JP4356199B2 - 偽造防止用紙及びこれを用いた有価証券 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は偽造防止を必要とする種種の有価証券類に使用される用紙に係わり、詳しくは、カラー複写機等の光学的手段を用いて複写をした場合、原稿と異なる発色を呈し、且つ擬似的なすかし模様を入れることにより安価な方法で偽造、改竄が困難になる偽造防止用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー複写機の精度向上及び普及は著しく、各種の有価証券類等の偽造を容易にしている。これを防止するため各種の偽造防止手段が施されている。例えば、有価証券類の表面に複写機が複写できないサイズのマイクロ文字を印刷したり、ホログラムシールを貼りつけたり、金属色調顕著なアルミニウムなどの光輝性を有する細片を基紙面上に設けたり或いはスレッドを漉き込んだりする偽造防止手段が取られている。これらの偽造防止手段をこうじた有価証券類をカラー複写機で偽造すると、マイクロ文字が潰れたり、色が再現できなく異なった色に発色してしまう。また、すかし模様を偽造防止用紙に漉き込み、透かしてみることですかし模様の有無、形状を識別し真偽が判別できるようにしている。
【0003】
ホログラムを用いる方法は偽装防止効果が高い反面、ホロクラムは高度な技術と設備を必要とし作成コストが高い。また、偽造、改竄の手口もますます巧妙になってきており、これら単独の偽造防止方法では充分な偽造防止効果が得られなくなってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、光輝性を有する蒸着部に擬似的な透かし模様を印刷したスレッドを用いることで製造コストが低い偽造防止用紙、及び、この偽造防止用紙を使用することで、素人にも真偽の判定が容易である紙幣、商品券、株券、小切手、手形等の有価証券を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、透明支持体フィルム(11)上に光輝性を有する蒸着層(12)、該蒸着層に印刷層(13)を設けたスレッド(10)をパルプ基紙(14)に抄き込んだことを特徴とする偽造防止用紙である。
また、前記蒸着層を設けたスレッドの光線透過率が5〜15%の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偽造防止用紙である。透過率が15%を越えるとパルプ基紙に抄き込んだ場合であっても、光輝性を有する蒸着層に印刷した疑似透かし模様が通常の状態でも普通に見えてしまい隠蔽性が悪くなり、5%未満であると用紙に光を照射しても、印刷された透かし模様が確認できなくなる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記スレッドが表面及び表面近傍に埋設され、ミシン目状にスレッドを部分的に露出させるための窓空き部を有したことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用紙である。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記蒸着層がAl、Sn、Ni、Ag、Au、Ti、Al−Sn合金、Sn−Ni合金のいずれかからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偽造防止用紙である。
【0008】
更に、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の偽造防止用紙を用いたことを特徴とする有価証券である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を以下、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、パルプ基紙中にスレッド全体を抄き込んだ本発明の偽造防止用紙で商品券を作製した場合の概略図であり、(A)は外観正面図、(B)はx−x線部に於ける断面図である。
図1においては、通常、偽造防止技術として用いられている彩紋やマイクロ文字に加えて、図4に示すように透明支持体フィルム(11)に光輝性を有する金属蒸着層(12)が設けられ、この上に疑似すかし模様となる印刷層(13)が設けられたスレッド(10)がスレッド埋設部(1)に完全に埋め込まれている。この商品券を透かして見ると図2に示す如くスレッド埋設部(1)に印刷されたすかし模様を確認することができる。
このすかし模様を確認できるか否かで真偽判定の一手段となり得る。
【0010】
パルプ基紙(14)は、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の製紙用パルプを主体とし、これに紙力増強剤、サイズ剤、濾水性向上剤、消泡剤等を適宜併用し、スリットされたスレッドを繰り出しながら長網抄紙機や円網抄紙機等の公知の抄紙機を使用して用紙を製造し、マシンカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を施し、表面平滑性を向上させて偽造防止用紙を作製する。
【0011】
また、スレッドは図3に示すようにパルプ基紙(14)の表面に部分的に窓空き部(15)を設けミシン目状に露出させた有価証券を、カラー複写機で複写すると金属光沢が再現されず、更に、この有価証券を光を照射して透かして見ると図2の有価証券と同様に蒸着層に印刷されたすかし模様が確認でき、すかし模様の有無で真偽判定の一手段となると同時に偽造、改竄を一層困難にする。
【0012】
本発明に用いるスレッドは図4に示す如く、透明支持体フィルム(11)に金属蒸着層(12)を形成し、この蒸着層にすかし模様となる印刷を施している。
【0013】
スレッドの透明支持体フィルム(11)として用いられるもの材質は、特に限定されることはなくポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC),ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)等の汎用樹脂フィルムが使用される。この中でも、耐熱性、引っ張り強度、剛性の優れたポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(PET)が好適であり、フィルムの厚みは10〜30μm程度が適当である。
【0014】
金属蒸着層(12)は、Al、Sn、Ni、Ag、Au、Ti、Al−Sn合金、Sn−Ni合金を真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の薄膜形成法を用いて、透過率が5〜15%の範囲になるようにする。
透過率が15%を越えるとパルプ基紙に抄き込んだ場合であっても、光輝性を有する蒸着層に印刷した疑似すかし模様が通常の状態でも普通に見えてしまい隠蔽性が悪くなり、5%未満であると用紙に光を照射しても、印刷されたすかし模様が確認できなくなるためである。
【0015】
印刷層(13)は、金属蒸着層(12)にオフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷(フレキソ印刷)、スクリーン印刷等でロゴ、会社名、標章等の疑似透かし模様となる絵柄が印刷される。
【0016】
また、スレッド(10)の幅は1〜5mm程度が適当であり、1mm以下であると印刷する絵柄を小さくしなければならず、透かして確認する場合、確認しずらくなり、5mm以上になるとパルプ基紙(14)とスレッド(10)の伸縮率の違いからカールが大きく発生する恐れがある。
【0017】
他の蛍光インキ、マイクロ文字等の公用されている偽造防止手段と併せて本発明を使用することで一層偽造防止効果を高めることが可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の偽造防止用紙は、光輝性を有する蒸着層に疑似すかし模様となる印刷層を設けたスレッドをパルプ基紙に抄き込むことで、この偽造防止用紙に光を照射すると上記の疑似透かし模様が確認でき、真偽判定が容易となる。
また、スレッドの一部をミシン目状に表面に露出させることで、カラー複写機で複製を試みても金属光沢が再現できなく、偽造防止対策となる。
ホログラムも金属光沢を有しており、有力な偽造防止手段であるが、コストが高いと言う難点がある。しかし、本発明の偽造防止手段は蒸着層の透過率を5〜15%にすることで偽造防止でき、コストの面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止用紙で商品券に作製した場合の概略図であり、(A)は外観正面図、(B)はx−x線部に於ける概略構成断面図である。
【図2】本発明の偽造防止用紙を透かして見た場合、スレッド埋設部にすかし模様が観察されることを説明する平面図である。
【図3】本発明の他の偽造防止用紙で有価証券を作製した外観正面図である。
【図4】本発明に用いるスレッドの斜視図である。
【符号の説明】
1…スレッド埋設部
2…彩文
10…スレッド
11…透明支持体フィルム
12…蒸着層
13…印刷層
14…パルプ基紙
15…窓空き部
Claims (4)
- 透明支持体フィルム上に光輝性を有する蒸着層、該蒸着層に印刷層を設けたスレッドをパルプ基紙に抄き込んでなり、
蒸着層を設けたスレッドの光線透過率が5〜15%の範囲であることを特徴とする偽造防止用紙。 - 前記スレッドが表面及び表面近傍に埋設され、ミシン目状にスレッドを部分的に露出させるための窓空き部を有したことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止用紙。
- 前記蒸着層がAl、Sn、Ni、Ag、Au、Ti、Al−Sn合金、Sn−Ni合金のいずれかからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偽造防止用紙。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の偽造防止用紙を用いたことを特徴とする有価証券。
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