JP5407922B2 - ホログラムラベル - Google Patents
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Description
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、 「ホログラム」はホログラムと、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(1)製造メーカー純正品等、純正品の認証が意義を持つ種々の商品分野、例えば、電子機器、電気機器、コンピュータ関連製品、及び、それらの構成部品、コンピュータ関連ソフト、純正備品類(用紙やトナーなどのプリンタ消耗品等。)医薬品、医薬部外品もしくは化成品等、
(2)商品そのものが真正品であることを消費者に強く求められる分野、もしくは、ラベルを貼付することで意匠性を高めたり、商品が高価であることを示し、その商品の付加価値を高める分野など、例えば、書籍、文書、講演、演劇、映画、写真、絵画、彫刻、版画、図面、模型等もしくは、それらの編集物、又は記録媒体に記録したもの(ビデオカセット、コンパクトディスク、デジタルビデオディスクなど)等の著作物、所定の設定をされ、変更を防止しているROMボード(コンピューター機器、ゲーム機、遊技機等に用いられるもの。ROMとボードに渡る貼付も含む。)、時計、衣類、バッグ、宝石等宝飾品、スポーツ用品、化粧品、及びそれらの高級ブランド品等、
(3)本人確認の手段(ID証)分野、例えば、パスポート、運転免許証、保険証、会員証、身分証、住民登録証、病院カード、もしくは図書館カード等、
(4)経済秩序を保つ上で真正品であることが求められる分野、例えば、商品券、ギフト券等の金券類、もしくはプリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード等のカード類、
(5)さらには、これらのものを包装し、その包装を封印する分野、例えば、単に保管のため、もしくは郵便物や小荷物として封筒に入れたり、パッケージに入れて配達や配送をする分野、商品をパッケージに入れて販売する分野、単純に包装する分野、それらの封緘シールとして使用する分野、また、それらの説明書や効能書等にその真正性を証明するために貼付する分野等、
などに関し、特に、そのホログラムラベルを巧妙に剥がして、そのものの価値を下げられたり、そのホログラムラベルを再利用されることをに配慮すべき、もしくは配慮している分野に好適である。
そしてこれらは物品に貼付された後に剥がされ、悪用されることがないように支持体とホログラム層、或いはこれらの間に設けられた剥離層と支持体またはホログラム層で剥離するようにし、被着物から故意に剥離させた場合にホログラム全体が破壊されるものがある。特に、実公平5−48210号公報に開示されるホログラム脆性シールのように、支持体とホログラム形成層がパターン状剥離層を介して積層され、ホログラム形成上に反射性金属薄膜層、及び接着剤層を順次積層し、使用に際しては所要の大きさ、形状に切断し、証書や身分証明書のような偽造、変造されたくない被着体、または封書等の封印部に加圧により、必要に応じて加熱をしながら貼りつけるものがある。
このようにして一度被着体に貼りつけられたホログラムラベルは、剥がそうとすると、剥離層部と非剥離層部との境界断面でホログラムが破壊し、支持体上と被着体上にホログラムが分離して残存してしまうのでラベル全体をそつくりそのまま剥がすことができないため、他の物品にホログラムラベルを貼りかえることができず、ホログラム自体の偽造・変造の困難性により、ホログラムラベルが被着体の真正さを保証できる。
従つて、本考案のホログラムラベルは偽造されたくない被着体へ適用は勿論のこと、包装物の封印として適用でき、さらにはホログラムラベルは美麗により装飾物としても使用できる。
しかしながら、前者の全面破壊型のホログラム脆性シールは、剥がし方によってはホログラム層及び反射性薄膜層が破壊されることなく、ホログラムシール全体を完全に剥離させて、その結果再使用できることで悪用されてしまう可能性がある。そのため、ホログラム層や反射性薄膜層自体を破壊する方法として上記、実公平5−48210号公報の方法があるが、この方法ではホログラム脆性シールを貼着された状態で見るとホログラム層の上にパターン状の剥離層が設けられているため、そのパターンの存在を容易に目視により判別でき、ホログラムの再生画像の見え方に影響を与えるだけでなく、偽造防止策の存在が明らかになってしまう問題を有する。
この問題を解決するため、特開平8−152842号公報には、脆性剥離層を、反射性薄膜層と接着剤層との間に設ける等の方法も提案されているが、いずれも、ホログラム形成層の膜としての強度(引っ張り強度、内部凝集力等)が大きく、基材との接着強度差や、脆性剥離性の存在などでは、ホログラム形成層そのものを破断するに至らないか、部分的に破断され、その目的を十分に達成できなかった。
本発明は上記従来の問題点に鑑み為されたものであり、その目的とするところは、不正な剥離行為によるホログラムシールの貼り替えを確実に防止することが可能で、しかも、容易に分離する界面の存在を発見しにくいホログラム脆性シールを提供することにある。
本発明のホログララベルの第1の態様は、
透明基材に、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第1の光散乱層を形成し、その上に、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、反射性薄膜層、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第2の光散乱層及び、粘着層が設けられているホログラムラベルであって、
第1の光散乱層とホログラム形成層間の界面の剥離強度を、
透明基材と第1の光散乱層との間、ホログラム形成層と反射性薄膜層との間、反射性薄膜層と第2の光散乱層との間、第2の光散乱層と粘着層との間、および、粘着層と被貼着体との間の何れの界面の剥離強度より小さいものとすることを特徴とするものである。
上記第1の態様のホログラムラベルによれば、
透明基材に、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第1の光散乱層を形成し、その上に、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、反射性薄膜層、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第2の光散乱層及び、粘着層が設けられていることを特徴とするホログラムラベルを提供することができる。
本発明のホログラムラベルの第2の態様は、
前記第1の光散乱層と前記ホログラム形成層とが、同一の樹脂により、もしくは、その屈折率差が0.03以下である樹脂により形成されていることを特徴とするものである。
上記第2の態様のホログラムラベルによれば、
前記第1の光散乱層と前記ホログラム形成層とが、同一の樹脂により、もしくは、その屈折率差が0.03以下である樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムラベルを提供することができる。
本発明のホログラムラベルの第3の態様は、
上記第3の態様のホログラムラベルによれば、
前記第2の光散乱層と前記粘着層とが、同一の樹脂により、もしくは、その屈折率差が0.03以下である樹脂により形成されていることを特徴とする請求項2に記載のホログラムラベルを提供することができる。
本発明のホログラムラベルの第4の態様は、
前記第1の光散乱層または第2の光散乱層の前記微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフが、可視光波長より短い周期で形成され、光を吸収するものであるていることを特徴とするものである。
上記第4の態様のホログラムラベルによれば、
前記第1の光散乱層または第2の光散乱層の前記微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフが、可視光波長より短い周期で形成され、光を吸収するものであるていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホログラムラベルを提供することができる。
このホログラムラベルを、その被貼着体、もしくは、封緘部分から、貼付した痕跡を残さず、ホログラムラベルも完全な元の状態で剥して、不正に準備した別の被貼着体に貼り替えたり、封筒や箱を開封して内容物を取り替えた後、あたかも、その被貼着体や封筒や箱の内容物が本物であると主張したり、逆に、真正なホログラムラベルを剥したものは、本物でないとして、その価値を低下させるなどの不正を防止するためには、ホログラムラベルのホログラム形成層そのものが破断することが望ましいが、ホログラムラベルの基材及び、ホログラム形成層の破断強度は、非常に大きく、ラベルとしての粘着力等(JIS Z0237で規定する180°剥離試験にて、0.1〜1.0kg/25mm幅。)では、それらの層を100%破断させることは困難である。
そのため、ホログラム形成層を破断するのではなく、透明基材に第1の光散乱層を設け、この第1の光散乱層とホログラム形成層との界面で剥離が発生するように、第1の光散乱層とホログラム形成層間の界面の剥離強度を小さいものとし、それ以外の界面である、透明基材と第1の光散乱層との間、ホログラム形成層と反射性薄膜層との間、反射性薄膜層と第2の光散乱層との間、第2の光散乱層と粘着層との間、さらには、粘着層と被貼着体との間の界面の剥離強度より小さいもの、好ましくは、その1/2以下、より好ましくは、1/5以下とする。
従って、上記した界面の剥離強度(粘着力)に対して、第1の光散乱層とホログラム形成層との間の剥離強度は、粘着層の粘着力が0.1kg/25mm幅であるならば、0.1kg/25mm幅以下、好ましくは、0.05kg/25mm幅以下、さらに好ましくは0.02kg/25mm幅以下とする。
但し、ホログラムラベルとしてのハンドリング等を考慮して、その界面の剥離強度は、0.01kg/25mm幅以上とする必要がある。それ以下であると、ホログラムラベル加工中や、貼付等の作業中に、その界面において剥離や、空隙が発生する等の不具合が生じる。
そして、上記したように、ホログラムラベルを剥離した際、第1の光散乱層とホログラム形成層との間で、剥離が発生して、被貼着体上にホログラム形成層、反射性薄膜、第2の光散乱層、粘着層が残ったとき、そのホログラム形成層の最表面、すなわち、ホログラムレリーフとは反対の面に、その光散乱をする「微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ」(光散乱部分、もしくは、光散乱領域ともいう。)がむき出しとなり、この部分がホログラム再生像の上で光を散乱し、そのホログラム再生像をパターン状に遮断するものである。
例えば、この「パターン」を、視認可能な所望のパターン(文字、図形、記号等、視認可能な表示であればいずれも使用できる。代表的には、ラベルを剥離した証拠を示すという意味で、「開封」等の文字表示をする。)とし、そのパターン内を微細な凹凸形状からなるレリーフで埋めることにより、言い換えれば、微細な凹凸形状のレリーフによって、そのパターンを表すことにより、透明基材を剥離した後に、その被貼着体上に残ったホログラム形成層を観察したとき、そのパターン部分において光散乱が発生し、ホログラム再生像の上に、「開封」の文字が浮き上がって見えるものである。
従って、この場合、ホログラム再生像は、「開封」の文字により遮られた状態として観察される。
この遮断が、200倍未満であると、ホログラムの冗長性からホログラム再生像が強く再現されて遮断が弱まり、この遮断が5000倍を超えると、透明基材が剥離しにくくなったり、ホログラムラベル全体が剥離可能となったりする等の不具合が発生する。
透明基材を剥離した際の遮断(文字等。)の鮮明さ(視認性)は、500倍〜2000倍が最も良好となる。
本発明は、上記したように、ホログラムラベルを剥離した際に被着体上に残った、「ホログラム形成層、反射性薄膜、第2の光散乱層、粘着層」を、さらに除去しようとすると、今度は、第2の光散乱層と粘着層との界面において剥離が生じ、被貼着体上に、粘着層が残ったときに、その粘着層の表面に、光散乱をする第2の「微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ」(光散乱部分、もしくは、光散乱領域。)がむき出しとなり、この部分が被貼着体の上で光を散乱し、その被貼着体の色調やその上にあらかじめ印刷等されているデザイン等をパターン状に遮断するものである。
このため、第2の光散乱層と粘着層との間の界面の剥離強度を、第1の光散乱層とホログラム形成層間の界面の剥離強度より大きく、且つ、その他の界面の剥離強度より小さいものとし、好ましくは、その他の界面の剥離強度の1/2以下、より好ましくは、1/5以下とする。
第1の光散乱層とホログラム形成層間の界面の剥離強度とほぼ同じ、若しくは、それ以下の大きさであると、最初のホログラム剥離動作の際に、いきなり第2の光散乱層と粘着層との間の界面で剥がれ、第1段階で、ホログラム再生像の上に、「開封」の文字が浮き上がって見え、第2段階で(さらに、残ったホログラムを剥そうとする際)、被貼着体上に「開封」若しくは「不正」等の文字が表示されるという、本発明の目的を達成できなくなる。
このように、剥離する段階を2つの段階とする理由は、第1段階の剥離対策のみを施している脆質ホログラムラベルにおいて、最初の剥離の際に、透明基材のみが剥離し(上記の第1段階の剥離)、被貼着体上に「ホログラム形成層、反射性薄膜層、粘着層」が残ったとき、さらに、この残った部分を注意深く剥離すると、粘着層の塑性変形(極端にゆっくり時間をかけて圧力をかけると、粘着層が徐々にその形を変えていくこと)により、「ホログラム形成層と粘着層」が被貼着体から剥離できてしまい、この「ホログラム形成層と粘着層」を悪用できてしまう、という問題が残るためである。
しかも、たとえ万が一その極く薄い層をハンドリングして他の不正品に貼着しようとしても、その第2の光散乱層とわずかでも屈折率の異なる粘着剤を用いた場合は、この第2の光散乱領域(その界面での反射・散乱性)は消滅せず、不正を容易に発見することができるものである。(反射性薄膜層を、透明反射性薄膜とした場合は、ラベル上からこの光散乱による文字等を容易に発見できる。)
もちろん、最後に残存する粘着層を、ポリオール/イソシアネート系等の2液硬化タイプ、電離放射線硬化タイプなどのラベル貼着後にその被貼着体との接着強度が増大するものとして、第2段階剥離後、さらに粘着層をも除去する行為を阻止することも好適である。この場合には、もはや、硬化後の粘着層をも溶解する溶解力の大きい有機溶剤を用いるか、サンドブラスト処理のような物理的に拠る方法しか、この残存層を除去する方法はなく、その行為によって、被貼着体が溶解や破損を生じることは明白である。
例えば、粘着層の粘着力、そして他の界面が1.0kg/25mm幅もしくはそれ以上であり、第1の光散乱層とホログラム形成層との界面の剥離強度が、0.2kg/25mm幅以下であるならば、第2の光散乱層と粘着層との間の界面の剥離強度は、0.5kg/25mm幅とすることができる。
その第1の光散乱層を、透明基材上に、コーティング方式等の印刷方式、もしくは、下記する電離放射線硬化方法による直接形成方式を用いて、レリーフの深さに適合させ、1μm〜200μmの厚さで形成する。
この第1の光散乱層に、光を散乱するための微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを形成する方法は、感光性樹脂材料にマスクパターン露光(パターン状の開口部を有し、そのパターン内が微細な開口部と微細な遮蔽部を交互に有するマスク。)を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成した微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料の層(第1の光散乱層)に押し付けることにより、賦型を行なうこともできる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフの微細凹凸を形成することもできる。
微細な凹凸を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計された、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。
特に、その変化が著しいものが望ましく、0.01μm周期、0.1μm深さの凹凸の隣に、1μm周期、10μm深さの凹凸、そしてその隣に、再び0.01μm周期、0.1μm深さの凹凸がくるというように、その周期や、深さの変化が10倍〜100倍変化するものが好適である。この変化の大きいものほど、光を散乱する性質が大きく、好適である。
但し、レジスト処理において、露光処理過程や現像処理過程における、アスペクト比や、解像度等には制限があり、100倍以上の変化を設定することは難しく、また、その凹凸形状からなるレリーフを複製する工程においても、その再現性に不安定性(ムラとなる。)が発生する。
特に、その微細な凹凸形状が、可視光波長より短い周期、すなわち、0.4μm(400nm。)以下である場合には、この光散乱領域は、入射する光を吸収し、それ以外の領域とのコントラストの大きいものとなる。
この光吸収性は、その周期が、0.01μm〜0.1μmの間で、且つ、そのアスペクト比が、3以上10以下の凹凸が均一に設けられているときに、最も効果的に起こる。
アスペクト比が3未満では、その光吸収効果が不十分であり、アスペクト比10を超えると、その複製が安定せず、逆に、その効果が低下する。
また、上記のようにランダムに変化したレリーフの界面は、一度、剥離して、その間に空気が入り込むと、その界面をきっちり合わせなおして再度貼り合わせようとしても、そのレリーフ同士の摩擦抵抗や、非常に細い先端の変形等により、もはや、完全には復元不可能であって、必ず、空気を含んだ、「第1の光散乱層/空気/ホロググラム形成層」の構成からなる大きな屈折率差を有する散乱部分が残るものとなる。
さらに、光吸収性を高めるために、一つ一つの凹部形状を、円錐形状とすることがのぞましく、電子線描画方法を用いて、電子線露光強度を階段状として、例えば、0.05μm正方の単位で、その深さを0.2μmずつ変化させて、半径0.2μm深さ1μmの円錐を形成することができる。各段の段差は、現像処理過程で滑らかとなり、より円錐形に近くなる。この円錐を隙間なく設けることで、その光吸収効果を最大とすることができる。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行うことも好適である。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、高い線圧とすることが望ましい。
この微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第1の光散乱層の上に、そのレリーフを埋めるように、ホログラム形成層を形成する。ホログラム形成層は、上記した第1の光散乱層と同様の方法にて形成することができる。
また、ホログラム形成層には、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができるが、その界面での剥離強度を制御するための、シリコン成分を付加する(シリコン樹脂、フッ素樹脂混入、シロキサン樹脂等との共重合体化、シロキサン基等の導入、シリコーンオイル等の添加等)ことも好適である。
ホログラム形成層を、第1の光散乱層の上に、その光散乱領域を埋めるように形成すると、その光を散乱する効果、特に、光を吸収する効果が著しく減少し、あたかも、「一つの層がある」ように観察される。
特に、この微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第1の光散乱層と、ホログラム形成層に用いる樹脂を同一のもの、すなわち、屈折率が同一のものを用いると、その界面での光の反射や、屈折は全く起こらず、光学的には実質的に「1つの層」のように振舞う。すなわち、その層の中に、光散乱部分が存在することは、目視では勿論のこと、レーザー光をあてても(機械認識方法においてレーザー光照明をする際等を含む。)、認識することは出来なくなる。このことは、ホログラムラベルの偽造防止性を著しく高める。
例え、上記2つの層が異なる樹脂を用いたとしても、その屈折率差が0.03以下であれば、この効果を十分引き出せる。
その屈折率差が、0.03を超えると、2つの層の界面での光の屈折や、反射が強くなり、光散乱部の存在が、レーザー光では勿論のこと、目視にても認識できるようになるため、ホログラムラベルの中に、所望のパターンが存在することを、そのホログラムラベルを剥す前から知られてしまったり、すでに、不正な剥し行為が為されてしまったとの誤解を招く。
従って、この2つの層に使用する樹脂は、同一のものを使用するか、別の樹脂であってもその屈折率差が、0.03以内であるものを使用する。
同一の樹脂であっても、熱硬化樹脂や、電離放射線硬化樹脂の場合には、下層の第1の光散乱層を十分硬化した後、ホログラム形成層を設けるため、その界面剥離強度は、安定したものとなる。
もちろん、この界面での剥離強度をより小さくするため、2つの層に使用する樹脂の互いの相溶性が低いものや、密着性の低いものを選定する方法もある。
また、第1の光散乱層を形成した後、その表面を長時間放置したり、加工時に何らかの汚染等により、その表面が変化すると、その上に、同一樹脂によるホログラム形成層を設けたときに、その界面部分が光学的に異なる性質を示し、その第1の光散乱層の存在を認識しやすくなるため、第1の光散乱層形成後、すみやかに、ホログラム形成層を設ける必要がある。
ホログラム形成層に適宜なホログラムレリーフを形成した後、反射性薄膜を形成する。
但し、厚さに制限があるため、その厚さの範囲内において、十分な光散乱性(視認可能という意味。)を有する凹凸深さを有するものとする。
第2の光散乱層は、ホログラムレリーフ上に形成した反射性薄膜層の上に形成するため、そのホログラムレリーフや、反射性薄膜層にダメージを与えるような、硬化収縮性の無いもの(収縮により、ホログラムレリーフに歪みが生じたり、反射性薄膜にシワや、割れが発生するため。)が望ましく、さらには、その形成時にホログラム形成層を再溶解しない溶剤を用いる必要があり、また、加熱・加圧等の条件も上記の様なダメージを与えないものとする。
この粘着層の形成により、第2の光散乱層と粘着層の界面にある光散乱領域の光散乱性は抑制され、その光を散乱する効果、特に、光を吸収する効果が著しく減少し、あたかも、「一つの層がある」ように観察される。
特に、この微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第2の光散乱層と、粘着層に用いる樹脂を同一のもの、すなわち、屈折率が同一のものを用いると、その界面での光の反射や、屈折は全く起こらず、光学的には実質的に「1つの層」のように振舞う。すなわち、その層の中に、光散乱部分が存在することは、目視では勿論のこと、レーザー光をあてても(機械認識方法においてレーザー光照明をする際等を含む。)、認識することは出来なくなる。このことは、ホログラムラベルの偽造防止性を著しく高める。
例え、上記2つの層が異なる樹脂を用いたとしても、その屈折率差が0.03以下であれば、この効果を十分引き出せる。
従って、この2つの層に使用する樹脂は、同一のものを使用するか、別の樹脂であってもその屈折率差が、0.03以内であるものを使用する。
粘着層形成時の使用溶剤、形成時の加熱等を上記と同様とすると同時に、粘着層を硬化タイプ等として、被貼着体との接着強度を非常に大きいものとし、2段階剥離後の粘着層の除去を困難なものとすることも好適である。
この界面での光散乱性や、剥離後の効果は、上記した第1の光散乱層とホログラム形成層との界面と同様である。
さらに、上記した円錐形の光吸収パターンは、上記のホログラム形成層の際表面に凹部として露出したとき、その凹部を透明な樹脂等で埋めて、この散乱効果を隠蔽しようとする試みに対し、その円錐形の頂点に空気が入り込んで抜けないことによって、散乱効果を維持するという性質があり、さらなる不正行為に対しても、高い偽造防止効果を出現する。
また、被貼着体上に残存する「ホログラム形成層と反射性薄膜層と第2の光散乱層及び粘着層」を剥離しようとすると、第2段階として、「ホログラム形成層と反射性薄膜層と第2の光散乱層」(両面に光散乱領域を有する。)の積層体が剥がれ、粘着層の最表面にパターン状に形成されている第2の光散乱領域が、空気との屈折率差による大きな光散乱効果を発現して、そのパターンを浮き上がらせ(表示して)、不正なホログラムラベルの剥し行為が行われたことをさらに明示する。
さらに、その残ったホログラム部分をも除去しようとすると、ホログラムが剥がれたあとに、再び、不正行為であるという鮮明なメッセージを表出することができ、不正が行われたことを、容易に視認することができる。
本発明のホログラムラベルで使用される透明基材1は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、ホログラムラベルAを製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材の一方の面に、表面活性化処理を全面に施し、その後、所望のパターン状に不活性化処理を行うが、これらの処理において、活性化処理面と不活性化処理面のホログラム形成層との密着性、すなわち、剥離強度の差が大きくなるものが望ましい。
透明基材1の厚さは、通常5〜250μmであるが、ラベルとしての取り扱い適正から25〜100μmとすることが望ましい。
本発明の微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ(光散乱領域)3を有する第1の光散乱層2を構成するための透明な樹脂材料としては、透明基材との密着性の良好な、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にその微細凹凸を形成することができる。
微細な凹凸を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造(所望の光散乱領域3を含む。)を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。光散乱領域3の凹凸を光吸収性とするために、光学的理論に基づいた凹凸形状を、微細な階段状に近似して形成してもよく、その階段状の段差を現像手法により滑らかなものとしても好適である。
その散乱性領域のレリーフ(所望の光散乱領域3を含む。)は、複製により凹凸を反転することができ、以下に記載するホログラム形成層の十分な回りこみを達成しやすい方を選択可能である。
本発明のホログラム形成層4を構成するための透明な樹脂材料としては、上記の第1の光散乱層2と同一の樹脂、または、その第1の光散乱層に用いた樹脂との相溶性の低い、もしくは、界面剥離強度の小さい、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
また、第1の光散乱層2との屈折率差が0.03以内のものを使用することは、より好ましい。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造として使用できる。
ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、画像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再現もしくは再生画像が鮮明となる。
さらに、透明金属化合物薄膜の場合は、その薄膜の上下の面が、同一レリーフ形状であり且つ、その面と面の距離(すなわち膜厚さ)が均一であればあるほど、再現もしくは再生強度が大きくなる。また、レリーフ面にホログラム画像の凹凸とは異なる周期、形状の凹凸が存在すると、それはホログラムもしくは回折格子の再現もしくは再生時のノイズとなり、画像を不鮮明にする要因となる。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行う。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成した後、金属を剥離することで作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
透明基材1上のホログラム形成層3をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、透明な基材1から全体を加熱するのではなく、ホログラム形成層4面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。これにより、第1の光散乱層2と、ホログラム形成層4の不要な剥離強度の増加を回避できる。
通常、この加熱温度は60℃〜110℃とする。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
本発明のホログラムラベルでは、ホログラム形成層4の上に形成されているホログラムレリーフに接して、且つ、追従するように反射性薄膜層5を形成する。この薄膜は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層4よりも高い屈折率を有する薄膜であれば、特に限定されない。
反射性薄膜層5としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、又は透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、ラベル貼着後にそのラベルに覆われた被貼着体上の画像などがホログラムを通して観察できるので好ましい。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム形成層4よりも光屈折率の高い薄膜、例として、ZnS、TiO2、Al2O3、Sb2S3、SiO、SnO2、ITOなどがある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなどが例示できる。またアルミニウムなどの一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出て使用できる。
本発明の微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ(光散乱領域)7を有する第2の光散乱層6を構成するための透明な樹脂材料としては、反射性薄膜層5との密着性の良好な、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
上記の樹脂材料を用いて第2の光散乱層6を形成するには、感光性樹脂材料に光散乱性の凹凸を形成するためのマスクパターン露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフ(所望の光散乱領域7を含む。)もしくはそのレリーフの複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を、コーティング方法や、印刷方法等の適宜な形成方法を用いて形成した、上記の樹脂材料層に押し付けることにより、賦型を行なうことができる。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にその微細凹凸を形成することができる。
微細な凹凸を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造(所望の光散乱領域7を含む。)を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。光散乱領域7の凹凸を光吸収性とするために、光学的理論に基づいた凹凸形状を、微細な階段状に近似して形成してもよく、その階段状の段差を現像手法により滑らかなものとしても好適である。
但し、上記したように、第2の光散乱層は、第1の光散乱層より非常に薄く形成する必要があるため、その光散乱領域7の凹凸形状を、光散乱領域3の凹凸形状と同一としてもよい(製造が容易。)が、その凹凸深さを調節したものとしてもよい。もちろん、全く別のものとしてもよい。
第2段階剥離後は、剥離した「ホログラム形成層4、反射性薄膜層5及び、第2の光散乱層6」からなる積層体の、両面にそれぞれの光散乱による表示及びホログラム再生像を視認できるため、これらの表示間、さらには、再生像との間に、重なることによる新たなメッセージの表出等ができるものとしてもよい。(文字の重なりが、別の文字となる等。)
粘着層8としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着層8の塗工量は、約8〜30g/m2(固形分)が一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、塗布し乾燥して粘着層8を形成する。また、粘着層8の粘着力は、反射性薄膜層5と粘着層8との剥離強度で、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、0.1〜1kg程度の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
以上の如き粘着剤の種類や、塗工量は、透明基材1、第1の光散乱層2、ホログラム形成層4、反射性薄膜層5及び第2の光反射層6上に粘着剤層8を形成する際に、その剥離強度が前記範囲になるように、選択して使用することが好ましい。
また、第2の光散乱層2との屈折率差が0.03以内のものを使用することは、より好ましい。
(実施例1)
透明基材1として、38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その一方の面に、位置検出用マークを墨インキにて印刷したものの上に、下記組成からなる光散乱層用組成物をグラビアリバースコーティング方式により塗布し、乾燥して、厚さ10μmの第1の光散乱層2を得た。
〈光散乱層用組成物1〉
メラミン樹脂 20質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
〈ホログラム形成層用組成物〉
アクリル樹脂 20質量部
トルエン 20質量部
酢酸エチル 40質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(再生画像サイズ20mm×20mm。)を備えたNi原版を用意し、上記したホログラム形成層4に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて(第1の光散乱層2の光散乱領域3との位置検出用マークによる位置合わせをした上で)、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m・原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m水冷式、圧力2トン/m、複製速度10m/分)にてホログラムレリーフをホログラム形成層4上に形成した。
このAL薄膜形成面に、下記組成からなる光散乱層用組成物2をグラビアリバースコーティング方式により塗布し、乾燥して、厚さ1μmの第2の光散乱層6を得た。
〈光散乱層用組成物2〉
メラミン樹脂 20質量部
トルエン 20質量部
酢酸エチル 40質量部
イソプロピルアルコール 20質量部
この第2の光散乱層6上に、電子線描画方法により、位置検出用マークとの見当を合わせた、20mm×20mmの領域内に、タテ5mm×ヨコ5mmの「不」、「正」の文字パターンを連続的に設けた「パターン」のその文字部分(画線部分。)を埋めるように、一辺の長さが、1μm〜10μmの正方形で、深さが0.1μm〜0.5μmの凹部をランダムに敷き詰めた凹凸を有するレリーフ(文字部分が光散乱領域3となる。)を形成したプレス盤を重ね、加熱・加圧することにより、そのレリーフを第2の光散乱層6上に転写し、第2の光散乱層6の表面に光散乱領域7を形成した。その後、この第2の光散乱層6を加熱硬化させた。
この第2の光散乱層6の上に、その光散乱領域7を埋めるように、次の組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が20μmになるように、塗工し70℃で乾燥させて、粘着層8を形成し、20mm×20mmのサイズにカットし、実施例1のホログラムラベルAを得た。
酢酸ビニル−ビニルアルコール−アクリル共重合体 30質量部
ジイソシアネート硬化剤(XDI) 2質量部
トルエン 38質量部
酢酸ビニル 40質量部
このホログラムラベルを、重要書類を入れた封筒の封緘用に所定の圧力をかけて貼付し、24時間放置した後、目視にて観察したところ、光散乱領域3の部分(及び光散乱領域7の部分)に光学的な視認性の差は認識できず、「パターン状」の文字があることは確認できなかった。
そのホログラムラベルを剥そうとしたところ、透明基材1と第1の光散乱層2の積層体のみが容易に剥離し、その剥離後のホログラム形成層4の最表面には、その「パターン状の光散乱領域3」、すなわち、縦横に連続した、「開」「封」の文字が、ホログラム画像を遮蔽するように、光を散乱しており、ホログラムと、その「開」「封」の文字を鮮明に視認することができた。
さらに、封筒上に残存するホログラム形成層4等を剥そうとすると、ホログラム形成層4、反射性薄膜層5及び第2の光散乱層6の積層体が容易に剥がれ、被貼着体上に、「不」、「正」の文字表示を表示する粘着層8が現れた。
このことから、ホログラムラベルAは、高い意匠性と開封防止効果を有するものと思われた。また、残存する粘着層8は、封筒に固着しており、この粘着層8を、封筒に何らのダメージも与えずに、封筒からきれいに除去することはかなり困難と思われた。
アルバック社製電子線加熱方式真空蒸着機を用いて、反射性薄膜層5として、TiOx薄
膜層40nmを形成すること、及び、封緘する封筒にデザインが印刷されていること以外は全て実施例1と同一とし、実施例2のホログラムラベルA(透明なホログラムラベル)を得た。
実施例1と同様に評価したところ、透明なホログラムラベルの中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な差はなく、透明なホログラムラベルを通して、封筒のデザインが鮮明に確認できたことに加えて、実施例1と同様の効果が得られた。
(実施例3)
第1の光散乱層2と、ホログラム形成層4に、下記組成物を用いて、両層の屈折率差をほぼ0とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のホログラムラベルAを得た。
〈光散乱層用組成物1〉
メラミン樹脂(屈折率n=1.56) 20質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
〈ホログラム形成層用組成物〉
メラミン樹脂(屈折率n=1.56) 20質量部
トルエン 10質量部
メチルイソブチルケトン 40質量部
酢酸エチル 30質量部
実施例1と同様に評価したところ、ホログラムラベルの中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な視認性の差は全く無く、第1の光散乱層2と、ホログラム形成層4との間に界面が存在することや、光散乱領域3が存在することは全く認識できなかったことに加え、実施例1と同様の効果が得られた。
第1の光散乱層2と、ホログラム形成層4に、下記組成物を用いて、両層の屈折率差を0.01とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4のホログラムラベルAを得た。
〈光散乱層用組成物1〉
メラミン樹脂(屈折率n=1.56) 20質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
〈ホログラム形成層用組成物〉
エポキシ樹脂(屈折率n=1.61) 20質量部
メチルメタアクリレート(屈折率n=1.49) 10質量部
酢酸エチル 40質量部
イソプロピルアルコール 30質量部
実施例1と同様に評価したところ、ホログラムラベルの中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な視認性の差は全く無かったこと、及び、実施例1と同様の効果が得られた。
第2の光散乱層6と、粘着層8に、下記組成物を用いて、両層の屈折率差をほぼ0とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のホログラムラベルAを得た。
〈光散乱層用組成物2〉
メチルメタアクリレート(屈折率n=1.49) 20質量部
トルエン 10質量部
酢酸エチル 30質量部
イソプロピルアルコール 40質量部
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体(屈折率n=1.49) 30質量部
ジイソシアネート硬化剤(XDI) 2質量部
トルエン 38質量部
酢酸エチル 30質量部
実施例1と同様に評価したところ、透明基材1と第1の光散乱層2の積層体を剥離後の、残存するホログラム形成層4等の中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な視認性の差は全く無かったこと、及び、実施例1と同様の効果が得られた。
アルバック社製電子線加熱方式真空蒸着機を用いて、反射性薄膜層5として、TiOx薄膜層40nmを形成すること、及び、封緘する封筒にデザインが印刷されていること以外は全て実施例5と同一とし、実施例6のホログラムラベルA(透明なホログラムラベル)を得た。
実施例1と同様に評価したところ、透明なホログラムラベルの中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な差は全くなく、透明なホログラムラベルを通して、封筒のデザインがより鮮明に確認できたことに加えて、実施例5と同様の効果が得られた。
光散乱領域3の凹凸を、一辺の長さ0.3μmの正方形、深さ0.3μmの凹部の中に、さらに、一辺の長さ0.1μmの正方形、深さ0.5μmの凹部を設けた(第一段階で、一辺の長さ0.1μmの正方形、深さ0.8μmの凹部を設けておき、第二段階で、一辺の長さ0.3μmの正方形、深さ0.3μmの凹部を削るように設ける。)こと、及び、光散乱領域7の凹凸も同様の形状とした以外は、実施例1と同様として、実施例7のホログラムラベルAを得た。
実施例1と同様に評価したところ、ホログラムラベルの中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な視認性の差は無く、透明基材1と、第1の光散乱層2の積層体を剥したときに、ホログラム形成層4の上の光散乱領域3の部分が光を吸収して暗く見え、ホログラム形成層4、反射性薄膜層5及び第2の光散乱層6の積層体を剥したときに、粘着層8の上の光散乱領域7の部分が光を吸収して暗く見えたこと以外は、実施例1と同様の効果が得られた。
(比較例1)第1の光散乱層2及び第2の光散乱層6を設けないこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1のホログラムラベルを得た。
このホログラムラベルを実施例1と同様に評価したところ、透明基材1が容易に剥がれず、粘着層8から剥離し、剥離の途中から透明基材1とホログラム形成層4との間にわずかな空隙が発生したのみであった。
従って、このホログラムを丁寧に剥がせば、不正に剥すことも可能であると思われた。
(比較例2)第2の光散乱層6を設けないこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1のホログラムラベルを得た。
このホログラムラベルを実施例1と同様に評価したところ、透明基材1と第1の光散乱層2の積層体のみが容易に剥離し、その剥離後のホログラム形成層4の最表面には、その「パターン状の光散乱領域3」、すなわち、縦横に連続した、「開」「封」の文字が、ホログラム画像を遮蔽するように、光を散乱しており、ホログラムと、その「開」「封」の文字を鮮明に視認することができた。
さらに、残存するホログラム形成層4等を慎重に時間を掛けて剥すと、ホログラム形成層4、反射性薄膜層5及び粘着層8の積層体が剥がれ、被貼着体上に不正なラベルを貼り替えたり、剥がれた積層体を別のものに貼ることも可能であると思われた。
1 透明基材
2 微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第1の光散乱層(第1の光 散乱層)
3 微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ(光散乱領域3)
4 ホログラム形成層(ホログラムレリーフを図中に表示)
5 反射性薄膜層
6 微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第2の光散乱層(第2の光 散乱層)
7 微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフ(光散乱領域7)
8 粘着層
Claims (4)
- 透明基材に、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第1の光散乱層を形成し、その上に、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、反射性薄膜層、微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフを有する第2の光散乱層及び、粘着層が設けられているホログラムラベルであって、
第1の光散乱層とホログラム形成層間の界面の剥離強度を、
透明基材と第1の光散乱層との間、ホログラム形成層と反射性薄膜層との間、反射性薄膜層と第2の光散乱層との間、第2の光散乱層と粘着層との間、および、粘着層と被貼着体との間の何れの界面の剥離強度より小さいものとすることを特徴とするホログラムラベル。 - 前記第1の光散乱層と前記ホログラム形成層とが、同一の樹脂により、もしくは、その屈折率差が0.03以下である樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムラベル。
- 前記第2の光散乱層と前記粘着層とが、同一の樹脂により、もしくは、その屈折率差が0.03以下である樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のホログラムラベル。
- 前記第1の光散乱層または前記第2の光散乱層の微細な凹凸形状からなるパターン状のレリーフが、可視光波長より短い周期で形成され、光を吸収するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のホログラムラベル。
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