JP4565482B2 - ホログラム積層体およびホログラムラベル - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、認証用、模倣防止用として適すると共に、意匠性に優れるホログラム積層体およびホログラムラベルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ホログラムは、情報をホログラム層表面、またはホログラム層の厚み方向に記録でき、また、立体的な画像の記録・再生が可能な手段であり、光の干渉色で表現されるため、他の画像形成手段では得られにくい外観を有している。ホログラムの製造方法自体は知られているが、製造に際しては光学機器を使用した精密な作業を要するため、ホログラムの模倣は困難であり、本物であることを証明する認証用ラベルや、また、身分証明書、銀行カード等の模倣防止用として利用されている。
【０００３】
ホログラムとしては、例えば情報をホログラム層表面に記録するレリーフ型ホログラム、また、ホログラム層の厚み方向に記録する体積型ホログラムが知られ、また、特開平１１−８４９９５号公報に記載されるように、体積型ホログラムとレリーフ型ホログラムを重畳して切り換え可能に積層した複合ホログラムが知られている。複合型ホログラムは、体積型ホログラムの再生角度以外でも光回折による像再生を可能として再生像の見える範囲を拡げてホログラムの意匠性を高めることを可能とするものである。このようなホログラムを、粘着剤を使用して認証用ラベルとして被着体上に接着する場合、ホログラム層と被着体との材質の相違からホログラム層が容易に剥離し、貼り替えが可能であるため、認証用ラベルとして使用する場合には、貼り替えを不可能とする必要がある。
【０００４】
そのため、特開２０００−１９４２６５号公報には、被着体／ホログラム層／表面保護フイルムからなるホログラム積層体において、その表面保護フイルムとホログラム層との間に離型パターンを設け、粘着剤に着色剤を含有させ、偽造防止を目的して剥離する際に離型パターンに応じた着色粘着剤層を被着体上に残存させて偽造防止性に優れるものとできることが記載されている。しかしながら、認証用シールとしては、剥離された形跡を示すパターンをより鮮明に被着体およびホログラムラベルに残すことが要請されるが、上記公報のホログラム積層体では、着色粘着剤層の接着性が強く、その剥離パターンは不鮮明であり、認証用途としては不充分である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ホログラムを剥離したことが被着体上およびホログラムラベルにおいて明瞭とでき、ホログラムの再使用を防止できると共に意匠性に優れ、認証用途として適したホログラム積層体、および該ホログラム積層体を作製するために使用するホログラムラベルに関する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明のホログラム積層体は、被着体上に着色層、離型パターン、透明フイルム、ホログラム層、表面保護層がこの順に積層され、該ホログラム層が、体積型ホログラムおよび凹凸干渉縞模様の表面に膜厚が２０００Å以下の透明薄膜層を有する半透過型のレリーフ型ホログラムが全領域内で重畳されて形成されており、体積型ホログラムの再生角度内では体積型ホログラムの再生像を確認でき、その再生角度外ではレリーフ型ホログラムの再生像が確認できるホログラム積層体において、前記被着体と透明フイルムとの間で剥離可能であり、剥離に際しては着色層が離型パターンに対応して被着体上に残存することを特徴とする。
【０００７】
本発明のホログラムラベルは、剥離シート上に着色層、離型パターン、透明フイルム、ホログラム層、表面保護層がこの順に積層され、該ホログラム層が、体積型ホログラムおよび凹凸干渉縞模様の表面に膜厚が２０００Å以下の透明薄膜層を有する半透過型のレリーフ型ホログラムが全領域内で重畳されて形成されており、体積型ホログラムの再生角度内では体積型ホログラムの再生像を確認でき、その再生角度外ではレリーフ型ホログラムの再生像が確認できるホログラムラベルにおいて、該ホログラムラベルにおける剥離シートが剥離され、該剥離面から被着体に貼着された際に、該被着体と透明フイルムとの間で剥離可能であり、剥離に際しては着色層が離型パターンに対応して被着体上に残存することを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明のホログラム積層体は、金銭的な価値があるもの、又は販売価格が高いもの等、経済的価値の高いものであるために複製品が多量に作製されやすく、その防止を目的としてホログラムが貼着されてその貼着対象が真正品であることを認証する「認証ラベル」または「認証シール」として適している。また、複合型ホログラムとすることにより意匠性に優れ、視野角の広がった認証ラベルとできるものである。
【０００９】
図１（ａ）は、本発明のホログラム積層体の断面図であり、基材１９上に、着色層１６、離型パターン１５、透明フイルム１４、凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層１３を有するレリーフ型ホログラム層１２、体積型ホログラム層１１、表面保護層１８がそれぞれ粘着剤層１７を介して積層されたものである。
【００１０】
図１（ｂ）は、図１（ａ）に示すホログラム積層体を作製するために使用されるホログラムラベルの断面図であり、基材１９を剥離シート１０に代えるものであり、他は図１（ａ）と同一の積層構造を有する。
【００１１】
なお、体積型ホログラム層１１とレリーフ型ホログラム層１２との間、また、表面保護層１８と体積型ホログラム層１１との間には、図示していないが、必要に応じて粘着剤層を有する。
【００１２】
また、図２（ａ）は、本発明の他のホログラム積層体の断面図であり、基材１９上に、着色層１６、離型パターン１５、透明フイルム１４、体積型ホログラム層１１、凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層１３を有するレリーフ型ホログラム層１２、表面保護層１８がそれぞれ、粘着剤層１７を介して積層されたものである。
【００１３】
図２（ｂ）は、図２（ａ）に示すホログラム積層体を作製するために使用されるホログラムラベルの断面図であり、図２（ａ）おける基材１９を剥離シート１０に代えるものであり、他は図２（ａ）と同一の積層構造を有する。
【００１４】
なお、体積型ホログラム層１１と透明フイルム１４、また、表面保護層１８とレリーフ型ホログラム層１２との間には必要に応じて粘着剤層を有する。
【００１５】
また、図３（ａ）は、本発明の他のホログラム積層体の断面図であり、基材１９上に、着色層１６、離型パターン１５、透明フイルム１４、凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層１３を有する体積型ホログラム層１１、表面保護層１８がそれぞれ、粘着剤層１７を介して積層されたものである。
【００１６】
図３（ｂ）は、図３（ａ）に示すホログラム積層体を作製するために使用されるホログラムラベルの断面図であり、図３（ａ）おける基材１９を剥離シート１０に代えるものであり、他は図３（ａ）と同一の積層構造を有する。
【００１７】
なお、表面保護層１８とホログラム層１１との間には、必要に応じて粘着剤層を有する。
【００１８】
図１〜図３に示す基材１９は、ホログラムを貼着する被着体であり、硬質または軟質の塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂、またはトリアセチルセルロース樹脂等の素材、この他、紙、合成紙、ゴム、布、木や竹等の木質基材、金属、又はセラミック等の素材、更に、それらの素材を加工して得られる商品である。また、基材１９の形状は、その物品によって、シート状、平板状、２次曲面を有するもの、３次元曲面を持つもの等、様々である。
【００１９】
図１〜図３における体積型ホログラム層形成材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積型ホログラム記録材料がいずれも使用可能である。特に、乾式の体積位相型ホログラム記録用途の感光性材料であるマトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる光重合性組成物が例示され、例えばテュポン社製「オムニデックス」シリーズを利用できる。また、体積型ホログラム記録材料として、バインダー樹脂、ラジカル重合剤、カチオン重合剤、増感色素、ラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマーからなる光重合性組成物を使用することもできる。
【００２０】
体積型ホログラム層は、これらの記録材料を乾燥後膜厚０．１〜５０μｍ、好ましくは１〜２０μｍに塗布形成された記録材料層に、直接、２光束のレーザー光、例えばアルゴンレーザー（波長５１４．５ｎｍ）、クリプトンレーザー（波長６４７ｎｍ）等を使用して物体光と参照光との干渉光を記録するとよい。また、体積型ホログラム形成用材料層に直接、体積型ホログラム原版を密着し、体積型ホログラム形成用材料層側からアルゴンレーザー（波長５１４．５ｎｍ）を入射し、原版からの反射光と入射した光との干渉縞を記録し、体積型ホログラムの情報を与えてもよい。光源として、例えば４７６．５ｎｍ、５３２ｎｍ、および６４７ｎｍの波長の輝線のレーザー光を使用して記録することにより、フルカラーホログラムを得ることができる。
【００２１】
ホログラム記録材料として、マトリックスポリマー、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる光重合性組成物を体積型ホログラム記録材料とする場合には、記録後に紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程、及び加熱処理により光重合可能な化合物を拡散移動させる工程を順次経て、安定な体積型ホログラムとされる。体積型ホログラム層は、ホログラム画像の色を別にすると、無色透明か、または、種々の要因により若干着色していても透明性を有し、また、十分な可視光透過性を有している。
【００２２】
また、レリーフ型ホログラム層としては、従来からレリーフ型ホログラム形成層の材料として使用されている熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料がいずれも使用可能であり、特に限定されない。レリーフ型ホログラム層は、仮基材上に表面レリーフ型ホログラム形成材料を塗布してホログラム形成層とした後、その表面にマスターホログラムから引続き作製したプレススタンパーを加熱プレスして、形成材料表面に微細な凹凸干渉縞模様を形成させ、その表面に透明薄膜層１３を形成して作製されるもので、膜厚０．１〜５０μｍ、好ましくは１〜２０μｍである。
【００２３】
図１、図２に示す複合ホログラムは、体積型ホログラム層とレリーフ型ホログラム層とを粘着剤層を介して積層することにより作製される。また、図３に示す複合ホログラムは、体積位相型ホログラム形成材料層中に体積位相干渉縞が記録された体積位相型ホログラム層１１と、その体積位相型ホログラム形成材料層の少なくとも一方の表面に凹凸干渉縞模様が記録され、その凹凸表面に透明薄膜層１３が設けられてレリーフ型ホログラムとされるものである。図３に示す複合ホログラムは、次のようにして作製される。まず、フォトポリマー等の体積型ホログラム記録材料層の両面に貼られた透明フイルムの少なくとも一方の透明フイルムを剥離し、その剥離面に、表面にレリーフ型ホログラムの凹凸干渉縞模様が設けられたガラス板等からなる透明レリーフ型ホログラム原版を貼り付ける。次いで、ホログラム記録材料層に両側から相互に反対方向に進む物体光と参照光を入射させて体積位相型ホログラム記録を行った後、レリーフ型ホログラム原版を剥離する。これにより、体積位相型ホログラムが記録された体積型ホログラム層の表面にレリーフ型ホログラムの凹凸干渉縞模様が型押しして形成されるので、その凹凸干渉縞模様表面に透明、または半透過型の透明薄膜層１３が積層されて複合ホログラムとされる。
【００２４】
図１〜図３に示す複合ホログラムにあっては、体積型ホログラムの再生角度内では体積型ホログラムの再生像を明瞭に見ることができ、その再生角度外では光回折用レリーフパターンによる再生像が見ることができるものであり、体積型ホログラムとレリーフ型ホログラムとを重畳することにより切り換え可能とできるものである。
【００２５】
図４は、図３に示す複合ホログラムにおける作用を示す図である。適当な照明光の下に複合ホログラム２０を配置すると、体積位相干渉縞２２による回折光２５は比較的狭い角度範囲α内に回折され、その角度範囲内で体積位相型ホログラムに記録されたパターン等を観察することができる。一方、凹凸干渉縞模様２３による回折光２６は上記角度範囲αに隣接する比較的広い角度範囲β内に回折され、その角度範囲内でレリーフ型ホログラムに記録されたパターン等を観察することができる。このように、体積位相型ホログラムの再生角度内では体積位相型ホログラムの再生像を見ることができ、その再生角度外ではレリーフ型ホログラムの再生像が見えるので、全体として見た場合のホログラムの意匠性が向上し、視野角の広い明るいホログラムとできる。
【００２６】
図１〜図３における透明薄膜層１３としては、光反射性金属薄膜を用いて半透過型のホログラムとするか、または、透明な物質でホログラム層と屈折率差があるものを使用して透過型とされるとよい。
【００２７】
半透過型のレリーフホログラム層を形成する金属薄膜としては、例えば、Ｃｒ，Ｔｉ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ，Ａｇ，Ａｕ，Ｇｅ，Ａ１，Ｍｇ，Ｓｂ，Ｐｂ，Ｐｄ，Ｃｄ，Ｂｉ，Ｓｎ，Ｓｅ，Ｉｎ，Ｇａ，Ｒｂ等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは２種類以上組み合わせて形成される薄膜である。上記金属薄膜の中でもＡ１，Ｃｒ，Ｎｉ，Ａｇ，Ａｕ等が特に好ましく、その膜厚は５０〜２０００Å、望ましくは１００〜８００Åの範囲である。膜厚が２０００Åを超えると透過性が低下するので、偽造防止用として問題がある。半透過型のレリーフホログラム層を形成する金属薄膜における光透過率は、レリーフホログラム層が体積ホログラム層より表面保護層側にある場合には２０％〜８０％であるとよく、体積ホログラム層がレリーフホログラム層より表面保護層側にある場合には０〜１０％であるとよい。
【００２８】
透過型のホログラムを形成する薄膜は、ホログラム効果を発現できる光透過性のものであれば、いかなる材質のものも使用できる。例えば、ホログラム形成層の樹脂と屈折率の異なる透明材料がある。この場合の屈折率はホログラム形成層の樹脂の屈折率より大きくても、小さくてもよいが、屈折率の差は０．１以上が好ましく、より好ましくは０．５以上であり、１．０以上が最適であるが、その差としては通常２．０以下である。好適に使用される透過型反射層としては、酸化チタン（ＴｉＯ₂）、硫化亜鉛（ＺｎＳ）、Ｃｕ・Ａ１複合金属酸化物等が挙げられる。
【００２９】
透明薄膜層は、凹凸干渉縞模様の表面に昇華、真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気メッキ等の公知の方法で形成されるとよい。
【００３０】
次に、図１〜図３に示すホログラム積層体にあっては、透明薄膜層１３と透明フイルム１４とは透明粘着剤層１７を介して、また、体積型ホログラム層と透明フイルム１４とは必要に応じて透明粘着剤層を介して積層される。
【００３１】
粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、α−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系等の接着剤等が挙げられる。また、ＳＢＳ（スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー）、ＳＩＳ（スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー）、ＳＥＢＳ（スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー）等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト性樹脂等を使用してもよい。
【００３２】
なお、粘着剤としては、ヒートシール剤てもよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂等も挙げられ、ヒートシール温度として６０〜１８０℃のものとするとよい。
【００３３】
粘着剤層は、膜厚４μｍ〜２０μｍとするとよい。粘着剤を適用して接着する際には、幾つかの方法がある。その１つに、接着面のいずれか又は両側に塗布しておき、必要に応じて乾燥させた後、両者を圧着する方法があり、圧着の際には必要に応じて加熱してもよい。あるいは、セパレーターと称する、表面が剥離性のシートの剥離性面に粘着剤を塗布しておき、いずれかの接着面に圧着し、圧着後にセパレーターを剥離し、剥離により露出した粘着剤面に他の接着面を圧着する方法がある。セパレーターに粘着剤を塗布してすぐに適用する場合には、セパレーターは１枚でよいが、２枚のセパレーターの間に粘着剤層を挟んだものを作り、まず、一方のセパレーターを剥がして接着させ、その後、他方のセパレーターを剥がして接着させる「両面テープ」を使用するような方法もあり、適宜に使い分けるとよい。
【００３４】
透明フイルム１４としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が例示され、透明フィルムの厚みとしては、２μｍ〜１００μｍ、好ましくは、２５μｍ〜５０μｍである。
【００３５】
透明フイルム１４の基材側に設けられる離型パターン１５としては、透明フィルム１４表面に、剥離性を与えるような塗料、例えば、透明フィルムに対して接着性のあるバインダー樹脂を主成分とする塗料中にワックス、シリコーン等の剥離性を与える物質を添加したものをパターン状に塗布又は印刷して離型パターンを形成し、離型パターン上において基材側が透明フイルムと十分接着しないようにする方法により行なうとよい。
【００３６】
また、これとは逆に、透明フイルムと基材側との接着強度を高めるプライマーの役割を果たす物質を含む塗料を用いて離型パターンを塗布又は印刷して形成してもよい。この場合には、塗布部が非塗布部に比して透明フイルムと基材側との接着力を強くなり、剥離性に差が生じるものである。さらに、粘着剤を架橋させる成分を透明フィルム表面にパターン状に塗布又は印刷しておく方法で離型パターンを形成してもよい。
【００３７】
いずれの場合も離型パターン１５としては、点状、縞状、格子状、記号状、その他の模様状、あるいは文字状に設ける事ができ、文字状に設ける場合には、「使用済」、「無効」、「開封済」、英文字の「ＶＯＩＤ」（＝無効の意味）等の、剥がした事が明瞭にわかるような文言で設けておくのがよい。
【００３８】
着色層１６は、離型パターン１５を設けた透明フイルム１４上に、接着性に優れる場合には直接、もしくは透明粘着剤層を介して積層されるもので、光反射層、または着色された粘着剤層からなる。
【００３９】
光反射層としては、金属薄膜を用いるとよく、昇華、真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気メッキ等の公知の方法で離型パターン１５を有する透明フイルム１４上に直接形成される。金属薄膜としては、例えば、Ｃｒ，Ｔｉ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ，Ａｇ，Ａｕ，Ｇｅ，Ａ１，Ｍｇ，Ｓｂ，Ｐｂ，Ｐｄ，Ｃｄ，Ｂｉ，Ｓｎ，Ｓｅ，Ｉｎ，Ｇａ，Ｒｂ等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは２種類以上組み合わせて形成される薄膜である。上記金属薄膜の中でもＡ１，Ｃｒ，Ｎｉ，Ａｇ，Ａｕ等が特に好ましく、特に、銀蒸着層は正反射光では鏡面となるため、ホログラムにコントラストが付き、ホログラムの視認性が向上するので好ましく、また、正反射光以外では黒に近い色に見えるために、離型パターンに対応して被着体上に残存した場合には容易に判別でき、偽造防止性に優れるものである。光反射層の膜厚は５０〜２００００Å、望ましくは８０００〜１００００Åの範囲である。
【００４０】
本発明のホログラム積層体が、透明フイルム１４と基材１９との間で剥離されると、光反射層は離型パターン応じて被着体上に残存して、剥離したことが被着体上で明瞭となるものである。ホログラム積層体においては、光反射層はホログラム画像の背景色となり、ホログラム画像がコントラストに優れるものとできる。
【００４１】
着色された粘着剤層としては、透明粘着剤中に着色剤として、顔料、染料の単独、または混合物を含有させたものである。顔料としては、カーボンブラック、銅−鉄−マンガン、アニリンブラック等の黒色顔料、また、上述したＣｒ，Ｔｉ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ，Ａｇ，Ａｕ，Ｇｅ，Ａ１，Ｍｇ，Ｓｂ，Ｐｂ，Ｐｄ，Ｃｄ，Ｂｉ，Ｓｎ，Ｓｅ，Ｉｎ，Ｇａ，Ｒｂ等の金属粉及びその酸化物、窒化物等の粉末を単独若しくは２種類以上組み合わせたもの、また、ナフトールレッドＦ５ＲＫ、フタロシアニンブルー等の着色顔料、赤外線反射顔料を単独または混合して用いられる。顔料として、着色した赤外線反射顔料を使用すると、ホログラム記録層のバック層を可視光とは相違した状態に変化させることができ、偽造防止に優れるものとできる。顔料は、その平均粒子径が１０μｍ以下、好ましくは１μｍ以下とするとよい。
【００４２】
また、染料としては、アシッドブラック、クロムブラック、リアテクティブブラック等の黒色染料、また、ディスパースレッド、カチオンブルー、カチオンイエロー等の染料が例示され、単独または混合して用いられる。顔料または染料は、粘着剤層中に１重量％〜４０重量％、好ましくは１０重量％〜３０重量％含有させるとよい。着色層は、Ｏ．Ｄ．値が、１．５以上、好ましくは１．９以上であり、また、ホログラム層の回折波長の光を５０％以上、好ましくは８０％以上吸収するものとするとよく、これにより、コントラストに優れるホログラム画像とできる。
【００４３】
着色された粘着剤層の膜厚は５μｍ〜５０μｍ、好ましくは１０〜２２μｍに塗布形成されるとよく、これにより透明フイルム１４と基材１９との間で剥離された場合に、離型パターン状に基材上に残存して、剥離したことが明瞭に被着体上で判別でき、また、ホログラム積層体にあっては、ホログラム画像のコントラストを向上させることができる。
【００４４】
着色層は、離型パターン１５側の透明フイルム１４上に透明粘着剤層を介して積層してもよい。また、着色された粘着剤層に代えて透明粘着剤層上に通常の印刷インキを使用してベタおよび／または文字パターンを印刷してもよい。
【００４５】
また、着色層は基材上に粘着剤層を介して積層される。
【００４６】
図１〜図３に示す表面保護層１８は、ホログラム積層体もしくはホログラムラベルの最上層を被覆するものであり、透明フイルム１４で例示したプラスチックフイルムを上述した透明粘着剤層を介して積層するか、また、表面保護層形成用塗液を塗布して形成される。
【００４７】
図１、図３に示すごとく、体積型ホログラム層に接して表面保護層を設ける場合には、表面保護層形成用塗液における溶媒の移行によりホログラム記録がシフトする可能性があるので、透明フイルムを使用して形成するとよく、その膜厚は５μｍ〜５０μｍ、好ましくは１０〜１６μｍとするとよい。
【００４８】
また、図２に示すごとく、レリーフ型ホログラム層に接して表面保護層を設ける場合には、表面保護層としては透明フイルムを使用してもよいが、表面保護層形成用塗液を塗布して形成してもよい。
【００４９】
表面保護層形成用塗液としては、ポリメチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂、３官能以上、好ましくは６官能以上の紫外線や電子線等の電離放射線に反応する電離放射線硬化性のエポキシ変性アクリレート樹脂やウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂等を用いて形成するとよい。また、各種の機能性を向上させるために、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、ワックス、金属化合物の少なくとも１種を添加して塗液とし、乾燥膜厚０．１μｍ〜３μｍで成膜されるとよい。体積型ホログラム記録材料は塗布法によると溶媒により膨潤または収縮作用を示し、記録に影響を与えるので、体積型ホログラム層上に設けられる表面保護層としては透明プラスチックフイルムを使用するとよい。
【００５０】
表面保護層１８には、表面の保護機能を高める目的で、必要に応じて、ハードコート処理が施されていてもよい。ハードコート処理は、例えばシリコーン系、含フッ素シリコーン系、メラミンアルキッド系、ウレタン−アクリレート系（紫外線硬化型）等をディッピング法、スプレー法、ロールコート法等により、膜厚１μｍ〜５０μｍになるよう塗布するとよい。表面保護層１８表面、またはその表面のハードコート処理面には、離型処理が施されていてもよい。離型処理は、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、ステアリン酸系離型剤、ワックス系離型剤等をディッピング法、スプレー法、ロールコート法等により塗布するとよい。
【００５１】
以上、本発明のホログラム積層体について記載したが、本発明のホログラム積層体にあっては、透明フイルム１４と基材１９との間で剥離可能とするものである。そして、離型パターン１５に接する着色層は被着体１９上に、また、離型パターン１５以外の箇所における着色剤層は透明フイルム１４側にと分断されるので、ホログラムを剥離した際には離型パターンに対応した着色層パターンを被着体上に残すことができる。
【００５２】
次に、本発明のホログラム積層体は、図１（ｂ）〜図３（ｂ）に示すホログラムラベルを使用してそれぞれ作製される。ホログラムラベルは各ホログラム積層体における基材１９に代えて、剥離シート１０を積層したものである。
【００５３】
剥離シートは、通常使用される剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、もしくはポリプロピレン樹脂フィルム等をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等により離型処理して得た離型性フィルムが使用される。ホログラムラベルは、剥離シート１０を剥離し、その透明粘着剤層側から認証を必要とする被着体上に貼着されて、ホログラム積層体とされる。
【００５４】
ホログラムラベルは、用途によって、予め、貼る対象やその部分の形状に合わせて切断しておくとよい。あるいは、剥離性シート１０以外の部分に切れ目を入れておくことにより、大きいサイズや巻き取った形のホログラムラベルから、所定の形状の個々のラベルを取り出して、貼る対象に適用することができる。このような加工は、切れ目加工によって行なえる。剥離性シート以外の部分のみに切れ目を入れるにはホログラムラベルの上面側から、打ち抜き刃を剥離性シートの厚み分を残したストロークにより上下動させればよい。
【００５５】
また、所定の形状の個々のホログラムラベルを残して、隣接するホログラムラベルとの間の剥離性シート以外の各層を除去しておいてもよい。この場合、剥離性シートの境界部に、個々のホログラムラベルを分離可能とするミシン目を施しておいてもよい。
【００５６】
以上、図１で示すホログラム積層体を中心に説明したが、図２、図３に示すホログラム積層体にあっては、ホログラム層と透明フイルム１４とは透明粘着剤層１７を介して同様に積層されるとよい。
【００５７】
本発明のホログラムラベルの作製方法を、図１（ｂ）で示すホログラムラベルを作製する場合を例にして説明する。なお、図２（ｂ）、図３（ｂ）に示すそれぞれのホログラムラベルにしても同様の転写法により作製される。
【００５８】
(1) 表面離型処理フィルム／ホログラム記録した体積型ホログラム１１／透明粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム１２／表面離型処理フィルムからなる第１積層フィルムを作製する。
(2) 表面保護フイルム１８／透明粘着剤層／表面離型処理フィルムからなる第２積層フィルムを作製する。
(3) 透明フイルム１４／離型パターン１５／着色層１６／表面離型処理フィルムからなる第３積層フィルムを作製する。
(4) 表面離型処理フィルム／透明粘着剤層１７／剥離シート１０からなる第４積層フイルムを作製する。
(5) 表面離型処理フィルム／透明粘着剤層１７／表面離型処理フィルムからなる第５積層フイルムを作製する。なお、表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離シート１０として使用する場合には、第５積層フイルムを第４積層フイルムとして使用してもよい。
【００５９】
次に、上記で作製した第１積層フイルムの体積型ホログラム層側の表面離型処理フィルムを剥離すると共に、第２積層フイルムの表面離型処理フィルムを剥離し、相互に貼着し、表面保護フイルム１８／透明粘着剤層／ホログラム記録した体積型ホログラム１１／透明粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム１２／表面離型処理フィルムからなる第６積層フイルムを作製する。
【００６０】
また、第３積層フイルムにおける表面離型処理フィルムを剥離すると共に第４積層フイルムの表面離型処理フィルムを剥離し、透明フイルム１４／離型パターン１５／着色層１６／透明粘着剤層１７／剥離シート１０からなる第７積層フイルムを作製する。
【００６１】
さらに、第５積層フイルムにおける一方の表面離型処理フィルムを剥離した後、第７積層フイルムの透明フイルム側に積層し、表面離型処理フィルム／透明粘着剤層１７／透明フイルム１４／離型パターン１５／着色層１６／透明粘着剤層１７／剥離シート１０からなる第８積層フイルムを作製する。
【００６２】
最後に、第６積層フイルム、第８積層フイルムにおけるそれぞれの表面離型処理フィルムを剥離し、相互に積層して図１（ｂ）で示すホログラムラベルが作製される。
【００６３】
本発明のホログラム積層体およびそのホログラムラベルにおける基材としては、携帯可能で、価格の高いもの、例えば、高級腕時計、煙草用ライター等も偽造の対象となりやすい商品であり、認証用として利用される。また、腕時計の文字板や裏側、あるいは腕時計の販売時に使用される化粧ケース等が基材となり得る。又、貴金属、絵画等の美術品・骨董品類を評価、鑑定した書類、証明書の類も、その物品の価値を裏付けるものに適用されるのに適する。
【００６４】
更に、録画済ビデオテープ、音楽もしくは映像用コンパクトディスク、コンピュータソフトを収録したＣＤ−ＲＯＭ、人気ゲームソフトのように、無断複製品が出回ると著作権者や販売元に損害を与えやすいもの等も本発明の積層体の対象となり得る。また、主にアウトドア用の衣料品であって、通気性や透湿性の機能の優れた上着、雨具等の有名銘柄品、ハンドバッグ等の皮革製品や袋物に多い有名銘柄品、等は高価であるために、安価な偽造品が出回る可能性がある。これらの各商品、あるいはそれらを包装したものは、いずれも本発明の積層体における基材としての利用が可能である。
【００６５】
また、例えば身分証明書、パスポート、又はクレジットカード等のＩＤカードにおいても、文字や写真等のない箇所に貼着されて真正品であることの認証用として利用してもよく、他に、記入により金銭的な価値が発生する小切手、約束手形等があり、又、これらとは性格が異なるが、銀行等の金融機関で使用する通帳等にも適用可能である。証券類としては、株券、債券、又は保険証券等があり、直ちに金銭に交換できるものではないが、金銭的な価値のあるものを対象としてもよい。
【００６６】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【００６７】
（実施例１）
（１） 表面離型処理フィルム／ホログラム記録した体積型ホログラム１１／透明粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム１２／表面離型処理フィルムからなる第１積層フィルムの作製
(a) 表面離型処理ＰＥＴフィルム／ホログラム記録した体積型ホログラム／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる積層体Ａの作製
表面離型処理ＰＥＴフィルム／ホログラム記録材料／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなるＨＲＦ−８００Ｘ００１（ＤｕＰｏｎｔ社製）に、５１４ｎｍの波長を有するレーザー光を使用し、体積型ホログラムを記録した後、高圧水銀灯（２００ｍＪ／ｃｍ² ）でＵＶ照射して、積層体Ａを作製した。
【００６８】
(b) 表面離型処理ＰＥＴフィルム／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる積層体Ｂの作製
レリーフ型ホログラム形成材料である電離放射線硬化型ウレタン変性アクリル系樹脂の製造例を示す。
【００６９】
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの２リットルの四つロフラスコに、トルエン４０ｇ及びメチルエチルケトン（ＭＥＫ）４０ｇをアゾ系の開始剤とともに仕込み、２−ヒドロキシエチルメタクリレート（ＨＥＭＡ）２２．４ｇ、メチルメタクリレート（ＭＭＡ）７０．０ｇ、トルエン２０ｇ、及びＭＥＫ２０ｇの混合液を滴下ロートを経て、約２時間かけて滴下させながら１００〜１１０℃の温度下で８時間反応させた後、室温まで冷却した。
【００７０】
これに、２−イソシアネートエチルメタクリレート（昭和電工社製カレンズＭＯＩ）２７．８ｇ、トルエン２０ｇ及びメチルエチルケトン２０ｇの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のＩＲ分析によりイソシアネート基の２２００ｃｍ^-1の吸収ピークの消失を確認し反応を終了した。
【００７１】
得られた樹脂溶液の固形分は４１．０％、粘度は１３０ｍＰａ・ｓｅｃ．（３０℃）、ＧＰＣで測定した標準ポリスチレン換算の分子量は３５０００、１分子中の平均Ｃ＝Ｃ結合導入量は１３．８モル％であった。
【００７２】
光硬化性樹脂組成物を下記のごとく調製した。

上記の各成分をメチルエチルケトンで稀釈して組成物の固形分を５０％に調整した。
【００７３】
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム（ＰＥＴ；東レ社製ルミラーＴ６０、２５μｍ）に２０ｍ／ｍｉｎ．の速度で剥離層（昭和インク社製ハクリニス４５−３）をグラビアコートで塗工し、１００℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で１ｇ／ｍ²の剥離層／ＰＥＴの層構成からなる表面離型処理ＰＥＴフィルムを得た。
【００７４】
上記で得た光硬化性樹脂組成物を剥離性ＰＥＴフィルムの剥離層上にロールコーターで塗工し、１００℃で乾燥して溶剤を揮敵させた後、乾燥膜厚で２ｇ／ｍ²の複製用感光性フィルムを得た。得られたフィルムはいずれも室温ではべとつかず、巻き取り状態で保管できるものであった。
【００７５】
複製装置のエンボスローラーにレーザー光を用いて作ったマスターホログラムから引続き作成したプレススタンパーを設置し、また、上記で作製した複製用感光性フイルムを給紙側に仕掛け、１５０℃で加熱プレスして微細な凹凸干渉縞模様を形成させた。尚、上記のマスターホログラムに代えて、樹脂製版にマスターホログラムから複製ホログラムを作製し、これをシリンダー上に貼り付けたものも使用できる。
【００７６】
次いで、水銀灯より発生した紫外線を照射して光硬化させ、引き続き真空蒸着法により銀層を微細な凹凸干渉縞模様上に５００Åの膜厚で蒸着して半透過型薄膜層を形成し、透明反射型のレリーフホログラムを形成した後、その表面に表面離型処理ＰＥＴフィルムを貼着して積層体Ｂを作製した。
【００７７】
（c) 表面離型処理ＰＥＴフィルム／透明粘着剤層／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる粘着剤層形成用積層フイルムの作製
表面離型処理ＰＥＴフィルム（「ＳＰ−ＰＥＴ」５０μｍ、東京セロファン紙（株）製）上に、組成

の粘着剤をコンマコーターを用いて、乾燥膜厚１０μｍになるように塗布し、その塗布面に表面離型処理ＰＥＴフィルム（「ＳＰ−ＰＥＴ」５０μｍ、東京セロファン紙（株）製）を積層し、粘着剤層形成用積層フイルムを得た。
【００７８】
(d) 第１積層フイルムの作製
積層体Ａにおける一方の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離すると共に、粘着剤層形成用積層フイルムにおける一方の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離して積層し、表面離型処理ＰＥＴフィルム／体積型ホログラム層／粘着剤層／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる積層体Ｃを得た。
【００７９】
積層体Ｃにおける粘着剤層側の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離すると共に、積層体Ｂにおける透明薄膜層側とは反対側の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離して積層し、表面離型処理ＰＥＴフィルム／体積型ホログラム／粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム／表面離型処理フィルムからなる第１積層フィルムを作製した。
【００８０】
（２） 表面保護フイルム１８／透明粘着剤層／表面離型処理フィルムからなる第２積層フィルムの作製
ＰＥＴフィルム｛ルミラーＴ６０（５０μｍ）東レ（株）製｝）上に、上記の粘着剤層形成用積層フイルムにおける一方の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離して積層し、ＰＥＴフィルムからなる表面保護層／透明粘着剤層／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる第２積層フィルムを作製した。
【００８１】
（３） 透明フイルム１４／離型パターン１５／着色層１６／表面離型処理フィルムからなる第３積層フィルムの作製
透明フイルム１４としてＰＥＴフィルム｛ルミラーＴ６０（５０μｍ）東レ（株）製｝）を使用し、その上に、組成

からなる塗布液を使用して、乾燥膜厚０．５μｍでグラビア印刷による所定の文字印刷し、離型パターン１５を形成した。
【００８２】
ついで、離型パターン側の透明フイルム１４の面に、着色層として１μｍの膜厚で銀を蒸着し、さらに、表面離型処理ＰＥＴフィルムを貼着して第３積層フイルムを作製した。
【００８３】
（４） ホログラムラベルの作製
上記で作製した第１積層フイルムの体積型ホログラム層側の表面離型処理フィルムを剥離すると共に、第２積層フイルムの表面離型処理フィルムを剥離して積層し、表面保護フイルム１８／透明粘着剤層／ホログラム記録した体積型ホログラム１１／透明粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム１２／表面離型処理フィルムからなる積層体Ｄを作製した。
【００８４】
次いで、上記で作製した第３積層フイルムにおける表面離型処理フィルムを剥離すると共に上記の粘着剤層形成用積層フイルムの表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離した後、その粘着剤層側から積層し、透明フイルム１４／離型パターン１５／着色層１６／透明粘着剤層１７／剥離シート１０（表面離型処理ＰＥＴフィルム）からなる積層体Ｅを作製した。
【００８５】
得られた積層フイルムＥの透明フイルム側に、粘着剤層形成用積層フイルムにおける一方の表面離型処理フィルムを剥離し、粘着剤層側から積層し、表面離型処理フィルム／透明粘着剤層１７／透明フイルム１４／離型パターン１５／着色層１６／透明粘着剤層１７／剥離シート１０からなる積層体Ｆを作製した。
【００８６】
最後に、積層体Ｄ、積層体Ｆにおけるそれぞれの表面離型処理フィルムを剥離して相互に積層し、１４０℃、１５分加熱して、図１（ｂ）に示すホログラムラベルを作製した。
【００８７】
（５） ホログラム積層体の作製
得られたホログラムラベルから剥離性シートを剥し、粘着剤層側からコンパクトディスク（ＣＤ）面の余白部にラミネートし、図１（ａ）に示すホログラム積層体を得た。
【００８８】
得られたホログラム積層体は、背景色が鏡面の視野角の広い明るいホログラムがえられ、また、透明フイルムを含めホログラムの剥離を試みたところ、ＣＤ面上に銀蒸着層が離型パターン状に残り、剥離されたことが明瞭に判別できた。また、剥離したホログラム側にしても、着色層に明瞭に抜けパターンが残った。
【００８９】
（実施例２）
実施例１記載の積層体Ｂにおける半透過型薄膜層１３側の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離すると共に、該剥離面に実施例１記載の粘着剤層形成用積層フイルムにおける一方の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離して積層し、表面離型処理ＰＥＴフィルム／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム層／粘着剤層／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる積層体Ｇを得た。
【００９０】
得られた積層体Ｇにおける粘着剤層側の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離すると共に、実施例１の積層体Ａにおける一方の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離して積層し、表面離型処理ＰＥＴフィルム／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム／粘着剤層／体積型ホログラム／表面離型処理フィルムからなる積層体Ｈを作製した。
【００９１】
（表面離型処理ＰＥＴフィルム／表面保護層／粘着剤層／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなる積層体Ｉの作製）
表面離型処理ＰＥＴフィルム上に、表面保護層としてハクリニスＫ５３Ａ（（株）昭和インク工業所製）を乾燥膜厚１μｍとなるようにグラビアコータを使用して塗布した後、組成

の粘着剤をコンマコーターを用いて、乾燥膜厚１０μｍになるように塗布し、積層体Ｉを作製した。
【００９２】
（ホログラムラベルの作製）
積層体Ｈのレリーフ型ホログラム層側の表面離型処理フィルムを剥離すると共に、その表面に積層体Ｉの粘着剤層側の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離して積層し、表面離型処理ＰＥＴフィルム／表面保護層／粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有するレリーフ型ホログラム／粘着剤層／体積型ホログラム／表面離型処理フィルムからなる積層体Ｊを作製した。
【００９３】
ついで、積層体Ｊにおける体積型ホログラム側の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離すると共に、実施例１記載の積層体Ｆにおける表面離型処理フィルムを剥離して相互に積層し、１４０℃、１５分加熱して、図２（ｂ）に示すホログラムラベルを作製した。なお、表面保護層上の表面離型処理ＰＥＴフィルムは、仮基材として積層した状態としておき、使用に際して剥離して使用した。
（ホログラム積層体の作製）
得られたホログラムラベルから剥離性シートを剥し、粘着剤層側からＣＤ面の余白上にラミネートし、図２（ａ）に示すホログラム積層体を得た。
【００９４】
得られたホログラム積層体は、背景色が鏡面の視野角の広い明るいホログラムがえられ、また、透明フイルムを含めホログラムの剥離を試みたところ、ＣＤ面上に銀蒸着層が離型パターン状に残り、剥離されたことが明瞭に判別しうるものであった。また、剥離したホログラム側にしても、着色層に明瞭に抜けパターンが残った。
【００９５】
（実施例３）
表面離型処理ＰＥＴフィルム／ホログラム記録材料／表面離型処理ＰＥＴフィルムからなるＨＲＦ−８００Ｘ００１（ＤｕＰｏｎｔ社製）の一方の表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離し、その面に片面にレリーフ型ホログラムの凹凸干渉縞模様が複製されたＰＥＴフイルムをその凹凸干渉縞模様が設けられた面から積層した。
【００９６】
次いで、５１４ｎｍの波長を有するレーザー光を使用し、体積型ホログラムを記録した後、凹凸干渉縞模様が複製されたＰＥＴフイルムを剥離し、紫外線を１００Ｊ／ｃｍ² だけ照射し、１２０℃で２時間加熱して、片面にレリーフ型ホログラムが型押しされた体積型ホログラムを得た。
【００９７】
次に、型押しされた凹凸干渉縞模様表面に１μｍの膜厚で銀層を蒸着して半透過型薄膜層を形成した後、その層上に表面離型処理ＰＥＴフィルムを貼着し、表面離型処理フィルム／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有する体積型ホログラム１１／表面離型処理フィルムからなる積層体Ｋを作製した。
【００９８】
（ホログラムラベルの作製）
積層体Ｋのホログラムにおける半透過型薄膜層側とは反対側の表面離型処理フィルムを剥離すると共に、実施例１に記載する第２積層フイルムの表面離型処理フィルムを剥離して積層し、表面保護フイルム１８／透明粘着剤層／凹凸干渉縞模様の表面に透明薄膜層を有する体積型ホログラム１１／表面離型処理フィルムからなる積層体Ｌを作製した。
【００９９】
積層体Ｌにおける表面離型処理ＰＥＴフィルムを剥離すると共に、実施例１の積層体Ｆにおける表面離型処理フィルムを剥離し、相互に積層し、図３（ｂ）に示すホログラムラベルを作製した。
【０１００】
（ホログラム積層体の作製）
得られたホログラムラベルから剥離性シートを剥し、粘着剤層側からＣＤ面の余白上にラミネートし、図３（ａ）に示すホログラム積層体を得た。
【０１０１】
得られたホログラム積層体は、背景色が鏡面の視野角の広い明るいホログラムがえられ、また、透明フイルムを含めホログラムの剥離を試みたところ、ＣＤ面上に銀蒸着層が離型パターン状に残り、剥離されたことが明瞭に判別しうるものであり、また、剥離したホログラム側にしても、着色層に明瞭に抜けパターンが残った。
【０１０２】
【発明の効果】
本発明のホログラム積層体は、ホログラムを剥離した際に剥離した形跡が被着体上に明瞭に残り、また、剥離されたホログラムの再使用も防止できるものであり、また、複合ホログラムとすることにより視野角の広い明るいホログラムとできるので、模倣防止性に優れ、認証用途として適したものとできる。また、本発明のホログラムラベルは、その剥離シートを剥離し、被着体上に貼着することによりホログラム積層体を容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）は本発明のホログラム積層体断面図であり、（ｂ）はそのホログラムラベル断面図である。
【図２】 （ａ）は本発明の他のホログラム積層体断面図であり、（ｂ）はそのホログラムラベル断面図である。
【図３】 （ａ）は本発明の他のホログラム積層体断面図であり、（ｂ）はそのホログラムラベル断面図である。
【図４】 本発明における複合ホログラムの作用を説明するための図である。
【図５】 本発明のホログラム積層体の剥離の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
１はホログラム積層体、１０は剥離シート、１１は体積型ホログラム層、１２はレリーフ型ホログラム層、１３は凹凸干渉縞模様表面の透明薄膜層、１４は透明フイルム、１５は離型パターン、１６は着色層、１７は粘着剤層、１８は表面保護層、１９は基材、２０は複合ホログラム、２１は体積型ホログラム記録材料、２２は体積位相干渉縞、２３は凹凸干渉縞模様、２４は透明反射層、２５は体積位相干渉縞による回折光、２６は凹凸干渉縞模様による回折光

Claims (2)

1. 被着体上に着色層、離型パターン、透明フイルム、ホログラム層、表面保護層がこの順に積層され、該ホログラム層が、体積型ホログラムおよび凹凸干渉縞模様の表面に膜厚が２０００Å以下の透明薄膜層を有する半透過型のレリーフ型ホログラムが全領域内で重畳されて形成されており、体積型ホログラムの再生角度内では体積型ホログラムの再生像を確認でき、その再生角度外ではレリーフ型ホログラムの再生像が確認できるホログラム積層体において、前記被着体と透明フイルムとの間で剥離可能であり、剥離に際しては着色層が離型パターンに対応して被着体上に残存することを特徴とするホログラム積層体。
2. 剥離シート上に着色層、離型パターン、透明フイルム、ホログラム層、表面保護層がこの順に積層され、該ホログラム層が、体積型ホログラムおよび凹凸干渉縞模様の表面に膜厚が２０００Å以下の透明薄膜層を有する半透過型のレリーフ型ホログラムが全領域内で重畳されて形成されており、体積型ホログラムの再生角度内では体積型ホログラムの再生像を確認でき、その再生角度外ではレリーフ型ホログラムの再生像が確認できるホログラムラベルにおいて、該ホログラムラベルにおける剥離シートが剥離され、該剥離面から被着体に貼着された際に、該被着体と透明フイルムとの間で剥離可能であり、剥離に際しては着色層が離型パターンに対応して被着体上に残存することを特徴とするホログラムラベル。

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