JP4123074B2 - 偽造防止媒体及びその検証方法並びに偽造防止媒体用の転写シート - Google Patents

偽造防止媒体及びその検証方法並びに偽造防止媒体用の転写シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも文字、絵柄等の情報が記録されており、その情報の一部もしくは全部が隠蔽されており、正当な権利者あるいは情報を確認すべき者のみが、情報を確認できる情報媒体において、偽造防止の効果を有するOVDが施された偽造防止媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、偽造防止手段として光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾画像を表現し得る、ホログラムや回折格子、光学特性の異なる薄膜を重ねることにより、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる多層薄膜のようなOVD(Optical Variable Device)が利用されるようになってきている。これらOVDは高度な製造技術を要すること、独特な視覚効果を有し、一瞥で真偽が判定できることから有効な偽造防止手段としてクレジットカード、有価証券、証明書類等に使用されている。また最近では、スクラッチタイプのくじや抽選券、プリペイドカード等の抽選番号あるいは暗証番号等の秘密情報を隠蔽したカードにも偽造防止の手段として利用されるようになってきた。
従来、これら抽選券等は情報を隠蔽している隠蔽層を剥し、秘密情報を確認した後、類似の隠蔽層を形成するという不正が行われていた。
これらの不正行為を防止すべく、表面にOVDを設ける手法がある(例えば、特許文献1参照。)。
この発明によると、偽造の難しいOVDが表面にあるため再度、隠蔽層を設けるといった不正を防止することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−216577号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにOVDが表面となる構成においてもは次のような不正行為が懸念されている。
1)OVD部分を剥離し、機密情報を確認した後、貼り付け直す手法。
2)強い光源で光を照射し、機密情報を確認する手法。
3)抽選券やくじにおいては、機密情報を書き換え、権利を得る手法。
【0005】
本発明は、かかる従来技術に於ける上記懸念事項の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、OVDと機密情報を完全に一体化させ、上記の不正行為を防止する偽造防止媒体およびその検証方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、基材上の全面又は一部に、少なくとも接着層、OVD層が順に施されている偽造防止媒体において、前記接着層とOVD層との間に耐熱性樹脂でなる文字、記号、図形、又は絵柄の少なくとも1つ以上の情報パターン状の耐熱層が施されていることを特徴とする偽造防止媒体としたものである。
【0007】
また、請求項2の発明では、上記請求項1に記載の偽造防止媒体を加熱した際に、該偽造防止媒体を構成するOVD層中に耐熱性樹脂でなる文字、記号、図形、又は絵柄の少なくとも1つ以上の情報パターンが現出するか否かで偽造防止媒体の真偽を検証することを特徴とする偽造防止媒体の検証方法としたものである。
【0008】
また、請求項3の発明では、支持体上の全面又は一部に、少なくとも剥離性保護層、OVD層、接着層が順に施されている偽造防止媒体用の転写シートにおいて、前記OVD層と接着層との間に耐熱性樹脂でなる文字、記号、図形、又は絵柄の少なくとも1つ以上の情報パターン状の耐熱層が施されていることを特徴とする偽造防止媒体用の転写シートとしたものである。
【0009】
上記本発明でいう情報パターンは、絵柄だけ、文字だけ、数字だけ、絵柄と文字、文字と数字、数字と絵柄、あるいは絵柄と文字と数字のいずれでもよい。また、少なくとも1つ以上とは、このように絵柄、文字、あるいは数字のいずれかが用いてあればよく、さらにこれら以外の何か、例えば記号、マーク、等々が使用されていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いながら詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の偽造防止媒体の一事例の平面図であり、図2は、図1のB−B面の断面図で、図3は、本発明の偽造防止媒体を製造する際に用いる転写シートの一事例の側断面図である。一方、図4は、本発明の偽造防止媒体を検証した際の見え方を示す平面図である。
【0012】
図1および図2に示したように、本発明による偽造防止媒体は、少なくとも、基材10上に、例えば機密情報が情報パターン状に設けられた耐熱層23を有するOVD部20を有してなる。検証する前(加熱前)にはこの耐熱層23はOVD層2に隠蔽されており、その情報パターンを目視で確認することは不可能であるが、この媒体に熱を加えた際には、図4に示すように、耐熱層23の無い部分ではOVD部20が破壊し白く濁るが、耐熱層23部分はOVDが破壊されずに変化しない。それゆえ、両者のコントラストによって、機密情報である情報パターン(「当」の文字)を確認することができる。
尚、検証装置としては熱板や熱ロールあるいはサーマルヘッドを具備した装置で加熱すればよく、一般家庭で確認する方法としては、アイロン等が利用可能である。
一方、図3に示した転写シートを用いれば、ホットスタンプ等の手段を用いて、様々な物品に対してかなりの自由度をもって、ほぼ任意の形状にOVD部20を容易に形成可能となる。すなわち、被転写材(図2に示す基材10)と接着層24とを、熱および圧を与えることによって接着させた後、不要となる支持体41を剥離することにより、偽造防止用のOVD部20を形成することが可能となる。
【0013】
以下に、図3を用いて各層に関して詳細に説明する。
まず支持体41としては、厚みが安定しており、かつ耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いるのが一般的であるが、これに限るものではない。その他の材料としては、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム等が耐熱性の高いフィルムとして知られており、同様の目的で使用することが可能である。また、他のフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、耐熱塩化ビニル等の材料でも、加工際に問題を生じなければ適宜使用可能である。
【0014】
また、剥離性保護層21としては、支持体41から剥がされ易い層であり、さらに、剥離した後はOVD層2の上を覆うように形成されていることとなり、機械的損傷や携帯時の擦り等の外部損傷、生活物質(酒、水等)に対する耐性を備え、外的要因による損傷を保護する役目も兼ねている。この剥離性保護層21を構成する材料としては、従来既知の剥離性を有する保護材料が用いられ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂のいずれであっても良い。その例として、熱可塑性ポリアクリル酸エステル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂等の熱可塑性樹脂やウレタン系硬化樹脂や、メラミン硬化樹脂、エポキシ硬化樹脂等の熱硬化樹脂や、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)クリレート等の紫外線あるいは電子線硬化樹脂が挙げられる。
尚、剥離性や耐磨耗性を考慮し、石油系ワックス、植物系ワックス等の各種ワックス、ステアリン酸等の高級脂肪酸の金属塩、シリコンオイル等の離型剤や、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、シリコーン系微粒子やアクリルニトリル系微粒子等の有機フィラーおよび、シリカ微粒子等の無機フィラーを添加することもできる。
また、剥離性保護層31の剥離が困難である場合には、支持体41側に別途従来既知の離形層を設けても良く、剥離が軽すぎる場合には同様に従来既知の易接着処理を行って剥離を調整しても良い。さらには、転写層への影響が無い限りは、帯電防止処理やマット加工、エンボス処理等の加工も何ら問題は無い。
【0015】
次にOVD層2に関して以下に説明する。
OVDとは光の干渉を利用した画像であり、立体画像の表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを生じる表示体である。例えば、ホログラムや回折格子のごときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型が挙げられる。また、ホログラムや回折格子と手法が異なり、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層し、見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる光学多層膜方式もその一例である。
【0016】
上記光学多層干渉膜は、異なる光学特性を有する多層の光学薄膜からなり、材料の観点を加味すると、金属薄膜、セラミックス薄膜、又は、それらを併設してなる複合薄膜として、各層の光学特性と層の組合せの関係による適当な数の層が積層されている。例えば、屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしてもよい。それらの層による光学的条件を満たす適当な組み合わせにより、所望の光学的効果(ここでは構造色)を発現する光学多層干渉薄膜を得ることができる。
【0017】
この光学多層干渉膜層は、セラミックスや金属などの材料が用いられ、高屈折率材料の層数がおおよそ2以上の薄膜と、屈折率がおよそ1.5程度の低屈折率材料の薄膜とを、それぞれ光学的に適当な膜厚で適宜積層したものである。
【0018】
この薄膜に用いられる材料の例を以下に挙げる。但しここで化学式の後ろに続くカッコ内の数値は、それぞれの屈折率nを示す。
まず、セラミックスとしては、Sb2O3(3.0)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2 (2.3)、CdO(2.2)、Sb23(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、Si22(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3(1.6)、CaF2(1.31.4)、AlF3(1.6)、Al23(1.6)、GaO(1.7)、等があり、また、金属系の材料としては、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu、Si、等の金属単体もしくは合金が挙げられる。
【0019】
また、低屈折率の材料としては、例えば有機ポリマーのうち、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等がある。但し、ここでカッコ内の数値はそれぞれの屈折率nを示す。
【0020】
これらの高屈折率材料もしくは20%〜70%透過の金属薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互に積層させる事により、特定の波長の可視光に対する吸収あるいは反射を示すようになる。
なお、金属から構成される薄膜は、構成材料の状態や形成条件などにより、屈折率などの光学特性が変わってくるため、本発明の実施例では一定の条件における値を用いている。
【0021】
上記した各材料から屈折率、反射率、透過率等の光学特性や耐候性、層間密着性などに基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層薄膜を形成する。形成方法は、例えば公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは、光学膜厚、などの制御が可能な、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、等を適宜使用することで形成できる。
尚、ここで云う光学膜厚はn・dで与えられる量であり、nは屈折率、またdは膜厚である。
また、光学多層干渉膜ではないが、多重反射(散乱)が基本となる還元二酸化チタン被覆雲母や酸化鉄被覆雲母の粉末をバインダー中に分散したインキを用いても、見る角度により微妙な色変化を与える(フリップフロップ効果)ことができるため、例として挙げておく。
【0022】
一方、ホログラムや回折格子のごときOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や体積方向に干渉縞を記録する体積型が挙げられが、量産性や製造コストを考慮した場合には、レリーフ型のホログラム(又は回折格子)が好ましい。本発明のOVD形成層2aとしては、このレリーフ型が適用される。
【0023】
上記レリーフ型のホログラム(又は回折格子)は、従来からの光学的な撮影方式や電子線の描画、更には誘起表面レリーフ形成法等により、微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のマスター版を作製し、電気メッキ法によりパターンを複製したニッケル製のプレス版にて量産を行う。すなわち、このプレス版を加熱しOVD形成層2aに押し当て、表面に凹凸パターンを複製する。
ここで、誘起表面レリーフ形成法について説明すると、アゾベンゼンを側鎖に持つポリマーのアモルファス薄膜に対して、数10mW/cm2程度の比較的弱い光(青色緑色にわたる範囲の或る波長)を照射することによって、数μmのスケールで分子の移動が起こり、その結果として薄膜表面にレリーフを形成するものである。
【0024】
また、レリーフ型のOVDの場合には、プレス版にて成形可能であるという性能が要求され、その主となる材質は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂のいずれであっても良い。
例を挙げるならば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加、架橋したウレタン樹脂や、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等の熱硬化樹脂、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等の紫外線あるいは電子線硬化樹脂を、単独もしくはこれらを複合して使用できる。また、上記以外のものであっても、OVD画像を形成可能であれば適宜使用してよい。
【0025】
一方、これらの画像技術としては立体的画像を再現するホログラムである3Dホログラムや、回折格子を微小なドットで表現し、高い輝感を与えることが可能な特殊な回折格子(本発明者等はグレーティングイメージと称する)等の撮影技術が挙げられる。
最近では、回折格子の微小なドットをそれぞれ適当な形状(例えば、星型等)で形成する手法や、回折格子の微小なドットで肉眼では見えない細かな文字(いわゆるマイクロ文字)を形成する手法、回折格子を使用していながらあたかも写真のように被写体の色彩を忠実に再現する手法、あるいは、回折格子を使用しており見る角度によって全く違う複数の画像を表現する手法(本発明者等はチェンジングと称する)等が開発されている。 本発明は、OVD自体の画像表現の手法は必ずしも限定しない。そして、本発明では、前記の画像表現の手法はもちろんのこと、例えば公知の画像表現の手法でも利用可能である。
【0026】
次に、上記OVD効果層2aとしては、OVD形成層2bに設けられたOVD画像を効果的に認識させるための層であり、視覚に訴える反射膜である場合と透過膜のどちらか1種若しくは2種の複合により形成される。本発明においては、秘密情報を有する耐熱層23を隠蔽する必要があり、反射タイプの方が好ましい。
その材料を例示すると、反射タイプとしては、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、又は、Au、等の金属材料の単体か、若しくは、その化合物が挙げられる。
一方、透過タイプの材料としては、OVD形成層2aのレリーフ形成面を構成する材料よりも屈折率が高い高屈折率材料を使用する必要がある。その屈折率の差は、好ましくは、0.2以上であり、この差によってOVD形成層2aとの界面で屈折及び反射が起こり、透光性を有しつつ良好な光反射によってOVD効果を得ることができる。つまり、視覚的に実効性の高いホログラム(又は回折格子)を得ることができる。
【0027】
ここで使用される材料としては、前述した多層薄膜層のセラミック材料が使用可能である。また、粒子径が500nm以下であり、屈折率2.0以上の高屈折微粉末材料をバインダー樹脂中に分散した高輝性光透過インキを使用しても良い。
これらの材料は、単独であるいは積層して使用でき、例えば、公知の真空蒸着法、スパッタリング法、等の薄膜形成技術にて、5〜1000nm程度の膜厚で設けられる。
さらには、必要があればこれらOVD効果層2bをパターン状に設けることも可能である。
【0028】
なお、偽造防止策の手法として、OVD形成層2aには、上述したOVDを、お互いの機能を阻害しない限り、複数組み合わせて使用することが可能である。また、剥離性保護層21及びOVD形成層2aの層間に別途OVD機能を付与しても良い(図示せず)。
【0029】
次に、例えば機密情報とする情報パターンを形成する耐熱層23について説明する。
この耐熱層22は、本発明において最も重要な層であり、前記OVD形成層2a及びOVD効果層2bを熱から守る機能を有する。
すなわち、検証のために熱を与えたときに耐熱層23が存在する部分はレリーフ形状を維持し、無い部分ではレリーフが破壊されるように設計されているものである。
その材料として、耐熱層23が設けられていない部分の接着層24よりも耐熱性の高いもの(本発明でいう耐熱性樹脂)が使用され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂のいずれであってもよく、公知の材料が使用可能である。好ましくは耐熱性の高い熱硬化性樹脂や電子硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂の中でも耐熱性の高い、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、環状ポリオレフィン共重合体、変性ノルボルネン系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ニトロセルロース樹脂等の使用が望まれるが、これ以外でも接着層23よりも耐熱性の高い材料であり、検証時に熱を加えた際に溶融しないものであれば適宜選択され使用可能である。
また、例えば強い光を当てることにより、例えば機密情報が形成されてある情報パターンを確認する不正を防止するために、耐熱層23は接着層24と同色またはほぼ同色であるか、接着層24よりも透明性の高い色で設けることが好ましい。
【0030】
次に上記接着層23は、基材10と耐熱層23あるいはOVD効果層2bを接着する層である。図3に示す転写シートの場合には、基材10(例えば、紙・プラスチック)に接した状態で熱および圧力を与えられることにより、基材10に接着する機能を有することが必要であり、これらは公知の感熱樹脂(感熱性接着材料)が使用される。その例として、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、、塩素化ポリプロピレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、等が挙げられるが、これら以外でも公知の感熱性接着樹脂であれば適宜選択され使用可能である。
また、ブロッキング防止や転写シートの箔切れ性等の加工適性を考慮し、テフロン(登録商標)パウダー、ポリエチレンパウダー、シリコーン系微粒子やアクリルニトリル系微粒子等の有機フィラーおよび、シリカ微粒子等の無機フィラー等を添加することも可能である。
尚、この接着層24は耐熱層23でなる例えば機密情報である情報パターンを隠蔽するために、耐熱層23と同色であるか耐熱層23以上に光を吸収あるいは散乱するような着色が施されていることが好ましい。
【0031】
以上、一実施例を説明してきたが、意匠性を向上すべく各層を着色することや表面もしくは層間に印刷を施す等、使用の目的により適宜利用可能である。
また、各層の接着性を鑑み、各層間に接着アンカー層を設けることや、コロナ放電処理・プラズマ処理・フレーム処理等の各種易接着処理を施すことも可能である。
【0032】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
図3に示すように、厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムから成る支持体41に剥離性保護層21として下記組成物からなるインキを塗布し、乾燥後の膜厚が2μmとなる様に設けた。次に、OVD形成層2aとして、下記組成物からなるインキを塗布し、150℃、10sec間の乾燥後の膜厚が1μmとなる様に設けた。次いで、ロールエンボス法によりOVDレリーフパターンを形成(図示せず)した後、光反射性のOVD効果層2bとして、アルミニウムを真空蒸着法にて50nmの膜厚となる様に形成した。次に、耐熱層23として以下の組成物からなるインキをパターン状(「当」の文字)に印刷し、乾燥後の膜厚が1μmとなる様に形成した。次に、接着層6を塗布・乾燥後の膜厚が3μmとなる様に形成し、所望のOVD構造転写シートを得た。
〔剥離性保護層インキ組成物〕
アクリル樹脂(Tg.105℃) 19.2重量部
ポリエチレンパウダー 0.8重量部
メチルエチルケトン 45.0重量部
トルエン 35.0重量部
〔OVD形成層インキ組成物〕
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
〔耐熱層インキ組成物〕
変性ノルボルネン樹脂(Tg171℃) 20.0重量部
シリカ 1.0重量部
メチルエチルケトン 40.0重量部
トルエン 39.0重量部
〔接着層インキ組成物〕
塩ビ−酢ビ共重合樹脂(Tg65℃) 15.0重量部
アクリル樹脂(Tg.20℃) 10.0重量部
酸化チタン 10.0重量部
メチルエチルケトン 35.0重量部
トルエン 30.0重量部
【0033】
上記で製造された転写シートを被転写材に転写して偽造防止媒体を得た。その被転写材として厚み約250μmのPETカードを用い、転写は版面温度120℃、2000kg/cm2の圧力のホットスタンプで行った。
この偽造防止媒体に、130〜160℃に熱したアイロンを押し付け、検証を試みたところ、耐熱層23の無い部分はOVD層2が破壊し白く濁り、耐熱層23の部分に変化が生じないために、両者のコントラストから図4に示すように「当」の文字が視認された。
また、検証前の上記で得られた偽造防止媒体に1000Wのハロゲンランプの光を照射し、前記機密の情報パターンの確認を行おうとしたが、視認不可能なものであった。
次に、OVD部20を無理やり剥がし、前記機密の情報パターンを確認しようとしたが、機密情報の文字と接着層が同一の色のために確認できなかった。
さらに、剥した面から有機溶剤を用いて接着層および耐熱層を溶かして、新たな情報を書き換える手法を試みたが、接着層および耐熱層を除去しようとするとOVD層自体が破壊してしまった。
【0034】
このように、上記で得られた偽造防止媒体は、OVD部分をはがし、機密情報を確認した後、貼り付け直す手法や、強い光源で光を照射し、機密情報を確認する手法、あるいは機密情報を勝手に書き換え、他人を騙して、例えば不法に権利を得る手法といった不正行為を防止することができた。
【0035】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、OVDと機密情報を完全に一体化させ、機密情報を不正に確認することや、機密情報を書き換え、他人等を騙す等の不正行為を防止することができる。さらには、検証時にOVDが破壊されるために再利用も不可能とした偽造防止媒体およびその検証方法を提供することができる効果がある。
【0036】
従って本発明は、少なくとも文字、絵柄等の情報が記録されており、その情報の一部もしくは全部が隠蔽されており、正当な権利者あるいは情報を確認すべき者のみが、情報を確認できる情報媒体で、偽造防止の効果を有するOVDが施された偽造防止媒体として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止媒体の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明の偽造防止媒体の一実施の形態を示すもので、図1のB−B面の断面図である。
【図3】本発明の偽造防止媒体用の転写シートの一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図4】本発明の偽造防止媒体の検証方法による検証した際の見え方の一事例を示す平面図である。
【符号の説明】
2‥‥OVD層
2a‥‥OVD形成層
2b‥‥OVD効果層
10‥‥基材
20‥‥OVD部
21‥‥剥離性保護層
23‥‥耐熱層
24‥‥接着層
41‥‥支持体

Claims (3)

  1. 基材上の全面又は一部に、少なくとも接着層、OVD層が順に施されている偽造防止媒体において、前記接着層とOVD層との間に耐熱性樹脂でなる文字、記号、図形、又は絵柄の少なくとも1つ以上の情報パターン状の耐熱層が施されていることを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 上記請求項1に記載の偽造防止媒体を加熱した際に、該偽造防止媒体を構成するOVD層中に耐熱性樹脂でなる文字、記号、図形、又は絵柄の少なくとも1つ以上の情報パターンが現出するか否かで偽造防止媒体の真偽を検証することを特徴とする偽造防止媒体の検証方法。
  3. 支持体上の全面又は一部に、少なくとも剥離性保護層、OVD層、接着層が順に施されている偽造防止媒体用の転写シートにおいて、前記OVD層と接着層との間に耐熱性樹脂でなる文字、記号、図形、又は絵柄の少なくとも1つ以上の情報パターン状の耐熱層が施されていることを特徴とする偽造防止媒体用の転写シート。
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