JP2009107166A - 情報表示体およびその製造に用いる転写箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一部に光学的に情報を機械読み取り可能なOVD16を有する情報表示体において、情報が記録されたOVD部分の一部あるいは全面に反射性薄膜層15が積層され、それ以外のOVD部分に透明性反射層14が積層されてなる。情報が記録されたOVD部分に反射性薄膜層が積層され、該反射性薄膜層を含むOVD層の全面あるいは一部分に透明性反射層が積層された構成としても良い。
【選択図】図4
Description
より詳しくは、例えば、商品券等や(クレジット)カード等の有価証券類の偽造防止対策、真正品であることの認証のための偽造防止対策(偽造の発見や抑止)を付与することで検証機能を備えた情報表示体に関するものである。それらの中でも特に、IDカード、免許証、パスポート等の顔写真や画像や文字等の個人情報を有する情報表示体において、個人認証用の情報が確認でき、かつ、偽造防止対策を付与した情報表示体に関する。
特に、紙基材を用いたパスポート等では、下地となる紙基材の紙目の凹凸が影響や、紙の表面で散乱する光の影響で、反射率の低い透明性OVDを用いた前述の構成では、正確にOVDの有する情報を検知することが不可能であった。
すなわち、少なくともOVDの機械読み取り情報を有する部位に反射性薄膜層を設け、反射効率を改善することにより、より正確に情報の読み取りを可能とする手法である。
特に、従来では読み取りが困難であった紙素材を基材に有する情報表示体に大きな効果が得られる手法である。
特に、この技術はパスポートや免許証等のIDカードに適用され、顔写真や個別の個人情報を確認でき、かつ、機械読み取りOVDを用いて、真正品と偽造品の判別を従来以上に確実にすることができる。
一方で、機械読み取りが確実となったことから、OVDに記録する情報を従来よりも大量、複雑にすることも可能であり、より偽防止効果を向上することができる。
図1は本発明に係る情報表示体の一実施例を示す平面説明図である。
図に示されているように本発明の情報表示体は少なくとも機械読み取り可能なOVD部21を有しており、その部位の全面あるいは一部に反射性薄膜部22が設けられている。さらに、それ以外の部分には情報表示体上に記載された顔写真や数字、文字等の可視情報部23にその情報が確認可能なように透明性反射部を有するOVD24が積層されている。
また、転写層への影響が無い限りは、帯電防止処理やマット加工、エンボス処理等の加工を設けることも適宜適用可能である。
構造色を発現する媒体としては、主に、光の干渉を利用した画像を呈するものがあり、立体画像の表現や見る角度により色の変化を生じる(即ちカラーシフトする)表示体である。この構造色に関わる具体例には、コレステリック液晶を材料として利用したものや、光学多層干渉膜、ホログラムとか回折格子のごときOVDがある。
本発明では、前述の機械読み取り可能なOVDにおいて、特に量産性に優れるレリーフ型のホログラム(又は回折格子)を例に挙げ詳細に説明するが、適用されるOVDは、こ
れに限定されず、回折光から情報を読み取りことが可能なOVDであれば、適宜使用可能である。
本発明においては、少なくともOVDの画像の一部に機械読み取り可能なOVDを設けてなることが必要であり、その利用できる技術としては、前述のように、特定の方向に光が回折する回折格子や単色の入射光によって特定の像を結像する単色光再生型ホログラム(あるいは回折格子)があげられる。これら回折光や、結像された像を検知する機器によって、OVDに与えられた情報を読み取ることが可能となる。
要部分を取り除く必要がある。この手法は例えば、OVD層3に溶解性の高い樹脂を所望のパターンにてネガパターンに形成、金属薄膜を設けた後、溶解性樹脂とその部分の金属薄膜層を洗浄し除去する手法や、金属薄膜層に耐酸あるいは耐アルカリ性樹脂を用いてポジパターンを印刷した後、金属薄膜を酸やアルカリでエッチングする方法等が挙げられる。さらには光を露光することによって、溶解するあるいは溶解し難くなる樹脂材料を塗布、所望のパターンを有するマスク越しに露光した後、不要部分を洗浄あるいはエッチングで除去する手法や、熱や放電、レーザーにて金属薄膜を部分的に破壊する手法等も挙げられるが、それ以外の公知の手法も適宜利用可能である。
受像兼接着層6はレーザープリント方式、インクジェット方式、昇華(熱拡散)転写方式、溶融転写方式等公知の方法にて画像や文字が印字される。
また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着アンカー層を設けることや、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理等の各種易接着処理を施すことも可能である。
こうして、作製された転写箔は、IDカード即時発行システムである専用プリンタを用いてID証に加工される。すなわち、このプリンタでは、転写フィルムの受像層兼接着層に顔写真および個人データーを印字し、その後、熱圧にて転写フィルムを紙基材に接着させ
、支持体1フィルムを剥がし取るという工程を行う。
以上、図1に示した情報表示体であるID証の構成および作製方法を詳細に説明した。一方、ID証の機械読み取り可能なOVD情報を複雑化、多様化することでより偽造防止効果を高めることも適宜利用可能である。
その手法としては、OVD画像のプレス成型時にランダムに情報が成型されるようにする手法や、部分的に反射薄膜を設けるときに、そのパターンをランダムに設ける手法、ID証に作製された後、レーザーや放電加工によってOVD情報部の一部の反射性薄膜層を破壊し、情報を複雑あるいは個別化する手法等が挙げられるが、本発明においてはこれら情報を複雑化、個別化、あるいは書き換える手法を利用することも可能である。
尚、可視情報の印刷工程および基材への転写は、IDカード即時発行システムである専用プリンタを用いて作製した。
以下には、図5の転写箔を作製する工程に関して詳しく示した。
こうして得られた転写フィルムを用いてIDカードプリンタにて紙からなる基材を用いたID証を作製した。
アクリル樹脂 …15部
ポリエチレンワックス … 1部
メチルエチルケトン …50部
トルエン …34部
[OVD層インキ組成]
ウレタン樹脂 …15部
メチルエチルケトン …50部
トルエン …35部
[マスク印刷層インキ組成]
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 …15部
メチルエチルケトン …44部
トルエン …30部
[受像層兼接着層インキ組成]
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 …25部
ポリエステル樹脂 … 5部
メチルエチルケトン …49部
トルエン …20部
シリカフィラー … 1部
すなわち、前述の実施例1のAlからなる反射性薄膜層4、マスク層、エッチング工程を省いたほかの工程および材料は同様の手法、材料を用いてID証を作製した。
この比較例は図1の実施例とは異なり反射性薄膜層部分がなく、その部分には透明性反射層を有した、全面に透明性反射層を有した構成となる。
22‥‥反射性薄膜部
23‥‥可視情報部
24‥‥透明性反射部を有するOVD
11‥‥基材
12‥‥可視情報
13‥‥接着層(受像兼接着層)
14‥‥透明性反射層
15‥‥反射性薄膜層
16‥‥OVD層
1‥‥支持体
2‥‥剥離性保護層
3‥‥OVD層
4‥‥反射性薄膜層
5‥‥透明性反射層
6‥‥受像兼接着層
Claims (7)
- 少なくとも一部に光学的に情報を機械読み取り可能なOVDを有する情報表示体において、
情報が記録されたOVD部分の一部あるいは全面に反射性薄膜層が積層され、それ以外のOVD部分に透明性反射層が積層されてなることを特徴とする情報表示体。 - 前記情報が記録されたOVD部分に反射性薄膜層が積層され、該反射性薄膜層を含むOVD層の全面あるいは一部分に透明性反射層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の情報表示体。
- 前記OVD層の全面に透明性反射層が積層され、OVD層の光学的に情報読み取り可能なOVD部分には透明性反射層を介して反射性薄膜層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の情報表示体。
- 請求項1に記載の情報表示体を容易に製造可能とする転写箔であり、
支持体上に、剥離性保護層、OVDが設けてなるOVD層が順次積層され、OVD層の光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面には反射性薄膜層が積層され、それ以外の部分に透明性反射層、さらに、その全面に接着層が順次積層されていることを特徴とする転写箔。 - 請求項2に記載の情報表示体を容易に製造可能とする転写箔であり、
支持体上に、剥離性保護層、OVDが設けてなるOVD層が順次積層され、OVD層の光学的に情報読み取り可能なOVD部の少なくとも一部あるいは全面には反射性薄膜層が積層され、該反射性薄膜層を含むOVD層の全面あるいは一部に透明性反射層、さらに、その全面に接着層が順次積層されていることを特徴とする転写箔。 - 請求項3に記載の情報媒体を容易に製造可能とする転写箔であり、
支持体上に、少なくとも剥離性保護層、OVDが設けて成るOVD層、全面に透明性反射層を順次積層し、かつ、積層された透明性薄膜層を含むOVD層の光学的に情報読み取り可能なOVD部分の少なくとも一部あるいは全面に反射性薄膜層、およびその一部あるいは全面に接着層を順次積層してなることを特徴とする転写箔。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の転写箔を用いて製造される請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報表示体において、その基材が紙素材からなることを特徴とする情報表示体。
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