JP2009000910A - 偽造防止媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偽造防止媒体10は、基材11と、基材11の少なくとも表面に設けられ、光の選択反射特性を有する光選択反射層12と、基材11の裏面に設けられ、干渉縞を厚さ方向に記録している体積型ホログラム層13と、体積型ホログラム層13の基材11とは反対側の面にパターン状に設けられ、強磁性材料によって形成される強磁性材層14とを備える。
【選択図】図2
Description
特許文献1は、真贋判定を容易に行なえるように、表面にホログラム層を設けた金券を開示している。このような金券は、ホログラム層として主に、表面に微細な凹凸が設けられることにより干渉縞が記録されるレリーフ型ホログラムが用いられているが、昨今のホログラム技術の普及や偽造技術の高度化に伴い、レリーフ型ホログラムそのものが偽造されてしまい、本来の偽造判定、偽造防止としての機能が有効に果たせなくなる場合があった。
請求項1の発明は、基材(11)と、前記基材(11)の少なくとも一方の面に設けられ、光の選択反射特性を有する光選択反射層(12)と、前記基材(11)の片面側に設けられ、干渉縞を厚さ方向に記録している体積型ホログラム層(13)と、前記体積型ホログラム層(13)の前記基材(11)とは反対側の面にパターン状に設けられ、強磁性材料によって形成される強磁性材層(14)と、を備える偽造防止媒体(10)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の偽造防止媒体(10)において、前記強磁性材層(14)は、特定の磁化特性を有したアモルファス強磁性材料によって形成されること、を特徴とする偽造防止媒体(10)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体(10)において、前記強磁性材層(14)の前記体積型ホログラム層(13)とは反対側の面に着色層(15)を備えること、を特徴とする偽造防止媒体(10)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の偽造防止媒体(10)において、前記着色層(15)は、暗色材料によって形成されること、を特徴とする偽造防止媒体(10)である。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体(10−2)において、前記強磁性材層(14)の前記体積型ホログラム層(13)とは反対側の面に、暗色材料を含有した接着層(15−2)を備えること、を特徴とする偽造防止媒体(10−2)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体(10−2)において、前記光選択反射層(12−2)は、パターン状に形成されること、を特徴とする偽造防止媒体(10−2)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体(10)において、前記光選択反射層(12)は、光の選択反射特性が円偏光性であること、を特徴とする偽造防止媒体(10)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の偽造防止媒体(10)において、前記光選択反射層(12)は、コレステリック液晶により形成されること、を特徴とする偽造防止媒体(10)である。
(1)偽造防止媒体は、基材の少なくとも一方の面に光選択反射層が設けられ、また、基材の片面側に体積型ホログラム層、パターン状に形成された強磁性材層が順に設けられているので、体積型ホログラム層及び光選択反射層の視認による確認と、強磁性材層の磁気の情報による確認とによって、偽造防止媒体の真贋判別を実行することができる。
また、干渉縞の複製が困難な体積型ホログラム層を採用することによって偽造防止媒体の偽造を困難にすることができる。
さらに、光選択反射層の強磁性材層のパターン状と重なる部位からの光選択反射層による光の反射を防止することができ、パターン状に基づいて光の反射を行うことができ、偽造を困難にすることができる。
(3)偽造防止媒体は、強磁性材層の体積型ホログラム層とは反対側の面に着色層を備えているので、偽造防止媒体の外観から強磁性材層のパターン状以外の領域に着色層を介在させることができ、基材、光選択反射層及び体積型ホログラム層を介して、偽造防止媒体の外観から着色層を視認させることができ、偽造防止媒体の意匠性を向上させることができる。
(5)偽造防止媒体は、強磁性材層の体積型ホログラム層とは反対側の面に接着層を備えているので、偽造防止媒体をラベルとして使用することができ、商品などに貼付することによって、商品の模倣品の判別をすることができる。また、接着層は、暗色材料を含有しているので、体積型ホログラム層との境界面を暗色にすることができ、体積型ホログラム層のホログラム像を鮮明にすることができる。
(7)光選択反射層の光の選択反射特性は、円偏光性であるので、簡易な構成で真贋判別をすることができる。
(8)光選択反射層は、コレステリック液晶により形成されているので、円偏光性を備えた層を容易に形成することができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、薬品の包装箱に貼付された偽造防止ラベルを示す模式図である。図2は、本発明による偽造防止媒体の第1実施形態である偽造防止ラベルの模式図であり、図2(a)に平面図を示し、図2(b)に図2(a)のA−A断面の断面図を示す。ここで、説明を明確にするために、図2(b)の上方を偽造防止ラベルの表面とし、下方を裏面とする。
薬品1は、図1に示すように、薬の小売店などの店先に陳列される薬であり、不図示の薬を内包した包装箱2と、その表面に偽造防止ラベル10を備えている。
包装箱2は、直方体状の箱であり、表面に薬の効能や製薬メーカ名などが印刷されている。
基材11は、偽造防止ラベル10の基礎となる厚さ50μmの透明又は略透明な樹脂製(例えば、PET:PolyEthylene Terephthalate)のシートである。
また、光選択反射層12は、その下方に金属膜などの反射層が存在することにより、光の選択反射特性を失う性質を有している。本実施形態では、光選択反射層12の下方に金属で形成された強磁性材層14が存在しているので、後述の強磁性材層14の文字列14aに重なる部位は、光の選択反射特性を失った状態となる。
ここで、体積型ホログラム層13に使用される光重合性化合物は、例えば、光ラジカル重合性化合物や光カチオン重合性化合物などであり、光重合開始剤は、例えば、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤などが使用される。また、本願の体積型ホログラム層13は、ホログラフィ法で求めたホログラム以外の体積型の光回折構造も含むものとする。
強磁性材層14のアモルファス強磁性材料は、加熱、切断などにより、透磁率や飽和磁化特性が変化する性質を有した磁性材料である。アモルファス強磁性材料は、図3(a)に示すように、矩形に近いヒステリシス曲線の磁気特性を有し、低強度の振動磁界によって急峻に磁化反転を繰り返す性質(大バルクハウゼン現象)を備えている。これに対し、一般の磁性材料は、図3(b)に示すように、略S字型のヒステリシス曲線の磁気特性を備えている。
保護層16は、偽造防止ラベル10の表面に位置し、光選択反射層12を保護する透明な層である。
接着層17は、着色層15の裏面に設けられた接着剤であり、偽造防止ラベル10を薬品1の包装箱2に剥離不可能に貼付している。
真贋判別具20は、光選択反射層12の円偏光性を有した三角形の図形12aによって偽造防止ラベル10の真贋判別を行う道具であり、図4(a)に示すように、判別基材21、右円偏光フィルム22a及び左円偏光フィルム22bを備えている。
判別基材21は、真贋判別具20を形成する矩形状の樹脂製の板部材であり、その板部材の短辺の中心線より右側に右円偏光フィルム22aを、左側に左円偏光フィルム22bを備えている。
左円偏光フィルム22bは、左円偏光は透過するが、右円偏光は透過しないという左円偏光性の特性を持つようにコレステリック液晶配向を固定化した高分子フィルムであり、右円偏光フィルム22aと同様の製法によって作製されている。
薬品1を扱う薬の小売店などの店員は、体積型ホログラム層13に記録された真正のホログラム像(星形の画像13a)と、光選択反射層12に記録された三角形の図形12aの円偏光性の特性(左円偏光性)とが予め知らされており、仕入れ業者から薬品1を入荷したときに、薬品1の包装箱2に貼付された偽造防止ラベル10の星形の画像13aと三角形の図形12aとを確認し、薬品1の真贋判別を実施する。
さらに、仮に体積型ホログラム層13と光選択反射層12とが精巧に偽造されていたとしても、文字列14aが形成された強磁性材層14の固有の磁気特性を後述の磁気ヘッドで検出することにより、確実に偽造品を発見することができる。
磁気ヘッド100は、図5に示すように、検出コイル部101、励磁コイル部102、制御部103及び表示部104を備えており、偽造防止媒体10の強磁性材層14の磁気情報を非接触で読み取る検出器である。
検出コイル部101は、強磁性材層14から発生する磁束の変化を検出するソレノイドコイル101−Aと、その検出データを増幅して出力する増幅器101−Bとを備えている。
励磁コイル部102は、強磁性材層14に交番励磁磁界を印加するソレノイドコイル102−Aと、ソレノイドコイル102−Aに交番励磁磁界を発生させる交番励磁電流を流すアンプ102−Bとを備えている。
表示部104は、検出コイル部101により検出した結果が、制御部103の指示により表示される液晶ディスプレイである。
磁気ヘッド100の制御部103は、電源が投入されると、励磁コイル部102のソレノイドコイル102−Aにアンプ102−Bを介して高調波の交番励磁電流を流し、ソレノイドコイル102−Aに保磁力Hc以上の交番励磁磁界を発生させる。続いて、包装箱2の表面に貼付された偽造防止ラベル10の強磁性材層14に磁気ヘッド100を近づけると、保磁力Hc以上の交番励磁磁界により大バルクハウゼン現象を起こし、制御部103は、強磁性材層14から発生する磁束の変化を、検出コイル部101のソレノイドコイル101−Aに検出させる。このとき、磁気ヘッド100を偽造防止ラベル10の全域に移動(矢印B)させることによって、強磁性材層14のパターンに合わせた磁気特性を検出することができる。制御部103は、検出した結果を増幅器101−Bを介して入力し、表示部104に表示する。
(1)偽造防止ラベル10は、基材11の表面に光選択反射層12が設けられ、また、基材11の裏面に体積型ホログラム層13、パターン状に形成された強磁性材層14が順に設けられているので、体積型ホログラム層13及び光選択反射層12の視認による確認と、強磁性材層14の磁気の情報による確認とによって、偽造防止ラベル10の真贋判別を正確に実行することができる。
また、干渉縞の複製が困難な体積型ホログラム層13を採用することによって偽造防止ラベル10の偽造を困難にすることができる。
さらに、光選択反射層12の三角形の図形12aは、強磁性材層14の文字列14aと重なる部位は視認されないので、偽造防止ラベル10の表面からは文字列14aの後方に存在しているかのように視認させることができ、薬品1の真贋判別の対象とすることができる。
(3)偽造防止ラベル10は、強磁性材層14の体積型ホログラム層13とは反対側の面に着色層15を備えているので、偽造防止ラベル10の外観から強磁性材層14の文字列14a以外の領域に着色層15を介在させることができ、基材11、光選択反射層12及び体積型ホログラム層13を介して、偽造防止ラベル10の外観から着色層15を視認させることができ、偽造防止ラベル10の意匠性を向上させることができる。
(5)偽造防止ラベル10は、強磁性材層14の体積型ホログラム層13とは反対側の面に接着層17を備えているので、偽造防止ラベル10を薬品1の包装箱2に貼付することによって、薬品1の偽造品の判別をすることができる。
(6)光選択反射層12の光の選択反射特性は、円偏光性であるので、簡易な構成で真贋判別をすることができる。
(7)光選択反射層12は、コレステリック液晶により形成されているので、円偏光性を備えた層を容易に形成することができる。
図6は、本発明による偽造防止媒体の第2実施形態である偽造防止ラベルを示す模式図であり、図6(a)に平面図を、図6(b)に図6(a)のB−B断面図を示す。ここで、以下の実施形態の説明では、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
光選択反射層12−2は、見る角度によって色彩が可変する円偏光性を有したコレステリック液晶を、パターン印刷により基材11の表面に印刷した略透明な層であり、本実施形態では、パターンとして、三角形の図形12a−2のみを基材11の表面に形成している。
(1)着色接着層15−2は、黒色材料を含有しているので、体積型ホログラム層13との境界面を黒色にして体積型ホログラム層13のホログラム像を鮮明にするとともに、偽造防止ラベル10を薬品1の包装箱2に貼付することができる。
(2)光選択反射層12−2は、パターン状に形成されているので、強磁性材層14の文字列14aと光選択反射層12のパターンに基づいて光を選択反射させることができ、また、基材11上の必要な箇所にのみ光選択反射層12−2を設ければよく、光選択反射層12−2の材料費を低減することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態では、基材11の表面に光選択反射層12を設けたが、基材11の裏面又は両面に設けてもよい。
(2)第1実施形態では、着色層15を黒色に形成する例で説明したが、黒色以外の暗色(例えば、紺色、濃緑色など)で形成してもよい。このようにすれば、黒色と略同等にホログラム像(星形の画像)を鮮明にすることができる。また、同様に、第2実施形態の着色接着層15−2は、黒色材料を含有し外観を黒色にしたが、それ以外の暗色の材料を含有してもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
2 包装箱
10、10−2 偽造防止ラベル
11 基材
12、12−2 光選択反射層
13 体積型ホログラム層
14 強磁性材層
15 着色層
15−2 着色接着層
16 保護層
17 接着層
Claims (8)
- 基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、光の選択反射特性を有する光選択反射層と、
前記基材の片面側に設けられ、干渉縞を厚さ方向に記録している体積型ホログラム層と、
前記体積型ホログラム層の前記基材とは反対側の面にパターン状に設けられ、強磁性材料によって形成される強磁性材層と、
を備える偽造防止媒体。 - 請求項1に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層は、特定の磁化特性を有したアモルファス強磁性材料によって形成されること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層の前記体積型ホログラム層とは反対側の面に着色層を備えること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項3に記載の偽造防止媒体において、
前記着色層は、暗色材料によって形成されること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層の前記体積型ホログラム層とは反対側の面に、暗色材料を含有した接着層を備えること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体において、
前記光選択反射層は、パターン状に形成されること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体において、
前記光選択反射層は、光の選択反射特性が円偏光性であること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項7に記載の偽造防止媒体において、
前記光選択反射層は、コレステリック液晶により形成されること、
を特徴とする偽造防止媒体。
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