JPH07145599A - 偽造防止用紙 - Google Patents

偽造防止用紙

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JPH07145599A
JPH07145599A JP5317396A JP31739693A JPH07145599A JP H07145599 A JPH07145599 A JP H07145599A JP 5317396 A JP5317396 A JP 5317396A JP 31739693 A JP31739693 A JP 31739693A JP H07145599 A JPH07145599 A JP H07145599A
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徹 村上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写機によるコピーを行っても原稿とは全く
異なった色調の複写物しか得られない偽造防止用紙を得
る。 【構成】 抄紙工程において基紙1と接着可能な性能を
有した光輝性を有する細片2を基紙の表面に筋状に偏在
させる。たとえば熱水溶解温度が60〜80℃のフィル
ムの片面若しくは両面に、金属蒸着層を形成し、その上
に樹脂若しくは樹脂と着色剤より成る塗工層を形成した
ものよりなる細片を筋状に抄き込むことで製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偽造防止用紙に関す
る。より詳しくは、複写機によるコピーを行っても原稿
とは全く異なった色調の複写物しか得られない偽造防止
用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の複写機の精度向上は著しく、特に
電子写真方式のカラー複写機の普及は各種の有価証券類
等の偽造を容易にしている。これを防止するため種々の
偽造防止手段が考えられているが、その一つに、現在の
複写機では光輝性を有するもの、例えば金属色や干渉色
を再現することが出来ないことを利用したものがある。
【0003】例えば実開昭58−168754号に提案
されているように、基紙上面に、金属色調顕著なアルミ
箔などの光輝版を設け、且つ該光輝版表面に文字図柄を
施してなる複写機によるコピー不能用紙の提案がある。
これをコピーすると、用紙面に施された文字図柄は複写
機の光線照射があると箔表面が黒ずんでコピーされるの
で読みとり不可能となる。この用紙は複写そのものが不
可能(複写物の読みとりが出来ない)という長所はある
が、光輝版の用紙に占める面積が大きいために金属色が
強調されすぎて違和感があることが欠点である。また用
紙の製造工程が複雑となり、必然的にコスト高になるこ
と、古紙からの製紙用繊維の回収が困難等の別の問題点
もある。
【0004】本発明者らはこれらの問題点を解決するこ
とを目的に検討を進めた。本発明者らは発想を転換し
て、カラー複写機で複写しても元の原稿と異なった色相
に複写されれば本物か否かの判定が出来ることに着目し
た。
【0005】本発明者らは、まず光輝性に優れた銀色の
アルミニウム蒸着ポリエステルフィルムを細片化して、
それを紙に抄き込むことを検討した。こうして製造した
用紙はカラー複写機では金属光沢感が再現できないの
で、細片の混在した部分は単に黒色に複写され、偽造防
止能があることが判った。しかしながら、このようにし
て製造した用紙では細片が用紙に強固に密着せず、印刷
時に細片の脱落が起こり大きな問題を起こすことが判っ
た。またこの用紙は細片を構成するポリエステルフィル
ムの除去が困難であり、損紙や古紙から製紙用繊維の回
収が極めて難しいと言う別の問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決することを課題とし鋭意検討の結果、先に特願平5−
114009号として偽造防止用紙の出願を行った。該
出願の要旨とするところは、基紙の表面に光輝性を有す
る細片を遍在させた偽造防止用紙において、該細片が抄
紙工程において基紙と接着可能な性能を有すことを特徴
とする偽造防止用紙である。この偽造防止用紙は基紙の
表面に細片が均一に遍在し、偽造防止効果も優れたもの
であるが、この用紙の使用される用途によっては細片が
均一に遍在しているよりは、ある限られた巾に筋状に偏
在している方が好ましい場合がある。本発明はこの課題
を解決するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明を図面に基づき説
明する。図1は本発明の偽造防止用紙の一例の上面図で
あり、図2は図1のA−A’線の一部拡大断面図であ
る。本発明の要旨とするところは、基紙1の表面に光輝
性を有する細片2を筋状に偏在させた偽造防止用紙にお
いて、該細片2が抄紙工程において基紙と接着可能な性
能を有すことを特徴とする偽造防止用紙である。
【0008】細片2が抄紙工程において基紙と接着可能
とするには、細片の構成要素の一つとして熱水溶解温度
が60〜80℃のフィルムを使用することが良い。こう
することにより、用紙の抄造時の乾燥工程で湿紙が乾燥
される時の熱によりフィルムが膨潤し、用紙と強固に接
着するようになる。
【0009】また使用する熱水可溶性フィルムは、紙匹
形成時(ウェットパート)に水によってフィルムが溶解
したり過度の膨潤をしないこと、抄紙工程中の湿紙の乾
燥ゾーン(多筒式シリンダードライヤーやヤンキー式ド
ライヤー)でフィルムが実用上問題となる変形を起こさ
ないこと、乾燥後基紙との密着力に優れること等が必要
であり、上記フィルムがこの性能を有することも判っ
た。
【0010】また、このフィルムを利用する他の利点と
しては、用紙の製造時、用紙の印刷工程等で必ず発生す
る損紙や古紙の処理が容易であることが挙げられる。ビ
ーターやパルパー等で用水を加温し損紙や古紙を処理す
ることで、細片を構成するフィルムを容易に溶解できる
からである。
【0011】水溶性フィルムには種々あり、たとえば澱
粉系、メチルセルロース系、カルボキシル化メチルセル
ロース系、ヒドロキシエチルセルロース系、ポリビニル
アルコール(以下PVAと呼ぶ)系、ポリビニルピロリ
ドン系、ビニルエチルエーテル−無水マレイン酸共重合
系、ポリアクリル酸系、ポリエチレンオキサイド系等の
フィルムを挙げることができる。本発明に使用するフィ
ルムは60〜80℃の熱水で溶解することが必要であ
り、上記水溶性高分子でこの範囲に含まれるものや、こ
れらに官能基を導入したり、耐水化剤を併用して溶解温
度を高めたものが使用できる。
【0012】本発明では、比較的安価であること、入手
しやすいこと、物理的な強度も適度に有していることか
らPVAを使用することが好ましい。PVAの水に対す
る溶解性は、重合度や鹸化度、特に鹸化度によって大き
く支配される。たとえば20℃の水でも鹸化度88%以
下のものは完全に溶解するが、鹸化度97%では約50
℃の熱水で、完全鹸化では約80℃で初めて溶解でき
る。60℃未満で溶解するフィルムでは細片化して抄き
込んだ場合に、抄紙機の乾燥ゾーンで細片が溶解または
過度に膨潤してしまい、所定の形状を保てなくなり、ま
た80℃以上で溶解するものは、回収時にスラリーを8
0℃以上の温度にすることはきわめて困難かつ危険とな
るので、溶解温度は上記範囲にあることが必要である。
熱水可溶性フィルムの厚みは通常5〜100μm、好ま
しくは10〜25μmが使用される。
【0013】次に細片を製造する例について述べる。例1 上記したような熱水可溶性フィルムの片面若しくは両面
にアルミニウム、スズ、亜鉛、クロム、コバルト、ニッ
ケル、銅、金、銀等の金属蒸着層を、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法
で形成する。蒸着厚みは、通常は200〜1500オン
グストロームの範囲である。安価であること、腐食しに
くいこと、金属光沢に優れること、アルカリに容易に溶
解すること等の理由により本発明では、金属にアルミニ
ウムを使用することが好ましい。
【0014】ついで蒸着面に樹脂若しくは樹脂と着色剤
より成る塗工層を形成する。樹脂は熱水可溶性フィルム
の変形を防ぎ、塗工性を損なわないことから有機溶剤系
の樹脂を使用することが望ましく、また損紙の回収効率
を考慮すると熱アルカリ水溶液に可溶な樹脂を使用する
ことが特に好ましい。熱アルカリ水溶液に可溶な樹脂と
しては、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール
系樹脂、アイオノマー系樹脂、ニトロセルロース系樹
脂、アセチルセルロース系樹脂、マレイン酸系樹脂、フ
ェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、カゼイ
ン系樹脂、シェラック系樹脂等やこれらをアルカリ可溶
となるように、水酸基やカルボキシル基等の官能基を導
入して変性した樹脂の単独かあるいは混合たものが挙げ
られる。本発明では、これらの樹脂の中から60〜80
℃の温度範囲で熱水には溶解せず、熱アルカリ水で初め
て溶解するものを選定し使用することが好ましい。損紙
からのパルプ回収処理時のアルカリ濃度は通常0.01
〜0.5重量%の範囲であるので、この範囲で溶解する
樹脂を使用することが好ましい。
【0015】着色剤には有機顔料、無機顔料、染料等が
使用できる。蒸着層上に着色塗工する場合は、金属光沢
を低下させないために染料を使用することが好ましい。
着色剤を使用しない場合は、蒸着した金属色、たとえば
アルミニウムの場合は銀色が得られ、黄色に着色すれば
金色が得られる。また、本発明の目的を阻害しない範囲
ならば粘度調製剤、硬化剤等の助剤を適宜併用してもか
まわない。また場合によりアンカー塗工層、裏面塗工層
を設けるが、これに使用する樹脂も60〜80℃の熱ア
ルカリ水溶液で溶解することが好ましく、着色剤や他の
添加剤を併用できる。このようにして調製した塗料を蒸
着面またはフィルム面に塗工するが、塗工量は通常は1
〜10μm、好ましくは2〜5μmとする。このように
して製造したシートを後で述べるような方法で細片化す
る。
【0016】例2 転写箔の利用 光輝性を有する転写箔には、干渉色を有する転写箔や金
属色を有する転写箔が知られている。例えば干渉色を有
する転写箔は、ポリエステルベースフィルムの上に順
次、樹脂層(剥離層と表面保護層を兼ねた、例えばニト
ロセルロースを主剤とした塗工層)、ごく薄いアルミニ
ウム蒸着層(光の半透過層)、ごく薄い樹脂塗工層(干
渉層)、アルミニウム蒸着層(光の反射層)、感熱接着
剤層で構成される。また他の例としては上記した樹脂の
干渉層の代わりにSiO2等の無機酸化物を蒸着した干
渉層を形成したものもある。また他の例としてはホログ
ラム干渉色を利用した転写箔が知られている。これは、
ポリエステルベースフィルムの上に樹脂層(剥離層と表
面保護層を兼ねた、例えばニトロセルロースを主剤とし
た塗工層)を形成しこの表面にホログラムパターンを熱
エンボスし、ついで順次アルミニウム蒸着層(光の反射
層)、感熱接着剤層を形成したもの等が知られている。
これら転写箔を使用し、感熱接着剤と基材面例えば熱水
可溶性フィルム面と合わせ、熱ロール間を通過させ両者
を接着後冷却し、ポリエステルベースフィルムを剥離し
た後に細片化する。また、転写面にさらに熱水可溶性フ
ィルムを、例えばポリウレタン系接着剤等を使用して貼
合し、細片化してもよい。この構成のものは両面の外側
に熱水可溶性フィルム面が位置するので、用紙との接着
はより強固となる利点がある。
【0017】また、金属転写箔は例えば、ポリエステル
ベースフィルムの上に順次、樹脂層(剥離層と表面保護
層を兼ねた、例えばニトロセルロースを主剤とし、必要
に応じて着色剤を併用した塗工層)、アルミニウム蒸着
層、感熱接着剤層で構成される。この転写箔を使用し、
感熱接着剤と基材面、例えば熱水可溶性フィルム面と合
わせ、熱ロール間を通過させ両者を接着後冷却し、ポリ
エステルベースフィルムを剥離した後に細片化する。ま
た、転写面にさらに熱水可溶性フィルムを、例えばポリ
ウレタン系接着剤等を使用して貼合し、細片化してもよ
い。この構成のものは両面の外側に熱水可溶性フィルム
面が位置するので、用紙との接着はより強固となる利点
がある。
【0018】例3 金属粉若しくは真珠顔料に熱水可溶性のバインダーを混
合した塗工液を紙に塗工したものを細片化する方法。ア
ルミニウムや真鍮等の金属粉若しくは、酸化チタンを被
覆した雲母やオキシ塩化ビスマス等の真珠顔料100重
量部に対して、ポリビニルアルコール等の熱水可溶性の
バインダーを通常80〜300重量部添加し塗料を調製
し、通常坪量30〜100g/m2の基紙に塗工後細片
化する。真珠顔料として虹彩色を発する真珠顔料を使用
した細片を使用すると、この細片は目で見たときはその
存在が確認できるが、カラー複写機では虹彩色を再現で
きない効果を出すことが出来る。虹彩色には種々あり、
異なった虹彩色を発する細片を2種類以上併用すること
もできる。
【0019】例4 金属粉若しくは真珠顔料にバインダーを混合した塗工液
を紙に塗工し、さらにその表面にPVA等の熱水溶解性
のバインダーを塗工したものを細片化する方法。この構
成の細片は、例3の細片より基紙への接着はより向上す
る利点がある。
【0020】例5 光輝性を有するフィルムの両面に熱水可溶性フィルムを
貼り合わせ細片化する方法。光輝性を有するフィルムと
しては、例えばポエステルフィルムに金属を蒸着したも
の、ポリエステルフィルムに樹脂層を形成しこの表面に
ホログラムパターンをエンボスし金属蒸着したもの、塩
化ビニルフィルムに直接ホログラムパターンをエンボス
し金属蒸着したもの、ポリエステルフィルムにごく薄い
金属蒸着を施し(光の半透過層)その上に順次干渉層、
金属蒸着層(光の反射層)を形成したもの、金属粉末を
接着剤と共に基体シートに塗工したもの、真珠顔料を接
着剤と共に基体シートに塗工したもの等をいずれも利用
できる。これら光輝性を有するフィルムの両面にポリウ
レタン系のドライラミ接着剤等を使用して熱水可溶性フ
ィルムを貼り合わし、細片化する。
【0021】例6 金属粉や真珠顔料を熱水溶解性のある樹脂に練り込みフ
ィルム化し細片化する方法。リーフ状の金属粉や真珠顔
料を練り込んだ場合は、フィルムは1軸または2軸延伸
したほうが、光輝性は向上する。
【0022】本発明では、細片の形状は、円、楕円、正
方形、矩形、星形など任意の形状が選択できる。その方
法は上記形状の歯形を使用して打ち抜く方法や、あるい
はマイクロスリッターでスリット化し、それを切断して
細片化する方法など任意の方法が採用できる。細片化す
る大きさは通常は0.2〜10mm程度である。
【0023】本発明の用紙は、針葉樹晒クラフトパルプ
(NBKP),広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP),
針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP),サーモメカ
ニカルパルプ(TMP)等の製紙用パルプを主体としこ
れに乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着
剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色
顔料、蛍光剤などを適宜併用し、通常フリーネス550
〜250mlC.S.F.で長網抄紙機や円網抄紙機等
の公知の抄紙機を使用して抄紙する。本発明ではさら
に、抄紙途上で紙面に澱粉、ポリビニルアルコール、各
種表面サイズ等をサイズプレス装置等で塗工することも
可能である。さらに必要に応じ、マシンカレンダー処理
やスーパーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上さ
せることも適宜行われる。
【0024】細片は基紙を抄造する時に基紙の表面近く
に筋状に偏在するように抄き込むが、この方法は次に述
べるような方法を採用できる。 1)長網抄紙機や円網抄紙機上の紙匹に細片を筋状に振
りかける。 2)長網抄紙機のスライス直前または直後の位置で細片
入りの紙料や水を巾方向数カ所よりノズルにより筋状に
吹き出す。 3)プレスロール直前で湿紙に細片を筋状に振りかけ
る。 こうすることで細片は基紙の表面近くに筋状に偏在す
る。即ち、細片は基紙の表面に露出し、他の一部は表面
近くにもぐり込み、表面近くに筋状に偏在するようにな
る。
【0025】このようにして形成した紙匹は、シリンダ
ードライヤーやヤンキードライヤー等の抄紙機の乾燥ゾ
ーンで熱を与えられて乾燥される。乾燥初期には紙匹に
は多量の水分が含まれているので細片にも熱水が接触
し、熱水可溶性フィルム等は膨潤またはそのごく一部が
溶解し用紙と強固に接着する。用紙に表面平滑性を付与
するために、マシンカレンダー処理やスーパーカレンダ
ー処理を適宜行うことができる。以上のようにして本発
明の偽造防止用紙は製造される。
【0026】細片は同一の色相でも異なった色相のもの
を数種類併用してもよく、また同一色相でトーンを変化
させた細片を抄き込んでもよい。
【0027】また本発明の偽造防止用紙は他の偽造防止
手段と併用することができる。例えば、透き入れ、染色
繊維との混抄、スレッドの抄込み等である。これにより
偽造防止効果をより高めることができる。
【0028】
【実施例】実施例1 厚さ25μmの、熱水溶解温度80℃のPVAフィルム
に金属アルミニウムを500オングストローム真空蒸着
し、蒸着面に黄色染料(商品名:オレオゾールファース
トイエロー、住友化学製造)をアルカリ可溶型ニトロセ
ルロース系樹脂100重量部に対して15重量部添加し
た塗料を厚さ3μm塗工(乾燥厚み)した。ついで打ち
抜き機を使用して直径1mmの円形の細片を製造した。
NBKP20重量部,LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。長網抄紙機を使用し
て坪量110g/m2、抄紙巾1120mmで用紙を抄
造時に上記構成の細片を水に懸濁させ、金属管で導きス
ライス直後に筋状に振りかけた。金属管は177mmお
きに同間隔で巾方向に6本設置し、各金属管には同一の
細片懸濁液を供給した。後は常法に従って製造した(乾
燥は多筒式シリンダードライヤーで行った)。得られた
偽造防止用紙は、巾方向に177mmおきに細片が流れ
方向に筋状に偏在していた。この用紙を用い所定の印刷
を施した後、カラー複写機(商品名「キャノンピクセ
ル」)で複写したところ、細片の金属色(この場合、金
色または銀色)は再現されず、目視による判断では両者
(原稿と複写物)の差は明確に認められた。オフセット
印刷を施しても細片の脱落は認められなかった。高濃度
パルパーにこのようにして抄紙した用紙を5重量部、水
95重量部(即ちパルプ濃度5%)、カセイソーダを
0.1重量部仕込み、生蒸気を吹き込みながら回転さ
せ、温度60℃に上昇させたところ、細片を構成するベ
ースフィルム、蒸着層、樹脂塗工層は完全に溶解した。
残留した染料は微細化されパルプ中に完全に分散してお
り、回収パルプを使用して抄紙してもこの影響は全く認
められなかった。
【0029】実施例2 坪量70g/m2のコート紙の両面に、粒径40μm、
酸化チタン被覆率28%の雲母粉末の真珠顔料100重
量部、ポリビニルアルコール200重量部より成る塗料
を用い、エアーナイフコーターを使用して片面7g/m
2ずつ塗工した。 ついで打ち抜き機を使用して1mm
×1.5mmの長方形の細片を製造した。 細片の構成
を上記のものに変更した他は実施例1と全く同一の偽造
防止用紙を製造した。得られた用紙は、実施例1の細片
と異なり、混在していることが直ちに判らず、用紙を適
当な角度に傾けることにより細片に入射した照射光が反
射して目に入り初めてその存在が確認できた。細片が混
入していることによる違和感の非常に少ない用紙であっ
た。オフセット印刷を施しても細片の脱落は認められな
かった。この用紙をカラー複写機(商品名「キャノンピ
クセル」)で複写したところ、細片の色(この場合真珠
光沢色)は再現されず、目視による判断では両者(原稿
と複写物)の差は明確に認められた。また実施例1と同
様な方法で用紙を処理したが製紙用パルプの回収は容易
に行うことができた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明の偽造防止用
紙は製造され、下記に述べるような顕著な効果を有す
る。 1)カラー複写機で複写を試みても、用紙に混入された
光輝性を有する細片の色は再現できないため、偽造した
ものであるか否かの判定が即座に可能となる。特に真珠
顔料を使用した細片は混入されたことによる違和感がな
いという長所を有している。 2)細片は用紙表面若しくは用紙表面近くに筋状に偏在
しているため、この部分に印刷を施さないデザインの用
途に好適に使用できる。 3)細片は用紙と強固に接着しているので印刷時に細片
が脱落する問題が起こらない。 4)損紙、古紙からの製紙用繊維の回収が容易に行える
細片を製造できる。 5)このような特性を生かし、本発明の偽造防止用紙
は、小切手用紙、株券用紙、債券用紙、紙幣用紙、商品
券用紙、パスポート用紙、各種チケット用紙、乗車券な
どに好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止用紙の一例の上面図である。
【図2】図1のA−A’線の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 基紙 2 光輝性を有する細片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 21/04 21/00 560 G03G 21/00 550

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙1の表面に光輝性を有する細片2を
    基紙の流れ方向に筋状に偏在させた偽造防止用紙におい
    て、該細片2が抄紙工程において基紙と接着可能な性能
    を有すことを特徴とする偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 細片の構成要素の一つが熱水溶解温度が
    60〜80℃のフィルムであることを特徴とする請求項
    1記載の偽造防止用紙。
  3. 【請求項3】 細片が熱水溶解温度が60〜80℃のフ
    ィルムの片面若しくは両面に、金属蒸着層を形成し、そ
    の上に樹脂若しくは樹脂と着色剤より成る塗工層を形成
    したものよりなることを特徴とする請求項1記載の偽造
    防止用紙。
  4. 【請求項4】 樹脂が60〜80℃のアルカリ性熱水に
    可溶であることを特徴とする請求項3記載の偽造防止用
    紙。
  5. 【請求項5】 細片が熱水溶解温度が60〜80℃のフ
    ィルムの片面に金属蒸着層を形成し、金属蒸着層上に必
    要に応じて樹脂と着色剤より成る塗工層を形成し、かつ
    その表面に熱水溶解温度が60〜80℃のフィルムを貼
    合したものよりなることを特徴とする請求項1記載の偽
    造防止用紙。
  6. 【請求項6】 細片が熱水溶解温度が60〜80℃のフ
    ィルムに、虹彩色若しくは金属光沢を有する転写箔を転
    写したものよりなることを特徴とする請求項1,2記載
    の偽造防止用紙。
  7. 【請求項7】 細片が熱水溶解温度が60〜80℃のフ
    ィルムに、虹彩色若しくは金属光沢を有する転写箔を転
    写し、かつその表面に熱水溶解温度が60〜80℃のフ
    ィルムを貼合したものよりなることを特徴とする請求項
    1,2記載の偽造防止用紙。
  8. 【請求項8】 細片が、金属粉若しくは真珠顔料にバイ
    ンダーを混合した塗工液を紙に塗工し、ついで熱水可溶
    性フィルムを両面に貼り合わせたものであることを特徴
    とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  9. 【請求項9】 細片が、金属粉を練り込んだ熱水溶解温
    度が60〜80℃のフィルムよりなることを特徴とする
    請求項1記載の偽造防止用紙。
  10. 【請求項10】 細片が、真珠顔料を練り込んだ熱水溶
    解温度が60〜80℃のフィルムよりなることを特徴と
    する請求項1記載の偽造防止用紙。
  11. 【請求項11】 細片が、金属粉若しくは真珠顔料に熱
    水可溶性のバインダーを混合した塗工液を紙に塗工した
    ものよりなることを特徴とする請求項1記載の偽造防止
    用紙。
  12. 【請求項12】 真珠顔料が虹彩色を発する真珠顔料で
    あることを特徴とする請求項8,10,11記載の偽造
    防止用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000345496A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Toppan Printing Co Ltd 再生可能な偽造防止策を施した用紙
JP2005212356A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Toppan Forms Co Ltd スレッドの製造方法及びicチップ入りシートの製造方法
JP2007301941A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Dainippon Printing Co Ltd 偽造防止部材、セキュリティ媒体及びセキュリティ媒体真贋判定方法

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