JP2017067912A - ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
金属光沢インキ層は、通常、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子およびバインダ樹脂を含有する。また、金属光沢インキ層は、さらに所望の染料を含有させることにより、例えば、金色、銅色等の所望の有彩色の金属光沢を示すことが可能となる。
ここで、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢インキ層は、通常、有彩色の金属光沢を示すように調整されて形成されるものである。本発明者らは、透明基材上に形成された上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布したところ、着色金属光沢インキ層の透明基材側の面において示される金属光沢の色合いが、有彩色から無彩色に変化すること、および着色金属光沢インキ層の溶剤の塗布面においては有彩色の金属光沢が示されることを新たに知見した。すなわち、本発明者らは、着色金属光沢インキ層の表面に対して、溶剤を塗布することで、溶剤の塗布面と反対側の面との金属光沢の色合いが異なる着色金属光沢層を得ることができることを新たに知見した。上記知見を得た本発明者らは、上記着色金属光沢層をホログラム積層体の構成に適用することにより、本発明を完成させるに至った。
本発明のホログラム積層体は、透明基材と、上記透明基材上に形成されたホログラム層と、上記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層とを有し、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするものである。
本明細書においては、無彩色の金属光沢および有彩色の金属光沢について、金属光沢の色合いと称してする場合がある。また、無彩色の金属光沢および有彩色の金属光沢の詳細については後述する。
図1(a)〜(c)は本発明のホログラム積層体の一例を示す概略平面図および断面図である。図1(c)は図1(a)、(b)のA−A線断面図であり、図1(a)は図1(c)におけるB方向から観察される概略平面図であり、図1(b)は図1(c)におけるC方向から観察される概略平面図である。図1(a)〜(c)に示すように、本発明のホログラム積層体1は、透明基材2と、透明基材2上に形成されたホログラム層3と、透明基材2上にパターン状に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層4とを有している。また、ホログラム積層体1においては、図1(a)に示すように透明基材2側から観察される着色金属光沢層4の形成領域Xが無彩色の金属光沢を示し、図1(b)に示すように着色金属光沢層4側から観察される着色金属光沢層4の形成領域Xが有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするものである。例えば、無彩色の金属光沢としては銀色(Silver)を、有彩色の金属光沢としては金色(Gold color)を示すことができる。
すなわち、着色金属光沢インキ層の表面に塗布された溶剤により、着色金属光沢インキ層中のバインダ樹脂が溶け出し、バインダ樹脂中に溶解している染料についても溶剤中に溶け出すことが推量される。また、バインダ樹脂が溶剤に溶け出すことにより、着色金属光沢インキ層中の透明基材側まで溶剤が浸み込むと推量される。また、着色金属光沢インキ層中に染み込んだ溶剤は、再度着色金属光沢インキ層の表面から蒸発すると推量される。この際、蒸発する溶剤中に溶け込んだ染料が着色金属光沢インキ層の透明基材側から表面側に移動することにより層の厚み方向における染料の濃度差が生じ、透明基材側においては無彩色の金属光沢が観察されると推量される。
本発明における着色金属光沢層は、透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する。
また、本発明においては、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示す。
本明細書において、金属光沢とは、一般的な金属の表面において観察される反射特性を示すことをいう。
また、無彩色の金属光沢とは、金属光沢を示し、かつ白系の色を示すことをいう。白系の色とは、白色だけでなく、色味を帯びた白色を含む。
また、有彩色の金属光沢とは、金属光沢を示し、かつ色彩を有する色を示すことをいう。また、有彩色の金属光沢とは、上述した無彩色の金属光沢以外の色の金属光沢をいう。
具体的には、分光測色計を用いて分光反射特性を測定し、分光反射特性からL*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を求めることで規定することができる。
ここで、SCI(Specular Components Include)方式とは、正反射光および拡散反射光の合計を検出する、つまり正反射光も含めて測定する方法である。SCI方式は、物体色を測定する場合に広く用いられている。
分光測色計としては、例えばコニカミノルタ(株)製のCM−2500d(D65光源)を用いることができる。
また、この場合、L*a*b*表色系におけるb*値としては、所望の無彩色の金属光沢を示すことができれば特に限定されないが、例えば、0〜20の範囲内であり、中でも0〜10の範囲内であることが好ましい。
着色金属光沢層が有彩色の金属光沢を示す場合、上述した無彩色の金属光沢とのa*値の差Δa*値の絶対値が5以上、中でも5〜15の範囲内であることが好ましい。
着色金属光沢層が有彩色の金属光沢を示す場合、上述した無彩色の金属光沢とのb*値の差Δb*値の絶対値が20以上、中でも20〜40の範囲内であることが好ましい。Δa*値の絶対値、およびΔb*値の絶対値が小さいと、観察面の違いによる着色金属光沢層の金属光沢の色合いの差を目視で判別しにくくなる可能性があるからである。
本発明における着色金属光沢層は、金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有するものである。
金属光沢粒子は、無彩色の金属光沢を有する粒子である。
金属光沢粒子が無彩色の金属光沢を有するとは、金属光沢粒子が上述した無彩色の金属光沢を示すことをいう。
金属光沢粒子の材料としては、例えば、アルミニウムを挙げることができる。また、金属光沢粒子の材料としては、アルミニウム粉等の粉末材料であってもよく、アルミペースト等のペースト材料であってもよい。アルミニウムは、着色金属光沢層の金属光沢の色合いを調整しやすい。
金属光沢粒子の平均粒径が小さすぎる場合は、バインダ樹脂中に金属光沢粒子を均一に分散させることが困難となる可能性があるからである。また、金属光沢粒子の平均粒径が大きすぎる場合は、着色金属光沢層の金属光沢にムラを生じる可能性があるからである。
なお、金属光沢粒子の平均粒径は、各々の金属光沢粒子が、単分散型の金属光沢粒子、すなわち形状が単一な金属光沢粒子である場合はその平均を意味し、ブロードな粒度分布を持つ不定形の金属光沢粒子である場合は粒度分布測定により最も多く存在する金属光沢粒子の粒径を意味する。また、球状以外の形状の金属光沢粒子の粒径は、外接球の直径で示される値とする。金属光沢粒子の平均粒径は、例えば、SEM写真撮影により、金属光沢粒子10個の各粒径を測定し、その平均を算出して求めることができる。また、金属光沢粒子の平均粒径は、コールターカウンター法、レーザー回折法によっても計測できる。
染料は、着色金属光沢層に所望の色合いを付与するために用いられるものである。
染料を含有することにより、着色金属光沢層側における着色金属光沢層の形成領域において所望の有彩色の金属光沢を示すことができる。
染料の含有量が少なすぎると着色金属光沢層が所望の有彩色の金属光沢を示すことが困難となる可能性があるからであり、染料の含有量が多すぎると着色金属光沢層を形成すること自体が困難となる可能性があるからである。
本発明におけるバインダ樹脂は、上述した金属光沢粒子を分散し上述した染料を溶解するものである。
バインダ樹脂としては、所望の光透過性を有するものであることが好ましく、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等から選択することができる。
バインダ樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニルの共重合体を含む樹脂を好適に用いることができる。
本発明における着色金属光沢層は、金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような材料としては、例えば、界面活性剤等を挙げることができる。
本発明における着色金属光沢層は、透明基材上に形成されていればよく、図2に示すように、透明基材2上に直に着色金属光沢層4が形成されていてもよく、図1(c)に示すように、透明基材2上に他の層を介して着色金属光沢層4が形成されていてもよい。また、透明基材2上に他の層を介して着色金属光沢層4が形成される場合は、図1(c)に示すように、ホログラム層3上に着色金属光沢層4が形成されていることが好ましい。ホログラム層と着色金属光沢層とを組み合わせた情報を観察しやすいからである。
本発明におけるホログラム層は、透明基材上に形成されたものである。
また、本発明においては、干渉縞の記録形態に応じた各種ホログラム層を用いることができる。具体的には、レリーフ型ホログラム層、体積型ホログラム層等が挙げられる。
体積型ホログラム層としては、一般的な体積型ホログラム層に用いられる材料からなる層であれば特に限定されず、例えば硬化樹脂層、熱可塑性樹脂層、感光層が挙げられる。
体積型ホログラム層に用いられる材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂、フォトレジスト等の感光材料、無機材料からなるフォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等の感光材料等、公知の材料が挙げることできる。中でも、バインダ樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する感光材料や、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有する感光材料を好適に用いることができる。上述の感光材料に含まれる組成の具体的な材料については、例えば、特開2013−068960号公報等に記載されている材料と同様とすることができる。
なお、体積型ホログラム層は、上述の材料の他に、一般に体積型ホログラム層に添加可能な任意の材料を含んでいても良い。
レリーフ型ホログラム層としては、干渉縞に相当する凹凸構造(レリーフ構造)を表面に有するものあればよく、公知のものを用いることができる。
硬化樹脂層の材料である熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂、ならびに熱可塑性樹脂等の詳細については、例えば、特開2014−126799号公報等に記載されるホログラム層の樹脂材料と同様とすることができる。
なお、レリーフ型ホログラム層は、上述の材料の他に、一般にレリーフ型ホログラム層に添加可能な任意の材料を含んでいても良い。
また、レリーフ型ホログラム層は、レリーフ構造が形成された面と対向する面側が光源側となる様に配置される。
ホログラム層により表示されるホログラム再生像としては、特に限定されず、記録される干渉縞の間隔、角度等により適宜設計することができる。例えば文字、図形、絵柄等の情報が挙げられる。
また、ホログラム再生像は、特定の情報を表示するものでなく、ホログラム層の全面で回折光の輝度が均一となる表示であってもよい。
ホログラム層を透過型とする場合は、ホログラム層は透明性を有する。一方、ホログラム層を反射型とする場合、ホログラム層の透明性は問わない。例えば反射型のレリーフ型ホログラム層であれば、通常、屈折率を変調させるためにホログラム層のレリーフ面に追従して形成される不透明のアルミ蒸着層や、透明の酸化チタンや硫化亜鉛等の蒸着層が、反射層として機能することから、上記反射型のレリーフ型ホログラム層の透明性を適宜選択することができる。また、体積型ホログラムであれば、通常、反射層を有しないので透明であるが、不透明としても構わない。
本発明においては、さらに、図1および図3に示すように、ホログラム積層体が、透明基材、ホログラム層および着色金属光沢層の順に積層された積層領域を有することが好ましい。ホログラム層と着色金属光沢層とを組み合わせた情報を良好に表示することができるからである。
なお、図4においては、ホログラム層3が透明基材2の着色金属光沢層4が形成された表面とは反対側の面上に形成されている例について示している。
また、干渉縞を記録する際に、ホログラム層を構成する材料層の一方の面から物体光を入射させ、対向面から参照光を入射させて干渉縞を記録することで、反射型ホログラム層の形成が可能である。一方、ホログラム層を構成する材料層の一方の面から、参照光および回折光の両方の光を入射させて干渉縞を記録することで、透過型ホログラム層の形成が可能である。
本発明における透明基材は、ホログラム層およびホログラム層上に有する着色金属光沢層を支持するものである。
本発明のホログラム積層体は、透明基材、ホログラム層および着色金属光沢層を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
本発明のホログラム積層体において、ホログラム層がレリーフ型ホログラム層である場合、レリーフ構造面上には、反射層を有することが好ましい。レリーフ型ホログラム層のレリーフ構造面上に反射層を有することで、レリーフ構造の反射および回折効率を高めることができ、高輝度なホログラム再生像を発現できるからである。
反射層は透明であってもよく、不透明であってもよいが、ホログラム層が透過型である場合は、反射層は透明反射層であることが好ましい。また、透明反射層は、透明なレリーフ型ホログラム層との併用により、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率が上記ホログラム層の屈折率とは異なることで、金属光沢が無いにも関わらず、ホログラム再生像の光輝性を視認可能となる。
具体的な反射層については、例えば特開2013−014081号公報、特開2014−092646号公報等に記載される金属反射層や、透明金属反射層、透明樹脂反射層等を用いることができる。また、反射層は粘着性や熱接着性を備えていてもよい。
本発明のホログラム積層体においては、上記ホログラム層と上記着色金属光沢層との間に保護層を有していてもよい。ホログラム層を保護することができるからである。
保護層に用いるフィルム基材としては、特に限定されないが、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ弗化エチレン系フィルム、ポリ弗化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が例示される。
また保護層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等のうちの一種類または二種類以上を混合したもの、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙がられる。
なお、ヘイズ値は、JIS K7136に準拠して測定される値である。
本発明のホログラム積層体においては、透明基材上に印刷層を有していていもよい。印刷層により、本発明のホログラム積層体に異なる情報を付与することができるからである。
印刷層は、通常、透明基材上の上述した金属光沢層の形成領域と平面視上重ならない位置に形成される。
その他の部材としては、例えば、帯電防止層、接着層または粘着剤層、離型層、磁気記録層、ICチップ、光学記録層等が挙げられ、用途に応じて各層を適時積層することができる。
本発明のホログラム積層体の製造方法としては、例えば、透明基材上にホログラム層を形成する工程と、透明基材上に着色金属光沢層を形成する工程とを有する製造方法を挙げることができる。ホログラム積層体の製造方法の詳細については、後述する「C.ホログラム積層体の製造方法」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
本発明のホログラム積層体の用途としては、偽造防止等の高いセキュリティ性が要求される部材に用いることができる。中でも、ホログラム積層体ごとに異なる情報(可変情報)の付与が望まれる部材、例えば、情報記録媒体に好適に用いられる。情報記録媒体としては、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等が挙げられる。
本発明の情報記録媒体は、透明基材、上記透明基材上に形成されたホログラム層、ならびに上記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層を有し、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を有することを特徴とするものである。
図5(a)、(b)は本発明の情報記録媒体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図5(a)は図5(b)のA−A線断面図である。図5(a)、(b)に示すように、本発明の情報記録媒体10は、支持体11A、11Bと、ホログラム積層体1とを有するものである。図5(a)、(b)においては、窓部Wを有する2つの支持体11A、11Bと、支持体11A、11Bの間に配置されたホログラム積層体1とを有し、窓部Wと着色金属光沢層4の形成領域Xとが平面視上重なるように配置されている例について示している。
本発明に用いられるホログラム積層体については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明の情報記録媒体は、通常、上述したホログラム積層体の少なくとも一方の面側に配置される支持体を有する。
また、支持体の形態については、本発明の情報記録媒体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、窓部を有し、上記窓部と、上記ホログラム積層体の上記着色金属光沢層の形成領域とを平面視上重なるように配置することができるものであることが好ましい。窓部から上述したホログラム積層体を観察することができ、高度な真贋判定を行うことができるからである。
窓部としては、支持体自体に開口部を設けて形成してもよく、透明性を有する支持体上に開口を有する印刷層を設けて形成してもよい。
窓部の大きさについては、ホログラム積層体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
本発明の情報記録媒体は、上述したホログラム積層体を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
本発明の情報記録媒体は、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等とすることができる。
本発明のホログラム積層体の製造方法は、透明基材上にホログラム層を形成するホログラム層形成工程と、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、上記透明基材上に塗布して固化することにより、上記金属光沢粒子、上記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する着色金属光沢インキ層形成工程と、上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する溶剤塗布工程とを有することを特徴とする製造方法である。
図6(a)〜(c)は本発明のホログラム積層体の製造方法の一例について説明する工程図である。本発明のホログラム積層体の製造方法においては、まず図6(a)に示すように、透明基材2上にホログラム層3を形成する(ホログラム層形成工程)。次に図6(b)に示すように、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、透明基材2上にパターン状に塗布して固化することにより、金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層4’を形成する(着色金属光沢インキ層形成工程)。次に図6(c)に示すように、着色金属光沢インキ層4’の表面に溶剤を塗布して、透明基材2側から観察される着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層4を形成する(溶剤塗布工程)。以上により、ホログラム積層体1を製造することができる。
本発明におけるホログラム層形成工程は、透明基材上にホログラム層を形成する工程である。
本工程に用いられる透明基材、ホログラム層の材料、ホログラム層の形成方法および本工程により得られるホログラム層については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における着色金属光沢インキ層形成工程は、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、上記透明基材上に塗布して固化することにより、上記金属光沢粒子、上記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する工程である。
また、バインダ成分としては、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明したバインダ樹脂であってもよく、上記バインダ樹脂の材料であるバインダ樹脂用組成物であってもよい。
着色金属光沢インキの固形分全量に対する金属光沢粒子、染料、およびバインダ成分の各成分の含有量については、着色金属光沢層における金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂の各成分の含有量に応じて適宜調整することができる。
着色金属光沢インキ中の溶剤の含有量としては、金属光沢粒子、染料およびバインダ成分の種類、金属光沢インキの塗布法に応じて適宜調整されるものであるが、例えば、着色金属光沢インキの全量に対して、20質量%〜80質量%の範囲内、中でも40質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。
溶剤の含有量が少なすぎる場合または多すぎる場合は、所望の厚みを有する着色金属光沢インキ層を形成することが困難となる可能性があるからである。
中でも、本発明においては、着色金属光沢インキの塗膜を乾燥させて固化することが好ましい。染料の光照射、高温加熱による変質を抑制することができるからである。
また、加熱時間としては、0.5分〜2分の範囲内、中でも0.5分〜1分の範囲内であることが好ましい。
加熱温度および加熱時間が長すぎる場合は、時間が多くかかる可能性があるからである。
加熱手段としては、一般的なホットプレート等の加熱手段を用いることができる。
着色金属光沢インキ層の厚み、パターン等については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における溶剤塗布工程は、上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する工程である。
本発明のホログラム積層体は、上述した各工程を有していれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することができる。このような工程としては、例えば、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した任意の構成を配置する工程を挙げることができる。本発明においては、着色金属光沢層上に溶剤を含む塗工液を塗布して他の構成を形成する場合は、上記溶剤が着色金属光沢層中のバインダ樹脂および染料を溶解しないものを用いる必要がある。
本発明のホログラム積層体の製造方法により製造されるホログラム積層体については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
透明基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。下記組成の着色金属光沢インキを準備し、上記透明基材上の全面に着色金属光沢インキを塗布し、100℃で1分間加熱して乾燥させることにより、厚み1μmの着色金属光沢インキ層を得た。
アルミニウム顔料からなる光輝性顔料を含有するインキ(昭和インク工業所製)…70重量部
染料(AISEN SPILON YELLOW RHS-Liq、保土ヶ谷化学製)…1重量部
溶媒(MEK)…29重量部
着色金属光沢層評価基材について、溶剤が塗布された領域と溶剤が塗布されていない領域とについて目視で評価したところ、着色金属光沢層の溶剤が塗布されていない領域においては、透明基材側および着色金属光沢層側の両面において、金色が観察された。一方、溶剤が塗布された領域においては、透明基材側では銀色が着色金属光沢層側では金色が観察された。
2 … 透明基材
3 … ホログラム層
4 … 着色金属光沢層
11A、11B … 支持体
20 … 情報記録媒体
Claims (5)
- 透明基材と、
前記透明基材上に形成されたホログラム層と、
前記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層と
を有し、
前記透明基材側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が前記無彩色の金属光沢を示し、前記着色金属光沢層側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするホログラム積層体。 - 前記透明基材、前記ホログラム層および前記着色金属光沢層がこの順で積層された積層部を有することを特徴とする請求項1に記載のホログラム積層体。
- 透明基材、前記透明基材上に形成されたホログラム層、ならびに前記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層を有し、前記透明基材側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が前記無彩色の金属光沢を示し、前記着色金属光沢層側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を有することを特徴とする情報記録媒体。
- 前記情報記録媒体が、窓部を有する支持体をさらに有し、
前記窓部と、前記ホログラム積層体の前記着色金属光沢層の形成領域とが平面視上重なるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。 - 透明基材上にホログラム層を形成するホログラム層形成工程と、
無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、前記透明基材上に塗布して固化することにより、前記金属光沢粒子、前記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する着色金属光沢インキ層形成工程と、
前記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、前記透明基材側から観察される前記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する溶剤塗布工程と
を有することを特徴とするホログラム積層体の製造方法。
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JP2015191148A JP2017067912A (ja) | 2015-09-29 | 2015-09-29 | ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 |
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JP2017067919A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 大日本印刷株式会社 | ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 |
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2015
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JP2017067916A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 大日本印刷株式会社 | ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 |
JP2017067919A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 大日本印刷株式会社 | ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 |
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