JP2009107259A - 情報表示体およびその製造に用いる転写箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報が記録されたOVD部分の一部あるいは全面に反射性薄膜層16が設けられ、かつ、それ以外のOVD部分に透明性反射層14が設けられてなる情報表示体において、少なくとも反射性薄膜層16の下側に耐熱層15が設けられ、該耐熱層15はガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなる。
【選択図】図2
Description
より詳しくは、例えば、商品券等や(クレジット)カード等の有価証券類の偽造防止対策、真正品であることの認証のための偽造防止対策(偽造の発見や抑止)を付与することで検証機能を備えた情報表示体に関するものである。それらの中でも特に、IDカード、免許証、パスポート等の顔写真や画像や文字等の個人情報を有する情報表示体において、個人認証用の情報が確認でき、かつ、偽造防止対策を付与した情報表示体に関する。
これらID証のごとき情報表示体を製造する際に、情報表示体表面に保護層となるフィルムが転写あるいはラミーネートによって設けられており、このときの熱でOVDが変形してしまい正確な情報が読み取れなくなってしまう。
ID証のごとき情報表示体は、印刷された氏名、生年月日、顔写真等の個人情報が確認でき、かつ偽造を防止する目的で透明タイプのOVDが使用されているが、透明タイプの
OVDは光の反射する効率が低く、機械読み取りを行うのに十分な回折光が得られ難い。
すなわち、すくなくともOVDの機械読み取り情報を有する部位に反射性薄膜層を設け、反射効率を改善し、かつ、耐熱性を設けることで、熱加工時の変形を防止し、紙目の凹凸がOVD画像に影響することを防ぐことにより、より正確に情報の読み取りを可能とする手法である。
支持体上に、少なくとも剥離性保護層、OVDが設けて成るOVD層に、光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面に反射性薄膜層、少なくとも反射性薄膜層を含む領域に耐熱層を積層し、かつ、積層された耐熱層を含むOVD層の全面あるいは少なくとも一部分に透過性反射層、さらに、その全面あるいはその一部に接着層を順次積層してなり、前記耐熱層はガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする転写箔である。
支持体上に、剥離性保護層、OVDが設けて成るOVD層が順次積層され、OVD層の光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面に反射性薄膜層が設けられ、該反射性薄膜層を含むOVD層の全面あるいは一部分に透明性反射層が積層されてなり、少なくとも反射性薄膜層の下側に位置する部位に透明性薄膜層を介して耐熱層が設けられ、該耐熱層はガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする転写箔である。
特に、この技術はパスポートや免許証等のIDカードに適用され、顔写真や個別の個人情報を確認でき、かつ、機械読み取りOVDを用いて、真正品と偽造品の判別を従来以上に確実に行うことができる。
一方で、機械読み取りが確実となったことから、OVDに記録する情報を従来よりも大量、複雑にすることも可能であり、より偽防止効果を向上することができる。
図1は本発明に係る情報表示体の一実施例を示す平面図である。
図のように本発明の情報表示体は少なくとも機械読み取り可能なOVD部21を有しており、その部位の全面あるいは一部に反射性薄膜部22とともにその下側に耐熱層が設けられている。さらに、それ以外の部分には情報媒体上に記載された顔写真や数字、文字等の可視情報部23にその情報が確認可能なように透明性反射部を有するOVD24が積層されている。
を行って剥離を調整しても良い。また、転写層への影響が無い限りは、帯電防止処理やマット加工、エンボス処理等の加工を設けることも適宜適用可能である。
本発明では、前述の機械読み取り可能なOVDにおいて、特に量産性に優れるレリーフ型のホログラム(又は回折格子)を例に挙げ詳細に説明するが、適用されるOVDは、これに限定されず、回折光から情報を読み取りことが可能なOVDであれば、適宜使用可能である。
本発明においては、少なくともOVDの画像の一部に機械読み取り可能なOVDを設けてなることが必要であり、その利用できる技術としては、前述のように、特定の方向に光が回折する回折格子や単色の入射光によって特定の像を結像する単色光再生型ホログラム(あるいは回折格子)があげられる。これら回折光や、結像された像を検知する機器によって、OVDに与えられた情報を読み取ることが可能となる。
その材料を挙げると熱硬化性、湿気硬化性、紫外線硬化系、電子線硬化系等の硬化性樹脂や熱可塑性樹脂でもポリカーボネート、変性ノルボルネン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリイミド等の耐熱性の高い樹脂を用いることが望ましい。筆者らの鋭意研究の結果、耐熱層の材料には、十分にその効果を得るためには、主剤となる前述の樹脂のガラス転移温度(Tg)が170℃以上で、その材料を60%以上含有していることが好ましいことがわかった。
受像兼接着層7はレーザープリント方式、インクジェット方式、昇華(熱拡散)転写方式、溶融転写方式等公知の方法にて画像や文字が印字される。
また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着アンカー層を設けることや、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理等の各種易接着処理を施すことも可能である。
その手法としては、OVD画像のプレス成型時にランダムに情報が成型されるようにする手法や、部分的に反射薄膜を設けるときに、そのパターンをランダムに設ける手法、ID証に作製された後、レーザーや放電加工によってOVD情報部の一部の反射性薄膜層を破壊し、情報を複雑あるいは個別化する手法等が挙げられるが、本発明においてはこれら情報を複雑化、個別化、あるいは書き換える手法を利用することも可能である。
さらには、偽造、変造、貼り替え等の防止効果を向上させる目的で、これらOVDの情報に基づいて、誕生日や性別、出身等の個人情報とリンクさせたID番号を記載することや、顔写真の電子透かし情報にその情報を記録する等、他の可視情報や不可視情報とリンクさせておくことも可能である。検証時にこれらの情報の適合性を確認することによって、偽造、変造、貼り替え等の偽造品をより完全に識別することが可能となる。
以下には、図5の転写箔を作製する工程に関して詳しく示した。
まず、支持体1となるポリエチレンテレフタレート製25μmのフィルムに、以下に示した剥離性保護層2およびOVD層3をグラビアコーティング法にて各々2μm塗布した。次に、一部分に機械読み取り可能なOVDを有するレリーフ型のOVDの金属スタンパーを120℃で30秒間押し付け、OVD画像を形成した。
こうして得られた転写フィルムを用いてIDカードプリンタにて紙からなる基材を用いたID証を作製した。
アクリル樹脂 …15部
ポリエチレンワックス … 1部
メチルエチルケトン …50部
トルエン …34部
[OVD層インキ組成]
ウレタン樹脂 …15部
メチルエチルケトン …50部
トルエン …35部
[耐熱層(マスク印刷)インキ組成]
変性ノルボルネン(Tg170℃) …15部
沈降性硫酸バリウム …10部
メチルエチルケトン …45部
トルエン …30部
[受像層兼接着層インキ組成]
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 …25部
ポリエステル樹脂 … 5部
メチルエチルケトン …49部
トルエン …20部
シリカフィラー … 1部
すなわち、前述の実施例1耐熱層材料部分を以下の耐熱を有してない材料をマスク印刷し、製造したものである。
[マスク印刷インキ組成]
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(Tg70℃) …15部
沈降性硫酸バリウム …10部
メチルエチルケトン …45部
トルエン …30部
すなわち、前述の実施例1のAlからなる反射薄膜層4、耐熱層、エッチング工程を省いたほかの工程および材料は同様の手法、材料を用いてID証を作製した。
この比較例は図1の実施例とは異なり反射性薄膜層部分がなく、その部分には透過性反射層を有した、全面に透過性反射層を有した構成となる。
22‥‥反射性薄膜部
23‥‥可視情報部
24‥‥透明性反射部を有するOVD部
11‥‥基材
12‥‥可視情報
13‥‥接着層(受像兼接着層)
14‥‥透明性反射層
15‥‥耐熱層
16‥‥反射薄膜層
17‥‥OVD層
1‥‥支持体
2‥‥剥離性保護層
3‥‥OVD層
4‥‥反射性薄膜層
5‥‥耐熱層
6‥‥透明性反射層
7‥‥受像兼接着層
Claims (7)
- 少なくとも一部に光学的に情報を機械読み取り可能なOVDを有する情報表示体であって、情報が記録されたOVD部分の一部あるいは全面に反射性薄膜層が設けられ、かつ、それ以外のOVD部分の全面あるいは一部に透明性反射層が設けられてなる情報表示体において、
少なくとも反射性薄膜層の下側に耐熱層が設けられ、該耐熱層は、ガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする情報表示体。 - 前記情報が記録されたOVD部分に反射性薄膜層が積層され、該反射性薄膜層を含むOVD層の全面あるいは一部分に透明性反射層が積層されてなる情報表示体において、
少なくとも反射性薄膜層の下側に耐熱層が設けられ、該耐熱層は、ガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする請求項1に記載の情報表示体。 - 前記反射性薄膜層の下側に、透明性反射層を介して耐熱層が設けられ、該耐熱層は、ガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示体。
- 請求項1に記載の情報表示体を容易に製造する転写箔であり、
支持体上に、剥離性保護層、OVDが設けてなるOVD層に光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面に反射性薄膜層が設けられ、それ以外のOVD部分に全面あるいは一部に透明性反射層が積層されてなり、かつ、少なくとも反射性薄膜層の下側に耐熱層が設けられており、該耐熱層はガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする転写箔。 - 請求項2に記載の情報表示体を容易に製造する転写箔であり、
支持体上に、少なくとも剥離性保護層、OVDが設けて成るOVD層に、光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面に反射性薄膜層、少なくとも反射性薄膜層を含む領域に耐熱層を積層し、かつ、積層された耐熱層を含むOVD層の全面あるいは少なくとも一部分に透過性反射層、さらに、その全面あるいはその一部に接着層を順次積層してなり、前記耐熱層はガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする転写箔。 - 請求項3に記載の情報表示体を容易に製造する転写箔であり、
支持体上に、剥離性保護層、OVDが設けて成るOVD層が順次積層され、OVD層の光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面に反射性薄膜層が設けられ、該反射性薄膜層を含むOVD層の全面あるいは一部分に透明性反射層が積層されてなり、少なくとも反射性薄膜層の下側に位置する部位に透明性薄膜層を介して耐熱層が設けられ、該耐熱層はガラス転移温度が170℃以上である樹脂成分を60%以上含む材料からなることを特徴とする転写箔。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の転写箔を用いて、製造される情報表示体において、その基材が紙素材からなることを特徴とする情報表示体。
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