JP4121773B2 - 光回折層を有する偽造防止用紙、及び有価証券 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造防止用紙に関し、さらに詳しくは、高輝度インキ反射層を有する光回折転写箔を用いて、ストライプ状に設けた偽造防止用紙、及び有価証券に関するものである。
【0002】
【従来技術】
(技術の概要)近年、紙幣、商品券、株券、小切手、手形等の有価証券、ギフト券、入場証、通行証、サービスポイントなどの、一定の金額を払い込んだ(プリペイドという)権利や資格などを証明する媒体が増加している。該媒体は一定の経済的価値や効果を持つため、不正に偽造、変造、不正使用することが絶えない。特に、カラーコピー機の精度向上が著しく、各種の媒体類の偽造を容易にしている。これを防止するため各種の偽造防止手段が施されている。
【0003】
(先行技術)従来、紙片に光輝性スレッドを簡単には剥離できないように抄き込んだ偽造防止用紙及び有価証券が、特開2002−4195号公報で、知られている。また、ストライプ状のホログラムスレッドを間歇的に露出させるように抄き込んだ磁気付き偽造防止用紙、乗車券、が、特開平11−78326号公報で、知られている。さらにまた、ストライプ状のホログラムを転写方で設けた偽造防止用紙が、特開平10−278462号公報で、知られている。しかしながら、これらのホログラムを用いる方法は、偽装防止の効果が高いが、ホログラムは高度な技術と設備を必要とするので、コストが高いという問題点がある。
従来の部分反射層は、通常、真空成膜法で金属の薄膜を全面に形成するが、偽造防止効果を高めるために、ホログラムなどの光回折層の反射層を部分的に設けるようにした有価証券印刷物が、特開平11−286194号公報で、知られている。しかしながら、この反射層は真空成膜法で、特殊な真空設備を必要とし、また、部分的に反射層を設けるには、一旦、全面反射層を設けた後に、別工程で、レジストを印刷しエッチングするので、小ロット生産に向かず、また、コストがかかるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、印刷絵柄と同調した部分的な高輝度インキ反射層を既存設備で製造できるので、コストが安く、意匠性が高く、かつ、目視で容易に真偽が判定でき、カラーコピーで偽造しにくくセキュリティ性の高い偽造防止用紙、及び有価証券を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる偽造防止用紙は、剥離層、透明インキを用い所望の画像を有する印刷層、光回折層、透明反射層、高輝度インキ反射層、熱接着層が順次積層された転写層を、ストライプ状として基紙に設けてなる偽造防止用紙において、前記高輝度インキ反射層が少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネートまたはセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含有する高輝度インキで印刷法により部分的に設けられており、少なくとも、光回折層と高輝度インキ反射層による金属様反射光回折画像、光回折層と透明反射層による透明光回折画像、透明インキによる印刷層と光回折層と高輝度インキ反射層による着色金属様反射光回折画像、及び透明インキによる印刷層と光回折層と透明反射層による着色透明光回折画像を同時に観察できるようにしたものである。
本発明によれば、少なくとも、高輝度インキ反射層による金属様反射光回折画像、透明反射層による透明光回折画像、印刷層と高輝度インキ反射層による着色金属様反射光回折画像、及び印刷層と透明反射層による着色透明光回折画像を同時に観察できるので、意匠性が高く、かつ、目視で容易に真偽が判定でき、カラーコピーで偽造しにくくセキュリティ性の高く、さらに、既存設備で製造でき、かつ、小ロット生産に対応でき、コストが安い光回折層を有する偽造防止用紙が提供される。
請求項2の発明に係わる有価証券は、請求項1に記載の光回折層を有する偽造防止用紙を用いてなるようにしたものである。
本発明によれば、金属調反射を有する光回折画像、着色金属調反射を有する光回折画像、透明な光回折画像、着色透明な光回折画像、印刷画像が得られるので、意匠性が高い、かつ、目視で容易に真偽が判定でき、カラーコピーで偽造しにくくセキュリティ性が高い、さらに、既存設備で製造でき、かつ、小ロット生産に対応でき、コストが安い有価証券が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す偽造防止用紙の平面図、及び断面図である。
図3は、本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
(層の構成)図1(A)は、本発明の偽造防止用紙の平面図であり、図1(B)は、そのAA断面図である。偽造防止用紙11は、基紙13の少なくとも一方の面へ、少なくとも1つのストライプ状の光回折層を有する転写層29を有し、該転写層29には光回折層24と、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含有する高輝度インキ反射層25が設けられている。基紙13へ転写層29を設けるには、図3に図示する光回折層を有する転写箔1(以降、単に転写箔1という)を用いて、基紙13へ熱転写する「熱転写法」、及び基紙13へ抄紙する際に漉き込む「抄紙法」があり、本発明ではいずれを使用してもよい。
【0007】
基紙13の少なくとも一方の面へ、必要に応じて有価証券印刷部15や、図示していないが磁気記録層、感熱印字層、インクリボンによる印字受像層、保護層、層間の接着力を高めるプライマ層などを設けてもよい。ストライプは用紙の表裏いずれでもよく、又その本数は1本でも複数でもよく、また、その方向は抄紙法では、用紙抄紙の流れ方向が一般的である。流れに直交する方向、斜め方向を必要とする場合には、熱転写法で、抄紙済みの用紙に熱転写すればよい。
【0008】
(発明のポイント)光回折層から再生されるホログラム、回折格子などの回折画像は、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含有し、金属光輝度を有する高輝度インキ反射層25を用いることで、十分に視認できるようになる。本発明は、偽造防止効果の高いホログラムなどの光回折画像を、各種の偽造防止用紙に使用できるようにストライプ状に貼着したものである。ストライプ状にすることで、有価証券などに必要な文章を邪魔することがない。
また、高輝度インキ反射層を、印刷法で部分的に設けたり、また、着色したり、さらに、印刷絵柄と同調するように設けたりしてもよい。さらにまた、光回折層と高輝度インキ反射層との間に、透明反射層を設けてもよい。このように、光回折層、高輝度インキ反射層、透明反射層、透明及び/又は不透明インキ層を組み合わせたり、上記高輝度インキ反射層が、印刷法で部分的に設けたり、また、印刷絵柄と同調するように設けたりしてもよい。
【0009】
このように、透明及び/又は不透明インキ層31、光回折層24、透明反射層27、高輝度インキ反射層25を組み合わせることで、意匠性を著しく高めることができる。かつ、目視で容易に真偽が判定できるが、「金属反射回折画像、透明回折画像、印刷画像」が、複雑かつ相互に入り組んだ絵柄を構成させることができるので、偽造することは極めて困難でセキュリティ性が高まる。また、印刷法のために小ロット生産にも対応でき、また、コストも低くできるという優れた効果を発揮する。
【0010】
(熱転写法によるストライプ)まず、熱転写法について説明する。本発明の偽造防止用紙の基紙13としては、表面平滑性および耐熱性に優れ、適当な強度、厚さを有するものであれば、特に制限はないが、坪量が100〜200g/m2程度の、上質紙、板紙、及びカード紙等の紙類、厚さが50〜300μm合成紙、プラスチックフィルム類などが適用できる。印字、転写適性に優れる上質紙、コート紙が好ましい。該基紙13へ、転写箔1を幅を0.5〜30mm程度、好ましくは1〜10mmの狭い幅に、スリットして熱転写することで、ストライプ状の転写層29を形成する。
【0011】
図2は、熱転写法を説明する模式的な断面図である。
図2に図示するように、図2(A)は、枚葉状態の基紙13へ転写する方法で、図2(B)は、連続の巻取り状態の基紙13へ転写する方法である。本発明では、ストライプの幅や本数に応じて、いずれかの方法を適宜選択して使用すればよい。図2(A)は、枚葉状態の基紙13と、転写箔1の熱接着層26面とを重ね合わせて、転写箔1側より、スタンパと呼ぶ加熱した金型を圧着する。転写箔1の熱接着層26が軟化又は溶融して基紙13へ接着する。そして転写基材21のみを剥離して除去することで、転写層29のみが基紙13側へ転写し移行する。
【0012】
図2(B)は、連続的に転写する方法で、転写箔1は、供給部41から長尺に連続したウェブ状に繰り出される。ストライプは、通常狭い幅であり、形成する本数に応じて複数本数を繰り出す。一方、基紙13も、供給部43から長尺に連続したウェブ状に繰り出される。基紙13は、目的とする例えば、商品券であれば複数の個数を面付けした広幅状態がコスト面から好ましい。ウェブ状に繰り出された転写箔1の熱接着層26面と、基紙13の一方の面とを重ね合わせて、加熱ロール45と受ロール47との間に挟持し、ロールの回転に応じて走行する。ロールの加熱加圧から開放された剥離部51で、転写箔1の転写基材11を剥離し、剥離された転写基材53は、巻上げ部49へ巻上げられる。このようにすると、簡易な熱ラミネータを用いて、連続作業で、効率よく、安価に転写作業をすることができる。
【0013】
(抄紙法によるストライプ)次に、抄紙法について説明する。転写箔1がストライプ状の形状となった場合に、製紙業の当業者はスレッドと称するので、本明細書でもスレッドと称することもある。
(基紙)本発明の偽造防止用紙の基紙13としては、表面平滑性および耐熱性に優れ、適当な強度、厚さを有するものであれば、特に制限はないが、上質紙等の洋紙、薄手の板紙、カード紙等の紙が適用できる。100〜200g/m2の坪量で、印字、転写適性に優れる上質紙、コート紙が好ましい。該基紙13へ、幅が0.5〜30mm程度、好ましくは1〜10mmの、狭い幅にスリットしたスレッドを抄き込んで製造する。
【0014】
即ち、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファィトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプや麻、綿、藁を原料とした非木材パルプ等を適宜混合して叩解し、これに填料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤などを適宜添加し、通常フリーネス400〜250mlC.S.F.に調整した紙料を調製する。該紙料へ、狭い幅のスレッドを繰り出しながら、長網抄紙機や円網抄紙機などの公知の抄紙機を使用して抄き込んで製造し、必要に応じてマシンカレンダー、スーパーカレンダー処理をする。また、スレッドは、基紙中へ埋没させてもよく、また、半分埋め込みや、十分に接着していれば表面上でもよい。また、基紙の表面に部分的に露出させてもよい。
【0015】
(スレッド)基紙13へ抄き込むスレッドは、光回折転写箔1を幅が0.5〜30mm程度、好ましくは1〜10mmの狭い幅にスリットしたものである。該光回折転写箔1は、転写基材21、剥離層22、保護層23、光回折層24、高輝度インキ反射層25、熱接着層26が順次積層されている。上記高輝度インキ反射層を、印刷法で部分的に設けたり、さらに、印刷絵柄と同調するように設けたりしてもよい。さらにまた、光回折層と高輝度インキ反射層との間に、透明反射層を設けてもよい。このように、光回折層、高輝度インキ反射層、透明反射層、透明及び/又は不透明インキ層を組み合わせたり、上記高輝度インキ反射層が、印刷法で部分的に設けたり、また、印刷絵柄と同調するように設けたりしてもよい。
【0016】
(転写箔)光回折転写箔1(以降、単に転写箔1と略す)は、熱転写法、及び抄紙法に用いる場合にも同じものでよい。該転写箔1は、図3に図示するように、転写基材21、剥離層22、光回折層24、高輝度インキ反射層25、熱接着層26が設けられている。また、必要に応じて、剥離層22と光回折層24との間に保護層を設けてもよく、例えば、基紙へ抄き込まれた光回折層24に、外力による擦れ、キズなどの耐久性が要求される場合である。
【0017】
(転写基材)転写基材21の材料としては、製造及び転写作業に耐える機械的強度、耐熱性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト・ポリブチレンテレフタレ−ト・ポリエチレンナフタレ−ト・ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体・テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体・ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6・ナイロン66・ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート・ポリメタアクリレート・ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン・ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリアラミド・ポリエーテルケトン・ポリエーテルニトリル・ポリエーテルエーテルケトン・ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン・高衝撃ポリスチレン・AS樹脂・ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン・セルローストリアセテート・セルロースダイアセテート・ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などがある。
【0018】
該転写基材21は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。また、該転写基材21は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該転写基材21の厚さは、通常、2.5〜100μm程度が適用できるが、4〜50μmが好適で、6〜25μmが最適である。この範囲を超える厚さでは、熱伝導性が悪くなって、転写が安定せず、コストも高く、また、この範囲未満では、機械的強度が不足し、転写時に切断などが発生して、作業性が低下する。
該転写基材21は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが、強度、耐熱性、価格面でバランスがよく、好適に使用され、特にポリエチレンテレフタレートが最適である。
該転写基材21は、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。また、該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウムなどの体質顔料が適用できる。
【0019】
(剥離層)転写基材21の保護層23および/または、光回折層24層形成面には、剥離を容易化するために、剥離層22を設ける。剥離層22としては、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などが適用できる。離型性樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などである。離型剤を含んだ樹脂は、例えば、弗素系樹脂・シリコーン・各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させたアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂などである。電離放射線で架橋する硬化性樹脂は、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)などの電離放射線で重合(硬化)する官能基を有するモノマー・オリゴマーなどを含有させた樹脂である。
【0020】
(保護層)保護層23は、転写基材21と光回折層24との剥離性を高め、かつ転写基材21の剥離後に光回折層24を保護する作用を果たす。保護層23の材質としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミド系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂等が例示でき、その膜厚は0.5〜5μmが好適であるが、これらに限定されることはない。該保護層23は、用途などの必要に応じて設ければよい。
【0021】
(光回折層)光回折層24は、無色または着色された透明または半透明なもので、単層であっても多層状であってもよく、凹凸を注型や型押しで再現できる熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、あるいは、光回折パターン情報に応じて硬化部と未硬化部とを成形することができる感光性樹脂組成物が利用できる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル(ポリメチルメタクリレート)、ポリスチレン、またはポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、またはトリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂であり、それぞれの単独、熱可塑性樹脂どうし、または熱硬化性樹脂同志の混合、もしくは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合等であってもよい。ラジカル重合性不飽和基を有し、熱成形性を有するものや、ラジカル重合性不飽和モノマーを添加した電離放射線硬化性樹脂組成物も利用できる。
【0022】
(光回折層の樹脂)電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂で、特に下記の一般式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂が好ましい。
【0023】
【化1】
Figure 0004121773
【0024】
ここで、6個のR1は夫々互いに独立して水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数が1〜16個の炭化水素基を表わし、XおよびYは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表わす。l、m、n、o及びpの合計を100とした場合に、lは20〜90、mは0〜80、nは0〜50、o+pは10〜80、pは0〜40の整数である。
【0025】
上記式(1)で表わされるウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好ましい1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルとメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート10〜80モル、Zとしてイソボルニルメタクリレート0〜80モルとを共重合して得られるアクリル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得られる樹脂である。
【0026】
従って、上記メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが共重合体中に存在している全ての水酸基に反応している必要はなく、共重合体中の2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位の水酸基の少なくとも10モル%以上、好ましくは50モル%以上がメタクリロイルオキシエチルイソシアネートと反応していればよい。上記の2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて又は併用して、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基を有するモノマーも使用することができる。
【0027】
以上の如く、水酸基含有アクリル系樹脂中に存在している水酸基を利用して、分子中に多数のメタクリロイル基を導入したウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物によって、例えば、回析格子等を形成する場合には、硬化手段として紫外線や電子線等の電離放射線が使用でき、しかも高架橋密度でありながら柔軟性および耐熱性等に優れた回析格子等を形成することができる。
【0028】
(光回折層の形成)剥離層22、保護層23、光回折層24の形成は、上述したそれぞれの材料を溶剤に溶解または分散させて、適宜添加剤を添加するなどした組成物を、印刷またはコーティング法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して、塗膜を形成すれば良い。また、電離放射線で架橋する硬化性樹脂は、そのままの無溶剤、または溶剤へ分散若しくは溶解した組成物を、印刷またはコーティング法で、少なくとも1部に塗布し、必要に応じて乾燥し、後述するように表面凹凸パターン(光回折パターン)を複製(エンボスともいう)した後に、電離放射線を照射して硬化して形成する。乾燥後の厚さとしては、剥離層22は、通常、0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。該厚さは薄ければ薄い程良いが、0.1μm以上であればより良い成膜が得られて剥離力が安定する。保護層23の厚さは1μm〜10μm程度、光回折層24の厚さは0.1μm〜10μm程度である。
【0029】
印刷方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷などが適用できる。コーティング方法としては、ロールート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコートなどのコーティング方法が適用できる。
【0030】
(光回折=凹凸パターン)光回折層24は、2次元または3次元画像を再生可能な表面凹凸パターン(光回折パターン)が形成されたものである。この表面凹凸パターンとしては、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞の光の強度分布が凹凸模様で記録されたホログラムや回折格子が適用できる。
(ホログラム)ホログラムとしては、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子、電子線直接描画等の描画的に形成された回折格子などがある。
【0031】
(回折格子)回折格子としては、ホログラム記録手段を利用したホログラフィック回折格子があげられ、その他、電子線描画装置等を用いて描画的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折光が得られる回折格子をあげることもできる。これらのホログラム、回折格子は、単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。
【0032】
(凹凸パターンの複製)ホログラムおよび/または回折格子を記録する表面凹凸パターン(光回折パターン)は、光回折層24の高輝度インキ反射層25の側に設ける。光回折パターンを複製する際には、マスターそのものも使用できるが、摩耗や損傷の恐れがあるため、アナログレコード等におけるのと同様、マスターに金属メッキまたは紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬化させて剥がす等の方法により、金属または樹脂による複製を行ない、複製された型を使用して商業的複製を行なう。
【0033】
(大量複製)商業的複製の方法は、金型または樹脂型を利用し、熱可塑性の合成樹脂、又は常温で固体状の電離放射線硬化性樹脂を素材として使用し、プレスによりホログラムを複製するか、または、金型または樹脂型面に電離放射線硬化性樹脂などの液状の樹脂を塗布し、紫外線や電子線を照射して硬化させる。この商業的な複製は、長尺状で行うことで連続な複製作業ができて、ホログラムを一方の表面に有する光回折層24が得られる。
【0034】
(高輝度インキ反射層)光回折層24に設けた光回折パターンは、該光回折パターン面に高輝度インキ反射層25を設けることにより、ホログラムの再生像および/または回折格子が明瞭に視認できるようになる。従来、金属光沢の高輝度インキ反射層25としては、通常、特殊機能を発揮させるものを除いては、真空蒸着法で形成したアルミニウムの金属薄膜が用いられてきた。他の、例えば、圧延法のアルミニウム箔では、真空薄膜法の金属薄膜ほどの金属光沢が、得られなかった。また、他の金属では、色調を帯びていたり、高コストためである。このように、真空蒸着法のアルミニウム薄膜が、実際に実用されている汎用用途では、全てと言って良いほどに、また、長期間にわたって用いられてきた。
また、従来からも、金属光沢を付与する印刷インキがったが、該インキはアルミニウムペーストやアルミニウム粉等の金属顔料を用いた、シルバーまたはゴールド等のメタリック調印刷インキである。アルミニウムペーストには、リーフィングタイプとノンリーフィングタイプがあるが、いずれを用いても、真空薄膜法の金属薄膜の金属光沢には、はるかに及ばなかった。さらにまた、蒸着アルミニウム薄膜を粉砕した粉末を用いたインキがあったが、表面処理が異なっており、十分な高輝度が得られなかった。
【0035】
(金属膜の表面処理)ところが、本発明では、印刷法で、真空薄膜法の金属薄膜に匹敵する金属光沢が得られることを見出した。即ち、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理されている蒸着金属膜を粉砕した蒸着金属膜細片を含有させた高輝度インキを用いて、印刷法で高輝度を発揮でき、光回折画像の反射層に使用することができることを見出した。さらに、印刷法なので、容易に部分的な高輝度インキ反射層を、既存設備で製造することができる。
上記高輝度インキ反射層を用いて印刷法で部分的に設ける場合に、印刷絵柄と同調するように設けると、意匠効果が高まる。さらにまた、光回折層と高輝度インキ反射層との間に、透明反射層を設けてもよい。このように、光回折層、高輝度インキ反射層、透明反射層、透明及び/又は不透明インキ層を組み合わせたり、上記した高輝度インキ反射層を部分的に設けたり、また、印刷絵柄と同調するように設けたりすることで、より一層意匠効果が高まる。部分的とは、文字、数字、記号、イラスト、模様、写真などのすべての絵柄が使用できる。
金属薄膜片とバインダとからなる高輝度インキ反射層25は、意匠性が高く、かつ、目視で容易に真偽が判定できてセキュリティ性も高まり、小ロット生産にも対応でき、また、コストも低くできるという著しい効果を発揮する。
【0036】
また、従来の真空蒸着法で形成したアルミニウムの金属薄膜は、十分な金属光沢が得られる。しかしながら、意匠的に高めるために、部分的なアルミニウムの金属薄膜を設けるには、一旦、真空成膜法でアルミニウム金属薄膜を全面に設けた後に、別工程で、レジストを印刷しエッチングするので、コストが非常に高く、また、小ロット生産に向かない。
【0037】
(高輝度インキ)そこで、本発明の高輝度インキ反射層25としては、金属蒸着膜に匹敵する金属光沢を有する高輝度インキを用いた、印刷法によって、任意な画像絵柄の高輝度インキ反射層25とする。該任意な画像絵柄の高輝度インキ反射層25が得られることで、これに対応する光回折層24部分の光回折画像が視認できるようになる。該インキは、金属蒸着膜細片の表面を有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で処理して、インキ中への分散性を向上させて、インキ塗膜の金属光沢を高輝度としたものである。該インキは、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片、バインダ、添加剤、及び溶剤からなり、必要に応じてグラビアインキ、スクリーンインキ、又はフレキソインキ化すればよい。
【0038】
金属蒸着膜細片の金属としては、アルミニウムが適用できるが、必要に応じて、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等も使用できる。金属蒸着膜の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.08μmであり、インキ中に分散させた金属蒸着膜細片の大きさは、5〜25μmが好ましく、さらに好ましくは10〜15μmである。大きさが、この範囲未満の場合はインキ塗膜の輝度が不十分となり、この範囲を超えると、グラビア版のセルに入りにくく、またスクリーン版が目詰まりし易く、印刷塗膜の光沢が低下する。
【0039】
金属蒸着膜細片は、まず、ポリエステルフィルム/剥離層/蒸着膜/表面の酸化防止トップコート層からなる蒸着フィルムを作成する。剥離層、トップコート層は、特に限定されないが、例えば、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレンなどが適用できる。上記蒸着フィルムを、溶剤中に浸積して、金属蒸着膜を剥離、撹拌、濾別、乾燥して、金属蒸着膜細片を得る。該金属蒸着膜細片を温度10〜35℃、30分程度、撹拌しながら、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体溶液を加え、金属蒸着膜細片の表面に有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体を吸着させて、金属蒸着膜細片の表面処理を行う。有機脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等が適用できる。セルロース誘導体としては、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース等が適用できる。有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体の添加量は、金属がアルミニウムの場合は、蒸着膜細片に対して1〜20質量%が好ましい。
【0040】
該表面処理の後、金属蒸着膜細片を分離、又は金属蒸着膜細片スラリーをそのまま、バインダ及び溶剤へ配合、分散させてインキ化する。該バインダとしては、公知のインキ使われているものでよく、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セラック、アルキッド樹脂等がある。該インキには、必要に応じて、着色用顔料、染料、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤、キレート化剤などの添加剤を添加してもよい。インキの溶剤は、公知のインキ用溶剤を使用することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、メタノール、エタノール、IPA等のアルコール類、アセトン、MEK等のケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等がある。
【0041】
また、通常のインキは、ロールミル、ボールミルなどで混練して、顔料た添加剤をサブミクロンまで微粒子化し高度に分散させて、印刷適性を持たせる。しかしながら、本発明で使用する高輝度インキは、混練工程を必要とせず、攪拌機で混合するだけでよく分散し、金属光沢が損なわれない。即ち、高輝度の金属光沢を発現させるためには、金属蒸着膜細片の大きさが5〜25μm程度が必要で、上記混練工程を行うと金属光沢が極端に低下してしまう。
【0042】
(高輝度インキの印刷)以上のようにして得られたインキを、公知のグラビ印刷、スクリーン印刷、又はフレキソ印刷で、所要の絵柄を製版して、印刷し、乾燥、必要に応じて硬化すればよい。このようにして、部分的、又は任意の画像の高輝度インキ反射層25が得られる。
【0043】
(着色した高輝度インキ)また、高輝度インキ反射層25を着色してもよく、高輝度インキ中に染料及び/又は顔料を添加したり、金属蒸着膜細片へ有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体を吸着させる表面処理を行う際に、有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体溶液に染料及び/又は顔料を添加したり、すればよい。また、該着色は透明でも不透明でもよい。透明着色、例えば、黄色とするとゴールド反射層となり、青色とするとメタリックブルー反射層となり、赤色とするとメタリックレッド反射層となる。また、不透明で淡い色であれば、パール調反射層、パステル調反射層の外観が得られる。
【0044】
(染料で着色した高輝度インキ)高輝度インキ反射層25の着色として、染料を用いる場合には、該染料着色高輝度インキ反射層の上(剥離層側、観察側)に、紫外線(UV)吸収層を設けることが好ましい。染料は美麗な色調や透明調を醸し出すが、耐侯性、特に耐光性が悪く、可視光線、紫外線の照射によって退色することがある。このために、染料で着色した高輝度インキ反射層の観察面(外光があたる面)側に、紫外線(UV)吸収層を設けて、耐光性を向上させる。
【0045】
(紫外線吸収層)該紫外線(UV)吸収層としては、溶媒へ少なくともバインダと紫外線吸収剤を分散又は溶解させたインキを、公知の印刷法、コーティング法で、塗布し乾燥すればよい。バインダ、及び溶媒としては、保護層に用いたものと同様なものが適用できる。印刷法、及びコーティング法も同様である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類、置換オキザニリド類、シアノアクリレート類、トリアリールトリアジン類などが適用でき、好ましくはベンゾトリアゾール化合物である。
【0046】
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどがある。
好ましくは2−(5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾールである。
【0047】
ベンゾフェノン類としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などがある。
置換オキザニリド類としては、例えば、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどがある。
シアノアクリレート類としては、例えば、エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどがある。
トリアリールトリアジン類としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジンがある。バインダ100質量部に対して、0.001〜30質量部、より好ましくは、0.05〜10質量部が用いられる。
【0048】
(熱接着層)次に、高輝度インキ反射層25面に熱接着層26を設ける。該熱接着層26の材料としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニール酢酸ビニール共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1μmから30μmの層を得る。
【0049】
(部分的な金属調反射の光回折画像部)このようにして、基材21、剥離層22、光回折層24、高輝度インキ反射層25、接着層26が順次積層された転写箔が得られる。この高輝度インキ反射層は従来の蒸着アルミニウムではなく、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理されている蒸着金属膜を粉砕した蒸着金属膜細片を含有するインキで、印刷法で部分的に設けられている転写箔である。図1に図示するようには、高輝度インキを印刷した図1(A部)は、十分な金属光沢が得られており、回折層24に記録された回折画像が、明確に視認できるので、「金属反射回折画像部」となる。しかし、図1(C部)は高輝度インキ反射層がなく、直接、熱接着層26が積層されているために、回折層24と熱接着層26との屈折率に差がなく、光が回折しないので、「回折画像不可視部」となる。回折画像が視認できず、何も見えない、ただ下が透けて見えるだけである。図1(A部)のみが、例えば、二次元又は三次元画像を表わすホログラムや回折格子、即ち、部分的な光回折画像を可視的に見ることができる。図1(A部)を任意の画像とすることで、部分的な「金属反射回折画像部」を得ることができる。
【0050】
図4は、本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
(透明な光回折画像部)図4は他の実施例を示し、光回折層24と高輝度インキ反射層25との間に透明反射層27を設けたものである。該透明反射層27は、その光学的な屈折率が光回折層24のそれとは異なることにより、回折画像、ホログラムを視認できるものとできる。該透明反射層27として、光回折層24とは異なる屈折率を有するものを用いると、ほぼ無色透明な色相で、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムが視認できるから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、光回折層24と屈折率に差のある透明金属化合物が適用でき、透明光回折パターン層32よりも光の屈折率の高い薄膜、および光の屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。透明金属化合物の形成は、光回折層24面に、200オングストローム、あるいはそれ以上の厚みになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの真空薄膜法などにより設ければよい。
【0051】
(金属調反射回折画像、透明反射回折画像の混在)このようにすると、図4(A部)は、図1(A部)と同様に十分な金属光沢が得られており、回折層24に記録された回折画像が明確に視認できるので、「金属反射回折画像部」となる。図4(B部)には、透明反射層があるために、回折層24に記録された回折画像が明確に視認できるが、金属反射はないので、「透明回折画像部」となる。即ち、「金属反射回折画像部」と「透明回折画像部」とをそれぞれ任意の画像とすることができ、かつ、「金属反射回折画像部」と「透明回折画像部」とが任意に混在した画像を得ることができる。
【0052】
図5は、本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
(着色有・無の金属反射回折画像、着色有・無の透明反射回折画像の混在)図5は他の実施例を示し、剥離層22又は必要に応じて保護層23と、光回折層24との間にインキ層31を設けたものである。該インキ層31は、単独または複数の、透明及び/又は不透明インキ層31でもよい。透明及び/又は不透明インキ層31としては、染料、顔料を溶解又は分散した公知のグラビアインキ、オフセットインキ、スクリーンインキ、フレキソインキなどのインキを用いて、公知のグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷などの印刷法で印刷すればよい。また、該インキ層31の絵柄は、光回折層24の画像と同調させたり、相互に共通又は連続させたり、絵柄によっては下地に白や黒などのベタ印刷をしたりすると、さらに効果的である。
【0053】
このようにすると、図5(A部)は、図1(A部)と同様に十分な金属光沢が得られており、回折層24に記録された回折画像が明確に視認できるので、「金属反射回折画像部」となる。図5(AA部)には、透明及び/又は不透明インキ層31があるために、例えば透明インキ層31の色調が黄色とすると、高輝度インキ反射層25の金属光沢と合わせて金色に見えるために、該部分に対応する回折層24に記録された回折画像が「着色有の金属反射回折画像部」、即ち、金色に見える。一方、図5(B部)には、透明反射層があるために、回折層24に記録された回折画像が明確に視認できるが、金属反射はないので、「透明回折画像部」となる。図5(BB部)には、透明インキ層31があるために、例えば透明インキ層31の色調が青色とすると、該部分に対応する回折層24に記録された回折画像が見えるために、「着色有の透明反射回折画像部」、即ち、青色回折画像に見える。
従って、「金属反射回折画像部」、「着色有の金属反射回折画像部」、「透明回折画像部」、「着色有の透明反射回折画像部」とをそれぞれ任意の画像とすることができ、かつ、「金属反射回折画像部」、「着色有の金属反射回折画像部」、「透明回折画像部」、「着色有の透明反射回折画像部」とが任意に混在した画像を得ることができる。
また、不透明インキからなる画像を形成すれば、該不透明インキが光回折層24及び/又は透明反射層27及び/又は高輝度インキ反射層25を覆って隠蔽し、光回折層24を隠し込むことができる。該隠し込み回折画像は不透明インキを除去することで視認できるが、偽造者には隠してあることが判らずセキュリティ性が高まる。さらにまた、隠蔽された部分は「印刷画像」が、また、不透明インキがなく、隠蔽されていない部分は「金属反射回折画像」、「着色有の金属反射回折画像」、「透明回折画像」、「着色有の透明反射回折画像部」などの「光回折画像」が見える。即ち、「光回折画像」と「印刷画像」とが連続して見ることができる。このように、透明及び/又は不透明インキ層31、光回折層24、透明反射層27、高輝度インキ反射層25を組み合わせることで、意匠性を著しく高めることができる。かつ、目視で容易に真偽が判定できるが、「金属反射回折画像、透明回折画像、印刷画像」が、複雑かつ相互に入り組んだ絵柄を構成しているので、偽造することは極めて困難でセキュリティ性が高まる。また、印刷法のために小ロット生産にも対応でき、また、コストも低くできるという優れた効果を発揮する。
【0054】
図6は、本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
(金属反射回折画像、透明回折画像、無回折画像の混在)図6は他の実施例を示し、基材21、剥離層22、光回折層24、少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネート、またはセルロース誘導体で表面処理されている蒸着金属膜を粉砕した蒸着金属膜細片を含有する高輝度インキ反射層25、印刷層33、透明反射層27、接着層26が順次積層された転写箔である。印刷層33は、公知の印刷法で印刷すればよく、他の層については、前述と同様に形成すればよい。印刷法としては、例えば、平版印刷、凹版印刷、凸版印刷、孔版印刷の基本印刷法、および、それらの応用印刷法が適用できる。応用印刷法としては、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷、グラビアオフセット印刷、タコ印刷などや、インクジェット印刷、転写箔を用いる転写印刷、熱溶融または昇華型インキリボンを用いる転写印刷、静電印刷などが適用できる。また、技法では、インキを紫外線で硬化する紫外線(UV)硬化印刷、インキを高温で硬化する焼き付け印刷、湿し水を用いない水なしオフセット印刷、などがある。
【0055】
印刷インキは、少なくともビヒクルと着色料とを含み、その粘度は、0.1〜3000ポアズが好ましい。着色料は、無機顔料、有機顔料のうち1種類以上を含有する。無機顔料としては、フェロシアン化鉄、酸化鉄、カドミウム系顔料、酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどがあり、有機顔料としては、不溶性アゾ色素系、アゾレーキ系、スタロシアニン系、ケレート系、ニトロ系、ジオインジゴー系、アンスラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、スレン系、ジオキサジン系顔料としては縮合型アゾ系などがある。
【0056】
ビヒクルとしては、乾燥油、合成樹脂、天然樹脂、繊維系、ゴム誘導体のうち1種類以上が適用できる。乾燥油としては、亜麻仁油、シナキリ油、エノ油、大豆油、魚油、脱水ヒマシ油、スチレン化油、ビニルトルエン化油、マレイン油などがある。天然樹脂としては、ウッドロジン、重合ロジン、石灰硬化ロジン、亜鉛硬化ロジン、ロジンエステル、セラックなどがある。合成樹脂としては、フェノール樹脂、変性アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、コールタールピッチ、ステアリンピッチなどがある。繊維系としては、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、などがある。ゴム誘導体としては、環化ゴム、塩化ゴムなどがある。
【0057】
該インキ組成物には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、などの添加剤を、適宜加えても良い。
これらの組成物を、分散・混練して、また、必要に応じて、溶剤で固形分量や粘度を調整して、インキ組成物とする。該インキを、前記印刷法で印刷して、乾燥し、必要に応じて、温度30℃〜70℃で適宜エージング、または、電離放射線(紫外線、電子線)を照射して、形成すれば良い。
【0058】
このようにすると、前述した原理によって、図6(A部)は「金属反射回折画像部」となり、図6(B部)は「透明回折画像部」となり、図6(C部)は「回折画像不可視部」となる。「回折画像不可視部」は回折画像が視認できず、印刷層33の絵柄などの画像が見える「印刷画像部」となる。また、高輝度インキ反射層25と印刷層33の画像を任意にすることによって、「金属反射回折画像部」、「透明回折画像部」、「印刷画像部」の画像がそれぞれ任意で、かつ、それぞれが任意に組み合わすことができる。
【0059】
さらに、図6の構成の剥離層22と光回折層24との間に透明インキ層31を設けると、「金属反射回折画像部」、「着色有の金属反射回折画像部」、「透明回折画像部」、「着色有の透明反射回折画像部」、「印刷画像部」の画像がそれぞれ任意で、かつ、それぞれを任意に組合わすことができる。
【0060】
以上説明してきた偽造防止用紙を用いて、有価証券又はそれに準ずる媒体とすれば、極めて偽造、変造しにくくすることができる。該有価証券又はそれに準ずる媒体としては、紙幣、商品券、株券、小切手、手形、保険証等の有価証券、宝くじ等抽選券、ギフト券、入場券、入場証、通行証、サービスポイントなどの一定の金額を払い込んだ(プリペイドという)権利を証明する媒体、あるいはパスポート、身分証明書、各種免許証、IDカード、各種カード等の如き資格などを証明する媒体である。該媒体に必要な事項を、本発明の偽造防止用紙へ印刷、手書き、捺印すればよく、もはや、高精度なカラーコピー機でコピーしても、コピー品であることが、一見して判読できる。
【0061】
【実施例】
(実施例1)まず、転写基材21として、厚さ12μmのルミラーFタイプ(東レ社製、ポリエステルフィルム商品名)を用いた。この一方の面へ、剥離ニス45−3(昭和インク社製、アクリル系樹脂の剥離インキ商品名)を固形分10質量%となるように溶剤で稀釈して、ロールコーティング法で、乾燥後の厚さが1μmになるように塗布し乾燥して、剥離層22を形成した。該剥離層22面へ、ユピマーLZ065(三菱化学社製、紫外線硬化樹脂商品名)を固形分25質量%となるように溶剤で稀釈して、リバースロールコーティング法で、乾燥後の厚さが3μmになるように塗布し乾燥して、光回折層24を形成した。該光回折層24面へ、スタンパを加圧(エンボス)してレリーフを賦形する。別途レーザー光を用いて作ったマスターホログラムから、2P法で複製したスタンパを複製装置のエンポスローラーに貼着して、150℃で相対するローラーと間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯で波長が200〜400nmの紫外線を照射して硬化させた。
該光回折層24面へ、ファインラップスーパーメタリックシルバーインキ(大日本インキ化学工業社製、高輝度インキ商品名)を用いて、光回折層の画像に延在する輪郭部を付与した絵柄を、グラビア印刷法で、乾燥後の厚さが5μmになるように印刷して、光回折層の画像と同調させた高輝度インキ反射層25を形成した。該高輝度インキ反射層25面へ、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体が25質量%、マイクロシリカ25質量%となるように溶剤で稀釈して、グラビア印刷法で、乾燥後の厚さが2μmになるように、全面に塗布し乾燥して、熱接着層26を形成して、転写箔1(転写基材/剥離層/印刷層/光回折層/高輝度インキ反射層/熱接着層)を得た。該転写箔は、部分的な高輝度インキ反射層を既存設備で容易に製造できた。また、光回折層の画像と高輝度インキ反射層とが同調して「金属反射回折画像部」が形成されていた。該光回折転写箔を精密マイクロスリッタ機で幅1.5mmにスリットして、スレッドとして、紙料へ抄き込む。
【0062】
NBKP20質量部、LBKP80質量部を叩解し、白土10質量部、紙力増強剤0.3質量部、サイズ剤1.0質量部、硫酸バンドを適量加えて、紙料を調製した。該紙料を用いて、2槽式円網抄紙機で抄紙速度50m/分で2層抄合わせる。この際に、上記で製造したスレッドを所定の位置に流した。次いで、公知の一般的な方法に従い湿紙を脱水し、ドライヤーで乾燥することで、スレッドは基紙13へ接着し、転写基材21を剥離して、本発明の偽造防止用紙を製造した。得られた偽造防止用紙は、スレッドの表面は露出した状態で、用紙の流れ方向にスレッドが基紙層へ埋設されていた。該偽造防止用紙を、カラーコピー機でコピーしたところ、高輝度インキ反射層部分は黒くなり、もちろん光回折槽の画像も再現されず、一見して偽造品と判断できた。
【0063】
(実施例2)光回折転写箔として、光回折層24面と高輝度インキ反射層25との間へ透明反射層27を設ける以外は、実施例1と同様にして、光回折転写箔(転写基材/剥離層/光回折層/透明反射層/高輝度インキ反射層/熱接着層)を得た。透明反射層27は、光回折層24面へ厚さ600nmの硫化亜鉛を真空蒸着法で形成した。該転写箔は、「金属反射回折画像部」、「透明回折画像部」の画像が得られた。該転写箔を用いて、実施例1と同様に抄き込んで、実施例2の偽造防止用紙を得た。該偽造防止用紙を、カラーコピー機でコピーしたところ、高輝度インキ反射層部分は黒くなり、もちろん光回折層「金属反射回折画像部及び透明回折画像部」の両画像の画像も再現されず、一見して偽造品と判断できた。
【0064】
(実施例3)剥離層22と光回折層24との間へ透明及び不透明インキ層を設ける以外は、実施例2と同様にして、実施例3の転写箔1(転写基材/剥離層/透明及び不透明インキ層/光回折層/透明反射層/高輝度インキ反射層/熱接着層)を得た。透明及び不透明インキ層は、剥離層面へ公知のグラビア印刷法で、赤色透明グラビアインキ、並びにイエロー、シアン、マゼンタ、墨色の一般的な不透明グラビアインキを用いて、カラー写真調の印刷層を形成した。該転写箔は、部分的な高輝度インキ反射層を既存設備で容易に製造できた。また、「金属反射回折画像部」、「着色有の金属反射回折画像部」、「透明回折画像部」、「着色有の透明反射回折画像部」、「写真印刷画像」の画像がそれぞれ任意で、かつ、それぞれを任意に組合わすことができた。該転写箔をマイクロスリッタ機で、幅5mmにスリットした。基紙として坪量150g/m2の上質紙へ、図2(A)の熱転写法で、2本のストライプを設けて、実施例3の偽造防止用紙を得た。該偽造防止用紙を、カラーコピー機でコピーしたところ、高輝度インキ反射層部分は黒くなり、もちろん光回折層「金属反射回折画像部、着色有の金属反射回折画像部、透明回折画像部、着色有の透明反射回折画像部、の両画像の画像も再現されず、一見して偽造品と判断できた。
【0065】
(実施例4〜6)実施例1〜3の偽造防止用紙を用いて、商品券として必要事項を印刷して、実施例4〜6の商品券を得た。該商品券は「金属反射回折画像及び/又は透明回折画像及び/又は印刷画像」からなるスレッドで優れた意匠性であった。また、該商品券をカラーコピー機でコピーしたところ、いずれも一見して偽造品と判断することができた。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、偽造防止用紙に抄き込まれたスレッドの、優れた意匠性とセキュリティ性を併せ持っている。
スレッドの部分的な反射層を、既存設備で容易に製造できる。
また、該スレッドは「金属反射回折画像部」、及び/又は「着色有の金属反射回折画像部」、及び/又は「透明回折画像部」、及び/又は「着色有の透明反射回折画像部」、及び/又は「印刷画像部」の画像がそれぞれ任意で、かつ、それぞれを任意に組合わすことができ、意匠性に優れている。
また、例えば、不透明インキからなる印刷画像を形成すれば、光回折層24を隠し込むことができ、偽造者には判らずセキュリティ性が高まる。
さらにまた、隠蔽された部分は「印刷画像」が見え、また、隠蔽されていない部分は「金属反射回折画像」、「着色有の金属反射回折画像」、「透明回折画像」、「着色有の透明反射回折画像部」などの「光回折画像」が見える。即ち、「光回折画像」と「印刷画像」とが連続して見ることができ、意匠性が著しく高まる。
さらにまた、目視で容易に真偽が判定できるが、「金属反射回折画像、透明回折画像、印刷画像」が、複雑かつ相互に入り組んだ絵柄を構成しているので、偽造することは極めて困難でセキュリティ性が高まる。
また、印刷法のために小ロット生産にも対応でき、また、コストも低くできるという優れた効果を発揮する。
このような偽造防止用紙を用いて、本発明の商品券とすることで、小ロット生産にも対応でき、また、コストも安く、意匠性が高く、かつ、目視で容易に真偽を判定することができ、偽造が極めて困難でセキュリティ性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例を示す偽造防止用紙の平面図、及び断面図である。
【図2】 熱転写法を説明する模式的な断面図である。
【図3】 本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
【図4】 本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
【図5】 本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
【図6】 本発明の偽造防止用紙へ光回折層を設けるための1実施例を示す光回折転写箔の断面図である。
【符号の説明】
1 転写箔
11 偽造防止用紙
13 基紙
15 商品券印刷部
21 転写基材
22 剥離層
23 保護層
24 光回折層
25 光輝度インキ反射層
26 熱接着層
27 透明反射層
29 転写層
33 印刷層
41、43 供給部
45 加熱ロール
47 受けロール
49 巻上げ部
51 剥離部
53 剥離された転写基材

Claims (2)

  1. 剥離層、透明インキを用い所望の画像を有する印刷層、光回折層、透明反射層、高輝度インキ反射層、熱接着層が順次積層された転写層を、ストライプ状として基紙に設けてなる偽造防止用紙において、前記高輝度インキ反射層が少なくとも有機脂肪酸、メチルシリルイソシアネートまたはセルロース誘導体で表面処理した金属蒸着膜細片を含有する高輝度インキで印刷法により部分的に設けられており、少なくとも、光回折層と高輝度インキ反射層による金属様反射光回折画像、光回折層と透明反射層による透明光回折画像、透明インキによる印刷層と光回折層と高輝度インキ反射層による着色金属様反射光回折画像、及び透明インキによる印刷層と光回折層と透明反射層による着色透明光回折画像を同時に観察できることを特徴とする光回折層を有する偽造防止用紙。
  2. 請求項1に記載の光回折層を有する偽造防止用紙を用いてなることを特徴とする有価証券。
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