JP4562926B2 - 真正性識別体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録体等に応用し、わざわざ、別体の確認用パターンを用いることなく、真正性の確認が可能な真正性識別体に関するものである。本発明は、情報記録体、特にカードに適用するのに適している。
【0002】
【従来の技術】
情報が記録された情報記録体には、(1)預貯金用カードもしくはクレジットカード等のカード類のように、使用により金銭的な価値を生じるもの、(2)紙幣、証券、商品券のように額面記載の価値を有する金券、(3)株券、抽選券、もしくは馬券等のように、投機的に、もしくはそのほかの因子で決まる価値を有するもの、および(4)パスポート、もしくは身分証明書のように、金銭的価値は直接生じないが、所持する人の資格や行動を保証するもの、等がある。
【0003】
上記のような情報記録体は、直接的、もしくは間接的に、経済的もしくはその他の価値を有しているため、不正な意図でこれらを製造する偽造や、本物や使用済みで廃棄すべきものを利用し、作り変える変造が後を絶たない。
【0004】
偽造・変造の防止策として、紙幣等においては、透かし入りの特殊な用紙を使用し、彫刻凹版と特別に調合されたインキを用いた印刷方式により、精巧な印刷を施すことが行なわれている。また、株券、証券、もしくは商品券についても、汎用の印刷方式を利用するものの、紙幣に準じた印刷が行なわれている。
また、預貯金用カード、もしくはクレジットカード等のカード類については、磁気ストライプ中に、目にみえない電子情報を記録するため、視覚的な要素のみでは偽造をしにくいが、これに加えて、製造の困難性のあるホログラムシール等を貼り、偽造を防止している。
【0005】
このうち、ホログラムシールは、ホログラムの製造が困難性を伴なうため、貼る対象物の真正性を保証する目的でよく用いられている。
しかし、ホログラムシールの原理そのものはよく知られており、製造技術が高度であると言えども、技術の習得により、偽造され得るものであり、ホログラムシールの改良を進める傍ら、さらにホログラムの真正性識別機能を高める努力がなされている。
【0006】
例えば、特開平11−277962号公開公報には、ホログラム形成層と、網点または万線で隠しパターンが構成された隠しパターンが構成された画像形成体が記載されており、確認の手段として、画像形成体とは別体の、網点または万線で構成された確認パターンを重ねることにより、隠しパターンを顕像化することができる。
【0007】
上記公開公報に記載された発明によれば、画像形成体をカード等に貼付け、確認パターンを用いて、真正性の判定を行なうことができるので、単に外観を似せただけの偽造ホログラムをカードに貼る等の偽造を見破ることは容易である。
しかし、カードにくらべれば、確認パターンの重要性は低いものと思われがちであるため、確認パターンが放置中に盗まれ、偽造ホログラム上でも、真正品のホログラムが持つ隠しパターンが現出するような確認パターンを作って使用する不正が生まれる恐れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明においては、上記の従来技術における画像形成体が、別体の確認手段を必要とするため、単に外観のみを真似て偽造したホログラムや、真正品のホログラムが持つ隠しパターンを、偽造したホログラム上でも見えるように作製した確認パターンが出回るのを防止することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決する手段】
上記の従来技術において、画像形成体とは別体であった確認パターンを、カード上で、隠しパターンを有するレリーフホログラムと積層することにより、課題を解決することができた。また、レリーフホログラムに確認パターンを持たせ、別の層に隠しパターンを持たせることによっても、課題を解決することができた。さらに、レリーフホログラムを二つのパターン層で挟み、二つのパターン層の一方に隠しパターン、他方に確認パターンを持たせることによっても、課題を解決することができた。以下、「レリーフホログラム」を「ホログラム」とも称す。
【0010】
第1の発明は、情報記録体の基材上にパターン層、およびレリーフホログラム層が積層されており、前記パターン層および前記レリーフホログラム層のいずれか一方が、網点もしくは万線によって構成された隠しパターンを有しており、かつ他方が、網点もしくは万線によって構成された確認パターンを有している真正性識別体であって、前記隠しパターンは、前記網点もしくは前記万線の規則性のあるパターン要素で構成されたパターン部a領域、前記パターン要素の位相及び/又は大きさが変化したパターン部b領域、および、前記いずれの領域とも異なる背景部領域によって構成され、前記確認パターンは、前記パターン部a領域のパターン要素と同一もしくは前記パターン部a領域のパターン要素を含む規則性のあるパターン要素のみによって構成されることを特徴とする真正性識別体に関するものである。第2の発明は、情報記録体の基材上に第1のパターン層、レリーフホログラム層、および第2のパターン層が順に積層されており、前記第1のパターン層および前記第2のパターン層のいずれか一方が、網点もしくは万線によって構成された隠しパターンを有しており、かつ他方が、網点もしくは万線によって構成された確認パターンを有している真正性識別体であって、前記隠しパターンは、前記網点もしくは前記万線の規則性のあるパターン要素で構成されたパターン部a領域、前記パターン要素の位相及び/又は大きさが変化したパターン部b領域、および、前記いずれの領域とも異なる背景部領域によって構成され、前記確認パターンは、前記パターン部a領域のパターン要素と同一もしくは前記パターン部a領域のパターン要素を含む規則性のあるパターン要素のみによって構成されることを特徴とする真正性識別体に関するものである。第3の発明は、第1または第2の発明において、前記レリーフホログラム層が、前記パターン層上に接着剤層を介して積層されていることを特徴とする真正性識別体に関するものである。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記レリーフホログラム層は、下層側から透明性を有する反射層、およびレリーフホログラムが形成されたホログラム形成層であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の真正性識別体に関するものである。第5の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、前記情報記録体がカードであることを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図を引用しながら本発明を説明する。
図1(a)に示すように、本発明の真正性識別体1は、例えば、基材2上の一部にパターン層3が積層し、パターン層3上に接着剤層4を介してホログラム層5が積層したものである。
この構造において、パターン層3とホログラム層5のいずれか一方が隠しパターンを有しており、また、他方が確認パターンを有している。
また、パターン層3とホログラム層5は互いに入れ替わってもよい。
【0012】
本発明の真正性識別体1は、図1(b)に示すように、基材2上の一部にパターン層3aが積層し、パターン層3上に接着剤層4を介してホログラム層5が積層し、さらにホログラム層5上に先のものとは別のパターン層3bが積層したものであってもよい。区別のため、基材2上のパターン層3aを第1のパターン層、最上層のパターン層3bを第2のパターン層と呼ぶ。
この構造において、第1のパターン層3aと第2のパターン層3bのいずれか一方が隠しパターンを有しており、また、他方が確認パターンを有している。
【0013】
上記の二つの例におけるホログラム層5は、後に説明するが、ホログラムを有する層の一層からなっていてもよいが、図2に示すように、ホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層5aの下層に反射層5bが積層した構造であってもよい。
【0014】
本発明においては、隠しパターンと確認パターンを、一つの真正性識別体上に重ねてあることが特徴で、これら、隠しパターンおよび確認パターンは、いずれも万線、もしくは網点等の規則性のあるパターン要素で構成されたものである。
【0015】
図3(a)は、隠しパターン11を例示する図であって、隠しパターン11は、中央部の横長の長方形のパターン部11a、パターン部11aの四周に接した枠状のパターン部11b、および背景部11cの三つの部分とからなっており、三つの部分のいずれもが万線によって構成されている。これら三つの部分のうち、パターン部11aおよびパターン部11bが、同じ右上がりの万線で構成されたものであり、ただし、両パターン部において、万線どうしが1/2ピッチずれている。残る背景は11cは、右下がりの万線で構成されている。ここで使用されている向き(角度)の異なる二種類の万線どうしは直交するものとする。
なお、万線とは、一定幅wの線が2wのピッチで等間隔に配列した集合体を指す。
【0016】
図3(b)は、図3(a)の隠しパターン11を確認するための確認パターン12を例示するもので、右上がりの万線で構成され、この確認パターン12を構成する万線と、図3(a)を用いて説明した隠しパターン11の中央部およびその周囲を取り巻くパターン部11aおよび11bを構成する万線とはピッチおよび向き(角度)が同一であり、背景部11cを構成する万線とはピッチが同一であるが、向きが互いに直交する。
【0017】
上記の例の隠しパターン11と確認パターン12を重ねた状態を図4に示す。図3(a)に示す隠しパターン11上に、図3(b)に示す確認パターン12を重ねると、確認パターン12を構成する万線が、隠しパターン11の中央部のパターン部11aを構成する万線上にちょうど重なると、図4(a)に示すように、中央部のパターン部11aは、元の万線の状態と同様に見えるが、周囲の枠状のパターン部11b中、線ではない部分を、確認パターン12の万線が埋めるので、結果として、枠状のパターン部11bの部分は、塗りつぶされて見える(図4(a)中、モアレパターン13の符号で示す。)。
【0018】
また、隠しパターン11上に確認パターン12を重ねた上記の状態において、確認パターン12を構成する万線が、隠しパターン11の枠状のパターン部11bを構成する万線上にちょうど重なるような位置関係にすると、図4(b)に示すように、枠状のパターン部11bは、元の万線の状態と同様に見えるが、中央部のパターン部11a中、線ではない部分を、確認パターン12の万線が埋めるので、中央部のパターン部11aの部分は、塗りつぶされて見える(図4(b)中、モアレパターン13の符号で示す。)。
【0019】
隠しパターン11のパターン部11aおよび11b以外の部分、即ち、隠しパターンの背景部11cは、上記のいずれの場合においても、万線どうしが直交している状態が変化しないので、一様に見える。
【0020】
図3(a)において、隠しパターン11は、拡大して図示したために、中央部およびその周囲を取り巻くパターン部11aおよび11bの両パターン部は、あたかも、背景部11cから区別して見えるように感じられるが、実際には、万線の線幅、ピッチが小さく、しかも、両パターン部分11aおよび11bと、背景部11cとは、単位面積中に線の部分が占める割合が等しく(図3(a)の例では、いずれの場所においても50%である。)、濃度差を生じないため、隠しパターン11の肉眼判定は非常に困難である。
【0021】
しかし、上記の例において示すように、隠しパターン11上に確認パターン12を重ねることにより、パターン部分11aおよび11bは、線の部分の割合が、50%か100%のいずれかになるから、背景部の線の割合である75%との差が生じ、視認が可能になる。
【0022】
図5および図6は、隠しパターンおよび確認パターンの別の組み合わせを示す図である。いずれの図においても(a)は隠しパターンを示す図で、いずれも正方形の網点で構成され、隠しパターン自体は図5および図6で共通である。(b)はいずれも確認パターンを示す図であり、(c)は、いずれも、隠しパターン上に、確認パターンを重ねた状態を示す図である。
【0023】
隠しパターン11は、各々は外形が正方形の網点から構成されたもので、縦横の格子線は、各網点の位置が格子状配列から、意図的にずらされていることを示すための補助線であり、格子線どうしは縦横等間隔であり、縦線と横線とは互いに直交している。
【0024】
まず、各網点の左右方向(一般的なグラフで言えば、x軸方向)の配置については、隠しパターン11の、最も左の列(第1列とする。)の網点は、いずれも各格子点の右上に、網点の左辺と下辺とが格子線に接して配置されている。また、最も上の行(第1行とする。)と最下行の網点は各格子に網点の左辺が接するように配置されている。
そのほかの各網点は、左右方向については、格子間の中央にある、ただし、第4列および第5列の第4行および第5行の四つの網点の左辺は、格子線に接している。
また、各網点は、第1列の網点を除き、後列に行くほど、上側(グラフで言えば、y軸の正方向側)に少しずつずれて配置され、この結果、最後列である8列目の網点は、y軸方向については、格子間の中央に配置されている。
【0025】
上記の隠しパターン11を確認し得る確認パターン12は、図5(a)に示す隠しパターン用としては、各線がx軸方向を向いて配列したもの(図5(b))、もしくは各線がy軸方向を向いて配列したもの(図6(b))であり、両者は互いに他を90°回転した関係にある。
いずれの確認パターンも万線で構成され、万線の線の幅は、隠しパターンの網点の一辺と等しくなるよう形成されている。
【0026】
まず、図5(a)で示す隠しパターン11上に、図5(b)で示す確認パターン12を重ねる。ここでは、隠しパターン11の格子線のうちの横線に確認パターン12を構成する万線の各線の下辺が接するように重ねるものとする。
こうすることにより、第1列の網点は、万線によって覆われるために見えなくなるが、第2列以降の列の網点は、配置されている位置の格子からの変位に基づき、後列にいくほど、次第に万線の各線よりはみ出して見えるようになり、全体としては、右側に行くほど濃度が濃くなる、グラデーションを有する視覚パターンを与える。
【0027】
また、図6(a)で示す隠しパターン11上に、図6(b)で示す確認パターン12を重ねる。ここでは、隠しパターン11の格子線のうちの縦線に確認パターン12を構成する万線の各線の左辺が接するように重ねるものとする。
こうすることにより、格子線に接して配置されていた第1列の網点、第1行および最下行の網点、並びに第4列および第5列の第4行および第5行の四つの網点は、万線によって覆われるために見えなくなるが、そのほかの網点は配置されている位置の格子から、いずれも同じだけ右側にずれているので、網点の右側半分が万線の各線よりはみ出して見えるようになり、全体としては、ほぼ枠状の外形を有する視覚パターンを与える。
【0028】
以上の例では、万線により構成された隠しパターンと万線により構成された確認パターン、および、網点により構成された隠しパターンと万線により構成された確認パターンの組み合わせを説明したが、これら以外の、網点により構成された隠しパターンと網点により構成された確認パターン、および、万線により構成された隠しパターンと網点により構成された確認パターンの組み合わせも可能である。
【0029】
また、図を引用して説明した例では、万線どうし、網点と万線の重ね合わせにおいては、ほぼ平行な重なりにより、干渉を起こさせて、隠しパターンを見えるようにしたが、平行でなくても、比較的平行に近い小さい角度、例えば20°以下、もしくは15°以下の角度で交差させて重ねてもよい。
いずれの場合においても、網点もしくは万線がぴったり重なるか、上に重なった物のほうが大きい場合には、下になった方は、上からは全く見えないが、下になる方が、上になる物からはみ出して居る場合には、その部分が視覚的に強め合う干渉効果が生じる。即ち、本発明における、網点もしくは万線によって構成された隠しパターンは、網点もしくは万線によって構成された確認パターンと干渉しあうものである。なお、干渉により見えるパターンをしばしばモアレパターンと呼ぶので、この明細書においては、確認パターンにより見える状態となった視覚パターンをモアレパターンとも呼ぶ。
【0030】
さらに、ここで言う網点は、四角形や円形等の通常の網点形状以外の形状、例えば、記号や文字等の形状で構成されていてもよい。また、網点は直線上に配列したものでも、もしくは曲線やサインカーブのような波線上に配列したものであってもよく、万線も直線状のものでも、曲線やサインカーブのような波線状のものであってもよい。
なお、線幅に対して数倍以上の長さを有する形状のものは網点とも、万線ともつかないが、いずれであるかは別として、本発明における「網点もしくは万線によって構成された」の範囲に含めるものとする。
加えて、隠しパターン、および確認パターンを構成する網点もしくは万線は、一定なものでなくても、隠しパターン、および確認パターンの両方において、互いに同調しながら変化したものであってもよい。
【0031】
以上においては、一つの層には隠しパターン、もしくは確認パターンのいずれか一方のみが形成されていることを前提に説明したが、一つの層に隠しパターンと確認パターンの両方を形成することもできる。例えば、二層の一方の層においては、右半分に隠しパターンを形成し、左半分には確認パターンを形成しておき、他方の層には、右半分に確認パターン、左半分に隠しパターンを形成しておけば、二層が重なって、左右いずれにおいても真正性識別が可能になる。
このように、一つの層に隠しパターン、および確認パターンを混在させたものを三層以上組み合わせてもよい。また、三層以上の場合には、例えばA層、B層、およびC層の三層が関わるとして、右半分については、A層とB層とで真正性識別が行なえ、左半分については、B層とC層とで真正性識別が行なえるようにしてもよい。
【0032】
本発明の真正性識別体1の構造は、図1を引用して説明した構造において、隠しパターンの形成位置と確認パターンの形成位置とを相互に入れ替えることができるので、種々の組み合わせがあり得る。
なお、隠しパターンをパターン部が有しているよりも、ホログラム部が有している方が、セキュリティ性(=偽造防止性)、および意匠性が優れており、確認パターンについても同様であるが、製造工程の複雑さから高価格になりやすい。また、モアレパターンの視認性(コントラスト)については、隠しパターンが印刷等で形成された場合の方が優れ、また、確認パターンに関しても、印刷等で形成された場合の方が優れている。
そこで、各パターンの形成位置は別にして、真正性識別体1の構造と、パターンの形成方法について、次に説明する。
【0033】
基材2は、クレジットカード等のカードであればプラスチックシートであり、金券や身分証明書であれば、紙であることが多い。
これらを含め、基材2の素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、もしくはポリオレフィンビニルアルコールなどの樹脂のほか、アルミニウム、銅などの金属、紙、そして、樹脂またはラテックス等の含浸紙などの単独、或いは複合体シートなどを用いることができる。
耐熱性が要求される場合、基材2の素材として、非晶質ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のブレンド樹脂等のシートも用いることができる。
【0034】
基材2の厚さは、材質によっても異なるが、通常、10μm〜5mm程度の範囲である。特に磁気カードの場合、基材シートをISO規格に準拠したものとする場合には、その厚さは0.76mmである。そして、基材2をポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVC)で形成する場合、通常、厚さ280μmの白色PVCシートをコアシートとして、これを2枚重ね、その両側にそれぞれ厚さ100μmの透明PVCシートをオーバーシートとして重ねて、熱プレスなどにより積層する4層構成の基材(合計厚さ0.76mm)が用いられている。
【0035】
ホログラム層5は、広義には、合成樹脂の層に光回折構造が形成された層であり、光回折構造の代表的なものがホログラムである。具体例としては、レリーフホログラム、フルネルホログラム、フラウンホーファホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、レーザー再生ホログラム(イメージホログラムなど)、白色光再生ホログラム(レインボーホログラムなど)、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子などが挙げられる。また、ホログラム的な記録方法を用いたもの以外に、機械的な切削によっても、または、電子線もしくはレーザー光により回折格子を直接形成してもよい。
【0036】
ホログラム層5を構成する合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレートなどの熱硬化性樹脂をそれぞれ単独、或いは上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合して使用することができ、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、或いは、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用することができる。このほか、銀塩、重クロム酸ゼラチン、サーモプラスチック、ジアゾ系感光材料、フォトレジスト、強誘電体、フォトクロミックス材料、サーモクロミックス材料、カルコゲンガラスなどの感光材料なども使用できる。
なお、ホログラム層5を層の強度の弱いもので構成することにより、ホログラム層5を剥がそうとすれば、破壊されるようにすると、ホログラム層のみを取出して、他に転用することが不可能になる効果がある。
【0037】
上記の樹脂の層へのホログラムの形成は、上記の材料を用いて、従来既知の方法によって形成することができる。ホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。また、フォトポリマーを用いる場合は、フォトポリマー層上に、前記原版を重ねてレーザー光を照射することにより複製することができる。
上記において、ホログラムを形成する樹脂層もしくはフォトポリマー層は、それらの層形成のために透明基材フィルムもしくはシートで裏打ちされていてもよい。
【0038】
このように、表面凹凸のレリーフとして、干渉縞をホログラム層5の表面に記録する方法は、量産性があり、コストも低くできる点で特に好ましい。このようなホログラム層5の膜厚は0.1〜6μmの範囲が好ましく、1〜4μmの範囲が更に好ましい。
【0039】
上記のようにホログラム層5の表面に凹凸のレリーフとして干渉縞を記録した場合には、その回折効率を高めるために、図2を引用して説明したように、反射層5bをレリーフ面に形成することが好ましい。この場合、反射層5bを積層した積層構造全体が、ホログラム層5と置き換わるので、このような積層構造中では、反射層5bと積層される部分をホログラム形成層5aと呼ぶことにする。
【0040】
反射層5bとしては、光を反射するアルミニウム等の金属薄膜をレリーフ面に形成する。金属薄膜としては、アルミニウムの他、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Ge、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、TI、Fe、Te、Zn、In、Ga、もしくはRb等の金属、酸化物、窒化物もしくは、これらの金属の組み合わせからなる合金を使用して形成する。これらのうちでは、Al、Cr、Ni、Ag、もしくはAu等が特に好ましい。
【0041】
金属薄膜からなる反射層5bの形成は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法によって行なう。
反射層5bの厚みとしては、色調、デザイン、用途等に応じて適切な条件を設定すればよいが、一般的には、50Å〜1μmの範囲が好ましく、更には100〜1000Åがより好ましい。反射層5bの透明性を確保する意味では、膜厚を200Å以下にするのが好ましい。また、隠蔽性を有する反射層5bを設けたい場合は、膜厚を200Å以上にするのが望ましい。薄膜は、上記のように、転写箔の用途、トータルデザインを考慮し、色調、隠蔽性あるいは透明性等の必要に応じて設定することができる。
【0042】
反射層5bの材質としては、ホログラム形成層5aとは屈折率の異なる物質の連続薄膜も挙げられる。連続薄膜の膜厚は、薄膜を形成する材料の透明領域であればよいが、通常は100〜1000Åが好ましい。連続薄膜をレリーフ面に形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法が挙げられる。連続薄膜は、その屈折率が光回折構造層より大きくても小さくてもよいが、屈折率の差が0.3以上あることが好ましく、差が0.5以上、更には1.0以上あることがより好ましい。
【0043】
ホログラム形成層5aより屈折率が大きい連続薄膜としては、ZnS、TiO2、Al23 、Sb23 、SiO、TiO、SiO2 などが挙げられる。ホログラム形成層5bより屈折率が小さい連続薄膜としては、LiF、MgF2 、AlF3 などが挙げられる。また、厚さが200Å以下の場合には、光の透過率が比較的小さいため、透明でありながら反射性層5bとして使用することができる。更に、ホログラム形成層5aとは屈折率の異なる透明な合成樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレートの層を反射層5bに用いることもできる。
ホログラム層が隠しパターン、もしくは確認パターンのうち一方を有し、かつ、その下面側に隠しパターン、もしくは確認パターンの他方が無い場合には、反射層の透明性は必ずしも要しないが、ホログラム層の下面側に、隠しパターン、もしくは確認パターンの他方を有する場合には、反射層は透明性を有するものであることが望ましい。
【0044】
ホログラム層5は、図1に示すように、基材2上のパターン層3上に、もしくは、図2に示すように、基材2上の第1のパターン層3a上に、いずれにおいても接着剤層4を介して積層されることが好ましい。
接着剤層4は、次のような粘着剤もしくは接着剤により構成され、厚みとしては、3μm〜20μmである。
【0045】
粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等が例示され、また、α−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系、シリコーン系等の接着剤等が挙げられる。
【0046】
また、上記以外に、ヒートシール剤も加熱時に粘着性を呈するので、使用することができる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、又はフェノール樹脂が使用できる。
あるいは、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト性樹脂等を使用してもよい。
【0047】
本発明における、隠しパターン、もしくは確認パターンの形成方法は次の通りである。
即ち、ホログラム層5には、ホログラム形成の途中で光学的な手段によって、隠しパターン、もしくは確認パターンが形成される。
また、基材2上、もしくはホログラム層上には、印刷等の手段により、隠しパターン、もしくは確認パターンが形成される。
【0048】
ホログラム層に光学的な手段によって、隠しパターン、もしくは確認パターンを形成するには、ホログラム形成のための干渉露光に先立って、もしくは干渉露光後に、隠しパターン、もしくは確認パターンを形成したフィルムを用いて、ホログラム層を構成するための紫外線硬化性樹脂等の層に露光を行なうことにより、行なうことができる。
なお、干渉露光を上記フィルムを介して行ない、隠しパターン、もしくは確認パターンの形成を兼ねて行なうことができる。
【0049】
隠しパターン、もしくは確認パターンを形成したフィルムを用いて、ホログラム層を構成するための紫外線硬化性樹脂層に行なう露光を、電子線硬化性樹脂層に対する電子線を用いる描画によって行なうこともできる。
この場合、隠しパターン、もしくは確認パターンに関する描画用情報と、ホログラムに関する描画用情報とを合成した合成描画情報に基づいて露光することにより、隠しパターン、もしくは確認パターンと、ホログラムとを同時に形成することができる。
【0050】
上記のように、紫外線もしくは電子線を用いて形成された、隠しパターン、もしくは確認パターンを有するホログラムは、ホログラムの干渉縞が、表面凹凸のレリーフで形成されている場合には、その凹凸形状を他の樹脂板や金属板の表面に写し取って、複製用の型を作製し、得られた複製用の型を利用する複製を行なって、隠しパターン、もしくは確認パターンを有するホログラムを得ることができる。電子線を利用する場合には、レジストで被覆した金属板を使用して、直接、ホログラム複製用の型を製造することができる。
【0051】
基材2上、もしくはホログラム層5上(ホログラム形成層5a上も含む。)に隠しパターン、もしくは確認パターンを形成するには、印刷等の手段、具体的には、印刷もしくは印刷類似の手段、即ち、凸版印刷、平版オフセット印刷、グラビア印刷、もしくはスクリーン印刷等の通常の印刷方式、もしくは、電子写真、インキジェット等の印刷類似の方式を用いることができる。また、サーマルヘッド等の熱印字手段による転写等も後者の範囲の一つとして利用できる。
図1(b)を引用して説明した真正性識別体1、および図8を引用して後に説明する真正性識別体1においては、隠しパターンと確認パターンをいずれも印刷等により形成し得るので、両パターンの干渉が明瞭で、モアレパターンが見えやすい利点がある。
また、印刷によるパターンの形成は、ホログラム層へのパターンの形成の際のように、対象となる層が固定されないから、適宜に層が追加されても、それら追加された層の表裏のいずれも印刷対象となり得るので、必ずしも、ホログラム層5の上面、もしくは下面に直接、パターンを形成しなくてもよい。
【0052】
上記の印刷もしくは印刷類似の手段を用いるときは、インキもしくはトナーの選択により、隠しパターン、もしくは確認パターンを自由な色彩により形成することができる。色彩の制限は特に無いが、コントラストの高いパターンを形成した方が、隠しパターンの確認がしやすいので、その意味では濃度が高い、特に黒色が適しているが、隠しパターン、もしくは確認パターンをホログラム層上(ホログラム形成層5a上も含む。)に形成するときは、ホログラム自体が暗く見えるので、ホログラムの視認性を考慮して、濃度を下げて、隠しパターン、もしくは確認パターンを形成することが好ましい。
【0053】
以上の説明においては、図1〜図3を引用して説明した真正性識別体1の構造に即して、隠しパターンもしくは確認パターンの形成方法について説明したが、本発明の真正性識別体1には、上記した以外の層も付加されることがあり得るので、そのような構造、およびそのような場合における、隠しパターンもしくは確認パターンの形成について述べる。
【0054】
図7は、図1を引用して説明した真正性識別体のホログラム層5上に、剥離層6を積層した構造を有している。
図7に示す構造の真正性識別体1は、下面が剥離性のフィルムの下面に、フィルム側から剥離層6、ホログラム層5、および接着剤層3からなる転写層を剥離可能に積層したホログラム転写シートを用いて、基材2上のパターン層3上に転写を行なってフィルムを除去し、製造する場合に得られる積層構造である。なお、図7中、および上記の説明中のホログラム転写シートにおいて、ホログラム層5は、図2を引用して説明した、下層側から反射層5およびホログラム形成層5aからなる積層構造で置き換わったものであってもよい。
上記のような、剥離層6が最上面に積層された真正性識別体1への隠しパターン、および確認パターンを形成する位置は、図1(a)を引用して説明した場合と同じで、ホログラム層5または基材2上である。
【0055】
図8は、図1(b)を引用して説明した真正性識別体のホログラム層5と第2のパターン層3bとの間に、透明基材フィルム7が積層した構造を有している。
図8に示す構造の真正性識別体1は、透明基材フィルム7の下面に、ホログラム層5、および接着剤層3を順に積層したホログラムラベルを基材2上の第1のパターン層3a上に積層して製造する場合に得られる積層構造である。
なお、図8中、および上記の説明中のホログラムラベルにおいて、ホログラム層5は、図1(b)を引用して説明した、下層側から反射層5およびホログラム形成層5aからなる積層構造で置き換わったものであってもよい。
上記のような、透明基材フィルム7がホログラム層5と第2のパターン層3bとの間に積層された真正性識別体1に対しては、第1のパターン層3aおよび第2のパターン層3bの、いずれかに隠しパターン、他方に確認パターンを形成する。
【0056】
上記において、透明基材フィルム7としては、ホログラムラベルを製造する際に、積層する各層を順次コーティング等により積層する際に必要な耐熱性、耐溶剤性、また、形成されたホログラムラベルをカード基材等の被着体上に転写する場合には、その耐熱性が必要であり、これらの性能を備えたプラスチックフィルム、例えば2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単に、PETフィルムと表示する)などを使用することができる。ホログラム転写シートを製造する上でも、また、製造済みのホログラム転写シートを確認する上でも、透明基材フィルム7は透明であることが好ましい。
PETフィルムを使用する場合、その厚さは、5〜250μmのものが好ましく、加工適性や引張強度、熱転写の際の熱効率などを考慮すると10〜50μmのものが更に好ましい。
なお、透明基材フィルム7の素材は、図7を引用した説明の際に述べたホログラム転写シートの基材であるフィルムとしても使用できる。
【0057】
また、上記における剥離層6は、ホログラム転写シートの転写層をフィルムと適度に接着させ、転写時には円滑な剥離を可能にするものである。
剥離層6は、例えば、ポリエステル樹脂等のフィルム状基材10との接着性がある樹脂中にワックス、もしくはシリコーン樹脂等を添加したものである。
具体的には、剥離層14は、アクリル樹脂等のアクリル骨格樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロースと熱硬化型アクリル樹脂の混合物、メラミン樹脂、もしくはニトロセルロース樹脂等から選ばれた樹脂と、必要に応じ、ポリエチレンワックス、ワックス、もしくはシリコーン樹脂等を添加剤として配合した樹脂組成物から構成される。剥離力の調製、特に、剥離力を増加させるために、ポリエステル樹脂を上記樹脂に添加することができる。
これらの樹脂、添加剤は適宜な溶剤と共に溶解、もしくは分散して剥離層形成用インキ組成物ないし塗料組成物としてものを、公知の印刷手段、もしくは塗布手段で適用し、乾燥、固化することもより、剥離層6を形成することができ、乾燥時の厚みとしては、0.1〜10μmである。
【0058】
図9は、本発明の真正性識別体1を商品券に適用した例であって、図9(a)に示すように、紙等の基材2上に、通常の印刷8と、確認パターン12の印刷が施されており、確認パターン12上に、図9(b)に示すように、確認パターン12と同じ外形で、隠しパターンを有するホログラムが設けられたことにより、「壱千円」の額面表示がモアレパターン13として現われるものである。
隠しパターンと確認パターンは相互に入れ替えても、同様に、「壱千円」の額面表示がモアレパターン13として現われる。
【0059】
本発明の真正性識別体1の基材2は、素材的には、前に述べた通りであるが、これら基材2は、種々の情報記録体の基材である。
例えば、基材2は、ID(本人確認)用のカードの基材であってよい。ID用のカードは、具体的には、銀行等の預貯金カード、クレジットカード、身分証明書(学生証、もしくは社員証)、カード形式ではないが、ID用である受験票、パスポート等であり得る。これらの基材には、いわゆるID情報が公知の種々の手段により記録されている。
【0060】
また、本発明の真正性識別体1の基材2は、紙幣、商品券、株券、もしくは証券等の基材で有り得る。これらの基材には金額もしくはそれに類した口数等の情報が記録されている。
さらに、本発明の真正性識別体1の基材2は、運転免許証、カード型の証書、例えば、防火、消毒もしくは防火等の保安、衛生上の資格、もしくは等級を示すもの等の基材であり得る。これらの基材には、それぞれが保証するか、もしくは証明する内容の情報が記録されている。
宝くじ、競馬・競輪等の勝馬投票券・車券等の基材も、本発明の真正性識別体1の基材2で有り得る。これらの基材には、抽選の対象となる番号等の情報が記録されている。
いずれの情報も、不正な意図で偽造されると経済的な損害や混乱を招く重要なものである。
以上に挙げた情報記録体は、いずれもが印刷物でもあるから、本発明の真正性識別体1は印刷物の基材上に、言い換えれば印刷基材上に構成したものとも言える。
【0061】
本発明の真正性識別体1の基材2は、上記のものに加えて、高級腕時計、宝飾品、貴金属、もしくは骨董品等の高額商品、いわゆるブランド品といわれる世界的に著名な高級商品、もしくはそれらを収納する箱、ケース、もしくは袋等の包装容器であってもよく、あるいはまた、磁気的記録媒体、もしくは光学的記録媒体等の媒体に、音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等のソフトウェアを記憶させた複製物そのもの、それらを収納する箱、もしくはケース等の包装容器であってもよい。
これらは、価格が高いために、不正な意図での模倣品や複製品がつくられやすい性質のものである。
【0062】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、情報記録体の基材上のパターン層およびレリーフホログラム層のいずれかに隠しパターン、他方に確認パターンを有するので、別体の確認具を用いることなく、隠しパターンおよび確認パターンが重なって生じる視覚パターンを確認することができるので、従来、隠しパターンと確認パターンが別体上にあったときのように、各々を作り変えて、本物を装うことが不可能であり、重なって生じる視覚パターン通りのパターンを複製することは、はなはだ困難で偽造防止効果の高い真正性識別体を提供できる。請求項2の発明によれば、基材上に、レリーフホログラムをはさんで、隠しパターンおよび確認パターンを有しているので、請求項1の発明と同等な効果に加え、生じるモアレパターンが見えやすい真正性識別体を提供できる。請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、レリーフホログラム層が接着剤層を介してパターン層に積層されているので、レリーフホログラム層のみを剥がし取る等の不正な作業がむずかしい真正性識別体を提供できる。請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3いずれかの発明の効果に加え、レリーフホログラム層が下面側が反射層で裏打されたレリーフホログラム形成層で構成されているので、レリーフホログラムの視認性が優れた真正性識別体を提供できる。請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項4いずれかの発明の効果を発揮し得るカード体裁の真正性識別体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真正性識別体の基本的な構造を示す図である。
【図2】ホログラム層の構造を示す図である。
【図3】万線で構成された隠しパターンと確認パターンを示す図である。
【図4】隠しパターンと確認パターンが重ねって生じたモアレパターンの図である。
【図5】網点、万線で構成された隠しパターン、および確認パターン、並びにモアレパターンの図である。
【図6】万線で構成された確認パターンの方向を変えた例を示す図である。
【図7】剥離層を有する真正性識別体の構造を示す図である。
【図8】透明基材フィルムを有する真正性識別体の構造を示す図である。
【図9】本発明の真正性識別体を商品券に応用した例を示す図である。
【符号の説明】
1 真正性識別体
2 基材
3 パターン層(3a;第1のパターン層、3b;第2のパターン層)
4 接着剤層
5 ホログラム層(5a;ホログラム形成層、5b;反射層)
6 剥離層
7 透明基材フィルム
8 印刷
11 隠しパターン
12 確認パターン
13 モアレパターン

Claims (5)

  1. 情報記録体の基材上にパターン層、およびレリーフホログラム層が積層されており、前記パターン層および前記レリーフホログラム層のいずれか一方が、網点もしくは万線によって構成された隠しパターンを有しており、かつ他方が、網点もしくは万線によって構成された確認パターンを有している真正性識別体であって、
    前記隠しパターンは、前記網点もしくは前記万線の規則性のあるパターン要素で構成されたパターン部a領域、前記パターン要素の位相及び/又は大きさが変化したパターン部b領域、および、前記いずれの領域とも異なる背景部領域によって構成され、
    前記確認パターンは、前記パターン部a領域のパターン要素と同一もしくは前記パターン部a領域のパターン要素を含む規則性のあるパターン要素のみによって構成される
    ことを特徴とする真正性識別体。
  2. 情報記録体の基材上に第1のパターン層、レリーフホログラム層、および第2のパターン層が順に積層されており、前記第1のパターン層および前記第2のパターン層のいずれか一方が、網点もしくは万線によって構成された隠しパターンを有しており、かつ他方が、網点もしくは万線によって構成された確認パターンを有している真正性識別体であって、
    前記隠しパターンは、前記網点もしくは前記万線の規則性のあるパターン要素で構成されたパターン部a領域、前記パターン要素の位相及び/又は大きさが変化したパターン部b領域、および、前記いずれの領域とも異なる背景部領域によって構成され、
    前記確認パターンは、前記パターン部a領域のパターン要素と同一もしくは前記パターン部a領域のパターン要素を含む規則性のあるパターン要素のみによって構成される
    ことを特徴とする真正性識別体。
  3. 前記レリーフホログラム層が、前記パターン層上に接着剤層を介して積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の真正性識別体。
  4. 前記レリーフホログラム層は、下層側から透明性を有する反射層、およびレリーフホログラムが形成されたレリーフホログラム形成層であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の真正性識別体。
  5. 前記情報記録体がカードであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の真正性識別体。
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