JP2009000909A - 偽造防止媒体、偽造防止シート、及び、偽造防止媒体の強磁性材層のパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偽造防止媒体(20)は、基材(21)と、基材(21)の一方の面側に設けられ、光の干渉によって生じる干渉縞を屈折率の異なる縞として層の厚さ方向に記録している体積型ホログラム層(22)と、体積型ホログラム層(22)の基材(21)とは反対の面側に設けられ、強磁性材料によってパターン状に形成される強磁性材層(23)とを備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1は、真贋判定を容易に行なえるように、表面にホログラム層を設けた金券を開示している。このような金券は、ホログラム層として主に、表面に微細な凹凸が設けられることにより干渉縞が記録されるレリーフ型ホログラムが用いられているが、昨今のホログラム技術の普及及び偽造技術の高度化に伴い、レリーフ型ホログラムそのものが偽造されてしまい、本来の偽造判定、偽造防止としての機能が有効に果たせなくなる場合があった。
請求項1の発明は、基材(21)と、前記基材(21)の一方の面側に設けられ、光の干渉によって生じる干渉縞を屈折率の異なる縞として層の厚さ方向に記録している体積型ホログラム層(22)と、前記体積型ホログラム層(22)の前記基材(21)とは反対の面側に設けられ、強磁性材料によってパターン状に形成される強磁性材層(23)と、を備える偽造防止媒体(20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の偽造防止媒体(20)において、前記強磁性材層(23)は、特定の磁化特性を有したアモルファス強磁性材料によって形成されること、を特徴とする偽造防止媒体(20)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体(20−2)において、前記強磁性材層(23−2)と前記体積型ホログラム層(22)との間に、着色層を備えること、を特徴とする偽造防止媒体(20−2)である。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体(20)において、前記強磁性材層(23)の前記体積型ホログラム層(22)とは反対の面側に、着色層(24)を備えること、を特徴とする偽造防止媒体(20)である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の偽造防止媒体(20−2)において、前記着色層(24−2)は、黒色インキによって形成されていること、を特徴とする偽造防止媒体(20−2)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体(20)において、前記強磁性材層(23)の前記体積型ホログラム層(22)とは反対の面側に接着層(25)を備えること、を特徴とする偽造防止媒体(20)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の偽造防止媒体(20)において、前記基材(21)と前記体積型ホログラム層(22)との間に剥離層(26)を備えること、を特徴とする偽造防止媒体(20−2)である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の偽造防止媒体(20−2)において、当該偽造防止媒体(20)は、前記剥離層(26)によって前記基材(21)から剥がされた状態で貼付対象物に前記接着層(27)によって貼付されること、を特徴とする偽造防止媒体(20−2)である。
(1)偽造防止媒体は、基材の一方の面側に体積型ホログラム層と、パターン状に形成された強磁性材層とが順に設けられているので、体積型ホログラム層の視認による確認と、強磁性材層のパターンの形状に応じた磁気の情報による確認とによって、偽造防止媒体の真贋判別を実行することができる。また、干渉縞の複製が困難な体積型ホログラム層を採用し、強磁性材層をパターン状にすることで偽造防止媒体の偽造を困難にすることができる。さらに、基材が透明又は略透明であるときに、基材及び体積型ホログラム層を介してパターン状の強磁性材層を視認することができ、偽造防止媒体の意匠性を向上させることができる。
(3)偽造防止媒体は、強磁性材層と体積型ホログラム層との間に着色層を備えているので、偽造防止媒体の外観から強磁性材層の存在及び強磁性材層のパターンを隠蔽することができ、偽造防止媒体のセキュリティ機能を向上させることができる。
(5)着色層は、黒色インキによって形成されているので、体積型ホログラム層のホログラム像を鮮明にすることができる。
(7)偽造防止媒体は、基材と体積型ホログラム層との間に剥離層を備えているので、基材から剥離層を介して剥離された偽造防止媒体を、転写箔の形態で商品や金券に剥離不可能に貼付することができ、商品や金券の模倣品の判別を可能にするとともに、貼り替えなどによる不正も防止することができる。
(9)偽造防止媒体の強磁性材層のパターン形成方法は、除去領域形成ステップで形成された除去領域に、磁性層形成ステップによって形成された強磁性材層を、除去ステップによって除去するので、パターン状の強磁性材層を有した偽造防止媒体を効率よく大量に製作することができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態をあげて、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明による偽造防止媒体の第1実施形態として薬品の包装箱に貼付された偽造防止ラベルを示す模式図であり、図1(a)に平面図を示し、図1(b)に図1(a)のA−A断面の断面図を示し、図1(c)に偽造防止ラベルを貼付した薬品の模式図を示す。図2は、アモルファス強磁性材料及び一般の磁性材料のB−H磁化特性曲線を示す図である。ここで、説明を明確にするために、図1(b)の上方を偽造防止ラベルの表面とし、下方を裏面とする。
包装箱11は、上述したように、不図示の薬を包装する直方体状の箱であり、表面に薬の効能や製薬メーカ名などが印刷されている。
基材21は、偽造防止ラベル20の基礎となる厚さ50μmの透明な樹脂製(例えば、PET:PolyEthylene Terephthalate)のシートである。また、基材21は、偽造防止ラベル20の表面に位置するので、体積型ホログラム層22を保護する保護層としての役割も兼ねている。
ここで、体積型ホログラム層22に使用される光重合性化合物は、例えば、光ラジカル重合性化合物や光カチオン重合性化合物などであり、光重合開始剤は、例えば、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤などが使用される。また、本願の体積型ホログラム層22は、ホログラフィ法で求めたホログラム以外の体積型の光回折構造も含むものとする。
接着層25は、偽造防止ラベル20を薬品10に剥離不可能に貼付する接着剤である。
まず、基材21上に体積型ホログラム層22が形成されたら、体積型ホログラム層22の裏面の強磁性材層23のパターン(SECUREの文字列)以外の領域に、水性印刷インキを印刷し除去領域を形成する(S201:除去領域形成ステップ)。
強磁性材層23が形成されたら、水性印刷インキで形成された除去領域を水で洗い流すことで、除去領域の強磁性材層23を水性印刷インキとともに除去することができる(S203:除去ステップ)。
以上の工程によって、パターン状に形成された強磁性材層23を有した偽造防止ラベル20を、少ない工数で効率よく大量に製造することができる。
磁気ヘッド100は、図4に示すように、検出コイル部101、励磁コイル部102、制御部103及び表示部104を備えており、強磁性材層23の磁気情報を非接触で読み取る検出器である。
検出コイル部101は、強磁性材層23から発生する磁束の変化を検出するソレノイドコイル101−Aと、その検出データを増幅して出力する増幅器101−Bとを備えている。
励磁コイル部102は、強磁性材層23に交番励磁磁界を印加するソレノイドコイル102−Aと、ソレノイドコイル102−Aに交番励磁磁界を発生させる交番励磁電流を流すアンプ102−Bとを備えている。
表示部104は、検出コイル部101により検出した結果を、制御部103を介して表示する液晶ディスプレイである。
磁気ヘッド100の制御部103は、電源が投入されると、励磁コイル部102のソレノイドコイル102−Aにアンプ102−Bを介して高調波の交番励磁電流を流し、ソレノイドコイル102−Aに保磁力Hc以上の交番励磁磁界を発生させる。続いて、包装箱11の表面に貼付された偽造防止ラベル20の強磁性材層23に磁気ヘッド100を近づけると、保磁力Hc以上の交番励磁磁界により大バルクハウゼン現象を起こし、制御部103は、強磁性材層23から発生する磁束の変化を、検出コイル部101のソレノイドコイル101−Aに検出させる。このとき、磁気ヘッド100を偽造防止ラベル20の全域に移動(矢印B)させることによって、強磁性材層23のパターンに合わせた磁気特性を検出することができる。制御部103は、検出した結果を増幅器101−Bを介して入力し、表示部104に表示する。
(1)偽造防止ラベル20は、基材21の裏面に体積型ホログラム層22と、パターン状に形成された強磁性材層23とが順に設けられているので、体積型ホログラム層22の視認による確認と、強磁性材層23のパターンの形状に応じた磁気の情報による確認とによって、偽造防止ラベル20の真贋判別を実行することができる。また、干渉縞の複製が困難な体積型ホログラム層22を採用し、強磁性材層23をパターン状にすることで偽造防止ラベル20の偽造を困難にすることができる。
(3)強磁性材層23は、アモルファス強磁性材料によって形成されているので、一般の磁性材料が示す磁気特性とは異なるアモルファス強磁性材料固有の磁気特性(大バルクハウゼン効果)を利用することによって、強磁性材層23の真贋判別を容易にするとともに強磁性材層23の偽造を困難にすることができる。
(5)強磁性材層23のパターン形成方法は、体積型ホログラム層22の裏面に水性印刷インキによって除去領域を形成し、その除去領域と体積型ホログラム層22の裏面とに強磁性材層23を形成し、水で洗い流すことによって除去領域の水性印刷インキを除去するので、パターン状の強磁性材層23を有した偽造防止ラベル20を効率よく大量に製作することができる。
図5は、本発明による偽造防止媒体の第2実施形態として偽造防止転写箔を示す模式図であり、図5(a)に平面図を、図5(b)に図5(a)のC−C断面図を示す。ここで、以下の実施形態の説明では、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に統一した符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
偽造防止転写箔20−2は、薬品10の偽造防止及び真贋判定を行うために薬品10の包装箱11の表面に熱転写される転写箔であり、基材21の裏面に剥離層26、体積型ホログラム層22、着色層24−2、強磁性材層23−2及び感熱接着層27を順に積層させている。
感熱接着層27は、強磁性材層23−2の裏面に設けられ、加熱することによって接着力を発生する接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などによって形成される。ここで、強磁性材層23−2はパターン状に形成されているので、感熱接着層27は、強磁性材層23−2のパターン以外の領域では着色層24の裏面に直接形成される。
偽造防止転写箔20−2は、感熱接着層27を備えているので、熱板200を押し付けることによって包装箱11に転写させることができる。
熱板200は、図6(d)に示すように、偽造防止転写箔20−2と接触する面に星型状の凹凸が形成されている。この凹凸の形状によって、熱板200によって押し付けられた偽造防止転写箔20−2は、熱板200の凸部200aによって押し付けられた星型の部位のみ包装箱11に転写される。
偽造防止転写箔20−2は、熱板200に形成された凸部200aに対応した星型の部位のみが、感熱接着層27によって包装箱11に接着されるので、図6(b)に示すように、偽造防止転写箔20−2から基材21を剥離層26との界面で剥離すると(矢印F)、偽造防止転写箔20−2の熱板200の凹部200bに対応する部位のみが基材21とともに偽造防止転写箔20−2から剥がされる。
ここで、基材21を剥離層26との界面で剥離する際に、偽造防止転写箔20−2は、熱板200の凸部200aに対応する位置と凹部200bに対応する位置との間で切断される。この凹凸部間における偽造防止転写箔20−2の切断を容易(箔切れ性を容易)にするために、偽造防止転写箔20−2は、体積型ホログラム層22や強磁性材層23の組成材料に微粒子を添加してもよい。また、図6では、包装箱11が立体形状の形態であるときに偽造防止転写箔20−2の転写作業が実施されたが、包装箱11が折り畳まれた状態又は包装箱11が製作される過程で転写作業を実施してもよい。
(1)偽造防止転写箔20−2は、基材21と体積型ホログラム層22との間に剥離層26を備えているので、基材21から剥離層26を介して剥離された偽造防止転写箔20−2を、薬品10−2の包装箱11に剥離不可能に転写することができ、薬品10−2の模倣品の判別を可能にするとともに、貼り替えなどによる不正も防止することができる。
(3)着色層24−2は、黒色インキによって形成されているので、体積型ホログラム層22の映像を鮮明にすることができる。
図7は、本発明による偽造防止媒体の第3実施形態として商品券に漉き込まれた偽造防止スレッドを示す模式図であり、図7(a)に平面図を、図7(b)に偽造防止スレッドがシート状基材に漉き込まれた状態の模式図を、図7(c)に図7(b)のG−G断面の拡大図を示す。
第3実施形態の偽造防止スレッド20−3は、図7に示すように、基本的な層構成が第1実施形態の偽造防止ラベル20に類似しており、その相違点は、偽造防止スレッド20−3の着色層24の裏面に接着層25を有していない点と、スレッドとしてシート状基材12に漉き込まれている点である。
偽造防止スレッド20−3は、図7(c)に示すように、シート状基材12の製紙時に漉き込まれる帯状のスレッドであり、帯状の長辺部の寸法をシート状基材12の短辺部の寸法としている。また、偽造防止スレッド20−3は、基材21の裏面に体積型ホログラム層22、強磁性材層23及び着色層24を順に積層させている。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)第2実施形態では、熱板200の偽造防止転写箔20−2と接触する面は、星型状の凹凸が形成されていたが、凹凸を全く設けない平面や、バーコードなどを形成する凹凸面を設けてもよい。
(2)第1実施形態や第2実施形態で記載した偽造防止ラベル20及び偽造防止転写箔20−2を、第3実施形態の商品券10−3に適用してもよい。また、第3実施形態の偽造防止ラベル20−3を第1実施形態などの包装箱11に適用することも可能である。
(3)各実施形態では、強磁性材層23の表面又は裏面に着色層24を設けたが、着色層24を設けなくてもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
10−3 商品券
11 包装箱
12 シート状基材
20 偽造防止ラベル
20−2 偽造防止転写箔
20−3 偽造防止スレッド
21 基材
22 体積型ホログラム層
23、23−2 強磁性材層
24、24−2 着色層
25 接着層
26 剥離層
27 感熱接着層
Claims (10)
- 基材と、
前記基材の一方の面側に設けられ、光の干渉によって生じる干渉縞を屈折率の異なる縞として層の厚さ方向に記録している体積型ホログラム層と、
前記体積型ホログラム層の前記基材とは反対の面側に設けられ、強磁性材料によってパターン状に形成される強磁性材層と、
を備える偽造防止媒体。 - 請求項1に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層は、特定の磁化特性を有したアモルファス強磁性材料によって形成されること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層と前記体積型ホログラム層との間に、着色層を備えること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1又は請求項2に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層の前記体積型ホログラム層とは反対の面側に、着色層を備えること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項3又は請求項4に記載の偽造防止媒体において、
前記着色層は、黒色インキによって形成されていること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体において、
前記強磁性材層の前記体積型ホログラム層とは反対の面側に接着層を備えること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項6に記載の偽造防止媒体において、
前記基材と前記体積型ホログラム層との間に剥離層を備えること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項7に記載の偽造防止媒体において、
当該偽造防止媒体は、前記剥離層によって前記基材から剥がされた状態で貼付対象物に前記接着層によって貼付されること、
を特徴とする偽造防止媒体。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の偽造防止媒体と、
前記偽造防止媒体を漉き込んだ状態で形成されるシート状基材と、
を備える偽造防止シート。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の偽造防止媒体の強磁性材層のパターン形成方法であって、
前記強磁性材層を形成する面の前記強磁性材層のパターン以外の領域に、前記強磁性材層を除去可能な除去領域を形成する除去領域形成ステップと、
前記強磁性材層を形成する面の全域に、前記強磁性材層を形成する磁性層形成ステップと、
前記除去領域形成ステップによって形成された前記除去領域から、前記磁性層形成ステップで形成された前記強磁性材層を除去する除去ステップと、
を含む偽造防止媒体の強磁性材層のパターン形成方法。
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