JPH07285286A - 偽造防止媒体、その製造方法および偽造防止方法 - Google Patents

偽造防止媒体、その製造方法および偽造防止方法

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JPH07285286A
JPH07285286A JP6103342A JP10334294A JPH07285286A JP H07285286 A JPH07285286 A JP H07285286A JP 6103342 A JP6103342 A JP 6103342A JP 10334294 A JP10334294 A JP 10334294A JP H07285286 A JPH07285286 A JP H07285286A
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JP
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layer
light
diffraction pattern
counterfeit medium
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JP6103342A
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English (en)
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Katsunori Hori
桂典 堀
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 媒体の情報が読みにくくなることなく、か
つ、複写物であることを確実に判別することができる偽
造防止媒体、その製造方法および偽造防止方法を提供す
ること。 【構成】 金券31は、基材32と、基材32上に設け
られた共通情報層33と、金券31の金額が表示される
領域全面に設けられた回折格子またはホログラムからな
る光回折パターン情報層34と、金券31の金額が表示
される領域に熱溶融転写方式、熱昇華転写方式などによ
り、または、加熱した部分の反射層を破壊するか、加熱
した部分の樹脂層の凹凸形状を破壊して、設けられた価
値情報35とから構成されている。このような記録方式
によって金額表示35を記録すれば、光回折パターン情
報層34の破壊を伴わずに金額表示35を書き換えるこ
とが実質的に不可能となり、金券31の改ざん防止には
最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金券,有価証券その
他の書類などの偽造を防止する偽造防止媒体と、偽造防
止媒体の製造方法および偽造防止方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、複写装置のカラー複写化等により
複写性能がめざましく向上してきている。複写物は、高
品質となり、被複写物の原本と比較してほとんど目視で
は判別することができない程度になっている。これに伴
い、紙幣,金券等が複写され、不正に使用されることが
増加している。このような偽造を防止するために、従来
より種々の偽造防止媒体が提案されている。
【0003】例えば第1の例として、特開昭56−10
493号公報により開示されたものがある。これは、基
材に記録された表示層の上層にガラスビーズ層を形成し
たものであり、ガラスビーズ層の各ガラスビーズの中心
部を通過する光のみを直進させ、その他の周辺部を通過
する光を屈折させるようにすることにより、表示層を肉
眼では読むことができるが、複写機では複写することが
できないようにしている。
【0004】第2の例として、実開昭58−13867
0号公報により開示されたもののように、書類の情報層
上にハーフ蒸着のシールを貼着したものがある。また、
第3の例として、特開昭60−13498号公報により
開示されたもののように、情報層上に虹彩層を設けたも
のがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の例にお
いては、各ガラスビーズの中心部を通過する光のみを直
進させているので、その下層に位置する表示層の文字等
は読むことができても、ガラスビーズの周辺部の下層に
位置する表示層の文字等が読みにくくなるという問題が
あった。
【0006】第2の例においては、ハーフ蒸着を施した
ために表面が金属色を呈し、情報層の文字等が読みにく
くなるという問題があった。また、第3の例において
は、虹彩層により情報層の反射光を弱めて複写物の文字
等をぼやかす程度であるので、明白に複写物であると判
断することができないという問題があった。
【0007】本発明は、上述のような課題を解消するた
めになされたものであって、媒体の情報が読みにくくな
ることなく、かつ、複写物であることを確実に判別する
ことができる偽造防止媒体、その製造方法および偽造防
止方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明による偽造防止媒体の第1の解決手段は、基
材と、前記基材上に形成され、文字,図形,記号,模
様,絵柄若しくはこれらの結合またはこれらと色彩との
結合による所定の情報を表示するホログラムまたは回折
格子からなる光回折パターン情報層とを備える偽造防止
媒体であって、前記光回折パターン情報層は、凹凸形状
にホログラムまたは回折格子が形成されている樹脂層
と、前記樹脂層の凹凸形状に形成された反射層とからな
ることを特徴とする。
【0009】偽造防止媒体の第2の解決手段は、前記所
定の情報が、偽造防止媒体の有する価値の情報であるこ
とを特徴とする。
【0010】偽造防止媒体の第3の解決手段は、前記光
回折パターン情報層上に、偽造防止媒体の有する価値を
具現する価値表示層が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】偽造防止媒体の第4の解決手段は、前記光
回折パターン情報層の近傍に、偽造防止媒体の有する価
値を具現する価値表示層が形成されていることを特徴と
する。
【0012】偽造防止媒体の第5の解決手段は、偽造防
止媒体が金券類であり、前記所定の情報が金額であるこ
とを特徴とする。
【0013】偽造防止媒体の第6の解決手段は、偽造防
止媒体が金券類であり、前記価値表示層の表示する情報
が金額であることを特徴とする。
【0014】偽造防止媒体の第7の解決手段は、前記ホ
ログラムまたは回折格子は、複数の領域に分割されてお
り、前記分割された複数の領域は、隣合う領域が異なる
光の回折方向を有するホログラムまたは回折格子から構
成されていることを特徴とする。
【0015】偽造防止媒体の第8の解決手段は、前記ホ
ログラムまたは回折格子は、複数の領域に分割されてお
り、前記分割された複数の領域は、隣合う領域が異なる
表面凹凸の粗密度を有するホログラムまたは回折格子か
ら構成されていることを特徴とする。
【0016】偽造防止媒体の製造方法の解決手段は、基
材フィルムと、前記基材フィルムの上層に設けられ、ホ
ログラムまたは回折格子からなる光回折パターン形成層
と、光回折パターン形成層の上層に設けられた接着層と
を備える転写シートを用意し、前記転写シートを前記基
材に加熱圧接することにより、前記光回折パターン情報
層からなる文字,図形,記号,模様,絵柄若しくはこら
れの結合またはこれらと色彩との結合による所定の情報
を前記基材上に転写することを特徴とする。シートを用
いた偽造防止媒体の製造方法。
【0017】偽造防止方法の解決手段は、複写装置によ
る情報の画像の複写を防止する偽造防止方法であって、
文字,図形,記号,模様,絵柄若しくはこれらの結合ま
たはこれらと色彩との結合による所定の情報を、凹凸形
状にホログラムまたは回折格子が形成されている樹脂層
と、前記樹脂層の凹凸形状に形成された反射層とからな
る光回折パターン情報層を含む層により表示し、前記光
回折パターン情報層の回折光の一部を前記複写装置の受
光部に受光させ、前記情報の黙視画像とは異なる画像を
複写させることにより偽造を防止することを特徴とす
る。
【0018】
【作用】偽造防止媒体の第1の解決手段においては、所
定の情報は、ホログラムまたは回折格子からなる光回折
パターン情報層により目視可能に表示される。この情報
に光が照射されると、ホログラムまたは回折格子により
光が回折されるので、複写装置により光回折パターン情
報層のそのままの画像を複写することができない。従っ
て、判読が可能であり、かつセキュリティ性の高い情報
を媒体に表示することができる。
【0019】偽造防止媒体の第2の解決手段において
は、光回折パターン情報層による所定の情報が、偽造防
止媒体の有する価値の情報であるため、光回折パターン
情報層自体をかえないと価値の情報を書き換えることが
できないので、よりセキュリティ性の高い情報を媒体に
表示することができる。
【0020】偽造防止媒体の第3の解決手段において
は、前記光回折パターン情報層上に、偽造防止媒体の有
する価値を具現する価値表示層が形成されているため、
光回折パターン情報層に損傷を与えずに価値表示層を書
き換えることができないので、よりセキュリティ性の高
い情報を媒体に表示することができる。
【0021】偽造防止媒体の第4の解決手段において
は、前記光回折パターン情報層の近傍に、偽造防止媒体
の有する価値を具現する価値表示層が形成されているた
め、光回折パターン情報層に損傷を与えずに価値表示層
を書き換えることが困難なので、よりセキュリティ性の
高い情報を媒体に表示することができる。特徴とする。
【0022】偽造防止媒体の第5の解決手段において
は、偽造防止媒体が金券類であり、前記所定の情報が金
額であるため、判読が可能であり、かつセキュリティ性
の高い情報を金券類に金額を表示することができる。
【0023】偽造防止媒体の第6の解決手段において
は、偽造防止媒体が金券類であり、前記価値表示層の表
示する情報が金額であるため、判読が可能であり、かつ
セキュリティ性の高い情報を金券類に金額を表示するこ
とができる。
【0024】偽造防止媒体の第7の解決手段において
は、所定の情報は、複数の光の回折方向を有する複数の
ホログラムまたは回折格子から構成された光回折パター
ン情報層により表示されるため、光を複数の異なる方向
に回折させることができる情報を形成することができ
る。
【0025】偽造防止媒体の第8の解決手段において
は、所定の情報は、複数の表面凹凸の粗密度を有する複
数のホログラムまたは回折格子から構成された光回折パ
ターン情報層により表示されるので、光量の異なる複数
の反射光を発生させることができる情報を形成すること
ができる。
【0026】偽造防止媒体の製造方法の解決手段におい
ては、転写シートにより所定の情報を前記基材上に転写
するため、セキュリティ性の高い情報の複製を大量に行
うことができ、製造コストの安価な偽造防止媒体を製造
することができる。
【0027】偽造防止方法の解決手段においては、所定
の情報を有し、樹脂層と反射層とからなる光回折パター
ン情報層により、複写装置の照明光が異なる方向または
異なる光量で反射回折され、複写装置の受光部は、情報
の画像とともに光回折パターン形成層により反射回折さ
れた照明光を受光するので、情報の目視画像とは異なる
が画像が複写される。従って、複写物の画像と前記情報
の目視画像との差異を画然とさせることができる。
【0028】
【実施例】以下、図面等を参照して、本発明による偽造
防止媒体とその製造方法および偽造防止方法の実施例に
ついて説明する。図1は、本発明による偽造防止媒体を
適用した金券類の一実施例の構成を示す平面図である。
図1に示すように金券1は、基材2と、基材2上に設け
られた共通情報層3と、光回折パターン情報層4(4A
〜4E)とから構成されている。
【0029】基材2は、紙材またはポリエチレンテレフ
タレート等のプラスチック部材から構成されている。ま
た、基材2の表面は、後述する光回折パターン情報層4
の転写適性を向上させる処理が施されている。また、共
通情報層3は、文字や絵柄等の共通の情報を表示したも
のであり、一般的な染料または顔料により形成されてい
る。光回折パターン情報層4は、金券1の金額(100
0)を表示した層4A〜4Dと、発行会社のマークを表
示した層4Eとを有している。
【0030】図2は、図1に示した金券1の光回折パタ
ーン情報層4が形成された部分の詳細を示す断面図であ
る。図2に示すように、光回折パターン情報層4には、
保護層4a、光回折パターン形成層4b、および接着層
4cが積層されている。
【0031】保護層4aは、光回折パターン情報層4を
外力による損傷から保護するためと、強度をもたせるた
めのものであり、透明または半透明に形成されている。
なお、光回折パターン形成層4bが充分な硬度と強度を
持つ場合には、保護層4aを省略することができる。保
護層4aの材質は、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂の単体、混合物および共重合体等を用
いることができる。この保護層4aの厚さは、1〜10
0μm程度が好ましい。
【0032】光回折パターン形成層4bは、樹脂層4b
−1と、反射層4b−2とから構成されている。樹脂層
4b−1は、透明または半透明に形成されており、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂や、あるいはそれらの混合物等
の材質から構成されている。その他では、ラジカル重合
性不飽和基を有する熱および光や他の輻射線で硬化する
成形性樹脂を用いることができる。また、樹脂層4b−
1には、その片面に光の回折によりパターン画像を再生
できる微細な凹凸形状がレリーフ面として形成されてい
る。この微細な凹凸形状は、フォトレジスト等の感光材
料に、2光束の可干渉光の干渉縞が記録されたものや、
コンピューターの演算結果のデータに基づいて、電子線
描画装置などにより記録されたものを現像し、スタンパ
ーの版を起こして、複製されたものであり、白色光で再
生できる2次元または3次元の画像が記録されている。
【0033】反射層4b−2は、樹脂層4b−1の画像
のレリーフ面に反射性を付与するものである。反射層4
b−2の材質としては、アルミニウムやコバルト、ス
ズ、銅、鉄などの金属の単体若しくは合金を真空蒸着や
スパッタリング等により形成することができる。反射層
4b−2の厚さとしては、200Å以上であれば反射性
を付与できるので望ましく、入射光の反射率と製造コス
トを考慮すると、300Åから600Åの間が好まし
い。
【0034】接着層4cは、光回折パターン情報層4を
基材2に接着するためのものであり、アクリル系、ゴム
系等の接着剤から構成されている。
【0035】上述のように形成された光回折パターン情
報層4は、反射層4bに使用された材料の色により目視
可能に形成される。
【0036】説明を図1に戻す。図1に示すように、各
光回折パターン情報層4は、ほぼ格子状に複数の領域に
区画されており、こられの各領域ごとに複数の光回折パ
ターン形成層4b(図2)が設けられている。なお、図
1のように光回折パターン情報層4をほぼ格子状に区画
することなく、例えばト字状、コ字状、L字状、長方形
状またはこれらの組み合わせにより区画しても良い。
【0037】図3は、光回折パターン情報層4を基材2
に転写するときに用いられる転写シート10を示す斜視
図である。図3に示すように転写シート10は、転写材
を備えたシート11と、シート11を巻装したスプール
12とから構成されている。
【0038】図4は、シート11の詳細な構成を示す図
である。(a)は断面図を示し、(b)は平面図を示
す。図4(a)に示すように、シート11は、基材フィ
ルム11dと、基材フィルム11dのほぼ全面に形成さ
れた転写材としての保護層11a,光回折パターン形成
層11b,および接着剤層11cから構成されている。
【0039】基材フィルム11dは、保護層11a若し
くは光回折パターン形成層11bと離型性を有すること
が望ましく、また、離型性がない場合には、表面にシリ
コン樹脂などからなる離型層を設けてもよい。さらに安
定性、耐熱性、強靱性などが必要とされる。これらを満
足させる材質としては、ポリエチレンテレフタレート等
の合成樹脂フィルムを使用することができる。また、基
材フィルム11dの厚みは、5μm〜100μm程度に
形成されている。また、保護層11a,光回折パターン
形成層11b(樹脂層11b−1,反射層11b−
2),接着層11cは、上述した図2の保護層4a,光
回折パターン形成層4b,接着層4cと同様の構成であ
る。
【0040】また、図中(a)および(b)に示すよう
に、シート11には、多数の光回折パターン形成層11
bがほぼ格子状に形成さている。こられの各光回折パタ
ーン形成層11bは、光の回折方向や反射光の光量が異
なるように配置されている。なお、図4のように必ずし
も光回折パターン形成層11bをほぼ格子状に設けるこ
となく、上述した種々の形状で領域を区画するようにし
ても良い。
【0041】次に、図1の金券1の製造方法について説
明する。先ず、図1において、基材2上に文字や絵柄を
表示する共通情報層3が形成される。共通情報層3は、
従来より行われている一般的な印刷方法、例えばプリン
タ等による印字や、スクリーン印刷,オフセット印刷等
により基材2上に形成される。
【0042】また、基材2上に光回折パターン情報層4
が形成される。光回折パターン情報層4の形成は、図
3,4に示した転写シート10を用いてホットスタンプ
装置や感熱転写プリンタ等により行われる。図5は、基
材2上に光回折パターン情報層4が形成されるときの様
子を示す側面図である。図5に示すように、シート11
は、基材2と、基材2に光回折パターン情報層4を転写
するための印字ヘッド20の間に配置される。先ず基材
2が搬送部(図示せず)によりシート11の図中下側の
所定位置に設定される。この設定が完了すると、印字ヘ
ッド20は、図中A方向に移動し、シート11をはさん
で基材2と圧接する。このときには、印字ヘッド20の
先端部には、印字すべき所望の文字等の型(図示せず)
が形成されている。さらに熱が与えられると、シート1
1の基材フィルム11dと保護層11aとの密着面の図
中Bの範囲が剥離され、印字ヘッド20の先端部の文字
等を型どった保護層11a,光回折パターン形成層11
b,接着層11cが分離され、接着層11cにより基材
2に接着される。これにより、基材2上に光回折パター
ン情報層4が形成される。
【0043】このようにして、図1に示した金券1が形
成される。図1の金券1の光回折パターン情報層4は、
ホログラムまたは回折格子の作用により、入射光を所定
の方向に回折し、虹色を呈した独特の輝くを発したり、
立体感を有する。
【0044】次に、図1の金券1が複写装置(図示せ
ず)により複写されるときの様子を説明する。複写装置
の発光部から金券1に照明光が照射され、共通情報層3
に入射すると、共通情報層3の表面の明度,色合い,色
彩等に応じて照明光が吸収され、反射光はほとんど発生
せず、複写装置の受光部には、ほとんど反射光が入射し
ない。ここで、複写装置においては、反射光の光量が多
いほど(受光部により受光される光量が多いほど)白化
した画像となり、これとは逆に、反射光の光量が少ない
ほど(受光部により受光される光量が少ないほど)黒化
した画像となる。従って、共通情報層3の画像は、目視
画像とほぼ同等に複写されることとなる。
【0045】また、光回折パターン情報層4に照明光が
照射されると、光回折パターン情報層4の上層に形成さ
れた複数の光回折パターン形成層4bに照明光が入射す
る。これにより、各光回折パターン形成層4bの光の回
折方向に応じて不規則に種々の方向に回折される光が発
生するため、回折光のほとんどが受光部に入射する領域
もあれば、回折光がほとんど受光部に入射しない領域も
あり、各領域ごとに異なる明度,色合い,色彩に複写さ
れることととなる。しかも、現在の複写装置では、ホロ
グラムや回折格子を複写することができないため、複写
物は、虹色を呈した独特の輝くを発したり、立体感を有
することはなく、複写物であるか否かを判別することが
できる。
【0046】図6は、本発明による偽造防止媒体を適用
した金券の他の実施例の構成を示す図である。図1の金
券1が、光回折パターン情報層4により、金券1の金額
(1000)と発行会社のマークとを表示しているのに
対して、図6の金券31は、基材32と、基材32上に
設けられた共通情報層33と、金券31の金額が表示さ
れる領域全面に設けられた光回折パターン情報層34
と、金券31の金額が表示される領域に設けられた価値
情報35とから構成されている。
【0047】基材32,共通情報層33,光回折パター
ン情報層34は、図1に示される金券1に使用された素
材と同じものを使用することができる。なお、光回折パ
ターン情報層34は、必ずしも図1の金券1のように複
数の領域に区画された光回折パターン形成層である必要
はなく、金額が表示される領域全面に、所定の方向に光
を回折する1つの回折格子を設けたり、立体画像を再生
する1つのホログラムを設けてもよい。
【0048】金額表示35は、熱溶融転写方式や熱昇華
転写方式などの転写テープを用いた方式や、インクジェ
ット方式や熱融着トナーを用いた静電転写方式などによ
り、光回折パターン情報層34の上面に形成することが
できる。このように、光回折パターン情報層34上に金
額表示35を設けると、その金額表示35を書き換えら
れた場合には、光回折パターン情報層34が破損若しく
は損傷し、本来の回折光が発生しないため、金額表示3
5が書き換えられたものか否かが用意に判別することが
できる。
【0049】また、金額表示35の形成を上述の方式を
用いるかわりに、サーマルヘッドなどの加熱手段を用い
て、光回折パターン情報層34を加熱し、加熱した部分
の反射層を破壊するか、加熱した部分の樹脂層の凹凸形
状を破壊して、金額表示35を記録してもよい。反射層
が破壊される場合には、破壊された反射層の部分に入射
した光は透過するため、光回折パターン情報層34の下
層に着色層を設けておけば、金額表示35は着色層の色
彩により表示される。また、樹脂層の凹凸形状が破壊さ
れる場合には、破壊された凹凸形状の部分に入射した光
は回折されないため、金額表示35は回折光の有無によ
り表示される。このような記録方式によって金額表示3
5を記録すれば、光回折パターン情報層34の破壊を伴
わずに金額表示35を書き換えることが実質的に不可能
となり、金券31の改ざん防止には最適である。
【0050】図7は、本発明による偽造防止媒体を適用
した金券の他の実施例の構成を示す図である。図1の金
券1が、光回折パターン情報層4により、金券1の金額
(1000)をポジパターンで表示しているのに対し
て、図7の金券41は、ネガパターンで金額を表示して
いる以外、図1の金券1と同様である。基材42,共通
情報層43,光回折パターン情報層44の材質や形成方
法などは、図1の金券1で例示したものがそのまま使用
することができる。従って、金額表示45は、光回折パ
ターン情報層44が形成されていないため、下地に印刷
等を施しておけば、その印刷が見えることになる。
【0051】図8は、本発明による偽造防止媒体を適用
した金券の他の実施例の構成を示す図である。図1の金
券1が、光回折パターン情報層4により、金券1の金額
(1000)を表示しているのに対して、図8の金券5
1は、金額表示55の近傍に光回折パターン情報層54
が形成されている以外、図1の金券1と同様である。基
材52,共通情報層53,光回折パターン情報層54の
材質や形成方法などは、図1の金券1で例示したものが
そのまま使用することができる。また、金額表示55
は、図6の実施例で示した、熱溶融転写方式や熱昇華転
写方式などの転写テープを用いた方式や、インクジェッ
ト方式や熱融着トナーを用いた静電転写方式などにより
形成することができる。このような金券51は、金券自
体の偽造を防止することができる。
【0052】以上、本発明による偽造防止媒体、その製
造方法および偽造防止方法の実施例について説明した
が、本発明は、上述した実施例に限定されることなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能で
ある。例えば、共通情報層は、光回折パターン情報層の
前後または同時のいずれにおいて形成してもよい。
【0053】実施例では、偽造防止媒体の実施例として
金券を示したが、これに限らず、例えば、紙幣,有価証
券,小切手,手形,キャッシュカード,テレフォンカー
ド等、広く適用することができ、また、光回折パターン
として、回折格子をもっぱら説明してきたが、物体の像
を含む白色光再生可能なホログラムやレーザー光再生型
ホログラムであってもよい。
【0054】
【発明の効果】偽造防止媒体の第1の解決手段において
は、所定の情報は、ホログラムまたは回折格子からなる
光回折パターン情報層により目視可能に表示される。こ
の情報に光が照射されると、ホログラムまたは回折格子
により光が回折されるので、複写装置により複写された
ものとの判別が容易であるとともに、ホログラムまたは
回折格子の作成自体が困難なため、かつセキュリティ性
の高い情報を媒体に表示することができる。
【0055】偽造防止媒体の第2の解決手段において
は、光回折パターン情報層による所定の情報が、偽造防
止媒体の有する価値の情報であるため、光回折パターン
情報層自体をかえないと価値の情報を書き換えることが
できないので、価値情報のセキュリティ性の向上をはか
ることができる。
【0056】偽造防止媒体の第3の解決手段において
は、前記光回折パターン情報層上に、偽造防止媒体の有
する価値を具現する価値表示層が形成されているため、
光回折パターン情報層に損傷を与えずに価値表示層を書
き換えることができないので、価値表示のセキュリティ
性の向上をはかることができる。
【0057】偽造防止媒体の第4の解決手段において
は、前記光回折パターン情報層の近傍に、偽造防止媒体
の有する価値を具現する価値表示層が形成されているた
め、光回折パターン情報層に損傷を与えずに価値表示層
を書き換えることが困難なので、価値表示のセキュリテ
ィ性の向上をはかることができる。
【0058】偽造防止媒体の第5の解決手段において
は、偽造防止媒体が金券類であり、前記所定の情報が金
額であるため、判読が可能であり、かつセキュリティ性
の高い情報を金券類に金額を表示することができる。
【0059】偽造防止媒体の第6の解決手段において
は、偽造防止媒体が金券類であり、前記価値表示層の表
示する情報が金額であるため、判読が可能であり、かつ
セキュリティ性の高い情報を金券類に金額を表示するこ
とができる。
【0060】偽造防止媒体の第7の解決手段において
は、所定の情報は、複数の光の回折方向を有する複数の
ホログラムまたは回折格子から構成された光回折パター
ン情報層により表示されるため、どの方向から偽造防止
媒体を複写しようとしても、ホログラムまたは回折格子
ごとに光を異なる方向に回折させるので、複写されたも
のかどうかが容易に判別できる。
【0061】偽造防止媒体の第8の解決手段において
は、所定の情報は、複数の表面凹凸の粗密度を有する複
数のホログラムまたは回折格子から構成された光回折パ
ターン情報層により表示されるため、複写装置の発光部
からのとの方向から入射しても、ホログラムまたは回折
格子ごとに光を異なる方向に回折させるので、複写され
たものかどうかが容易に判別できる。
【0062】偽造防止媒体の製造方法の解決手段におい
ては、転写シートにより所定の情報を前記基材上に転写
するため、セキュリティ性の高い情報の複製を大量に行
うことができ、製造コストの安価な偽造防止媒体を製造
することができる。
【0063】偽造防止方法の解決手段においては、所定
の情報を有し、樹脂層と反射層とからなる光回折パター
ン情報層により、複写装置の照明光が異なる方向または
異なる光量で反射回折され、複写装置の受光部は、情報
の画像とともに光回折パターン形成層により反射回折さ
れた照明光を受光するので、情報の目視画像とは異なる
が画像が複写される。従って、複写物の画像と前記情報
の目視画像との差異を画然とさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による偽造防止媒体を適用した金券類の
一実施例の構成を示す平面図である。
【図2】図1に示した金券類の断面図である。
【図3】本発明に用いられる転写シートの実施例を示す
斜視図である。
【図4】図3に示した転写シートの構成を示す図であ
る。
【図5】基材に光回折パターン情報層が形成されるとき
の様子を示す側面図である。
【図6】本発明による偽造防止媒体を適用した金券の他
の実施例の構成を示す図である。
【図7】本発明による偽造防止媒体を適用した金券の他
の実施例の構成を示す図である。
【図8】本発明による偽造防止媒体を適用した金券の他
の実施例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,31,41,51 金券 2,32,42,52基材 3,33,43,53 共通情報層 4,34,44,54 光回折パターン情報層 35,45,55 金額表示 4a 保護層 4b 光回折パターン形成層 4b−1 樹脂層 4b−2 反射層 4c 接着層 10 転写シート 11 シート 12 スプール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03H 1/18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、前記基材上に形成され、文字,
    図形,記号,模様,絵柄若しくはこれらの結合またはこ
    れらと色彩との結合による所定の情報を表示するホログ
    ラムまたは回折格子からなる光回折パターン情報層とを
    備える偽造防止媒体であって、前記光回折パターン情報
    層は、凹凸形状にホログラムまたは回折格子が形成され
    ている樹脂層と、前記樹脂層の凹凸形状に形成された反
    射層とからなることを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 【請求項2】 前記所定の情報が、偽造防止媒体の有す
    る価値の情報であることを特徴とする請求項1に記載の
    偽造防止媒体。
  3. 【請求項3】 前記光回折パターン情報層上に、偽造防
    止媒体の有する価値を具現する価値表示層が形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
  4. 【請求項4】 前記光回折パターン情報層の近傍に、偽
    造防止媒体の有する価値を具現する価値表示層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒
    体。
  5. 【請求項5】 偽造防止媒体が金券類であり、前記所定
    の情報が金額であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の偽造防止媒体。
  6. 【請求項6】 偽造防止媒体が金券類であり、前記価値
    表示層の表示する情報が金額であることを特徴とする請
    求項3または4に記載の偽造防止媒体。
  7. 【請求項7】 前記ホログラムまたは回折格子は、複数
    の領域に分割されており、前記分割された複数の領域
    は、隣合う領域が異なる光の回折方向を有するホログラ
    ムまたは回折格子から構成されている請求項1〜6のい
    づれか1項に記載の偽造防止媒体。
  8. 【請求項8】 前記ホログラムまたは回折格子は、複数
    の領域に分割されており、前記分割された複数の領域
    は、隣合う領域が異なる表面凹凸の粗密度を有するホロ
    グラムまたは回折格子から構成されている請求項1〜7
    のいづれか1項に記載の偽造防止媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の偽造防止媒体の製
    造方法であって、基材フィルムと、前記基材フィルムの
    上層に設けられ、ホログラムまたは回折格子からなる光
    回折パターン形成層と、光回折パターン形成層の上層に
    設けられた接着層とを備える転写シートを用意し、前記
    転写シートを前記基材に加熱圧接することにより、前記
    光回折パターン情報層からなる文字,図形,記号,模
    様,絵柄若しくはこられの結合またはこれらと色彩との
    結合による所定の情報を前記基材上に転写することを特
    徴とする転写シートを用いた偽造防止媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 複写装置による情報の画像の複写を防
    止する偽造防止方法であって、文字,図形,記号,模
    様,絵柄若しくはこれらの結合またはこれらと色彩との
    結合による所定の情報を、凹凸形状にホログラムまたは
    回折格子が形成されている樹脂層と、前記樹脂層の凹凸
    形状に形成された反射層とからなる光回折パターン情報
    層を含む層により表示し、前記光回折パターン情報層の
    回折光の一部を前記複写装置の受光部に受光させ、前記
    情報の黙視画像とは異なる画像を複写させることにより
    偽造を防止することを特徴とする偽造防止方法。
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Cited By (6)

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CN114372550A (zh) * 2022-01-11 2022-04-19 深圳永丰吉科技有限公司 复合式全息防伪标识贴膜及其制作方法

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