JP6108081B2 - ホログラムシート、ホロラムラベル及びホログラム転写シート - Google Patents
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(1)製造メーカー純正品等、純正品の認証が意義を持つ種々の商品分野、例えば、電子機器、電気機器、コンピュータ関連製品、及び、それらの構成部品、コンピュータ関連ソフト、純正備品類(用紙やトナーなどのプリンタ消耗品等。)医薬品、医薬部外品もしくは化成品等、
(2)商品そのものが真正品であることを消費者に強く求められる分野、もしくは、シート等を貼付等することで意匠性を高めたり、商品が高価であることを示し、その商品の付加価値を高める分野など、例えば、書籍、文書、講演、演劇、映画、写真、絵画、彫刻、版画、図面、模型等もしくは、それらの編集物、又は記録媒体に記録したもの(ビデオカセット、コンパクトディスク、デジタルビデオディスクなど)等の著作物、所定の設定をされ、変更を防止しているROMボード(コンピューター機器、ゲーム機、遊技機等に用いられるもの。ROMとボードに渡る貼付も含む。)、時計類、ネクタイ、マフラー、衣服等衣類、ハンカチーフ、ネッカチーフ、カバン、バッグ、ベルト、財布、小物入れ、装身具、宝石等宝飾品、スポーツ用品、化粧品、食器類、記念カップ、キーホルダー、置物、花瓶、陶器、人形、家具類、建具類、傘、ステッキ、食品容器、たばこ、葉巻等、及びそれらの高級ブランド品等、
(3)本人確認の手段(ID証)分野、例えば、パスポート、運転免許証、保険証、会員証、身分証、住民登録証、病院カード、もしくは図書館カード等、
(4)経済秩序を保つ上で真正品であることが求められる分野、例えば、商品券、ギフト券等の金券類、もしくはプリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード等のカード類、
(5)さらには、これらのものを包装し、その包装を封印する分野、例えば、単に保管のため、もしくは郵便物や小荷物として封筒に入れたり、パッケージに入れて配達や配送をする分野、商品をパッケージに入れて販売する分野、単純に包装する分野、それらの封緘シールとして使用する分野、また、それらの説明書や効能書等にその真正性を証明したり、後発医薬品との識別をするために貼付する分野等、
(6)または、これらのものを提供するサービスの用に供するもの等、例えば、各種サービスを提供する証し、貸与品の証し、さらには、各種サービスを受けることができる証し等、
に関し、特に、そのホログラムシート等に、印刷パターン等による、製造メーカー、出版社、著作者、ゲーム機運用会社、高級ブランド、証明書発行者、カードセキュリティ会社、金券類等発券・発行者、配達・配送会社、販売会社、その他関連組織等の名称や、ロゴ、印章、その他、他社との識別性を有する文字・図形・記号等、すなわち、ブランドロゴ表示や、真正性を表す文字・記号等を含めており、そのロゴや、文字・図形・記号等が、その製品の付加価値や、品質保証等の信頼性を高めるもの(証明するもの)である分野に好適である。
(先行技術)近年、光の干渉を用いて立体画像(3D画像)を再生し得るホログラムの開発が進められ、このホログラムは高度な製造技術を要するとともに様々な形態、例えばラベル、シール、箔状に形成可能なことから、これを応用し、偽造防止手段として、上記分野を含め、様々なものの一部に貼着して使用されている。
本発明のホログラムシートの第1の態様は、
透明樹脂層の一方の面に第1ホログラムレリーフが設けられたホログラム形成層、前記透明樹脂層の他方の面に形成された透明着色パターン層A、前記第1ホログラムレリーフを埋めるように形成された透明着色パターン層Bであって前記透明着色パターン層Bの前記第1ホログラムレリーフとは反対の面に第2ホログラムレリーフが形成された透明着色パターン層B、さらに、前記第1ホログラムレリーフ及び前記透明着色パターン層Bに追従するように接して設けられた反射性薄膜層を少なくとも備えたホログラムシートにおいて、前記透明着色パターン層Aの形成領域をパターンa、前記透明着色パターン層Bの形成領域をパターンbとした際に、前記パターンaと前記パターンbとは、少なくとも前記透明樹脂層の側からの観察において、互いに離間するように配置され、且つ、前記ホログラムシートを前記透明樹脂層側から観察した際に、前記第1ホログラムレリーフの0次回折光の進行方向において視認される前記透明着色パターン層Aと、前記第2ホログラムレリーフの0次回折光の進行方向において視認される前記透明着色パターン層Bとが、同一の色を呈する所定のパターンとして視認されることを特徴とするものである。
あたかも一つのパターンとして形成されたものと観察される着色パターンが、実際には、視認性の異なる2種類の着色パターンから構成されていることで、偽造防止性が高く、真正性の判定が容易な、ホログラムシートを提供することができる。
前記透明樹脂層、及び、前記透明着色パターン層Aのヘーズが、いずれも10%以下であることを特徴とするものである。
前記透明樹脂層、及び、前記透明着色パターン層Aのヘーズが、いずれも10%以下であることを特徴とする第1の態様のホログラムシートを提供することができ、透明着色パターン層の視認性をより明確なものとして、その偽造防止性をさらに高めた、ホログラムシートを提供することができる。
前記透明着色パターン層Bが透明であって、且つ、前記ホログラム形成層の屈折率と、前記透明着色パターン層Bの屈折率が同一、若しくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とするものである。
前記透明着色パターン層Bが透明であって、且つ、前記ホログラム形成層の屈折率と、前記透明着色パターン層Bの屈折率が同一、若しくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする第1の態様または第2の態様のホログラムシートを提供することができ、透明着色パターンBによる、第1ホログラムレリーフを消失させる効果をより明確なものとして、且つ、第2ホログラムレリーフの透過性を高めて、その偽造防止性をさらに高度なものとした、ホログラムシートを提供することができる。
第1〜第3の態様の何れか一つの態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするものである。
第1〜第3の態様の何れか一つの態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするホログラムラベルを提供することができ、被点着体への適用を容易とした、ホログラムラベルを提供することができる。
第1〜第3の態様の何れか一つの態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂層と前記透明着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするものである
第1〜第3の態様の何れか一つの態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂層と前記透明着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするホログラム転写シートを提供することができ、偽造防止性を付与する対象物へ容易に適用でき、且つ、適用後は、もはや剥がすことを物理的に難しくして、その偽造防止性を高めることが可能な、ホログラム転写シートを提供することができる。
すなわち、この「パターンb」の領域にも、別のホログラム再生像が視認され、形成した「色」に対して、僅かではあるが「変化」を確認することができる。
例えば、「パターンb」の反射光と、「パターンa」の反射光との比が、1.5/1の時には、透明着色パターン層Bと透明着色パターン層Aに、同一の透明樹脂、同一の染料または顔料を用い、その厚さの比を1.5/1とする。
ホログラム形成層においては、ホログラム形成層となる透明樹脂層に「ヘーズ」が10%以下の透明な樹脂を用い、透明着色パターン層Aにおいては、「ヘーズ」が5%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に相溶する染料を1%〜10%添加したものを用いるか、
「ヘーズ」が2%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に分散性の良い微粒子有機顔料若しくは、微粒子有機顔料を、1%〜5%添加したものを用いる。
そのために、ホログラム形成層の屈折率と、透明着色パターン層Bの屈折率を同一、若しくは、その屈折率差を0.1以下とする。
本発明のホログラムシートH、ホログラムラベルH´及びホログラム転写シートH´´のホログラム形成層1を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。(図1〜図3参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸が第1ホログラムレリーフ2となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、ホログラム形成層1の第1ホログラムレリーフ2。)として使用できる。
(透明着色パターン層A、または、透明着色パターン層B、及び、第2ホログラムレリーフ)
本発明のホログラムシートH、ホログラムラベルH´及びホログラム転写シートH´´では、透明樹脂層の一方の面に第1ホログラムレリーフ2が設けられたホログラム形成層1の、その透明樹脂層の他方の面に「透明着色パターン層A」3を形成し、第1ホログラムレリーフ2を埋めるように「透明着色パターン層B」4を形成する。(図1〜図3参照。)
「透明着色パターン層A」3に用いられる顔料としては、
有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)などがある。
アクリル樹脂(ヘーズ2%以下)、ポリカーボネート樹脂(同2%以下)等に、上記微粒子顔料を1%〜5%添加し、ホログラム形成層1に対する溶解性の小さい溶剤系を用いて、固形分30%〜50%として形成する。
また、その形成時に、ホログラム形成層1の第1ホログラムレリーフ2の面の形状や性質に影響を及ぼさないようにするため、その溶剤系や、形成方法を選択する。特に、その形成プロセスにおいて、「透明着色パターン層B」4を形成する領域(「パターンb」の領域。)以外の領域にある第1ホログラムレリーフ2面には、一切、物理的、化学的な接触の無い方法が望ましい。
但し、第2ホログラムレリーフ5の形成は、パターン状に設けた「透明着色パターン層B」4の上のみに実施するため、その形成位置精度を確保することや、その周囲にある第1ホログラムレリーフ2面に一切の影響を与えないようにするための工夫が求められる。
また、「透明着色パターン層B」4が設けられている領域における、第1ホログラムレリーフ2界面(ホログラム形成層1と「透明着色パターン層B」4との界面。)において、その界面での反射率をほぼ「0%」とするために、ホログラム形成層1に使用する透明樹脂層の屈折率と、「透明着色パターン層B」4に使用する樹脂の屈折率を同一とするか、その屈折率差を0.1以下とするように、「透明着色パターン層B」4に使用する樹脂を選定する。
本発明のホログラムシートH、ホログラムラベルH´及びホログラム転写シートH´´では、ホログラム形成層1の上に形成されている第1ホログラムレリーフ2に接して、追従するように、且つ、第1ホログラムレリーフ2の上に「透明着色パターン層B」4が設けられている領域においては、その「透明着色パターン層B」4の第2ホログラムレリーフ5に接して、追従するように、反射性薄膜層6を形成する。(図1〜図3参照。)
この反射性薄膜層6は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層1、さらには、「透明着色パターン層B」4よりも高い屈折率を有する薄膜であれば、特に限定されない。
本発明のホログラムラベルH´(図2参照。)に用いられる粘着剤層7としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
本発明のホログラム転写シートH´´(図3参照。)で使用される透明基材8は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、ホログラム転写シートH´´を製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましく、さらに、ホログラム形成層1及び、「透明着色パターン層A」3との剥離性を有するもの(透明基材8を容易に剥離することができるという意味。)とする。
接着剤としては、偽造防止を図る対象物に対する接着性を確保するためのものであるので、反射性薄膜層6等との接着性がよく、被着体である対象物と強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができ、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂層として、50μm厚さのメラミン樹脂を押し出し成形法によりシート状に形成し、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム1(回折効率20%)を備えたNi原版(1)を用意し、上記したホログラム形成層1の一方の面に、そのNi原版(1)のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m・原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m水冷式、圧力2トン/m、複製速度10m/分)にて第1ホログラムレリーフ2をホログラム形成層1の一方の面に形成した。(図1参照。)
このホログラム形成層1の他方の面に、下記組成の「透明着色パターン層A」3を、ステンレススクリーン方式を使用して、厚さ5μmの赤色の文字(ロゴ)「BR ND」を形成した。
そして、乾燥条件は、緩やかなものとし、文字表面の平滑性を高めた。
・<透明着色パターン層A用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
さらに、このホログラム形成層1の第1ホログラムレリーフ2面上に、同一組成の「透明着色パターン層B」4を、ステンレススクリーン方式を使用して、厚さ7μmの赤色の文字(ロゴ)「 A 」を形成した。
さらに、上記したレーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高い第2ホログラムレリーフ5(回折効率25%、第1ホログラムレリーフ2の第1ホログラム再生像と、第2ホログラムレリーフ5の第2ホログラム再生像のホログラム再生方向を、ホログラムシートHの「面内の回転角度」において、40度異なるものとする。「その面に垂直な軸に対しての傾斜角度は同一とした。)を備えたNi原版(2)を用意し、「透明着色パターン層B」4の露出している面に、そのNi原版(2)のレリーフ面を合わせて、上記した回転式レリーフホログラム形成装置(原版面温度80℃、圧力2トン/m、複製速度2m/分。第1ホログラムレリーフ2面形成時より、低温、且つ、低速として、第1ホログラムレリーフ2面に原版面が接触しないよう注意を払いながら複製する。)にて第2ホログラムレリーフ5を「透明着色パターン層B」4の露出している面にのみ形成した。(図1参照。)
さらに、この第1ホログラムレリーフ2面及び、「透明着色パターン層B」4の第1ホログラムレリーフ5面に接して、追従するように、アルバック社製真空蒸着機にて、200nm厚さのアルミニウム薄膜からなる反射性薄膜層6を形成し、実施例1のホログラムシートHとした。(図1参照。)
このホログラムシートHを、ホログラム形成層1側から、室内蛍光灯の照明下にて観察したところ、ホログラムシートHを正面から観察した際には、「BR ND」の赤い文字と、「 A 」の赤い文字が、反射性薄膜層6からの反射光を背後から受け、「BR ND」の赤い文字の「色」と、「 A 」の赤い文字の「色」が「同一」と視認され、あたかも、それらの文字が合わさって、その「赤色一色」からなる「BRAND」という「一つのロゴ」が印刷されているように認識された(「パターンa」と「パターンb」とが同色であるため、一体となって、「所定のパターン」である「BRAND」と視認されることを意味する。)。(図示せず。)
そして、このホログラムシートHを観察する方向を、その第1ホログラムレリーフ2の第1ホログラム再生像が再生する方向として観察すると、「透明着色パターン層A」3の文字である「BR ND」の文字のみが明るく見えて「色」が変化し、且つ、「透明着色パターン層B」4の文字である「 A 」の文字の「色」はそのままであり、また、その第2ホログラムレリーフ5の第2ログラム再生像が再生する方向として観察すると、「透明着色パターン層B」4の文字である「 A 」の文字のみが明るく見えて「色」が変化し、「透明着色パターン層A」3の文字である「BR ND」の文字の「色」は基に戻ったことにより、容易に、その真正性を判定することができた。(図示せず。) (実施例2)
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂層として、アクリル樹脂(ヘーズ2%)を用い、「透明着色パターン層A」3に、下記組成のインキを用いた(従って、「透明着色パターン層B」4も下記組成のインキを用いることとなる。)こと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のホログラムシートHとした。(図1参照。)
・<透明着色パターン層A用組成物>
アクリル樹脂アクリル樹脂(ヘーズ2%) 30質量部
レイキッドC微粒子有機顔料 1質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 34質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「透明着色パターン層A」3の「色」(青色)の変化が、より明確に視認されたこと以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。(図示せず。)
(実施例3)
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂層として、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)を用い、「透明着色パターン層A」3と「透明着色パターン層B」4に、下記組成のインキを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のホログラムシートHとした。(図1参照。)
・<透明着色パターン層A及び透明着色パターン層B用組成物>
アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 25質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「透明着色パターン層B」4の領域における第1ホログラムレリーフ2の消失効果がより強く感じられたこと(第1ホログラムレリーフ2の第1ホログラム再生像が再生する方向において、何らの変化を生じないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例3の「透明着色パターン層A及び透明着色パターン層B用組成物」として、下記組成物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4のホログラムシートHを得た。(図1参照。)
・<透明着色パターン層A及び透明着色パターン層B用組成物>
エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 25質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「透明着色パターン層B」4の領域における第1ホログラムレリーフ2の消失効果が、強く感じられたこと以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1の反射性薄膜層6の上に、下記組成の粘着剤層7を30μm厚さで形成し、実施例4のホログラムラベルH´を得た。(図2参照。)
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部 酢酸ビニル 40質量部
このホログラムラベルH´の粘着剤層7を、偽造防止性を付与する対象物の表面に置き、圧力をかけたところ、ホログラムラベルH´が、その対象物表面に容易に貼着し、ホログラム形成層1側から、室内蛍光灯下にて観察したところ、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。(図示せず。)
(実施例6)
透明基材8として、25μmポリエチレンテレフタレートを用い、その一方の面に、実施例1の「透明着色パターン層A」3を同様の方法を用いて形成し、その一方の面と、「透明着色パターン層A」3の表面を覆うように、下記組成の組成物を、グラビアコーティング方式を用いて、10μmの厚さで形成し、その上に、実施例1の「透明着色パターン層B」4を同様の配置となるように形成した。(図3参照。)
・<ホログラム形成層用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
トルエン 40質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
酢酸エチル 20重量部
その上に実施例1と同様にして、反射性薄膜層6を形成し、その上に、下記組成の接着剤層9をグラビアコーティング方式を用いて、10μmの厚さで形成し、実施例6のホログラム転写シートH´´を得た。(図3参照。)
このホログラム転写シートH´´の接着剤層9面を、偽造防止性を付与する対象物の表面に接するように置き、透明基材8側から、120°、10g/mm2にて加熱、加圧した後、その透明基材8を剥離し、その対象物上に、ホログラム部分(ホログラム転写シートH´´の構成から、透明基材8を剥離した部分。)を転写した。
(実施例7)
実施例6において、反射性薄膜層6を、アルバック社製電子線加熱方式真空蒸着機を用いて、TiOx薄膜層40nmを形成したこと以外は、同様にして、実施例7のホログラム転写シートH´´を得た。(図3参照。)
このホログラム転写シートH´´を実施例6と同様にして、偽造防止性を付与する対象物のデザインの上に転写したところ、ホログラム部分を通して、、ホログラム転写シートH´´のホログラム再生像、及び、「透明着色パターン層A」3及び「透明着色パターン層B」4の「ロゴ」の背後に、そのデザインを視認することができ、意匠性が向上するとともに、さらに偽造防止性が高いものとなったこと以外は、実施例6と同様に良好な評価結果を得た。(図示せず。)
(比較例)
(比較例1)「透明着色パターン層A」3及び「透明着色パターン層B」4を設けず、「透明着色パターン層A」3と同様の組成物を用いて、「BRAND」の「ロゴ」を一様に形成したこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1のホログラムシートを得た。
H´ ホログラムラベル
H´´ ホログラム転写シート
1 ホログラム形成層
2 第1ホログラムレリーフ
3 透明着色パターン層A
4 透明着色パターン層B
5 第2ホログラムレリーフ
6 反射性薄膜層
7 粘着剤層
8 透明基材
9 接着剤層
Claims (5)
- 透明樹脂層の一方の面に第1ホログラムレリーフが設けられたホログラム形成層、前記透明樹脂層の他方の面に形成された透明着色パターン層A、前記第1ホログラムレリーフを埋めるように形成された透明着色パターン層Bであって前記透明着色パターン層Bの前記第1ホログラムレリーフとは反対の面に第2ホログラムレリーフが形成された透明着色パターン層B、さらに、前記第1ホログラムレリーフ及び前記透明着色パターン層Bに追従するように接して設けられた反射性薄膜層を少なくとも備えたホログラムシートにおいて、前記透明着色パターン層Aの形成領域をパターンa、前記透明着色パターン層Bの形成領域をパターンbとした際に、前記パターンaと前記パターンbとは、少なくとも前記透明樹脂層の側からの観察において、互いに離間するように配置され、且つ、前記ホログラムシートを前記透明樹脂層側から観察した際に、前記第1ホログラムレリーフの0次回折光の進行方向において視認される前記透明着色パターン層Aと、前記第2ホログラムレリーフの0次回折光の進行方向において視認される前記透明着色パターン層Bとが、同一の色を呈する所定のパターンとして視認されることを特徴とするホログラムシート。
- 前記透明樹脂層、及び、前記透明着色パターン層Aのヘーズが、いずれも10%以下であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート。
- 前記透明着色パターン層Bが透明であって、且つ、前記ホログラム形成層の屈折率と、前記透明着色パターン層Bの屈折率が同一、若しくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のホログラムシート。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするホログラムラベル。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂層と前記透明着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするホログラム転写シート。
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