JPH06100653A - アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法 - Google Patents

アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06100653A
JPH06100653A JP3108071A JP10807191A JPH06100653A JP H06100653 A JPH06100653 A JP H06100653A JP 3108071 A JP3108071 A JP 3108071A JP 10807191 A JP10807191 A JP 10807191A JP H06100653 A JPH06100653 A JP H06100653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
acrylic
resin
meth
polyurethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3108071A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tateishi
彰 立石
Takuya Miho
卓也 三保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP3108071A priority Critical patent/JPH06100653A/ja
Publication of JPH06100653A publication Critical patent/JPH06100653A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリウレタン樹脂塗装材料から得られるベルベ
ット状塗膜において、手で触れたときの感触がややソフ
ト感に欠ける傾向を解決する。 【構成】1分子中に少なくとも2個の水酸基および少な
くとも1個のメルカプト基を持つ化合物に(メタ)アク
リル酸エステルを反応させ、次いで高分子ジオール、鎖
伸長剤、およびジイソシアネート化合物と反応させて得
られるアクリルグラフトポリウレタン化合物とする。 【効果】ポリウレタン樹脂塗装材料から得られるベルベ
ット状塗膜において、手で触れたときの感触がソフトに
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリルグラフトポリウ
レタン化合物およびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、耐摩耗性等の塗膜特性にも優れると共に、特にポ
リスチレン樹脂成型品に対して優れた付着性を示すベル
ベット状塗膜形成用のアクリルグラフトポリウレタン化
合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、バインダー樹脂と樹脂粒子を塗膜形
成成分として含有する塗料組成物は、ソフトな艷消し状
外観の塗膜が得られる塗料として公知である。特に、バ
インダー樹脂および樹脂粒子の両方を弾性ポリウレタン
樹脂で構成してなる塗料組成物は、ソフトな艶消し外観
の塗膜を形成し得ると同時に、その表面を手で触れたと
きの感触がソフトな、いわゆる「ベルベット状」ないし
「ビロード状」と称する意匠性に優れた塗膜を形成し得
ることも知られている。
【0003】例えば、特公昭48−41006号公報に
は、上記ベルベット状塗膜を形成し得る塗装材料の一例
として、バインダー樹脂および樹脂粒子の両方を弾性ポ
リウレタン樹脂で構成し、かつ、得られる塗膜のショア
硬度、伸び、磨損値等の塗膜物性値を特定することによ
って、耐引掻き傷性、二次加工性等の塗膜特性に優れた
ベルベット状外観の塗膜を形成する塗装材料が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
告公報に記載されているポリウレタン樹脂塗装材料から
得られるベルベット状塗膜は、手で触れたときの感触が
ややソフト感に欠ける傾向がある。そのため、特に近年
の各種製品、部品等に要求されるデザインの多様性、高
級化ないしは差別化等の要求に充分対応しきれないとい
う問題点がある。
【0005】また、この塗装材料は特にポリスチレン樹
脂成型品への付着性に劣るため、ポリスチレン樹脂成型
品への使用が制限されたり、あるいは、ポリスチレン樹
脂成型品に塗布する場合には、予め付着性を高めるため
の下塗り塗料の塗布が必要である等、塗装工程が多くな
るといった問題点もある。一方、アクリル樹脂をバイン
ダーとする塗装材料は、ポリスチレン樹脂成形品への付
着性に優れていることが従来より知られている。
【0006】したがってポリウレタン樹脂塗料における
上記のような付着性の問題点を改善するためには、該ポ
リウレタン樹脂にアクリル樹脂を加えて改質するのがも
っとも一般的な方法と言える。しかしながら、ポリウレ
タン樹脂とアクリル樹脂とは、必ずしも相溶性に優れて
いるとはいい難く、単純にブレンドしただけの塗装材料
は、長期間保存すると相分離を生じるという問題点があ
る。
【0007】この欠点を克服するためには、ポリウレタ
ン樹脂とアクリル樹脂を単に混合するのではなく、化学
的に結合させてやればよいと考えられる。これを実現す
る手段としては、重合可能な不飽和基を持ったポリウレ
タンに(メタ)アクリル酸エステルを重合させ、アクリ
ルグラフトポリウレタンを得る方法が考えられるが、こ
の方法はポリウレタンにグラフトしていないアクリルが
多く生成し、必ずしも有効なグラフト化法とは言いがた
い。
【0008】本発明者らは、有効なポリウレタンのアク
リルグラフト化法を開発すべく、種々の検討を行なっ
た。その結果、2つ以上の水酸基および1つ以上のメル
カプト基を持つ化合物に(メタ)アクリル酸エステルを
反応させることによって片方の末端にのみ2個以上の水
酸基をもったアクリル樹脂が合成できること、またこの
アクリル樹脂を原料としてポリウレタンを合成すること
で目的のアクリルグラフトポリウレタン化合物を合成で
きることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の構成】すなわち、本発明は「1分子中に少なく
とも2個の水酸基および少なくとも1個のメルカプト基
を持つ化合物に(メタ)アクリル酸エステルを反応さ
せ、次いで高分子ジオール、鎖伸長剤、およびジイソシ
アネート化合物と反応させて得られることを特徴とす
る、アクリルグラフトポリウレタン化合物」および「1
分子中に少なくとも2個の水酸基および少なくとも1個
のメルカプト基を持つ化合物に(メタ)アクリル酸エス
テルを反応させ、次いで高分子ジオール、鎖伸長剤、お
よびジイソシアネート化合物と反応させて得られること
を特徴とする、アクリルグラフトポリウレタン化合物の
製造方法」である。
【0010】本発明のアクリルグラフトポリウレタン化
合物を得るには2段階の反応を行なう。先ず、1段目の
反応について説明する。本発明において用いられる「1
分子中に少なくとも2個の水酸基および少なくとも1個
のメルカプト基を持つ化合物」としては、1−チオグリ
セリン、3,4−ジヒドロキシブタンチオールなどのジ
ヒドロキシチオール類や、チオグリコール酸などのメル
カプトカルボン酸とグリセリン、ペンタエリスリトール
等の多価アルコールとから成るエステル、例えばグリセ
リンモノチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリト
ールモノチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリト
ールジチオグリコール酸エステル等が挙げられる。
【0011】本発明において用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、n−またはiso−ブチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。また、必要に応じて、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等の長鎖アル
キル(メタ)アクリレートや、(メタ)アクリル酸等の
官能基含有(メタ)アクリレートを用いることもでき
る。
【0012】またスチレン、メチルスチレン、クロロス
チレン等のスチレン類を(メタ)アクリル酸エステルに
共重合して用いることもできる。特に長鎖アルキル(メ
タ)アクリレートは、最終的に得られるアクリルグラフ
トポリウレタンの耐薬品性を改善するので、これを併用
することが望ましい。2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート等のような水酸基含有(メタ)アクリレート
は、後述するウレタン化の際にジイソシアネート化合物
と反応し、ゲル化を引き起こすため好ましくない。
【0013】該反応はアクリル重合に関する公知の方法
によって行なうことができる。例えば、50℃〜120
℃に加熱された有機溶剤中に、1分子中に少なくとも2
個の水酸基および少なくとも1個のメルカプト基を持つ
化合物、(メタ)アクリル酸エステル、および重合開始
剤の混合物を2時間〜4時間かけて滴下法によって加
え、その後(メタ)アクリル酸エステルの濃度が0.5
%以下になるまで加熱を継続して行なうことができる。
【0014】反応を行なう際に用いる1分子中に少なく
とも2個の水酸基および少なくとも1個のメルカプト基
を持つ化合物のモル数は、アクリルモノマーの総モル数
を100とすると0.5〜10が好ましく、1〜5が特
に好ましい。0.5以下では高分子量のポリマーが生じ
るため粘度が非常に高くなり反応が困難となる。また1
0以上では低分子量のポリマーしか得られないため好ま
しくない。
【0015】該反応において用いることができる有機溶
剤としては、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶媒、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、ブチルセロソ
ルブ等のセロソルブ系溶媒などを用いることも可能であ
る。
【0016】該反応において用いられる重合開始剤とし
ては、過酸化ベンゾイル、過酸化t−ブチル等の有機過
酸化物系重合開始剤、および2、2’−アゾビスイソブ
チロニトリル等の有機アゾ化合物系重合開始剤等が挙げ
られる。重合開始剤のモル数は、メルカプト化合物に対
して1〜1.5が好ましく、1.1〜1.4が特に好ま
しい。1以下では未反応のメルカプト化合物、アクリル
モノマーの残留が起こり、1.5以上では末端にメルカ
プト化合物の結合していないアクリルポリマーの生成が
起こるため好ましくない。
【0017】該反応において、メルカプト基は重合開始
剤由来のラジカル種、若しくは連鎖重合中の(メタ)ア
クリル酸エステル由来のラジカル種に水素原子を供与
し、自らは硫黄中心ラジカルとなる。このラジカルは
(メタ)アクリル酸エステルの重合開始剤となり、生成
するアクリル樹脂の片方の末端になる。
【0018】しかしながら、同条件において水酸基は全
く反応しない。そのため、本発明のように系中に「1分
子中に少なくとも2個の水酸基および少なくとも1個の
メルカプト基を持つ化合物」を含む系においては、生成
するアクリル樹脂は片方の末端にジオール構造を持つも
のとなる。このジオールは通常のジオールと同様、イソ
シアネート化合物と反応し、ウレタン化合物を与えるこ
とができる。
【0019】すなわち、本発明の様に高分子ジオール、
鎖伸長剤、およびジイソシアネート化合物と反応させる
ことによってポリウレタン化合物を得ることができる。
次に2段目の反応について説明する。該反応において用
いられる高分子ジオールとしては、両末端に水酸基を有
するポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポ
リカーボネートジオール等が挙げられる。ポリエステル
ジオールとしては、フタル酸等の二塩基酸と、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール等のジオール化合物
との重縮合物、およびポリカプロラクトン化合物等が挙
げられる。
【0020】ポリエーテルジオールとしては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコー
ル、ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられる。ポ
リカーボネートジオールとしては、1,6−ヘキサンジ
オールのポリカーボネート、あるいはその他のジオール
のポリカーボネート等が挙げられる。
【0021】鎖伸長剤としては、活性水素原子を有する
短分子のグリコール、短分子一級ジアミン等が挙げられ
る。短分子ジオールとしてはエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が、
短分子一級ジアミンとしてはエチレンジアミン、イソホ
ロンジアミン等が挙げられる。ジイソシアネート化合物
としては、芳香族系、脂肪族系、脂環式系ジイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0022】具体的にはフェニレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、ビフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネートおよびこれらの水添化物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジシイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ
る。
【0023】該アクリルグラフトポリウレタン化合物を
合成する際には、上記ジオール末端を持つアクリル化合
物、高分子ジオールおよび鎖伸長剤の水酸基の合計が上
記イソシアネート化合物中のイソシアネート基1.0当
量に対して1.0−1.2当量になるのが好ましい。
1.0以下では未反応のイソシアネート基が残留するた
め、また1.2以上では高分子量の重合物が得られない
ため好ましくない。
【0024】本発明において、上記反応生成物は公知の
方法によって得ることができる。たとえば、上記反応に
よって得られたジオール末端アクリル化合物、高分子ジ
オール、鎖伸長剤、およびジイソシアネート化合物、お
よび必要に応じて有機重金属類やアミン類などのウレタ
ン化触媒を仕込み、不活性ガス雰囲気下、50−150
℃で反応を行なうことができる。ウレタン化触媒の使用
量は500ppm〜2000ppmが好ましい。
【0025】しかしながら、この値は触媒の種類によっ
て異なることは当然である。また、該反応は有機溶媒中
で行なうことができ、その際使用できる有機溶媒として
はメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケ
トン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶
媒が好ましく、またトルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶媒、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒な
どを用いることも可能である。溶媒の使用量は全体を1
00部とすると、0〜80部が好ましい。溶媒を使用し
ないことはもちろん可能である。50部を越えると生成
する樹脂の粘度がかなり低いものとなってしまい、好ま
しくない。
【0026】該反応において用いられるアクリル樹脂分
とウレタン樹脂分の比率は、任意に変更することが可能
であるが、全樹脂中に占めるアクリル分が30%〜80
%になるのが好ましく50〜70%が特に好ましい。3
0%以下ではポリスチレン樹脂成型物への密着性が特に
改善されないため、また80%以上では得られた樹脂が
通常のアクリル樹脂の様な固いものとなり、ベルベット
状塗膜を形成した際の風合いで劣るようになるため好ま
しくない。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載によって制限
されるものではない。なお、以下の実施例において、各
成分の配合量は重量基準で示した。下記(1)、(2)
に示した手順にしたがって、片方の末端にのみ少なくと
も2個の水酸基を持つアクリル樹脂化合物を合成した
後、ウレタン化反応を行なうことによって目的とするア
クリルグラフトポリウレタン樹脂を得た。
【0028】(1)末端にのみ少なくとも2個の水酸基
を持つアクリル樹脂化合物の合成;温度計、冷却管およ
び撹拌機を有するフラスコ中に、反応溶媒であるトルエ
ンを仕込み、乾燥窒素気流下で100〜110℃まで加
熱した後、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート(STMA),α−
チオグリセリンおよび重合開始剤としてパーブチルオキ
サイドの混合液を2時間かけて滴下した。
【0029】滴下終了後、反応粗液中の上記原料の濃度
が0.5%以下になるまで加熱を続け、室温まで冷却
し、目的とする片方の末端にのみ少なくとも2個の水酸
基を持つアクリル樹脂化合物を合成した。 (2)ウレタン化反応 温度計、冷却管および撹拌機を有するフラスコ中に、数
平均分子量2000のポリカプロラクトン、1,3−ブ
チレングリコール、イソホロンジイソシアネート、前述
のアクリル樹脂、および触媒としてジラウリン酸ジブチ
ルスズ、反応溶媒としてトルエン、メチルエチルケトン
(MEK)を仕込み、窒素雰囲気下で100℃まで加熱
した。
【0030】反応粗液中のイソシアネート含量が0.0
5%以下になるまで加熱を続けた後、室温まで冷却し、
目的とするアクリルグラフトポリウレタン樹脂化合物を
得た。
【0031】
【合成例1〜5】表1の組成にしたがい、上記手順
(1)、(2)の通りに目的とするアクリルグラフトポ
リウレタンを合成した。
【0032】
【表1】
【0033】なお、表1において、各略号は以下の通り
である。 MMA:メチルメタクリレート n−BMA:ノルマルブチルメタクリレート STMA:ステアリルメタクリレート ATG:α−チオグリセリン PCL:ポリカプロラクトン 1,3BG:1,3ブチレングリコール IPDI:イソフォロンジイソシアネート HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート DBTDL:ジラウリン酸ジブチルスズ MEK:メチルエチルケトン
【0034】
【応用例】合成例1〜3において得られた樹脂および比
較例として市販の弾性ポリウレタン樹脂2種を用いて各
種物性を測定した。サンプルの調整は以下のように行な
った。MEKによって固形分10%まで希釈し、スプレ
ーを用いてAS樹脂板の表面に塗布し、室温で30分、
60℃で20分乾燥を行なった後、下記(1)の評価方
法で評価を行なった。また、得られた樹脂を剥離紙上に
膜厚0.5mmになるように塗布し、室温で30分、6
0℃で20分乾燥を行なった後、下記(2)の評価方法
で評価を行なった。
【0035】評価方法 (1)密着性:塗膜にカッターの刃で1mm幅の10×
10個(100個)の碁盤目を刻み、碁盤目の上にセロ
ハン粘着テープを貼りつけ、次いでセロハン粘着テープ
を粘着面に対して垂直方向に急激にはがし、塗膜の剥離
状態を次の評価基準にしたがって評価した。 10:切傷の1本ごとが、細くて両端が滑らかで、切傷
の交点と正方形の1目1目にはがれがない。 8:切傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の1
目1目にはがれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の
5%以下である。
【0036】(2)フィルム強伸度:樹脂フィルムを2
号ダンベルで打抜き、JIS K 7113の方法に準
じてフィルム強伸度を測定した。破断強度、100%応
力強度については単位として(kgf/cm2)を、破
断伸度については単位として(%)を用いた。評価結果
を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明のアクリルグラフトポリウレタン
化合物は、アクリル樹脂とポリウレタンを化学的に結合
したものであるので、したが来ウレタン系の樹脂では達
成され得なかったスチレン系樹脂への密着性をもってい
ることに加え、アクリル系樹脂では達成し得ない柔軟な
フィルム物性をも兼ね備えており、ベルベット状塗膜形
成用樹脂組成物として極めて有用である。(以下余白)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 アクリルグラフトポリウレタン化合物
およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクリルグラフトポリウ
レタン化合物およびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、耐摩耗性等の塗膜特性にも優れると共に、特にポ
リスチレン樹脂成型品に対して優れた付着性を示すベル
ベット状塗膜形成用のアクリルグラフトポリウレタン化
合物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、バインダ−樹脂と樹脂粒子を塗膜形
成成分として含有する塗料組成物は、ソフトな艶消し状
外観の塗膜が得られる塗料として公知である。
【0003】特に、バインダ−樹脂および樹脂粒子の両
方を弾性ポリウレタン樹脂で構成してなる塗料組成物
は、ソフトな艶消し外観の塗膜を形成し得ると同時に、
その表面を手で触れたときの感触がソフトな、いわゆる
「ベルベット状」ないし「ビロ−ド状」と称する意匠性
に優れた塗膜を形成し得ることも知られている。
【0004】例えば、特公昭48−41006号公報に
は、上記ベルベット状塗膜を形成し得る塗装材料の一例
として、バインダ−樹脂および樹脂粒子の両方を弾性ポ
リウレタン樹脂で構成し、かつ、得られる塗膜のショア
硬度、伸び、磨損値等の塗膜物性値を特定することによ
って、耐引掻き傷性、二次加工性等の塗膜特性に優れた
ベルベット状外観の塗膜を形成する塗装材料が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
告公報に記載されているポリウレタン樹脂塗装材料から
得られるベルベット状塗膜は、手で触れたときの感触が
ややソフト感に欠ける傾向がある。そのため、特に近年
の各種製品、部品等に要求されるデザインの多様性、高
級化ないしは差別化等の要求に充分対応しきれないとい
う問題点がある。また、この塗装材料は特にポリスチレ
ン樹脂成型品への付着性に劣るため、ポリスチレン樹脂
成型品への使用が制限されたり、あるいは、ポリスチレ
ン樹脂成型品に塗布する場合には、予め付着性を高める
ための下塗り塗料の塗布が必要である等、塗装工程が多
くなるといった問題点もある。
【0006】一方、アクリル樹脂をバインダ−とする塗
装材料は、ポリスチレン樹脂成形品への付着性に優れて
いることが従来より知られている。
【0007】したがってポリウレタン樹脂塗料における
上記のような付着性の問題点を改善するためには、該ポ
リウレタン樹脂にアクリル樹脂を加えて改質するのがも
っとも一般的な方法と言える。
【0008】しかしながら、ポリウレタン樹脂とアクリ
ル樹脂とは、必ずしも相溶性に優れているとはいい難
く、単純にブレンドしただけの塗装材料は、長期間保存
すると相分離を生じるという問題点がある。
【0009】この欠点を克服するためには、ポリウレタ
ン樹脂とアクリル樹脂を単に混合するのではなく、化学
的に結合させてやればよいと考えられる。
【0010】これを実現する手段としては、重合可能な
不飽和基を持ったポリウレタンに(メタ)アクリル酸エ
ステルを重合させ、アクリルグラフトポリウレタンを得
る方法が考えられるが、この方法はポリウレタンにグラ
フトしていないアクリルが多く生成し、必ずしも有効な
グラフト化法とは言いがたい。
【0011】本発明者らは、有効なポリウレタンのアク
リルグラフト化法を開発すべく、種々の検討を行なっ
た。
【0012】その結果、2つ以上の水酸基および1つ以
上のメルカプト基を持つ化合物に(メタ)アクリル酸エ
ステルを反応させることによって片方の末端にのみ2個
以上の水酸基をもったアクリル樹脂が合成できること、
またこのアクリル樹脂を原料としてポリウレタンを合成
することで目的のアクリルグラフトポリウレタン化合物
を合成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0013】
【発明の構成】すなわち、本発明は「1分子中に少なく
とも2個の水酸基および少なくとも1個のメルカプト基
を持つ化合物に(メタ)アクリル酸エステルを反応さ
せ、次いで高分子ジオ−ル、鎖伸長剤、およびジイソシ
アネ−ト化合物と反応させて得られることを特徴とす
る、アクリルグラフトポリウレタン化合物」および「1
分子中に少なくとも2個の水酸基および少なくとも1個
のメルカプト基を持つ化合物に(メタ)アクリル酸エス
テルを反応させ、次いで高分子ジオ−ル、鎖伸長剤、お
よびジイソシアネ−ト化合物と反応させて得られること
を特徴とする、アクリルグラフトポリウレタン化合物の
製造方法」である。
【0014】本発明のアクリルグラフトポリウレタン化
合物を得るには2段階の反応を行なう。先ず、1段目の
反応について説明する。
【0015】本発明において用いられる「1分子中に少
なくとも2個の水酸基および少なくとも1個のメルカプ
ト基を持つ化合物」としては、1−チオグリセリン、
3,4−ジヒドロキシブタンチオ−ルなどのジヒドロキ
シチオ−ル類や、チオグリコ−ル酸などのメルカプトカ
ルボン酸とグリセリン、ペンタエリスリト−ル等の多価
アルコ−ルとから成るエステル、例えばグリセリンモノ
チオグリコ−ル酸エステル、ペンタエリスリト−ルモノ
チオグリコ−ル酸エステル、ペンタエリスリト−ルジチ
オグリコ−ル酸エステル等が挙げられる。
【0016】本発明において用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレ−ト、
エチル(メタ)アクリレ−ト、n-またはiso-ブチル(メ
タ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられ
る。
【0017】また、必要に応じて、ラウリル(メタ)ア
クリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト等の長鎖
アルキル(メタ)アクリレ−トや、(メタ)アクリル酸
等の官能基含有(メタ)アクリレ−トを用いることもで
きる。
【0018】またスチレン、メチルスチレン、クロロス
チレン等のスチレン類を(メタ)アクリル酸エステルに
共重合して用いることもできる。
【0019】特に長鎖アルキル(メタ)アクリレ−ト
は、最終的に得られるアクリルグラフトポリウレタンの
耐薬品性を改善するので、これを併用することが望まし
い。
【0020】2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト等のような水酸基含有(メタ)アクリレ−トは、後述
するウレタン化の際にジイソシアネ−ト化合物と反応
し、ゲル化を引き起こすため好ましくない。
【0021】該反応はアクリル重合に関する公知の方法
によって行なうことができる。
【0022】例えば、50℃〜120℃に加熱された有
機溶剤中に、1分子中に少なくとも2個の水酸基および
少なくとも1個のメルカプト基を持つ化合物、(メタ)
アクリル酸エステル、および重合開始剤の混合物を2時
間〜4時間かけて滴下法によって加え、その後(メタ)
アクリル酸エステルの濃度が0.5%以下になるまで加
熱を継続して行なうことができる。
【0023】反応を行なう際に用いる1分子中に少なく
とも2個の水酸基および少なくとも1個のメルカプト基
を持つ化合物のモル数は、アクリルモノマ−の総モル数
を100とすると0.5〜10が好ましく、1〜5が特
に好ましい。
【0024】0.5以下では高分子量のポリマ−が生じ
るため粘度が非常に高くなり反応が困難となる。
【0025】また10以上では低分子量のポリマ−しか
得られないため好ましくない。
【0026】該反応において用いることができる有機溶
剤としては、石油エ−テル、ヘキサン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶媒、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒が好ましく、ブチルセロソ
ルブ等のセロソルブ系溶媒などを用いることも可能であ
る。
【0027】該反応において用いられる重合開始剤とし
ては、過酸化ベンゾイル、過酸化t-ブチル等の有機過酸
化物系重合開始剤、および2、2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル等の有機アゾ化合物系重合開始剤等が挙げら
れる。
【0028】重合開始剤のモル数は、メルカプト化合物
に対して1〜1.5が好ましく、1.1〜1.4が特に
好ましい。1以下では未反応のメルカプト化合物、アク
リルモノマ−の残留が起こり、1.5以上では末端にメ
ルカプト化合物の結合していないアクリルポリマ−の生
成が起こるため好ましくない。
【0029】該反応において、メルカプト基は重合開始
剤由来のラジカル種、若しくは連鎖重合中の(メタ)ア
クリル酸エステル由来のラジカル種に水素原子を供与
し、自らは硫黄中心ラジカルとなる。
【0030】このラジカルは(メタ)アクリル酸エステ
ルの重合開始剤となり、生成するアクリル樹脂の片方の
末端になる。
【0031】しかしながら、同条件において水酸基は全
く反応しない。そのため、本発明のように系中に「1分
子中に少なくとも2個の水酸基および少なくとも1個の
メルカプト基を持つ化合物」を含む系においては、生成
するアクリル樹脂は片方の末端にジオ−ル構造を持つも
のとなる。
【0032】このジオ−ルは通常のジオ−ルと同様、イ
ソシアネ−ト化合物と反応し、ウレタン化合物を与える
ことができる。
【0033】すなわち、本発明の様に高分子ジオ−ル、
鎖伸長剤、およびジイソシアネ−ト化合物と反応させる
ことによってポリウレタン化合物を得ることができる。
【0034】次に2段目の反応について説明する。
【0035】該反応において用いられる高分子ジオ−ル
としては、両末端に水酸基を有するポリエステルジオ−
ル、ポリエ−テルジオ−ル、ポリカ−ボネ−トジオ−ル
等が挙げられる。ポリエステルジオ−ルとしては、フタ
ル酸等の二塩基酸と、エチレングリコ−ル、ジエチレン
グリコ−ル等のジオ−ル化合物との重縮合物、およびポ
リカプロラクトン化合物等が挙げられる。
【0036】ポリエ−テルジオ−ルとしては、ポリエチ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテト
ラメチレングリコ−ル、ポリペンタメチレングリコ−
ル、ポリヘキサメチレングリコ−ル等が挙げられる。
【0037】ポリカ−ボネ−トジオ−ルとしては、1,
6−ヘキサンジオ−ルのポリカ−ボネ−ト、あるいはそ
の他のジオ−ルのポリカ−ボネ−ト等が挙げられる。
【0038】鎖伸長剤としては、活性水素原子を有する
短分子のグリコ−ル、短分子一級ジアミン等が挙げられ
る。短分子ジオ−ルとしてはエチレングリコ−ル、ジエ
チレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコ−ル等が、
短分子一級ジアミンとしてはエチレンジアミン、イソホ
ロンジアミン等が挙げられる。
【0039】ジイソシアネ−ト化合物としては、芳香族
系、脂肪族系、脂環式系ジイソシアネ−ト等が挙げられ
る。
【0040】具体的にはフェニレンジイソシアネ−ト、
トリレンジイソシアネ−ト、ナフタレンジイソシアネ−
ト、ビフェニルジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジ
イソシアネ−トおよびこれらの水添化物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネ−ト、ジシクロヘキシルメタンジシイソ
シアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト等が挙げられ
る。
【0041】該アクリルグラフトポリウレタン化合物を
合成する際には、上記ジオ−ル末端を持つアクリル化合
物、高分子ジオ−ルおよび鎖伸長剤の水酸基の合計が上
記イソシアネ−ト化合物中のイソシアネ−ト基1.0当
量に対して1.0−1.2当量になるのが好ましい。
1.0以下では未反応のイソシアネ−ト基が残留するた
め、また1.2以上では高分子量の重合物が得られない
ため好ましくない。
【0042】本発明において、上記反応生成物は公知の
方法によって得ることができる。
【0043】たとえば、上記反応によって得られたジオ
−ル末端アクリル化合物、高分子ジオ−ル、鎖伸長剤、
およびジイソシアネ−ト化合物、および必要に応じて有
機重金属類やアミン類などのウレタン化触媒を仕込み、
不活性ガス雰囲気下、50−150℃で反応を行なうこ
とができる。ウレタン化触媒の使用量は500ppm〜
2000ppmが好ましい。
【0044】しかしながら、この値は触媒の種類によっ
て異なることは当然である。
【0045】また、該反応は有機溶媒中で行なうことが
でき、その際使用できる有機溶媒としてはメチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒が好ましく、
またトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ブ
チルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒などを用いること
も可能である。溶媒の使用量は全体を100部とする
と、0〜80部が好ましい。溶媒を使用しないことはも
ちろん可能である。50部を越えると生成する樹脂の粘
度がかなり低いものとなってしまい、好ましくない。
【0046】該反応において用いられるアクリル樹脂分
とウレタン樹脂分の比率は、任意に変更することが可能
であるが、全樹脂中に占めるアクリル分が30%〜80
%になるのが好ましく50〜70%が特に好ましい。
【0047】30%以下ではポリスチレン樹脂成型物へ
の密着性が特に改善されないため、また80%以上では
得られた樹脂が通常のアクリル樹脂の様な固いものとな
り、ベルベット状塗膜を形成した際の風合いで劣るよう
になるため好ましくない。
【0048】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載によって制限
されるものではない。
【0049】なお、以下の実施例において、各成分の配
合量は重量基準で示した。
【0050】下記(1)、(2)に示した手順にしたが
って、片方の末端にのみ少なくとも2個の水酸基を持つ
アクリル樹脂化合物を合成した後、ウレタン化反応を行
なうことによって目的とするアクリルグラフトポリウレ
タン樹脂を得た。
【0051】(1)末端にのみ少なくとも2個の水酸基
を持つアクリル樹脂化合物の合成;温度計、冷却管およ
び撹拌機を有するフラスコ中に、反応溶媒であるトルエ
ンを仕込み、乾燥窒素気流下で100〜110℃まで加
熱した後、メチルメタクリレ−ト、n-ブチルメタクリレ
−ト、ステアリルメタクリレ−ト(STMA),α−チ
オグリセリンおよび重合開始剤としてパ−ブチルOの混
合液を2時間かけて滴下した。
【0052】滴下終了後、反応粗液中の上記原料の濃度
が0.5%以下になるまで加熱を続け、室温まで冷却
し、目的とする片方の末端にのみ少なくとも2個の水酸
基を持つアクリル樹脂化合物を合成した。
【0053】(2)ウレタン化反応 温度計、冷却管および撹拌機を有するフラスコ中に、数
平均分子量2000のポリカプロラクトン、1,3−ブ
チレングリコ−ル、イソホロンジイソシアネ−ト、前述
のアクリル樹脂、および触媒としてジラウリン酸ジブチ
ルスズ、反応溶媒としてトルエン、メチルエチルケトン
(MEK)を仕込み、窒素雰囲気下で100℃まで加熱
した。
【0054】反応粗液中のイソシアネ−ト含量が0.0
5%以下になるまで加熱を続けた後、室温まで冷却し、
目的とするアクリルグラフトポリウレタン樹脂化合物を
得た
【0055】。
【合成例1〜5】表1の組成にしたがい、上記手順
(1)、(2)の通りに目的とするアクリルグラフトポ
リウレタンを合成した。
【0056】 表1 合成例 アクリル樹脂の組成(部) 1 2 3 4 5 MMA 206.6 206.6 206.6 185.9 206.6 n−BMA 293.4 293.4 293.4 264.1 293.4 STMA − − − 50.0 − ATG 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 パ−ブチルオキサイド 10.0 10.0 10.0 11.0 10.0 トルエン 500 500 500 500 500 目的とする樹脂の組成 (部) 上記アクリル樹脂 261.3 174.2 348.4 295.3 611.0 PCL 120.7 159.6 81.7 120.7 128.3 1,3BG 3.1 5.6 0.5 3.1 6.2 IPDI 26.3 34.8 17.8 26.3 − HMDI − − − − 32.5 DBTDL 0.3 0.3 0.3 0.3 0.5 トルエン 238.7 275.8 201.6 204.7 − MEK 350.0 350.0 350.0 350.0 278.0 固形分(%) 30 30 30 30 50 粘度(ガ−ドナ−) A A A A-B N なお、表1において、各略号は以下の通りである。
【0057】MMA:メチルメタクリレ−ト n−BMA:ノルマルブチルメタクリレ−ト STMA:ステアリルメタクリレ−ト ATG:α−チオグリセリン PCL:ポリカプロラクトン 1,3BG:1,3ブチレングリコ−ル IPDI:イソホロンジイソシアネ−ト HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネ−ト DBTDL:ジラウリン酸ジブチルスズ MEK:メチルエチルケトン
【0058】
【応用例】合成例1〜3において得られた樹脂および比
較例として市販の弾性ポリウレタン樹脂2種を用いて各
種物性を測定した。
【0059】サンプルの調整は以下のように行なった。
【0060】MEKによって固形分10%まで希釈し、
スプレ−を用いてAS樹脂板の表面に塗布し、室温で3
0分、60℃で20分乾燥を行なった後、下記(1)の
評価方法で評価を行なった。
【0061】また、得られた樹脂を剥離紙上に膜厚0.
5mmになるように塗布し、室温で30分、60℃で2
0分乾燥を行なった後、下記(2)の評価方法で評価を
行なった。
【0062】評価方法 (1)密着性:塗膜にカッタ−の刃で1mm幅の10×
10個(100個)の碁盤目を刻み、碁盤目の上にセロ
ハン粘着テ−プを貼りつけ、次いでセロハン粘着テ−プ
を粘着面に対して垂直方向に急激にはがし、塗膜の剥離
状態を次の評価基準にしたがって評価した。
【0063】10:切傷の1本ごとが、細くて両端が滑
らかで、切傷の交点と正方形の1目1目にはがれがな
い。
【0064】8:切傷の交点にわずかなはがれがあっ
て、正方形の1目1目にはがれがなく、欠損部の面積は
全正方形面積の5%以下である。
【0065】(2)フィルム強伸度:樹脂フィルムを2
号ダンベルで打抜き、JIS K 7113の方法に準
じてフィルム強伸度を測定した。
【0066】破断強度、100%応力強度については単
位として(kgf/cm 2 ) を、破断伸度については単位とし
て(%)を用いた。評価結果を表2に示す。
【0067】 表2 合成例 比較例 使用した樹脂 1 2 3 1 2 密着性(10) 8 8 10 8 8 破断強度(kgf/cm 2 ) 155.8 87.6 165.4 426.1 80.2 破断伸度(%) 84.1 102.4 941.0 392.5 958.5 100%応力強度(kgf/cm 2 ) − 72.8 45.2 60.6 15.6
【0068】
【発明の効果】本発明のアクリルグラフトポリウレタン
化合物は、アクリル樹脂とポリウレタンを化学的に結合
したものであるので、したが来ウレタン系の樹脂では達
成され得なかったスチレン系樹脂への密着性をもってい
ることに加え、アクリル系樹脂では達成し得ない柔軟な
フィルム物性をも兼ね備えており、ベルベット状塗膜形
成用樹脂組成物として極めて有用である。(以下余白)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に少なくとも2個の水酸基およ
    び少なくとも1個のメルカプト基を持つ化合物に(メ
    タ)アクリル酸エステルを反応させ、次いで高分子ジオ
    ール、鎖伸長剤、およびジイソシアネート化合物と反応
    させて得られることを特徴とするアクリルグラフトポリ
    ウレタン化合物。
  2. 【請求項2】 1分子中に少なくとも2個の水酸基およ
    び少なくとも1個のメルカプト基を持つ化合物に(メ
    タ)アクリル酸エステルを反応させ、次いで高分子ジオ
    ール、鎖伸長剤、およびジイソシアネート化合物と反応
    させて得られることを特徴とするアクリルグラフトポリ
    ウレタン化合物の製造方法。
JP3108071A 1991-02-18 1991-02-18 アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法 Pending JPH06100653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3108071A JPH06100653A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3108071A JPH06100653A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06100653A true JPH06100653A (ja) 1994-04-12

Family

ID=14475147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3108071A Pending JPH06100653A (ja) 1991-02-18 1991-02-18 アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06100653A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064149A (ja) * 2001-08-30 2003-03-05 Dainippon Ink & Chem Inc 水分散性ポリイソシアネート組成物、水性硬化性組成物、水性硬化性組成物を含む水性塗料および水性接着剤
WO2012073562A1 (ja) * 2010-11-30 2012-06-07 Dic株式会社 インクジェット印刷インク用バインダー、それを含むインクジェット印刷用インク及び印刷物
JP2016094513A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 東洋インキScホールディングス株式会社 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ
US20170313911A1 (en) * 2014-11-05 2017-11-02 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Transfer sheet and hard coat body using same
CN108531068A (zh) * 2018-03-22 2018-09-14 深圳市姿彩科技有限公司 低放热厚涂uv立体涂料及其制备方法
WO2022210894A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 大日本印刷株式会社 転写フィルム、ハードコートフィルム、ならびにハードコート成形体およびその製造方法
WO2023054488A1 (ja) 2021-09-28 2023-04-06 大日本印刷株式会社 転写フィルム及び防眩性成形体

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064149A (ja) * 2001-08-30 2003-03-05 Dainippon Ink & Chem Inc 水分散性ポリイソシアネート組成物、水性硬化性組成物、水性硬化性組成物を含む水性塗料および水性接着剤
WO2012073562A1 (ja) * 2010-11-30 2012-06-07 Dic株式会社 インクジェット印刷インク用バインダー、それを含むインクジェット印刷用インク及び印刷物
JP4984196B1 (ja) * 2010-11-30 2012-07-25 Dic株式会社 インクジェット印刷インク用バインダー、それを含むインクジェット印刷用インク及び印刷物
EP2559740A1 (en) * 2010-11-30 2013-02-20 DIC Corporation Binder for inkjet printing ink and inkjet printing ink and printed matter containing same
EP2559740A4 (en) * 2010-11-30 2013-10-30 Dainippon Ink & Chemicals BINDER FOR AN INK JET PRINTER INK AND INK JET PRINTER INK AND PRINTED MATERIAL THEREWITH
US8729154B2 (en) 2010-11-30 2014-05-20 Dic Corporation Binder for inkjet printing ink, inkjet printing ink containing the binder, and printed product
US10792903B2 (en) * 2014-11-05 2020-10-06 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Transfer sheet and hard coat body using same
US20170313911A1 (en) * 2014-11-05 2017-11-02 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Transfer sheet and hard coat body using same
US11529798B2 (en) 2014-11-05 2022-12-20 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Transfer sheet and hard coat body using same
JP2016094513A (ja) * 2014-11-13 2016-05-26 東洋インキScホールディングス株式会社 粘着剤組成物、その製造方法、粘着テープ
CN108531068A (zh) * 2018-03-22 2018-09-14 深圳市姿彩科技有限公司 低放热厚涂uv立体涂料及其制备方法
WO2022210894A1 (ja) 2021-03-31 2022-10-06 大日本印刷株式会社 転写フィルム、ハードコートフィルム、ならびにハードコート成形体およびその製造方法
WO2023054488A1 (ja) 2021-09-28 2023-04-06 大日本印刷株式会社 転写フィルム及び防眩性成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0767185B1 (en) Acrylate copolymer and polymer composition containing the same
KR100203561B1 (ko) 2 성분 수계 가교성 폴리우레탄/아크릴레이트 하이브리드시스템
WO2000077065A1 (fr) Oligomere d'urethanne (meth)acrylate, son procede d'elaboration, et composition photodurcissable
WO2005105857A1 (en) Polyester-polyether hybrid urethane acrylate oligomer for uv curing pressure sensitive adhesives
JP5641321B2 (ja) 無機薄膜付プラスチック用アンダーコート剤、無機薄膜付プラスチック、ならびにインモールド成型またはインサート成型用の加飾フィルム
JP3045333B2 (ja) スルホン化及び非スルホン化チオールヒドロキシ官能ポリウレタン並びにそれらを用いて製造したグラフト共重合体
CN111902450A (zh) 用作具有能基于外部刺激而改变的性质的粘合剂的可固化组合物及其制造方法和用途
JPH06100653A (ja) アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法
JP3191890B2 (ja) ヒドロキシ官能性コポリマーの製造方法
CN105601832B (zh) 聚氨酯改性丙烯酸二级分散体及其制备方法
JP2849240B2 (ja) 防曇組成物用の活性エネルギー線硬化型オリゴマー
JP2003012751A (ja) ウレタンウレア樹脂およびそれを用いた粘着剤
JPH101524A (ja) アクリル・ウレタン共重合体及びその製造方法、並びにそれを含む塗料組成物
WO1994010221A1 (en) Acrylic based powder paint
JP3836210B2 (ja) 乳化重合体水分散液及びその製造方法
JPH0925324A (ja) アクリル・ウレタン共重合体及びその製造方法、並びにそれを用いた一液型塗料組成物及び二液型塗料組成物
JP2612647B2 (ja) カルバメートで修飾したスルホン化し又はスルホン化していない水酸基官能ポリウレタンマクロイニファーター化合物
JP2001192636A (ja) 粘着剤およびそれを用いた粘着剤シート
JPS60233110A (ja) イソシアネ−トペンダントポリマ−の製造法
JPH06184267A (ja) 密着性に優れた光硬化型樹脂組成物
JPH04159318A (ja) アクリルグラフトポリウレタン化合物およびその製造方法
JP2003105258A (ja) 水性塗料用樹脂組成物
JPH06128550A (ja) ポリウレタン系接着剤
JP2553091B2 (ja) ウレタン変性アクリレ−ト樹脂組成物
JP2625762B2 (ja) 可撓性にすぐれた無黄変型ウレタン樹脂塗料組成物