面に、蒸着、スパッタリング、金属インキでの印刷、或いは蒸着フィルムのラミネートにより、金属光沢層を積層させ、表面側から見た場合には多色印刷による絵柄の背景に金属光沢が形成された装飾が得られ、裏面側から見た場合には多色印刷の段差が金属光沢層に反映された装飾が得られることを特徴とする両面装飾体用の印刷物の製造方法。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の両面装飾体用の印刷物を、透明基材の内側に貼り付けてなることを特徴とする両面装飾体。
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