JP2010286768A - 偽造防止体積ホログラム積層体 - Google Patents

偽造防止体積ホログラム積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】体積ホログラム積層体を原版とし、複製用感光材料を密着させて体積ホログラムを複製しようとしても、原版と同じ画像が複製されず、偽造を確実に防止できる偽造防止体積ホログラム積層体の提供。
【解決手段】基材上に体積ホログラム層3と光制御層4とが順に積層された体積ホログラム積層体1であって、前記光制御層4が異なる偏光を示す2以上の領域または異なる屈折率をもつ2以上の領域からなり、前記各領域が透明でパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体1。
【選択図】図1

Description

本発明は、身分証明書、受験票、パスポート、証券等に添付されている写真や情報欄等の被着体の表面にセキュリティー確保を目的として形成される体積ホログラム積層体に関する。
ホログラムはある表面における光波の振幅と位相の両方を記録する技術であり、この技術によって作製されたホログラムは一点から見た映像しかとらえていない通常の写真に比較して、異なる角度から見た立体像を再生することが可能である。更にホログラムは製造技術が高度であり、製造装置も複雑でかつ高価であるために、ホログラム自体の偽造、変造は一般的には困難で、この偽造の困難性を利用し、カード、通帳、証明書、金券、証券等、または種々の商品の包装材料上に、ラベルや転写箔あるいは、紙への抄き込みスレッドの形態でホログラムが偽造防止手段として使用されている。
ホログラムを複製するためには高度の光学設計技術や高価な設備が必要となるが、体積ホログラムを原版として複製用感光材料を密着させ、複製用感光材料側からレーザー光を照射すれば複製が可能である。そのため、例えば体積ホログラム層の少なくとも一方の面に偏光制御層を設けて偽造防止体積ホログラム積層体とすることが提案(特許文献1参照)されているが、この偏光制御層を有する体積ホログラム積層体を上記方法で複製した複製物は全体的に暗い画像となるが、ホログラム画像自体は被複製物と変化はなく、完全には偽造防止ができていないという問題があった。
特開平6−138803号公報
本発明は、体積ホログラム積層体を原版とし、複製用感光材料を密着させて体積ホログラムを複製しようとしても、原版と同じ画像が複製されず、偽造を確実に防止できる偽造防止体積ホログラム積層体を提供するものである。
本発明は観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は、異なる2以上の領域からなり、そのうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示し、前記各領域がパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。また、本発明は観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は偏光制御機能を示さず、異なる屈折率を持つ2以上のパターン領域からなることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。
人間の目は光の振幅を光の強さ、波長を色として知覚することができるが、器具を用いずに光の偏光状態、位相状態をそのまま知覚することはできない。また、多様な偏光状態、多様な位相状態、多様な波長、および多様な方向の光を含んだ自然光に対して、偏光状態を制御したり、位相状態を制御したり、一部の光の方向が変化しても、制御前後の光も多様な光の重ね合わせとなるため、人間の目には強度変化も小さく、変化を知覚することが困難である。そのため、本発明のようなホログラム積層体の構成にすることにより、自然光下では透過型光制御層の存在は人間の目にはわかりづらく、透過型光制御層に邪魔されることなく体積ホログラム層の回折像を観察することができる。一方、本発明の体積ホログラム積層体を原版とし、複製用感光材料を密着させて体積ホログラムを不正に複製する場合にはレーザー光を使用する必要がある。ホログラムを複製するには、入射したレーザー光と、複製しようとするホログラム原版からの回折したレーザー光が干渉することを利用する。通常複製に用いるレーザー光は特定の波長および偏光状態に偏った光を特定の角度から入射して使用するため透過型光制御層による制御を一様に受ける。ここで、透過型光制御層により、偏光状態が変化したり、入射角度が変化したレーザー光は、もとのレーザー光とは干渉しにくいものとなり、複製されたホログラムの回折効率は悪くなり、複製しようとするホログラム原版と比べて暗いものとなる。しかし、もとのホログラムより暗くても、制御された光の変化が場所によって変わらなければ、一様に暗いホログラムとなるだけで、元のホログラムと似たものが複製されてしまう。ここで、本発明では、透過型光制御層は異なる2以上の領域からなり、前記各領域がパターン状に形成されていることから、本発明の体積ホログラム積層体を原版とし、複製用感光材料を密着させて体積ホログラムを複製すると、複製の際に用いられるレーザー光が制御され、透過型光制御層の領域パターンに対応して、レーザー光の干渉性が変わるので、複製用感光材料には体積ホログラムの回折像と共に透過型光制御層の領域パターンに由来するパターン像もホログラムの回折効率が変化した領域として複製される。よってこの複製物を観察すると体積ホログラム像と共に透過型光制御層の領域パターン像もホログラムの明暗が変化した領域として見ることができるので、複製物が偽造品であることを容易に判別することができる。つまりは本発明の体積ホログラム積層体を原版とし、複製用感光材料を密着させて体積ホログラムを複製しようとしても、原版と同じ体積ホログラムを複製することができず、偽造を確実に防止できる。
本発明は観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。
このような構成にすることにより、自然光下では透過型光制御層が人間の目にさらに感知しにくくなり、透過型光制御層の影響を受けることなく体積ホログラム層の回折像を観察できる。また透過型光制御層の存在がわかりづらく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができ、さらに偽造防止性を高めることができる。
本発明は観察する側から順に、体積ホログラム層、透過型光制御層、反射層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は、異なる2以上の領域からなり、そのうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示し、前記各領域がパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。また、本発明は観察する側から順に、体積ホログラム層、透過型光制御層、反射層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は偏光制御機能を示さず、異なる屈折率を持つ2以上のパターン領域からなることを特徴とする体積ホログラム積層体を提供する。
このような構成にすることにより、透過型光制御層がホログラム層の下にあるので透過型光制御層の存在がわかりづらく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができ、さらに偽造防止性を高めることができる。
本発明の体積ホログラム積層体は、当該体積ホログラム積層体を原版とし、その表面に複製用感光材料を配置して、記録波長(再生波長)のレーザー光を複製用感光材料側から照射し、原版における体積ホログラムを複製用感光材料に複製しようとしても、原版と同じ画像が複製されず、偽造を確実に防止できるものである。
本発明による体積ホログラム積層体の第一態様の例を示した図。 本発明による体積ホログラム積層体を複製する様子を示した図。 本発明による体積ホログラム積層体の第二態様の例を示した図。 本発明による体積ホログラム積層体を複製する様子を示した図。
以下、本発明に係る体積ホログラム積層体の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す例は好ましい実施態様であり、本発明が以下に示す例に限定されるものではない。
図1は本発明の偽造防止体積ホログラム積層体の第1態様を示す図であり、図1(b)がその平面図であり、図1(a)は図1(b)のA−A'部分の断面図である。図1(a)に示すように体積ホログラム積層体1は、任意の像が記録された体積ホログラム層3の上面に直線偏光子からなる領域4(a)と偏光制御機能を示さない領域4(b)がパターン状に形成された透過型光制御層4が積層されている。ここで言うパターン状とは図1(b)の平面図から見て5に示すような任意の画像や文字を示す形状を言う。この体積ホログラム積層体1は領域4(a)と領域4(b)の透過率が略等しい場合には、自然光下で観察すると透過型光制御層4のパターンはほとんど視認することができず、体積ホログラムの回折像6のみが観察できる。次に図2に示すように体積ホログラム積層体1の透過型光制御層4上に複製用感光材料7を密着させて感光材料側からレーザー光を照射して複製する場合について説明する。図2では体積ホログラム層3、透過型光制御層4上に、複製用感光材料7が配置されている。複製用感光材料7に照射するレーザ光8の偏光方向が、直線偏光子領域4(a)の偏光方向と異なる角度であれば、レーザー光8は直線偏光子領域4(a)を通過後の偏光方向が変化する。その他の領域4(b)のみを通過したレーザー光8'は、変化することなく体積ホログラム層3に入射する。そうすると体積ホログラム層3からは4(b)領域を通過したレーザー光8'が入射する部分からのホログラム像の回折と、直線偏光子領域4(a)を通過したレーザー光8が入射する部分からのホログラム像の回折とでは、偏光状態に差がでる。さらに回折光も再び透過型光制御層を通るため、領域4(a)、(b)を通過した回折光も偏光状態に差が出た状態で複製用感光材料に到達する。領域4(a)、(b)を通過した回折光と入射光が干渉して複製用感光材料に複製されたホログラムが記録されるが、直線偏光子領域4(a)を通過した光は、もとのレーザー光とは干渉性が悪く、対応した部分のホログラムの回折効率は低いものとなり、暗部となる。つまり、複製用感光材料7には体積ホログラム像6と共に直線偏光子領域4(a)を通過した干渉性の悪い回折光に対応した暗部が記録される。よって本発明のホログラム積層体1を自然光下で観察すると透過型光制御層のパターン像は視認されにくく、体積ホログラム層の回折像を観察する上で邪魔にはならないが、このホログラムを不正に複製した複製物は体積ホログラム層の回折像に加えて透過型光制御層のパターン像も見えるようになり、複製物が偽造品であることを容易に判別でき、本発明のホログラム積層体は偽造防止性の高いものとすることができる。
以下、第1の偽造防止体積ホログラム積層体における層構成について具体的に説明する。
(体積ホログラム層)
体積ホログラム層3は、物体光と参照光との干渉光を干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に体積ホログラムを記録したもので、干渉縞の3次元構造がそのまま記録されたものである。体積ホログラム層を形成するには、体積ホログラム形成用材料層に、直接、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、工業的には後者の方法による。
一般に、ホログラム形成用材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料が挙げられるが、本発明における体積ホログラムとしては、生産の効率上、(1)バインダー樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素からなる感光性材料、(2)カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系からなる感光性材料が挙げられる。 このようなホログラム形成用材料としては特開平5−107999号公報、特開2002−236439号公報に記載された材料を用いることができる。
(1)の感光材料は、特定の波長を有するレーザー光に対して感光するものであり、2光束のレーザー光、例えばアルゴンイオンレーザー(波長476.5nm)、固体レーザー(波長532nm)、クリプトンイオンレーザー(波長647nm)等を使用して干渉縞を記録するか、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラム形成用材料層に体積ホログラムの原版を密着し、体積ホログラム形成材料層側からアルゴンイオンレーザー(波長476.5nm)を入射し、原版からの反射光と入射した光の干渉縞を記録して体積ホログラムの情報を与える。その後、加熱処理、例えば、100℃で10分の加熱により、光重合可能な化合物を拡散移動させる工程、また、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から、0.1〜10,000mJ/cm2、好ましくは、10〜5,000mJ/cm2 の紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程により安定な体積ホログラム層とされる。
(2)の感光材料による記録層は、通常のホログラフィー露光装置によって各種レーザー光等の光(例えば前述の、アルゴンイオンレーザー、固体レーザー、クリプトンイオンレーザーなどの波長300〜1200nmの間の光)を使用し、ラジカル重合性化合物を重合させてその内部に干渉縞が記録される。この段階で、記録された干渉縞による回折光が得られホログラムが形成されるが、未反応のまま残っているカチオン重合性化合物を更に重合させるために、後露光として光カチオン重合開始剤系の感光する光(例えば波長200〜700nm)を全面照射してホログラムを形成するとよい。なお、後露光の前に記録層を熱や赤外線で処理することで回折効率、回折光のピーク波長、半値巾などを変化させることもできる。 本発明においては、上述の(1)、(2)の感光材料を使用する場合にあって体積ホログラムの再生波長は例えば300nm〜1,200nmとできる。
(透過型光制御層)
透過型光制御層は異なる2以上の領域からなり、前記各領域がパターン状に形成されている。そのパターンは、自然光下の観察では人の目には認識しにくく、下のホログラム回折像を観察することができる程度の光透過性があり、透過型光制御層のパターンはホログラム回折像を観察するのに邪魔にならないものである。透過型光制御層の1つめの例は、前記パターン領域のうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示すものである。ここで異なる領域は、上述したように第1の領域を直線偏光子からなる領域とし、第2の領域を偏光制御機能を示さない領域とすることで形成できる。このような構成とするには、例えば直線偏光板を用意し、直線偏光板から第2の領域にあたる領域を除去し、除去した直線偏光板を体積ホログラム上に接着層を介して積層した後、除去部分を埋めるように透明樹脂層を設けることで形成することができる。
また上記異なる2以上の領域は上述する組合わせに限定されるものではなく、異なる偏光制御機能を有する領域がパターン状に形成されていればよい。例えば第1の領域を直線偏光子からなる領域とし、第2の領域を第1の領域とは向きが異なる直線偏光子からなる領域としたり、第1の領域を円偏光子からなる領域とし、第2の領域を偏光制御機能を示さない領域とすることもできる。また第1の領域に複屈折性を有する材料により偏光を制御して例えば楕円偏光等にしてもよく、複製する際に使用するレーザー光の透過量を各領域ごとに制御できるような組合わせであればどのような構成も適用できる。
また上記第1の領域と第2の領域などの異なる領域の透過率を略等しくすることが好ましい。このような構成とすることにより、自然光下で透過型光制御層のパターンが観察されることを確実に防止でき、ホログラム像の観察を阻害することもない。さらに透過型光制御層があることがわかりにくく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができる。このような構成とするには、例えば第1の領域を直線偏光子からなる領域とし、第2の領域を偏光制御機能を示さない透明樹脂層とした場合は、第2の領域の透明樹脂層に染料や顔料を添加して第1の領域と略等しい透過率とすることができる。
また透過型光制御層の2つ目の例としては異なる屈折率を持つ2以上の領域からなり、この領域がパターン状である構成とすることもできる。この場合は、透過型光制御層は偏光制御機能を示さなくて良い。ここで第1の領域と第2の領域を屈折率差があるような組合わせとした場合は、位相も波長も異なる非干渉性の自然光下では、透過型光制御層の屈折率差の制限はほとんど受けず体積ホログラム層の回折像のみを観察することができる。一方体積ホログラム積層体の透過型光制御層上に複製用感光材料を密着させ感光材料側からレーザー光を照射して複製すると、図2の複製用感光材料7に照射するレーザ光8、8‘の入射角が第1の領域4(a)と第2の領域4(b)とを通過して体積ホログラム層3に到達する部分では角度が異なることになる。体積ホログラムの回折像は、入射光の角度依存性が大きいものであり、入射光の角度が異なると、回折像の強度が変化する。つまり、領域パターンに応じて体積ホログラム層3に到達した入射光の入射角が異なると、回折像の明るさが領域パターンに対応して異なる。そうすると複製感光材料には透過型光制御層4のパターンに由来する強度の異なる回折像が形成される。よって透過型光制御層4として屈折率差のある組合わせを用いた場合も、複製品のみにホログラム層の回折像に加えて透過型光制御層4のパターン像も見えるようになり、偽造品であることを容易に判別でき、偽造防止性の高いホログラム積層体とすることができる。
上記のように屈折率の差を調整する方法としては、第1の領域を高い屈折率を持つ微粒子を透明樹脂に分散した領域とし、第2の領域を透明樹脂のみとする方法が挙げられる。本発明に用いることができる高い屈折率を持つ粒子は、粒径は350nm〜5000nm、好ましくは350nm〜1500nmの粒子を用いることができる。微粒子の粒径が5000nmを超えると透明性が低下しホログラムがきれいに見えず、また成膜性に劣るものとなる。粒子の種類としては例えばポリエチレンワックス粒子(屈折率1.52)、MMA粒子(屈折率1.49)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.58)、ポリスチレン粒子(屈折率1.50)、ポリアクリルスチレン粒子(屈折率1.57)等の有機樹脂微粒子が例示される。なお、添加量にもよるがホログラム像に影響を与えない範囲で無機微粒子である高屈折率のTiO2 (屈折率2.3〜2.7)、Y23 (屈折率1.87)、La23 (屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、Al23 (屈折率1.63)、CaCO3 (屈折率1.60)、SiOx(1.5≦x≦2.0、屈折率1.35〜1.48)等、また、低屈折率のLiF(屈折率1.4)、MgF2 (屈折率1.4)、3NaF・AlF3 (屈折率1.4)、AlF3 (屈折率1.4)、Na3 AlF6 (屈折率1.33)、SiOx(1.5≦x≦2.0、屈折率1.35〜1.48)等の無機微粒子を使用することもできる。 また、透明樹脂に微粒子を分散する以外に、無機の薄膜を、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設けてもよい。例えばTiO2、ZnS、ZnO、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなど屈折率の高いものと、LiF、MgF2、AlF3、SiO2などの屈折率の低いものと、種々の無機金属化合物の薄膜等が挙げられる。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が例示できる。またアルミニウム等の一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になると、透明性が出て使用できる。
上記第1の領域と第2の領域の屈折率比は少なくとも1.05以上または0.95以下であり、好ましくは1.05〜1.8、0.75〜0.95の光屈折率比とするとよい。第1の領域と第2の領域の屈折率比が0.95以上〜1.05未満であると回折像の明るさの差が少なく、複製物に透過型光制御層によるパターンがはっきりと記録されず偽造防止性が低くなる。また屈折率比が1.8を超え、また、0.75未満であるとホログラムがきれいに見えない。なお、本発明における屈折率は、JISK7142(プラスチックの屈折率測定方法)に準拠する下記の装置で測定されるものである。
使用装置: 多波長アッべ屈折率計DR−2M(アタゴ社製)
また透過型光制御層の層全体の平均屈折率と、体積ホログラム層の層全体の平均屈折率との屈折率比を1.08以下とすることが好ましい。このような構成とすると、体積ホログラム層と透過型光制御層の屈折率差が小さいので、透過型光制御層が自然光におけるホログラム像の観察を阻害することもなく、明るいホログラム像を得ることができる。また自然光下では透過型光制御層があることがわかりにくく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができ、偽造防止性を向上させることができる。透過型光制御層の層全体の平均屈折率nrは各領域の表面について任意の10箇所の屈折率を測定して各領域の屈折率nr1およびnrxを求め、次に各領域の層全体に対する各領域の面積比sr1およびsr2を求め、式(2)のように各領域の屈折率と面積比の積を足し合わせることによって算出する。また体積ホログラム層の層全体の平均屈折率は体積ホログラム層表面について任意の10箇所の屈折率を測定し、その平均を求めることで算出する。
式(2) nr1・sr1+nrx・srx (x=2,3…)
また透過型光制御層が異なる屈折率を持つ2以上の領域からなる場合も上記第1の領域と第の2領域の透過率を略等しくすることが好ましい。このような構成とすることにより、自然光下で透過型光制御層のパターンが観察されることを確実に防止でき、ホログラム像の観察を阻害することもない。さらに透過型光制御層があることがわかりにくく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができる。
体積ホログラム積層体には、積層体を支持する基材が適宜適用されて良い。基材は、体積ホログラム積層体の透過型光制御層側にあってもよく、体積ホログラム層の側にあってもよく、また、透過型光制御層と体積ホログラム層の間にあっても良い。基材は、体積ホログラム層を支持できるものであればどのようなものを使用してもよい。例えばポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリイミドフイルム等が例示される。膜厚は2μm〜200μm、好ましくは5μm〜50μmである。 また、基材は偽造防止性を付与したい通帳、証明書、証券、カード、その他商品等でもよく、その場合、偽造防止用紙などの紙、プラスチックカード、金属、ガラス、布など特に制限がなく、多種多様なものが適用可能である。このような偽造防止性を付与したい基材上に、体積ホログラム積層体は、ラベル、転写箔、紙抄き込みのスレッドの形態で設けられ、その際には適当な粘着層や、熱接着層などが基材と体積ホログラム積層体の間に存在する。
次に第2の偽造防止体積ホログラム積層体における層構成について具体的に説明する。図3は本発明の偽造防止体積ホログラム積層体の第2態様を示す図であり、図3(b)がその平面図であり、図3(a)は図1(b)のA−A'部分の断面図である。図3(a)に示すように体積ホログラム積層体2は、反射層10と直線偏光子からなる領域4(a)と偏光制御機能を示さない領域4(b)がパターン状に形成された透過型光制御層4上に体積ホログラム層3が設けられた構成である。ここで言うパターン状とは図1(b)の平面図から見て5に示すような任意の画像や文字を示す形状を表している。図3には記載されていないが、反射層10と透過型光制御層4と体積ホログラム層3がこの順に形成されていればよく、間にその他の機能を持つ層を介しても構わない。この体積ホログラム積層体2は自然光下で観察すると、自然光が体積ホログラム層3で回折し、観察者は像を見ることができる。ここで、光は体積ホログラム層を透過し、透過型光制御層4を通過して、反射層10で反射され、再び透過型光制御層4、体積ホログラム層3を通って観察者の目に入る。ここで領域4(a)と領域4(b)の透過率が略等しい場合には、自然光下で観察すると透過型光制御層4のパターンは視認されにくく、体積ホログラムの回折像6を観察する上での邪魔にはならない。一方体積ホログラム積層体2の体積ホログラム層3上に複製用感光材料7を密着させて感光材料7側からレーザー光8を照射して複製する場合を図4に示す。複製用感光材料7側から照射したレーザ光8、8‘は体積ホログラム層3に入射され、体積ホログラム層3で像が回折される。ここでレーザー光の偏光方向が、直線偏光領域子からなる領域4(a)の偏光方向と異なる角度であれば、レーザー光8’は直線偏光子領域4(a)を通過後の偏光方向が変化する。その他の領域4(b)のみを通過したレーザー光8は変化することなく反射層で反射され、再び透過型光制御層4、体積ホログラム層3で回折されて複製用感光材料7に到達する。そうする4(b)領域を通過した光と、直線偏光子からなる領域4(a)を通過した光とでは、偏光状態に差が出る。領域4(a)、(b)を通過した回折光と、入射光が干渉して複製用感光材料に複製されたホログラムが記録されるが、直線偏光子領域4(a)を通過した光は、もとのレーザー光とは干渉性が悪く、対応した部分のホログラムの回折効率は低いものとなり、暗部となる。つまり、複製用感光材料には体積ホログラム像6と共に直線偏光子からなる領域4(a)を通過した干渉性の悪い回折光に対応した暗部が記録される。よって本発明のホログラム積層体2を自然光下で観察すると透過型光制御層のパターン像は視認されにくく、体積ホログラム層3の回折像が観察できるが、このホログラムを不正に複製した複製物は体積ホログラム層3の回折像に加えて透過型光制御層4のパターン像も見えるようになり、偽造品であることを容易に判別でき、偽造防止性の高いホログラム積層体とすることができる。また透過型光制御層4がホログラム層3の下にあるので透過型光制御層4の存在がわかりづらく、透過型光制御層4を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができ、さらに偽造防止性を高めることができる。
以下、第2の偽造防止体積ホログラム積層体における層構成について具体的に説明する。
(体積ホログラム層)
体積ホログラム層は、物体光と参照光との干渉光を干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に体積ホログラムを記録したもので、干渉縞の3次元構造がそのまま記録されたものである。体積ホログラム層を形成するには、体積ホログラム形成用材料層に、直接、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、工業的には後者の方法による。具体的な材料は上述する第1の態様と同じであるので説明を省略する。
(透過型光制御層)
透過型光制御層は異なる2以上の領域からなり、前記各領域がパターン状に形成されている。そのパターンは、自然光下の観察では人の目には認識しにくく、透過型光制御層のパターンはホログラム回折像を観察するのに邪魔にならないものである。下の反射層にまで光を透過する程度の光透過性がある。透過型光制御層の1つめの例は、前記パターン領域のうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示すものである。ここで異なる領域は、上述したように第1の領域を直線偏光する領域とし、第2の領域を直線偏光しない領域とすることで形成できる。また第1態様と同様に透過型光制御層の領域の組合わせとして直線偏光子に限らず、円偏光子や屈折率差を用いても構わない。また、透過型光制御層の2つめの例としては、異なる屈折率を持つ2以上の領域からなり、この領域がパターン状である構成とすることもできる。この場合は、透過型光制御層は偏光制御機能を示さなくて良い。この場合は、第1の態様と同様の理由により、領域4(a)と4(b)を通過した回折光とでは、角度が異なる。このために、領域により干渉性が異なり、複製される体積ホログラムの明るさが透過型光制御層の各領域に対応して異なることとなる。第1の領域と第2の領域を屈折率差があるような組み合わせとした場合も、第1態様と同様に透明樹脂に微粒子を分散させたもの、無機の薄膜等が利用できる。第2の態様では観察する側から、体積ホログラム層と、透過型光制御層と、反射層がこの順に形成されている必要があり、このような構成により透過型光制御層の存在がわかりづらく、透過型光制御層を取り除いて偽造するなどの手段を防止することができ、さらに偽造防止性を高めることができる。その他の具体的な構成については上述する第1態様と同じであるので詳細な説明は省略する。
(反射層)
反射層は体積ホログラム層を透過し、透過型光制御層を通過した光を反射する機能を有するものであればどのようなものを使用してもよく、Alをはじめとする種々の無機金属の薄膜が好適に用いられる。無機薄膜のその他の例としては、TiO2、ZnS、ZnO、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上混合したもの等が例示できる。無機の薄膜は、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設ければよい。また、染料や顔料などの色材を混入させた樹脂層であってもよい。その樹脂層が粘着性や熱接着性を備えていてもよい。染料や顔料を混入させた樹脂層は、公知の印刷法、例えばスクリーン印刷やグラビア印刷法で印刷すればよい。
体積ホログラム積層体には、積層体を支持する基材が適宜適用されて良い。基材は、体積ホログラム積層体の反射層側にあってもよく、体積ホログラム層の側にあってもよく、また、体積ホログラム層と透過型光制御層と反射層のどの層の間にあってもよい。具体的な構成については上述する第1態様と同じであるので詳細な説明は省略する。
1.実施例1
(1)体積ホログラム層形成工程
基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラ
ー50T60;東レ(株)製)を用い、上記基材上に以下の組成を有する体積ホログラム層形成用塗工液を、アプリケータを使用して、乾燥膜厚10μmとなるように直接塗工して体積ホログラム層を形成した。
(体積ホログラム層形成用塗工液)
・ポリ酢酸ビニル 35重量部
(デンカサクノールSN−08H:重合度800;電気化学工業(株)製)
・1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル 25重量部
(デナコールEX−212;ナガセケムテックス(株)製)
・ジフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート 35重量部
(BPEFA;大阪ガスケミカル(株)製)
・ジアリールヨードニウム塩 4重量部
(PI2074;ローディア製)
・2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン
1重量部
・メチルイソブチルケトン 100重量部
・1−ブタノール 100重量部
次に、上記体積ホログラム層上にホログラム原版をラミネートし、基材側から532n
mレーザー光を80mJ/cm2入射して、体積型ホログラムを記録し、記録後ホログラム原版を剥離した。
次に、紫外線を全面に照射することにより体積ホログラム層を固定し、体積ホログラム
積層体を得た。体積ホログラム層の屈折率は1.52であった。
(2)透過型光制御層形成工程
次に直線偏光フィルム(OPLフィルム30μm、日本合成化学(株)製)をパターン状に加工し、上記体積ホログラム層に接着層を介して積層して直線偏光子からなる領域を形成した。 この直線偏光子からなる領域の可視光透過率は約78パーセントであった。
次いで上記直線偏光子からなる領域上および体積ホログラム層上にペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)と黒色染料(カヤセットブラックK−R;日本化薬(株)製)が溶媒に溶解された塗工液をアプリケータにて膜厚が30μmとなるように塗布・乾燥して偏光制御機能のない領域を形成した。このとき、可視光透過率が約78パーセントになるよう黒色染料の量を調整した。この偏光制御機能のない領域の屈折率は1.51であった。上記直線偏光子からなると偏光制御機能のない領域を合わせて透過型光制御層とし、上記2つの領域の面積比率は直線偏光子からなる領域:偏光制御機能のない領域=9:1であった。このように作成した積層体を実施例1の偽造防止体積ホログラムとした。
2.実施例2
(1)体積ホログラム層形成工程
実施例1と同様に厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)上に体積ホログラム層を形成し、体積ホログラムを撮影した後、紫外線を照射して体積ホログラム層を形成した。
(2)透過型光制御層形成工程
次に上記体積ホログラム層上に以下の高屈折率領域形成用塗工液をバーコータにてパターン状に膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥し、得られた塗膜にUV照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて1000mJ/cm2 (365nm換算)の照射量で硬化させ、高屈折領域を形成した。この高屈折領域の光屈折率は1.61であった。
(高屈折領域形成用塗工液)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)
・・・ 3.7重量部
・酸化チタン(HT0210、粒径1.7μm、屈折率2.50、東邦チタニウ
ム(株)製) ・・・ 0.4重量部
・分散剤(ディスパービック163;ビックケミー・ジャパン(株)製)
・・・0.05重量部
・光開始剤(イルガキュア−184;日本チバガイギー(株)製)
・・・ 0.2重量部
・メチルイソブチルケトン ・・・ 37重量部
次いで高屈折領域上および体積ホログラム層上にペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)が溶媒に溶解された低屈折領域形成用塗工液をバーコータにて膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥して低屈折領域を形成した。この低屈折領域の屈折率は1.51であった。上記高屈折領域と低屈折領域を合わせて透過型光制御層とし、上記高屈折領域と低屈折領域の面積比率は高屈折領域:低屈折領域=9:1であり、この平均屈折率を算出すると1.52であった。このように作成した積層体を実施例2の偽造防止体積ホログラムとした。
3.実施例3
高屈折領域を以下の高屈折領域形成用溶工液を用いて形成した以外は実施例2と同様にして実施例3の偽造防止体積ホログラムを得た。なお高屈折領域の屈折率は1.68であり、低屈折領域の屈折率は1.51であった。上記高屈折領域と低屈折領域を合わせて透過型光制御層とし、上記高屈折領域と低屈折領域の面積比率は高屈折領域:低屈折領域=9:1であり、この平均屈折率を算出すると1.53であった。このように作成した積層体を実施例3の偽造防止体積ホログラムとした。
(高屈折領域形成用塗工液)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)
・・・ 3.4重量部
・酸化チタン(HT0210、粒径1.7μm、屈折率2.50、東邦チタニウ
ム(株)製) ・・・ 0.7重量部
・分散剤(ディスパービック163;ビックケミー・ジャパン(株)製)
・・・0.05重量部
・光開始剤(イルガキュア−184;日本チバガイギー(株)製)
・・・ 0.2重量部
・メチルイソブチルケトン ・・・ 37重量部
4.実施例4
(1)体積ホログラム層形成工程
基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラ
ー50T60;東レ(株)製)を用い、上記基材上に実施例1と同様の体積ホログラム層形成用塗工液を、アプリケータを使用して、乾燥膜厚10μmとなるように直接塗工して体積ホログラム層を形成した。
次に、上記体積ホログラム層上にホログラム原版をラミネートし、原版側から532nmレーザー光を80mJ/cm2入射して、体積ホログラムを記録した。記録後、ホログラム原版を剥離し、厚み50μmのPETフィルムを上記体積ホログラム層上にラミネートした。
次に、紫外線を全面に照射することにより体積ホログラム層を固定し、体積ホログラム
積層体を得た。体積ホログラム層の屈折率は1.52であった。
(2)(透過型光制御層)/(反射層)積層体の形成工程
次に厚み50μmのアルミ蒸着フィルム(反射層)上に実施例2と同様の高屈折率領域形成用塗工液をバーコータにてパターン状に膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥し、得られた塗膜にUV照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)製)のHバルブを光源に用いて1000mJ/cm2 (365nm換算)の照射量で硬化させ、高屈折領域を形成した。この高屈折領域の光屈折率は1.61であった。
次いで高屈折領域上および体積ホログラム層上にペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)が溶媒に溶解された低屈折領域形成用塗工液をバーコータにて膜厚が2μmとなるように塗布・乾燥して低屈折領域を形成した。この低屈折領域の屈折率は1.51であった。
作成した(透過型光制御層)/(反射層)積層体の透過型光制御層上に体積ホログラム積層体の体積ホログラム側を接着層を介して貼り合わせ、貼り合わせ面と反対側のPETフィルムを剥離して実施例4の偽造防止体積ホログラムを得た。上記高屈折領域と低屈折領域を合わせて透過型光制御層とし、上記高屈折領域と低屈折領域の面積比率は高屈折領域:低屈折領域=9:1であり、この平均屈折率を算出すると1.51であった。
5.実施例5
(1)体積ホログラム層形成工程
実施例1と同様に厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)上に体積ホログラム層を形成し、体積ホログラムを撮影した後、紫外線を照射して体積ホログラム層を形成した。
2)透過型光制御層形成工程
次に直線偏光フィルム(OPLフィルム30μm、日本合成化学(株)製)をパターン状に加工し、上記体積ホログラム層に接着層を介して積層して直線偏光子からなる領域を形成した。 この直線偏光子からなる領域の可視光透過率は約78パーセントであった。
次いで上記直線偏光子からなる領域上および体積ホログラム層上にペンタエリスリトールトリアクリレート(PET30;日本化薬(株)製)と黒色染料(カヤセットブラックK−R;日本化薬(株)製)が溶媒に溶解された塗工液をアプリケータにて膜厚が30μmとなるように塗布・乾燥して偏光制御機能のない領域を形成した。このとき、可視光透過率が約78パーセントになるよう黒色染料の量を調整した。この偏光制御機能のない領域の屈折率は1.51であった。上記直線偏光子からなると偏光制御機能のない領域を合わせて透過型光制御層とし、上記2つの領域の面積比率は直線偏光子からなる領域:偏光制御機能のない領域=9:1であった。
3)反射層形成工程
次いで以下の反射層形成用塗工液をグラビアコーターで乾燥膜厚20μm塗布・乾燥し、反射層を形成した。この反射層は粘着層を兼ねているため、体積ホログラム積層体はラベルの形態となる。この体積ホログラム積層体を基材となるカートン紙の上に貼り付けた。
(反射層形成用塗工液)
・アクリル系粘着剤(ニッセツPE−118;日本カーバイト工業(株)製))
・・・100重量部
・イソシアネート系架橋剤(ニッセツCK−101;日本カーバイト工業(株)製)
・・・2重量部
・黒色染料(カヤセットブラックK−R;日本化薬(株)製) ・・・5重量部
・溶剤(メチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチル=2/1/1(重量比)
・・・55重量部
7.比較例1
実施例1と同様に厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ルミラー50T60;東レ(株)製)上に体積ホログラム層を形成し、体積ホログラムを撮影した後、紫外線を照射して体積ホログラム層を形成した。このように作成した透過型光制御層を有さない積層体を比較例1の体積ホログラム積層体とした。
8.ホログラム記録特性評価
実施例および比較例において得られた体積ホログラム積層体を自然光下で目視観察し、ホログラムの見え方を評価した。
(評価基準)○問題なく観察できる。 ×像が暗く観察に支障がある。
また実施例および比較例において得られた体積ホログラム積層体の観察面側に複製用感光材料シートを密着させ、複製用感光材料シート側から532nmレーザー光を入射角度50°、80mJ/cm2で入射して、複製用感光材料シートに体積型ホログラムを記録した。記録後、実施例および比較例のホログラム積層体を剥離し、厚み50μmのPETフィルムを複製用感光材料シート上にラミネートし、複製物を得た。この得られた複製物を目視観察し、ホログラムの見え方を評価した。
(評価基準)○透過型光制御層由来のパターンが見え、複製物であることが判別できる。
×透過型光制御層由来のパターンが見えず、複製物であることが判別できな
い。
Figure 2010286768
r1:透過型光制御層の第1領域の屈折率 nr2:透過型光制御層の第2領域の屈折率
r1:透過型光制御層の第1領域の層全体に対する面積比 sr2:透過型光制御層の第2領域の層全体に対する面積比
1 第1態様の体積ホログラム積層体
2 第2態様の体積ホログラム積層体
3 体積ホログラム層
4 透過型光制御層
4(a) 第1の領域
4(b) 第2の領域
5 透過型光制御層に由来するパターン
6 体積ホログラム像
7 複製用感光材料
8 複製用レーザ光
8’透過型光制御層の第2の領域に入射するレーザ光

Claims (4)

  1. 観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は、異なる2以上の領域からなり、そのうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示し、前記各領域がパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体。
  2. 観察する側から順に、透過型光制御層と、体積ホログラム層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は偏光制御機能を示さず、異なる屈折率を持つ2以上のパターン領域からなることを特徴とする体積ホログラム積層体。
  3. 観察する側から順に、体積ホログラム層、透過型光制御層、反射層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は、異なる2以上の領域からなり、そのうち少なくとも1つの領域が偏光制御機能を示し、前記各領域がパターン状に形成されていることを特徴とする体積ホログラム積層体。
  4. 観察する側から順に、体積ホログラム層、透過型光制御層、反射層からなる体積ホログラム積層体であって、前記透過型光制御層は偏光制御機能を示さず、異なる屈折率を持つ2以上のパターン領域からなることを特徴とする体積ホログラム積層体。

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