JPH11286194A

JPH11286194A - 回折格子パターンを有する有価証券印刷物

Info

Publication number: JPH11286194A
Application number: JP8883598A
Authority: JP
Inventors: Tetsumi Ochiai; 哲美落合
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1998-04-01
Filing date: 1998-04-01
Publication date: 1999-10-19

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、スポット状やストライプ状のいずれ
の転写箔においても、デザイン的に意匠性に優れ、かつ
偽造防止効果の高いホログラム等を含む回折格子パター
ン転写箔を作製し、この回折格子パターンを有する有価
証券印刷物を提供することにある。【解決手段】有価証券等の印刷物において、セキユリテ
ィ性向上のためにホログラム等を含む回折格子パターン
転写箔が、スポット状又はストライプ状に転写されてお
り、しかもその回折格子パターン転写箔のアルミ等の蒸
着層による金属反射層が、適宜なパターン形状で、かつ
部分蒸着されていることを特徴とするものである。ま
た、適宜なパターン形状で、かつ部分蒸着された金属反
射層を含む全面に、透明蒸着層を設けた回折格子パター
ンを有する有価証券印刷物である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣、商品券、ギ
フト券、株券、保証書、保険証書等の有価証券印刷物
に、ホログラム等を含む回折格子パターン転写箔を転写
或いは貼着してなる有価証券印刷物に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、商品券、ギフト券、株券、保証
書、保険証書等の有価証券印刷物に供されるホログラム
等を含む回折格子パターンの転写箔或いは証紙が、偽造
防止等のセキュリティ向上のために利用されていること
が知られている。

【０００３】例えば、偽造防止等のセキュリティ向上の
ための手法として、ホログラム形成層に形成したホログ
ラムパターンの全面に、アルミ蒸着などによる金属反射
層を設けたホログラム転写箔を有価証券印刷物上にスポ
ット状又はストライプ状に転写或いは貼着するかのいず
れかの方法が採用されていた。すなわち、アルミ蒸着層
などの金属反射層の金属光沢は、カラーコピーで再現す
ることができない（金属光沢はコピー機での乱反射光に
より黒く再現されてしまう）ので、この方法は従来から
知られた有効な偽造防止等のセキュリティ性向上策の一
方法である。

【０００４】また、近年他の方法として、ホログラム等
を含む回折格子パターンが形成されたフィルムを細幅に
スリットして、これを用紙抄造の際の漉かし用紙抄造技
術を応用して、スレッド状（糸を縫い込むように用紙面
から細幅にスリットされた糸状のホログラムフィルム
が、交互に露出させたり、用紙の中に潜ったりしている
状態に細幅ホロフィルムを用紙に漉き込む技術）に漉き
込んだウィンドウスレッド回折格子パターン用紙を利用
する方法が知られている。

【０００５】この転写箔を有価証券印刷物に設ける方法
として、スポット状にして設けられる転写箔は、製造工
程として金属性ホットスタンプ版を作製して、このスタ
ンプ版により箔を有価証券印刷物等の被転写体に熱転写
する方法であり、またストライプ転写のものは、ストラ
イプ状にスリットされた回折格子パターン転写フィルム
を、ロール転写方式により転写されていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ホロを
含む回折格子パターン転写箔は、デザイン的に意匠性が
よいとされる複雑なデザインのものや、細かいデザイン
を有する転写箔はできなかった。また、後者に述べた、
用紙の抄造という工程での回折格子パターン用紙の作り
込みのためにはある程度のロットの大きさが確保できな
いと、現実的対応がコスト的制約から困難なことや、ま
た意匠性では、用紙抄紙機の制約から漉き込むホログラ
ムのスリット幅は１．２ｍｍ前後という非常に細かいも
のしかできなかった。従って、細幅のため用紙を製造す
る段階においては非常に難しく、有効面積が少ないとい
うセキュリティ上のメリットはあるものの、カラーコピ
ー防止効果の点では、スポット状に転写した転写箔より
は低いという問題があった。すなわち、金属光沢部分の
面積が大きい程、カラコピーであるか否かの真贋判定が
し易く、当然、カラコピー牽制効果も高い。

【０００７】そこで本発明は、上記課題を解決するため
になされたもので、スポット状やストライプ状に転写さ
れるいずれかの転写箔においても、デザイン的に意匠性
に優れ、かつ偽造防止効果の高いホログラム等を含む回
折格子パターン転写箔を転写した、回折格子パターンを
有する有価証券印刷物を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、支持体に少なくとも剥離層、回折格子パタ
ーン形成層、回折格子パターン、金属反射層、接着剤層
を積層したセキュリティ性向上のためのホログラム等を
含む回折格子パターン転写箔が、スポット状或いはスト
ライプ状に転写された有価証券印刷物において、前記回
折格子パターン転写箔の金属反射層が、適宜なパターン
形状で、かつ部分的に設けられていることを特徴とする
回折格子パターンを有する有価証券印刷物である。

【０００９】また、前記回折格子パターン転写箔が、部
分的に設けた金属反射層を含む全面に、透明蒸着層を設
けたことを特徴とするものである。

【００１０】さらに、前記転写箔の回折格子パターン形
成層に、絵柄層を設けたことを特徴とするものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明は、有価証券等の印刷物
に、セキユリティ性向上のためにホログラム等を含む回
折格子パターン転写箔をスポット状又はストライプ状に
転写したもので、しかもその回折格子パターン転写箔の
アルミ蒸着による金属反射層が、適宜なパターン形状
で、かつ部分蒸着されていることを特徴とするものであ
る。また、適宜なパターン形状で、かつ部分蒸着された
金属反射層を含む全面に、透明蒸着層を設けた回折格子
パターンを有する有価証券印刷物である。

【００１２】以下、図に基づき実施の形態を詳細に説明
する。図１は、本発明の一実施例における回折格子パタ
ーン転写箔と転写状態を示す説明図である。また、図２
は、本発明の他の実施例における回折格子パターン転写
箔と転写状態を示す説明図である。図１に示すように、
回折格子パターン転写箔は、ホリエチレンテレフタレー
ト（ＰＥＴ）フィルム等からなる支持体１１上に、剥離
層１２、透明な樹脂によるホログラム等の回折格子パタ
ーン形成層１３を積層し、このパターン形成層の一方の
面にエンボス版等の型押しにより回折格子パターン１５
を設け、このパターン１５面に、アルミニウム等の蒸着
で所望のパターンに金属反射層１６を形成し、さらにこ
の面に接着剤層１７を設けて回折格子パターン転写箔と
したものである。図は、この転写箔をスポット状に有価
証券２０上に転写或いは貼着した状態を示したものであ
る。なお、図示はしないが、ストライプ状にスリットし
た転写箔を転写することもできる。

【００１３】前述した所望のパターンによる金属反射層
１６の形成方法は、一般的に知られている方法を用いる
ことができる。例えば、所望のパターンを設けたマスク
を被せて金属蒸着する方法もあるが、水溶性インキで所
望のパターンにマスキング印刷した後、この全面にアル
ミ等による金属蒸着層を設けた後、マスキング部分を洗
い流すことで所望のパターンの金属蒸着層が形成され
る、といった方法等でよく、これによってマスキングし
た部分はアルミ蒸着層がなく、所望のパターンで金属反
射層を自由に形成することができる。

【００１４】また、本発明の他の実施例における回折格
子パターン転写箔として、図２示すように、所望の形状
で、かつ部分的に形成した金属反射層１６を含む全面領
域にＴｉＯ₂、ＺｎＳ、ＭｇＦ₂等による透明蒸着層１
８を設けたもので、この透明蒸着層としては、回折格子
パターン１５（屈折率ｎ＝１．３〜１．５）よりも屈折
率の高い材料のものが装飾性の上で好ましい。これによ
って、金属光沢による回折格子パターンと透明回折格子
パターンが混在することで、高いレベルの意匠性と、セ
キユリティ性を有する回折格子パターン転写箔が得られ
る。

【００１５】さらに、限定はしないが、回折格子パター
ン１５上に適宜な模様等による絵柄層１９を設けること
も可能で、絵柄入りの回折格子パターン転写箔が得られ
る。また、この絵柄層１９は、シルクスクリーン印刷法
の他にオフセット印刷法またはグラビア印刷法により設
けても良い。

【００１６】

【実施例】以下に、具体的実施例を図に基づき説明す
る。

【００１７】＜実施例１＞図３に基づき実施例１を説明
する。実施例１は、有価証券印刷物２０上にスポット状
転写箔Ｓｐと、ストライプ状転写箔Ｓｔを設けたもので
ある。先ず、スポット状転写箔Ｓｐは、所望のパターン
Ｐ（図に示すダイヤ、ハート、クローバ、スペード等）
を白抜きしたマスキング印刷を施し、この全面に金属蒸
着層を設けると同時に、マスキング印刷層を洗い流すこ
とで所望のパターンＰ形状の金属反射層１６を設けるこ
とができる。すなわち、このパターンＰ部分が金属光沢
による回折格子パターンが表現される。なお、このマス
キング印刷法により任意のパターンを形成することが可
能となり、自由にデザインを設定することができる。さ
らに、この有価証券印刷物上にストライプ状に転写箔Ｓ
ｔを設けたもので、この太線で囲まれた部分に金属反射
層１６が蒸着されており、前記同様に金属光沢を有する
部分である。この金属反射層が設けられていない部分に
は、ＴｉＯ₂による透明蒸着層１８による透明回折格子
パターンが現出する。さらに、所定のデザインによる絵
柄層１９（小さいＡで表した部分）を回折格子パターン
１５上に印刷により設けたものである。なお、前記同様
に、この絵柄層も印刷方式により形成されるため自由に
デザインを設定できる。また、ストライプのスリット幅
も自由に替えることが可能である。

【００１８】＜実施例２＞図４に基づき実施例２を説明
する。図４は、有価証券２０上にストライプ状転写箔Ｓ
ｔを設けたものである。この場合の転写箔は、ポジ絵柄
の部分とネガ絵柄を交互に設けた部分に金属反射層１６
を設け、それぞれの下層には、透明蒸着層１８が設けら
れており、透明回折格子パターンが表現されている。そ
の他は実施例１のストライプ状転写箔と同様である。

【００１９】

【発明の効果】本発明による回折格子パターン転写箔を
設けた有価証券印刷物は、従来になかったセキュリティ
性の高い複合的なデザインバリエーションを取りうるこ
とができるようになり、飛躍的に意匠性を向上させるこ
とが可能になった。特に、細かいパターン、複雑なパタ
ーンもマスキング印刷方式で作製することが可能となっ
たことは本発明の大きな効果である。しかも、ストライ
プ状の転写箔においても漉込方式ではなく、転写方式の
ため小ロットにも対応することができるので、安価に提
供することができる。さらに、本発明による金属蒸着に
よる反射層と透明蒸着層の組合せにより、一段と高いセ
キュリティレベルを実現した回折格子パターンを設けた
有価証券印刷物を提供することが可能となる等の優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における回折格子パターン転
写箔と有価証券印刷物への転写状態を示す説明図であ
る。

【図２】本発明の他の実施例における回折格子パターン
転写箔と有価証券印刷物への転写状態を示す説明図であ
る。

【図３】本発明の一実施例を示すスポット状転写箔及び
ストライプ状回折格子パターンを有する有価証券印刷物
を示す説明図である。

【図４】本発明の他の実施例を示すストライプ状回折格
子パターンを有する有価証券印刷物を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１１……支持体１２……剥離層１３……回折格子パターン形成層１５……回折格子パターン１６……金属反射層１７……接着剤層１８……透明蒸着層１９……絵柄層２０……有価証券印刷物Ｓｐ……スポット状転写箔Ｓｔ……ストライプ状転写箔Ｐ……パターン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】支持体に少なくとも剥離層、回折格子パタ
ーン形成層、回折格子パターン、金属反射層、接着剤層
を積層したホログラム等を含む回折格子パターン転写箔
が、スポット状或いはストライプ状に転写された有価証
券印刷物において、前記回折格子パターン転写箔の金属
反射層が、適宜なパターン形状で、かつ部分的に設けら
れていることを特徴とする回折格子パターンを有する有
価証券印刷物。
【請求項２】前記回折格子パターン転写箔が、部分的に
設けた金属反射層を含む全面に、透明蒸着層を設けたこ
とを特徴とする請求項１に記載の回折格子パターンを有
する有価証券印刷物。
【請求項３】前記転写箔の回折格子パターン形成層に、
絵柄層を設けたことを特徴とする請求項１又は２に記載
の回折格子パターンを有する有価証券印刷物。