JP2020082732A - 透かし形成方法及びその方法を使用した包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に無かった透かし絵柄を形成した包装箱とする。【解決手段】前板、後板、両側板、蓋板、底板、フラップ及びフラップ片から成る四角状包装箱である。前板等の基材10表面に絵柄aを印刷し、その表面にアルミ蒸着フィルム11又は金属箔21を貼着(転写)し、その表面に絵柄cを印刷し、さらに表面コートを行う。印刷層、糊層12、蒸着フィルム11又は金属箔21の各厚みは数μ程度であるから、印刷絵柄aの上に貼着されたフィルム11又は金属箔21は、他の部分に対して数μ程度盛り上がり、その盛り上がりは、全体の層厚に対し、極めて低く、人がその盛り上がりの凹凸に反射光を感じることは大変難しく、印刷面を斜めに見る等をしない限り、その凹凸絵柄aを確認し得ない。【選択図】図5
Description
この発明は、透かしの形成方法及びその方法によって表面に透かし絵柄を施した包装箱に関するものである。
紙製四角状包装箱の一例を、この発明の一実施形態を示す図1、図2を参照して説明すると、前板1、後板3、両側板2、2、底板5、蓋板4によるものが一般的である。
このような包装箱の表面には、包装した商品名などのロゴ(ロゴタイプ:logotype)等が記される。このとき、高級品においては、透かしを入れて、模造品と真性品との区別ができるようにしている。
その透かしを入れる従来技術の一例として、箱本体をなす各板(紙基材)の表面にプレス加工によって凹凸を形成し、その板の表面に印刷を施すことによって前記凹凸を浮かび上がらせるものがある(特許文献1参照)。
このような包装箱の表面には、包装した商品名などのロゴ(ロゴタイプ:logotype)等が記される。このとき、高級品においては、透かしを入れて、模造品と真性品との区別ができるようにしている。
その透かしを入れる従来技術の一例として、箱本体をなす各板(紙基材)の表面にプレス加工によって凹凸を形成し、その板の表面に印刷を施すことによって前記凹凸を浮かび上がらせるものがある(特許文献1参照)。
上記従来の透かし形成は、プレス加工用のプレス型が必要であり、多くの種類の透かし絵柄に対応するには、その各絵柄のプレス型が必要であり、コスト高となっている。
一方、印刷は種々の絵柄で微細な凹凸を表現することが比較的容易であり、そのコストも安いものとし得る。
一方、印刷は種々の絵柄で微細な凹凸を表現することが比較的容易であり、そのコストも安いものとし得る。
この発明は、以上の実状の下、プレス加工以外の他の手段により透かし絵柄を得ることを課題とする。
上記課題を達成するため、この発明は、紙等の基材表面に絵柄を印刷し、その印刷した表面に金属蒸着フィルムを貼着したり、金属箔を転写したりして、前記絵柄の印刷層の段差により前記金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に前記絵柄の印刷層の厚みが浮き上がる透かし形成方法を採用したのである。
絵柄の印刷層の厚み及び金属蒸着フィルム又は金属箔の遮光性から、金属蒸着フィルム又は金属箔の下にある絵柄は視覚によって殆ど確認することができないが、絵柄の凹凸は見る角度によっては確認できる。
このため、この方法による印刷物、例えば包装箱は、金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に絵柄の印刷層の厚みが浮き上がるため、その金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に従来に無かった透かし絵柄を有する斬新なものとなる。
絵柄の印刷層の厚み及び金属蒸着フィルム又は金属箔の遮光性から、金属蒸着フィルム又は金属箔の下にある絵柄は視覚によって殆ど確認することができないが、絵柄の凹凸は見る角度によっては確認できる。
このため、この方法による印刷物、例えば包装箱は、金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に絵柄の印刷層の厚みが浮き上がるため、その金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に従来に無かった透かし絵柄を有する斬新なものとなる。
ここで、蒸着とはアルミニウム、銅などの金属を高真空中で加熱・蒸発させその蒸気を冷却されたフィルム、紙などの基材表面に凝結結晶させ、薄膜を形成する技術を言い、その蒸着膜は薄く、フレキシブル性があり耐屈曲性に優れているとともに、高輝性、高反射性があり、水蒸気、酸素などのガスおよび光線の遮断性(遮光 遮湿 耐水機能)がある。
このように、蒸着は、加熱・蒸発させるため、その加熱させた蒸気が印刷面に直接に当たると、その印刷面が侵される。このため、この発明にあっては、印刷面に蒸着するのではなく、金属蒸着フィルムを印刷面に貼着することとしたのである。
このように、蒸着は、加熱・蒸発させるため、その加熱させた蒸気が印刷面に直接に当たると、その印刷面が侵される。このため、この発明にあっては、印刷面に蒸着するのではなく、金属蒸着フィルムを印刷面に貼着することとしたのである。
また、金属箔は、展延性のよい金属を薄く打ちのばしたものであって、金箔、アルミニウム箔、銀箔、スズ箔、アルミ金箔(アルミニウム青銅の箔)、白金箔等があり、その厚さが0.2ミリメートル以下で数ミクロン程度であって、上記蒸着膜と同様に、その転写金属箔(膜)は薄く、フレキシブル性があり耐屈曲性に優れているとともに、高輝性、高反射性があり、水蒸気、酸素などのガスおよび光線の遮断性(遮光・遮湿・耐水機能)がある。
その金属箔の転写シートは、フィルム、紙などの基材表面にそれらの金属を凝結結晶させて薄膜を形成し、その薄膜の表面に接着層を設け、その接着層を被転写物(製品)側にして薄膜(金属箔)を熱押圧(ホットスタンプ)等することによって被転写物に前記金属箔を転写する。
その金属箔の転写シートは、フィルム、紙などの基材表面にそれらの金属を凝結結晶させて薄膜を形成し、その薄膜の表面に接着層を設け、その接着層を被転写物(製品)側にして薄膜(金属箔)を熱押圧(ホットスタンプ)等することによって被転写物に前記金属箔を転写する。
印刷は、インキ度数等の調整によって層厚の調整が容易であるが、その印刷層の厚みは、一般的には、1〜3ミクロン(μ、μm:マイクロメートル)程度であって、糊層:10〜15μ、金属蒸着フィルム:12μ程度、金属箔:数ミクロン程度であるから、印刷絵柄の上に貼着された金属蒸着フルム又は金属箔は、他の部分に対して1〜3μ程度盛り上がり、その盛り上がりは、全体の層厚に対し、例えば、(1〜3)/(22〜27)≒0.037〜0.136となり、極めて低いものとなる。
一方、人が確認できる可視光線の波長は400μm〜700μmであり、その盛り上がりの凹凸における反射光を感じることは大変難しい。このため、印刷面を斜めに見る等をしない限り、その盛り上がった凹凸絵柄を確認し得ない。また、触覚によっては感じ得ないものである。このため、金属蒸着フィルム表面又は金属箔の上記印刷絵柄による盛り上がり部分は、透かし部分として有効となる。
また、印刷によって微細な凹凸用絵柄を形成し得るため、その微細な絵柄の形成が容易で、コスト的に有利なものとなる。
さらに、印刷にマットインキを使用すれば、その印刷表面が粗面となり、その粗面が金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に現れる。このため、趣の変わった(高級感がでた)絵柄となる。このマットインキによる凹凸は延性の高い金属箔の場合に顕著にでる。
さらに、印刷にマットインキを使用すれば、その印刷表面が粗面となり、その粗面が金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に現れる。このため、趣の変わった(高級感がでた)絵柄となる。このマットインキによる凹凸は延性の高い金属箔の場合に顕著にでる。
上記金属蒸着フィルムには、アルミ(Al)蒸着フィルムが一般的であるが、銅(Cu)蒸着フィルムや錫(Sn)蒸着フィルム等の蒸着し得る金属の蒸着フィルムであれば、何れでも良い。
上記絵柄には、模様、ロゴ、文字等の視覚によって認識し得るものの全てを含む。ロゴは、図案化や装飾化された文字、文字列等を言い、主に、会社等の団体名や商号、商品名、書名などを表示する場合に使用される。
上記絵柄には、模様、ロゴ、文字等の視覚によって認識し得るものの全てを含む。ロゴは、図案化や装飾化された文字、文字列等を言い、主に、会社等の団体名や商号、商品名、書名などを表示する場合に使用される。
上記金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に絵柄を印刷したり、さらにその印刷した金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に表面コートを施したりすることができる。
金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に絵柄を印刷すれば、商品価値が向上し、表面コートを施せば、光沢などが得られるとともに、耐傷性等を向上させることができる。
金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に絵柄を印刷すれば、商品価値が向上し、表面コートを施せば、光沢などが得られるとともに、耐傷性等を向上させることができる。
これらの印刷による透かしの形成方法は、種々の基材に採用できるが、例えば、紙製包装箱本体の表面に絵柄を印刷し、その印刷した表面に金属蒸着フィルムを貼着し、又は金属箔を転写した包装箱としたり、さらにその包装箱において、金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に絵柄を印刷したり、さらにその印刷した金属蒸着フィルム又は金属箔の表面に表面コートを施したりした構成を採用できる。
この発明は、以上のように構成し、印刷によって透かし用凹凸絵柄を形成することとしたので、従来に無かった透かし構造とすることができる上に、その透かし構造の作成のコストダウンを図ることができる。
また、視覚によって絵柄が確認可能であるので、転売された場合、その転売品を確認できる。
また、視覚によって絵柄が確認可能であるので、転売された場合、その転売品を確認できる。
この発明に係わる包装箱の一実施形態を図1〜図3に示し、この包装箱Pは、図2に示すボール紙製ブランクから形成される。
このブランクは、前板1、後板3、両側板2、2を折り目線rを介して連接し(連設し)、その後板3の上下縁に折り目線rを介して蓋板4、底板5をそれぞれ連接し、側板2、2の上下縁に折り目線rを介してフラップ6、6、7、7をそれぞれ連接し、蓋板4と底板5に折り目線rを介してそれぞれフラップ片8、9を連接している。
このブランクは、前板1、後板3、両側板2、2を折り目線rを介して連接し(連設し)、その後板3の上下縁に折り目線rを介して蓋板4、底板5をそれぞれ連接し、側板2、2の上下縁に折り目線rを介してフラップ6、6、7、7をそれぞれ連接し、蓋板4と底板5に折り目線rを介してそれぞれフラップ片8、9を連接している。
このブランクの前板1、後板3、両側板2、蓋板4、底板5、フラップ6、7、フラップ片8、9(以下、これらを総称して基材10という。)の表面(包装箱に組み立てた際の表(おもて)面)に、透かし絵柄aを形成したことが、この発明の特徴である。
絵柄aは、図示は「A」、「B」、「C」・・としているが、会社名、商品名、意味をなさない文字等のロゴ、花柄、風景等の模様などの絵柄といえるものなら何れでも良い。
また、絵柄aの大きさ、線の太さ等は、隠し(透かし)として十分に小さいものを実験などによって適宜に選定する。マイクロ図柄(絵柄)aも採用し得る。そのとき、図示のように、絵柄aの大きさや太さを変化させて印刷して、下記の透かし度合いを確認・調整して絵柄aの大きさ等を設定することができる。
絵柄aは、図示は「A」、「B」、「C」・・としているが、会社名、商品名、意味をなさない文字等のロゴ、花柄、風景等の模様などの絵柄といえるものなら何れでも良い。
また、絵柄aの大きさ、線の太さ等は、隠し(透かし)として十分に小さいものを実験などによって適宜に選定する。マイクロ図柄(絵柄)aも採用し得る。そのとき、図示のように、絵柄aの大きさや太さを変化させて印刷して、下記の透かし度合いを確認・調整して絵柄aの大きさ等を設定することができる。
この絵柄aは、この実施形態においては、基材10の表面にオフセット印刷によって形成したが、スクリーン印刷などの他の種々の印刷方法を採用できる。基材10は厚み:0.35mmのボール紙を使用したが、その材質及び紙厚は任意である。印刷インキには、一般的な顔料インキのみならず、他の、例えば、マットインキを採用すれば、下記の作用効果を得ることができる。
この印刷した絵柄a(印刷層)の厚みは、インキ度数によって決定され、一般的には、インキ度数:1についてその印刷層厚は1μ(μm)程度である。このため、下記盛り上がり(透かし度合い、シャープ度合)を考慮して、実験などによって適宜に決定すれば良いが、この実施形態においては、絵柄aの印刷層厚:1〜3μとした。シャープ度合はインキ度数を上げれば高い度合を得られるが、マットインキであると、そのシャープ度合を容易に得ることができる。マットインキにはUVマットインキを使用できる。
因みに、顔料を含むインキであると、シャープ感が出にくい。また、顔料インキを重ね塗りし、その上にUVマットインキで重ね印刷することもできる。
因みに、顔料を含むインキであると、シャープ感が出にくい。また、顔料インキを重ね塗りし、その上にUVマットインキで重ね印刷することもできる。
各フラップ5、6には、隠し文字bを印刷する。その文字bはブラックライトで光る物などを採用し、景品の応募番号などとしたり、偽造防止用としたりし得る。
その絵柄aを形成した基材10の上に、糊層12を介してアルミ蒸着フィルム11をそのベースフィルム11aを絵柄a側にして貼着し、その蒸着層11bの上に、さらに、オフセット印刷等によって絵柄cを印刷し(形成し)、その絵柄cの表面に樹脂をコーティングした。この樹脂コーティングした表面コート(層)13は、耐傷性と光沢性等を付与する。支障がなければ、アルミ蒸着フィルム11をその蒸着層11b側を絵柄a側にして貼着することもできる。この場合、ベースフィルム11aが表面コート13の役目を果たす。
絵柄cは、通常の上記インキを使用することができるが、ルミニスト(インキ)を使用することができる。このルミニストは、透明性の高いインキ、又は塗料でありながら、基材10(アルミ蒸着フィルム11)に印刷、塗装、コーティングすることより、光の入射光側からは不透明性のパステルカラーに見え、反射光側からはその透明性ゆえにその基材10の色に見えるものであり、いわゆる不透明性と透明性を同時に持ち合わせているため、従来のメタリックカラーには無い深みのある色彩を演出することができる。さらに反射光側から見る色は、色が変化して見え、質感のある独特の色彩感覚を表現できる。有機顔料と組み合わせることにより、プロセスカラーのように色の創作が無限に可能で、デザイン性の高い色彩である。
この実施形態においては、糊層12の厚みは10〜15μ、アルミ蒸着フィルム11のベースフィルム11aはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであって、その厚み:12μ、蒸着層11bの厚み:450Å(オングストローム:0.045μ)、絵柄a、b、cの印刷層の厚み:1〜3μ、表面コート層13の厚み:3〜4μとした。
この実施形態の包装箱Pは、上記印刷a、b、c等を施したブランクを、まず、前板1に対し、側板2、後板3及び側板2をそれぞれ折り目線rを介して谷折りし、その前板1の糊片1aを側板2の側縁裏面に貼着して四角枠状とする。このとき、後板3下縁の突片3aが底板5に対して切り起こされる。
その後、底側のフラップ7、7を内側に折り曲げ、その上に底板5を被せてフラップ片9をフラップ7の側縁と前板1の裏面の間に差し入れて、有底の四角状箱本体とする。
その箱本体に商品を収納した後、蓋側のフラップ6、6を内側に折り曲げ、その上に蓋板4を被せてフラップ片8をフラップ6の側縁と前板1の裏面の間に差し入れて(図1矢印参照)、商品を収納した包装箱Pとする。この包装箱Pを図1に示すように縦置きした際、後板3下縁から突出した突片3aによってスタンディング状態が安定する。
その後、底側のフラップ7、7を内側に折り曲げ、その上に底板5を被せてフラップ片9をフラップ7の側縁と前板1の裏面の間に差し入れて、有底の四角状箱本体とする。
その箱本体に商品を収納した後、蓋側のフラップ6、6を内側に折り曲げ、その上に蓋板4を被せてフラップ片8をフラップ6の側縁と前板1の裏面の間に差し入れて(図1矢印参照)、商品を収納した包装箱Pとする。この包装箱Pを図1に示すように縦置きした際、後板3下縁から突出した突片3aによってスタンディング状態が安定する。
この包装箱Pは、箱表面(表面コート層13の表面)に絵柄c(図1、図2に実線表示)が記されてその表示内容を確認できる。
一方、アルミ蒸着フィルム11の下側の絵柄a(図1、図2に破線表示)の厚みは、1〜3μ程度であって、糊層の厚み:10〜15μ、蒸着フィルムの厚み:12μ程度であるから、印刷絵柄aの上に貼着されたアルミ蒸着フィルム11等は、他の部分に対して1〜3μ程度盛り上がり、その盛り上がりは、全体の層厚に対し、極めて低いものとなる(図3参照)。
このため、人が確認できる可視光線の波長は400μm〜700μmであることから、その盛り上がりの凹凸に反射光を感じることは大変難しく、印刷面を斜めに見る等をしない限り、その凹凸絵柄aを確認し得ない。また、触覚によっては感じ得ないものである。このため、包装箱表面の印刷絵柄aによって盛り上がる部分は、透かし部分として有効となる。
一方、アルミ蒸着フィルム11の下側の絵柄a(図1、図2に破線表示)の厚みは、1〜3μ程度であって、糊層の厚み:10〜15μ、蒸着フィルムの厚み:12μ程度であるから、印刷絵柄aの上に貼着されたアルミ蒸着フィルム11等は、他の部分に対して1〜3μ程度盛り上がり、その盛り上がりは、全体の層厚に対し、極めて低いものとなる(図3参照)。
このため、人が確認できる可視光線の波長は400μm〜700μmであることから、その盛り上がりの凹凸に反射光を感じることは大変難しく、印刷面を斜めに見る等をしない限り、その凹凸絵柄aを確認し得ない。また、触覚によっては感じ得ないものである。このため、包装箱表面の印刷絵柄aによって盛り上がる部分は、透かし部分として有効となる。
このように、この実施形態においては、絵柄aはアルミ蒸着フィルム11によって隠蔽されて明確に確認することはできず、糊層12、アルミ蒸着フィルム11、絵柄c、表面コート層13が施されても、表面コート層13には絵柄aによる1〜3μの凹凸がかすかに確認できるだけである。
また、絵柄bを設けた部分(図2の鎖線で囲んだ部分)は、アルミ蒸着フィルム11を剥がすことによってその絵柄bを確認できる。その絵柄bが当選番号等であれば、その当確等を確認できる。絵柄bはブラックライトで発光するインキでも、自然光によって目視できるインキでも良い。その場所を単純な色線で囲んだり、ハーフカットで囲んだりすることができる。このとき、剥がしたフィルム11に基材10の一部がくっついて絵柄bがその一部に転写する場合があり、その場合はその転写した絵柄bで確認する。
上記実施形態は、アルミ蒸着フィルム11の貼着によって浮き上がり(透かし)を構成したが、図4〜図7に示す、金属箔21によってもその浮き上がりを構成することができる。その金属箔21の転写は、フィルムに上記アルミニウム青銅を蒸着したアルミ金箔(蒸着箔)21の表面に糊層22を設け、その糊層22を絵柄a、c側にしてホットスタンプしてそのアルミ金箔21を転写する。すなわち、糊層22が加熱によって活性化して、圧力が加わることによって金属箔21が絵柄a、c側に転写される。
金属箔21は、その金属光沢がそのまま絵柄の表面に現れる(転写される)ので、インキではできないような金属光沢を得ることができる。金属箔21には、その金属の単一色のみならず、種々のロゴやキャラクターなどをグラビア印刷やシルク印刷等を施した転写箔(マルチカラー箔)とすれば、1工程で色ずれのない高品質も多色印刷面とし得る。
金属箔21は、その金属光沢がそのまま絵柄の表面に現れる(転写される)ので、インキではできないような金属光沢を得ることができる。金属箔21には、その金属の単一色のみならず、種々のロゴやキャラクターなどをグラビア印刷やシルク印刷等を施した転写箔(マルチカラー箔)とすれば、1工程で色ずれのない高品質も多色印刷面とし得る。
図4、図5に示す実施形態は、上記実施形態の包装箱Pにおいて、図4の四角に囲まれた部分Bにおいて、図5に示すように、絵柄cの上に、金属箔21を転写したものである。この転写は、ホットスタンプによって絵柄cを覆う部分的なものとしている。すなわち、この転写は部分的に行うことができるため、使用態様が広いものとなる。
この部分的な転写が可能なことは、様々な絵柄の個別の金属箔被覆が可能となって、かつ浮き出し効果を得ることができる。箔には溶剤がないため、乾燥工程も不要であり、環境にやさしい印刷方法といえる。ホットスタンプは熱の加わった所だけに印刷(転写)がなされるため、マスキングの必要がなく、塗装に比べて大幅なコストダウンが図れる。
上記金属箔21の表面に表面コート13を施すこともできる。
この部分的な転写が可能なことは、様々な絵柄の個別の金属箔被覆が可能となって、かつ浮き出し効果を得ることができる。箔には溶剤がないため、乾燥工程も不要であり、環境にやさしい印刷方法といえる。ホットスタンプは熱の加わった所だけに印刷(転写)がなされるため、マスキングの必要がなく、塗装に比べて大幅なコストダウンが図れる。
上記金属箔21の表面に表面コート13を施すこともできる。
図6、図7に示す実施形態は、上記実施形態の包装箱Pにおいて、図6の四角に囲まれた部分Dにおいて、図7に示すように、マットインキによって一部に印刷した絵柄aの上に、金属箔21を転写したものである。その金属箔21の上に、さらに、オフセット印刷等によって絵柄cを印刷し(形成し)得る。この実施形態においては、金属箔21の表面に表面コート13を施したが、その表面コート13は省略し得る。
上記実施形態においては、絵柄a、cは、マットインキによって印刷したので、その印刷表面が粗面となっており、その粗面が金属箔21の表面に現れている。このため、趣の変わった(高級感がでた)絵柄a、cの浮き上がり態様となる。
ホットスタンプの際、押圧熱盤に版を使用しなくても良いが、版を使用することによってその版の模様を金属箔21の表面に形成することもできる。
ホットスタンプの際、押圧熱盤に版を使用しなくても良いが、版を使用することによってその版の模様を金属箔21の表面に形成することもできる。
なお、金属箔21は、ホログラム箔とすることができ、さらに、多色のものともし得る。
また、図4、図6の実施形態においても、図2の絵柄bを設け、その部分にアルミ蒸着フィルム11に代えて金属箔21を転写したものとし得る。この場合、金属箔21を剥がすことによってその絵柄bを確認できる。
また、図4、図6の実施形態においても、図2の絵柄bを設け、その部分にアルミ蒸着フィルム11に代えて金属箔21を転写したものとし得る。この場合、金属箔21を剥がすことによってその絵柄bを確認できる。
この各実施形態においては、アルミ蒸着フィルム11又は金属箔21の表面に印刷cや表面コート(層)13を形成し、絵柄cの損傷を無くした(耐傷性を高めた)が、それらは省略することができる。すなわち、包装箱Pはアルミ蒸着層11b又は金属箔21の表面とし得る(図3、図7において、印刷絵柄c、表面コート13を省略したりすることができる)。
この発明に係る包装箱(基材10)の材料は、ボール紙に限らず、プラスチック板、ダンボール紙等の種々のものを採用できる。
絵柄a、cは前板1に限らず、他の基材10(側板2、後板3、蓋板4、底板5等)に設けることができることは言うまでもない。
また、この発明に係る透かし形成方法は、包装箱に限らず、カレンダー、本等の種々の物に採用し得る。
さらに、絵柄aと絵柄cを基材10の厚み方向(図3の左右方向)で重ねたり、逆に、重ならないようにしたりし得る。重なると、絵柄aにより絵柄c部分が盛り上がり、重ならないと、絵柄aにより絵柄c部分以外の部分が盛り上がることとなる。この実施形態は、両絵柄a、cが重ならないようにしている。
また、細かい線からなる絵柄aであれば、確認し難いうえに、下記スキャン(scan=走査)によって同じ印刷物を作成しにくい。
絵柄a、cは前板1に限らず、他の基材10(側板2、後板3、蓋板4、底板5等)に設けることができることは言うまでもない。
また、この発明に係る透かし形成方法は、包装箱に限らず、カレンダー、本等の種々の物に採用し得る。
さらに、絵柄aと絵柄cを基材10の厚み方向(図3の左右方向)で重ねたり、逆に、重ならないようにしたりし得る。重なると、絵柄aにより絵柄c部分が盛り上がり、重ならないと、絵柄aにより絵柄c部分以外の部分が盛り上がることとなる。この実施形態は、両絵柄a、cが重ならないようにしている。
また、細かい線からなる絵柄aであれば、確認し難いうえに、下記スキャン(scan=走査)によって同じ印刷物を作成しにくい。
なお、スキャンによって写真やイラスト、文書等といった原稿をデジタル情報に変換させ、そのデジタル情報に基づき、同一の印刷物を複製する場合があるが、1〜3μの凹凸の絵柄aは基材(紙材)10の中に抄き込まれている状態とほぼ同一であるため、スキャンされ難く、全く同一の印刷物を作成(複製)することは極めて困難である。このため、偽造防止の役目も果たす。
一方、視覚によって絵柄a、cを確認できるので、転売された場合、その転売品の真偽などを確認できる。
一方、視覚によって絵柄a、cを確認できるので、転売された場合、その転売品の真偽などを確認できる。
因みに、上記実施形態における、絵柄a、cの印刷層厚、蒸着フィルム11の厚み、金属箔21の厚み、表面コート層13の層厚等は一例であって、その値に特定されないことは言うまでもない。よって、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されることは言うまでもない。
P 包装箱
a 透かし用絵柄
b 隠し文字(絵柄)
c 表面絵柄
1 包装箱の前板
1a 同糊片
2 同側板
3 同後板
4 同蓋板
5 同底板
6、7 同フラップ
8、9 同フラップ片
10 基材
11 アルミ蒸着フィルム
11a アルミ蒸着フィルムのベースフィルム
11b 同蒸着層
12 糊層
13 表面コート層
21 金属箔
22 金属箔の糊層
a 透かし用絵柄
b 隠し文字(絵柄)
c 表面絵柄
1 包装箱の前板
1a 同糊片
2 同側板
3 同後板
4 同蓋板
5 同底板
6、7 同フラップ
8、9 同フラップ片
10 基材
11 アルミ蒸着フィルム
11a アルミ蒸着フィルムのベースフィルム
11b 同蒸着層
12 糊層
13 表面コート層
21 金属箔
22 金属箔の糊層
Claims (8)
- 基材(10)表面に絵柄(a)を印刷し、その印刷した表面に金属蒸着フィルム(11)を貼着し、前記絵柄(a)の印刷層の段差により前記金属蒸着フィルム(11)の表面に前記絵柄(a)の印刷層の厚みが浮き上がる透かし形成方法。
- 基材(10)表面に絵柄(a、c)を印刷し、その印刷した絵柄(a、c)の表面に金属箔(21)を転写し、前記絵柄(a、c)の印刷層の段差により前記転写した金属箔(21)の表面に前記絵柄(a、c)の印刷層の厚みが浮き上がる透かし形成方法。
- 上記金属蒸着フィルム(11)又は金属箔(21)の表面に絵柄(c)を印刷し、さらにその金属蒸着フィルム(11)又は金属箔(21)の表面に表面コート(13)を施す請求項1又は2に記載の透かし形成方法。
- 上記基材(10)表面への絵柄(a、c)の印刷をマットインキにより行う請求項1乃至3のいずれか一つに記載の透かし形成方法。
- 紙製包装箱本体の表面に絵柄(a)を印刷し、その印刷した表面に金属蒸着フィルム(11)を貼着し、前記絵柄(a)の印刷層の段差により前記金属蒸着フィルム(11)の表面に前記絵柄(a)の印刷層の厚みが浮き上がる透かしが形成された包装箱。
- 基材(10)表面に絵柄(a、c)を印刷し、その印刷した絵柄(a、c)の表面に金属箔(21)を転写し、前記絵柄(a、c)の印刷層の段差により前記転写した金属箔(21)の表面に前記絵柄(a、c)の印刷層の厚みが浮き上がる透かしが形成された包装箱。
- 上記金属蒸着フィルム(11)又は金属箔(21)の表面に絵柄(c)を印刷し、さらにその金属蒸着フィルム(11)又は金属箔(21)の表面に表面コート(13)を施した請求項5又は6に記載の透かしが形成された包装箱。
- 上記基材(10)表面への絵柄(a、c)の印刷がマットインキにより行われた請求項5乃至7のいずれか一つに記載の透かしが形成された包装箱。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018217410 | 2018-11-20 | ||
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JP2019203923A Pending JP2020082732A (ja) | 2018-11-20 | 2019-11-11 | 透かし形成方法及びその方法を使用した包装箱 |
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JP (1) | JP2020082732A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021225130A1 (ja) | 2020-05-08 | 2021-11-11 | 日東電工株式会社 | 塗料及び積層体 |
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-
2019
- 2019-11-11 JP JP2019203923A patent/JP2020082732A/ja active Pending
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