JP5594043B2 - 偽造防止構造体、及び偽造防止媒体 - Google Patents

偽造防止構造体、及び偽造防止媒体 Download PDF

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Description

本発明は、偽造防止ステッカー、偽造防止転写箔等を含む偽造防止構造体の偽造防止、及び変造防止効果の高い偽造防止の技術に関する。
偽造防止構造体は、有価証券やブランド品、証明書、個人認証媒体等の偽造を防止するために使用され、真性品であることを証明する機能を有する。
近年では、特殊な光学効果を一瞥にて判別可能であることから、回折格子、ホログラム等の光学素子を利用した偽造防止構造体が様々な物品に対して使用されている。
この様な偽造防止構造体は、偽造防止ステッカー、又は偽造防止転写箔の形態で製造され、有価証券やブランド品、証明書、個人認証媒体等に貼付して使用される。
これら貼付された偽造防止構造体は、再利用を防止するための処置が施されているものが多い。
例えば、特許文献1では、各種溶剤によってステッカーを剥がそうとした際に発色する溶剤発色層を有する偽造防止ステッカーが提案されている。
特開2009−134528号公報 特許第4194073号公報 実用新案登録第2524092号公報 特許第4088884号公報
しかしながら、特許文献1のステッカーでは、溶剤発色する層を剥がしたり、溶かしたりして除去された場合、溶剤によりステッカーが剥がされた履歴が残らない。つまり、回折格子、ホログラム等の光学素子自体が溶剤によって発色したり、変形したり、破壊されなければ、光学素子が不正に再利用されるという課題が残る。
本発明は、前記のような点に着目してなされたもので、不正に再利用されることを防止することが可能な溶剤脆性機能を有する偽造防止構造体を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、少なくともレリーフ形成層、反射層、機能性樹脂層をこの順で積層した偽造防止構造体であって、前記レリーフ形成層は、片面側にレリーフ構造が形成され、前記反射層は、前記レリーフ構造の少なくとも一部を覆うように配置され、前記機能性樹脂層は、前記反射層と接する2種類以上の異なる樹脂組成の領域を有し、前記反射層は、前記レリーフ構造を部分的に覆うように配置され、前記機能性樹脂層は、該反射層領域だけを覆うように配置されていることを特徴とする。
次に、請求項2に記載した発明は、前記2種類以上の異なる樹脂組成は、予め設定した特定の有機溶剤に対する溶解度が異なることを特徴とする
次に、請求項に記載した発明は、前記機能性樹脂層を構成する2以上の領域のうちの少なくとも2つの領域は、その領域同士の一部が積層配置されていることを特徴とする。
次に、請求項に記載した発明は、特定の有機溶剤に浸漬した際に、前記機能性樹脂層の少なくとも1つの領域において、その領域に近接する反射層の反射濃度が浸漬前と比較し10%以上低下し、他の領域の少なくとも1つの領域に近接する反射層の反射濃度が浸漬前と比較し5%未満の低下であることを特徴とする。
次に、請求項に記載した発明は、前記レリーフ構造は、回折構造、ホログラム、集光レンズアレイ、拡散レンズアレイ、及び散乱構造の少なくとも1つを、少なくとも部分的に、同一平面で有することを特徴とする。
次に、請求項に記載した発明は、前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の偽造防止構造体のレリーフ形成層側に支持基材が積層すると共に、機能性樹脂層側に接着層が積層されたことを特徴とする偽造防止構造体を提供する。
次に、請求項に記載した発明は、前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の偽造防止構造体のレリーフ形成層側に対し剥離可能に支持基材が積層すると共に、機能性樹脂層側に接着層が積層された、転写箔構成であることを特徴とする偽造防止構造体を提供する。
ここで、必要であれば支持基材とレリーフ形成層の間に剥離保護層を設けても良い。剥離保護層は支持基材から安定に剥がれる為の層であり、支持基材から離形成の良い材料を選択すれば良い。
次に、請求項に記載した発明は、少なくとも請求項1〜請求項のいずれか1項の偽造防止構造体を貼り付けた偽造防止媒体である。
本発明によれば、溶剤によって偽造防止構造体、又はそれを構成する光学素子を剥がし、不正に再利用されることを防止可能な、溶剤脆性機能を有する偽造防止構造体を提供することが可能である。
本発明に基づく実施形態に係る第1の偽造防止構造体の断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る第2の偽造防止構造体の断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る第3の偽造防止構造体の断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る第4の偽造防止構造体の断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る第5の偽造防止構造体の断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の偽造防止構造体1)
第1の偽造防止構造体1は、図1に示すように、レリーフ形成層2、反射層3、機能性樹脂層を構成する第1領域4a及び第2領域4bが順に積層されて構成される。
すなわち、前記レリーフ形成層2の片面側である下面にレリーフ構造が形成され、そのレリーフ構造の少なくとも一部を覆うように反射層3が積層される。図1の例は、反射層3がレリーフ構造の全面を覆う例である。なお、図2〜図5は、反射層3がレリーフ構造を部分的に覆う例である。さらに、反射層3の上に機能性樹脂層が積層される。この図1に示す例では、第1領域4a及び第2領域4bが並んで配置された状態で反射層3と接している。第1領域4a及び第2領域4bの機能性樹脂は異なる樹脂組成からなる。また、機能性樹脂は3種類以上の領域から成っていても良い。以下の例でも同様である。
前記2種類以上の異なる樹脂組成は、予め設定した特定の有機溶剤に対する溶解度が異なることが好ましい。また、特定の有機溶剤に浸漬した際に、前記機能性樹脂層の少なくとも1つの領域において、その領域に近接する反射層3の反射濃度が浸漬前と比較し10%以上低下し、他の領域の少なくとも1つの領域に近接する反射層3の反射濃度が浸漬前と比較し5%未満の低下であることが好ましい。また、前記レリーフ構造2aは、回折構造、ホログラム、集光レンズアレイ、拡散レンズアレイ、及び散乱構造の少なくとも1つを、少なくとも部分的に、同一平面で有する
(第2の偽造防止構造体5)
第2の偽造防止構造体5は、図2に示すように、基本構成は前記第1の偽造防止構造体1と同じであるが、反射層3が、レリーフ構造2a表面の一部領域だけを覆うように設置され、機能性樹脂層の第1領域4a、および機能性樹脂層の第2領域4bは、反射層3の領域だけを覆うように配置されている。
(第3の偽造防止構造体6)
第3の偽造防止構造体6は、図3に示すように、前記機能性樹脂層を構成する2以上の領域のうちの少なくとも2つの領域は、その領域同士の一部が積層配置されている場合の例である。
図3に示す第3の偽造防止構造体6は、反射層3が、レリーフ構造2a表面の一部領域を覆うように配置され、機能性樹脂層の第1領域4a、および機能性樹脂層の第2領域4bは、反射層3の領域を覆うように設置されており、機能性樹脂層の第1領域4aと機能性樹脂層の第2領域4bは部分的に重なっている例である。
(第4の偽造防止構造体7)
第4の偽造防止構造体7は、図4に示すように、偽造防止ステッカーに適用した例である。第4の偽装防止構造体は、支持基材10の上に、第1〜第3の偽造防止構造体1,5,6のいずれかを積層する。図4は、第3の偽造防止構造体6を支持基材10上に積層して例である。更に、図4に示すように、第3の偽造防止構造体6における機能性樹脂層側に接着層11が積層されている。
(第5の偽造防止構造体8)
第5の偽造防止構造体8は、図5に示すように、偽造防止転写箔に適用した例である。第5の偽造防止構造体8は、支持基材10の上に、第1〜第3の偽造防止構造体1,5,6のいずれかを積層する。図5は、第3の偽造防止構造体6を支持基材10上に積層した例である。更に、図5に示すように、第3の偽造防止構造体6の、その機能性樹脂層側に接着層11が積層されている。支持基材10は、レリーフ形成層2に対し剥離可能に積層している。
ここで、必要であれば支持基材10とレリーフ形成層2の間に剥離保護層を設けても良い。剥離保護層は支持基材10から安定に剥がれる為の層であり、支持基材10から離形成の良い材料を選択すれば良い。
以下では、本実施形態における各層について詳しく説明する。
(支持基材10)
支持基材10は、フィルム基材が好ましい。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)などのプラスチックフィルムを用いることができるが、微細凹凸パターンの成形時にかかる熱や圧、電磁波によって変形、変質の少ない材料を用いることが望ましい。なお、必要によっては紙や合成紙、プラスチック複層紙や樹脂含浸紙等を支持体として用いても良い。
(レリーフ形成層2)
レリーフ構造2aを連続的に樹脂成形物を大量複製するにあたり、代表的な手法としては、特許文献2に記載の「プレス法」、特許文献3に記載の「キャスティング法」、特許文献4に記載の「フォトポリマー法」等が挙げられる。
中でも「フォトポリマー法」(2P法、感光性樹脂法)は、放射線硬化性樹脂をレリーフ型(微細凹凸パターンの復製用型)と平担な基材(プラスチックフィルム等)との間に流し込み放射線で硬化させた後、この硬化膜を基板ごと、複製用型から剥離する方法により高精細な微細凹凸パターンを得る事が出来る。また、この様な方法によって得られた光学素子は、熱可塑樹脂を使用する「プレス法」や「キャスト法」に比べ凹凸パターンの成形精度が良く、耐熱性や耐薬品性に優れる。また、更に新しい製造方法としては、常温で固体状若しくは高粘度状の光硬化性樹脂を使用して成形する方法や、離型材料を添加する方法もある。
レリーフ形成層2に使用される材料の例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加、架橋したウレタン樹脂や、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化樹脂を単独もしくはこれらを複合して使用できる。また、前記以外のものであっても、前記凹凸を形成可能であれば適宜使用してよい。但し、本発明では、特定の溶剤に対して溶解性の高い機能性樹脂層領域に近接したレリーフ構造2aが、反射層3越しに膨潤、収縮などによって崩れ、散乱構造になる必要があることから、想定する溶剤の種類によって、レリーフ形成層2の材料を適宜選定する必要がある。
フォトポリマー法におけるレリーフ形成層2の材料としては、エチレン性不飽和結合、又はエチレン製不飽和基をもつモノマー、オリゴマー、ポリマー等を使用することができる。モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。ポリマーとしては、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂が挙げられるがこの限りでない。
また、光カチオン重合を利用する場合には、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー、オキセタン骨格含有化合物、ビニルエーテル類を使用することができる。また、前記の電離放射線硬化性樹脂は、紫外線等の光によって硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することができる。樹脂に応じて、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、その併用型(ハイブリッド型)を選定することができる。
さらには、エチレン性不飽和結合、又はエチレン製不飽和基をもつモノマー、オリゴマー、ポリマー等を混合して使用する事や、これらに予め反応基を設けておき、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、有機チタネート架橋材、有機ジルコニウム架橋剤、有機アルミネート等で互いに架橋する事や、これらに予め反応基を設けておき、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、有機チタネート架橋材、有機ジルコニウム架橋剤、有機アルミネート等で、その他の樹脂骨格と架橋する事も可能である。この様な方法であれば、エチレン性不飽和結合、又はエチレン製不飽和基をもつポリマーであって、常温で固形で存在し、タックが少ない為に、成形性が良く原版汚れの少ないポリマーを得ることも可能である。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、アントラキノン、メチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、ミヒラーズケトン等を挙げることができる。
光カチオン重合可能な化合物を使用する場合の光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩等を使用することができる。光ラジカル重合と光カチオン重合を併用する、いわゆるハイブリッド型材料の場合、それぞれの重合開始剤を混合して使用することができ、また、一種の開始剤で双方の重合を開始させる機能をもつ芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等を使用することができる。
放射線硬化樹脂と光重合開始剤の配合は、材料によって適宜処方すればよいが、一般に0.1〜15質量%配合することにより得られる。樹脂組成物には、さらに、光重合開始剤と組み合わせて増感色素を併用してもよい。また、必要に応じて、染料、顔料、各種添加剤(重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、塗面改質剤、可塑剤、含窒素化合物など)、架橋剤(例えば、エポキシ樹脂など)、などを含んでいてもよく、また、成形性向上のために非反応性の樹脂(前述の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を含む)を添加しても良い。
また、適用する製造方法において成型可能な、ある程度の流動性を有すること。及び、成型後の塗膜が、所望する耐熱性や耐薬品性が得られることを考慮して材料を選択すれば良い。
レリーフ形成層2の形成には、コーティング法を利用してよく、その場合には支持基材10上にレリーフ形成層2の材料をコーティングすればよい。特にウエットコーティングであれば低コストで塗工できる。また、塗工膜厚を調整するために溶媒で希釈したものを塗布乾燥しても良い。
レリーフ形成層2の厚みは、0.1μm以上10μm以下の範囲で適宜設ければよい。
製造方法に依るが、塗膜が厚すぎる場合には加工時の加圧による樹脂のはみ出しや、シワの原因となり、厚みが極端に薄い場合には流動性が乏しく、十分な成型が出来ない。
また、成形性は所望する微細凹凸パターンの形状によって変化するが、所望する凹凸深さの1〜10倍の膜厚のレリーフ形成層2を設けることが好ましく、更に好ましくは3〜5倍である。
得られたレリーフ形成層2の片面に、所望する光学素子、例えば回折格子、ホログラム、レンズアレイ、散乱構造等のレリーフ形状が形成されているレリーフ原版と接触させた後、必要であれば熱、圧、電磁波を利用して、レリーフ原版の形状をレリーフ形成層2の片側に形状転写させてレリーフ構造2aを形成する。なお、レリーフ形成層2の表裏両面にレリーフ構造2aを形成しても良い。
ここで、レリーフ原版の作成方法については公知の方法を利用して良く、ロール状の原版であれば連続成型が可能である。
(反射層3)
反射層3は、電磁波を反射させることを特徴とする。支持基材10、及びレリーフ形成層2(細凹凸形成層)を透過した光を反射させる場合は、反射層3は、支持基材10及びレリーフ形成層2の屈折率よりも高い高屈折率材料を使用すればよい。この場合、両層の屈折率の差は、0.2以上であることが好ましい。屈折率の差を0.2以上にすることによって、レリーフ形成層2と反射層3との界面で屈折および反射が起こる。なお、光学素子の凹凸構造(レリーフ構造2a)に覆われた反射層3は、構造による光学効果を強調することも可能である。
反射層3の材料としては、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Agなどの金属材料の単体、またはこれらの化合物などが挙げられる。
反射層3の透過率が高い場合には、反射層3越しに光学層による光学効果を確認することが可能である。この様な場合であっても、機能性樹脂層の第1領域4aにおける光学効果と第2領域4bにおける光学効果に差があれば構わない。
なお、透明な反射層3として使用できる材料の例を以下に挙げる。以下に示す化学式または化合物名の後に続くカッコ内の数値は屈折率nを示す。セラミックスとしては、Sb23(3.0)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(5)、WO3(5)、SiO(5)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(5)、MgO(1)、SiO2(1.45)、Si22(10)、MgF2(4)、CeF3(1)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1)、Al23(1)、GaO(2)などが挙げられる。有機ポリマーとしては、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)などが挙げられるがこの限りでない。
反射層3は、溶解、腐食、又は変質により反射率、又は透明性に変化を生じさせる事によってパターン形成することを考慮し、前記材料の中から適宜選択すればよい。場合によっては複数の材料を使用しても良い。
溶解により反射率、又は透過率に変化を生じさせる方法としては、公知の金属、及び金属酸化物などをウェットエッチング処理する方法が挙げられる。エッチングに使用する処理剤は、公知の酸やアルカリ、有機溶剤や酸化剤、還元剤などを使用して良い。また、反射層3の素材によっては、ドライエッチング法を利用しても良い。
変質により反射率、又は透過率に変化を生じさせる方法としては、銅を酸化剤により酸化させて酸化第一銅に変化させることや、アルミニウムを酸化剤によって酸化させてベーマイトに変化させることが挙げられるがこの限りでない。
また、溶解特性や変質特性以外にも、屈折率、反射率、透過率などの光学特性や、耐候性、層間密着性などの実用耐久性に基づいて適宜選択され、薄膜の形態で形成される。
なお、反射層3は、レリーフ形成層2の平面に対して均一な表面密度で薄膜形成する必要が有ることから、ドライコーティング法が好ましく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など公知の方法を適宜使用することができる。
(機能性樹脂層)
本発明の重要な機能を有する機能性樹脂層は、少なくとも2つの異なる樹脂構成(樹脂組成)で、それぞれの領域を有することを特徴とし、機能性樹脂層の少なくとも1つの領域は、任意の溶剤に対する溶解度の高い樹脂構成とし、他の領域の少なくとも1つの領域は、該溶剤に対して殆ど溶解しない樹脂構成とする。これによって、溶剤脆性効果が得られる。
予め設定した特定の溶剤に対する溶解度の高い樹脂構成の機能性樹脂層領域では、該溶剤の浸漬によって、樹脂が膨潤、溶解して、反射層3やレリーフ形成層2を変形させ、散乱白濁を生じさせる。一方、任意の溶剤に対して殆ど溶解しない樹脂構成の機能性樹脂層領域では反射層3やレリーフ形成層2に変化が無い。このため、任意の溶剤浸漬によって白濁する領域と、変化が無く高い反射率を維持する領域とが得られ、この2つの領域を組み合わせることによって、任意の溶剤に浸漬させた際に、コントラストの高い文字パターンや画像パターンを出現させる事が可能である。
なお、特定の溶剤に対する溶解度を調整する際には、溶解パラメーターを参考にすると良い。
溶媒−溶質の溶解パラメーターが近い物質は溶解し易く、混ざりやすい傾向を持つ為である。例えば、溶剤Aに対する溶解度を上げたければ、溶剤Aに近い溶解パラメーターを有する有機物を選択すれば良く、逆に溶剤Aに対する溶解度を下げたければ、溶剤Aと異なる溶解パラメーターを有する有機物を選択すれば良い。
また、第2の偽造防止構造体5のように、機能性樹脂層が、反射層3領域のみを覆うように設ける方法としては、機能性樹脂層を反射層3のエッチングマスクとして利用すれば良い。例えば、レリーフ形成層2のレリーフ構造2a面の全面に対して、真空蒸着方によってアルミ蒸着反射層3を設け、その後、アルミ蒸着面に対して機能性樹脂層をエッチングマスク層としてパターン印刷し、アルカリエッチングを施すことによって、この様な構造の偽造防止構造体を形成することができる。なお、機能性樹脂層は少なくとも2種の樹脂構成のものを用意し、それぞれの領域でパターン印刷する必要がある。
前記の方法により第3の偽造防止構造体6を形成することも可能である。この場合、機能性樹脂層は少なくとも2種の樹脂構成を準備し、それぞれの樹脂構成をそれぞれの領域でパターン印刷する際に、部分的に重ね印刷を行えば良い。なお、機能性樹脂層自体が熱可塑性樹脂や粘着性樹脂であれば偽造防止構造体を貼り付ける接着層11として機能させることも可能である。
以上、本発明の偽造防止構造体を構成する各層について詳細に説明してきたが、
傷つき防止の為に最表面に保護膜を設ける事や、光学特性を向上させるために最表面に反射膜を設ける事も可能である。なお、保護膜や反射膜は、公知のコーティング方法を使用することが可能である。
また、層間の密着を向上させるために、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、プライマー塗工を施すことや、光学特性を向上させるために最表層に反射防止処理を付与することが可能である。
更には、意匠性を向上させるべく、層を着色することや、反射層3を多層構成にする事で、多層干渉膜としても良い。
そして、前記第1〜第5の偽造防止構造体8をICチップなどの媒体に貼り付けることで、偽造防止媒体を構成することが出来る。
本実施例においては、実施形態で説明した構成のうち図4の構成を代表例として説明する。
<実施例1>
厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムから成る支持基材10にレリーフ形成層2として下記組成物からなるインキを、乾燥後の膜厚が2μmとなるように塗布乾燥した。次いで、ロールエンボス法により、回折格子の微小凹凸パターンをレリーフ形成層2の表面に形成した。次に、反射層3として、アルミニウムを真空蒸着法にて50nmの膜厚となるように形成した。次に、下記組成物からなる第1の領域を構成する機能性樹脂層4aをグラビア印刷法によって「NG」の文字パターンを印刷した。その後、第1の機能性樹脂層4aのパターンを覆う様に、第2の領域を構成する機能性樹脂層4bをグラビア印刷法によって四角形状のベタパターン印刷した。その後、アルカリエッチング処理によって、機能性樹脂層が印刷されていないアルミ部分をエッチングした。その後、接着層11をグラビア印刷法によって乾燥膜厚3μmで塗布し、偽造防止ステッカーを得た。
「レリーフ形成層2インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0質量部
メチルエチルケトン 50.0質量部
酢酸エチル 30.0質量部
「第1の機能性樹脂層インキ組成物」
ポリアミド樹脂 20.0質量部
エタノール 50.0質量部
トルエン 30.0質量部
「第2の機能性樹脂層インキ組成物」
塩酢ビ樹脂 20.0質量部
メチルエチルケトン 50.0質量部
酢酸エチル 30.0質量部
「接着層11インキ組成物」
アクリル粘着剤 50.0質量部
シリカ 10.0質量部
メチルエチルケトン 40.0質量部
<比較例1>
比較例1にとして、実施例1における、第2の機能性樹脂層4bのみを利用し、同様の製造方法によって偽造防止ステッカーを得た。そして、前記製造された偽造防止ステッカーの評価を行った。
[偽造防止性の評価]
実施例1、及び比較例1の偽造防止ステッカーを、被転写材(厚み約200μmの上質紙)上に、貼り付けた(加圧時間は0.3秒)。
その後、酢酸エチルとメチルエチルケトンを同重量で配合した溶液に浸漬させてシールを剥がし、剥がされたシールの表面状態を確認した。
溶剤によって剥がされた比較例1のステッカーは、全面が白濁したものの、浸漬前のステッカーに比べて外観変化が少なかった。
一方、溶剤によって剥がされた、実施例1のステッカーは、白濁した四角パターンの中に、高い反射率で「NG」の文字パターンが高コントラストで浮き上がり、溶剤浸漬前とは明らかに異なる外観となった。
本発明によれば、溶剤によって偽造防止構造体、又はそれを構成する光学素子を剥がし、不正に再利用されることを防止する、溶剤脆性機能を有する偽造防止構造体を提供する事が可能である事から、有価証券やブランド品、証明書、個人認証媒体等に利用する事が可能である。
1 第1の偽造防止構造体
2 レリーフ形成層
2a レリーフ構造
3 反射層
4a 第1領域(機能性樹脂層)
4b 第2領域(機能性樹脂層)
5 第2の偽造防止構造体
6 第3の偽造防止構造体
7 第4の偽造防止構造体
8 第5の偽造防止構造体
10 支持基材
11 接着層

Claims (8)

  1. 少なくともレリーフ形成層、反射層、機能性樹脂層をこの順で積層した偽造防止構造体であって、
    前記レリーフ形成層は、片面側にレリーフ構造が形成され、前記反射層は、前記レリーフ構造の少なくとも一部を覆うように配置され、
    前記機能性樹脂層は、前記反射層と接する2種類以上の異なる樹脂組成の領域を有し、
    前記反射層は、前記レリーフ構造を部分的に覆うように配置され、前記機能性樹脂層は、該反射層領域だけを覆うように配置されていることを特徴とする偽造防止構造体。
  2. 前記2種類以上の異なる樹脂組成は、予め設定した特定の有機溶剤に対する溶解度が異なることを特徴とする請求項1に記載した偽造防止構造体。
  3. 前記機能性樹脂層を構成する2以上の領域のうちの少なくとも2つの領域は、その領域同士の一部が積層配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止構造体。
  4. 特定の有機溶剤に浸漬した際に、前記機能性樹脂層の少なくとも1つの領域において、その領域に近接する反射層の反射濃度が浸漬前と比較し10%以上低下し、他の領域の少なくとも1つの領域に近接する反射層の反射濃度が浸漬前と比較し5%未満の低下であることを特徴とした請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の偽造防止構造体。
  5. 前記レリーフ構造は、回折構造、ホログラム、集光レンズアレイ、拡散レンズアレイ、及び散乱構造の少なくとも1つを、少なくとも部分的に、同一平面で有することを特徴とした請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の偽造防止構造体。
  6. 前記請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の偽造防止構造体のレリーフ形成層側に支持基材が積層すると共に、機能性樹脂層側に接着層が積層されたことを特徴とする偽造防止構造体。
  7. 前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の偽造防止構造体のレリーフ形成層側に対し剥離可能に支持基材が積層すると共に、機能性樹脂層側に接着層が積層された、転写箔構成であることを特徴とする偽造防止構造体。
  8. 少なくとも請求項1〜請求項7のいずれか1項の偽造防止構造体を貼り付けた偽造防止媒体。
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