JP5505278B2 - 水濡れ検知可能なホログラムラベル - Google Patents
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Description
図1に本発明のホログラムラベル1である一つの実施形態を示す。剥離シート7上に、接着層6、ホログラム効果層5、ホログラム層4、マット層3、水分発色層2を順に形成した構成のホログラムラベル1で、水濡れ検知可能なものである。
(剥離シート)
剥離シート7は、通常使用される剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、もしくはポリプロピレン樹脂フィルム等をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等により離型処理して得た離型性フィルムが使用される。ホログラムラベルは、剥離シートを剥離し、その剥離されたホログラムラベルの接着層側から対象物である商品上に貼着される。
接着層6は、ホログラムラベルを対象物に貼付するために、必要なもので、各種の接着剤から構成することができる。例えば、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、α−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系等の接着剤等が挙げられる。また、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト性樹脂等を使用してもよい。
本発明のホログラムラベルで使用するホログラム効果層5は、金属薄膜としては、例えば、Cr,Ti,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Au,Ge,A1,Mg,Sb,Pb,Pd,Cd,Bi,Sn,Se,In,Ga,Rb等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは2種類以上組み合わせて、昇華、真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気メッキ等の公知の方法で形成される。この場合のホログラム効果層は、光反射層として機能するが、所定のレリーフ構造を設けたホログラム形成層のレリーフ面へ、ホログラム効果層を設けることにより、レリーフの反射及び/又は回折効果を高めるので、ホログラム形成層の反射率より高く又は低ければ、特に限定されない。
ホログラム層4としては、無色または着色された透明または半透明なもので、単層であっても多層状であってもよく、凹凸を注型や型押しで再現できる熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、あるいは、光回折パターン情報に応じて硬化部と未硬化部とを成形することができる感光性樹脂組成物が利用できる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル(ポリメチルメタクリレート)、ポリスチレン、またはポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、またはトリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂であり、それぞれの単独、熱可塑性樹脂どうし、または熱硬化性樹脂同志の混合、もしくは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合等であってもよい。ラジカル重合性不飽和基を有し、熱成形性を有するものや、ラジカル重合性不飽和モノマーを添加した電離放射線硬化性樹脂組成物も利用できる。電離放射線硬化樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が適用でき、好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂である。
(2)ホログラム層15へは反応性シリコーンを含ませると、塗布表面に集まりスタンパの凹凸からの剥離がよく賦型性が向上して、レリーフ構造を容易に賦型でき、賦型後には電離放射線で硬化すれば反応性シリコーンも硬化する。
(3)ポリエチレンワックスを含ませることで、転写後にはホログラム層が最表面層となるが、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から被転写体に設けられた画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。
本発明のホログラムラベルのマット層3は、少なくとも吸水性粉体とバインダー樹脂を含有する構成である。水分発色層2が水に濡れて、水溶性染料が発色して、該染料が水とともに流れて、滲みやすいが、その流れ出た染料をマット層の吸水性粉体等に、染み込ませることで、滲みが広がらないようにするものである。
本発明のホログラムラベルの水分発色層2は、少なくとも水溶性染料とバインダー樹脂を含有する構成である。水分発色層は、ホログラムラベルの製造時では、含有する染料が出来るだけ、発色が目立たない(生じない)ように作製する。それには、水溶性染料、バインダー樹脂(インキビヒクル)等のインキ成分を三本ロール、ボールミル、攪拌機、サンドミル、分散機などを使用して、分散、混練して、必要に応じて、溶剤を添加し、インキ化すればよい。
本発明におけるホログラムラベルでは、ホログラム層とマット層との間に、透明基材8を設けることができる。その透明基材は、ホログラム層/プライマー層/透明基材/マット層の積層体で、位置づけされる。透明基材としては、シート状、フィルム状あるいは板状の材質からなり、材料としては透明性を有していれば、特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチックを単独あるいは組み合わせて、積層したりして用いることができる。透明基材の厚さは0.005〜5mm程度が適当である。
アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を溶媒に溶解ないし分散させた塗工液により、厚さは0.1〜2μm程度の厚さで、プライマー層9を形成することができる。
上記のホログラムラベルの製造方法について、説明する。
水分発色層/マット層/ホログラム層/ホログラム効果層/接着層/剥離シートの構成のホログラムラベルの場合、剥離シート上に、順に積層することができるが、製品品質の安定性、機能性などが優れている点から、基材上に剥離可能にホログラム層、ホログラム効果層を設けた転写箔を用意し、剥離シートとホログラム効果層が対向するように、接着層により、転写箔とラミネートする。そして、転写箔の基材を剥離し、ホログラム層の上に、マット層を塗工するなどの手段で形成し、さらにマット層上に、水分発色層を印刷などの手段で形成して、ホログラムラベルを製造することができる。
基材として厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基材の一方の面へ、剥離ニス45−3(昭和インク(株)製、アクリル系樹脂の剥離インキ商品名)を用いて、ロールコーティング法で、乾燥後の厚さが1μmになるように塗布、乾燥して、剥離層を形成した。
(ホログラム形成層用塗工液)
光硬化性樹脂 100質量部
(三菱化学(株)製 ユピマーUV LZ065S)
光重合開始剤 5質量部
(チバスペシャルティケミカルズ社製 イルガキュア907)
メチルエチルケトン 300質量部
・<接着層組成物>
商品名ニッセツPE118(日本カーバイド社製、アクリル系粘着剤) 100質量部
メチルエチルケトン 40質量部
酢酸エチル 15質量部
商品名ニッセツCK101(日本カーバイド社製、イソシアネート架橋剤) 2質量部
レンの溶剤90質量%に溶解した水分発色層のインキにより、スクリーン印刷により、厚さ10μmのパターン形状の水分発色層を形成し、ホログラムラベルを作製した。
上記の実施例1で作製したホログラムラベルの場合と同様に、ホログラム層を有する転写箔を用意し、剥離シートとホログラム効果層が対向するように、接着層により、転写箔とラミネートする。そして、転写箔の基材を剥離する。厚さ15μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの透明基材上に、実施例1と同様に、厚さ10μmのマット層を形成し、さらに、そのマット層上に、実施例1と同様に、スクリーン印刷により、厚さ10μmのパターン形状の水分発色層を形成して、部材を用意した。その部材の透明基材と、上記のホログラム層とが対向するように、ポリウレタン樹脂からなる厚さ5μmのプライマー層により、ラミネートして、ホログラムラベルを作製した。
上記の実施例1で作製したホログラムラベルの接着層を下記組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のホログラムラベルを作製した。
・<接着層組成物>
酢酸ビニル共重合体 20質量部
アクリル樹脂 10質量部
マイクロシリカ 30質量部
酢酸エチル 20質量部
トルエン 50質量部
上記の得られた実施例1のホログラムラベルにおいて、マット層と水分発色層を設けない以外は、実施例1と同様にして、比較例1のホログラムラベルを作製した。その得られたホログラムラベルの剥離シートを剥がして、高級腕時計にラベルを貼り付けておいた。その高級腕時計を購入したユーザーが、時計をした状態で、プールで水泳をして、水濡れの状態になり、時計の中に水が混入して、時間表示が狂ってしまった。この時計に貼付してあるホログラムラベルは、水濡れしたことが証明できなかったので、取扱店で無償修理をすることができず、高額な修理費がかかってしまった。また、比較例1のホログラムラベルは、偽造することが比較的簡単にでき、偽装するなどの悪用を防止することができなかった。
2 水分発色層
3 マット層
4 ホログラム層
5 ホログラム効果層
6 接着層
7 剥離シート
8 透明基材
9 プライマー層
Claims (2)
- 剥離シート上に、接着層、ホログラム効果層、ホログラム層、マット層、水分発色層をこの順に積層したホログラムラベルにおいて、前記水分発色層が少なくとも水溶性染料とバインダー樹脂を含有し、前記マット層が少なくとも吸水性粉体とバインダー樹脂を含有することを特徴とする水濡れ検知可能なホログラムラベル。
- 前記のホログラム層とマット層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載する水濡れ検知可能なホログラムラベル。
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