JPH0756377A - 偽造防止用紙及び偽造防止印刷物 - Google Patents

偽造防止用紙及び偽造防止印刷物

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JPH0756377A
JPH0756377A JP21816293A JP21816293A JPH0756377A JP H0756377 A JPH0756377 A JP H0756377A JP 21816293 A JP21816293 A JP 21816293A JP 21816293 A JP21816293 A JP 21816293A JP H0756377 A JPH0756377 A JP H0756377A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラー複写機によるコピーを行っても原稿と
は全く異なった色調の複写物しか得られない偽造防止用
紙及び偽造防止印刷物を得る。 【構成】 真珠顔料とバインダーを主体とする塗工液を
塗工した真珠顔料塗工紙を細巾にスリットしてなるスレ
ッド1を基紙2の少なくとも一方の面の表面に抄き込ん
だことを特徴とする偽造防止用紙。またこの用紙を使用
して、スレッドの少なくとも一部分が印刷が施されない
ような図柄で印刷を施し偽造防止印刷物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偽造防止用紙及び偽造
防止印刷物に関する。より詳しくは、かつカラー複写機
によるコピーで偽造を試みたものでも、真贋が容易に判
別できる偽造防止用紙及び偽造防止印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の複写機の精度向上は著しく、特に
電子写真方式のカラー複写機の普及は各種の有価証券類
等の偽造を容易にしており、社会問題化されている。こ
れを防止するため種々の偽造防止手段が考えられている
が、その一つに、現在の複写機では光輝性を有するも
の、例えば金属色や干渉色を再現することが出来ないこ
とを利用したものがある。
【0003】例えば実開昭58−168754号に提案
されているように、基紙上面に、金属色調顕著なアルミ
箔などの光輝版を設け、且つ該光輝版表面に文字図柄を
施してなる複写機によるコピー不能用紙の提案がある。
これをコピーすると、用紙面に施された文字図柄は複写
機の光線照射があると箔表面が黒ずんでコピーされるの
で読みとり不可能となる。この用紙は複写そのものが不
可能(複写物の読みとりが出来ない)という長所はある
が、光輝版の用紙に占める面積が大きいために金属色が
強調されすぎて違和感があることが欠点である。また用
紙の製造工程が複雑となり、必然的にコスト高になるこ
と、古紙からの製紙用繊維の回収が困難等の別の問題点
もある。
【0004】本発明者らはこれらの問題点を解決するこ
とを目的に検討を進めた。本発明者らは発想を転換し
て、カラー複写機で複写しても元の原稿と異なった色相
に複写されるか、あるいは全く複写されなければ本物か
否かの判定が出来ることに着目した。
【0005】本発明者らは、まず光輝性に優れた銀色の
アルミニウム蒸着ポリエステルフィルムを細片化して、
それを紙に抄き込むことを検討した。こうして製造した
用紙はカラー複写機では金属光輝感が再現できないの
で、細片の混在した部分は単に黒色に複写され、偽造防
止能があることが判った。しかしながら、このようにし
て製造した用紙では細片が用紙に強固に密着せず、印刷
時に細片の脱落が起こり大きな問題を起こすことが判っ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
を解決した偽造防止用紙を、特願平5−114009号
として提案した。この発明の要旨とするところは、基紙
の表面に光輝性を有する細片を遍在させた偽造防止用紙
において、該細片が抄紙工程において基紙と接着可能な
性能を有すことを特徴とする偽造防止用紙である。
【0007】また本発明者らは特願平5−124880
号で「偽造防止用紙及び偽造防止印刷物」の提案を行っ
た。この発明の要旨とするところは、基紙表面に真珠顔
料と接着剤を主体とした部分的な被覆層を形成した偽造
防止用紙を得ること、及びこの要旨を使用して所定の印
刷を施して偽造防止印刷物を得ることにある。
【0008】本発明者らはなお検討を進め、上記の提案
と異なった構成の偽造防止用紙及び偽造防止印刷物を完
成させた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明を図1に基づき説
明する。図1は本発明の偽造防止用紙の一例の斜視図と
断面図である。断面図は斜視図中のA−A線の断面を一
部拡大して示してある。本発明は、真珠顔料とバインダ
ーを主体とする塗工液を塗工した真珠顔料塗工紙を細巾
にスリットしてなるスレッド1を基紙2の少なくとも一
方の面の表面に抄き込んだことを特徴とする偽造防止用
紙である。
【0010】また図2は本発明の偽造防止印刷物の一例
の上面図であり、真珠顔料とバインダーを主体とする塗
工液を塗工した真珠顔料塗工紙を細巾にスリットしてな
るスレッド1を基紙2の一方の面の表面に抄き込んだ偽
造防止用紙を使用し、スレッドの少なくとも一部分が印
刷が施されないような図柄で印刷21を施したことを特
徴とする偽造防止印刷物である。
【0011】本発明に使用する真珠顔料は、天然パール
エッセンスや、雲母粉末、酸化チタン被覆雲母粉末、塩
基性炭酸塩、魚鱗箔等公知の真珠顔料がいずれも使用で
きる。これらの製法等は特公昭35−5367号、特公
昭39−28885号、特公昭48−23179号、特
公昭47−29569号、特公昭53−47375号、
特公昭56−39669号、特公昭58−7674号、
特公平1−22873号、特公平4−48812号、特
開昭58−174449号、特開昭58−180561
号、特開昭58−219226号、特開昭59−782
65号、特開昭60−92359号、特開昭62−34
962号、特開昭62−285956号、特開平4−2
27666号、等に記載されている技術がいずれも使用
できる。真珠顔料には虹彩色を発するものがあり、見る
角度で色相が変化することが特徴である。本発明で用い
る真珠顔料はこの虹彩色を発する真珠顔料を用いること
が特に好ましい。異なる虹彩色を発するスレッドを基紙
に抄き込むことで偽造防止能が高まり、また意匠的な効
果が高まるからである。
【0012】バインダーとしては、スチレン・ブタジエ
ン共重合ラテックス,メチルメタクリレート・ブタジエ
ン共重合ラテックス等の合成ゴムラテックスやポリアク
リル酸エステルエマルジョン,ポリ酢酸ビニルエマルジ
ョン等の合成樹脂エマルジョン、澱粉、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール等の天然糊剤若しくは合成糊剤等が使
用できる。
【0013】本発明ではバインダーとして冷水には不溶
で、かつ50℃以上の熱水に可溶であるバインダーを使
用することが特に好ましい。このような性質をもつバイ
ンダーの好適な例としてはポリビニルアルコールが挙げ
られる。ポリビニルアルコールは重合度と鹸化度を変化
させて合成することが出来、水に対する溶解温度を変化
できる。このようなバインダーを使用して作製したスレ
ッドは後に詳しく述べるように、抄紙工程のウエットパ
ートではスレッドからバインダーが溶出せず、ドライパ
ートの熱により溶出し、用紙と密着する性質を持つよう
になる。
【0014】本発明は真珠顔料100重量部(乾燥重量
部、以下同じ)に対して、バインダーを通常80〜30
0重量部混合した塗工液を調製する。この際、消泡剤、
防腐剤、防黴剤、粘度調整剤等の副資材を本発明を阻害
しない程度に適宜混合することもできる。このように調
製した塗工液を通常坪量20〜100g/m2(乾燥重
量、以下同じ)、好ましくは30〜50g/m2の原紙
に塗工量2〜10g/m2、好ましくは3〜5g/m2塗
工する。原紙は真珠顔料の光輝感を出すためにはなるべ
く表面平滑性に優れるものが好ましい。耐水強度の優れ
た白色顔料塗工紙が好ましい例であるが、本発明者らが
検討した結果では、上質紙でも本発明の目的は十分達せ
られることを確認した。原紙は塗工液の浸透を防止する
ためにある程度サイズ性があることが好ましく、また湿
潤耐水強度もあることが好ましい。
【0015】真珠顔料塗工層は公知の塗工機、例えばエ
アーナイフコーター,ロールコーター等の塗工機やグラ
ビア印刷機を使用して設ける。塗工は両面に施すことが
好ましい。
【0016】バインダーに熱水可溶性のないバインダー
を使用した場合には、基紙への接着を向上させる目的
で、真珠顔料塗工層の上にさらにポリビニルアルコール
等冷水には不溶で、かつ熱水溶解性のバインダーを塗工
することもできる。
【0017】本発明では真珠顔料を塗工する原紙には紫
外線で蛍光色を発する蛍光発色剤を併用することもでき
る。また真珠顔料塗工液に紫外線で蛍光色を発する蛍光
発色剤を併用することもできる。これらの場合には基紙
は蛍光色を発する蛍光発色剤を併用しないことが好まし
い。このようにすることで、スレッドは紫外線を照射す
ると蛍光色を発するようになるが、普通の光源下で見た
場合は、蛍光発色剤を併用しないときと外観はほとんど
変わらない。こうすることで用紙の偽造防止性能をより
高めることができる。用紙に紫外線を照射することでス
レッドは蛍光色を発し真贋を容易に判定できる。
【0018】蛍光発色剤としては、フルオレッセイン,
クマリン系,オキサゾール系,ピラゾリン系,チアジア
ゾール系,スピロピラン系,ピレンスルホン酸系,ベン
ゾイミダゾール系,ジアミノスチルベン系等の蛍光染料
や硫化亜鉛/銅活性顔料等の硫化物系や酸化物系の無機
蛍光剤等をいずれも利用できる。
【0019】このようにして製造した真珠顔料塗工紙を
マイクロスリッターを使用して、通常は巾0.5〜5m
m、好ましくは2mm前後の巾でスリットしスレッドを
作製し、ボビンに巻き取る。
【0020】本発明の基紙は、針葉樹晒クラフトパルプ
(NBKP),広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP),
針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP),サーモメカ
ニカルパルプ(TMP)等の製紙用パルプを主体としこ
れに乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着
剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色
顔料、蛍光剤などを適宜併用し、通常フリーネス550
〜250mlC.S.F.で長網抄紙機や円網抄紙機等
の公知の抄紙機を使用して抄紙する。本発明ではさら
に、抄紙途上で紙面に澱粉、ポリビニルアルコール、各
種表面サイズ剤等をサイズプレス装置等で塗工すること
も可能である。この方法は真珠顔料塗工層を構成するバ
インダーが熱水可溶性でない場合に、細片と基紙との接
着性を向上するのに効果がある。さらに必要に応じ、マ
シンカレンダー処理やスーパーカレンダー処理を施し、
表面平滑性を向上させることも適宜行われる。
【0021】金属蒸着フィルムをスレッド化して紙層の
間に抄き込んだものは「糸入り紙」と称して偽造防止用
紙として使用されている。外国では紙幣にこの技術を応
用して偽造防止性能を高めていることは良く知られてい
る。本発明ではスレッドは基紙を抄造する時に、従来の
糸入り紙とは異なり、基紙の少なくとも一方の面の表面
に抄き込むことが必要であり、例えば次のような方法で
抄き込む。なお本発明で「抄き込む」とは、基紙の表面
にスレッドが露出するか、若しくはごく一部に紙料が被
っている状態を言う。本発明ではスレッドの真珠光輝色
が目で視認出きる状態で抄込まれていることが必要であ
る。 1)長網抄紙機のスライス直後にスレッドをボビンから
繰り出し、紙匹上に乗せ表面に抄き込む。 2)長網抄紙機や円網抄紙機で紙匹を形成後、プレスロ
ールにスレッドをボビンより繰り出し、紙匹表面にスレ
ッドを抄き込む。 3)円網抄紙機のバットの紙層形成後のシリンダー上に
スレッドをボビンから繰り入れて抄き込む。
【0022】スレッドは基紙の片面に抄き込まれていて
も、両面に抄き込まれていてもよい。このようにして形
成した紙匹は、シリンダードライヤーやヤンキードライ
ヤー等の抄紙機の乾燥ゾーンで熱を与えられて乾燥され
る。乾燥初期には紙匹には多量の水分が含まれているの
でスレッドにも熱水が接触し、熱水可溶性バインダーを
使用したスレッドは、バインダーが膨潤またはその一部
が溶解し基紙と強固に接着する。
【0023】本発明の偽造防止用紙は他の偽造防止手段
と併用することができる。例えば、透き入れ、染色繊維
との混抄、スレッドの抄込み等である。これにより偽造
防止効果をより高めることができる。
【0024】本発明はこのようにして製造した基紙の、
スレッドを抄き込んだ面と反対の面に印刷適性良好な顔
料塗工層を設けることもできる。こうすることで、高度
の多色刷り印刷が可能な偽造防止用紙が得られる。紙の
印刷適性を改善するために、表面にカオリンや炭酸カル
シウム等の白色顔料とバインダーを主体とする顔料塗工
層を設けることは公知であり、アート紙やコート紙等と
呼ばれ大量に生産されている。本発明の顔料塗工層はこ
れら公知の処方がいずれも利用できる。例えば、カオリ
ン,炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散させ、こ
れに澱粉,カゼイン,合成ゴムラテックス等のバインダ
ーと必要に応じて塗工用の副資材を適宜併用して、ブレ
ードコーターやエアーナイフコーター等の公知の塗工機
を使用して、通常5〜25g/m2塗工し、スーパーキ
ャレンダー処理する。
【0025】本発明の偽造防止用紙は以上のようにして
製造される。本発明の構成の偽造防止用紙を製造するに
は高度の技術が必要であり、スレッドの光輝感と質感は
他の手段では得られない。本発明の偽造防止用紙を使用
して印刷物を製造する際、スレッドの抄き込まれている
面に印刷する場合はスレッドの少なくとも一部分が印刷
が施されないような図柄で印刷することが好ましい。ス
レッドの表面に印刷がされると、真珠顔料の光輝感が失
われる傾向にあり、偽造防止効果が低下するからであ
る。
【0026】図2は前にも説明した通り、本発明の偽造
防止用紙を使用して製造した偽造防止印刷物の一例であ
り、チケットを作製した例を図示してある。21は印刷
部分であり、その一部に白抜き部分22(印刷を施さな
い部分)を形成し、ミシン目23を設けてある。印刷部
分21のスレッドはインクで覆われるので真珠光輝色は
かなり失われるが、白抜き部分では明瞭に視認できる。
このチケットをカラー複写機で複写すると印刷部分の色
相は再現されるが、白抜き部分の真珠光輝色は全く再現
されない。従ってカラーコピー機で偽造したチケットを
使用して入場しようとしても、チケットの真贋を容易に
判定されてしまう。
【0027】真珠顔料の光輝色が複写されない理由は、
以下によるものと推定した。真珠顔料は板状の結晶構造
の粒子よりなり、真珠光輝色は表面から入射した光の多
重反射で発生し、金属蒸着面のようなギラギラした光輝
感では無く、穏やかな光輝感である。カラー複写機は原
稿への照射光の入射は45度前後であり、90度前後の
反射光で感光ドラムを露光する方式を採用している。こ
の角度では真珠光輝色はほとんど失われ、複写物には真
珠顔料の色は再現されない。
【0028】
【実施例】
実施例1 スレッドの製造 坪量35g/m2の湿潤強度とサイズ性が良好な原紙の
両面に、酸化チタン被覆雲母粉末の乳白色真珠顔料(商
品名「イリオジン100」、メルク・ジャパン(株)製
造)100重量部、熱水溶解温度が約60℃のポリビニ
ルアルコール(クラレ(株)製造)100重量部より成
る塗料を用い、エアーナイフコーターを使用して片面5
g/m2ずつ塗工した。ついでマイクロスリッターを使
用して巾2.5mmのスレッドを製造しボビンに巻き取
った。 基紙の処方、及び基紙の製造 NBKP20重量部,LBKP80重量部を350ml
C.S.F.に叩解し、これに白土10重量部、紙力増
強剤(商品名「ポリストロン191」、荒川化学工業
(株)製)0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパ
インE」、荒川化学工業(株)製)1.0重量部、硫酸
バンドを適量加え紙料を調製した。円網抄紙機を使用し
て坪量110g/m2の用紙を抄造時に、プレスロール
直前で上記構成のスレッドを100mm間隔にボビンか
ら繰り出した。後は常法に従い製造した(乾燥は多筒式
シリンダードライヤーで行った)。
【0029】実施例2 実施例1の真珠顔料を、赤色の虹彩色を発する真珠顔料
(商品名「マーリン・ラスター・ピグメンツ、ハイライ
ト・スーパーレツド9430Z」、マール・コーポレー
ション製造)、緑色の虹彩色を発する真珠顔料(商品名
「マーリン・ラスター・ピグメンツ、ハイライト・スー
パーグリーン18430Z」、マール・コーポレーショ
ン製造)に替え、それぞれ別々の塗工液を調製し、他は
実施例1と同一の真珠顔料塗工紙を製造した。ついでマ
イクロスリッターを使用して巾2.5mmのスレッドを
製造しボビンに巻き取った。実施例1と同一の処方で、
長網抄紙機を使用して坪量110g/m2の用紙を抄造
時に、プレスロール直前で上記構成のスレッド2種類を
10mm間隔に互い違いにボビンより繰り出し、後は常
法に従い製造した(乾燥は多筒式シリンダードライヤー
で行った)。
【0030】顔料塗工液の塗工 カオリン(商品名「UW90」、エンゲルハード(株)
製造)50重量部、炭酸カルシウム(商品名「タマパー
ルTP222H」、奥多摩工業(株)製造)50重量
部、分散剤(トリポリリン酸ナトリウム)0.25重量
部、酸化澱粉(日澱化学(株)製造)6重量部、スチレ
ン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名「ニポールL
X407C」、日本ゼオン(株)製造)14重量部より
なる塗工液を上記基紙のスレッドの抄き込み面と反対の
面に、エアーナイフコーターを使用して15g/m2設
け、次いでスーパーキャレンダー処理し偽造防止用紙を
製造した。
【0031】パルプ回収試験 実施例1の抄紙後の用紙を用い高濃度パルパーでパルプ
回収試験を行った。用紙5重量部、水95重量部(即ち
パルプ濃度5%)、カセイソーダを0.1重量部の割合
でパルパーに仕込み、生蒸気を吹き込みながら回転さ
せ、温度60℃に上昇させたところ、スレッドは完全に
離解した。真珠顔料は微細化されパルプ中に完全に分散
しており、含まれる割合も極めて少量なので、回収パル
プを使用して抄紙してもこの影響は全く認められなかっ
た。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の偽造防止用
紙及び偽造防止印刷物は製造され、下記に述べるような
顕著な効果を有する。 1)用いるスレッドの光輝感は、真珠顔料の光輝感であ
るので、目で見た時に違和感が全く無い。 2)カラー複写機で複写を試みても、用紙に抄き込まれ
たスレッドの真珠顔料の光輝色は再現できないため、偽
造したものであるか否かの判定が即座に可能となる。 3)特に虹彩色を発する真珠顔料を使用した細片を使用
することで、意匠性も優れた偽造防止用紙を得ることが
できる。 4)真珠顔料塗工層に使用するバインダーを熱水可溶性
のバインダーにすることで、抄紙機のウェットパートで
溶解せずに、ドライヤーパートで基紙に強固に接着させ
ることが出きるので、この面にも印刷を施す場合には印
刷時にスレッドが脱落する問題が起こらない。 5)損紙、古紙からの製紙用繊維の回収が容易に行え
る。 6)片面に印刷適性良好な顔料塗工層を設けた構成の偽
造防止用紙は高級多色刷りが可能となる。 7)このような特性を生かし、本発明の偽造防止用紙
は、小切手用紙、株券用紙、債券用紙、紙幣用紙、商品
券用紙、パスポート用紙、各種チケット用紙、乗車券な
どに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止用紙の一部拡大断面図であ
る。
【図2】本発明の偽造防止印刷物の一例の上面図であ
る。
【符号の説明】
1 スレッド 2 基紙 3 顔料塗工層 21 印刷部分 22 白抜き部分
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/38 G03G 21/04 21/00 560 6605−2H 6605−2H G03G 21/00 550

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真珠顔料とバインダーを主体とする塗工
    液を塗工した真珠顔料塗工紙を細巾にスリットしてなる
    スレッド1を基紙2の少なくとも一方の面の表面に抄き
    込んだことを特徴とする偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 前記バインダーが冷水には不溶で、かつ
    50℃以上の熱水に可溶であることを特徴とする請求項
    1記載の偽造防止用紙。
  3. 【請求項3】 上記真珠顔料が虹彩色を有する真珠顔料
    であることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  4. 【請求項4】 真珠顔料とバインダーを主体とする塗工
    液を塗工する原紙が、蛍光発色剤を併用してあることを
    特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  5. 【請求項5】 真珠顔料とバインダーを主体とする塗工
    液に蛍光発色剤を併用することを特徴とする請求項1記
    載の偽造防止用紙。
  6. 【請求項6】 基紙の片面が、真珠顔料とバインダーを
    主体とする塗工液を塗工した真珠顔料塗工紙を細巾にス
    リットしてなるスレッドを抄き込んだ面であり、他の面
    に印刷適性良好な白色顔料塗工層を設けたことを特徴と
    する偽造防止用紙。
  7. 【請求項7】 真珠顔料とバインダーを主体とする塗工
    液を塗工した真珠顔料塗工紙を細巾にスリットしてなる
    スレッド1を基紙2の一方の面の表面に抄き込んだ偽造
    防止用紙を使用し、スレッドの少なくとも一部分が印刷
    が施されないような図柄で印刷21を施したことを特徴
    とする偽造防止印刷物。
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