JP2000096490A - 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 - Google Patents
偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券Info
- Publication number
- JP2000096490A JP2000096490A JP27527998A JP27527998A JP2000096490A JP 2000096490 A JP2000096490 A JP 2000096490A JP 27527998 A JP27527998 A JP 27527998A JP 27527998 A JP27527998 A JP 27527998A JP 2000096490 A JP2000096490 A JP 2000096490A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- paper layer
- thread
- pattern
- forgery prevention
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
- Printing Methods (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】偽造防止効果が高く、且つ素人にも真偽の判定
が容易である紙幣、商品券、株券、小切手、手形等の有
価証券類に適した偽造防止用紙を提供する。 【解決手段】光輝性を有する細片２１ａ，２１ｂが表面
及び表面近傍に埋設され、ミシン目状にスレッド２２を
部分的に露出させるための窓空き部を有し、且つ紙層を
薄くした透かし模様２３を有する最外層の紙層２０とパ
ルプ基紙層１０を漉き合わせた偽造防止用紙。
が容易である紙幣、商品券、株券、小切手、手形等の有
価証券類に適した偽造防止用紙を提供する。 【解決手段】光輝性を有する細片２１ａ，２１ｂが表面
及び表面近傍に埋設され、ミシン目状にスレッド２２を
部分的に露出させるための窓空き部を有し、且つ紙層を
薄くした透かし模様２３を有する最外層の紙層２０とパ
ルプ基紙層１０を漉き合わせた偽造防止用紙。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は偽造防止を必要とす
る種種の有価証券類に使用される用紙に係わり、詳しく
は、カラー複写機等の光学的手段を用いて複写をした場
合、原稿と異なる発色を呈し、偽造、改竄が困難である
偽造防止用紙に関するものである。
る種種の有価証券類に使用される用紙に係わり、詳しく
は、カラー複写機等の光学的手段を用いて複写をした場
合、原稿と異なる発色を呈し、偽造、改竄が困難である
偽造防止用紙に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、カラー複写機の精度向上及び普及
は著しく、各種の有価証券類等の偽造を容易にしてい
る。これを防止するため各種の偽造防止手段が施されて
いる。例えば、有価証券類の表面に複写機が複写できな
いサイズのマイクロ文字を印刷したり、ホログラムシー
ルを貼りつけたり、金属色調顕著なアルミニウムなどの
光輝性を有する細片を基紙面上に設けたり或いはスレッ
ドを漉き込んだりする偽造防止手段が取られている。こ
れらの偽造防止手段をこうじた有価証券類をカラー複写
機で偽造すると、マイクロ文字が潰れたり、色が再現で
きなく異なった色に発色してしまう。また、透かし模様
を偽造防止用紙に漉き込み、透かしてみることで透かし
模様の有無、形状を識別し真偽が判別できるようにして
いる。しかし、偽造、改竄の手口もますます巧妙になっ
てきており、これら単独の偽造防止方法では充分な偽造
防止効果が得られなくなってきている。また、スレッド
を構成しているポリエステル等の支持体フィルムが混入
しており、損紙や古紙をリサイクルするには、この部分
を切り落としたりしなけらばならないため、リサイクル
が難しいと言う問題もある。
は著しく、各種の有価証券類等の偽造を容易にしてい
る。これを防止するため各種の偽造防止手段が施されて
いる。例えば、有価証券類の表面に複写機が複写できな
いサイズのマイクロ文字を印刷したり、ホログラムシー
ルを貼りつけたり、金属色調顕著なアルミニウムなどの
光輝性を有する細片を基紙面上に設けたり或いはスレッ
ドを漉き込んだりする偽造防止手段が取られている。こ
れらの偽造防止手段をこうじた有価証券類をカラー複写
機で偽造すると、マイクロ文字が潰れたり、色が再現で
きなく異なった色に発色してしまう。また、透かし模様
を偽造防止用紙に漉き込み、透かしてみることで透かし
模様の有無、形状を識別し真偽が判別できるようにして
いる。しかし、偽造、改竄の手口もますます巧妙になっ
てきており、これら単独の偽造防止方法では充分な偽造
防止効果が得られなくなってきている。また、スレッド
を構成しているポリエステル等の支持体フィルムが混入
しており、損紙や古紙をリサイクルするには、この部分
を切り落としたりしなけらばならないため、リサイクル
が難しいと言う問題もある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、偽造防止効
果が高く、且つ素人にも真偽の判定が容易である紙幣、
商品券、株券、小切手、手形等の有価証券類に適した、
また、リサイクルがし易い偽造防止用紙を提供すること
を課題としている。
果が高く、且つ素人にも真偽の判定が容易である紙幣、
商品券、株券、小切手、手形等の有価証券類に適した、
また、リサイクルがし易い偽造防止用紙を提供すること
を課題としている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めになされた請求項１に記載の発明は、光輝性を有する
細片、スレッド及び紙層を薄くした透かし模様を基紙層
の同一面側に設けたことを特徴とする偽造防止用紙であ
る。このように複数の偽造防止手段を組み合わせること
で、より偽造防止効果を高めることができる。
めになされた請求項１に記載の発明は、光輝性を有する
細片、スレッド及び紙層を薄くした透かし模様を基紙層
の同一面側に設けたことを特徴とする偽造防止用紙であ
る。このように複数の偽造防止手段を組み合わせること
で、より偽造防止効果を高めることができる。
【０００５】また、請求項２に記載の発明は、光輝性を
有する細片が表面及び表面近傍に埋設され、ミシン目状
にスレッドを部分的に露出させるための窓空き部を有
し、且つ紙層を薄くした透かし模様を有する最外層の紙
層と基紙層を漉き合わせたことを特徴とする偽造防止用
紙である。光輝性を有する細片が、表面だけではなく表
面近傍付近にも漉き込まれたものであるため、光輝性の
細片を単に貼り付けたものと異なり、また、スレッドを
ミシン目状に部分的に露出させることで、偽造防止効果
を高める。
有する細片が表面及び表面近傍に埋設され、ミシン目状
にスレッドを部分的に露出させるための窓空き部を有
し、且つ紙層を薄くした透かし模様を有する最外層の紙
層と基紙層を漉き合わせたことを特徴とする偽造防止用
紙である。光輝性を有する細片が、表面だけではなく表
面近傍付近にも漉き込まれたものであるため、光輝性の
細片を単に貼り付けたものと異なり、また、スレッドを
ミシン目状に部分的に露出させることで、偽造防止効果
を高める。
【０００６】更に、請求項３に記載の発明は、前記スレ
ッドにホログラムパターン、回折格子パターンを形成し
たものであることを特徴とする請求項１又は請求項２に
記載の偽造防止用紙である。
ッドにホログラムパターン、回折格子パターンを形成し
たものであることを特徴とする請求項１又は請求項２に
記載の偽造防止用紙である。
【０００７】また、請求項４に記載の発明は、前記スレ
ッドに透かし模様を形成したものであることを特徴とす
る請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の偽造防止
用紙である。スレッドの透明支持体フィルム上に、図４
に示すような単純に乗せた模様、或いは白抜きにした模
様等を隠蔽性の高い白インキで透かし模様を印刷してお
きパルプ基紙中に漉き込んでおくことで、隠蔽性の高い
部分は光の透過率が低下するため透過光で透かして見る
ことで透かし模様を確認することができる。白インキで
印刷することは、パルプ基紙層と同系の色であるため透
かして見なければ、この模様が確認できないため、紙漉
き工程で透かしを入れることと同様な効果が得られる。
ッドに透かし模様を形成したものであることを特徴とす
る請求項１〜請求項３のいずれか１項に記載の偽造防止
用紙である。スレッドの透明支持体フィルム上に、図４
に示すような単純に乗せた模様、或いは白抜きにした模
様等を隠蔽性の高い白インキで透かし模様を印刷してお
きパルプ基紙中に漉き込んでおくことで、隠蔽性の高い
部分は光の透過率が低下するため透過光で透かして見る
ことで透かし模様を確認することができる。白インキで
印刷することは、パルプ基紙層と同系の色であるため透
かして見なければ、この模様が確認できないため、紙漉
き工程で透かしを入れることと同様な効果が得られる。
【０００８】更に、請求項５に記載の発明は、前記スレ
ッドの支持体フィルムが生分解性で且つ加水分解可能な
樹脂であることを特徴とする請求項１〜請求項４のいず
れか１項に記載の偽造防止用紙である。偽造防止用紙を
廃棄、リサイクルする際スレッドがそのまま分解されな
いまま残ることは問題であるので生分解され且つ加水分
解されることが必要である。弱アルカリ水溶液で処理す
ることで、ホログラムパターン、回折格子パターンを形
成しているアルミニウム等の金属層も支持体フィルムと
同時に溶解してしまいパルプ成分だけを効率よく分離で
きリサイクルにとって好都合である。
ッドの支持体フィルムが生分解性で且つ加水分解可能な
樹脂であることを特徴とする請求項１〜請求項４のいず
れか１項に記載の偽造防止用紙である。偽造防止用紙を
廃棄、リサイクルする際スレッドがそのまま分解されな
いまま残ることは問題であるので生分解され且つ加水分
解されることが必要である。弱アルカリ水溶液で処理す
ることで、ホログラムパターン、回折格子パターンを形
成しているアルミニウム等の金属層も支持体フィルムと
同時に溶解してしまいパルプ成分だけを効率よく分離で
きリサイクルにとって好都合である。
【０００９】このような請求項５に記載の生分解性で且
つ加水分解可能な樹脂として、澱粉系、セルロース系、
乳酸系樹脂を用いたものである。
つ加水分解可能な樹脂として、澱粉系、セルロース系、
乳酸系樹脂を用いたものである。
【００１０】また、請求項７に記載の発明は、前記光輝
性を有する細片がパール顔料、金属粉顔料で被覆された
ものであることを特徴とする請求項１又は請求項２に記
載の偽造造防止用紙である。
性を有する細片がパール顔料、金属粉顔料で被覆された
ものであることを特徴とする請求項１又は請求項２に記
載の偽造造防止用紙である。
【００１１】更に、請求項８に記載の発明は、請求項１
〜請求項７のいずれか１項に記載の偽造防止用紙を用い
たことを特徴とする有価証券である。
〜請求項７のいずれか１項に記載の偽造防止用紙を用い
たことを特徴とする有価証券である。
【００１２】
【発明の実施の形態】本発明を以下、図を参照しながら
詳細に説明する。図１は、本発明の偽造防止用紙で商品
券を作製した場合の概略図であり、（Ａ）は外観正面
図、（Ｂ）はｘ−ｘ線部に於ける断面図である。最外層
の紙層（２０）は、針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫ
Ｐ）、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）、針葉樹晒
サルファイトパルプ（ＮＢＳＰ）、サーモメカニカルパ
ルプ（ＴＭＰ）等の製紙用パルプを主体としこれに光輝
性を有する細片（２１）を混入させたパルプ液を通常の
透かし形成機構を有する長網抄紙機や円網抄紙機等の公
知の抄紙機を使用して紙層が薄くなった透かし模様を有
するものである。
詳細に説明する。図１は、本発明の偽造防止用紙で商品
券を作製した場合の概略図であり、（Ａ）は外観正面
図、（Ｂ）はｘ−ｘ線部に於ける断面図である。最外層
の紙層（２０）は、針葉樹晒クラフトパルプ（ＮＢＫ
Ｐ）、広葉樹晒クラフトパルプ（ＬＢＫＰ）、針葉樹晒
サルファイトパルプ（ＮＢＳＰ）、サーモメカニカルパ
ルプ（ＴＭＰ）等の製紙用パルプを主体としこれに光輝
性を有する細片（２１）を混入させたパルプ液を通常の
透かし形成機構を有する長網抄紙機や円網抄紙機等の公
知の抄紙機を使用して紙層が薄くなった透かし模様を有
するものである。
【００１３】光輝性を有する細片は、表面にあるもの
（２１ａ）だけではなく、紙層の内部に漉き込まれたも
の（２１ｂ）も存在する。このことにより、光輝性を有
するパール顔料、金属粉顔料をインキ化して表面に印刷
したもの、或いは貼り付けたものと容易に区別できると
同時に偽造防止を一層困難にする。
（２１ａ）だけではなく、紙層の内部に漉き込まれたも
の（２１ｂ）も存在する。このことにより、光輝性を有
するパール顔料、金属粉顔料をインキ化して表面に印刷
したもの、或いは貼り付けたものと容易に区別できると
同時に偽造防止を一層困難にする。
【００１４】パルプ液には必要に応じて乾燥紙力増強
剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上
剤、濾水性向上剤、消泡剤などを適宜併用する。更に、
最外層の紙層（２０）は、マシンカレンダー処理やスー
パーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上させた
後、スレッドが表面にミシン目状に露出させる窓空き部
（２４）を作成しておく。
剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上
剤、濾水性向上剤、消泡剤などを適宜併用する。更に、
最外層の紙層（２０）は、マシンカレンダー処理やスー
パーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上させた
後、スレッドが表面にミシン目状に露出させる窓空き部
（２４）を作成しておく。
【００１５】一方、基紙層（１０）にはスレッド（２
２）を貼り付けたり或いは漉き込だりして表面に設けて
おき、この基紙層と上記の最外層の紙層（２０）とを合
体させて偽造防止用紙が作成される。（図２参照）該偽
造防止用紙に有価証券類に必要な情報、絵柄及び印刷方
式の偽造防止手段であるマイクロ文字、細紋等を印刷加
工して有価証券を作成する。
２）を貼り付けたり或いは漉き込だりして表面に設けて
おき、この基紙層と上記の最外層の紙層（２０）とを合
体させて偽造防止用紙が作成される。（図２参照）該偽
造防止用紙に有価証券類に必要な情報、絵柄及び印刷方
式の偽造防止手段であるマイクロ文字、細紋等を印刷加
工して有価証券を作成する。
【００１６】このスレッドの幅は１〜５ｍｍ程度が適当
であり、１ｍｍ以下であるとホログラムパターン、格子
パターンのパターンが確認し難く、５ｍｍ以上になると
デザイン上の妨げになる場合がある。
であり、１ｍｍ以下であるとホログラムパターン、格子
パターンのパターンが確認し難く、５ｍｍ以上になると
デザイン上の妨げになる場合がある。
【００１７】スレッドの支持体フィルムとして用いられ
るもの材質は、特に限定されることはなくポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニール（ＰＶ
Ｃ），ポリプロピレン（ＰＰ），ポリエチレン（ＰＥ）
等の汎用樹脂フィルムが使用される。この中でも、耐熱
性、引っ張り強度、剛性の優れたポリエステルであるポ
リエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）が好適である。し
かし、これらの支持体フィルムは、偽造防止用紙に占め
る割合が低いとは言え分解されず残ってしまうことは環
境及びリサイクルにとって好ましいことではない。
るもの材質は、特に限定されることはなくポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニール（ＰＶ
Ｃ），ポリプロピレン（ＰＰ），ポリエチレン（ＰＥ）
等の汎用樹脂フィルムが使用される。この中でも、耐熱
性、引っ張り強度、剛性の優れたポリエステルであるポ
リエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）が好適である。し
かし、これらの支持体フィルムは、偽造防止用紙に占め
る割合が低いとは言え分解されず残ってしまうことは環
境及びリサイクルにとって好ましいことではない。
【００１８】上記支持体フィルムとして、生分解フィル
ムを使用することによって廃棄された場合、プラスチッ
ク部分が分解されず残ることもなく、紙のリサイクルに
おいてもプラスチック部分を切り落とさなくてもよくリ
サイクルがし易くなる。この生分解フィルムとして澱粉
系、セルロース系、乳酸系樹脂が用いられる。このなか
でも乳酸系樹脂は分子内に水酸基とカルボキシ基を有す
るため、縮重合が可能でありグリコール酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、ヒドロキシカプロン酸、ポリエチレングリコー
ル等反応させることで高分子量（約１００００００）の
乳酸系樹脂を得ることができる。このままの乳酸系樹脂
は剛度が十分ではないが二軸延伸加工を施すことによ
り、剛度をはじめとして、耐久性、機械強度、硬さ、寸
法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性等が従来のポリエ
ステル樹脂、塩化ビニール樹脂と同等の特性を有するよ
うすることができる。
ムを使用することによって廃棄された場合、プラスチッ
ク部分が分解されず残ることもなく、紙のリサイクルに
おいてもプラスチック部分を切り落とさなくてもよくリ
サイクルがし易くなる。この生分解フィルムとして澱粉
系、セルロース系、乳酸系樹脂が用いられる。このなか
でも乳酸系樹脂は分子内に水酸基とカルボキシ基を有す
るため、縮重合が可能でありグリコール酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、ヒドロキシカプロン酸、ポリエチレングリコー
ル等反応させることで高分子量（約１００００００）の
乳酸系樹脂を得ることができる。このままの乳酸系樹脂
は剛度が十分ではないが二軸延伸加工を施すことによ
り、剛度をはじめとして、耐久性、機械強度、硬さ、寸
法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性等が従来のポリエ
ステル樹脂、塩化ビニール樹脂と同等の特性を有するよ
うすることができる。
【００１９】また、乳酸系樹脂は上記したように、分子
内の水酸基やカルボキシ基をグリコール酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、ヒドロキシカプロン酸、ポリエチレングリコー
ル等で縮重合させたものであるため、酸性或いはアルカ
リ水溶液で容易に加水分解する。このことは、紙のリサ
イクルにとって好都合である。例えば、パルプの再生時
において数パーセント水酸化ナトリウム水溶液で処理す
ると数時間以内に加水分解され、パルプだけを分別する
ことができる。このため、紙のリサイクル時、予め透明
支持体フィルムを切り落としたりして分別する必要がな
くなる。
内の水酸基やカルボキシ基をグリコール酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、ヒドロキシカプロン酸、ポリエチレングリコー
ル等で縮重合させたものであるため、酸性或いはアルカ
リ水溶液で容易に加水分解する。このことは、紙のリサ
イクルにとって好都合である。例えば、パルプの再生時
において数パーセント水酸化ナトリウム水溶液で処理す
ると数時間以内に加水分解され、パルプだけを分別する
ことができる。このため、紙のリサイクル時、予め透明
支持体フィルムを切り落としたりして分別する必要がな
くなる。
【００２０】光輝性を有する細片は、パール顔料、金属
粉顔料で被覆させたものであり、この細片の色はカラー
複写機で複写した場合には忠実に再現されなく異なった
色となって複写される。パール顔料は核となる酸化チタ
ンに被覆する物質で種々の虹彩色のものが得られ、金属
粉顔料も金属の種類及び粒径で種々の色のものが得られ
るのでこれらを混合させると一層効果的である。言うま
でもないが、光輝性を有する細片、スレッド、透かし模
様を設ける位置は有価証券類のデザインに応じて適宜決
定するものである。
粉顔料で被覆させたものであり、この細片の色はカラー
複写機で複写した場合には忠実に再現されなく異なった
色となって複写される。パール顔料は核となる酸化チタ
ンに被覆する物質で種々の虹彩色のものが得られ、金属
粉顔料も金属の種類及び粒径で種々の色のものが得られ
るのでこれらを混合させると一層効果的である。言うま
でもないが、光輝性を有する細片、スレッド、透かし模
様を設ける位置は有価証券類のデザインに応じて適宜決
定するものである。
【００２１】
【発明の効果】本発明の偽造防止用紙は、光輝性を有す
る細片、ホログラムパターン、回折格子パターンを形成
したスレッド、透かし模様を基紙層の同一面側に設けた
ことで、更に、光輝性を有する細片が表面だけではなく
表面近傍に漉き込まれた状態に、スレッドをミシン目状
に部分的に露出させた状態にすることにより、単独で偽
造防止手段を施したものに比較して相乗的に偽造防止効
果を高めることができる。また、素人にも偽造、改竄さ
れた場合容易に真偽が判定できる。
る細片、ホログラムパターン、回折格子パターンを形成
したスレッド、透かし模様を基紙層の同一面側に設けた
ことで、更に、光輝性を有する細片が表面だけではなく
表面近傍に漉き込まれた状態に、スレッドをミシン目状
に部分的に露出させた状態にすることにより、単独で偽
造防止手段を施したものに比較して相乗的に偽造防止効
果を高めることができる。また、素人にも偽造、改竄さ
れた場合容易に真偽が判定できる。
【００２２】加えて、スレッドを構成する支持体フィル
ムを生分解性、加水分解性樹脂を使用することにより、
使用後廃棄した場合でもストリップ部分だけが分解され
ずに残るということがなく、環境にやさしい偽造防止用
紙を提供することができる。また、加水分解性を有する
ことでパルプ成分との分離が容易となり、リサイクル適
性が通常の紙と同等であると言う効果がある。
ムを生分解性、加水分解性樹脂を使用することにより、
使用後廃棄した場合でもストリップ部分だけが分解され
ずに残るということがなく、環境にやさしい偽造防止用
紙を提供することができる。また、加水分解性を有する
ことでパルプ成分との分離が容易となり、リサイクル適
性が通常の紙と同等であると言う効果がある。
【図１】本発明の偽造防止用紙で商品券に作製した場合
の概略図であり、（Ａ）は外観正面図、（Ｂ）はｘ−ｘ
線部に於ける概略構成断面図である。
の概略図であり、（Ａ）は外観正面図、（Ｂ）はｘ−ｘ
線部に於ける概略構成断面図である。
【図２】本発明の偽造防止用紙の作製を説明する斜視図
であり、（Ａ）は最外層の紙層とパルプ基紙層を表し、
（Ｂ）は最外層の紙層とパルプ基紙層を漉き込んで合体
させた状態を表す。
であり、（Ａ）は最外層の紙層とパルプ基紙層を表し、
（Ｂ）は最外層の紙層とパルプ基紙層を漉き込んで合体
させた状態を表す。
【図３】スレッドの支持体フィルムに隠蔽性の高い白イ
ンキで透かし模様を印刷したスレッドを漉き込んだ他の
本発明の偽造防止用紙の概略図であり、（Ａ）は外観正
面図、（Ｂ）はｘ−ｘ線部に於ける概略構成断面図であ
る。
ンキで透かし模様を印刷したスレッドを漉き込んだ他の
本発明の偽造防止用紙の概略図であり、（Ａ）は外観正
面図、（Ｂ）はｘ−ｘ線部に於ける概略構成断面図であ
る。
【図４】スレッドの支持体フィルムに隠蔽性の高い白イ
ンキで透かし模様を印刷した状態を示す正面図であり、
（Ａ）は図柄を単に乗せて印刷した場合を示し、（Ｂ）
は図柄を白抜きにして印刷した場合の正面図である。
ンキで透かし模様を印刷した状態を示す正面図であり、
（Ａ）は図柄を単に乗せて印刷した場合を示し、（Ｂ）
は図柄を白抜きにして印刷した場合の正面図である。
１…有価証券 １０…基紙層 ２０…最外層の紙層 ２１…光輝性を有する細片 ２１ａ…表面に存在する細片 ２１ｂ…紙層に埋没している細片 ２２…スレッド ２３…透かし模様 ２４…窓空き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C005 HA02 HA04 HA22 HB10 JB08 JB09 JB11 JB19 JB20 JB28 KA08 KA70 2H113 AA03 AA06 BB02 BB08 BB22 BC09 CA34 CA39 DA25 DA43 DA47 DA49 DA57 FA04 4L055 AG45 AG47 AG82 AH02 AH37 AJ02 AJ04 AJ10 BD16 BE08 GA45
Claims (8)
- 【請求項１】光輝性を有する細片、スレッド及び紙層を
薄くした透かし模様を基紙層の同一面側に設けたことを
特徴とする偽造防止用紙。 - 【請求項２】光輝性を有する細片が表面及び表面近傍に
埋設され、ミシン目状にスレッドを部分的に露出させる
ための窓空き部を有し、且つ紙層を薄くした透かし模様
も有する最外層の紙層と基紙層を漉き合わせたことを特
徴とする偽造防止用紙。 - 【請求項３】前記スレッドにホログラムパターン、回折
格子パターンを形成したものであることを特徴とする請
求項１又は請求項２に記載の偽造防止用紙。 - 【請求項４】前記スレッドに透かし模様を形成したもの
であることを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれか
１項に記載の偽造防止用紙。 - 【請求項５】前記スレッドの支持体フィルムが生分解性
で且つ加水分解可能な樹脂であることを特徴とする請求
項１〜請求項４のいずれか１項に記載の偽造防止用紙。 - 【請求項６】請求項５に記載の生分解性で且つ加水分解
可能な樹脂が澱粉系、セルロース系、乳酸系であること
を特徴とする請求項１〜請求項４のいずれか１項に記載
の偽造防止用紙。 - 【請求項７】前記光輝性を有する細片がパール顔料、金
属粉顔料で被覆されたものであることを特徴とする請求
項１又は請求項２に記載の偽造造防止用紙。 - 【請求項８】請求項１〜請求項７のいずれか１項に記載
の偽造防止用紙を用いたことを特徴とする有価証券。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27527998A JP2000096490A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27527998A JP2000096490A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000096490A true JP2000096490A (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=17553220
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27527998A Pending JP2000096490A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000096490A (ja) |
Cited By (14)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000345496A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-12 | Toppan Printing Co Ltd | 再生可能な偽造防止策を施した用紙 |
| WO2009155397A3 (en) * | 2008-06-18 | 2010-04-08 | Trustees Of Tufts College | Edible holographic silk products |
| JP2011246832A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙 |
| US8529835B2 (en) | 2006-11-03 | 2013-09-10 | Tufts University | Biopolymer sensor and method of manufacturing the same |
| US8574461B2 (en) | 2006-11-03 | 2013-11-05 | Tufts University | Electroactive biopolymer optical and electro-optical devices and method of manufacturing the same |
| US8747886B2 (en) | 2009-02-12 | 2014-06-10 | Tufts University | Nanoimprinting of silk fibroin structures for biomedical and biophotonic applications |
| US9016875B2 (en) | 2009-07-20 | 2015-04-28 | Tufts University/Trustees Of Tufts College | All-protein implantable, resorbable reflectors |
| JP2015110855A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-06-18 | 特種東海製紙株式会社 | 細片および偽造防止用紙 |
| US9142787B2 (en) | 2009-08-31 | 2015-09-22 | Tufts University | Silk transistor devices |
| US9513405B2 (en) | 2006-11-03 | 2016-12-06 | Tufts University | Biopolymer photonic crystals and method of manufacturing the same |
| US9599891B2 (en) | 2007-11-05 | 2017-03-21 | Trustees Of Tufts College | Fabrication of silk fibroin photonic structures by nanocontact imprinting |
| US9969134B2 (en) | 2006-11-03 | 2018-05-15 | Trustees Of Tufts College | Nanopatterned biopolymer optical device and method of manufacturing the same |
| JP2018087389A (ja) * | 2016-11-28 | 2018-06-07 | 凸版印刷株式会社 | 偽造防止用紙 |
| CN115991045A (zh) * | 2023-03-22 | 2023-04-21 | 山东旭喜新材料科技有限公司 | 一种能替代铝塑膜的生物降解膜及其制备方法与包装袋 |
Citations (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04146299A (ja) * | 1990-10-08 | 1992-05-20 | Tokushu Seishi Kk | 糸入り紙 |
| JPH04263697A (ja) * | 1991-02-18 | 1992-09-18 | Tokushu Seishi Kk | 偽造防止用紙 |
| JPH06306799A (ja) * | 1993-04-16 | 1994-11-01 | Tokushu Seishi Kk | 偽造防止用紙 |
| JPH07207599A (ja) * | 1993-09-24 | 1995-08-08 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 偽造防止用紙 |
| JP3030029U (ja) * | 1996-04-10 | 1996-10-18 | 特種製紙株式会社 | 偽造防止用紙 |
| JPH0967798A (ja) * | 1995-08-29 | 1997-03-11 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 偽造防止用紙及びその製造方法 |
| JPH10100573A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-21 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 |
-
1998
- 1998-09-29 JP JP27527998A patent/JP2000096490A/ja active Pending
Patent Citations (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH04146299A (ja) * | 1990-10-08 | 1992-05-20 | Tokushu Seishi Kk | 糸入り紙 |
| JPH04263697A (ja) * | 1991-02-18 | 1992-09-18 | Tokushu Seishi Kk | 偽造防止用紙 |
| JPH06306799A (ja) * | 1993-04-16 | 1994-11-01 | Tokushu Seishi Kk | 偽造防止用紙 |
| JPH07207599A (ja) * | 1993-09-24 | 1995-08-08 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 偽造防止用紙 |
| JPH0967798A (ja) * | 1995-08-29 | 1997-03-11 | Tokushu Paper Mfg Co Ltd | 偽造防止用紙及びその製造方法 |
| JP3030029U (ja) * | 1996-04-10 | 1996-10-18 | 特種製紙株式会社 | 偽造防止用紙 |
| JPH10100573A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-04-21 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 |
Cited By (19)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000345496A (ja) * | 1999-06-09 | 2000-12-12 | Toppan Printing Co Ltd | 再生可能な偽造防止策を施した用紙 |
| US9802374B2 (en) | 2006-11-03 | 2017-10-31 | Tufts University | Biopolymer sensor and method of manufacturing the same |
| US9513405B2 (en) | 2006-11-03 | 2016-12-06 | Tufts University | Biopolymer photonic crystals and method of manufacturing the same |
| US10280204B2 (en) | 2006-11-03 | 2019-05-07 | Tufts University | Electroactive biopolymer optical and electro-optical devices and method of manufacturing the same |
| US10040834B2 (en) | 2006-11-03 | 2018-08-07 | Tufts University | Biopolymer optofluidic device and method of manufacturing the same |
| US9969134B2 (en) | 2006-11-03 | 2018-05-15 | Trustees Of Tufts College | Nanopatterned biopolymer optical device and method of manufacturing the same |
| US8529835B2 (en) | 2006-11-03 | 2013-09-10 | Tufts University | Biopolymer sensor and method of manufacturing the same |
| US8574461B2 (en) | 2006-11-03 | 2013-11-05 | Tufts University | Electroactive biopolymer optical and electro-optical devices and method of manufacturing the same |
| US9599891B2 (en) | 2007-11-05 | 2017-03-21 | Trustees Of Tufts College | Fabrication of silk fibroin photonic structures by nanocontact imprinting |
| WO2009155397A3 (en) * | 2008-06-18 | 2010-04-08 | Trustees Of Tufts College | Edible holographic silk products |
| US9603810B2 (en) | 2009-02-12 | 2017-03-28 | Tufts University | Nanoimprinting of silk fibroin structures for biomedical and biophotonic applications |
| US8747886B2 (en) | 2009-02-12 | 2014-06-10 | Tufts University | Nanoimprinting of silk fibroin structures for biomedical and biophotonic applications |
| US9016875B2 (en) | 2009-07-20 | 2015-04-28 | Tufts University/Trustees Of Tufts College | All-protein implantable, resorbable reflectors |
| US9142787B2 (en) | 2009-08-31 | 2015-09-22 | Tufts University | Silk transistor devices |
| JP2011246832A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙 |
| JP2015110855A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-06-18 | 特種東海製紙株式会社 | 細片および偽造防止用紙 |
| JP2018087389A (ja) * | 2016-11-28 | 2018-06-07 | 凸版印刷株式会社 | 偽造防止用紙 |
| CN115991045B (zh) * | 2023-03-22 | 2023-05-23 | 山东旭喜新材料科技有限公司 | 一种能替代铝塑膜的生物降解膜及其制备方法与包装袋 |
| CN115991045A (zh) * | 2023-03-22 | 2023-04-21 | 山东旭喜新材料科技有限公司 | 一种能替代铝塑膜的生物降解膜及其制备方法与包装袋 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| TWI408269B (zh) | 防偽用紙及防偽用紙之真假判定方法 | |
| RU2110408C1 (ru) | Ценная бумага с цветной маркировкой, формованная ценная бумага, ценный документ и способ производства ценной бумаги | |
| US7264691B2 (en) | Fibrous substrates | |
| AU2006281282B2 (en) | Security devices for security substrates | |
| JP2000096490A (ja) | 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 | |
| JP2005537962A (ja) | 有価証券用補強基材 | |
| JPH026694A (ja) | 銀行券等のための安全保護紙 | |
| JP4352544B2 (ja) | スレッド入り偽造防止用紙 | |
| JPH10140500A (ja) | 偽造防止用紙 | |
| JP2009108449A (ja) | 偽造防止用紙 | |
| JP3473441B2 (ja) | 偽造防止用紙 | |
| JP4161417B2 (ja) | 偽造防止用紙及びこれを用いた印刷物 | |
| JP3022084B2 (ja) | 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 | |
| JP2008106385A (ja) | スレッド、それを用いた偽造防止用紙および偽造防止印刷物 | |
| US20130181434A1 (en) | Method for manufacturing a sheet by means of compregnation in order to form an area made transparent | |
| JP5200486B2 (ja) | 偽造防止用紙および偽造防止印刷物 | |
| EP0773527B1 (en) | An adhesive label | |
| JP4356199B2 (ja) | 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 | |
| JPH10237799A (ja) | 偽造防止策を施したシート状基体 | |
| JP4595444B2 (ja) | 偽造防止用紙およびこれを用いた偽造防止媒体 | |
| JPH04263697A (ja) | 偽造防止用紙 | |
| JPH07145599A (ja) | 偽造防止用紙 | |
| JP3331938B2 (ja) | 偽造防止策を施した用紙およびその製造方法 | |
| JP2000119996A (ja) | 生分解可能な偽造防止用紙 | |
| JP2008127708A (ja) | 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 |