JP2013246231A - ホログラムシート、ホログラムラベル及びホログラム転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホログラムシートを構成するホログラム形成層の上下に、わずかに視認性の異なる絵柄を形成することにより、あたかも一つの絵柄が形成されているように認識させ、真正性を判定する際には、そのわずかな視認性の差を判定することにより、真正性を容易に判定可能な絵柄入りホログラムシートを提供する。
【選択図】 図1
Description
また、「ヘーズ(曇価ともいう。)」とは、JIS K 7136「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準じて求められるものであって、「試験片を透過する透過光のうち、前方散乱によって入射光から2.5°以上それた透過光の百分率」であり、「全光線透過率(平行透過率+拡散透過率)に対する拡散透過率の比」として定義されるものである。
(1)製造メーカー純正品等、純正品の認証が意義を持つ種々の商品分野、例えば、電子機器、電気機器、コンピュータ関連製品、及び、それらの構成部品、コンピュータ関連ソフト、純正備品類(用紙やトナーなどのプリンタ消耗品等。)医薬品、医薬部外品もしくは化成品等。
(2)商品そのものが真正品であることを消費者に強く求められる分野、もしくは、シート等を貼付等することで意匠性を高めたり、商品が高価であることを示し、その商品の付加価値を高める分野など、例えば、書籍、文書、講演、演劇、映画、写真、絵画、彫刻、版画、図面、模型等もしくは、それらの編集物、又は記録媒体に記録したもの(ビデオカセット、コンパクトディスク、デジタルビデオディスクなど)等の著作物、所定の設定をされ、変更を防止しているROMボード(コンピューター機器、ゲーム機、遊技機等に用いられるもの。ROMとボードに渡る貼付も含む。)、時計類、ネクタイ、マフラー、衣服等衣類、ハンカチーフ、ネッカチーフ、カバン、バッグ、ベルト、財布、小物入れ、装身具、宝石等宝飾品、スポーツ用品、化粧品、食器類、記念カップ、キーホルダー、置物、花瓶、陶器、人形、家具類、建具類、傘、ステッキ、食品容器、たばこ、葉巻等、及びそれらの高級ブランド品等。
(3)本人確認の手段(ID証)分野、例えば、パスポート、運転免許証、保険証、会員証、身分証、住民登録証、病院カード、もしくは図書館カード等。
(4)経済秩序を保つ上で真正品であることが求められる分野、例えば、商品券、ギフト券等の金券類、もしくはプリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード等のカード類。
または、これらのものを提供するサービスの用に供するもの等、例えば、各種サービスを提供する証し、貸与品の証し、さらには、各種サービスを受けることができる証し等に関し、特に、そのホログラムシート等に、印刷パターン等による、製造メーカー、出版社、著作者、ゲーム機運用会社、高級ブランド、証明書発行者、カードセキュリティ会社、金券類等発券または発行者、配達または配送会社、販売会社、その他関連組織等の名称や、ロゴ、印章、その他、他社との識別性を有する文字、図形、記号等、すなわち、ブランドロゴ表示や、真正性を表す文字や記号等を含めており、そのロゴや、文字、図形、記号等が、その製品の付加価値や、品質保証等の信頼性を高めるもの(証明するもの)である分野に好適である。
(先行技術)近年、光の干渉を用いて立体画像(3D画像)を再生し得るホログラムの開発が進められ、このホログラムは高度な製造技術を要すると共に様々な形態、例えばラベル、シール、または、箔状に形成可能なことから、これを応用し、偽造防止手段として、上記分野を含め、様々なものの一部に貼着して使用されている。
本発明のホログラムシートの第1の態様は、
透明樹脂基材からなるホログラム形成層と、反射性薄膜層とを積層してなるホログラムシートにおいて、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフが形成されていない面の一部に着色パターン層Aを設け、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフ形成面の一部に着色パターン層Bを設け、前記着色パターン層Bの前記ホログラムレリーフと接していない面は、基材面に対して所定角度の斜面をなし、且つ、前記ホログラムレリーフ並びに前記着色パターン層Bに追従するように前記反射性薄膜層を設けたことを特徴とするものである。
透明樹脂基材からなるホログラム形成層と、反射性薄膜層とを積層してなるホログラムシートにおいて、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフが形成されていない面の一部に着色パターン層Aを設け、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフ形成面の一部に着色パターン層Bを設け、前記着色パターン層Bの前記ホログラムレリーフと接していない面は、基材面に対して所定角度の斜面をなし、且つ、前記ホログラムレリーフ並びに前記着色パターン層Bに追従するように前記反射性薄膜層を設けたことを特徴とするホログラムシートを提供することができ、あたかも一つのパターンとして形成されたものと観察される着色パターンが、実際には、視認性の異なる2種類の着色パターンから構成されていることで、偽造防止性が高く、真正性の判定が容易な、ホログラムシートを提供することができる。
前記透明樹脂基材のヘーズが、10%以下であることを特徴とするものである。
前記透明樹脂基材のヘーズが、10%以下であることを特徴とする第1の態様のホログラムシートを提供することができ、着色パターン層Bの視認性をより明確なものとして、その偽造防止性をさらに高めた、ホログラムシートを提供することができる。
前記ホログラム形成層の屈折率と、前記着色パターン層Bの屈折率が同一、もしくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とするものである。
前記ホログラム形成層の屈折率と、前記着色パターン層Bの屈折率が同一、もしくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする第1の態様または第2の態様のホログラムシートを提供することができ、着色パターン層Bによる、ホログラムレリーフを消失させる効果をより明確なものとして、その偽造防止性をさらに高めた、ホログラムシートを提供することができる。
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするものである。
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするホログラムラベルを提供することができ、被貼着体への適用を容易とした、ホログラムラベルを提供することができる。
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂基材と前記着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするものである。
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂基材と前記着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするホログラム転写シートを提供することができ、偽造防止性を付与する対象物へ容易に適用でき、且つ、適用後は、もはや剥がすことを物理的に難しくして、その偽造防止性を高めることが可能な、ホログラム転写シートを提供することができる。
そして、慣用的に用いられる「色調」という語は、色の配合、色の濃淡や強弱などのぐあいを意味し、上記と同様に、「色相」、「彩度」及び「明度」を複合した概念であるが、本明細書では、この3要素からなるものを「色」という語で統一する。
ここで、着色パターン層Aや着色パターン層Bの「色」は、当然に、その表面での反射光だけでなく、着色パターン層Aや着色パターン層Bの層内まで侵入し、層内にある着色顔料などによって反射される光を含むが、説明の簡略化のため、以下の説明においては、「着色パターン層Aの表面での反射、または、着色パターン層Bの表面での反射」という表現に統一する。
ホログラム形成層の一方の面にホログラムレリーフを形成したホログラムシート等に、ホログラム形成層の他方の面から入射した参照光は、着色パターン層Aの領域及び、その他の領域から、ホログラム形成層を透過し、ホログラムレリーフ面で反射すると同時に、ホログラム再生像の情報を含み、再び、ホログラム形成層を透過し、さらに、着色パターン層Aの領域においては、着色パターン層Aをも透過し、その他の領域においては、そのまま、観察者側に戻ってくる。
しかし、ホログラム再生像が発現する方向(角度)において、観察すると、全く「色」に変化を生じない「パターンb」と、僅かに「色」に変化を生じる「パターンa」とで、確実に判別可能な「色差」が発生し、「パターンc」が、単一の「一つのパターン」ではなく、2種類の「パターン」で構成されていることが判読されることとなる。
従って、観察者は、照明光源を着色パターン層Bの「色」に影響を及ぼす角度範囲内にのみに配置するような方法(その光源以外の周辺の光源を遮蔽するという意味。これが真正性判定方法の一例である。)をとらない限り、着色パターン層Bの「色」の変化に気づくことはない。
このような調整により、「パターンa」と「パターンb」の視認性を同一とする。(ここでいう「視認性が同一」とは、それらの戻り光を色差計等により光学的に測定した場合に、「同一の色」となることを意味することは言うまでもない。)
例えば、観察者に対して、「パターンb」から戻ってくる光と、「パターンa」から戻ってくる光との比が、(1.5)対(1)のときには、着色パターン層Bと着色パターン層Aに、同一の透明樹脂、同一の染料または顔料を用い、その厚さの比を(1.5)対(1)とする等の調整を行う。
ホログラム形成層においては、ホログラム形成層となる透明樹脂基材に「ヘーズ」が10%以下の透明な樹脂を用い、着色パターン層Aにおいては、「ヘーズ」が5%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に相溶する染料を1%〜10%添加したものを用いるか、「ヘーズ」が2%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に分散性の良い微粒子有機顔料もしくは、微粒子無機顔料を、1%〜5%添加したものを用いる。
本発明のホログラムシートHのホログラム形成層1を構成するための透明樹脂基材に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。(図1参照。)
これらの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂基材の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ2となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、ホログラム形成層1のホログラムレリーフ2。)として使用できる。
本発明のホログラムシートHでは、透明樹脂基材の一方の面にホログラムレリーフ2が設けられたホログラム形成層1の、その透明樹脂基材の他方の面に「着色パターン層A」3を形成し、ホログラムレリーフ2を埋めるように「着色パターン層B」4を形成する。(図1参照。)
「着色パターン層A」3に用いられる顔料としては、
有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)などがある。
「着色パターン層B」4の斜面を形成する方法としては、「着色パターン層A」の形成方法と同様の方法を用いることができるが、斜面の傾斜角度を5度〜40度とすることや、その平坦性である、表面粗さRaで0.1μm〜1.0μmとすることを実現するためには、凹版方式、着色層転写方式及び着色層成形方式を用いることが好適である。
また、それぞれの方式で、凹版や、転写基材表面、及び成形型の底の部分の面が、「着色パターン層B」4の斜面に該当するため、この面を表面粗さRaで0.1μm〜1.0μmとなる平坦な面とすることが必須である。
本発明のホログラムシートHでは、ホログラム形成層1の上に形成されているホログラムレリーフ2に接して、追従するように、且つ、ホログラムレリーフ2の上に「着色パターン層B」4が設けられている領域においては、その「着色パターン層B」4に接して、追従するように、反射性薄膜層5を形成する。(図1参照。)
この反射性薄膜層5は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層1、及び、「着色パターン層B」4よりも高い屈折率を有する薄膜であれば、特に限定されない。
本発明のホログラムラベルH´(図2参照。)に用いられる粘着剤層6としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤も用いることができる。例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などを挙げることができる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、または、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
本発明のホログラム転写シートH´´(図3参照。)で使用される透明基材7は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、ホログラム転写シートH´´を製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性及び耐熱性を有するものが好ましく、さらに、ホログラム形成層1及び、「着色パターン層A」3との剥離性を有するもの(透明基材7を容易に剥離することができるという意味。)とする。
接着剤層8に用いられる接着剤としては、偽造防止を図る対象物に対する接着性を確保するためのものであるので、反射性薄膜層5等との接着性がよく、被転写物である対象物と強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、または、その他の添加剤を加えて使用することができ、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂基材として、50μm厚さのメラミン樹脂を押し出し成形法によりシート上に形成したものを用いた。そして、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(回折効率20%)を備えたNi原版を用意し、上記したホログラム形成層1の一方の面に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3mの水冷式で、圧力を2トン/m、複製速度を10m/分とする。)にてホログラムレリーフ2をホログラム形成層1の一方の面に形成した。(図1参照。)
このホログラム形成層1の他方の面に、下記組成の「着色パターン層A」3を、ステンレススクリーン方式を使用して、厚さ5.0μmの赤色の文字(ロゴ)「BR ND」を形成した。
この一つ一つの文字サイズは、5mm×5mmの文字とし、一つのブランクを含む、「4文字+1ブランク」の5文字長のものを繰り返えして天地左右に配置したデザイン(天地方向には2mmの隙間をあけ、左右方向には、3mmの隙間を設けた。)とした。「BR ND」の文字の画線幅は、ほぼ300μmであった。(このデザインが、「パターンa」に相当する。)
そして、乾燥条件は、緩やかなものとし、文字表面の平滑性を高めた。このときの「着色パターン層A」3の平坦性は、表面粗さRaで、0.5μmであった。
・<着色パターン層A用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
さらに、このホログラム形成層1のホログラムレリーフ2面上に、下記組成の「着色パターン層B」4を、凹版印刷方式を使用して、文字の線幅方向(幅300μm)に傾斜角度10度で形成した。(この傾斜角度は、透明樹脂基材の他方の面に対して10度とした。)このとき、幅300μmを10分割して、文字の画線を30μm幅の短冊状領域に分け、それぞれの短冊状領域の幅方向に傾斜角度10度の傾斜を設けた。
・<着色パターン層B用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
「着色パターン層B」4の短冊状領域の一方の端部での厚さを4.4μmとし、30μm離れた他の端部での厚さを9.6μmとした。従って、「着色パターン層B」4は、傾斜角度30度の面を持つ短冊状領域が繰り返して形成されたものとなった。(図示せず。図1〜3には、「着色パターン層B」4として、一つの斜面を有する例を示している。)
その結果、平均厚さ7.0μmの赤色の文字(ロゴ)「 A 」を形成した。
(図1参照。)
さらに、このホログラムレリーフ2面及び、「着色パターン層B」4に接して、追従するように、アルバック社製真空蒸着機にて、200nm厚さのアルミニウム薄膜からなる反射性薄膜層5を形成し、実施例1のホログラムシートHとした。(図1参照。)
このホログラムシートHを、ホログラム形成層1側から、事務所室内の天井に等間隔に設置されている10本の蛍光灯の照明下にて観察したところ、ホログラムシートHを正面から観察した際には、「BR ND」(「パターンa」)の赤い文字が、反射性薄膜層5からの反射光を背後から受けて、また、「 A 」(「パターンb」)の赤い文字は、明度を向上させた組成物を1.4倍の厚さで設けたことで、「BR ND」の赤い文字の「色」と、「 A 」の赤い文字の「色」が「同一」と認識され、あたかも、それらの文字が合わさって、「赤色一色」からなる「BRAND」という「一つのロゴ」が印刷されているように認識された(「パターンa」と「パターンb」とが同色であるため、一体となって、「パターンc」である「BRAND」と視認されることを意味する。)。
そして、このホログラムシートHを観察する角度をそのホログラムのホログラム再生像が再生する方向として観察すると、「着色パターン層A」3の文字である「BR ND」の文字のみが明るく見えて、その「色」が変化し、「着色パターン層B」4の文字である「 A 」の文字の「色」はそのままであったことにより、容易に、その真正性を判定することができた。
以上のことから、本発明のホログラムシートHが高い偽造防止性を有するものと思われた。
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂基材として、アクリル樹脂(ヘーズ2%)を用い、「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4に、下記組成のインキを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のホログラムシートHとした。(図1参照。)
・<着色パターン層A用組成物>
アクリル樹脂(ヘーズ2%) 30質量部
レイキッドC微粒子有機顔料 1質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 3 4質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
・<着色パターン層B用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
レイキッドC微粒子有機顔料 1質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 3 4質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層A」3の「色」(青色)の変化が、より明確に視認されたこと以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂基材として、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)を用い、「着色パターン層A」3と「着色パターン層B」4に、下記組成のインキを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のホログラムシートHとした。(図1参照。)
・<着色パターン層A用組成物>
アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
・<着色パターン層B用組成物>
アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層B」4の領域におけるホログラムレリーフ2の消失効果が明確に認識されたこと(観察角度を変えても、その「色」が変化しないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
実施例3の「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4用インキ組成物として、下記組成物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4のホログラムシートHを得た。(図1参照。)
・<着色パターン層A用組成物>
エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
・<着色パターン層B用組成物>
エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層B」4の領域におけるホログラムレリーフ2の消失効果が、強く感じられたこと(観察角度を変えても、その「色」が変化しないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
実施例1の反射性薄膜層5の上に、下記組成の粘着剤層6を30μm厚さで形成し、実施例4のホログラムラベルH´を得た。(図2参照。)
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部
酢酸ビニル 40質量部
このホログラムラベルH´の粘着剤層6を、偽造防止性を付与する対象物の表面に置き、圧力をかけたところ、ホログラムラベルH´が、その対象物表面に容易に貼着し、ホログラム形成層1側から、室内蛍光灯下にて観察したところ、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
透明基材7として、25μmポリエチレンテレフタレートを用い、その一方の面に、実施例1の「着色パターン層A」3を同様の方法を用いて形成し、その一方の面と、「着色パターン層A」3の表面を覆うように、下記組成の組成物を、グラビアコーティング方式を用いて、10μmの厚さで形成し、その上に、実施例1の「着色パターン層B」4を同様の配置となるように形成した。(図3参照。)
・<ホログラム形成層用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
トルエン 40質量部
イソプロピルアルコール 1 0質量部
酢酸エチル 20重量部
その上に実施例1と同様にして、反射性薄膜層5を形成し、その上に、下記組成の接着剤層8をグラビアコーティング方式を用いて、10μmの厚さで形成し、実施例6のホログラム転写シートH´´を得た。(図3参照。)
このホログラム転写シートH´´の接着剤層8面を、偽造防止性を付与する対象物の表面に接するように置き、透明基材7側から、120℃、且つ、10g/平方ミリメートルにて加熱且つ加圧した後、その透明基材7を剥離し、その対象物上に、ホログラム部分(ホログラム転写シートH´´の構成から、透明基材7を剥離した部分。)を転写した。
実施例6において、反射性薄膜層5を、アルバック社製電子線加熱方式真空蒸着機を用いて、TiOx薄膜層40nmを形成したこと以外は、同様にして、実施例7のホログラム転写シートH´´を得た。(図3参照。)
このホログラム転写シートH´´を実施例6と同様にして、偽造防止性を付与する対象物のデザインの上に転写したところ、ホログラム部分を通して、ホログラム転写シートH´´のホログラム再生像、及び、「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4の「ロゴ」の背後に、その対象物にあらかじめ印刷されていたデザインを視認することができ、意匠性が向上するとともに、さらに偽造防止性が高いものとなったこと以外は、実施例6と同様に良好な評価結果を得た。
(比較例)
(比較例1)「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4を設けず、「着色パターン層A」3と同様の組成物を用いて、「BRAND」の「ロゴ」を一様に形成したこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1のホログラムシートを得た。
H´ ホログラムラベル
H´´ ホログラム転写シート
1 ホログラム形成層
2 ホログラムレリーフ
3 着色パターン層A
4 着色パターン層B
5 反射性薄膜層
6 粘着剤層
7 透明基材
8 接着剤層
Claims (5)
- 透明樹脂基材からなるホログラム形成層と、反射性薄膜層とを積層してなるホログラムシートにおいて、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフが形成されていない面の一部に着色パターン層Aを設け、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフ形成面の一部に着色パターン層Bを設け、前記着色パターン層Bの前記ホログラムレリーフと接していない面は、基材面に対して所定角度の斜面をなし、且つ、前記ホログラムレリーフ並びに前記着色パターン層Bに追従するように前記反射性薄膜層を設けたことを特徴とするホログラムシート。
- 前記透明樹脂基材のヘーズが、10%以下であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート。
- 前記ホログラム形成層の屈折率と、前記着色パターン層Bの屈折率が同一、もしくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のホログラムシート。
- 請求項1〜3に記載のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするホログラムラベル。
- 請求項1〜3に記載のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂基材と前記着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするホログラム転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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