JP6455076B2 - ホログラム積層体および情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、ホログラム層を有するホログラム積層体、およびそれを用いた情報記録媒体に関する。
商品券、証券、株券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカード等の磁気カードやICカード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等の情報記録媒体では、高い偽造防止機能やセキュリティ機能が要求される。
これらの機能を向上させるために、上記情報記録媒体では、ホログラム層を表面に設け、上記ホログラム層により表示されるホログラム再生像を利用した真正性の識別が図られている。
ホログラム再生像は、ホログラム層に記録された干渉縞の記録時における参照光に相当する光を照射することで、上記干渉縞による光の回折が生じて再生されるものであり、ホログラム再生像の表示が可能な再生角度の範囲および視認可能な領域(以下、視域とする。)が限られる。すなわち、ホログラム層を観察する角度がホログラム再生像の視域内であれば、高輝度で表示されるホログラム再生像を視認することができるが、視域外ではホログラム再生像は表示されないため視認することができない。
また、情報記録媒体では、通常、個人IDやロット番号等の、情報記録媒体ごとに異なる識別情報(以下、可変情報とする。)が表面に付されており、上記可変情報により情報記録媒体の識別や管理がなされる。これらの可変情報は、高いセキュリティ性が要求されることから、偽造防止を図るために、ホログラム層と重なる位置に可変情報を付し、ホログラム再生像および可変情報を同時にまたは別々に表示させることで、情報記録媒体の真正性を識別する検討がなされている。
このような情報記録媒体の態様としては、例えば、ホログラム層内に可変情報が記録された態様がある。特許文献1では、ホログラム再生像に対応する干渉縞と可変情報の記録パターンとが異なる再生波長で記録されたホログラム層が開示されている。また、特許文献2〜3では、可変情報がホログラム層の前面あるいは後面に再生されるように重畳記録されたホログラム記録フィルムが開示されており、上記ホログラム記録フィルムは、ホログラム感光材料に上記干渉縞を記録する際に、同時に可変情報も記録して形成される。
しかし、ホログラム層内に可変情報を付す場合、可変情報を変更するたびに、可変情報の記録とホログラム再生像に対応する干渉縞の記録とを同時に行い、ホログラム層を形成しなければならない。このため、ホログラム再生像を変えずに可変情報のみを変更したい場合、情報記録媒体を簡便かつ連続して製造することができないという問題がある。
特開平7−134536号公報 特開2001−217684号公報 特開2005−49675号公報 特開平5−278380号公報 特開2007−304377号公報
一方、可変情報をホログラム層に記録せず、ホログラム層以外の層に記録した情報記録媒体についても検討がされている。例えば、特許文献4では、ホログラム層の下に、赤外光吸収インキにより形成された印刷記録層が設けられおり、ホログラム層と印刷記録層とで情報を表示させるための波長光の種類が異なる多重情報記録体が開示されている。
また、特許文献5では、積層構造を有し、干渉縞が記録されたホログラム記録層以外の層表面を、レーザー光を用いて物理的または化学的に改質させることで、可変情報がマーキングされたホログラムラベルが開示されている。上記ホログラムラベルでは、表面改質部分と非改質部分とのコントラストを利用して、可変情報の表示を可能としている。
これらの情報記録媒体は、可変情報の記録とホログラム再生像に対応する干渉縞の記録とを同時に行う必要がなく、可変情報を容易に付すことができることから、簡便かつ連続して生産することが可能である。
しかし、このような情報記録媒体では、ホログラム再生像と可変情報とをそれぞれ表示させるために再生光の波長域を選択照射する必要がある場合があり、各情報の表示による真正性の識別を容易に行うことができないといった問題がある。
また、レーザー光を用い、可変情報を層表面の改質によるコントラストを利用して表示させる場合、一般的にレーザー光が層表面を炭化させ黒くなるため、ホログラム層へ入射する光や干渉縞により生じた回折光の波長が、表面の改質により可変情報が付された層を透過する際に変化してしまい、ホログラム再生像の視域内であっても、ホログラム再生像が表示されにくくなるといった問題がある。
このため、ホログラム層と重なる位置に可変情報を付す場合、可変情報およびホログラム再生像の各情報を明瞭に識別可能とすることが求められる。また、可変情報およびホログラム再生像の表示態様を変化させることで、さらなるセキュリティ性の向上が期待される。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ホログラム再生像および上記ホログラム再生像と重複位置にある他の情報のそれぞれの表示態様を、観察角度に応じて変化させることが可能なホログラム積層体、およびそれを用いた情報記録媒体を提供することを主目的とする。
本発明は、基材と、上記基材の一方の面上に形成されたホログラム層と、上記ホログラム層上の少なくとも一部に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層とを有することを特徴とするホログラム積層体を提供する。
本発明によれば、ホログラム層上の少なくとも一部にパターン状の半透明光散乱樹脂層を有することで、ホログラム再生像の視域内で観察すると、ホログラム層の半透明光散乱樹脂層と重ならない領域(以下、非重複領域とする。)では、高輝度なホログラム再生像を視認することができ、ホログラム層の半透明光散乱樹脂層と重なる領域(以下、重複領域とする。)では、ホログラム再生像よりも低輝度で表示される半透明光散乱樹脂層のパターンによる情報(以下、パターン情報とする場合がある。)を視認することができる。一方、ホログラム再生像の視域外で観察すると、上記非重複領域ではホログラム再生像は表示されず暗領域となるが、上記重複領域では、ホログラム層で生じた回折光が半透明光散乱樹脂層内で散乱されることで、散乱光により上記非重複領域よりも高輝度に表示される半透明光散乱樹脂層のパターン情報を視認することができる。
このように本発明のホログラム積層体は、観察角度に応じて、ホログラム再生像および半透明光散乱樹脂層のパターン情報の表示態様を変化させて観察者に視認させることができることから、より高いセキュリティ性を発揮することができる。
上記発明においては、上記半透明光散乱樹脂層のパターンにより表示される情報が、文字情報であることが好ましい。ホログラム積層体ごとに半透明光散乱樹脂層のパターンを変えて文字情報を付することで、上記文字情報の有する文字、数値、および記号の羅列から、個々のホログラム積層体にそれぞれ付与された情報の識別が可能となるからである。また、上記文字情報は、上記羅列によりホログラム積層体ごとの情報の識別を行うことから高いセキュリティ性が要求されるところ、このような文字情報は偽造されやすいことから、半透明光散乱樹脂層のパターンにより文字情報を表示することで、本発明による偽造防止効果がより発揮されやすくなるからである。
上記発明においては、上記ホログラム層と上記半透明光散乱樹脂層との間に保護層を有することが好ましい。ホログラム層を保護することができるからである。
本発明は、基材と、上記基材の一方の面上に形成されたホログラム層と、上記ホログラム層上の少なくとも一部に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層と、上記基材の上記ホログラム層が形成された面と同一面上に形成された印刷層とを有することを特徴とする情報記録媒体を提供する。
本発明によれば、ホログラム層上の少なくとも一部にパターン状の半透明光散乱樹脂層を有することで、上述したホログラム積層体と同様の効果を奏することができるため、セキュリティ性の高い情報記録媒体とすることができる。
本発明のホログラム積層体は、ホログラム再生像および半透明光散乱樹脂層のパターン情報の表示態様を、観察角度に応じて変化させることが可能であり、高いセキュリティ性を発揮できるという作用効果を奏する。
本発明のホログラム積層体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のホログラム積層体の表示態様の一例を説明する説明図である。 重複領域および非重複領域での光の進行を説明する説明図である。 本発明のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラム積層体の他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の情報記録媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。
以下、本発明のホログラム積層体および情報記録媒体について説明する。
A.ホログラム積層体
本発明のホログラム積層体は、基材と、上記基材の一方の面上に形成されたホログラム層と、上記ホログラム層上の少なくとも一部に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層とを有することを特徴とするものである。
本発明のホログラム積層体について、図を参照して説明する。図1(a)は、本発明のホログラム積層体の一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X線断面図である。本発明のホログラム積層体10は、基材1、基材1の一方の面上に形成されたホログラム層2、およびホログラム層2上に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層3を有する。
図2(a)〜(c)は、本発明のホログラム積層体の表示態様の一例を説明する説明図である。図2(a)は、図2(b)および(c)のX−X線断面図に相当する。なお、図2は、ホログラム層が、反射型ホログラム層である例を示すものである。
図2(a)において、光Lが照射されたホログラム積層体10に対し、観察者がホログラム再生像の視域内である観察角度Aから観察すると、図2(b)で示すように、ホログラム層2上にホログラム再生像Hが高輝度で表示されるため、観察者はホログラム再生像Hを視認することができる。このとき、ホログラム層2とパターン状の半透明光散乱樹脂層3とが重なる重複領域では、ホログラム再生像Hよりも低輝度で表示される半透明光散乱樹脂層3のパターン情報Pを視認することができる。
一方、図2(a)において、観察者がホログラム再生像の視域外である観察角度Bからホログラム積層体10を観察すると、図2(c)で示すように、非重複領域ではホログラム層2上にホログラム再生像Hが表示されないが、重複領域では非重複領域よりも高輝度で表示された半透明光散乱樹脂層3のパターン情報Pを視認することができる。
なお、図2は、ホログラム層が反射型である例を示したが、ホログラム層が透過型である場合は、ホログラム積層体10の基材1側から光Lを入射させることで、観察者は、図2(a)中の観察角度AおよびBにおいて、図2(b)および(c)で例示した表示態様を認識することができる。
本発明によれば、ホログラム層上の少なくとも一部にパターン状の半透明光散乱樹脂層を有することで、ホログラム再生像の視域内から観察すると、ホログラム層の非重複領域では高輝度なホログラム再生像を視認することができ、重複領域では、ホログラム再生像よりも低輝度で表示される半透明光散乱樹脂層のパターン情報を視認することができる。一方、ホログラム再生像の視域外で観察すると、上記非重複領域ではホログラム再生像は表示されず暗領域となるが、上記重複領域では、ホログラム層で生じた回折光が半透明光散乱樹脂層内で散乱されることで、散乱光により上記非重複領域よりも高輝度に表示される半透明光散乱樹脂層のパターン情報を視認することができる。
このように観察角度に応じて、ホログラム再生像および半透明光散乱樹脂層のパターン情報の表示態様を変化させて観察者に視認させることができることから、本発明のホログラム積層体は、より高いセキュリティ性を発揮することができる。
ホログラム再生像および半透明光散乱樹脂層のパターン情報の表示態様が変化する理由について、図を用いて更に詳細に説明する。図3は、重複領域および非重複領域での光の進行を説明する説明図であり、重複領域および非重複領域の断面図に相当する。なお、図3は、観察位置C(観察角度C)は固定してホログラム層に対する光源の位置を変えることで、ホログラム再生像の再生角度の範囲および視域を変化させており、図3(a)は観察位置がホログラム再生像の視域内である場合、図3(b)は再生光の入射角度が設計角度から外れている場合を例示している。また、図3は、ホログラム層が反射型ホログラム層であり、半透明光散乱樹脂層は複数のパターンのうちの1つを図示するものとする。
図3(a)で示すように、観察位置Cがホログラム再生像の視域内となる位置から、ホログラム記録時の参照光に相当する光L1をホログラム層2に照射すると、非重複領域Qでは、ホログラム層2に記録された干渉縞により光が回折され、回折光が反射光L1aとして所定の再生角度で出射されるため、視域内でホログラム再生像が高輝度で表示される。一方、重複領域Rでは、半透明光散乱樹脂層3に入射した光L1およびホログラム層2において生じた回折光(反射光)は、半透明光散乱樹脂層3内で散乱され、散乱光L1bとなって出射されてしまう。このため、重複領域R内では、非重複領域Q内のホログラム再生像よりも視域は広がるが、散乱光L1bの一部しか再生角度で出射されないため、重複領域R内のホログラム再生像の表示輝度が低くなる。
次に、図3(b)で示すように、再生光の入射角度が設計角度から外れる光L2をホログラム層2に照射すると、ホログラム層2の非重複領域Qでは、所定の再生角度で出射される回折光(反射光)L2aが殆どなく、ホログラム再生像は表示されない。しかし、重複領域Rでは、半透明光散乱樹脂層3に入射した光L2およびホログラム層2において生じた回折光(反射光)が、半透明光散乱樹脂層3内で散乱され、散乱光L2bとして出射される。このため、重複領域Rでは、散乱光L2bにより表示されるホログラム再生像の視域が広がるため、本来、ホログラム再生像が視認できない位置であっても、重複領域R内のホログラム再生像を視認することができる。また、重複領域R内のホログラム再生像は、散乱光L2bにより非重複領域Q内のホログラム再生像よりも表示輝度が高くなる。
このように、ホログラム層の半透明光散乱樹脂層を有する領域と有さない領域とでは、表示されるホログラム再生像が異なる輝度や視域を示すこととなり、観察方向に応じてホログラム再生像の見え方を変化させることが可能となる。
本発明は、ホログラム層および半透明光散乱樹脂層による上述の特長を利用することで、観察角度に応じてホログラム再生像と半透明光散乱樹脂層によるパターン情報との輝度差を生じさせ、表示態様を変化させることを可能としたのである。
すなわち、半透明光散乱樹脂層のパターン情報は、重複領域内のホログラム再生像の色や輝度が反映されて表示されることから、図3(a)においては、上記パターン情報は非重複領域内のホログラム再生像よりも低輝度で表示されることとなる。つまり、明るいホログラム再生像の中に暗いパターン情報が表示された像を視認できる。一方、図3(b)においては、上記パターン情報は非重複領域よりも高輝度で表示されることとなる。つまり、ホログラム層の暗表示の中に明るいパターン情報が表示された像を視認できるのである。
本発明のホログラム積層体は、上述した特長に加えて、改ざんや偽装がしにくく、従来品よりも偽造しにくいものとすることができるという特長を有する。これは、本発明のホログラム積層体が、観察角度に応じた重複領域および非重複領域での表示態様の変化を利用して真正性の識別が図られることから、本発明のホログラム積層体を改ざん、偽装しようとする場合、半透明光散乱樹脂層とホログラム層との両方について改ざん、偽装しなければならないためである。
さらに、本発明のホログラム積層体は、ホログラム層上に半透明光散乱樹脂層を後付けで形成することが可能であることから、製造に際し、ホログラム層は変えずに、ホログラム積層体ごとに半透明光散乱樹脂層のパターンを変更すればよい。これにより、ホログラム再生像とパターン情報との組合せによる多種多彩なホログラム積層体を容易に且つ連続して製造することができるといった製造上の特長も有する。
以下、本発明のホログラム積層体の各構成について説明する。
1.半透明光散乱樹脂層
本発明における半透明光散乱樹脂層は、上記ホログラム層上の少なくとも一部に形成されたパターン状の層である。
半透明光散乱樹脂層は、入射した光を適度に散乱させる「光散乱機能」と、半透明光散乱樹脂層側から入射した光をホログラム層まで透過させる、もしくホログラム層側から入射した光を透過する「透光機能」との両方の機能を発揮可能な半透明性を有する。
ここで、半透明光散乱樹脂層が上述の光散乱機能を発揮するためには、半透明光散乱樹脂層のヘイズ値が、20〜100の範囲内であることが好ましく、中でも40〜95の範囲内であることが好ましい。半透明光散乱樹脂層のヘイズ値が上記範囲よりも大きいと、ホログラム再生像の視認ができない場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、パターン情報の認識が困難になる場合があるからである。
なお、ヘイズ値は、JIS K7136に準拠して測定される値である。
また、半透明光散乱樹脂層が上述の透光機能を発揮するためには、半透明光散乱樹脂層の光透過率が、50%〜100%の範囲内であることが好ましく、中でも70%〜90%の範囲内であることが好ましい。半透明光散乱樹脂層の光透過率が上記範囲よりも小さいと、ホログラム再生像の視認ができない場合があり、上記範囲よりも大きいとパターン情報の認識が困難になる場合があるからである。
なお、半透明光散乱樹脂層の光透過率は、JIS K7361に準拠して測定される全光線透過率の値である。
半透明光散乱樹脂層は、上述の光散乱機能および透光機能を有するものであればよく、具体的には、光散乱粒子およびバインダ樹脂を含む第1態様と、樹脂により形成され、表面が所望の表面粗さを有する第2態様とを挙げることができる。
以下、本発明における半透明光散乱樹脂層について、態様ごとに説明する。
(a)第1態様
本態様の半透明光散乱樹脂層は、光散乱粒子およびバインダ樹脂を含むものである。本態様の半透明光散乱樹脂層は、光散乱粒子とバインダ樹脂との屈折率差に応じて、光散乱機能を発揮することができる。
(i)光散乱粒子
光散乱粒子としては、後述するバインダ樹脂と異なる屈折率を有するものであればよく、例えば樹脂ビーズ、金属粒子等が挙げられる。
樹脂ビーズを構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂ナイロン系樹脂等が挙げられる。
また、金属粒子としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、ITO、酸化シリコーン等が挙げられる。
これらは、1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、光散乱粒子の屈折率については、選択する樹脂に応じて適宜設定することができる。
光散乱粒子の平均粒径としては、光散乱機能を発揮できる大きさであればよく、例えば0.3μm〜5.0μmの範囲内、中でも0.3μm〜4.0μmの範囲内、特に0.3μm〜3.0μmの範囲内が好ましい。光散乱粒子の平均粒径が上記範囲より小さいと、十分な光散乱効果が得られず、重複領域内で表示されるホログラム再生像の視域拡大に寄与しなくなる場合がある。一方、光散乱粒子の平均粒径が上記範囲より大きいと、光散乱効果が強すぎて明るさやコントラスト比に不具合が生じる場合や、半透明光散乱樹脂層を形成する際に、層内に均一に分散されない場合がある。
なお、光散乱粒子の平均粒径は、一般的なレーザー回折・散乱法や沈降法、動的光散乱法などにより測定される値である。
光散乱粒子は、透明であっても良く、不透明であってもよく、使用されるバインダ樹脂の透明性、および所望量の光散乱粒子を添加したときの半透明光散乱樹脂層の光透過率により、適宜決定される。
半透明光散乱樹脂層中の光散乱粒子の含有量としては、所望の光散乱効果を奏することが可能な量であればよく、例えば半透明光散乱樹脂層100質量%中に1質量%〜80質量%の範囲内、中でも3質量%〜66質量%の範囲内が好ましい。半透明光散乱樹脂層中の光散乱粒子の含有量が上記範囲よりも多いと、半透明光散乱樹脂層を積層する層との密着性が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、光の散乱効果が十分に得られない場合があるからである。
(ii)バインダ樹脂
バインダ樹脂としては、所望の光透過性を有するものであることが好ましく、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等から選択することができる。
具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエーテル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、屈折率等を考慮して1種の単独で、または、2種以上の混合物として使用することができる。
なお、バインダ樹脂の屈折率については、選択する樹脂や、添加される光散乱粒子の種類に応じて適宜設定することができる。
バインダ樹脂は通常、透明性を有する。バインダ樹脂の光透過率については特に限定されず、使用される光散乱粒子の透明性や、所望量の光散乱粒子を添加したときの半透明光散乱樹脂層の光透過率に応じて、適宜決定される。
半透明光散乱樹脂層中のバインダ樹脂の含有量としては、半透明光散乱樹脂層を形成することができれば特に限定されないが、例えば半透明光散乱樹脂層100質量%中に10質量%〜99質量%の範囲内、中でも30質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。半透明光散乱樹脂層中のバインダ樹脂の含有量が上記範囲よりも多いと、散乱効果が十分に得られない場合があり、一方、上記範囲よりも小さいと、半透明光散乱樹脂層を積層する層との密着性が低下する場合があるからである。
本態様の半透明光散乱樹脂層は、上述の光散乱粒子およびバインダ樹脂の他に、濡れ性調整のための界面活性剤等の任意の材料を含んでいても良い。
(b)第2態様
本態様の半透明光散乱樹脂層は、樹脂により形成され、表面が所望の表面粗さを有する。
本態様の半透明光散乱樹脂層を構成する樹脂としては、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはポリメチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン等が例示される。
また、硬化樹脂を形成する硬化前の樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂を挙げることができる。なお、紫外線硬化性樹脂は、光重合開始剤および増感剤を含有することを除いて、前者の電子線硬化性樹脂と成分的には同様である。
電離放射線硬化性樹脂としては、一般的には皮膜形成成分としてその構造中にラジカル重合性の活性基を有するモノマー、オリゴマー、またはポリマーを主成分とするものが挙げられる。モノマーとしては(メタ)アクリル酸エステル等の誘導体等が挙げられ、また、オリゴマー、ポリマーとしてはウレタンアクリレートやポリエステルアクリレート等が例示される。
紫外線硬化性樹脂としては、上述のラジカル重合性の活性基を有するモノマー等に、光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類等を添加し、また光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を添加した組成物が挙げられる。
なお、電離放射線硬化性樹脂の硬化方法としては、特に限定されず、樹脂の種類や照射するエネルギー源に応じて適宜選択することができる。
例えば、電離放射線硬化性樹脂を電子線照射により硬化させる場合であれば、コックロフトワルトン型等の電子線加速機を使用し、電子線のエネルギー強度を50KeV〜1000KeVの範囲内、好ましくは100KeV〜300KeVの範囲内とし、吸収線量を0.1Mrad〜100Mradの範囲内、好ましくは1Mrad〜10Mradとして電子線を照射することにより硬化させることができる。
また、電離放射線硬化性樹脂を紫外線照射により硬化させる場合であれば、超高圧水銀灯等の光源から発せられる紫外線の照射エネルギーを0.1J/cm〜10000mJ/cmの範囲内、好ましくは10J/cm〜1000J/cmの範囲内として照射することにより硬化させることができる。
本態様の半透明光散乱樹脂層の表面粗さとしては、所望の光散乱効果を奏することが可能な大きさであればよく、ヘイズ値が上述した範囲内となる表面粗さに適宜設定することができる。
本態様の半透明光散乱樹脂層は、上述の樹脂の他に、「(a)第1態様」の項で挙げた任意材料を含んでいても良い。
(c)その他
半透明光散乱樹脂層は、上述したヘイズ値および光透過率を示すものであればよく、無色であってもよく、有色であってもよい。半透明光散乱樹脂層が有色である場合に含有される着色剤としては、一般に印刷層に使用される顔料、染料等を用いることができる。
半透明光散乱樹脂層は、ホログラム層上の所望の位置にパターン状に形成されるものである。半透明光散乱樹脂層のパターンとしては、所望の情報を表示可能なパターンであれば特に限定されない。上記半透明光散乱樹脂層のパターンとしては、ライン、ドット、文字、数字、図形、記号、絵柄等が挙げられる。
上記半透明光散乱樹脂層のパターンにより表示される情報としては、本発明のホログラム積層体の用途等に応じて適宜設定することができる。例えば、個々のホログラム積層体に共通した情報として付される固定情報であってもよく、ホログラム積層体ごとに情報が変化する可変情報等が挙げられる。
可変情報としては、セキュリティ性が高く、ホログラム積層体ごとに識別機能を発揮することが可能な情報であればよく、例えば複数個選択された文字、数値および記号が規則的にまたは不規則な順で羅列してなる文字情報、所有者の顔情報、バーコード、QRコード(登録商標)情報等が挙げられる。なお、文字情報としては、具体的には、個人ID、シリアルナンバー、ロット番号、製造日、製品名称、氏名や住所等の個人情報等が挙げられる。
中でも、上記半透明光散乱樹脂層のパターンにより表示される情報が、文字情報であることが好ましい。ホログラム積層体ごとに、ホログラム層は変えずに、半透明光散乱樹脂層のパターンを変えて、文字、数値、および記号の羅列からなる文字情報を付することで、上記文字情報の有する羅列から、個々のホログラム積層体にそれぞれ付与された情報の識別が可能となるからである。
また、文字情報は、上記羅列によりホログラム積層体が有する情報の識別を行うことから、高いセキュリティ性が要求されるところ、このような文字情報は偽造されやすい。このため、半透明光散乱樹脂層によるパターンにより文字情報を表示することで、本発明による偽造防止効果がより発揮されやすくなるからである。
さらに、本発明においては、半透明光散乱樹脂層は、後付けでホログラム層上に付すことができる。このため、複数のホログラム積層体をインラインで連続して形成する際に、ホログラム層は変えずに、ホログラム積層体ごとに、文字、数値、および記号の羅列を変化させた文字情報が連番となるようにして、または上記文字情報が連番とならないようにして、半透明光散乱樹脂層を連続して形成することができるといった製造上の特長を有する。
半透明光散乱樹脂層の膜厚としては、所望のヘイズ値を示すことが可能な大きさであればよく、ヘイズ値に応じて適宜設定することができる。
半透明光散乱樹脂層は、ホログラム層上の少なくとも一部にパターン状に形成されていればよく、ホログラム層の表面全域にわたりパターン状に形成されていてもよい。
本発明において、半透明光散乱樹脂層が「ホログラム層上」に形成されるとは、上記半透明光散乱樹脂層が、ホログラム層の表面に直に形成される態様の他、任意の層を介してホログラム層上に形成される態様も含む。例えば、ホログラム層の表面に保護層が形成されている場合は、半透明光散乱樹脂層は保護層上に設けられ、上記保護層を介してホログラム層上に位置する。
なお、保護層については、後述するため、ここでの説明は省略する。
半透明光散乱樹脂層の形成方法としては、ホログラム層上の所望の位置にパターン状に形成可能な方法であれば特に限定されず、半透明光散乱樹脂層の態様に応じて適宜選択することができる。具体的には、半透明光散乱樹脂層が形成された熱転写リボンを用い、サーマルヘッドにより加熱加圧してパターン状に転写する感熱転写方式、上述した材料を含む半透明光散乱樹脂層用組成物をインクジェット印刷、スクリーン印刷等によりパターン状に印刷する印刷方式、ドットインパクト方式やレーザー照射によるトナー転写方式等により形成することができる。
また、半透明光散乱樹脂層が第2態様である場合は、例えば上述の各種方法によりパターン状の半透明光散乱樹脂層を形成した後、表面処理を行い表面粗度を調整する。表面処理の方法としては、特に限定されず、例えば、UVオゾン処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理等が挙げられる。
2.ホログラム層
本発明におけるホログラム層は、基材の一方の面上に形成された層である。本発明におけるホログラム層は、表面の少なくとも一部に上述した半透明光散乱樹脂層を有する。
ホログラム層は、干渉縞が記録されたものであればよく、反射型であってもよく、透過型であってもよい。
また、本発明においては、干渉縞の記録形態に応じた各種ホログラム層を用いることができる。具体的には、レリーフ型ホログラム層、体積型ホログラム層等が挙げられる。
(a)体積型ホログラム層
体積型ホログラム層としては、一般的な体積型ホログラム層に用いられる材料からなる層であれば特に限定されず、例えば硬化樹脂層、熱可塑性樹脂層、感光層が挙げられる。
体積型ホログラム層に用いられる材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂、フォトレジスト等の感光材料、無機材料からなるフォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等の感光材料等、公知の材料が挙げることできる。中でも、バインダ樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する感光材料や、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有する感光材料を好適に用いることができる。上述の感光材料に含まれる組成の具体的な材料については、例えば、特開2013−068960号公報等に記載されている材料と同様とすることができる。
なお、体積型ホログラム層は、上述の材料の他に、一般に体積型ホログラム層に添加可能な任意の材料を含んでいても良い。
(b)レリーフ型ホログラム層
レリーフ型ホログラム層としては、干渉縞に相当する凹凸構造(レリーフ構造)を表面に有するものあればよく、公知のものを用いることができる。
レリーフ型ホログラム層としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を硬化させた硬化樹脂層、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラス等の感光材料からなる感光層等が挙げられる。
硬化樹脂層の材料である熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂、ならびに熱可塑性樹脂等の詳細については、例えば、特開2014−126799号公報等に記載されるホログラム層の樹脂材料と同様とすることができる。
なお、レリーフ型ホログラム層は、上述の材料の他に、一般にレリーフ型ホログラム層に添加可能な任意の材料を含んでいても良い。
レリーフ構造の形状等については、所望のホログラム再生像の発現が可能な形状であればよく、一般的なレリーフ型ホログラム層のレリーフ構造と同様に適宜決定することができる。
レリーフ型ホログラム層は、通常、レリーフ構造が形成された面に反射層が設けられる。レリーフ構造と反射層との作用効果により特異な光学的な意匠性を有するからである。反射層については、後述する「4.任意の部材」の項で説明する。
また、レリーフ型ホログラム層は、レリーフ構造が形成された面と対向する面側が光源側となる様に配置される。
(c)その他
ホログラム層により表示されるホログラム再生像としては、特に限定されず、記録される干渉縞の間隔、角度等により適宜設計することができる。例えば文字、図形、絵柄等の情報が挙げられる。
また、ホログラム再生像は、特定の情報を表示するものでなく、ホログラム層の全面で回折光の輝度が均一となる表示であってもよい。なお、このような回折光輝度が均一なホログラム再生像を「全面ホログラム」と称する場合があり、図2は、ホログラム再生像Hが全面ホログラムである例を示すものである。
本発明においては、中でもホログラム層において表示されるホログラム再生像は、回折光の輝度が均一であることが好ましい。ホログラム再生像が半透明光散乱樹脂層の下地色として機能することができ、視域外から観察した際に半透明光散乱樹脂層のパターン情報を、ホログラム再生像の表示色および輝度を利用して表示させることが可能となるからである。なお、回折光の輝度が均一であるホログラム再生像を表示するホログラム層とは、一定角度で等間隔の干渉縞が記録されたホログラム層をいう。
ホログラム層は、透明であってもよく、半透明や不透明であってもよく、ホログラム層の種類や、基材の透光性の有無に応じて適宜選択することができる。
ホログラム層を透過型とする場合は、ホログラム層は透明性を有する。一方、ホログラム層を反射型とする場合、ホログラム層の透明性は問わない。例えば反射型のレリーフ型ホログラム層であれば、通常、屈折率を変調させるためにホログラム層のレリーフ面に追従して形成される不透明のアルミ蒸着層や、透明の酸化チタンや硫化亜鉛等の蒸着層が、反射層として機能することから、上記反射型のレリーフ型ホログラム層の透明性を適宜選択することができる。また、体積型ホログラムであれば、通常、反射層を有しないので透明であるが、不透明としても構わない。
ホログラム層は、基板の一方の面の全域に形成されていてもよく一部に形成されていてもよい。
また、ホログラム層は、基板の一方の面上の所望の位置にパターン状で形成されていてもよく、基板の一方の面上の所望の位置に所望の平面視外形を有し、上記平面視外形内の全面を被覆するようにして形成されていてもよい。
ホログラム層の膜厚としては、その種類によって適宜設定することができる。
ホログラム層の形成方法としては、体積型、レリーフ型等の干渉縞の記録形態に応じて、従来公知の方法により形成することが可能である。
また、干渉縞を記録する際に、ホログラム層を構成する材料層の一方の面から物体光を入射させ、対向面から参照光を入射させて干渉縞を記録することで、反射型ホログラム層の形成が可能である。一方、ホログラム層を構成する材料層の一方の面から、参照光および回折光の両方の光を入射させて干渉縞を記録することで、透過型ホログラム層の形成が可能である。
3.基材
本発明における基材は、上述したホログラム層および上記ホログラム層上に有する半透明光散乱樹脂層を支持するものである。
上記基材は透明で透光性を有していてもよく、不透明で遮光性を有していてもよく、ホログラム層の種類や透光性に応じて適宜選択することができる。
例えばホログラム層が反射型であり且つ透光性を有する場合は、基材は、通常、遮光性を有するものとし、ホログラム層が透過型である場合は、基材は、通常、透光性を有するものとする。
基材の材質としては、本発明のホログラム積層体の用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムや樹脂シート、グラシン紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙の紙類が挙げられる。
基材の厚さとしては、本発明のホログラム積層体の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、例えば2μm〜200μmの範囲内、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
上記基材は、プライマー処理等の表面処理が成されていてもよい。
4.任意の部材
本発明のホログラム積層体は、必要に応じて他の任意の部材を有していてもよい。以下、本発明のホログラム積層体に想定される任意の部材について説明する。
(1)反射層
本発明のホログラム積層体において、ホログラム層がレリーフ型ホログラム層である場合、レリーフ構造面上には、反射層を有することが好ましい。レリーフ型ホログラム層のレリーフ構造面上に反射層を有することで、レリーフ構造の反射および回折効率を高めることができ、高輝度なホログラム再生像を発現できるからである。
反射層は透明であってもよく、不透明であってもよいが、ホログラム層が透過型である場合は、反射層は透明反射層であることが好ましい。また、透明反射層は、透明なレリーフ型ホログラム層との併用により、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率が上記ホログラム層の屈折率とは異なることで、金属光沢が無いにも関わらず、ホログラム再生像の光輝性を視認可能となる。
具体的な反射層については、例えば特開2013−014081号公報、特開2014−092646号公報等に記載される金属反射層や、透明金属反射層、透明樹脂反射層等を用いることができる。また、反射層は粘着性や熱接着性を備えていてもよい。
(2)保護層
本発明のホログラム積層体においては、上記ホログラム層と上記半透明光散乱樹脂層との間に保護層を有することが好ましい。ホログラム層を保護することができるからである。
なお、図4は、ホログラム層2と半透明光散乱樹脂層3との間に保護層4を有する本発明のホログラム積層体の概略断面図であり、説明しない符号については、図1等と同様とする。
保護層としては、フィルム基材を積層してもよいし、樹脂を積層してもよい。
保護層に用いるフィルム基材としては、特に限定されないが、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ弗化エチレン系フィルム、ポリ弗化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が例示される。
また保護層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等のうちの一種類または二種類以上を混合したもの、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙がられる。
保護層の厚さとしては、ホログラム再生像の視認性を阻害しない程度の透明性を示すことが可能な厚さであればよく、例えば、0.1μm〜100μmの範囲内、中でも0.5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
保護層は、ホログラム再生像の表示を阻害しない程度の透明性を有することが好ましい。保護層の光透過率については、厳密な数値で規定されず、本発明のホログラム積層体の用途等に応じて適宜決定することができる。また、透明とは、無色透明および視認性を妨げない程度の有色透明を含む。
保護層のヘイズ値は低いことが好ましい。保護層のヘイズ値が高いと、ホログラム再生像の表示を阻害する場合があり、また、半透明光散乱樹脂層とのヘイズ値差が無いと、輝度変化による半透明光散乱樹脂層のパターン情報の視認が困難になる場合があるからである。なお、保護層の具体的なヘイズ値としては、0.5〜15程度が好ましい。
保護層は、ホログラム層と半透明光散乱樹脂層との間に有するが、中でも、ホログラム層の半透明光散乱樹脂層が形成される面の全域に保護層が形成されることが好ましい。
(3)可変情報部
本発明のホログラム積層体においては、基板上に、半透明光散乱樹脂層によるパターン情報と異なる情報が付された可変情報部を有していていもよい。中でも、図5(a)、(b)で示すように、基板1上のホログラム層2の一部と重なる位置に可変情報部5を有することが好ましい。
可変情報部を上述の位置に有することで、可変情報部を偽造しようとする際にホログラム層にも破損等が生じることから、可変情報部とホログラム層との両方の偽造が必要となり、高い偽造防止効果が得られるからである。
なお、図5(a)は、本発明のホログラム積層体の他の例を示す概略平面図であり、図5(b)は図5(a)のY−Y線断面図である。図5において説明しない符号については、図1等と同様とする。
可変情報部により表示される可変情報としては、「1.半透明光散乱樹脂層」の項で説明した可変情報等が挙げられる。なお、可変情報部により表示される可変情報は、半透明光散乱樹脂層により表示されるパターン情報とは異なる表示態様となる。すなわち、可変情報部は、ホログラム層の一部と重なる位置に形成される場合であっても、ホログラム層の輝度変化による可変情報の表示変化は通常起こらない。
可変情報部は、イエロー(Y)色、シアン(C)色、およびマゼンダ(M)色、ならびにこれらの調合色からなる印刷用インキにより印刷されたものであってもよく、銀塩写真等で印刷されたものであってもよい。
可変情報部を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、有機顔料や無機顔料等の顔料および染料等を含む印刷用インキを用い、任意の印刷法を用いて基材上に印刷する方法、フィルム基材上に上記印刷用インキを塗布して可変情報部転写層を形成した転写リボンを準備し、基材に上記転写リボンの可変情報部転写層を当てて、サーマルヘッドを用いて加熱加圧することにより、基材上に可変情報部を転写形成する方法等が挙げられる。
(4)印刷層
本発明のホログラム積層体においては、基材上に印刷層を有していていもよい。印刷層により、本発明のホログラム積層体に異なる情報を付与することができるからである。
印刷層を構成する材料としては、一般的な印刷用インキを用いることができる。印刷用インキとしては、顔料や染料等の着色剤およびバインダ樹脂を含むものが挙げられる。
上記印刷層は、ホログラム層によるホログラム再生像、半透明光散乱樹脂層によるパターン情報、および可変情報部により表示される情報とは異なる印刷情報を有することが好ましい。例えば、文字、記号、マーク、イラスト、キャラクター等の絵柄、会社名、商品名、セールスポイント、キャッチコピー等の文字情報といった、個々のホログラム積層体に共通した情報として付される固定情報を挙げることができる。
印刷層は、通常、基材のホログラム層が形成された面と同一面上に形成される。ここで、「基材のホログラム層が形成された面と同一面上」とは、ホログラム層が形成された基材表面上であれば、何れの位置であってもよい。すなわち、印刷層が、基材表面のホログラム層と重ならない位置に直に形成されていてもよく、ホログラム層の下、すなわち、ホログラム層と基材との間に形成されていてもよい。また、印刷層がホログラム層上に直接、または保護層等を介して形成され、基材表面に直に形成されていなくてもよい。印刷層は、その一部または全部がホログラム層と重なっていてもよい。
なお、印刷層は、基材のホログラム層が形成された面以外の面に形成されていてもよい。
印刷層の形成方法については、特に限定されず、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、昇華転写印刷、溶融転写印刷等の一般的な印刷法を用いることができる。また、転写法により形成してもよい。
(5)その他の部材
その他の部材としては、例えば、帯電防止層、接着層または粘着剤層、離型層、磁気記録層、ICチップ、光学記録層等が挙げられ、用途に応じて各層を適時積層することができる。
5.その他
本発明のホログラム積層体は、ホログラム層において回折した光の進行方向から観察することで、観察角度に応じた表示変化を視認することが可能となる。つまり、ホログラム積層体におけるホログラム層の種類および光源の位置に応じて、観察方向を適宜決定することができる。
例えば、本発明のホログラム積層体において、ホログラム層が反射型である場合、半透明光散乱樹脂層側表面から入射した光がホログラム層において回折され、回折光が反射光として半透明光散乱樹脂層側表面から出射されるため、観察方向としては、本発明のホログラム積層体の半透明光散乱樹脂層側表面側から観察することが好ましい。
一方、本発明のホログラム積層体において、ホログラム層が透過型である場合、基材側表面から入射した光がホログラム層において回折され、回折光が透過光として半透明光散乱樹脂層側表面から出射されるため、観察方向としては、本発明のホログラム積層体の半透明光散乱樹脂層側表面側から観察することが好ましい。
6.製造方法
本発明のホログラム積層体の製造方法としては、基材の一方の面上にホログラム層を形成することができ、且つ上記ホログラム層上の少なくとも一部にパターン状の半透明光散乱樹脂層を形成可能な方法であれば特に限定されない。
例えば、基材上に既知の方法でホログラム層を形成し、上記ホログラム層上の所望の位置に、各種印刷方法を用いて半透明光散乱樹脂層用組成物を印刷し、半透明光散乱樹脂層を形成することで、本発明のホログラム積層体を製造することができる。
半透明光散乱樹脂層用組成物を印刷する方法としては特に限定されず、「1.半透明光散乱樹脂層」の項で説明した方法を用いることができる。
また、他の製造方法としては、ホログラム層上に半透明光散乱樹脂層を転写法により転写形成することにより製造することができる。具体的には、基材の一方の面上にホログラム層を形成する準備工程と、フィルム基材上に半透明光散乱樹脂層を形成して転写リボンとする転写リボン形成工程と、上記ホログラム層上に上記転写リボンを配置し、パターン状に加熱加圧してパターン状の半透明光散乱樹脂層を形成する転写工程と、を経ることで、本発明のホログラム積層体を製造することができる。
転写リボンの形成方法については特に限定されないが、フィルム基材上に上述した半透明光散乱樹脂層の材料を含む半透明光散乱樹脂層用組成物を塗布し、乾燥することで形成することができる。
また、本発明のホログラム積層体の製造方法として、半透明光散乱樹脂層およびホログラム層を、それぞれ転写法により形成してもよく、さらに、本発明のホログラム積層体が可変情報部を有する場合は、半透明光散乱樹脂層、ホログラム層および可変情報部を、それぞれ転写法により形成してもよい。
例えば、可変情報部形成用インクが配置された第1転写リボン、ホログラム層が形成された第2転写リボン、および半透明光散乱樹脂層が形成された第3転写リボンを用いて、基材上に可変情報部、ホログラム層および半透明光散乱樹脂層をこの順で熱転写により形成する方法を用いることができる。上記方法によれば、同じ転写装置を用いて、可変情報部、ホログラム層および半透明光散乱樹脂層をインラインで連続して形成することができ、本発明のホログラム積層体の製造を簡便に行うことができる。
上記方法について、具体的には、第1フィルム基材上にイエロー(Y)色、シアン(C)色、およびマゼンダ(M)色の3色のインク層が配置された第1転写リボンを形成する第1転写リボン形成工程、第2フィルム基材上にホログラム層が形成された第2転写リボンを形成する第2転写リボン形成工程、第3フィルム基材上に半透明光散乱樹脂層が形成された第3転写リボンを形成する第3転写フィルム形成工程、基材上に上記第1転写リボンを配置し、加熱加圧することで可変情報部を形成する可変情報部形成工程、上記基材上の上記可変情報部の一部と重なる位置に上記第2転写リボンを配置し、ホログラム層を熱転写するホログラム層転写工程、上記基材上の上記ホログラム層と重なる位置に上記第3転写リボンを配置し、パターン状に加熱加圧することで、パターン状の上記半透明光散乱樹脂層を形成する半透明光散乱樹脂層工程、を経ることで、本発明のホログラム積層体を製造することができる。
なお、第1転写リボンは、一般的なインクリボンの製造方法と同様の方法で形成することができる、また、第2転写リボンは、一般的なホログラム転写箔の製造方法と同様の方法で形成することができる。
7.用途
本発明のホログラム積層体の用途としては、偽造防止等の高いセキュリティ性が要求される部材に用いることができる。中でも、ホログラム積層体ごとに異なる情報(可変情報)の付与が望まれる部材、例えば、情報記録媒体に好適に用いられる。情報記録媒体としては、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等が挙げられる。
B.情報記録媒体
本発明の情報記録媒体は、基材と、上記基材の一方の面上に形成されたホログラム層と、上記ホログラム層上の少なくとも一部に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層と、上記基材の上記ホログラム層が形成された面と同一面上に形成された印刷層とを有することを特徴とするものである。
本発明の情報記録媒体について、図を参照して説明する。図6(a)は、本発明の情報記録媒体の一例を示す概略平面図であり、図6(b)は図6(a)のZ−Z線断面図である。本発明の情報記録媒体20は、基材1、基材1の一方の面上に形成されたホログラム層2、およびホログラム層2上に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層3を有し、基材1のホログラム層2が形成された面と同一面上には印刷層11が形成されている。
本発明によれば、ホログラム層上の少なくとも一部にパターン状の半透明光散乱樹脂層を有することで、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した効果と同じ効果を奏することができる。すなわち、本発明の情報記録媒体は、観察角度に応じて、ホログラム再生像および半透明光散乱樹脂層のパターン情報の表示態様を変化させて視認させることができるため、高いセキュリティ性を示すことができる。
本発明の情報記録媒体における基材、ホログラム層、半透明光散乱樹脂層、および印刷層については、「A.ホログラム積層体」で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明の情報記録媒体は、任意の部材を有していても良い。任意の部材については、「A.ホログラム積層体」で説明した任意の部材と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の情報記録媒体は、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[参考例]
下記組成を有する光散乱樹脂層用インキ(以下、インキとする。)を調製し、上記インキをスクリーン印刷によりPETフィルム(厚さ25μm)上に塗布膜を適宜調整しながら印刷塗布し、光散乱樹脂層1〜7(参考例1〜7)を形成した。
表1に、光散乱樹脂層1〜7のヘイズ値および全光線透過率を示す。なお、ヘイズ値および全光線透過率は、HAZEMETER HM-150(村上色彩技術研究所)を用い、JIS−K7136およびJIS−K7361に準拠する方法で測定した。
得られた光散乱樹脂層のうち、ヘイズ値が20〜100の範囲内であり、且つ、光透過率が50%〜100%の範囲内にあるものを「半透明」とし、ヘイズ値が上記範囲を満たさないものを「透明」とした。
<光散乱樹脂層用インキの組成>
・ポリビニルブチラール(Tg=72℃、Mn60000) … 100(重量比)
・シリカ粒子(サイリシア310、平均粒径3μm) … 100(重量比)
・溶剤(トルエン/イソプロピルアルコール=1/1) … 50(重量比)
[実施例]
以下の手順でホログラム積層体を作製した。
入射光角度45°、再生光角度0°(垂直方向)の反射型であり、全面輝度が均一なホログラム再生像を表示可能なレリーフ型ホログラムおよび体積型ホログラムをそれぞれ作製した。
各ホログラム層を、アクリル系粘着剤層を介して基材上にそれぞれ貼合し、さらに各ホログラム層上に、保護層としてPETフィルム(厚さ25μm)を設けてラベルの形態とした。ラベルの層構成は、基材/アクリル系粘着剤層/反射型ホログラム層(レリーフ型または体積型)/保護層(PETフィルム)とした。
得られたラベルのPETフィルム側表面に、上述の参考例1〜7と同じ条件でインキをパターン印刷して、パターン状の光散乱樹脂層を形成し、ホログラム積層体を得た。
[評価]
得られたホログラム積層体について、角度を変えて観察することで、光散乱樹脂層が設けられていない領域(非重複領域)で表示されるホログラム再生像と光散乱樹脂層を介して表示されるホログラム再生像との輝度変化が感じられ、光散乱樹脂層によるパターン情報を認識できるか目視判別した。輝度変化が感じられて光散乱樹脂層によるパターン情報の視認が可能であったものを○、輝度変化が感じられず光散乱樹脂層によるパターン情報の視認ができなかったものを×とした。
結果を表1に示す。
表1に示すように、光散乱樹脂層が所望のヘイズ値および全光線透過率を示す半透明光散乱樹脂層である実施例1〜4のホログラム積層体では、ホログラム層がレリーフ型か体積型かを問わず、観察角度に応じて重複領域および非重複領域での輝度変化が感じられ、ホログラム再生像および半透明光散乱樹脂層によるパターン情報の視認が可能であった。一方、光散乱樹脂層が所望のヘイズ値を示さない透明光散乱樹脂層である比較例1〜3のホログラム積層体では、ホログラム層の種類を問わず、輝度変化が感じられなかった。
1 … 基材
2 … ホログラム層
3 … 半透明光散乱樹脂層
4 … 保護層
5 … 可変情報部
10 … ホログラム積層体
11 … 印刷層
20 … 情報記録媒体

Claims (4)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面上に形成されたホログラム層と、
    前記ホログラム層上の、干渉縞が記録された領域と重なる位置の少なくとも一部に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層とを有し、前記半透明光散乱樹脂層の光透過率が50%〜90%の範囲内であることを特徴とするホログラム積層体。
  2. 前記半透明光散乱樹脂層のパターンにより表示される情報が、文字情報であることを特徴とする請求項1に記載のホログラム積層体。
  3. 前記ホログラム層と前記半透明光散乱樹脂層との間に保護層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム積層体。
  4. 基材と、
    前記基材の一方の面上に形成されたホログラム層と、
    前記ホログラム層上の、干渉縞が記録された領域と重なる位置の少なくとも一部に形成されたパターン状の半透明光散乱樹脂層と、
    前記基材の前記ホログラム層が形成された面と同一面上に形成された印刷層と
    を有し、前記半透明光散乱樹脂層の光透過率が50%〜90%の範囲内であることを特徴とする情報記録媒体。
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