JP2017105125A - 印刷物及び該印刷物を用いた容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属光沢感のコントラストが良好であり、意匠性に優れる印刷物及び容器を提供する。
【解決手段】基材10と、基材10上に設けられた印刷層21〜25と、印刷層上に設けられ、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜40と、基材40と印刷層22,24との間に、金属膜表面の粗さを調整する調整層50とを備え、金属膜40が存在する領域であって、調整層50が存在する領域である金属光沢調整領域Dを有し、金属膜40が存在する領域であって、調整層50が存在しない領域である金属光沢非調整領域Dを有し、金属光沢調整領域Dと金属光沢非調整領域Dとの少なくとも一組が隣接している印刷物。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷物及び該印刷物を用いた容器に関する。
従来から、各種の印刷物では、その意匠性を向上させるために、金属光沢を付与することが求められる場合がある。
例えば、特許文献1には、紙基材上に、結着樹脂及び金属薄膜細片を含む金属光沢領域層を有する印刷層を形成してなる紙容器が開示されている。
特許文献1の紙容器は、一定レベルの金属光沢を有するものの、印刷により金属光沢を付与するものであるため、高レベルの金属光沢を有するものではなかった。ここで、金属光沢を表現するものとしての「金属光沢感」は、観る角度によって反射強度の急変する度合いによって表現される。
一方、高レベルの金属光沢を付与するために、基材上に金属蒸着膜が形成された転写箔を用い、転写箔から印刷物上に金属蒸着膜を転写する手段(いわゆる「箔押し」)も行われている。
特開2003−2322号公報
箔押しは、金属蒸着膜を用いるため、高レベルの金属光沢を付与することができる。
しかし、箔押しにより形成した金属蒸着膜は下地の絵柄を完全に隠蔽してしまうため、下地の絵柄(印刷層)と金属蒸着膜とは互いに独立した関係となり、意匠性を十分に高めることができなかった。
本発明は、金属光沢感のコントラストが良好であり、意匠性に優れる印刷物及び容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、まず、ハーフミラー等で用いられている光透過性を有する金属膜について検討を行った。印刷物上に光透過性を有する金属膜を転写した場合、該金属膜を通して下地の印刷を見ることが可能であり、意匠性は向上する。しかし、印刷物の金属光沢感のコントラストが良好でない場合には、意匠性が十分ではなかった。
本発明者らはさらに鋭意研究した結果、一部に調整層を設けて金属膜表面の粗さを調整することにより、印刷物の金属光沢感のコントラストを良好にし、意匠性を十分に発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]の印刷物及び容器を提供する。
[1]基材と、該基材上に設けられた印刷層と、該印刷層上に設けられ、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜と、該基材と該印刷層との間、又は該印刷層と該金属膜との間に、金属膜表面の粗さを調整する調整層とを備え、該金属膜が存在する領域であって、該調整層が存在する領域である金属光沢調整領域を有し、該金属膜が存在する領域であって、該調整層が存在しない領域である金属光沢非調整領域を有し、該金属光沢調整領域と該金属光沢非調整領域との少なくとも一組が隣接している印刷物。
[2]前記基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の粗さ曲線の最大山高さRpが10.0μm以下である[1]に記載の印刷物。
[3]前記金属膜により絵柄が形成されてなる[1]又は[2]に記載の印刷物。
[4]前記基材が紙基材である[1]〜[3]のいずれかに記載の印刷物。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の印刷物を用いて作製された容器。
本発明の印刷物及び容器は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、印刷物の金属光沢感のコントラストが良好であることにより、意匠性が極めて優れる。
本発明の第1の実施の形態に係る印刷物の断面図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る印刷物の断面図(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る印刷物の断面図(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る印刷物の断面図(その2)である。
[印刷物]
本発明の印刷物は、基材と、基材上に設けられた印刷層と、印刷層上に設けられ、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜と、基材と印刷層との間、又は印刷層と金属膜との間の一部に設けられ、金属膜表面の粗さを調整する調整層とを備え、金属膜が存在する領域であって、調整層が存在する領域である金属光沢調整領域を有し、金属膜が存在する領域であって、調整層が存在しない領域である金属光沢非調整領域を有し、金属光沢調整領域と金属光沢非調整領域との少なくとも一組が隣接している。
以下、本発明の印刷物の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る印刷物100a,100bの断面図である。図1及び図2の印刷物100a,100bは、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0μm未満の表面である基材10上に、印刷層21,22,23,24,25、金属膜40をこの順に有している。図1の印刷物100aは、基材10と印刷層22,24との間に調整層50が設けられている。図2の印刷物100bは、印刷層21,22,23,24と金属膜40との間に調整層50が設けられている。また、図1及び図2の印刷物100a,100bは、印刷層と金属膜との間に接着剤層30を有している。
図3及び図4は、本発明の第2の実施の形態に係る印刷物100c,100dの断面図である。図3及び図4の印刷物100c,100dは、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0〜5.0μmの表面である基材10上に、印刷層21,22,23,24,25、金属膜40をこの順に有している。図3の印刷物100cは、基材10と印刷層22,24との間に調整層50が設けられている。図4の印刷物100dは、印刷層21,22,23,24と金属膜40との間に調整層50が設けられている。また、図3及び図4の印刷物100c,100dは、印刷層と金属膜との間に接着剤層30を有している。
なお、図1〜図4の印刷物100a〜100dは基材10上の一部に印刷層を有しているが、基材の全面に印刷層を有していてもよい。また、図1〜図4の印刷物100a〜100dは、印刷層上のみに金属膜40を有しているが、印刷層を有さない箇所に金属膜40を有していてもよい。印刷層を有さない箇所に金属膜40を有している場合において、金属膜40により絵柄を形成することが可能である。
本発明において、「隣接する」とは、図1〜図4で示すように、金属光沢調整領域Dと金属光沢非調整領域Dとの最短距離が1cm以内の場合をいうものとする。つまり、「隣接する」とは、金属光沢調整領域Dと金属光沢非調整領域Dとが互いに接している場合を含む他、金属光沢調整領域Dと金属光沢非調整領域Dとが離間している場合も含む(但し、離間している場合は、隣り合う領域の最短距離が1cm以内)ものとする。
調整層
本発明の印刷物は、基材と印刷層との間、又は印刷層と金属膜との間の一部には、金属膜表面の粗さを調整することを目的とする調整層を有する。
調整層は、基材と印刷層との間、又は印刷層と金属膜との間の一部に配置し、一部の金属膜表面の粗さを調整することが好ましい。調整層を一部に配置して、一部の金属膜表面の粗さの凹凸レベルを変えることによって、所望の箇所の金属光沢感のコントラストを調整し、面内で金属光沢感のコントラストを出すことが可能となり、意匠性を高めることができる。
具体的には、金属膜表面の粗さの凹凸レベルを上げることによって、正反射方向の反射光が減少し、金属光沢感を低下させる。一方、金属膜表面の粗さの凹凸レベルを下げると、正反射方向の反射光が増加し、金属光沢感を向上させる。この様に、調整層によって、金属膜表面の粗さの凹凸レベルを変えて、金属光沢感を制御することにより、金属光沢感のコントラストを出すことができる。
なお、金属膜表面の反射率と、調整層表面の反射率とを比較すると、金属膜表面の反射率の方が遥かに高くなる。このため、金属膜より上層に調整層を設けても、金属光沢感のコントラストの調整につながらず、本発明の実施形態の位置に調整層を設けることが重要となる。
調整層は、金属膜表面の粗さを付与する調整層と、金属膜表面の粗さを平滑化する調整層とがある。金属膜表面の粗さを付与する調整層は、印刷層を介して、又は、直接に金属膜の表面に粗さを付与する層であり、金属膜表面の粗さの凹凸レベルを上げることができる。金属膜表面の粗さを平滑化する調整層は、印刷層を介して、又は、直接に金属膜の表面に粗さを平滑化する層であり、金属膜表面の粗さの凹凸レベルを下げることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る印刷物においては、基材表面のRaが1.0μm未満であり、表面が適度に平滑であるので、金属膜表面の粗さを付与する調整層を所望の位置に配置することによって、調整層を配置した箇所と配置していない箇所とにおける金属光沢感のコントラストを調整することが可能となり、意匠性を高めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る印刷物における調整層は、上記観点から、金属膜側の調整層表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを1.0〜5.0μmとすることが好ましく、1.1〜4.9μmであることがより好ましく、1.2〜4.8μmであることがさらに好ましい。
本発明の第2の実施の形態に係る印刷物においては、基材表面のRaが1.0〜5.0μmであり、表面に適度の凹凸を有するので、金属膜表面の粗さを平滑化する調整層を所望の位置に配置することによって、調整層を配置した箇所と配置していない箇所とにおける金属光沢感のコントラストを調整することが可能となり、意匠性を高めることができる。
本発明の第2の実施の形態に係る印刷物における調整層は、上記観点から、金属膜側の調整層表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを1.0μm未満とすることが好ましく、0.3〜0.9μmであることがより好ましく、0.4〜0.8μmであることがさらに好ましい。
調整層の表面粗さを調整する方法としては、電離放射線若しくは熱のいずれか又はこれらの組み合わせにより硬化する透明樹脂中にフィラーを含有させた調整層用インキにより、当該フィラーに起因する微細凹凸を形成して粗面化する方法、及び賦型フィルムを用い、賦型フィルムの形状を転写によって基体の表面形状を形成する方法等を挙げることができる。
調整層の形成に用いられる調整層用インキとしては、樹脂成分を主成分として、必要に応じて顔料、染料等の着色剤、粒子、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
樹脂成分としては特に制限はなく、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂等が挙げられる。
なお、調整層用インキ中に溶剤を含まない場合は、乾燥は不要である。
調整層中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物の架橋硬化の態様としては、例えば、エポキシ樹脂は、アミン、酸触媒、カルボン酸、酸無水物、水酸基、ジシアンジアミド又はケチミンとの反応により架橋硬化を促進でき;フェノール樹脂は、塩基触媒と過剰なアルデヒドとの反応により架橋硬化を促進でき;ユリア樹脂は、アルカリ性又は酸性の下での重縮合反応により架橋硬化を促進でき;不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸とジオールとの共縮合反応により架橋硬化を促進でき;メラミン樹脂は、メチロールメラミンの加熱重縮合反応により架橋硬化を促進でき;アルキド樹脂は、側鎖等に導入された不飽和基同士の空気酸化による反応により架橋硬化を促進でき;ポリイミド樹脂は、酸又は弱アルカリ触媒の存在下での反応により、又は、イソシアネート化合物との反応(2液型の場合)により架橋硬化を促進でき;シリコーン樹脂は、シラノール基の酸触媒の存在下での縮合反応により架橋硬化を促進でき;水酸基官能性アクリル樹脂は、水酸基と自身が持つアミノ樹脂との反応(1液型の場合)により架橋硬化を促進でき;カルボキシル官能性アクリル樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸等のカルボン酸とエポキシ化合物による反応により架橋硬化を促進でき;アミド官能性共重合体は、水酸基との反応又は自己縮合反応により架橋硬化を促進でき;ウレタン樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂とイソシアネート化合物又はその変性物との反応により架橋硬化を促進できる。熱硬化性樹脂組成物は、これらの反応を利用した架橋剤又は硬化剤が通常用いられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物(紫外線硬化の場合、「紫外線硬化性化合物」と称する場合もある。)としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができるが、高い架橋密度により、浸透防止性をより良好にする観点から、モノマーが好適である。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーのうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
多官能性(メタ)アクリレートモノマーの官能基数は、2〜6が好ましく、2〜3がより好ましい。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。電離放射線硬化性化合物中には、多官能性(メタ)アクリレートモノマーを50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物(紫外線硬化性樹脂組成物)は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中には、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤等の添加剤を含有していてもよい。
なお、電離放射線硬化性樹脂組成物中には、電離放射線硬化性化合物以外の樹脂成分(熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂)を含有してもよい。ただし、上述した効果を達成しやすくするために、電離放射線硬化性樹脂組成物の全樹脂成分に占める電離放射線硬化性化合物の割合が90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
調整層のコーティングによる塗膜の形成は、樹脂成分及び粒子を含有してなる調整層形成塗布液を、グラビアコーティング、バーコーティング等の公知の塗布方法により塗布し、必要に応じて乾燥、硬化することにより形成することができる。調整層の金属膜側の調整層表面の粗さを調整しやすくするための有機粒子又は無機粒子を調整層形成塗布液に含有させることが好ましい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
有機粒子又は無機粒子の平均粒子径は、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜9μmであることがより好ましく、1.5〜8μmであることがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲内であると、金属膜表面の凹凸レベルの調整が可能となる。ここで、平均粒子径は、レーザー回折式、あるいはレーザー散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準の粒子径である。
有機粒子又は無機粒子の添加量は、通常、調整層を形成する組成物100質量部に対し、1〜50質量部程度である。
調整層は、金属膜表面の粗さ調整の観点から、厚みが1μm以上であることが好ましい。なお、調整層が厚すぎる場合、加工性が低下することから、調整層の厚みは、1〜20μmであることがより好ましく、2〜10μmであることがさらに好ましく、3〜7μmであることがよりさらに好ましい。
調整層が表面に凹凸を有するである場合における調整層の厚みとは、下面から凸部で形成される面までの厚みをいう。
金属膜
印刷層は、印刷物の意匠性を高めることを目的として、印刷層上の一部に形成される。図1〜図4の印刷物は、印刷層21〜25のうち、印刷層21〜24上に金属膜40を有している。また、図1〜図4の印刷物は、金属膜40と印刷層との間、又は金属膜40と調整層50との間に金属膜の密着性を向上させるために接着剤層30を有している。
金属膜は、印刷層を有さない箇所に形成されていてもよい。また、金属膜によりパターンを形成してもよい。
図1及び図3の印刷物は、調整層50が基材10と印刷層22,24との間に存在し、印刷層22,24の上層に金属膜40が存在している領域である領域が金属光沢調整領域Dである。一方、図1及び図3の印刷物において、印刷層21,23の上層に金属膜40が存在しているが、調整層50が存在していない領域は、金属光沢非調整領域Dである。
図2及び図4の印刷物は、調整層50が印刷層22,24と金属膜50との間に存在し、調整層50の上層に金属膜40が存在している領域である領域が金属光沢調整領域Dである。一方、図2及び図4の印刷物において、印刷層21,23の上層に金属膜40が存在しているが、調整層50が存在していない領域は、金属光沢非調整領域Dである。
本発明の印刷物は、金属光沢調整領域Dにおいて、金属膜表面の粗さの凹凸レベルを調整層50によって変えることができるので、金属光沢調整領域Dと金属光沢非調整領域Dとの金属光沢感のコントラストを良好にすることができる。
金属光沢調整領域Dの金属膜表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaD1であり、金属光沢非調整領域Dの金属膜表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaD2である場合、金属光沢調整領域Dと金属光沢非調整領域Dの金属膜表面の粗さの差である|RaD1−RaD2|は、金属光沢感のコントラストを良好にする観点から、0.3μm以上とすることが好ましく、0.5〜1.0μmであることがより好ましく、0.6〜0.8μmであることがさらに好ましい。
本発明では、金属膜として、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜を用いる。
金属膜の全光線透過率が20%未満の場合、印刷層のパターンを透かして見ることが困難となり、意匠性を良好にすることができない。また、金属膜の全光線透過率が80%を超える場合、金属膜の反射率が低下して金属光沢感が低下してしまう。
金属膜の全光線透過率は、30〜60%であることが好ましく、40〜55%であることがより好ましく、45〜50%であることがさらに好ましい。
なお、本発明において、金属膜の全光線透過率は、下記サンプルの20箇所で全光線透過率を測定した際の平均値とする。
(サンプル)
厚み1mmのソーダ石灰ガラス(屈折率1.51)上に、厚み1.5μmの接着剤層(屈折率1.51)を介して金属膜を形成したもの。
全光線透過率が20〜80%の金属膜は、光透過性を有するため厚みが薄い。そして、厚みが薄い金属膜は、僅かな厚みムラがあっても、該厚みムラを原因として、金属光沢感にムラが生じやすい。このため、基材としてRaが0.3μm以上のものを用いて、金属光沢感のムラを解消することが好ましい。
上述した厚みムラは、例えば、金属膜の全光線透過率の標準偏差で表すことができる。具体的には、全光線透過率が20〜80%の金属膜の任意の20箇所のJIS K7361−1:1997の全光線透過率の標準偏差は、通常0.02〜0.10%程度である。
金属膜は、アルミニウム、銀、金、ニッケル、銅、クロム等の金属の一種又は二種以上から形成される。これらの中でも、色味が少ないアルミニウム、銀、ニッケルが好ましく、特にアルミニウムがより好ましい。
金属膜は、例えば、転写箔の金属膜を印刷層上に転写することにより形成することができる。
転写箔は、例えば、ベースフィルム上に、離型層、金属膜及び接着剤層を有する構成からなる。
ベースフィルムは汎用のプラスチックフィルムを用いることができる。ベースフィルムの厚みは5〜30μm程度である。
離型層は、転写時にベースフィルムに残ってもよいし、金属膜及び接着剤層とともに印刷物側に転写されてもよい。
転写時にベースフィルムに残る離型層は、離型効果のみを発揮し、シリコーン系離型剤、オレフィン系離型剤等の汎用の離型剤から形成することができる。
転写時に印刷物側に転写される離型層は、転写後は金属膜上に位置し、金属膜を保護する保護層としての機能を有する。かかる保護機能を有する離型層(保護層)は、硬化型の樹脂の硬化物、あるいは金属酸化物膜であることが好ましい。硬化型の樹脂としては、汎用の熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。金属酸化物膜としては、シリカ、アルミナ等の透明金属酸化物膜が挙げられる。
離型層の厚みは、離型層のタイプにより異なるため一概にはいえない。転写時にベースフィルムに残る離型層の場合、厚みは特に限定されないが、通常0.1〜1.0μm程度である。転写時に印刷物側に転写される離型層(保護層)の場合、金属膜を保護する観点、及び金属膜表面の粗さを離型層(保護層)上でも維持する観点から、0.02〜1.0μmであることが好ましく、0.03〜0.5μmであることがより好ましい。
転写箔の接着剤層は、上述した接着剤層と同様の構成が挙げられる。接着剤層を構成する接着剤がホットメルト型接着剤の場合、金属膜等は熱転写方式で転写できる。また、接着剤層を構成する接着剤が感圧型接着剤の場合、金属膜等はコールド転写法式で転写できる。
金属膜上には、本発明の効果を阻害しない範囲で、着色層等の機能層を有していてもよい。
基材
第1の実施の形態に係る印刷物の基材としては、基材表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0μm未満のものを用いることが好ましい。基材表面のRaを1.0μm未満とすることにより、拡散を抑制し、印刷物の解像度の低下を抑制することができる。第1の実施の形態に係る印刷物の基材表面のRaは、0.3〜0.9μmであることがより好ましく、0.4〜0.8μmであることがさらに好ましい。
第2の実施の形態に係る印刷物の基材としては、基材表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0〜5.0μmのものを用いることが好ましい。基材表面のRaを1.0〜5.0μmとすることにより、金属膜表面の粗さが印刷層を介して金属膜の表面に反映され、金属膜表面が適度に凹凸化され、金属光沢感のムラを解消することができる。第2の実施の形態に係る印刷物の基材表面のRaは、1.1〜4.9μmであることがより好ましく、1.2〜4.8μmであることがさらに好ましい。
基材の材料は、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、合成紙、含浸紙、ラミネート紙、印刷用塗布紙、記録用塗布紙等の紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、あるいはこれらの複合体等が用いられる。
基材は、紙、プラスチックフィルムあるいはこれらの複合体等の基体に対して、サンドブラスト、ケミカルエッチング等の物理的処理又は化学的処理を施すことによって、表面のRaを上記範囲に調整したものでもよい。また、基材は、紙、プラスチックフィルムあるいはこれらの複合体等の基体に対して、プライマー層を形成することによって、表面のRaを上記範囲に調整したものでもよい。
なお、基材として平滑な基材を用い、印刷層を形成するインキにマット剤を含有させることにより、金属膜の表面を凹凸化することも考えられる。しかし、該構成ではマット剤により形成された凹凸が十分に緩和されることなく金属膜に反映される場合があり、その結果、金属膜の表面が過度に凹凸化され、金属光沢感が低下したり、凹凸感が目立ちすぎたりするため好ましくない。
基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の粗さ曲線の最大山高さRpが10.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがより好ましく、1.0〜7.0μmであることがさらに好ましい。
基材表面のRpが10.0μm以下であることは、基材表面に極端に高い凸部がなく、金属膜表面の粗さが平均化されていることを意味する。このため、基材表面のRpを10.0μm以下とすることにより、金属光沢感のムラをより解消しやすくできる。
基材の厚みは特に限定されないが、紙基材の場合は、通常は坪量150〜550g/m程度であり、プラスチックフィルム基材の場合は、通常は9〜50μm程度である。
印刷層
印刷層は、印刷物の意匠性を高めることを目的として、基材上の一部に形成される。
印刷層は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色等のプロセスカラーによる多色印刷によって形成できる他、印刷パターンを構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成できる。
印刷層のパターンは、通常の印刷で用いられるパターン(例えば、文字、数字、図形、記号、風景、人物、動物、キャラクター等)であれば、特に制限されることなく使用できる。
印刷層の形成に用いられるインキとしては、樹脂成分に顔料、染料等の着色剤、粒子、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
樹脂成分としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
印刷層中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
印刷層の厚みは、基材の色味の隠蔽、及び基材表面の凹凸を適度に緩和する観点から、0.5〜10.0μmであることが好ましく、0.7〜5.0μmであることがより好ましい。
印刷層の形成手段は、オフセット印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷等の印刷手段から、実施形態に合うものを適宜選択して行えばよい。
接着剤層
印刷層と金属膜との間、あるいは調整層と金属膜との間には、金属膜の密着性を向上するために接着剤層を有することが好ましい。
接着剤層を構成する接着剤は、汎用のホットメルト型接着剤(感熱型接着剤)、感圧型接着剤、硬化型接着剤等が挙げられる。接着剤層は、透明性の高い樹脂から形成することが好ましい。
接着剤層の厚みは、金属膜の密着性を向上する観点、及び金属膜表面の粗さを適度に金属膜に反映させる観点から、0.5〜3.0μmであることが好ましく、1.0〜2.5μmであることがより好ましい。
接着剤層は、例えば、後述する転写箔を用いて印刷層上に転写して形成することができる。
中間層
印刷層と金属膜との間、あるいは印刷層と接着剤層との間には、金属膜の密着性を向上すること等を目的として、中間層を有していてもよい。中間層は、透明性の高い樹脂から形成することが好ましい。
[容器]
本発明の容器は、上述した本発明の印刷物を用いてなるものである。
容器としては、特に制限されることなく、飲料容器、食品容器、薬品容器等が挙げられる。本発明の容器は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、金属光沢感にムラがなく、高い金属光沢を有することから、意匠性に極めて優れるものである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。なお、以下、「部」は特に断りのない限り質量基準を意味する。
1.測定及び評価
実験例で作製した印刷物及びその中間材料について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1〜表4に示す。
1−1.算術平均粗さRa
実験例の印刷物の基材について、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRa及び粗さ曲線の最大山高さRpを測定した。測定には小坂研究所株式会社製の商品名SE−340を用い、以下の測定条件とした。
[表面粗さ検出部の触針]
Mitutoyo社製の商品名SJ−210(先端曲率半径:2μm、頂角:60度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・評価長さ(基準長さ):カットオフ値λcの5倍
・触針の送り速さ:0.25mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
1−2.全光線透過率
明細書本文の記載に従って、下記の転写箔A〜Mからサンプルを作製し、金属膜A〜Mの全光線透過率(JIS K7361−1:1997)を測定するとともに、金属膜A〜Mの全光線透過率の標準偏差を算出した。光入射面はサンプルのソーダ石灰ガラス側とした。
なお、全光線透過率は、株式会社村上色彩技術研究所の「ヘイズメーターHM−150」で測定した。
1−3.金属光沢感のコントラスト
領域Xと領域Yとを目視で比較した際に、金属光沢感のコントラストが極めて明瞭なものを2点、金属光沢感のコントラストが明瞭なものを1点、金属光沢感のコントラストの区別がつきにくいものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
なお、比較例1〜9の印刷物においては、一部の領域(例えば、印刷物の左半分領域)を領域Xとみなし、領域Xと隣接する領域(例えば、印刷物の右半分領域)を領域Yとみなした。
1−4.解像度
注意深く観察しても金属膜を通して下地の印刷層のパターンのエッジがぼけて感じられず、パターンのエッジを極めて明確に視認できるものを2点、注意深く観察した際に、金属膜を通して下地の印刷層のパターンのエッジが僅かにぼやけて感じられるが、パターンのエッジを明確に視認することができるもの1点、注意を払わず通常に観察した際でも、金属膜を通して下地の印刷層のパターンのエッジがぼやけて感じられしまい、パターンのエッジを明確に視認することが困難なものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
1−5.下地の視認性
金属膜を通して下地の印刷層が暗さを感じることなく視認できるものを2点、金属膜を通して下地の印刷が多少の暗さを感じるが視認することができるもの1点、金属膜を通して下地の印刷層が暗くて視認することが困難なものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
2.中間材料(転写箔)の作製
厚み12μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、厚み0.3μmのオレフィン系樹脂からなる離型層を形成した。次いで、離型層上に、真空蒸着法によりアルミニウムからなる金属膜Aを形成した。次いで、金属膜上にホットメルト型接着剤層(アクリル系樹脂、屈折率1.51)を形成し、転写箔Aを形成した。また、真空蒸着の時間を変更した以外は、転写箔Aと同様にして、転写箔B〜Mを得た。
3.紙基材の準備
基材として、基材表面のRaが異なる白色コート紙A〜C及び白色非コート紙D〜Iを準備した(坪量約270g/m)。
基材A〜IのRa及びRpを表1に示す。また、金属膜A〜Mの全光線透過率及び全光線透過率の標準偏差を表2に示す。
4.印刷物の作製
[実施例1]
基材A上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、下記処方の調整層用インキを乾燥後の厚みが2.0μmとなるように塗布、加熱して、調整層を形成した。調整層は、別途形成した賦型フィルムを用い、賦型フィルムの形状を転写することによって所望の凹凸を有する表面形状を形成した。形成した調整層は、金属膜表面の粗さを付与する調整層であり、金属膜側の調整層表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを1.0μmとした。次いで、印刷層の一部を覆うように、アクリル系接着剤の厚みが1.0μmとなるように接着剤を塗布し、接着剤上に形成した調整層を配置した。次いで、調整層が存在する領域と調整層が存在しない領域の少なくとも一組の隣接する領域上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写し、金属光沢調整領域と金属光沢非調整領域との少なくとも一組が隣接してなる実施例1の印刷物を得た。
実施例1の印刷物において、金属光沢調整領域が領域Xであり、金属光沢非調整領域が領域Yである。領域Xと領域Yの金属膜表面の粗さの差である|RaD1−RaD2|は0.7μmであった。
<調整層用インキ>
・アクリルポリオール(アクリディックA−807<固形分50%>:大日本インキ化学工業社)、162部
・イソシアネート(タケネートD110N<固形分60%>:武田薬品工業社)、32部
・酢酸ブチル 215部
・メチルエチルケトン 215部
[実施例2〜3]
基材を表3で示した基材に変更し、領域Xと領域Yの金属膜表面の粗さの差が変わった以外は、実施例1と同様にして印刷物を得た。
[実施例4]
基材D上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1.0μmの印刷層を形成した。次いで、上記処方の調整層用インキを乾燥後の厚みが1.0μmとなるように塗布、加熱して、調整層を形成した。形成した調整層は、金属膜表面の粗さを平滑化する調整層であり、金属膜側の調整層表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaを0.4μmとした。次いで、印刷層の一部を覆うように、アクリル系接着剤の厚みが1.0μmとなるように接着剤を塗布し、接着剤上に形成した調整層を配置した。次いで、調整層が存在する領域と調整層が存在しない領域の少なくとも一組の隣接する領域上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写し、金属光沢調整領域と金属光沢非調整領域との少なくとも一組が隣接してなる実施例4の印刷物を得た。
実施例4の印刷物において、金属光沢調整領域が領域Xであり、金属光沢非調整領域が領域Yである。領域Xと領域Yの金属膜表面の粗さの差である|RaD1−RaD2|は0.7μmであった。
[実施例5〜9]
基材を表3で示した基材に変更し、領域Xと領域Yの金属膜表面の粗さの差が変わった以外は、実施例4と同様にして印刷物を得た。
[比較例1]
基材A上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写し、比較例1の印刷物を得た。
[比較例2〜9]
基材を表3で示した基材に変更した以外は、比較例1と同様にして印刷物を得た。
表3の結果から、実施例1〜9の印刷物は、領域Xと領域Yとの金属光沢感のコントラストを良好に得ることができ、意匠性をより高めることができることが確認できた。また、実施例1〜9の印刷物は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、印刷層の解像度が良好であることで意匠性に極めて優れるものであった。
[参考例1]
基材F上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層上の一部に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写して、印刷物を得た。得られた印刷物についての下地の視認性、金属光沢感及び金属光沢のムラを以下の基準で評価した。
<下地の視認性>
上述した下地の視認性の基準で評価した。
<金属光沢感>
金属光沢を極めて強く感じるものを2点、金属光沢を強く感じるものを1点、金属光沢を強く感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
<金属光沢のムラ>
金属光沢のムラを全く感じないものを2点、細部を注意深く観察すれば金属光沢にムラを感じる箇所が僅かにあるが、意匠性には影響を与えないものを1点、金属光沢のムラを十分に感じたものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
[参考例2〜21]
基材及び転写箔を表4記載のものに変更した以外は、参考例1と同様にして印刷物を得た。
表4の結果から明らかなように、参考例1〜17の印刷物は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、金属光沢感にムラがなく、高い金属光沢を有し、意匠性に極めて優れるものであった。
本発明の印刷物及び容器は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、良好な金属膜の金属光沢感のコントラストを有することから、意匠性に極めて優れる点で有用である。
10:基材
21,22,23,24,25:印刷層
30:接着剤層
40:金属膜
50:調整層
100a〜100d:印刷物
:金属光沢調整領域
:金属光沢非調整領域

Claims (5)

  1. 基材と、
    該基材上に設けられた印刷層と、
    該印刷層上に設けられ、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜と、
    該基材と該印刷層との間、又は該印刷層と該金属膜との間に、金属膜表面の粗さを調整する調整層とを備え、
    該金属膜が存在する領域であって、該調整層が存在する領域である金属光沢調整領域を有し、
    該金属膜が存在する領域であって、該調整層が存在しない領域である金属光沢非調整領域を有し、
    該金属光沢調整領域と該金属光沢非調整領域との少なくとも一組が隣接している印刷物。
  2. 前記基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の粗さ曲線の最大山高さRpが10.0μm以下である請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記金属膜により絵柄が形成されてなる請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 前記基材が紙基材である請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷物を用いて作製された容器。
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