JP7274129B1 - 転写フィルム、並びに撥水・撥油性外装材及びその製造方法 - Google Patents

転写フィルム、並びに撥水・撥油性外装材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撥水性及び撥油性に優れる表面保護層を有する転写層を被転写体である外装材上に転写できる転写フィルムを提供する。【解決手段】離型フィルムと転写層とを有する転写フィルムであって、転写層が、表面保護層を有し、表面保護層が、転写層における離型フィルム側の表層を構成し、表面保護層の離型フィルム側表面での、X線光電子分光法により測定されるケイ素原子の含有量が、3atomic%以上30atomic%以下であり、外装材用である、転写フィルム。【選択図】図1

Description

本開示は、転写フィルム、並びに撥水・撥油性外装材及びその製造方法に関する。
成形体に耐傷性等を付与するために、成形体の表面に表面保護層を設けることが行われている。表面保護層は、例えば、コーティングにより、又は転写フィルムを用いて形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-345228号公報
屋外で使用される外装材は、過酷な耐候条件下に曝されることがあるため、撥水性及び撥油性に優れることが望ましい。本開示者らは、表面保護層を含む転写層を有する転写フィルムを用いて、該転写層を外装材に転写することにより、外装材の撥水性及び撥油性を高めることを検討した。しかしながら、本開示者らは、転写フィルムを用いて表面保護層を外装材上に設ける場合、外装材に転写後の表面保護層の撥水性及び撥油性が充分ではないことを見出した。
本開示の一つの課題は、撥水性及び撥油性に優れる表面保護層を有する転写層を被転写体である外装材上に転写できる転写フィルムを提供することにある。
本開示の転写フィルムは、一実施形態において、離型フィルムと転写層とを有し、転写層が、表面保護層を有し、表面保護層が、転写層における離型フィルム側の表層を構成し、表面保護層の離型フィルム側表面での、X線光電子分光法により測定されるケイ素原子の含有量が、3atomic%以上30atomic%以下であり、外装材用である、転写フィルムである。
本開示によれば、撥水性及び撥油性に優れる表面保護層を有する転写層を被転写体である外装材上に転写できる転写フィルムを提供できる。
図1は、本開示の転写フィルムの一実施形態の模式断面図である。 図2は、本開示の転写フィルムの一実施形態の模式断面図である。 図3は、本開示の撥水・撥油性外装材の一実施形態の模式断面図である。
以下、本開示の転写フィルム等の実施形態について、詳細に説明する。本開示の転写フィルム等は多くの異なる形態で実施でき、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さ及び形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の転写フィルム等の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下の説明において登場する各成分(例えば、樹脂材料、硬化性樹脂、粒子、添加剤、耐候性向上剤、シリコーン化合物、接着性樹脂及び有機溶剤)は、それぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本開示の転写フィルムは、離型フィルムと転写層とを有する。転写層は、離型フィルム上に、剥離可能に設けられている。転写層は、表面保護層を有し、一実施形態において、表面保護層及び接着層を離型フィルムの側から厚さ方向にこの順に有する。表面保護層は、転写層における離型フィルム側の表層を構成する。
本開示の転写フィルムの一実施形態の構成を、図1及び図2に示す。
図1の転写フィルム1は、離型フィルム10と、離型フィルム10上に剥離可能に設けられた転写層20と、を有する。転写層20は、表面保護層22及び接着層24を離型フィルム10の側から厚さ方向にこの順に有する。すなわち、離型フィルム10、表面保護層22及び接着層24は、図1の紙面における上下方向となる厚さ方向に、重ねられている。
図2の転写フィルム1における転写層20は、表面保護層22と接着層24との間に、プライマー層23を有する。転写層20は、表面保護層22、プライマー層23及び接着層24を離型フィルム10の側から厚さ方向にこの順に有する。すなわち、離型フィルム10、表面保護層22、プライマー層23及び接着層24は、図2の紙面における上下方向となる厚さ方向に、重ねられている。
本開示の転写フィルムにおいて、転写層は、表面保護層、プライマー層及び接着層とは異なる他の層をさらに有してもよい。他の層としては、例えば意匠層など、公知の層を適宜選択して用いることができる。
本開示の第1の態様の転写フィルムは、表面保護層の離型フィルム側表面でのケイ素原子の含有量が、3atomic%以上30atomic%以下であることを特徴とする。ケイ素原子の含有量は、X線光電子分光法(XPS法)により測定される。このような要件を充たす転写フィルムを用いることにより、例えば、外装材に良好な撥水性及び撥油性を付与できる。
上記ケイ素原子の含有量は、好ましくは5atomic%以上、より好ましくは7atomic%以上、さらに好ましくは10atomic%以上、特に好ましくは15atomic%以上である。上記ケイ素原子の含有量は、25atomic%以下でもよく、23atomic%以下でもよい。ケイ素原子の含有量が上記下限値以上であると、例えば、撥水性及び/又は撥油性をより向上できる。
表面保護層の離型フィルム側表面でのケイ素原子の含有量は、転写フィルムにおいて離型フィルムを剥離して露出した表面保護層の表面について、X線光電子分光法(XPS法)により測定される。表面保護層の離型フィルム側表面での各測定は、例えば、転写フィルムの上記転写層を被転写体に転写して得られる試験片の表面保護層の表面について行われる。XPS法は、サンプル表面の深さ方向で数nm程度の領域の原子を検出する分析方法である。したがって、XPS法は、表面保護層の表面における原子を検出することが可能である。
XPS法で用いる装置及び測定条件は、下記のとおりである。
使用装置:PHI5000VersaProbeIII
(アルバック・ファイ株式会社製、走査型X線光電子分光装置)
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al-Kα線(1.49keV)
X線照射径:200μm
X線出力:50W(加速電圧:15kV、エミッション電流:3.3mA)
光電子取込み角度:45°
測定領域:600μm×200μm
以上の条件で測定を行う。
次に、XPS法で得られた測定結果から、ケイ素原子に由来するピーク面積を求め、また、他の元素(例えば炭素原子)に由来するピーク面積の合計を求める。下記式により、ケイ素原子の含有量を求める。5回測定した平均値を、ケイ素原子の含有量とする。
ケイ素原子の含有量(atomic%)={(ケイ素原子に由来するピーク面積)/((ケイ素原子に由来するピーク面積)+(他の元素に由来するピーク面積の合計))}×100
ケイ素原子の含有量は、一実施形態において、上記XPS法の分析対象元素がケイ素原子、酸素原子、炭素原子及び窒素原子の4元素である場合は、炭素原子数、酸素原子数、窒素原子数及びケイ素原子数の総和に対するケイ素原子数の割合である。
本開示の第1の態様の転写フィルムの上記転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、下記条件の耐候性試験に投入した後の、該試験片の表面保護層面でのケイ素原子の含有量は、好ましくは2.5atomic%以上30atomic%以下である。ケイ素原子の含有量は、上記XPS法により測定される。このような要件を充たす転写フィルムの転写層が転写された外装材は、屋外で過酷な条件下に曝された後においても、表面保護層表面の撥水性及び撥油性を良好に維持できる。
<耐候性試験>
上記試験片に対して、メタルハライドランプ(MWOM)による促進耐候性試験を、メタルウェザー試験機(ダイプラ・ウインテス製)を用いて行う。試験機及び試験条件の詳細は、実施例欄に記載する。下記照射条件で紫外線を試験片の表面保護層に20時間照射し、試験片に対して散水処理(シャワー)を30秒間行い、続いて下記結露条件で4時間結露を行う工程を1サイクルとする。1サイクル=24時間とする。この工程を12.5サイクル行う。
≪照射条件≫
照度:100mW/cm2、ブラックパネル温度:63℃、湿度:50%RH
≪結露条件≫
湿度:98%RH
耐候性試験後の表面保護層面でのケイ素原子の含有量は、好ましくは3atomic%以上、より好ましく4atomic%以上、さらに好ましくは5atomic%以上、特に好ましくは10atomic%以上であり;25atomic%以下でもよく、20atomic%以下でもよい。ケイ素原子の含有量が上記下限値以上であると、例えば、撥水性及び/又は撥油性をより向上できる。
耐候性試験前の表面保護層面でのケイ素原子の含有量から、耐候性試験後の表面保護層面でのケイ素原子の含有量を引いた値は、好ましくは10atomic%以下、より好ましくは8atomic%以下、さらに好ましくは5atomic%以下、特に好ましくは3atomic%以下である。
本開示の第1の態様の転写フィルムは、以下に説明する第2の態様の転写フィルムにおける表面自由エネルギーに関する要件をさらに充たしてもよく、及び/又は、以下に説明する第3の態様の転写フィルムにおける水接触角に関する要件をさらに充たしてもよい。
本開示の第2の態様の転写フィルムは、表面保護層の離型フィルム側表面での表面自由エネルギーが、20mJ/m2以上40mJ/m2以下であることを特徴とする。このような要件を充たす転写フィルムを用いることにより、例えば、外装材に良好な撥水性及び撥油性を付与できる。
上記表面自由エネルギーは、好ましくは38mJ/m2以下、より好ましくは35mJ/m2以下、さらに好ましくは30mJ/m2以下、特に好ましくは28mJ/m2以下である。上記表面自由エネルギーは、21mJ/m2以上でもよく、22mJ/m2以上でもよい。表面自由エネルギーが上記上限値以下であると、例えば、撥水性及び/又は撥油性をより向上できる。
表面保護層の離型フィルム側表面での表面自由エネルギーは、転写フィルムにおいて離型フィルムを剥離して露出した表面保護層の表面について、以下に説明する方法により測定される。
本開示において、表面保護層の表面自由エネルギーは、表面保護層の表面における各種液滴の接触角(測定温度:25℃、相対湿度:50%)を測定し、接触角の値に基づいて、Wu理論により求められる。
具体的には、「分散成分」としてジヨードメタンの液滴を使用し、「極性成分」として純水の液滴を使用する。接触角計を使用して、JIS R3257:1999に準拠した静滴法に従って、温度25℃、相対湿度50%、滴下量2.0μLの条件で、ジヨードメタンの接触角と純水の接触角とをそれぞれ測定する。接触角は、着滴1秒後の静的接触角を、上記接触角計を用いてθ/2法に従って測定する。これらの接触角の値から、分散成分と極性成分との各々の表面自由エネルギーを求め、求めた各表面自由エネルギーの和から、Wu理論の計算式を用いて、表面保護層の表面における表面自由エネルギー(mJ/m2)を求める。5回測定した平均値を、表面自由エネルギーの値とする。なお、各表面自由エネルギーは、表面自由エネルギー解析ソフトを使用して求める。
本開示の第2の態様の転写フィルムの上記転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、上記条件の耐候性試験に投入した後の、該試験片の表面保護層面での表面自由エネルギーは、好ましくは20mJ/m2以上40mJ/m2以下である。このような要件を充たす転写フィルムの転写層が転写された外装材は、屋外で過酷な条件下に曝された後においても、表面保護層表面の撥水性及び撥油性を良好に維持できる。
耐候性試験後の表面保護層面での上記表面自由エネルギーは、好ましくは38mJ/m2以下、より好ましくは35mJ/m2以下、さらに好ましくは30mJ/m2以下、特に好ましくは28mJ/m2以下である。耐候性試験後の表面保護層面での上記表面自由エネルギーは、21mJ/m2以上でもよく、22mJ/m2以上でもよい。表面自由エネルギーが上記上限値以下であると、例えば、撥水性及び/又は撥油性をより向上できる。
耐候性試験後の表面保護層面での上記表面自由エネルギーから、耐候性試験前の表面保護層面での上記表面自由エネルギーを引いた値は、好ましくは8mJ/m2以下、より好ましくは6mJ/m2以下、さらに好ましくは3mJ/m2以下、特に好ましくは1.5mJ/m2以下である。
本開示の第2の態様の転写フィルムは、第1の態様の転写フィルムにおけるケイ素原子の含有量に関する要件をさらに充たしてもよく、及び/又は、以下に説明する第3の態様の転写フィルムにおける水接触角に関する要件をさらに充たしてもよい。
本開示の第3の態様の転写フィルムは、表面保護層の離型フィルム側表面での水接触角が、90°以上であることを特徴とする。このような要件を充たす転写フィルムを用いることにより、例えば、外装材に良好な撥水性及び撥油性を付与できる。
上記水接触角は、好ましくは92°以上、より好ましくは95°以上、さらに好ましくは98°以上である。上記水接触角は、120°以下でもよく、110°以下でもよく、105°以下でもよい。
表面保護層の離型フィルム側表面での水接触角は、転写フィルムにおいて離型フィルムを剥離して露出した表面保護層の表面について、以下に説明する方法により測定される。
本開示における「水接触角」とは、JIS R3257:1999に準拠した静滴法に従って測定した値を指す。水接触角は、表面保護層の表面に2.0μLの水滴を滴下し、着滴1秒後の静的接触角を、接触角計を用いてθ/2法に従って測定する。液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度を求め、該角度を2倍することにより、接触角を求める。5回測定した平均値を、接触角の値とする。接触角の測定時の雰囲気は、温度25℃、相対湿度50%とする。測定用サンプルを上記雰囲気に10分以上放置してから、水接触角を測定する。
本開示の第3の態様の転写フィルムの上記転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、上記条件の耐候性試験に投入した後の、該試験片の表面保護層面での水接触角は、好ましくは85°以上である。このような要件を充たす転写フィルムの転写層が転写された外装材は、屋外で過酷な条件下に曝された後においても、表面保護層表面の撥水性及び撥油性を良好に維持できる。
耐候性試験後の表面保護層面での上記水接触角は、好ましくは90°以上、より好ましくは92°以上、さらに好ましくは95°以上、特に好ましくは98°以上である。耐候性試験後の表面保護層面での上記水接触角は、120°以下でもよく、110°以下でもよく、105°以下でもよい。
耐候性試験前の表面保護層面での上記水接触角から、耐候性試験後の表面保護層面での上記水接触角を引いた値は、好ましくは10°以下、より好ましくは8°以下、さらに好ましくは5°以下、特に好ましくは3°以下である。
本開示の第3の態様の転写フィルムは、第1の態様の転写フィルムにおけるケイ素原子の含有量に関する要件をさらに充たしてもよく、及び/又は、第2の態様の転写フィルムにおける表面自由エネルギーに関する要件をさらに充たしてもよい。
本開示の転写フィルムでは、上記転写層が、被転写体である外装材上に表面保護フィルムとして転写される。本開示の転写フィルムを用いることにより、例えば、外装材に優れた撥水性及び撥油性、よって防汚性を付与でき、その他、必要に応じて、耐候性、耐傷性及び耐薬品性を付与できる。本開示の転写フィルムは、直射日光又は風雨に晒され、厳しい耐候性が求められる用途に用いられる外装材に対して好適に適用できる。
本開示の転写フィルムを用いることにより、撥水性及び撥油性に優れる表面保護層を有する転写層を外装材上に転写できる。したがって、外装材に転写された表面保護層に対して、後工程で撥水性及び撥油性を高めるための処理(例えば、撥水性及び撥油性を高めるための塗工液の塗布)を行う必要がなく、製造コスト等を低減できる。
本開示の転写フィルムを用いることにより、転写プロセスという有機溶剤の排出がない環境にやさしいプロセスで、外装材の表面の少なくとも一部上に撥水性及び撥油性に優れる表面保護層を容易に形成できる。
以下、本開示の転写フィルムの構成について詳細に説明する。
本開示の転写フィルムは、離型フィルムを有する。
離型フィルムの転写層側表面での表面自由エネルギーは、好ましくは15mJ/m2以上35mJ/m2以下、より好ましくは15mJ/m2以上30mJ/m2以下、さらに好ましくは15mJ/m2以上25mJ/m2以下である。離型フィルムの上記表面自由エネルギーは、転写フィルムにおいて転写層から剥離された離型フィルムの剥離面(転写層が設けられていた面)について測定される。
なお、転写フィルム製造時において、離型フィルムの表面保護層が設けられる表面における表面自由エネルギーも、上記範囲にあることが好ましい。このような表面自由エネルギーを有する離型フィルム上にシリコーン化合物を含有する表面保護層を形成することにより、後述するように、表面保護層の離型フィルム側表面に少なくとも一部のシリコーン化合物を存在させることができると考えられる。したがって、転写後の表面保護層のケイ素原子の含有量、表面自由エネルギー及び水接触角を、上述した範囲に容易に調整できる。これにより、例えば、転写後の表面保護層の撥水性及び撥油性を向上できる。
離型フィルムは、一実施形態において、基材と、基材上に設けられた、シリコーン化合物を含有する離型層とを有する。離型フィルムは、一実施形態において、シリコーン化合物を含有する基材である。このような離型フィルムは、表面自由エネルギーが低い傾向にある。また、例えば、転写時における表面保護層と離型フィルムとの間の離型性を向上できる。
基材は、例えば、樹脂材料により構成されるフィルム(以下「樹脂フィルム」ともいう)である。樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド及びポリカーボネートが挙げられる。本開示において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含する。
基材は、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙及びパラフィン紙等の紙基材でもよい。
樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム及びポリオレフィンフィルムが好ましい。樹脂フィルムがこれらのフィルムであることにより、例えば、離型フィルム上に表面保護層などを容易に形成できる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)及びポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体が挙げられる。これらの中でも、転写フィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、PET及びPBTが好ましく、PETがより好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体及びエチレン-プロピレン-ブテン共重合体が挙げられる。これらの中でも、転写フィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、ポリプロピレンが好ましい。
樹脂フィルムは、延伸フィルムでもよく、未延伸フィルムでもよいが、延伸フィルムが好ましい。延伸フィルムにおける機械方向(MD)及び/又は幅方向(TD)における延伸倍率は、例えば5倍以上30倍以下である。樹脂フィルムが延伸フィルムであることにより、例えば、転写フィルムを製造する際の加熱処理に起因する樹脂フィルムの熱収縮や、電離放射線の照射による架橋処理に起因する樹脂フィルムの収縮を抑制でき、転写フィルムの寸法安定性を高められる。
延伸フィルムは、一軸延伸フィルムでもよく、二軸延伸フィルムでもよい。転写フィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという観点から、二軸延伸フィルムが好ましい。
基材は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。基材は、例えば、樹脂フィルム又は紙基材の単層体でもよく、樹脂フィルムの積層体でもよく、紙基材の積層体でもよく、樹脂フィルムと紙基材との積層体でもよい。樹脂フィルムの積層体は、例えば、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法又はエクストリュージョン法を利用することにより作製できる。
基材の厚さは、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下である。基材が多層構造を有する場合は、多層構造全体で上記厚さの範囲にあることが好ましい。
離型層は、基材表面に、シリコーン化合物を含有する離型剤を用いた離型処理を施すことにより形成されてもよい。離型層は、シリコーン化合物を含有する樹脂層でもよい。
シリコーン化合物は、例えば、付加反応型、縮重合反応型、紫外線硬化型又は電子線硬化型のシリコーン化合物でもよく、硬化性を有しないシリコーン化合物でもよい。シリコーン化合物としては、例えば、シリコーンオイル及びシリコーン樹脂が挙げられる。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、及び高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイルが挙げられる。
離型フィルムの離型層表面での表面自由エネルギーは、好ましくは15mJ/m2以上35mJ/m2以下、より好ましくは15mJ/m2以上30mJ/m2以下、さらに好ましくは15mJ/m2以上25mJ/m2以下である。
離型層の厚さは、例えば、0.01μm以上1μm以下でもよく、0.02μm以上0.5μm以下でもよく、0.03μm以上0.3μm以下でもよい。離型層は、例えば、グラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法及びダイコート法などの方法により形成できる。
離型フィルムは、PETフィルムと、PETフィルム上に設けられた、シリコーン化合物を含有する離型層とを有する離型フィルムでもよく、PETフィルムと、PETフィルム上に設けられたシリコーンコート層とを有する離型フィルムでもよい。
本開示の転写フィルムにおいて、転写層は表面保護層を有する。
表面保護層は、被転写体である外装材上に接着層を介して転写された後、得られる撥水・撥油性外装材の表層を構成する層である。表面保護層は、例えば、被転写体に撥水性及び撥油性を付与する層であり、さらに耐候性及び耐傷性を付与する層でもよい。
表面保護層は、離型フィルムと接していることが好ましい。
表面保護層は、一実施形態において、硬化性樹脂の硬化物を含有する。表面保護層は、一実施形態において、硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される。これにより、例えば、耐候性及び耐傷性を向上できる。
硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、耐候性及び耐傷性の向上という観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、熱硬化性ポリウレタン、熱硬化性(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂及び尿素樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線の照射を受けて硬化する樹脂である。電離放射線としては、例えば、紫外線(UV)、X線及びγ線などの電磁波;電子線(EB)、α線及びイオン線などの荷電粒子線が挙げられる。これらの中でも、紫外線及び電子線が好ましく、電子線がより好ましい。すなわち、表面保護層は、電子線照射により硬化性樹脂が硬化した樹脂層であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、重合性オリゴマー及び重合性プレポリマーが挙げられる。重合性オリゴマー及び重合性プレポリマーとしては、例えば、分子中に、エチレン性不飽和基などの重合性不飽和基を有するオリゴマーやプレポリマーが挙げられ、具体的には、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート及びカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートなどのウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート並びにポリブタジエン(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。エチレン性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基が挙げられる。本開示において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含し、「(メタ)アクリロイル基」は、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する。
重合性オリゴマー及び重合性プレポリマーとしては、分子中に重合性不飽和基を複数有する、多官能オリゴマーや多官能プレポリマーが好ましい。重合性不飽和基数は、耐傷性を向上でき、また硬化収縮が生じにくいという観点から、好ましくは2以上15以下、より好ましくは2以上8以下、さらに好ましくは2以上6以下である。
電離放射線硬化性樹脂としては、また、重合性オリゴマー及び重合性プレポリマーの他に、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーも挙げられる。多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族モノマー;トリス(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート骨格を有するモノマー;並びにこれらの変性体が挙げられる。
上記変性体としては、例えば、エチレンオキサイド(EO)変性体、プロピレンオキサイド(PO)変性体およびカプロラクトン(CL)変性体が挙げられる。上記変性体としては、具体的には、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、CL変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびCL変性トリス(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
表面保護層における硬化性樹脂の硬化物の含有割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。これにより、例えば、表面保護層の耐候性及び耐傷性をより向上できる。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、紫外線硬化性樹脂とともに光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物及びアミノベンゾフェノン系化合物が挙げられる。光重合開始剤の使用量は、紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上5質量部以下である。
硬化性樹脂組成物の粘度を調整するなどの目的で、メチル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレートを希釈剤として用いてもよい。希釈剤としては、単官能(メタ)アクリレートの他、通常の有機溶剤を用いてもよい。
表面保護層は、シリコーン化合物を含有することが好ましい。
シリコーン化合物は、通常、表面自由エネルギーが低く、空気との親和性が高い。このため、転写フィルムの製造において、シリコーン化合物を含有する表面保護層用樹脂組成物を基材フィルムに塗布し乾燥して表面保護層を形成する場合、シリコーン化合物は空気側に移行する傾向にある。すなわち、形成された表面保護層において、シリコーン化合物は基材フィルム側表面とは反対側(プライマー層又は接着層側)の表面に偏在する傾向にある。したがって、従来、転写フィルムにおける転写層の製造工程上、表面保護層の基材フィルム側表面にシリコーン化合物を充分な量で存在させることは困難であった。このため、転写フィルムを用いた場合、転写後の表面保護層の撥水性及び撥油性が充分ではない場合があった。また、表面保護層におけるプライマー層又は接着層側の表面にシリコーン化合物が偏在することで、表面保護層とプライマー層又は接着層との密着性が充分ではない場合があった。
本開示では、例えば基材フィルムとして、表面保護層が設けられる表面の表面自由エネルギーが低い離型フィルムを用いることにより、転写後の表面保護層の撥水性及び撥油性を向上できる。また、表面保護層とプライマー層又は接着層との密着性を向上できる。これは、転写フィルムにおける表面保護層形成時にシリコーン化合物が表面自由エネルギーが低い離型フィルム側に引き寄せられ、撥水性及び撥油性を発現するために充分な量のシリコーン化合物を、表面保護層の離型フィルム側表面に存在させることができるためであると推測される。離型フィルムにおける上記表面自由エネルギーを下げる方法としては、上述したとおりである。シリコーン化合物が表面保護層の離型フィルム側表面に充分な量で存在することにより、例えば、転写後の表面保護層のケイ素原子の含有量、表面自由エネルギー及び水接触角を上述した範囲に調整できる。これにより、表面保護層の撥水性及び撥油性を向上できる。
シリコーン化合物としては、例えば、シリコーンオイル及びシリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、シリコーンオイルが好ましい。シリコーン化合物としては、例えば、ポリシロキサンが挙げられる。
ポリシロキサンとしては、例えば、ジアルキルポリシロキサン、ジシクロアルキルポリシロキサン及びジアリールポリシロキサンが挙げられる。ジアルキルポリシロキサンにおけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びブチル基などの炭素数10以下のアルキル基が挙げられる。ジシクロアルキルポリシロキサンにおけるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基などの炭素数10以下のシクロアルキル基が挙げられる。ジアリールポリシロキサンにおけるアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基などの炭素数6以上12以下のアリール基が挙げられる。
ジアルキルポリシロキサン、ジシクロアルキルポリシロキサン又はジアリールポリシロキサンにおけるアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基の一部は、それぞれ、異なる有機基又は水素原子に置換されていてもよい。該有機基として、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基及びアリールオキシ基、並びにこれらの基がハロゲン化された基が挙げられる。
ポリシロキサンとしては、具体的には、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンにおけるメチル基の一部がフェニル基などのアリール基に置換されたシリコーン化合物、ジメチルポリシロキサンにおけるメチル基の一部が水素原子又は炭素数2以上のアルキル基に置換されたシリコーン化合物、ジメチルポリシロキサンにおけるメチル基の一部がハロゲン化フェニル基に置換されたシリコーン化合物、及びジメチルポリシロキサンにおけるメチル基の一部がフルオロエステル基に置換されたシリコーン化合物が挙げられる。ポリシロキサンとしては、また、エポキシ変性ジメチルポリシロキサンなどのエポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサンなどのアミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンなどのポリエーテル変性ポリシロキサン、高級脂肪酸エステル変性ポリシロキサン、及び高級脂肪酸アミド変性ポリシロキサンが挙げられる。
ポリシロキサンは、重合性不飽和基を有する反応性ポリシロキサンでもよく、該重合性不飽和基を有しない非反応性ポリシロキサンでもよい。重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基等のエチレン性不飽和基が挙げられる。重合性不飽和基を有する反応性ポリシロキサンは、電子線及び紫外線等の電離放射線照射により、電離放射線硬化性樹脂と反応できる。これにより、ブリードアウトが比較的しやすい、例えば後述する分子量を有するポリシロキサンを硬化樹脂系に固定できる。このような表面保護層は、例えば高温・高湿環境下に曝された場合であっても、シリコーン化合物の流出等を抑制でき、撥水性及び撥油性を良好に維持でき、また他の層との密着性を維持できる傾向にある。
したがって、ポリシロキサンの中でも反応性ポリシロキサンが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する反応性ポリシロキサンがより好ましく、表面保護層形成時(硬化時)における反応性ポリシロキサンの反応率を向上できるという観点から、アクリロイル基を有する反応性ポリシロキサンがさらに好ましい。
反応性ポリシロキサンにおける重合性不飽和基の結合箇所は、任意の位置、すなわち分子の末端又は内部のいずれでもよい。反応性ポリシロキサンは、分子の片末端に重合性不飽和基を有してもよく、分子の両末端に重合性不飽和基を有してもよく、側鎖に重合性不飽和基を有してもよく、分子の片末端と側鎖とに重合性不飽和基を有してもよく、分子の両末端と側鎖とに重合性不飽和基を有してもよい。表面保護層形成時(硬化時)における反応性ポリシロキサンの反応率を向上できるという観点から、分子の両末端に重合性不飽和基を有する反応性ポリシロキサンが好ましい。
反応性ポリシロキサンとしては、(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンが好ましく、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリシロキサンがより好ましい。反応性ポリシロキサンとしては、具体的には、(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサンが好ましく、分子の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサン、分子の両末端に(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサン、分子の側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサン、及び分子の両末端又は片末端と側鎖とに(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサンがより好ましく、分子の両末端に(メタ)アクリロイル基を有するジメチルポリシロキサンがさらに好ましい。
シリコーン化合物の数平均分子量は、好ましくは300以上10,000以下、より好ましくは500以上5,000以下、さらに好ましくは1,000以上4,000以下である。これにより、例えば、シリコーン化合物と硬化性樹脂との相溶性が適度に良好となり、表面保護層形成時にシリコーン化合物を離型フィルム側表面に適度に存在させることができ、良好な撥水性及び撥油性を発現させることができる。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
硬化性樹脂組成物の固形分中、及び表面保護層におけるシリコーン化合物の含有量は、好ましくは0.5質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上2質量%以下である。反応性ポリシロキサン等の反応性シリコーン化合物が硬化性樹脂と反応して表面樹脂層の硬化樹脂系に組み込まれている場合は、反応性シリコーン化合物(硬化樹脂系に組み込まれた反応性シリコーン化合物を含む)の含有量は、例えば、表面樹脂層を形成する硬化性樹脂組成物における反応性シリコーン化合物の固形分比から算出できる。
シリコーン化合物の少なくとも一部は、表面保護層において離型フィルム側表面に存在することにより、転写後の表面保護層に撥水性及び撥油性を付与すると考えられる。したがって、シリコーン化合物の含有量は0.5質量%以上が好ましい。シリコーン化合物が表面保護層の接着層側又はプライマー層側表面に多量に存在すると、表面保護層とこれらの層との密着性が充分ではないことや、接着層側又はプライマー層形成時に接着層用溶液又はプライマー層用溶液を良好に塗布できない場合がある。したがって、シリコーン化合物の含有量は5質量%以下が好ましい。
表面保護層は、耐候性向上剤(以下「耐候剤」ともいう)を含有することが好ましい。外装材は直射日光や風雨に日々晒されることから、耐候性に優れることが望ましい。耐候剤を用いることにより、例えば、表面保護層の耐候性を向上でき、よって表面保護層を構成する樹脂の劣化、黄変を抑制でき、層間密着性を向上でき、また、下層(例えば、プライマー層、接着層、外装材)を保護でき、例えば劣化、退色及び黄変を抑制できる。これにより、外装材を屋外において長期にわたって使用できる。
耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤及び光安定剤が挙げられる。
紫外線吸収剤は、有害な紫外線を吸収し、外装材の長期にわたる耐候性を向上させる。光安定剤は、これ自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線により生じる有害なフリーラジカルを効率良く捕捉する。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤及びシアノ(メタ)アクリレート系紫外線吸収剤などの有機系紫外線吸収剤;二酸化チタン、酸化セリウム及び酸化亜鉛などの無機系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中でも、有機系紫外線吸収剤が好ましく、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、及び2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2’-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
硬化性樹脂組成物の固形分中、及び表面保護層における紫外線吸収剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上7質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上5質量%以下である。これにより、例えば、表面保護層の耐候性を向上できる。紫外線吸収剤の含有量が上限値以下であれば、例えば、表面保護層の透明性の低下や、紫外線吸収剤のブリードアウトによる表面保護層とプライマー層との密着性の低下を抑制できる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル(メタ)アクリレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、2,4-ビス[N-ブチル-N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]-6-(2-ヒドロキシエチルアミン)-1,3,5-トリアジン、2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2'-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、及びテトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートが挙げられる。
硬化性樹脂組成物の固形分中、及び表面保護層における光安定剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上7質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上5質量%以下である。これにより、例えば、表面保護層の耐候性を向上できる。光安定剤の含有量が上限値以下であれば、例えば、表面保護層の透明性の低下や、光安定剤のブリードアウトによる表面保護層とプライマー層との密着性の低下を抑制できる。
表面保護層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、防汚剤、消泡剤及び充填剤が挙げられる。
充填材としては、例えば、有機粒子及び無機粒子が挙げられる。有機粒子としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂粒子、ポリカーボネート樹脂粒子及びスチレン樹脂粒子などの合成樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド及び炭化ケイ素が挙げられる。
硬化性樹脂組成物は、例えばその塗布性を向上させるという観点から、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン及びオクタンなどの炭化水素系溶剤;エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール及びデカノールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン及びシクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ステアリン酸ブチル、安息香酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチルなどのエステル系溶剤が挙げられる。
表面保護層の厚さは、好ましくは1μm以上20μm以下、より好ましくは1.5μm以上10μm以下、さらに好ましくは2μm以上6μm以下である。これにより、例えば、外装材に優れた撥水性、撥油性、耐候性及び耐傷性を付与できる。本開示において、各層の厚さは、各層の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真により測定できる。
表面保護層は、例えば、以下のようにして形成する。離型フィルム上に硬化性樹脂組成物を所望の厚さで塗布し、有機溶剤を用いた場合は乾燥して有機溶剤を除去して、塗膜(未硬化樹脂層)を形成する。乾燥条件は、例えば、40℃以上120℃以下で10秒間以上10分間以下である。次いで、熱硬化性樹脂を用いた場合は、硬化に必要な温度で該塗膜を加熱して硬化させる。電離放射線硬化性樹脂を用いた場合は、該塗膜に電離放射線を照射して硬化させる。このようにして、表面保護層を形成できる。硬化処理は、硬化性樹脂組成物の塗布後であって他の層の形成前に行ってもよく、他の層の形成後に行ってもよい。
硬化性樹脂組成物を離型フィルム上に塗布する方法としては、例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、スリットリバース法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、オフセット法及びバーコート法が挙げられる。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚さに応じて適宜選定し得るが、70kV以上300kV以下の加速電圧で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。電子線の照射線量は、好ましくは0.5Mrad以上30Mrad以下、より好ましくは1Mrad以上20Mrad以下、さらに好ましくは3Mrad以上15Mrad以下である。
電子線源としては、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合、例えば、波長190nm以上380nm以下の紫外線を少なくとも照射することが好ましい。紫外線源としては、例えば、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯及びタングステンランプが挙げられる。照射光量は、例えば10mJ/cm2以上350mJ/cm2以下である。
本開示の転写フィルムにおいて、転写層は、表面保護層と接着層との間に、プライマー層を有してもよい。プライマー層は、例えば、表面保護層と接着層との密着性を向上させる機能を有する。
プライマー層は、一実施形態において、樹脂材料を含有する。
樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステルが挙げられる。これらの中でも、ウレタン樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂としては、耐候性及び耐久性という観点から、ポリウレタン高分子鎖中に(メタ)アクリル骨格を有するウレタン樹脂が好ましい。ポリウレタン高分子鎖中に(メタ)アクリル骨格を有するウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン成分と(メタ)アクリル成分との共重合体であるウレタン(メタ)アクリル共重合体、ポリウレタンを構成するポリオール成分又はポリイソシアネート成分としてヒドロキシ基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル樹脂が用いられた樹脂が挙げられる。これらの中でも、ウレタン(メタ)アクリル共重合体が好ましく、ウレタン(メタ)アクリル共重合体としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリルブロック共重合体が好ましい。
プライマー層と表面保護層との密着性という観点から、ウレタン(メタ)アクリル共重合体は、ポリウレタン高分子鎖中にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格をさらに有してもよい。このようなウレタン(メタ)アクリル共重合体としては、例えば、ポリカーボネート系ウレタン成分と(メタ)アクリル成分との共重合体であるポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体、及びポリエステル系ウレタン成分と(メタ)アクリル成分との共重合体であるポリエステル系ウレタン(メタ)アクリル共重合体が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリル共重合体は、例えば、1分子中に少なくとも2個のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル樹脂にポリオール及びポリイソシアネートを反応させる方法(特開平6-100653号公報等参照)や、不飽和二重結合を両末端に有するウレタンプレポリマーに(メタ)アクリルモノマーを反応させる方法(特開平10-1524号公報等参照)によって得ることができる。
ウレタンプレポリマーとしては、例えば、ポリカーボネートジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ウレタンプレポリマー、及びポリエステルジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリエステル系ウレタンプレポリマーが挙げられる。ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系イソシアネート;イソホロンジイソシアネート及び水素添加キシリレンジイソシアネートなどの脂環式系イソシアネートが挙げられる。(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、及びアルキル基の炭素数が1以上6以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ウレタン樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリル共重合体、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリル共重合体、及びカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリル共重合体が挙げられる。これらの樹脂材料は、耐候性、さらには表面保護層と接着層との密着性を向上させる観点から好ましい。
ウレタン樹脂において、ウレタン成分/(メタ)アクリル成分(質量比)は、好ましくは20/80以上99/1以下、より好ましくは50/50以上95/5以下、さらに好ましくは70/30以上95/5以下である。これにより、例えば耐候性をより向上できる。ウレタン樹脂における(メタ)アクリル成分の含有量は、ウレタン樹脂の総質量当たり、(メタ)アクリル骨格を構成するモノマー単位が占める割合である。ウレタン樹脂における(メタ)アクリル成分の含有量は、ウレタン樹脂のNMRスペクトルを測定し、全ピーク面積に対する(メタ)アクリル成分に帰属されるピーク面積の割合を求めることによって算出される。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上100,000以下、より好ましくは30,000以上80,000以下である。これにより、例えば耐候性をより向上できる。本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
プライマー層における樹脂材料の含有割合は、例えば50質量%以上である。
プライマー層は、粒子をさらに含有してもよい。これにより、例えば、転写フィルムの生産工程又は保管に際して、接着層と離型フィルムとが密着するブロッキング現象の発生を抑制できる。
粒子としては、例えば、無機粒子及び有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及びタルクなどの無機粒子が挙げられる。
粒子の粒子形状は、例えば、球状、楕円体状、多面体状及び鱗片形状が挙げられる。
粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.5μm以上8μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上5μm以下である。平均粒子径が上記範囲内であると、透明性が確保されるとともに、優れたブロッキング防止性が得られる。
プライマー層における粒子の含有量は、樹脂材料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下、より好ましくは1質量部以上25質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上20質量部以下である。
プライマー層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、耐候剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤及び着色剤が挙げられる。
プライマー層は、耐候剤を含有してもよい。これにより、例えば、プライマー層の耐候性を向上でき、得られる撥水・撥油性外装材を屋外において長期にわたって使用できる。耐候剤としては、例えば、紫外線吸収剤及び光安定剤が挙げられる。紫外線吸収剤及び光安定剤の詳細は上述したとおりである。
紫外線吸収剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂材料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上50質量部以下、より好ましくは3質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上35質量部以下である。
光安定剤の含有量は、プライマー層を構成する樹脂材料100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上15質量部以下、より好ましくは1質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上10質量部以下である。
プライマー層用樹脂組成物は、樹脂材料の硬化を促進する観点から、例えば、イソシアネート硬化剤を含有してもよい。イソシアネート硬化剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート及びナフタレン-1,5-ジイソシアネートが挙げられる。
プライマー層用樹脂組成物におけるイソシアネート硬化剤の使用量は、表面保護層と接着層との密着性を向上させるという観点から、樹脂材料100質量部に対して、好ましくは1質量部以上40質量部以下、より好ましくは3質量部以上30質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上30質量部以下である。
プライマー層の厚さに、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.1μm以上5μm以下である。これにより、例えば、表面保護層と接着層との密着性をより向上できる。プライマー層の厚さは、接着層の厚さよりも小さいことが好ましい。
プライマー層は、例えば、上述した成分及び必要に応じて有機溶剤を含有するプライマー層用樹脂組成物を、公知の印刷方法又は塗布方法によって表面保護層上に塗布し、必要に応じて乾燥及び硬化させることにより形成できる。
表面保護層とプライマー層との間の接着性を向上させるために、プライマー層の形成前に、表面保護層を表面処理してもよい。表面処理の方法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、及びオゾン/紫外線処理が挙げられる。
表面保護層とプライマー層との接着性を向上させるために、表面保護層の架橋硬化を半硬化の状態にとどめ、その後、プライマー層用樹脂組成物を半硬化状態の表面保護層に塗布した後、電離放射線を照射して表面保護層を完全硬化させてもよい。
本開示の転写フィルムにおいて、転写層は意匠層を有してもよい。これにより、例えば、被転写体である外装材に、撥水性及び撥油性に加えて、意匠性をさらに付与できる。転写層は、プライマー層と接着層との間に意匠層を有してもよい。
意匠層は、例えば、絵柄を含む。絵柄としては、例えば、文字、図形、記号及びこれらの組合せが挙げられる。絵柄は、単色無地(いわゆるベタ画像)でもよい。意匠層は、プライマー層における表面保護層とは反対側の面の一部に配置されていてもよく、全面に配置されていてもよい。意匠層は、プライマー層における表面保護層とは反対側の面の全面を覆う層でもよく、プライマー層における表面保護層とは反対側の面において、絵柄の配置領域と非配置領域とを含むパターン状でもよい。
意匠層は、一実施形態において、樹脂材料及び着色剤を含有する。
樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ブチラール樹脂及びセルロース樹脂が挙げられる。
着色剤としては、例えば、顔料及び染料が挙げられる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青及びコバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック及びニッケルアゾ錯体等の有機顔料又は染料;アルミニウム及び真鍮等の、鱗片状箔片からなる金属顔料;並びに二酸化チタン被覆雲母及び塩基性炭酸鉛等の、鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料が挙げられる。
意匠層における着色剤の含有量は、意匠層に含まれる樹脂材料100質量部に対して、好ましくは10質量部以上500質量部以下、より好ましくは30質量部以上300質量部以下、さらに好ましくは50質量部以上200質量部以下である。
意匠層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤及び光安定剤等の耐候剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤並びに充填剤が挙げられる。
意匠層は、透明でもよく、半透明でもよく、不透明でもよい。
意匠層の形成方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷法が挙げられる。
意匠層の厚さは、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上15μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下である。これにより、例えば、転写層の意匠性を向上できる。
接着層が意匠層を兼ねてもよい。
本開示の転写フィルムにおいて、転写層は接着層を有してもよい。
接着層は、転写フィルムを被転写体の表面に密着させる機能を有する。一実施形態において、接着層は、転写層における離型フィルム側とは反対側の表層を構成する。接着層は、転写後に被転写体と接する層である。これにより、転写層を被転写体に良好に転写して貼付できる。
本開示において、転写フィルムを、接着層が被転写体の表面と接するように被転写体に貼付し、次いで離型フィルムを剥離することにより、転写フィルムから表面保護層を被転写体上に密着性良く転写できる。
接着層に使用できる接着性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びスチレン樹脂などの熱融着性樹脂が好ましい。これらの中でも、耐候性の向上という観点から、ポリメタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
接着層における接着性樹脂の含有割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
接着層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤及び光安定剤等の耐候剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤並びに着色剤が挙げられる。
接着層は、耐候剤を含有してもよい。耐候剤の詳細は上述したとおりである。
接着層における紫外線吸収剤の含有量は、接着性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上25質量部以下でもよく、1質量部以上20質量部以下でもよく、3質量部以上15質量部以下でもよい。接着層における光安定剤の含有量は、接着性樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上7質量部以下でもよく、0.5質量部以上5質量部以下でもよく、1質量部以上5質量部以下でもよい。
接着層の厚さは、好ましくは1μm以上12μm以下、より好ましくは1μm以上6μm以下である。これにより、例えば、転写層を被転写体に良好に接着でき、また、優れた透明性を確保できる。
接着層の厚さは、プライマー層の厚さよりも大きいことが好ましい。
接着層は、例えば、表面保護層又はプライマー層上に、接着層を構成する成分を含む組成物(接着層用組成物)を塗布し、必要に応じて乾燥させることにより形成できる。
本開示の転写フィルムは、接着層上にカバーフィルム(保護フィルム)を有してもよい。具体的には、接着層上にカバーフィルムが貼付されていてもよい。これにより、接着層表面を良好に保護でき、転写フィルムを保管する上で好ましい。転写フィルムの使用時には、カバーフィルムを接着層から剥がして接着層を露出させ、この接着層を介して被転写体に転写フィルムを貼付する。
カバーフィルムは、例えば、ポリオレフィン等の樹脂材料からなる。
本開示の撥水・撥油性外装材は、外装材と、該外装材の表面の少なくとも一部上に設けられた表面保護フィルムとを有する。表面保護フィルムは、本開示の転写フィルムにおける転写層であり、転写層に含まれる表面保護層が、撥水・撥油性外装材の少なくとも一部の表層を構成する。
一実施形態において、図3に示すように、撥水・撥油性外装材2は、外装材30と、外装材30の表面上に設けられた転写層20とを有する。図3の実施形態では、転写層20は、接着層24と、プライマー層23と、表面保護層22とを、外装材30の側からこの順に有する。したがって、撥水・撥油性外装材2は、外装材30上に、接着層24、プライマー層23及び表面保護層22をこの順に有する。離型フィルム10は、撥水・撥油性外装材2を使用する際に剥離されていればよい。
外装材は、本開示の転写フィルムの転写層が転写される被転写体である。
外装材において本開示の転写フィルムの転写層が転写される箇所の材質としては、例えば、樹脂材料、紙、不織布又は織布、木材、金属、非金属無機材料等を用途に応じて適宜選択できる。また、外装材の形状は特に限定されることなく、シート形状等の平板状のものでもよく、また、曲面板、多角柱等の三次元形状を有するものでもよい。樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート;ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン;環状ポリオレフィン;ポリスチレン;アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)共重合体;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル及びポリフッ化ビニルなどのビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;メラミン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン及びポリエーテルイミドが挙げられる。
外装材としては、一実施形態において、樹脂材料により構成される樹脂成形体でもよく、透明樹脂材料により構成される透明樹脂成形体でもよい。透明樹脂成形体の全光線透過率は、例えば50%以上であり、70%以上でもよく、80%以上でもよい。全光線透過率は高い方が透明性の観点から好ましいが、その上限は例えば98%又は95%でもよい。本開示において全光線透過率は、JIS K7105に準拠して測定する。
透明樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ABS共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネートは、透明性及び耐衝撃性に優れていることから好ましい。
外装材は、屋外で用いられる成形体、特に日々直射日光や風雨に晒されるために耐候性が求められる用途の成形体である。外装材としては、例えば、建築構造物の外装材、車両、船舶及び航空機の外装材、産業用機械の外装材、並びに各種レンズが挙げられる。
建築構造物の外装材(建材)としては、例えば、一般道路及び高速道路等における防音壁又は風防壁を構成する透明樹脂成形体、窓材、バルコニーの仕切り板、テラス又はカーポートにおける屋根部材、農業用ハウスを構成する透明樹脂成形体が挙げられる。
車両の外装材としては、例えば、サイドウインドウ、リアウインドウ、ルーフウインドウ、フロントウインドウ及びクォーターウインドウなどの窓材;ヘッドライトカバー、ウインカーランプレンズ、リフレクター;並びにピラーが挙げられる。車両としては、例えば、自動車、鉄道車両、建設機械、及びゴルフカートなどの軽車両が挙げられる。産業用機械の外装材としては、例えば、工作機械における視認用窓材が挙げられる。レンズとしては、例えば、信号機のレンズが挙げられる。
本開示の撥水・撥油性外装材は、例えば、本開示の転写フィルムを用いて、該転写フィルムの転写層を外装材の表面の少なくとも一部上に転写することで得られる。本開示の撥水・撥油性外装材の製造方法は、一実施形態において、本開示の転写フィルム及び外装材を準備する工程と、転写フィルムを、外装材上に、転写フィルムにおける転写層が外装材側を向くようにして配置する工程と、転写フィルムにおける離型フィルムを剥離する工程とを含む。
一実施形態において、表面保護層及び接着層を含む転写層を有する本開示の転写フィルムと、外装材とを準備し、該転写フィルムにおける接着層と外装材の表面とが接するように、該転写フィルムを外装材の表面の少なくとも一部上に配置する。
一実施形態において、表面保護層を含む転写層を有する本開示の転写フィルムと、表面に接着層が設けられた外装材とを準備し、該転写フィルムにおける転写層と外装材上に設けられた接着層とが接するように、該転写フィルムを外装材の表面の少なくとも一部上に配置する。外装材上に設けられた接着層としては、例えば、転写フィルムの転写層が有することができる接着層が挙げられる。
上記配置は、加熱及び/又は加圧下において行ってもよい。次いで、転写フィルムにおける離型フィルムを転写層から、具体的には表面保護層から剥離する。このようにして、撥水・撥油性外装材が得られる。転写法としては、例えば、ロール転写法及びプレス転写法などの熱転写法、又はインモールド成形法を採用できる。
離型フィルムは転写層からすぐに剥離せずに、撥水・撥油性外装材の保護フィルムとして利用してもよい。そのような場合には、撥水・撥油性外装材を使用する前に離型フィルムを転写層から剥離すればよい。
転写フィルムを外装材の表面上に配置した後に、更に、得られた撥水・撥油性外装材を曲げ加工などの加工処理に供してもよい。加工処理は、離型フィルムの剥離前又は後のいずれにおいても行ってもよい。
本開示の撥水・撥油性外装材は、例えば、外装材の形成と転写フィルムの配置とを同時に行うことにより製造してもよい。例えば、転写フィルムの接着層上に樹脂を射出させて転写フィルムと外装材としての樹脂成形体(射出成形体)とを一体化させる。次いで、離型フィルムを転写層から剥離する。この場合、樹脂成形体の形成方法としては、例えば、インモールド成形法、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法及びガスインジェクション成形法などの各種射出成形法が挙げられる。
本開示は、例えば以下の[1]~[15]に関する。
[1]離型フィルムと転写層とを有する転写フィルムであって、転写層が、表面保護層を有し、表面保護層が、転写層における離型フィルム側の表層を構成し、表面保護層の離型フィルム側表面での、X線光電子分光法により測定されるケイ素原子の含有量が、3atomic%以上30atomic%以下であり、外装材用である、転写フィルム。
[2]転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、下記条件の耐候性試験に投入した後の、試験片の表面保護層面でのX線光電子分光法により測定されるケイ素原子の含有量が、2.5atomic%以上30atomic%以下である、上記[1]に記載の転写フィルム。
<耐候性試験>
メタルハライドランプ式メタルウェザー試験機を用いて、下記照射条件で紫外線を試験片の表面保護層に20時間照射し、試験片に対して散水処理を30秒間行い、続いて下記結露条件で4時間結露を行う工程を1サイクルとし、この工程を12.5サイクル行う。
≪照射条件≫
照度:100mW/cm2、ブラックパネル温度:63℃、湿度:50%RH
≪結露条件≫
湿度:98%RH
[3]離型フィルムと転写層とを有する転写フィルムであって、転写層が、表面保護層を有し、表面保護層が、転写層における離型フィルム側の表層を構成し、表面保護層の離型フィルム側表面での表面自由エネルギーが、20mJ/m2以上40mJ/m2以下であり、外装材用である、転写フィルム。
[4]転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、上記条件の耐候性試験に投入した後の、試験片の表面保護層面での表面自由エネルギーが、20mJ/m2以上40mJ/m2以下である、上記[3]に記載の転写フィルム。
[5]離型フィルムと転写層とを有する転写フィルムであって、転写層が、表面保護層を有し、表面保護層が、転写層における離型フィルム側の表層を構成し、表面保護層の離型フィルム側表面での水接触角が、90°以上であり、外装材用である、転写フィルム。
[6]転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、上記条件の耐候性試験に投入した後の、試験片の表面保護層面での水接触角が、85°以上である、上記[5]に記載の転写フィルム。
[7]離型フィルムの転写層側表面での表面自由エネルギーが、15mJ/m2以上35mJ/m2以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の転写フィルム。
[8]離型フィルムと、転写層における表面保護層とが接している、上記[1]~[7]のいずれかに記載の転写フィルム。
[9]転写層が、接着層をさらに有する、上記[1]~[8]のいずれかに記載の転写フィルム。
[10]転写層が、表面保護層と接着層との間に、プライマー層をさらに有する、上記[9]に記載の転写フィルム。
[11]表面保護層、プライマー層及び接着層の少なくとも1つの層が、耐候性向上剤を含有する、上記[10]に記載の転写フィルム。
[12]外装材の表面の少なくとも一部上に転写層を転写するための、上記[1]~[11]のいずれかに記載の転写フィルム。
[13]外装材と、外装材の表面の少なくとも一部上に設けられた表面保護フィルムと、を有する撥水・撥油性外装材であって、表面保護フィルムが、上記[1]~[12]のいずれかに記載の転写フィルムにおける転写層であり、転写層における表面保護層が、撥水・撥油性外装材の少なくとも一部の表層を構成する、
撥水・撥油性外装材。
[14]転写層が接着層を有するか、又は、転写層と外装材との間に接着層が設けられている、上記[13]に記載の撥水・撥油性外装材。
[15]上記[1]~[12]のいずれかに記載の転写フィルム及び外装材を準備する工程と、転写フィルムを、外装材上に、転写フィルムにおける転写層が外装材側を向くようにして配置する工程と、転写フィルムにおける離型フィルムを剥離する工程とを含む、撥水・撥油性外装材の製造方法。
以下、実施例に基づき本開示の転写フィルムを説明するが、本開示の転写フィルムは実施例によって何ら限定されない。以下の記載において、「質量部」を単に「部」と記載する。
[実施例1]
離型フィルムとして、一方の面の表面自由エネルギー19.8mJ/m2、厚さ50μmの、シリコーンコート離型フィルム(シリコーンコートPETフィルム)を準備した。離型フィルムの上記一方の面に、以下の表面保護層用硬化性樹脂組成物を塗布して乾燥し、未硬化樹脂層を形成した。90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を未硬化樹脂層に照射して該樹脂層を架橋硬化させ、厚さ3μmの表面保護層を形成した。表面保護層の面にコロナ放電処理を施した後に、以下のプライマー層用樹脂組成物を塗布して乾燥し、厚さ3μmのプライマー層を形成した。プライマー層上に熱融着性樹脂(アクリル樹脂)を塗布して厚さ4μmの接着層を形成した。このようにして、転写フィルムを得た。転写フィルムは、離型フィルムとしてのシリコーンコートPETフィルムと、該PETフィルム上に設けられた転写層とを有し、該転写層は、表面保護層、プライマー層及び接着層を有する。
以下の樹脂組成物の配合組成では、固形分を記載した。塗布時には、固形分濃度が60質量%程度となるよう酢酸エチルで希釈した樹脂組成物を用いた。
<表面保護層用硬化性樹脂組成物>
・3官能ウレタン(メタ)アクリレート 100部
・紫外線吸収剤 2部
(チヌビン479(商品名)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社)
・光安定剤 3部
(サノールLS-3410(商品名)、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート、日本乳化剤株式会社)
・反応性ポリシロキサン 1部
(アクリロイル基を両末端に有する、数平均分子量2000のジメチルポリシロキサン、分子中のアクリロイル基数=2)
<プライマー層用樹脂組成物>
・ポリカーボネート系ウレタン(メタ)アクリル共重合体 100部
(ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分と(メタ)アクリル成分との質量比は、70/30である。)
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 17部
(チヌビン400(商品名)、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社)
・ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 13部
(チヌビン479(商品名)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社)
・ヒンダードアミン系光安定剤 8部
(チヌビン123(商品名)、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、BASFジャパン株式会社)
・ブロッキング防止剤 9部
(シリカ粒子、平均粒子径:3μm)
・硬化剤 25部
(ヘキサンメチレンジイソシアネート)
[実施例2]
表面保護層用硬化性樹脂組成物における反応性ポリシロキサンを、メタクリロイル基を片末端に有する、数平均分子量2000のジメチルポリシロキサン(メタクリロイル基数=1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。
[実施例3]
表面保護層用硬化性樹脂組成物における反応性ポリシロキサンを、(メタ)アクリロイル基を有しない、数平均分子量3000のジメチルポリシロキサンに変更したこと以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。
[比較例1]
離型フィルムとして、表面自由エネルギー48.3mJ/m2、厚さ50μmのPETフィルムを用い、表面保護層用硬化性樹脂組成物において上記反応性ポリシロキサンを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。
[比較例2]
離型フィルムとして、表面自由エネルギー48.3mJ/m2、厚さ50μmのPETフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを得た。
[転写]
実施例及び比較例で得られた転写フィルムと、被転写体として厚さ2mmのポリカーボネート板とを準備した。上記転写フィルムを、ポリカーボネート板の片面に、転写フィルムの接着層がポリカーボネート板に接する状態で160℃の熱をかけながら貼付した。これにより、ポリカーボネート板、接着層、プライマー層、表面保護層及び離型フィルムを順に有する、離型フィルム付き成形体を得た。次に、転写フィルムの転写層から離型フィルムを剥離して、試験片を得た。上記表面保護層は、試験片の一方側の表層を構成する。
[耐候性試験]
上述した<耐候性試験>の記載に従い、以下の装置を用いて耐候性試験を行った。
装置名:メタルウェザー試験機(ダイプラ・ウィンテス製)
型式:KW-R7TP-A
光源ランプ:メタルハライドランプMW-60W 232L
フィルター:KF-1フィルター(295~780nm)
冷却方法:水冷ジャケット方式
[ケイ素原子の含有量(Si原子含有量)の測定]
試験片の表面保護層表面でのケイ素原子の含有量を、以下の使用装置、分析方法及び測定条件に基づき、X線光電子分光法(XPS法)により測定した。
使用装置:PHI5000VersaProbeIII
(アルバック・ファイ株式会社製、走査型X線光電子分光装置)
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al-Kα線(1.49keV)
X線照射径:200μm
X線出力:50W(加速電圧:15kV、エミッション電流:3.3mA)
光電子取込み角度:45°
測定領域:600μm×200μm
[表面自由エネルギー(表面自由E)の測定]
接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名:DMo-702)を使用して、JIS R3257:1999に準拠した静滴法に従って、温度25℃、相対湿度50%、滴下量2.0μLの条件で、試験片の表面保護層表面でのジヨードメタン(分散成分)の接触角と純水(極性成分)の接触角とをそれぞれ測定した。接触角は、着滴1秒後の静的接触角を、上記接触角計を用いてθ/2法に従って測定した。これらの接触角の値から、分散成分と極性成分との各々の表面自由エネルギーを求め、求めた各表面自由エネルギーの和から、Wu理論の計算式を用いて、表面保護層の表面における表面自由エネルギー(mJ/m2)を求めた。5回測定した平均値を、表面自由エネルギーの値とした。なお、各表面自由エネルギーは、表面自由エネルギー解析ソフト(協和界面科学株式会社製、商品名:FAMAS)を使用して求めた。
[水接触角の測定]
JIS R3257:1999に準拠した静滴法に従い、試験片の表面保護層表面での水接触角を測定した。具体的には、試験片の表面保護層の表面に2.0μLの水滴を滴下し、着滴1秒後の静的接触角を、接触角計(協和界面科学株式会社製、商品名:DMo-702)を用いてθ/2法に従って測定した。5回測定した平均値を、接触角の値とした。接触角の測定時の雰囲気は、温度25℃、相対湿度50%とした。試験片を上記雰囲気に10分以上放置してから、水接触角を測定した。
[マジックペンのインク拭取り試験]
試験片の表面保護層の表面に、黒色油性マジックペン(ゼブラ株式会社製マッキー極細)で長さ5cmの直線を描いた。描画後の試験片を10秒間静置したのち、直線の描画面に対してセルロース系不織布ワイパー(旭化成株式会社製BEMCOT M-3II)を20回往復させて、直線の拭取りを試みた。上記ワイパーの往復回数と拭取り除去の状態とを、以下の基準に従い評価した。
・AA:往復回数10回以内で直線を除去できる。
・BB:往復回数11回以上15回以内で直線を除去できる。
・CC:往復回数16回以上20回以内で直線を除去できる。
・DD:往復回数20回では直線を除去できない。
Figure 0007274129000002
1 …転写フィルム
2 …撥水・撥油性外装材
10…離型フィルム
20…転写層
22…表面保護層
23…プライマー層
24…接着層
30…外装材(被転写体)

Claims (12)

  1. 離型フィルムと転写層とを有する転写フィルムであって、
    前記転写層が、表面保護層、プライマー層及び接着層この順に有し、
    前記表面保護層が、前記転写層における前記離型フィルム側の表層を構成し、
    前記表面保護層の前記離型フィルム側表面での、X線光電子分光法により測定されるケイ素原子の含有量が、3atomic%以上30atomic%以下であり、
    外装材用である、転写フィルム。
  2. 前記転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、下記条件の耐候性試験に投入した後の、前記試験片の表面保護層面でのX線光電子分光法により測定されるケイ素原子の含有量が、2.5atomic%以上30atomic%以下である、請求項1に記載の転写フィルム。
    <耐候性試験>
    メタルハライドランプ式メタルウェザー試験機を用いて、下記照射条件で紫外線を前記試験片の表面保護層に20時間照射し、前記試験片に対して散水処理を30秒間行い、続いて下記結露条件で4時間結露を行う工程を1サイクルとし、この工程を12.5サイクル行う。
    ≪照射条件≫
    照度:100mW/cm2、ブラックパネル温度:63℃、湿度:50%RH
    ≪結露条件≫
    湿度:98%RH
  3. 記表面保護層の前記離型フィルム側表面での表面自由エネルギーが、20mJ/m2以上40mJ/m2以下であ請求項1又は2に記載の転写フィルム。
  4. 前記転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、前記条件の耐候性試験に投入した後の、前記試験片の表面保護層面での表面自由エネルギーが、20mJ/m2以上40mJ/m2以下である、請求項3に記載の転写フィルム。
  5. 前記表面保護層の前記離型フィルム側表面での水接触角が、90°以上であ請求項1~4のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  6. 前記転写層を被転写体に転写して得られる試験片を、前記条件の耐候性試験に投入した後の、前記試験片の表面保護層面での水接触角が、85°以上である、請求項5に記載の転写フィルム。
  7. 前記離型フィルムの前記転写層側表面での表面自由エネルギーが、15mJ/m2以上35mJ/m2以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  8. 前記離型フィルムと、前記転写層における前記表面保護層とが接している、請求項1~7のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  9. 前記表面保護層、前記プライマー層及び前記接着層の少なくとも1つの層が、耐候性向上剤を含有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  10. 外装材の表面の少なくとも一部上に前記転写層を転写するための、請求項1~のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  11. 外装材と、前記外装材の表面の少なくとも一部上に設けられた表面保護フィルムと、を有する撥水・撥油性外装材であって、
    前記表面保護フィルムが、請求項1~10のいずれか一項に記載の転写フィルムにおける前記転写層であり、前記転写層における前記表面保護層が、前記撥水・撥油性外装材の少なくとも一部の表層を構成する、
    撥水・撥油性外装材。
  12. 請求項1~10のいずれか一項に記載の転写フィルム及び外装材を準備する工程と、
    前記転写フィルムを、前記外装材上に、前記転写フィルムにおける前記転写層が前記外装材側を向くようにして配置する工程と、
    前記転写フィルムにおける前記離型フィルムを剥離する工程と
    を含む、撥水・撥油性外装材の製造方法。
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