JP4352544B2 - スレッド入り偽造防止用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品券や株券などの有価証券の偽造や改竄防止又は意匠性を高めるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
商品券や株券などの有価証券やパスポートのような認証のための証書には偽造・改竄防止のために、その券面に細かい幾何学模様やインキが盛り上がる凹版などの印刷による技術が広く行われている。また、普通の状態では目視できないがブラックランプの器具により紫外線を照射すると蛍光発色し、隠れていた図柄等が見えてくる蛍光インキなども使われている。さらに、高度な技術で作られたホログラムを箔にしたものを券面に設けることやスレッド状にして用紙の間にすき込む技術が開発され採用され始めた。
【0003】
しかし、最近のカラーコピー機やカラースキャナー技術の発達等により偽造や改竄が容易にできる環境が生まれ、さらに強固な偽造防止技術が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
スレッド入り用紙は、偽造防止を強化するためにスレッドの幅を広くしてスレッドを見やすくしたり、スレッドを複数にしたりしている。しかし、これらの方法であるとスレッドの価格が高くなりコストアップになった。
また、スレッドが見えるのは片面のみである。従って、商品券等において、スレッドが見えている面の裏面の偽造防止を強化するとなると、さらにホログラムの箔を設ける等をしなければならずやはり価格アップにつながった。
本発明は偽造防止用紙に窓を設け、スレッドを表裏両方の面から見えるようにすることにより、価格を上げずに表裏のセキュリティを強化する技術を提供しようとするものである。
【0005】
また、窓の部分を独特な形状にすることで意匠性を高めると共に、偽造・改竄を一層困難にすることができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為になされた請求項1に記載の発明は、商品券や株券など有価証券に使用される偽造防止用紙において、用紙の間に挟まれたスレッドが用紙の表裏の材料の一部を除去することにより開けた複数個の窓より、表裏それぞれ面に露出し、目視することができ、前記窓はその位置が表裏で異なることを特徴とするスレッド入り偽造防止用紙である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記スレッドとして、ホログラムが形成された材料であることを特徴とする請求項1記載のスレッド入り偽造防止用紙である。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記スレッドの幅が1〜2mmであることを特徴とする請求項1記載のスレッド入り偽造防止用紙である。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記窓の幅が、前記スレッドの幅より2倍以上大きいことを特徴とする請求項1記載のスレッド入り偽造防止用紙である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明のスレッド入り偽造防止用紙(10)のスレッドと窓とを表裏対称に同じ位置に設けた場合を示す図であり、(A)は平面図、(B)はX−X線部の断面図である。
このスレッド入り偽造防止用紙(10)は、スレッド(11)が用紙の中間に挟まるようにして漉き込まれる。窓(12)の部分はパルプ層(13)がない。これにより表面から見ると、表面側窓(12a)の領域で11aのスレッドを目視することができる。同様に裏面から見ると、裏面側窓(12b)の領域で11bのスレッドを目視することができる。窓(12)以外にあるスレッドは用紙の中に隠れ見えないようになっている。
【0011】
図2は本発明のスレッド入り偽造防止用紙(20)のスレッドと窓とを表裏で異なった位置に設けた場合を示す図であり、(A)は平面図、(B)はX−X線部の断面図である。
このスレッド入り偽造防止用紙(20)は、スレッド(21)が用紙の中間に挟まるようにして漉き込まれる。窓の部分はパルプ層(23)がない。これにより表面から見ると、表面側窓(22a)の領域で21aのスレッドが目視することができる。同様に裏面から見ると、裏面側窓(22b)の領域で21bのスレッドを目視することができる。窓以外にあるスレッドは用紙の中に隠れ見えないようになっている。
【0012】
窓の形状は、偽造防止用紙の意匠性や偽造防止効果を高めるために矩形にする必要はなく、意匠性を考慮して図3に示すように様々な形状にしてもよし、様々な形状を組み合わせても良い。
【0013】
スレッドの幅は通常約1〜2mmであり、窓の大きさが小さいとスレッドを漉き込む際にスレッドを覆ってしまう恐れがあり、また小さいと目視し難いためにスレッドの幅より2倍以上大きくすると良い。
【0014】
スレッドとしてホログラム画像を設けたもの用いた場合について説明する。
図4はスレッド(40)の断面図である。ホログラムはレーザー光などを干渉して作る。虹色に輝くことを特徴をとし、目にも認識しやすい。
ホログラムは光学系による撮影によって形成したエンボスパターンからエンボスパターンを有するスタンパーを作成し、このスタンパーをホロクラム形成層(43)に熱押圧して作成することが一般的である。
この後、アルミニウム等の蒸着層(44)を形成する。蒸着層はその輝きを増す効果がある。なお、偽造防止効果をさらに高めるため、ホロクラム支持体(42)の上またはホログラム形成層(43)の上に印刷をしても構わない。
【0015】
接着剤(41)は用紙の繊維にスレッドを固定する働きがある。図4では、接着剤は両面にあるが片面のみでも良い。
【0016】
スレッドの幅は約1mm〜2mmであり、幅の広いスレッドの原反をスリッターによりスリットしリールに巻き取って用紙の抄造時に使用される。
【0017】
次に、スレッドを用紙に漉き込む工捏について、図5の模式図により説明する。
スレッド巻出ロール(50)から繰り出されたスレッドは、1槽目と2槽日の容器(52、55)において、1槽目は用紙の表面の窓を作り、2槽目は用紙の裏面の窓を作る。それぞれの槽には用紙の材料であるパルプが満たされている。
【0018】
抄造は左より右に向かって行われる。先ず、1槽日の丸網(53)には窓の形状に対応した凹凸が設けられており、この丸網で用紙の材料が掬い上げられ、表面の窓と用紙の表側パルプ層(57)が作られる。次に裏面に窓を形成する為2槽目の容器(55)に通す。2槽日の丸網(56)では前記表面の窓の位置との関係で調整された裏面の窓と用紙の裏側パルプ層(57)が作られ、スレッドの両面にパルプ層と窓が設けられた本発明のスレッド入り偽造防止用紙が作製される。
【0019】
【発明の効果】
従来は例えば商品券において、スレッドのある面の裏面に偽造・改竄防止を施すとなると、ホログラム箔を転写して設けたり、蛍光インキを印刷したりすることが行われていた。それは当然価格アップをともなった。しかし、本発明は1本のスレッドが用紙の表裏より見えるため、それのみで表裏両面のセキュリティの強化ができ、また価格も現状のままに押さえることができる。とくに本発明はパスポートのように表裏のページを使う場合には、表裏のページに必ず偽造防止が必要とされているものに対して効果的である。
【0020】
また、窓の部分はパルプ層がなく窓以外の部分と透過率が異なっており透かし効果を有する。更に窓の形状を矩形だけでなく様々な形状にすることにより意匠性を高めるとともに、偽造・改竄を一層困難にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスレッド入り偽造防止用紙を説明するものであり、(A)は平面図、(B)はX−X線における断面図である。
【図2】他の本発明のスレッド入り偽造防止用紙を説明するものであり、(A)は平面図、(B)はX−X線における断面図である。
【図3】窓の形状を変化させた一例を示す本発明のスレッド入り偽造防止用紙の平面図である。
【図4】ホログラムが形成されているスレッドを示す構成断面図である
【図5】本発明のスレッド入り偽造防止用紙を作製する装置の概略図である
【符号の説明】
10…スレッド入り偽造防止用紙
11…スレッド
11a…表面から目視されるスレッド
11b…裏面から目視されるスレッド
12…窓
12a…表面側窓
12b…裏面側窓
13…パルプ層
20…スレッド入り偽造防止用紙
21…スレッド
21a…表面から目視されるスレッド
21b…裏面から目視されるスレッド
22…窓
22a…表面側窓
22b…裏面側窓
23…パルプ層
30…スレッド入り偽造防止用紙
32…窓
40…スレッド
41…接着剤
42…ホログラム支持体
43…ホログラム形成層
44…蒸着層
50…スレッド巻出ロール
51…スレッド
52…1槽目の容器
53…丸網
54…ベルト
55…2槽目の容器
56…丸網
57…表側パルプ層
58…裏側パルプ層
Claims (4)
- 用紙の間に挟まれたスレッドが用紙の表裏の材料の一部を除去することにより開けた複数個の窓より、表裏それぞれ面に露出し、目視することができ、前記窓はその位置が表裏で異なることを特徴とするスレッド入り偽造防止用紙。
- 前記スレッドとして、ホログラムが形成された材料であることを特徴とする請求項1記載のスレッド入り偽造防止用紙。
- 前記スレッドの幅が1〜2mmであることを特徴とする請求項1記載のスレッド入り偽造防止用紙。
- 前記窓の幅が、前記スレッドの幅より2倍以上大きいことを特徴とする請求項1記載のスレッド入り偽造防止用紙。
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