JP2017067912A - ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 - Google Patents

ホログラム積層体、情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法 Download PDF

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健太 杉江
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祐子 青山
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Abstract

【課題】セキュリティ性が良好なホログラム積層体を提供する。【解決手段】透明基材2と、透明基材2上に形成されたホログラム層3と、透明基材2上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層4とを有し、透明基材2側から観察される着色金属光沢層4の形成領域が無彩色の金属光沢を示し、着色金属光沢層4側から観察される着色金属光沢層4の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体1である。【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラム層を有するホログラム積層体およびそれを用いた情報記録媒体、ならびにホログラム積層体の製造方法に関する。
商品券、証券、株券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカード等の磁気カードやICカード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等の情報記録媒体では、高い偽造防止機能やセキュリティ機能が要求される。
これらの機能を向上させるために、情報記録媒体では、ホログラム層を表面に設け、ホログラム層により表示されるホログラム再生像を利用した真正性の識別が図られている(例えば特許文献1、2)。
また、情報記録媒体では、金属光沢を有する金属光沢インキ層を用いて情報記録媒体の表面上に情報を付すことにより、偽造防止機能を付与する技術も広く用いられている。金属光沢インキ層は、情報記録媒体に高い意匠性を付与することもできる。
金属光沢インキ層は、通常、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子およびバインダ樹脂を含有する。また、金属光沢インキ層は、さらに所望の染料を含有させることにより、例えば、金色、銅色等の所望の有彩色の金属光沢を示すことが可能となる。
しかしながら、近年においては、例えば、上述したホログラム層自体や金属光沢インキ層自体が偽造された情報表示媒体の偽造品が出回るようになってきており、真正品および偽造品の真贋判定がしにくい場合もある。そのため、ホログラム積層体や情報表示媒体についてはより高度なセキュリティ性が求められている。
特開2006−1211号公報 特許4335077号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、セキュリティ性が良好なホログラム積層体、それを用いた情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者らは、情報記録媒体のセキュリティ性の向上を図るべく鋭意研究を行なった。
ここで、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢インキ層は、通常、有彩色の金属光沢を示すように調整されて形成されるものである。本発明者らは、透明基材上に形成された上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布したところ、着色金属光沢インキ層の透明基材側の面において示される金属光沢の色合いが、有彩色から無彩色に変化すること、および着色金属光沢インキ層の溶剤の塗布面においては有彩色の金属光沢が示されることを新たに知見した。すなわち、本発明者らは、着色金属光沢インキ層の表面に対して、溶剤を塗布することで、溶剤の塗布面と反対側の面との金属光沢の色合いが異なる着色金属光沢層を得ることができることを新たに知見した。上記知見を得た本発明者らは、上記着色金属光沢層をホログラム積層体の構成に適用することにより、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成されたホログラム層と、上記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層とを有し、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするホログラム積層体を提供する。
本発明によれば、着色金属光沢層を有することにより、本発明のホログラム積層体を透明基材側から観察した場合と着色金属光沢層側から観察した場合との観察面の違いにより、着色金属光沢層の形成領域おいて示される金属光沢の色合いを異ならせることができる。よって、本発明のホログラム積層体を用いて高度な真贋判定を行うことが可能となる。したがって、セキュリティ性が良好なホログラム積層体とすることができる。
上記発明においては、上記透明基材、上記ホログラム層および上記着色金属光沢層がこの順で積層された積層領域を有することが好ましい。観察面の違いによるホログラム層のホログラム再生像の視認性の変化、金属光沢層の金属光沢の色合いの変化等を組み合わせることにより、より高度な真贋判定を行うことができる。
本発明は、透明基材、上記透明基材上に形成されたホログラム層、ならびに上記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層を有し、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を有することを特徴とする情報記録媒体を提供する。
本発明によれば、上述のホログラム積層体を有することにより、セキュリティ性が良好な情報記録媒体とすることができる。
上記発明においては、上記情報記録媒体が、窓部を有する支持体をさらに有し、上記窓部と、上記ホログラム積層体の上記着色金属光沢層の形成領域とが平面視上重なるように配置されていることが好ましい。ホログラム積層体を用いて高度な真贋判定を行うことが可能な情報記録媒体とすることができるからである。また、種々の情報記録媒体に適用することができるからである。
本発明は、透明基材上にホログラム層を形成するホログラム層形成工程と、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、上記透明基材上に塗布して固化することにより、上記金属光沢粒子、上記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する着色金属光沢インキ層形成工程と、上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する溶剤塗布工程とを有することを特徴とするホログラム積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、着色金属光沢インキ層形成工程および溶剤塗布工程を有することにより、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を製造することができる。よって、セキュリティ性が良好なホログラム積層体を製造することができる。
本発明のホログラム積層体は、透明基材側と着色金属光沢層側との観察方向の違いにより着色金属光沢層の形成領域における金属光沢の色合いを異ならせることができることからセキュリティ性を向上させるという効果を奏する。
本発明のホログラム積層体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明のホログラム積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の情報記録媒体の一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のホログラム積層体の製造方法の一例を示す工程図である。 着色金属光沢層評価基材を溶剤の塗工面から観察した写真である。 着色金属光沢層評価基材を透明基材の塗工面から観察した写真である。
以下、本発明のホログラム積層体、それを用いた情報記録媒体およびホログラム積層体の製造方法について説明する。
A.ホログラム積層体
本発明のホログラム積層体は、透明基材と、上記透明基材上に形成されたホログラム層と、上記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層とを有し、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするものである。
着色金属光沢層の形成領域とは、ホログラム積層体の平面視上、着色金属光沢層が形成されている領域をいう。
本明細書においては、無彩色の金属光沢および有彩色の金属光沢について、金属光沢の色合いと称してする場合がある。また、無彩色の金属光沢および有彩色の金属光沢の詳細については後述する。
本発明のホログラム積層体について図を用いて説明する。
図1(a)〜(c)は本発明のホログラム積層体の一例を示す概略平面図および断面図である。図1(c)は図1(a)、(b)のA−A線断面図であり、図1(a)は図1(c)におけるB方向から観察される概略平面図であり、図1(b)は図1(c)におけるC方向から観察される概略平面図である。図1(a)〜(c)に示すように、本発明のホログラム積層体1は、透明基材2と、透明基材2上に形成されたホログラム層3と、透明基材2上にパターン状に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層4とを有している。また、ホログラム積層体1においては、図1(a)に示すように透明基材2側から観察される着色金属光沢層4の形成領域Xが無彩色の金属光沢を示し、図1(b)に示すように着色金属光沢層4側から観察される着色金属光沢層4の形成領域Xが有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするものである。例えば、無彩色の金属光沢としては銀色(Silver)を、有彩色の金属光沢としては金色(Gold color)を示すことができる。
また、図1(a)〜(c)においては、ホログラム積層体1が、透明基材2、ホログラム層3および着色金属光沢層4の順に積層された積層領域Yを有する例について示している。図1(a)〜(c)においては、着色金属光沢層4の形成領域Xが上述の積層領域Yと一致する例について示している。積層領域Yを有する場合、ホログラム積層体1を透明基材2側から観察すると、ホログラム層3のホログラム再生像とホログラム再生像を透かして着色金属光沢層4の形成領域Xにおける無彩色の金属光沢が観察される。一方、ホログラム積層体1を着色金属光沢層4側から観察すると、ホログラム層3のホログラム再生像とホログラム再生像を透かさずに着色金属光沢層4の形成領域Xにおける有彩色の金属光沢が観察される。ホログラム積層体が積層領域Yを有する場合は、観察面の違いによるホログラム層のホログラム再生像の視認性の変化、金属光沢層の金属光沢の色合いの変化等を組み合わせることにより、より高度な真贋判定を行うことができる。
本発明によれば、着色金属光沢層を有することにより、本発明のホログラム積層体を透明基材側から観察した場合と着色金属光沢層側から観察した場合との観察面の違いにより、着色金属光沢層の形成領域おいて示される金属光沢の色合いを異ならせることができる。よって、本発明のホログラム積層体を用いて高度な真贋判定を行うことが可能となる。よって、セキュリティ性が良好なホログラム積層体とすることができる。
上述したように、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢インキ層は、通常、有彩色の金属光沢を示すように調整されて形成されるものである。本発明者らは、透明基材上に形成された着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布したところ、着色金属光沢インキ層の透明基材側の面において示される金属光沢の色合いが、有彩色から無彩色に変化すること、および着色金属光沢インキ層の溶剤の塗布面においては有彩色の金属光沢が示されることを新たに知見した。すなわち、本発明者らは、着色金属光沢インキ層の表面に対して、溶剤を塗布することで、溶剤の塗布面と反対側の面との金属光沢の色合いが異なる着色金属光沢層を得ることができることを新たに知見した。
この理由については、以下のように推量される。
すなわち、着色金属光沢インキ層の表面に塗布された溶剤により、着色金属光沢インキ層中のバインダ樹脂が溶け出し、バインダ樹脂中に溶解している染料についても溶剤中に溶け出すことが推量される。また、バインダ樹脂が溶剤に溶け出すことにより、着色金属光沢インキ層中の透明基材側まで溶剤が浸み込むと推量される。また、着色金属光沢インキ層中に染み込んだ溶剤は、再度着色金属光沢インキ層の表面から蒸発すると推量される。この際、蒸発する溶剤中に溶け込んだ染料が着色金属光沢インキ層の透明基材側から表面側に移動することにより層の厚み方向における染料の濃度差が生じ、透明基材側においては無彩色の金属光沢が観察されると推量される。
本発明は、着色金属光沢インキ層について上述した現象が生じることを初めて見出し、上記現象により得られた着色金属光沢層をホログラム積層体に適用したことに大きな特徴を有する。
観察面の違いにより、観察者に観察される金属光沢の色合いを異ならせる方法としては、例えば、透明基材の各表面に、それぞれ無彩色の金属光沢インキ層、有彩色の金属光沢インキ層を形成することも考えられる。しかしながら、金属インキ層をパターン状で形成するに際しては、一般的な印刷法が用いられるところ、各金属光沢インキ層の形成位置を完全に一致させて形成することは、通常、困難である。そのため、各金属光沢インキ層の形成位置に位置ずれが生じる。これに対して、本発明においては、観察面の違いにより金属光沢の色合いの異なる層を、同じ面(一方の観察面)から形成することができる。よって、上述した形成位置の位置ずれが生じないため、良好な偽造防止性を有することができる。また、異なる金属光沢の色合いを示す着色金属光沢インキ層を2層積層させて形成する場合、ホログラム積層体の表面凹凸が大きくなり、加工性が低下することが考えられる。これに対して、本発明においては、1層の着色金属光沢層について有彩色の金属光沢および無彩色の金属光沢を示すことができることから、ホログラム積層体の表面凹凸についても小さいものとすることができ、ホログラム積層体の加工性を良好にすることができる。
以下、本発明のホログラム積層体の各構成について説明する。
1.着色金属光沢層
本発明における着色金属光沢層は、透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する。
また、本発明においては、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示す。
(1)金属光沢の色合い
本明細書において、金属光沢とは、一般的な金属の表面において観察される反射特性を示すことをいう。
また、無彩色の金属光沢とは、金属光沢を示し、かつ白系の色を示すことをいう。白系の色とは、白色だけでなく、色味を帯びた白色を含む。
また、有彩色の金属光沢とは、金属光沢を示し、かつ色彩を有する色を示すことをいう。また、有彩色の金属光沢とは、上述した無彩色の金属光沢以外の色の金属光沢をいう。
着色金属光沢層が金属光沢を示すこと、無彩色の金属光沢を示すことおよび有彩色の金属光沢を示すことは、例えば、SCI方式により測定されるL表色系におけるL値、a値、b値で規定することが可能である。
具体的には、分光測色計を用いて分光反射特性を測定し、分光反射特性からL表色系におけるL値、a値、b値を求めることで規定することができる。
ここで、SCI(Specular Components Include)方式とは、正反射光および拡散反射光の合計を検出する、つまり正反射光も含めて測定する方法である。SCI方式は、物体色を測定する場合に広く用いられている。
分光測色計としては、例えばコニカミノルタ(株)製のCM−2500d(D65光源)を用いることができる。
着色金属光沢層における金属光沢はL表色系におけるL値を用いて規定することができる。L値としては、所望の金属光沢を示すことができれば特に限定されないが、例えば、35以上が好ましく、中でも50以上、特に60以上であることが好ましい。
着色金属光沢層における金属光沢の色合いは、a値およびb値を用いて規定することができる。透明基材側から観察される着色金属光沢層の形成領域は無彩色の金属光沢を示し、白系の色を示す。この場合、L表色系におけるa値としては、所望の無彩色の金属光沢を示すことができれば特に限定されないが、例えば、0〜20の範囲内であり、中でも0〜10の範囲内であることが好ましい。
また、この場合、L表色系におけるb値としては、所望の無彩色の金属光沢を示すことができれば特に限定されないが、例えば、0〜20の範囲内であり、中でも0〜10の範囲内であることが好ましい。
一方、着色金属光沢層側から観察される着色金属光沢層の形成領域は有彩色の金属光沢を示す。この場合、L表色系におけるa値、b値としては上述した数値範囲よりも小さい値、もしくは大きい値をとる。
着色金属光沢層が有彩色の金属光沢を示す場合、上述した無彩色の金属光沢とのa値の差Δa値の絶対値が5以上、中でも5〜15の範囲内であることが好ましい。
着色金属光沢層が有彩色の金属光沢を示す場合、上述した無彩色の金属光沢とのb値の差Δb値の絶対値が20以上、中でも20〜40の範囲内であることが好ましい。Δa値の絶対値、およびΔb値の絶対値が小さいと、観察面の違いによる着色金属光沢層の金属光沢の色合いの差を目視で判別しにくくなる可能性があるからである。
(2)着色金属光沢層の材料
本発明における着色金属光沢層は、金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有するものである。
(a)金属光沢粒子
金属光沢粒子は、無彩色の金属光沢を有する粒子である。
金属光沢粒子が無彩色の金属光沢を有するとは、金属光沢粒子が上述した無彩色の金属光沢を示すことをいう。
金属光沢粒子の材料としては、材料自体が無彩色の金属光沢を示すものであってもよく、無彩色の金属光沢を有する材料が表面に形成されたものであってもよい。
金属光沢粒子の材料としては、例えば、アルミニウムを挙げることができる。また、金属光沢粒子の材料としては、アルミニウム粉等の粉末材料であってもよく、アルミペースト等のペースト材料であってもよい。アルミニウムは、着色金属光沢層の金属光沢の色合いを調整しやすい。
金属光沢粒子の粒子形状としては、着色金属光沢層中に分散させることができれば特に限定されないが、真球状、楕円状、不定形、直方体状、立方体状等を挙げることができる。
金属光沢粒子の平均粒径としては、着色金属光沢層中に分散させることができ所望の金属光沢を示すことができれば特に限定されないが、例えば、5μm〜50μmの範囲内、中でも10μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
金属光沢粒子の平均粒径が小さすぎる場合は、バインダ樹脂中に金属光沢粒子を均一に分散させることが困難となる可能性があるからである。また、金属光沢粒子の平均粒径が大きすぎる場合は、着色金属光沢層の金属光沢にムラを生じる可能性があるからである。
なお、金属光沢粒子の平均粒径は、各々の金属光沢粒子が、単分散型の金属光沢粒子、すなわち形状が単一な金属光沢粒子である場合はその平均を意味し、ブロードな粒度分布を持つ不定形の金属光沢粒子である場合は粒度分布測定により最も多く存在する金属光沢粒子の粒径を意味する。また、球状以外の形状の金属光沢粒子の粒径は、外接球の直径で示される値とする。金属光沢粒子の平均粒径は、例えば、SEM写真撮影により、金属光沢粒子10個の各粒径を測定し、その平均を算出して求めることができる。また、金属光沢粒子の平均粒径は、コールターカウンター法、レーザー回折法によっても計測できる。
着色金属光沢層中の金属光沢粒子の含有量としては、着色金属光沢層に所望の金属光沢を付与することができれば特に限定されないが、例えば、10質量%〜40質量%の範囲内、中でも20質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。着色金属光沢層中の金属光沢粒子の含有量が少ないと、所望の金属光沢を示すことが困難となる可能性があるからであり、着色金属光沢層中の金属光沢粒子の含有量が多すぎると、相対的にバインダ樹脂の含有量が少なくなることから着色金属光沢層に十分な強度を付与することが困難となる可能性があるからである。密着性を十分なものとすることが困難となる可能性があるからである。着色金属光沢層自体を形成することが困難となるからである。
(b)染料
染料は、着色金属光沢層に所望の色合いを付与するために用いられるものである。
染料を含有することにより、着色金属光沢層側における着色金属光沢層の形成領域において所望の有彩色の金属光沢を示すことができる。
染料の色としては、着色金属光沢層に所望の有彩色を付与することができれば特に限定されず、例えば、黄色、赤色、オレンジ色、緑色、青色、紫色等の種々の色の染料を用いることができる。例えば、着色金属光沢層中に黄色染料を添加した場合、着色金属光沢層の有彩色の金属光沢として金色を付与することができる。また、着色金属光沢層中に赤色染料および黄色染料を添加した場合、着色金属光沢層の有彩色の金属光沢として銅色を示すことができる。
具体的な染料としては、着色金属光沢層の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、クロム錯塩染料、銅錯塩染料等の金属錯塩染料等を挙げることができる。
着色金属光沢層中の染料の含有量は、着色金属光沢層に所望の有彩色の金属光沢を付与することができれば特に限定されないが、例えば、0.1質量%〜20質量%の範囲内、中でも0.1質量%〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
染料の含有量が少なすぎると着色金属光沢層が所望の有彩色の金属光沢を示すことが困難となる可能性があるからであり、染料の含有量が多すぎると着色金属光沢層を形成すること自体が困難となる可能性があるからである。
(c)バインダ樹脂
本発明におけるバインダ樹脂は、上述した金属光沢粒子を分散し上述した染料を溶解するものである。
バインダ樹脂としては、所望の光透過性を有するものであることが好ましく、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等から選択することができる。
バインダ樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニルの共重合体を含む樹脂を好適に用いることができる。
金属光沢層中に含まれるバインダ樹脂の含有量としては、着色金属光沢層を形成することができれば特に限定されないが、例えば、20質量%〜80質量%の範囲内、中でも40質量%〜80質量%の範囲内、特に60質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。バインダ樹脂の含有量が少なすぎると着色金属光沢層を形成することが困難となる可能性があるからであり、バインダ樹脂の含有量が多すぎると相対的に金属光沢粒子および染料の含有量が相対的に少なくなることから、所望の金属光沢の色合いを示す着色金属光沢層を得ることが困難となる可能性があるからである。
(d)その他の材料
本発明における着色金属光沢層は、金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。このような材料としては、例えば、界面活性剤等を挙げることができる。
(3)着色金属光沢層
本発明における着色金属光沢層は、透明基材上に形成されていればよく、図2に示すように、透明基材2上に直に着色金属光沢層4が形成されていてもよく、図1(c)に示すように、透明基材2上に他の層を介して着色金属光沢層4が形成されていてもよい。また、透明基材2上に他の層を介して着色金属光沢層4が形成される場合は、図1(c)に示すように、ホログラム層3上に着色金属光沢層4が形成されていることが好ましい。ホログラム層と着色金属光沢層とを組み合わせた情報を観察しやすいからである。
着色金属光沢層は透明基材上にパターン状に形成されることが好ましい。より高度な偽造防止性を付与することができるからである。着色金属光沢層のパターンとしては、本発明のホログラム積層体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、ライン、ドット、文字、数字、図形、記号、絵柄等が挙げられる。また、着色金属光沢層は、例えば、透明基材上の全域に形成されていてもよい。
着色金属光沢層としては、中でも、情報を表示するものであることが好ましい。着色金属光沢層に表示される情報としては、例えば、複数個選択された文字、数値および記号が規則的にまたは不規則な順で羅列してなる文字情報、所有者の顔情報、バーコード、QRコード(登録商標)情報等が挙げられる。なお、文字情報としては、具体的には、個人ID、シリアルナンバー、ロット番号、製造日、製品名称、氏名や住所等の個人情報等が挙げられる。
着色金属光沢層の厚みとしては、透明基材上に形成することができれば特に限定されず、ホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択することができる。着色金属光沢層の厚みとしては、例えば、0.1μm〜5μmの範囲内、中でも0.1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。着色金属光沢層の厚みが薄すぎる場合は、着色金属光沢層を形成することが困難となる可能性や、着色金属光沢層の透明基材側および表面側において金属光沢の色合いを十分に異なるものとすることが困難となる可能性があるからである。一方、着色金属光沢層の厚みが厚すぎる場合は、ホログラム積層体の加工性が低下する可能性があるからである。
着色金属光沢層の形成方法としては、上述した金属光沢粒子、染料、バインダ成分および溶剤を含有する着色金属光沢インキを、透明基材上に塗布し乾燥させて着色金属光沢インキ層を形成した後、溶剤を塗布することにより、着色金属光沢層を形成することができる。着色金属光沢層の形成方法の詳細については、後述する「C.ホログラム積層体の製造方法」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
2.ホログラム層
本発明におけるホログラム層は、透明基材上に形成されたものである。
ホログラム層は、干渉縞が記録されたものであればよく、反射型であってもよく、透過型であってもよい。ホログラム層が着色金属光沢層の形成領域と重なるように形成される場合は、通常、透過型が用いられる。
また、本発明においては、干渉縞の記録形態に応じた各種ホログラム層を用いることができる。具体的には、レリーフ型ホログラム層、体積型ホログラム層等が挙げられる。
(1)体積型ホログラム層
体積型ホログラム層としては、一般的な体積型ホログラム層に用いられる材料からなる層であれば特に限定されず、例えば硬化樹脂層、熱可塑性樹脂層、感光層が挙げられる。
体積型ホログラム層に用いられる材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂、フォトレジスト等の感光材料、無機材料からなるフォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等の感光材料等、公知の材料が挙げることできる。中でも、バインダ樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤および増感色素を含有する感光材料や、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤および光カチオン重合開始剤を含有する感光材料を好適に用いることができる。上述の感光材料に含まれる組成の具体的な材料については、例えば、特開2013−068960号公報等に記載されている材料と同様とすることができる。
なお、体積型ホログラム層は、上述の材料の他に、一般に体積型ホログラム層に添加可能な任意の材料を含んでいても良い。
(2)レリーフ型ホログラム層
レリーフ型ホログラム層としては、干渉縞に相当する凹凸構造(レリーフ構造)を表面に有するものあればよく、公知のものを用いることができる。
レリーフ型ホログラム層としては、例えば、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を硬化させた硬化樹脂層、熱可塑性樹脂層、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラス等の感光材料からなる感光層等が挙げられる。
硬化樹脂層の材料である熱硬化性樹脂および電離放射線硬化性樹脂、ならびに熱可塑性樹脂等の詳細については、例えば、特開2014−126799号公報等に記載されるホログラム層の樹脂材料と同様とすることができる。
なお、レリーフ型ホログラム層は、上述の材料の他に、一般にレリーフ型ホログラム層に添加可能な任意の材料を含んでいても良い。
レリーフ構造の形状等については、所望のホログラム再生像の発現が可能な形状であればよく、一般的なレリーフ型ホログラム層のレリーフ構造と同様に適宜決定することができる。
レリーフ型ホログラム層は、通常、レリーフ構造が形成された面に反射層が設けられる。レリーフ構造と反射層との作用効果により特異な光学的な意匠性を有するからである。反射層については、上述した着色金属光沢層により形成されていてもよく、後述する「4.その他の構成」の項で説明する反射層を用いてもよい。
また、レリーフ型ホログラム層は、レリーフ構造が形成された面と対向する面側が光源側となる様に配置される。
(3)その他
ホログラム層により表示されるホログラム再生像としては、特に限定されず、記録される干渉縞の間隔、角度等により適宜設計することができる。例えば文字、図形、絵柄等の情報が挙げられる。
また、ホログラム再生像は、特定の情報を表示するものでなく、ホログラム層の全面で回折光の輝度が均一となる表示であってもよい。
本発明においては、中でもホログラム層において表示されるホログラム再生像は、回折光の輝度が均一であってもよい。なお、回折光の輝度が均一であるホログラム再生像を表示するホログラム層とは、一定角度で等間隔の干渉縞が記録されたホログラム層をいう。
ホログラム層は、透明であってもよく、半透明や不透明であってもよい。着色金属光沢層と積層する場合は、通常、ホログラム層は透明性を有する。
ホログラム層を透過型とする場合は、ホログラム層は透明性を有する。一方、ホログラム層を反射型とする場合、ホログラム層の透明性は問わない。例えば反射型のレリーフ型ホログラム層であれば、通常、屈折率を変調させるためにホログラム層のレリーフ面に追従して形成される不透明のアルミ蒸着層や、透明の酸化チタンや硫化亜鉛等の蒸着層が、反射層として機能することから、上記反射型のレリーフ型ホログラム層の透明性を適宜選択することができる。また、体積型ホログラムであれば、通常、反射層を有しないので透明であるが、不透明としても構わない。
ホログラム層は、透明基材の一方の面の全域に形成されていてもよく一部に形成されていてもよい。また、ホログラム層は、透明基材の一方の面上の所望の位置にパターン状に形成されていてもよく、透明基材の一方の面上の所望の位置に所望の平面視外形を有し、上記平面視外形内の全面を被覆するようにして形成されていてもよい。
また、図1(c)、図3および図4に示すようにホログラム層3は、ホログラム層3の形成領域Zが着色金属光沢層4の形成領域Xと平面視上重なるように形成されていてもよく、図2に示すように平面視上重ならないように形成されていてもよい。中でも、本発明においては、ホログラム層の形成領域が着色金属光沢層の形成領域と平面視上重なるように形成されていることが好ましい。ホログラム層のホログラム再生像と着色金属光沢層の金属光沢の色合いとを組み合わせた情報を表示することができ、本発明のホログラム積層体を用いて高度な真贋判定を行うことができるからである。図1および図4においては、着色金属光沢層の形成領域の全域がホログラム層の形成領域に平面視上重なる例を示しており、図3においては、着色金属光沢層の形成領域の一部がホログラム層の形成領域に平面視上重なる例を示している。
本発明においては、さらに、図1および図3に示すように、ホログラム積層体が、透明基材、ホログラム層および着色金属光沢層の順に積層された積層領域を有することが好ましい。ホログラム層と着色金属光沢層とを組み合わせた情報を良好に表示することができるからである。
なお、図4においては、ホログラム層3が透明基材2の着色金属光沢層4が形成された表面とは反対側の面上に形成されている例について示している。
ホログラム層の形成領域とは、ホログラム積層体の平面視上、ホログラム層が形成されている領域をいう。
ホログラム層の膜厚としては、その種類によって適宜設定することができる。
ホログラム層の形成方法としては、体積型、レリーフ型等の干渉縞の記録形態に応じて、従来公知の方法により形成することが可能である。
また、干渉縞を記録する際に、ホログラム層を構成する材料層の一方の面から物体光を入射させ、対向面から参照光を入射させて干渉縞を記録することで、反射型ホログラム層の形成が可能である。一方、ホログラム層を構成する材料層の一方の面から、参照光および回折光の両方の光を入射させて干渉縞を記録することで、透過型ホログラム層の形成が可能である。
3.透明基材
本発明における透明基材は、ホログラム層およびホログラム層上に有する着色金属光沢層を支持するものである。
透明基材は透明性を有する。透明基材の透明性としては、ホログラム積層体の用途等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
透明基材の材質としては、本発明のホログラム積層体の用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムや樹脂シート等が挙げられる。
透明基材の厚みとしては、本発明のホログラム積層体の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、例えば2μm〜200μmの範囲内、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
上記透明基材は、プライマー処理等の表面処理が成されていてもよい。
4.その他の構成
本発明のホログラム積層体は、透明基材、ホログラム層および着色金属光沢層を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
(1)反射層
本発明のホログラム積層体において、ホログラム層がレリーフ型ホログラム層である場合、レリーフ構造面上には、反射層を有することが好ましい。レリーフ型ホログラム層のレリーフ構造面上に反射層を有することで、レリーフ構造の反射および回折効率を高めることができ、高輝度なホログラム再生像を発現できるからである。
反射層は透明であってもよく、不透明であってもよいが、ホログラム層が透過型である場合は、反射層は透明反射層であることが好ましい。また、透明反射層は、透明なレリーフ型ホログラム層との併用により、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率が上記ホログラム層の屈折率とは異なることで、金属光沢が無いにも関わらず、ホログラム再生像の光輝性を視認可能となる。
具体的な反射層については、例えば特開2013−014081号公報、特開2014−092646号公報等に記載される金属反射層や、透明金属反射層、透明樹脂反射層等を用いることができる。また、反射層は粘着性や熱接着性を備えていてもよい。
(2)保護層
本発明のホログラム積層体においては、上記ホログラム層と上記着色金属光沢層との間に保護層を有していてもよい。ホログラム層を保護することができるからである。
保護層としては、フィルム基材を積層してもよいし、樹脂を積層してもよい。
保護層に用いるフィルム基材としては、特に限定されないが、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ弗化エチレン系フィルム、ポリ弗化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が例示される。
また保護層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等のうちの一種類または二種類以上を混合したもの、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等が挙がられる。
保護層の厚みとしては、ホログラム再生像の視認性を阻害しない程度の透明性を示すことが可能な厚みであればよく、例えば、0.1μm〜100μmの範囲内、中でも0.5μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
保護層は、ホログラム再生像の表示を阻害しない程度の透明性を有することが好ましい。保護層の光透過率については、厳密な数値で規定されず、本発明のホログラム積層体の用途等に応じて適宜決定することができる。また、透明とは、無色透明および視認性を妨げない程度の有色透明を含む。
保護層のヘイズ値は低いことが好ましい。保護層のヘイズ値が高いと、ホログラム再生像の表示を阻害する場合があるからである。なお、保護層の具体的なヘイズ値としては、0.5〜15程度が好ましい。
なお、ヘイズ値は、JIS K7136に準拠して測定される値である。
保護層は、ホログラム層と着色金属光沢層との間に有するが、中でも、ホログラム層の着色金属光沢層が形成される面の全域に保護層が形成されることが好ましい。ホログラム層を好適に保護することができるとともに、着色金属光沢層の形成面を平坦なものとすることができるからである。
(3)印刷層
本発明のホログラム積層体においては、透明基材上に印刷層を有していていもよい。印刷層により、本発明のホログラム積層体に異なる情報を付与することができるからである。
印刷層を構成する材料としては、一般的な印刷用インキを用いることができる。印刷用インキとしては、顔料や染料等の着色剤およびバインダ樹脂を含むものが挙げられる。
上記印刷層は、ホログラム層によるホログラム再生像、着色金属光沢層のパターンとは異なる情報を有することが好ましい。印刷層の情報については、上述した着色金属光沢層が表示する情報として説明したものから適宜選択することができる。また、ホログラム積層体に装飾を施すものであってもよい。
印刷層は、通常、透明基材上の上述した金属光沢層の形成領域と平面視上重ならない位置に形成される。
印刷層の形成方法については、特に限定されず、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、昇華転写印刷、溶融転写印刷等の一般的な印刷法を用いることができる。また、転写法により形成してもよい。
(4)その他の部材
その他の部材としては、例えば、帯電防止層、接着層または粘着剤層、離型層、磁気記録層、ICチップ、光学記録層等が挙げられ、用途に応じて各層を適時積層することができる。
5.ホログラム積層体の製造方法
本発明のホログラム積層体の製造方法としては、例えば、透明基材上にホログラム層を形成する工程と、透明基材上に着色金属光沢層を形成する工程とを有する製造方法を挙げることができる。ホログラム積層体の製造方法の詳細については、後述する「C.ホログラム積層体の製造方法」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
6.用途
本発明のホログラム積層体の用途としては、偽造防止等の高いセキュリティ性が要求される部材に用いることができる。中でも、ホログラム積層体ごとに異なる情報(可変情報)の付与が望まれる部材、例えば、情報記録媒体に好適に用いられる。情報記録媒体としては、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等が挙げられる。
B.情報記録媒体
本発明の情報記録媒体は、透明基材、上記透明基材上に形成されたホログラム層、ならびに上記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層を有し、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を有することを特徴とするものである。
本発明の情報記録媒体について図を用いて説明する。
図5(a)、(b)は本発明の情報記録媒体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図5(a)は図5(b)のA−A線断面図である。図5(a)、(b)に示すように、本発明の情報記録媒体10は、支持体11A、11Bと、ホログラム積層体1とを有するものである。図5(a)、(b)においては、窓部Wを有する2つの支持体11A、11Bと、支持体11A、11Bの間に配置されたホログラム積層体1とを有し、窓部Wと着色金属光沢層4の形成領域Xとが平面視上重なるように配置されている例について示している。
本発明によれば、上述のホログラム積層体を有することにより、セキュリティ性が良好な情報記録媒体とすることができる。
以下、本発明の情報記録媒体の各構成について説明する。
1.ホログラム積層体
本発明に用いられるホログラム積層体については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.支持体
本発明の情報記録媒体は、通常、上述したホログラム積層体の少なくとも一方の面側に配置される支持体を有する。
また、支持体の形態については、本発明の情報記録媒体の用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、窓部を有し、上記窓部と、上記ホログラム積層体の上記着色金属光沢層の形成領域とを平面視上重なるように配置することができるものであることが好ましい。窓部から上述したホログラム積層体を観察することができ、高度な真贋判定を行うことができるからである。
支持体の材料としては、上述した透明基材の材料を用いてもよく、グラシン紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙の紙類を用いてもよい。また、上述した透明基材上に印刷層を形成したものを用いてもよい。
窓部は、ホログラム積層体における着色金属光沢層の形成領域およびホログラム層の形成領域を、情報記録媒体の両面側から観察することができるように設けられる。
窓部としては、支持体自体に開口部を設けて形成してもよく、透明性を有する支持体上に開口を有する印刷層を設けて形成してもよい。
窓部の大きさについては、ホログラム積層体の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
支持体の厚みとしては、本発明の情報記録媒体の用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、例えば2μm〜200μmの範囲内、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
3.その他
本発明の情報記録媒体は、上述したホログラム積層体を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
本発明の情報記録媒体は、例えば、商品券、証券、株券などの金券類、磁気カード、ICカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券等とすることができる。
C.ホログラム積層体の製造方法
本発明のホログラム積層体の製造方法は、透明基材上にホログラム層を形成するホログラム層形成工程と、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、上記透明基材上に塗布して固化することにより、上記金属光沢粒子、上記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する着色金属光沢インキ層形成工程と、上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する溶剤塗布工程とを有することを特徴とする製造方法である。
着色金属光沢インキ層の形成領域とは、透明基材の平面視上、着色金属光沢インキ層が形成されている領域をいう。
本発明のホログラム積層体の製造方法について図を用いて説明する。
図6(a)〜(c)は本発明のホログラム積層体の製造方法の一例について説明する工程図である。本発明のホログラム積層体の製造方法においては、まず図6(a)に示すように、透明基材2上にホログラム層3を形成する(ホログラム層形成工程)。次に図6(b)に示すように、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、透明基材2上にパターン状に塗布して固化することにより、金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層4’を形成する(着色金属光沢インキ層形成工程)。次に図6(c)に示すように、着色金属光沢インキ層4’の表面に溶剤を塗布して、透明基材2側から観察される着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層4を形成する(溶剤塗布工程)。以上により、ホログラム積層体1を製造することができる。
本発明によれば、着色金属光沢インキ層形成工程および溶剤塗布工程を有することにより、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が上記無彩色の金属光沢を示し、上記着色金属光沢層側から観察される上記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を製造することができる。よって、セキュリティ性が良好なホログラム積層体を製造することができる。
以下、本発明のホログラム積層体の製造方法における各工程について説明する。
1.ホログラム層形成工程
本発明におけるホログラム層形成工程は、透明基材上にホログラム層を形成する工程である。
本工程に用いられる透明基材、ホログラム層の材料、ホログラム層の形成方法および本工程により得られるホログラム層については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.着色金属光沢インキ層形成工程
本発明における着色金属光沢インキ層形成工程は、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、上記透明基材上に塗布して固化することにより、上記金属光沢粒子、上記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する工程である。
着色金属光沢インキは、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有するものである。金属光沢粒子および染料については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、バインダ成分としては、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明したバインダ樹脂であってもよく、上記バインダ樹脂の材料であるバインダ樹脂用組成物であってもよい。
着色金属光沢インキの固形分全量に対する金属光沢粒子、染料、およびバインダ成分の各成分の含有量については、着色金属光沢層における金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂の各成分の含有量に応じて適宜調整することができる。
着色金属光沢インキは、通常、溶剤を含有する。溶剤としては、通常、バインダ成分および染料を溶解させることができ、各成分を劣化させないものであれば特に限定されない。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸エチル等を挙げることができる。これらの溶剤は、1種類で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
着色金属光沢インキ中の溶剤の含有量としては、金属光沢粒子、染料およびバインダ成分の種類、金属光沢インキの塗布法に応じて適宜調整されるものであるが、例えば、着色金属光沢インキの全量に対して、20質量%〜80質量%の範囲内、中でも40質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。
溶剤の含有量が少なすぎる場合または多すぎる場合は、所望の厚みを有する着色金属光沢インキ層を形成することが困難となる可能性があるからである。
本工程においては、上述した着色金属光沢インキを透明基材上にパターン状に塗布することが好ましい。着色金属光沢インキをパターン状に塗布する方法としては、一般的な印刷法を用いることができ、具体的には、グラビア印刷法、インクジェット法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
本発明においては、透明基材上に形成された着色金属光沢インキの塗膜を固化することにより着色金属光沢インキ層を形成する。上記塗膜を固化する方法としては、着色金属光沢インキの塗膜を乾燥させて固化させてもよく、着色金属光沢インキがバインダ樹脂用組成物を含有する場合は、加熱、光照射により硬化させてもよい。
中でも、本発明においては、着色金属光沢インキの塗膜を乾燥させて固化することが好ましい。染料の光照射、高温加熱による変質を抑制することができるからである。
着色金属光沢インキの塗膜の乾燥方法としては、自然乾燥であってもよく、加熱による乾燥であってもよい。加熱による乾燥の場合、加熱温度としては、着色金属光沢インキ層の劣化を抑制することができれば特に限定されないが、150℃以下、中でも100℃〜120℃の範囲内であることが好ましい。
また、加熱時間としては、0.5分〜2分の範囲内、中でも0.5分〜1分の範囲内であることが好ましい。
加熱温度および加熱時間が長すぎる場合は、時間が多くかかる可能性があるからである。
加熱手段としては、一般的なホットプレート等の加熱手段を用いることができる。
本工程により得られる着色金属光沢インキ層は、着色金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を有し、有彩色の金属光沢を示すものである。着色金属光沢インキ層が有彩色の金属光沢を示すとは、具体的には、透明基材側および着色金属光沢インキ層側の両面側において、着色金属光沢インキ層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すことをいう。
着色金属光沢インキ層の厚み、パターン等については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.溶剤塗布工程
本発明における溶剤塗布工程は、上記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する工程である。
本工程に用いられる溶剤は、通常、着色金属光沢インキ層に含有される少なくともバインダ樹脂を溶解することができる溶剤が用いられる。このような溶剤としては、バインダ樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、バインダ樹脂が塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体を含む樹脂である場合、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、MIBK、酢酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)等を挙げることができる。
溶剤は、着色金属光沢インキ層中に含有されるバインダ樹脂の種類、含有量等に応じて適宜選択されるものである。また、溶剤は、着色金属光沢インキ層に含有される少なくともバインダ樹脂を溶解することができればよく、溶解の程度については、透明基材側から観察される着色金属光沢インキ層の形成領域を有彩色の金属光沢から無彩色の金属光沢に変化させることができれば特に限定されない。溶剤の選択方法としては、例えば、評価用の積層体として、透明基材、ならびに透明基材上に金属粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢インキ層を形成したものを準備し、上記着色金属光沢層の表面に、上記着色金属光沢インキ層の単位厚み(1μm)当たり0.1μlの溶剤を塗布することにより、着色金属光沢インキ層の金属光沢の色合いが有彩色の金属光沢から無彩色の金属光沢に変化するか否かにより判断して選択することができる。
着色金属光沢インキ層の形成領域に塗布される溶剤の塗工量としては、着色金属光沢インキ層の透明基材側表面を無彩色にすることができれば特に限定されないが、着色金属光沢層のバインダ樹脂および厚み等ならびに溶剤の種類に応じて適宜選択される。溶剤の塗工量としては、着色金属光沢インキ層の単位厚み(1μm)当たり、塗布される溶剤の塗工量が、0.1μl〜5.0μlの範囲内、中でも0.1μl〜1.0μlの範囲内、特に0.5μl〜1.0μlの範囲内であることが好ましい。上記溶剤の塗工量が少ないと、着色金属光沢層の透明基材側表面を無彩色にすることが困難となる可能性があるからである。また、上記溶剤の塗工量が多すぎると、着色金属光沢層側においても無彩色の金属光沢が観察される可能性があるからである。
溶剤は、通常、着色金属光沢インキ層の形成領域の全域に塗布される。溶剤の塗布方法としては、具体的には、グラビア印刷法、シルク印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
本工程においては、着色金属光沢インキ層に溶剤を塗布した後、加熱処理を行なってもよい。自然乾燥であってもよい。
本工程においては、溶剤を塗布することにより、上記透明基材側から観察される上記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることができ、着色金属光沢層とすることができる。着色金属光沢層については上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.その他の工程
本発明のホログラム積層体は、上述した各工程を有していれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することができる。このような工程としては、例えば、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した任意の構成を配置する工程を挙げることができる。本発明においては、着色金属光沢層上に溶剤を含む塗工液を塗布して他の構成を形成する場合は、上記溶剤が着色金属光沢層中のバインダ樹脂および染料を溶解しないものを用いる必要がある。
5.ホログラム積層体
本発明のホログラム積層体の製造方法により製造されるホログラム積層体については、上述した「A.ホログラム積層体」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実験例]
透明基材として、厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。下記組成の着色金属光沢インキを準備し、上記透明基材上の全面に着色金属光沢インキを塗布し、100℃で1分間加熱して乾燥させることにより、厚み1μmの着色金属光沢インキ層を得た。
<着色金属光沢インキの組成>
アルミニウム顔料からなる光輝性顔料を含有するインキ(昭和インク工業所製)…70重量部
染料(AISEN SPILON YELLOW RHS-Liq、保土ヶ谷化学製)…1重量部
溶媒(MEK)…29重量部
上述の着色金属光沢インキ層の表面にトルエンおよびMEKの混合溶媒を着色金属光沢インキ層の半分の領域に塗布し、自然乾燥させることにより、着色金属光沢層を得た。以上の工程により着色金属光沢層評価基材を作製した。
[評価]
着色金属光沢層評価基材について、溶剤が塗布された領域と溶剤が塗布されていない領域とについて目視で評価したところ、着色金属光沢層の溶剤が塗布されていない領域においては、透明基材側および着色金属光沢層側の両面において、金色が観察された。一方、溶剤が塗布された領域においては、透明基材側では銀色が着色金属光沢層側では金色が観察された。
1 … ホログラム積層体
2 … 透明基材
3 … ホログラム層
4 … 着色金属光沢層
11A、11B … 支持体
20 … 情報記録媒体

Claims (5)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に形成されたホログラム層と、
    前記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層と
    を有し、
    前記透明基材側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が前記無彩色の金属光沢を示し、前記着色金属光沢層側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すことを特徴とするホログラム積層体。
  2. 前記透明基材、前記ホログラム層および前記着色金属光沢層がこの順で積層された積層部を有することを特徴とする請求項1に記載のホログラム積層体。
  3. 透明基材、前記透明基材上に形成されたホログラム層、ならびに前記透明基材上に形成され、無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ樹脂を含有する着色金属光沢層を有し、前記透明基材側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が前記無彩色の金属光沢を示し、前記着色金属光沢層側から観察される前記着色金属光沢層の形成領域が有彩色の金属光沢を示すホログラム積層体を有することを特徴とする情報記録媒体。
  4. 前記情報記録媒体が、窓部を有する支持体をさらに有し、
    前記窓部と、前記ホログラム積層体の前記着色金属光沢層の形成領域とが平面視上重なるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
  5. 透明基材上にホログラム層を形成するホログラム層形成工程と、
    無彩色の金属光沢を有する金属光沢粒子、染料およびバインダ成分を含有する着色金属光沢インキを、前記透明基材上に塗布して固化することにより、前記金属光沢粒子、前記染料およびバインダ樹脂を含有し有彩色の金属光沢を示す着色金属光沢インキ層を形成する着色金属光沢インキ層形成工程と、
    前記着色金属光沢インキ層の表面に溶剤を塗布して、前記透明基材側から観察される前記着色金属光沢インキ層の形成領域が無彩色の金属光沢を示すように変化させることにより、着色金属光沢層を形成する溶剤塗布工程と
    を有することを特徴とするホログラム積層体の製造方法。
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