JP2013246232A - ホログラムシート、ホログラムラベル及びホログラム転写シート - Google Patents

ホログラムシート、ホログラムラベル及びホログラム転写シート Download PDF

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Abstract

【課題】絵柄入りホログラムシートは、被貼着体に貼付されたりして、その被貼着体の真正性を証明するものであるため、単にホログラムシートの上に同様の絵柄を印刷した偽造品を作製し、真正でない他の被貼着体へ貼付して使用されることが可能であると、その証明性を維持することができなくなるという課題を有していた。
【解決手段】ホログラムシートを構成するホログラム形成層の上下に、わずかに視認性の異なる絵柄を形成することにより、あたかも一つの絵柄が形成されているように認識させ、真正性を判定する際には、そのわずかな視認性の差を判定することにより、真正性を容易に判定可能な絵柄入りホログラムシートを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホログラムシート、ホロラムラベル及びホログラム転写シート(以下、ホログラムシート等ともいう。)に係り、詳しくは、視認性の異なる2種類の着色パターンをあたかも一つのパターンとして認識することができるように形成したことにより、高い偽造防止性を有し、且つ、その真正性を容易に判定できる偽造防止用ホログラムシート、ホログラムラベル及びホログラム転写シートに関するものである。
ここで、視認性とは、「視覚的な文字や図形などを明確に認識することができるかを表すもの」であって、実際に目で見て確認した際の文字や図形などの見易さを示すものである。別の言い方をすれば、何らかの手段で形成された文字や図形などの光学的特性の一つと言うことができる。
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、 「ホログラム」はホログラムに加えて、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
さらに、ホログラムレリーフ上に設けられた、ある着色パターン層のホログラムレリーフと接していない面が、「球面の一部からなる形状」であるとは、その面が、所定の曲率半径を有する球面の一領域を占める形状を意味し、具体的には、その球面を一つの平面で切り取ったときのドーム状の部分を指す。(以下、「球面の一部からなる形状」を単に「球面形状」とも略す。)
さらに、その「球面の一部からなる形状」の中心軸(その「球面の一部からなる形状」の中心点と、その「球面そのもの」の中心点とを結ぶ直線を意味する。いわゆる光学レンズ等の「光軸」と同等の「軸」であり、以下、「光軸」ともいう。)が基材面に対して垂直、もしくは、所定の角度をなすように形成されていることを意味する。そして、このことは、略平面といわれるホログラムレリーフの「面」に対して同様に垂直、もしくは、所定の角度をなすことをも意味し、また、「球面」も、「幾何学的に定まる理論上の単一な面」ではなく、その「面」に内在する凹凸や曲りの程度が目視では判別できない程度に小さいものであって、目視観察においては「幾何学的に定まる理論上の単一な球面」と認識するような「面」を意味する。
また、「ヘーズ(曇価ともいう。)」とは、JIS K 7136「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準じて求められるものであって、「試験片を透過する透過光のうち、前方散乱によって入射光から2.5°以上それた透過光の百分率」であり、「全光線透過率(平行透過率+拡散透過率)に対する拡散透過率の比」として定義されるものである。
(主なる用途)本発明のホログラムシート等の主なる用途としては、偽造防止分野や意匠用途などに使用される分野であって、具体的には、以下の(1)から(4)に使用される分野がある。
(1)製造メーカー純正品等、純正品の認証が意義を持つ種々の商品分野、例えば、電子機器、電気機器、コンピュータ関連製品、及び、それらの構成部品、コンピュータ関連ソフト、純正備品類(用紙やトナーなどのプリンタ消耗品等。)医薬品、医薬部外品もしくは化成品等。
(2)商品そのものが真正品であることを消費者に強く求められる分野、もしくは、シート等を貼付等することで意匠性を高めたり、商品が高価であることを示し、その商品の付加価値を高める分野など、例えば、書籍、文書、講演、演劇、映画、写真、絵画、彫刻、版画、図面、模型等もしくは、それらの編集物、又は記録媒体に記録したもの(ビデオカセット、コンパクトディスク、デジタルビデオディスクなど)等の著作物、所定の設定をされ、変更を防止しているROMボード(コンピューター機器、ゲーム機、遊技機等に用いられるもの。ROMとボードに渡る貼付も含む。)、時計類、ネクタイ、マフラー、衣服等衣類、ハンカチーフ、ネッカチーフ、カバン、バッグ、ベルト、財布、小物入れ、装身具、宝石等宝飾品、スポーツ用品、化粧品、食器類、記念カップ、キーホルダー、置物、花瓶、陶器、人形、家具類、建具類、傘、ステッキ、食品容器、たばこ、葉巻等、及びそれらの高級ブランド品等。
(3)本人確認の手段(ID証)分野、例えば、パスポート、運転免許証、保険証、会員証、身分証、住民登録証、病院カード、もしくは図書館カード等。
(4)経済秩序を保つ上で真正品であることが求められる分野、例えば、商品券、ギフト券等の金券類、もしくはプリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード等のカード類。
さらには、これらのものを包装し、その包装を封印する分野、例えば、単に保管のため、もしくは郵便物や小荷物として封筒に入れたり、パッケージに入れて配達や配送をする分野、商品をパッケージに入れて販売する分野、単純に包装する分野、それらの封緘シールとして使用する分野、また、それらの説明書や効能書等にその真正性を証明したり、後発医薬品との識別をするために貼付する分野等、または、これらのものを提供するサービスの用に供するもの等、例えば、各種サービスを提供する証し、貸与品の証し、さらには、各種サービスを受けることができる証し等に関し、特に、そのホログラムシート等に、印刷パターン等による、製造メーカー、出版社、著作者、ゲーム機運用会社、高級ブランド、証明書発行者、カードセキュリティ会社、金券類等発券または発行者、配達または配送会社、販売会社、その他関連組織等の名称や、ロゴ、印章、その他、他社との識別性を有する文字、図形、記号等、すなわち、ブランドロゴ表示や、真正性を表す文字や記号等を含めており、そのロゴや、文字、図形、記号等が、その製品の付加価値や、品質保証等の信頼性を高めるもの(証明するもの)である分野に好適である。
(先行技術)近年、光の干渉を用いて立体画像(3D画像)を再生し得るホログラムの開発が進められ、このホログラムは高度な製造技術を要すると共に様々な形態、例えばラベル、シール、または、箔状に形成可能なことから、これを応用し、偽造防止手段として、上記分野を含め、様々なものの一部に貼着して使用されている。
このホログラムは、一見して本物か否かが判り、しかも上記したように製造が困難であることから、広く利用されるようになってきた。
すなわち、偽造防止手段として、クレジットカード等の金券類、証明書等の一部に設けたり、外観の目新しさを狙つて本の表紙、パンフレット、レコードジャケット、パッケージ、衣類等の様々な物品に設けることが試みられている。
この様なホログラムの装飾性及び偽造防止性を高めるために、所定の「絵柄」をホログラムに付与することが行われている。すなわち、物品に貼着されたホログラム付きラベルの表面に「絵柄」を印刷等により設けることが試みられている。
従来、本出願人は、絵柄入りホログラム付きラベルについて、支持体とその支持体上にホログラム形成層、反射性薄膜層、接着剤層及び、必要に応じて剥離シ−トが順次積層されると共に、上記の任意の層間に少なくとも一層の「絵柄」層を有してなるもので、「絵柄」とホログラム再生像が一体に調和し、且つ、絵柄入りホログラム付きラベルを貼着した「被着体」のデザイン、色彩、色調と調和した美麗なものとし、「ホログラムステツカー」として有用であると共に、クレジットカード等の金券類及び高級製品に貼り付けられた場合には、高い偽造防止性を発揮する、絵柄入りホログラム付きラベルを提供している。
特に、その反射性薄膜層に隣接して(接着して)「絵柄」層を設け、「絵柄」を書き換えようとした場合、反射性薄膜層が損壊してしまい、書き換えられた「絵柄」であるか否かが容易に判別でき、偽造防止を図ることができるものを開示している(特許文献1参照。) 。
また、これらホログラムラベルの表面の支持体は、樹脂フィルムであり、その樹脂フィルムのみでは、付加した絵柄の耐擦傷性などの耐久性が不十分であるとして、ホログラムラベル表面の耐擦傷性などの耐久性を向上させ、裏側が透けず、質感にも優れるホログラム付きラベル及びその製造方法をも開示している(特許文献2参照。)。
しかしながら、これらのホログラムラベルに付加された「絵柄」層や、「印刷」層は、一般的コート方法や、一般的印刷方法により、各印刷方法に適したインキの顔料及び染料を選択して形成されるものであって、あくまで、「絵柄」層を書き換えようとすると、その「絵柄」層と接している「反射性薄膜層」を傷つけてしまい、「絵柄」層のみを書き換えることが物理的に難しいという特性から、偽造防止を図るものである。
特許文献2においても、「印刷」層は、「公知の印刷法で特に限定されることなく、例えば、公知のインキを用いて公知のスクリーン印刷やグラビア印刷で印刷すればよい」と記載するのみであって、真正なホログラムに「類似した視認性」(目視にて観察した際に、ホログラム再生像のように具体的な「像」を結像しないものの、光を乱反射したり、部分的に輝いたりして、「類似する光学的効果」を醸し出していることを意味する。)を付与したラベルに、全く同一の色調を有する「印刷」層を施して偽造品を作製することが可能と考えられた。
さらには、「印刷」層を形成した領域では、その「印刷」層がホログラムの光学的効果を遮断するため(観察側から見て手前に、「印刷デザイン」を強調するように「印刷」層を設けており、そして、その「印刷」層は、ほとんど光を透過しないため。)、偽造を試みる者は、この「印刷」層を形成した部分についてはホログラムの光学的効果を「再現」する必要がなく(通常、この「印刷」層形成領域は、ラベル全体の面積の大半を占めている。)、「印刷」層形成領域以外のわずかな領域のみについて、真正なホログラムに「似せた光学効果」を醸し出せればよいため、偽造が容易となってしまうという欠点を有していた。
この問題を解決するために、「印刷」層形成領域の上においてもホログラム効果を発現させるため、本出願人は、ホログラムレリーフ上に透明反射性薄膜層を設け、その透明反射性薄膜層上の一部に「印刷」層を設け、それらの層全体を覆うように全反射性薄膜層を設ける技術を開示している(特許文献3参照。)。
しかしながら、この技術は、ホログラムを製造する工程が非常に煩雑となるだけでなく、他の特許文献と同様に、「印刷」層は、一般的なものであって、「印刷」層そのものには、何ら偽造防止性を付与していないことから、やはり、上記したような偽造を防ぐことができず、「印刷」層そのものに対して偽造防止機能を持たせる、より高度な偽造防止効果を提供することができないものであった。
実公平5−18779号公報 特開2007−86251号公報 特開平7−129069号公報
本発明は、一方がホログラム再生像を透過するタイプ、及び、他方がホログラム再生像を消失させるタイプである、2種類の着色パターン層(例えば、「印刷」層など。)を、ホログラム形成層の上下に設けることによって、あたかも、一つの着色パターンがホログラムと複合されているように観察されるものの、あらかじめ定められた観察方法によっては、目視にて容易に、その2種類の着色パターン層を判別可能である、偽造防止性に優れ、且つ、真正性の判定が簡易な、ホログラムシート、ホロラムラベル及びホログラム転写シートを提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明のホログラムシートの第1の態様は、
透明樹脂基材からなるホログラム形成層と、反射性薄膜層とを積層してなるホログラムシートにおいて、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフが形成されていない面の一部に着色パターン層Aを設け、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフ形成面の一部に着色パターン層Bを設け、前記着色パターン層Bの前記ホログラムレリーフと接していない面は、球面の一部からなる形状をなし、且つ、前記ホログラムレリーフ並びに前記着色パターン層Bに追従するように前記反射性薄膜層を設けたことを特徴とするものである。
上記第1の態様のホログラムシートによれば、
透明樹脂基材からなるホログラム形成層と、反射性薄膜層とを積層してなるホログラムシートにおいて、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフが形成されていない面の一部に着色パターン層Aを設け、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフ形成面の一部に着色パターン層Bを設け、前記着色パターン層Bの前記ホログラムレリーフと接していない面は、球面の一部からなる形状をなし、且つ、前記ホログラムレリーフ並びに前記着色パターン層Bに追従するように前記反射性薄膜層を設けたことを特徴とするホログラムシートを提供することができ、あたかも一つのパターンとして形成されたものと観察される着色パターンが、実際には、視認性の異なる2種類の着色パターンから構成されていることで、偽造防止性が高く、真正性の判定が容易な、ホログラムシートを提供することができる。
特に、前記着色パターン層Aが、例えば「ある文字情報等」である「パターンa」を構成し、前記着色パターン層Bが、「『パターンa』とは異なる文字情報等」である「パターンb」を構成しているものとしたときに、前記ホログラムシートを前記透明樹脂基材側の真正面(その基材面に対して垂直上方から観察するという意味。)から観察した際には、前記着色パターン層A及び、前記着色パターン層Bが、同一の「色」を呈して、「パターンa」と「パターンb」との区別がなくなり、その「パターンa」と「パターンb」とが、「合成されたパターン」、すなわち、「一つのパターンc」(合成された一つの文字情報等)として視認され、且つ、前記ホログラムシートを前記透明樹脂基材側の予め定まった「角度及び距離」で斜め上方から観察した際には、前記着色パターン層Aと、前記着色パターン層Bが、互いに異なる「色」を呈して、「パターンa」と「パターンb」との区別が現れ、その「パターンa」と「パターンb」とが別々の文字情報等、すなわち、「ある文字情報等」と、「異なる文字情報等(『ある文字情報』とは別の文字情報等を意味する。)」として観察されることを特徴とするホログラムシートを提供することができる。
しかも、上記した「予め定まった『角度及び距離』」には、ホログラム形成層から出現するホログラム再生像によって定まる「角度及び距離」(ホログラム再生像の再生する「角度及び距離」)に加えて、着色パターン層Bの「球面形状」によって定まる「角度及び距離」が含まれることとなる。
このことは、一見して「一つのパターンc」、すなわち、一つの「色」で表現された「一つの文字情報等」を提示していると観察されるパターンが、二つの所定の観察「角度及び距離」において、「パターンa」と「パターンb」という、異なる「色」を呈する「二つに分割された、それぞれの文字情報等」として観察されることを意味する。
本発明のホログラムシートの第2の態様は、
前記透明樹脂基材のヘーズが、10%以下であることを特徴とするものである。
上記第2の態様のホログラムシートによれば、
前記透明樹脂基材のヘーズが、10%以下であることを特徴とする第1の態様のホログラムシートを提供することができ、着色パターン層Bの視認性をより明確なものとして、その偽造防止性をさらに高めた、ホログラムシートを提供することができる。
本発明のホログラムシートの第3の態様は、
前記ホログラム形成層の屈折率と、前記着色パターン層Bの屈折率が同一、もしくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とするものである。
上記第3の態様のホログラムシートによれば、
前記ホログラム形成層の屈折率と、前記着色パターン層Bの屈折率が同一、もしくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする第1の態様または第2の態様のホログラムシートを提供することができ、着色パターン層Bによる、ホログラムレリーフを消失させる効果をより明確なものとして、その偽造防止性をさらに高めた、ホログラムシートを提供することができる。
本発明の第4の態様であるホログラムラベルは、
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするものである。
上記の態様のホログラムラベルによれば、
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするホログラムラベルを提供することができ、被貼着体への適用を容易とした、ホログラムラベルを提供することができる。
本発明の第5の態様であるホログラム転写シートは、
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂基材と前記着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするものである。
上記の態様のホログラム転写シートによれば、
第1〜第3の態様のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂基材と前記着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするホログラム転写シートを提供することができ、偽造防止性を付与する対象物へ容易に適用でき、且つ、適用後は、もはや剥がすことを物理的に難しくして、その偽造防止性を高めることが可能な、ホログラム転写シートを提供することができる。
ホログラムとは、一方で、ホログラム再生像として再生したい「3次元物体」に対して、時間的、且つ、空間的コヒーレント性を有する光である、レーザー光を照射(照明)し、その「3次元物体」の表面で、反射、散乱、もしくは、回折した「光」(これが「物体光」と呼ばれる。)を、所定の角度で、感光材料へ入射させ、他方で、そのレーザー光そのもの(これが、「参照光」と呼ばれる。)を、その「物体光」の入射角度とは異なる角度で、同時に、その感光材料へ入射させて、その「物体光」と、「参照光」とを干渉させ、その干渉によって生じた「干渉縞」を、その感光材料に記録したものである。
このホログラム形成方法は、撮影方式によるホログラム形成方法の一つであって、「二光線束法」とも呼ばれる。
その「物体光」と、「参照光」は、互いにコヒーレントであるので、感光材料内に鮮明な干渉縞が発生し、その干渉縞が記録される。
まず簡単な場合として、参照光及び物体光の二つが、いずれも平行光であって所定の角度をなす場合を考えると、二つの光の感光材料面までの道筋(光路)の長さの違い、したがって二つの光の位相の違いによって、感光材料面上のある位置では互いに強め合い、また別の位置では弱め合い、結果として感光材料には、参照光、物体光のなす角度によって決まる等間隔で感光材料面に垂直方向に伸びる干渉縞が記録される。
また、この干渉縞のコントラストは、参照光及び物体光の振幅が等しいとき最も大きく、相違があるほど小さくなる。物体光は、「3次元物体」の立体形状に依存して変化する光であって平行光ではないので、干渉縞は乱れたものになる。
しかし、その乱れは、参照光に対する物体光の位相の変化が干渉縞の横ずれとして、また、振幅の変化がコントラストの変化として生じ、感光材料には、物体光の位相及び、振幅の情報がすべて記録される。このようにして露光された感光材料を現像処理したものがホログラムとなる。
このホログラムには、普通のカメラで写した写真のようには、物体の像が写っておらず、ただ一様に白濁しているように見える(屈折率分布として記録されている。)が、光の波長に近い細かさで物体情報が完全に記録されている。
この感光材料として、フォトレジストを用い、フォトレジストの現像時間管理によって、フォトレジストの表面に、所望の深さの凹凸を設けたものが、レリーフホログラムであって、その凹凸が、上記と同様に、その深さや、周期において乱れたものとなっており、その乱れが、物体光の位相や、振幅の情報を含むことになる。
そして、その凹凸面が、ホログラムレリーフ面であって、このときの「凹凸面を有する感光材料層」が、「ホログラムレリーフをその一方の面に有するホログラム形成層」、すなわち、「透明樹脂基材からなるホログラム形成層」となる。
干渉縞を記録したホログラムを、例えば、上記した参照光と同一のレーザー光で照明すると、その干渉縞が、光の進行方向を変える回折格子として作用する。
回折格子に光が入射すると、そのまま透過する直接透過光(ゼロ次回折光)のほかに、格子の間隔、この場合は、干渉縞の間隔によって決まる方向に+1次、及び、―1次の回折光を生じる。
ホログラム作成時、物体光及び参照光として、互いに所定の角度をなす2つの平行光を用いた場合には、このホログラムを照明した際の+1次、及び、―1次の回折光は、いずれも平行光であり、前者は、元の物体光が感光材料を透過する方向に進む。
実際の干渉縞は物体光の位相や振幅で乱されているので、それに対応するように+1次の回折光は乱され、元の物体光をそのまま再生することになる。ホログラムを通して観察すると、ホログラム再生像は、ゼロ次の回折光、または、―1次の回折光による攪乱を受けず、元の位置に物体の像が立体的に再生する。この像は直接像とよばれ、あたかも物体から光が出たように、発散する光で見えるので虚像になる。また、―1次の回折光によって、ホログラムの右側に、元の物体と前後が逆になった像が再生する。これは共役像とよばれ、実際に光が集束するので実像になる。
直接像を、見る位置を変えて観察すると、3次元物体の前後の相対位置が変化し、立体的に再生していることを確認できる。
この状況は、レリーフホログラムにおいても同様であって、上記したホログラム形成層が有するホログラムレリーフ面を、所定の「参照光」で照明すると、所定の角度、且つ、所定の距離に直接像(ホログラム再生像)が現れる。
そして、このホログラムレリーフ面を「反射面」と位置付けると、そのホログラムレリーフ面で「反射した光」が、所定の角度によって決まる反射方向へ、且つ、所定の距離だけ離れた位置に、その直接像を出現させる。その共役像である実像も同様である。
本発明のホログラムシート等は、透明樹脂基材の一方の面に形成したホログラムレリーフ面を反射面とし、透明樹脂基材の他方の面から、参照光(照明光を意味する。)を入射させた際(例えば、ホログラムシート等の「垂直線に対して20度の角度」から照明光を入射させることをいう。)、「透明樹脂基材の一方の面にホログラムレリーフが設けられたホログラム形成層」の中(すなわち、「ホログラム形成層」の中)を透過して、そのホログラムレリーフ面(反射面)で反射した光(3次元物体の情報を含んでいる光となっている。)が、再び、ホログラム形成層の中を透過して、参照光入射側に戻ってくるときに、ホログラム再生像を出現させる。
また、本発明のホログラムシート等は、ホログラム形成層のホログラムレリーフを形成していない面に、着色パターン層Aが形成されており、その着色パターン層Aが表している「パターン」(パターンaと称している。)が、「同色(一つの色)」の「パターン」(パターンa)として、視認される。
さらに、本発明のホログラムシート等には、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成された着色パターン層Bが設けられており、且つ、その着色パターン層Bのホログラムレリーフと接していない面が、球面形状となっており、その着色パターン層Bが表している「パターン」(パターンbと称している。)が、「同色(一つの色)」の「パターン」(パターンb)として、視認される。
そして、着色パターン層Aの形成領域である「パターンa」と、着色パターン層Bの形成領域である「パターンb」とが、特定の観察角度範囲において、「一つの色を有する一つのパターン」(パターンcと称している。)を構成するように形成されているため、この「色」の同一性により、本発明のホログラムシート等には、その範囲において、あたかも一つの「パターンc」が形成されているように観察される。
そもそも、「色」とは、「物体」からの反射光を、色相(色合い)、彩度(鮮やかさ)、明度(明るさ)の3つの要素で視認し、認識される「情報」である。(3要素は、「色の三属性」とも呼ばれる。)
そして、慣用的に用いられる「色調」という語は、色の配合、色の濃淡や強弱などのぐあいを意味し、上記と同様に、「色相」、「彩度」及び「明度」を複合した概念であるが、本明細書では、この3要素からなるものを「色」という語で統一する。
従って、ここでいう「二つ以上の物体が同色である」とは、それらの「物体」が、「同一の色を呈する」ことであって、それらが、「同一の色相」、「同一の彩度」及び「同一の明るさ」を有していることを意味し、それらを視認したときに、それらが「同じ色」と認識されることをいう。
すなわち、着色パターン層Aや、着色パターン層Bは、透明性を有する樹脂に、染料や顔料を分散し、且つ、溶解したものを用いるが、染料や顔料の種類、その分散性、溶解性、顔料粒子の大きさや、形状、その表面状態、その他の添加剤、そして、形成方法や、形成時の乾燥条件、硬化条件、さらには、その厚さや、界面の状態により、色相、彩度、明度が決まり、そして「色」が定まることとなる。
さらに、本発明のホログラムシート等の着色パターン層Bの形成厚さには、所定の曲率半径によって定まる変化があるため(着色パターン層Bの一方の面が略平面であるホログラムレリーフと接し、他方の面が球面形状となっているため、その厚さは、徐々に、球面形状の周辺にあたる薄い方の領域から、球面形状の中心の厚い方の領域へと所定の曲率で増加していることをいう。)、着色パターン層Bを形成する際に一つの組成のインキのみを用いたときには、着色パターン層Bの形成領域内において、若干の「色」の違いが視認される可能性がある。
着色パターン層Bの球面形状の上に、その球面形状に追従するように反射性薄膜層を形成すると、あたかも、そこに、その反射性薄膜層による凹面鏡が置かれたような状態となり、その凹面鏡に入射する平行光は、その曲率半径をR(mm)とし、着色パターン層Bの屈折率nが1.5であった場合には、着色パターン層Bの球面形状の底の位置から、光軸方向に対して、R/(2×1.5)(mm)の距離だけ離れた位置に、その平行光が集光する。従って、この集光点に観察者の目を置くと、その凹面鏡からの光を全て受け、着色パターン層Bが明るく輝いて見えることとなる。
但し、その明るさは、その集光点において極大値をとって、その前後左右において急速に弱まる。すなわち、その集光点の左右(光軸に垂直な方向。)に数mmだけ観察する位置をずらしただけで、その輝きを全く見ることができなくなり、その集光点の前後(光軸方向。)に、曲率半径R(mm)の数%程度だけ位置をずらすと、その明るさを認識することが難くなる。
従って、屈折率が1.5の着色パターン層Bに形成する球面形状の曲率半径は、本発明のホログラムシート等を観察する点(観察者の目の位置。)から通常300mm程度(200mm〜400mm)の距離だけ離してその真正性を判定することを考慮して、600mm〜1200mmとすることができる。(着色パターン層Bの屈折率をnとすると、球面形状の曲率半径は、200×2n〜400×2n(mm)とすることを意味する。もちろん、300×2n±10%と設定して、真正性を判定する者が、その観察点をホログラムシート等から約300mmの位置に置き、そのホログラムシート等を前後に少し移動させるだけで、容易にその集光する点を見つけることができるようにすることも好適である。)
真正性判定時には、上記したように、300mmの距離だけ離して本発明のホログラムシート等を観察することになるが、その際に、「着色パターン層Bの『球面形状』によって反射され、集光点に集光される光」は、曲率半径が600mm未満であると、集光点がホログラムシート等から約200mmのところとなり、その点から再び光が広がるため、通常の観察点であるホログラムシート等から300mmの位置においては、視認し得る可能性が小さくなる。また、曲率半径が1200mm未満であると、集光点がホログラムシート等から約400mmのところとなり、通常の観察点においては、着色パターン層Bの球面形状によって反射された光が、十分に集光されておらず、やはり、視認し得る可能性が小さくなる。
さらに、秘匿されている「着色パターン層Bの球面形状によって集光される光」を、その真正性判定時に確実に視認できるようにするためには、その着色パターン層Bの球面形状は、所定の曲率半径を持つ幾何学的に精密な、いわゆる理想的な単一の球面となっていることが最も望ましく、少なくとも略球面(その球面を拡大すると微小な段差や凹凸が存在するが、その段差や凹凸が微小であって、且つ、光吸収現象や光回折現象を生じず、目視観察レベルでは、連続するなだらかな面であって、あたかも精密な球面であると視認されることを意味する。)とする必要がある。
すなわち、その面が精密な球面であれば、その球面上に反射性薄膜層を設けた時に、理想的な凹面鏡となってその集光性が高くなり、また、球面収差や歪曲収差等による不必要な集光点の分散を防止することができる。但し、色収差は必ず発生するため、着色パターン層Bの「色」を基準としてその「色」の波長に適合する球面を設計する。
このようにすることにより、集光される光の集光点の位置のブレ幅を非常に小さいものとすることができ、そのような光が存在することを知らない第三者に発見される可能性をより小さいものとすることができる。
また、着色パターン層Bが離散的に形成されたものである場合には、それぞれの形成部分におけるそれぞれの球面形状の曲率半径は同一であることが望ましく、異なるとしても、その差が±10%以内、さらには、±3%以内とすることがより望ましい。
また、着色パターン層Bの球面形状の曲率半径を900mmとし、その球面形状として、直径10mmの円を底面とするドーム形状とした場合には、そのドームの高さは、13.9μmとなり、また、直径20mmの底面を持つドーム形状とした場合には、そのドームの高さは、55.6μmとなるため、この球面形状を形成する際に、一つの組成のインキのみを用いて着色パターン層Bとした場合には、そのドーム形状の周辺部分は「色」が薄く、そのドーム形状の最も高い部分の「色」は非常に濃いものとなって、着色パターン層Bの中に「色」の差が発生し、着色パターン層Bの形成領域内において、「色」の違いが視認されることとなる。
そこで、この直径10mmのドーナツ形状の底面領域(すなわち、直径10mmの円。)を、直径方向に50μm毎の同心円で分割し、その小さな個々のドーナツ状の領域の最外周にあたる領域の着色層の厚さを10μmとし、個々のドーナツ状の領域の中心にあたる領域(この領域は、半径50μmの円になる。)には、(10μm+13.9μm)=23.9μmの厚さの着色層を設け、そして、厚さ10μmの最外周領域の着色層の「色」と、厚さ23.9μmの中心領域の着色層の「色」が、「同一」となるように、それぞれのドーナツ状の領域に対応する着色層に用いるインキ組成を「濃度の高いもの」から、徐々に「濃度の低いもの」へと変化させるなど、適宜な手段を用いて着色パターン層Bを均一な「色」を呈するものとする。
そして、この着色パターン層Bが、例えば、具体的にアルファベットの「A」であった場合には、直径10mmの円に内設する文字「A」を設定し、上記した50μm毎に区切られたドーナツ状領域において、その文字「A」の画線領域に該当する部分のみに、上記したインキ組成の着色層をそれぞれ対応する厚さで形成することにより、目視にて一つの「色」で構成された文字「A」を視認し、且つ、300mm離れた光の集光点にて、その「色」が明るいものに変化することを確認することができるものとすることができる。
以上の形成例は、着色パターン層Bとして、直径10mmの2つの平行な底面からなる高さ10μmの円柱形の土台の上に、直径10mmの底面を持つドーム形状を乗せたものとし、且つ、そのドーム形状をなす球面形状の光軸が、透明樹脂基材の基材面に垂直となるように設計した場合につき詳述したが、この土台を、互いに所定の角度をなす2つの底面をもつ円柱形状(平行底面の円柱を、斜平面で切断した形。一つの底面は円のままだが、切断面は楕円となる。)とし、その斜面上に、その斜面に垂直な光軸を持つ球面形状(球面形状の底面も楕円となる。)を設けることで、着色パターン層Bの球面形状を「所定の角度に集光する凹面鏡」とすることができる。
このとき「所定の角度」とは、透明樹脂基材の基材面にたいして垂直な線を0度とし、0度〜30度とする。30度を超えると、その凹面鏡で反射し、集光する光の進行方向が60度を超えて、確実な判定が難くなり、判定の信頼性が低下する。
さらには、この着色パターン層Aや、着色パターン層Bの裏面(背後という意味も含む。)に、反射性薄膜層を設けて光を反射させたときには、反射性薄膜層の波長依存性等の光反射特性に起因して、参照する光の波長分布や、強度分布によって、上記反射光の3要素が変化し、結果として、視認される「色」が異なるものとなってしまう可能性がある。
従って、本発明における「同一の色」を実現するためには、本発明のホログラムシート等を参照する際の、ホログラムシート等の中を透過または反射する光の特性やその挙動を踏まえ、調整して、最終的に、特定の範囲で観察される「色」を同一とする必要がある。
すなわち、その着色パターン層Aにおいて視認される「色」を、その垂直上方で観察する際には、単純に着色パターン層Aの最上面で反射される光だけでなく、着色パターン層Aとホログラム形成層を透過し、反射性薄膜層で垂直方向に反射され(ホログラムレリーフ面で反射される0次回折光を意味する。)、再び、ホログラム形成層と着色パターン層Aを透過して戻る光(戻り光ともいう。)を考慮に入れる必要がある。
また、着色パターン層Aにおいて視認される「色」を、そのレリーフホログラムの再生方向で観察する際には、所定の角度をもって着色パターン層Aの最上面で反射される光だけでなく、着色パターン層Aとホログラム形成層を透過し、反射性薄膜層でホログラム再生方向に反射され(ホログラムレリーフ面で反射される±1次回折光を意味する。)、再び、ホログラム形成層と着色パターン層Aを透過して戻る光を考慮に入れる必要がある。
さらに、着色パターン層Bにおいて視認される「色」を、その垂直上方で観察する際には、着色パターン層Bとホログラム形成層との界面で単純に反射される光(ホログラムは再生されないのでホログラム再生像を考慮する必要がない。)だけでなく、ホログラム形成層の透明性や、着色パターン層Bの厚さとその変化の度合いを考慮する必要がある。
また、その着色パターン層Bにおいて視認される「色」を、その球面形状の集光方向で観察する際には、ホログラム形成層と着色パターン層Bを透過し、凹面鏡となった反射性薄膜層で反射して、再び、着色パターン層Bとホログラム形成層を透過する光を考慮に入れる必要がある。
ここで、着色パターン層Aや着色パターン層Bの「色」は、当然に、その表面での反射光だけでなく、着色パターン層Aや着色パターン層Bの層内まで侵入し、層内にある着色顔料などによって反射される光を含むが、説明の簡略化のため、以下の説明においては、「着色パターン層Aの表面での反射、または、着色パターン層Bの表面での反射」という表現に統一する。
いずれにしても、本発明のホログラムシート等においては、その垂直上方から観察する際に、着色パターン層Aと、着色パターン層Bの「色」が「同一の色」を呈することが必須であり、且つ、その球面形状の集光方向での観察において、着色パターン層Aと、着色パターン層Bの「色」が異なる「色」を呈することが求められる。
もちろん、その球面形状の集光方向での観察において、着色パターン層Aと、着色パターン層Bの「色」が明確に異なる「色」を呈するようにしたり(「色差」が大きいことを意味する。)、さらには、そのような差が発現する観察角度(判定可能な角度範囲という意味。)を非常に狭いものとすることが真正性判定の信頼性、すなわち、偽造防止性を向上させるため、特に好ましい。
さらに具体的に説明すると、
ホログラム形成層の一方の面にホログラムレリーフを形成したホログラムシート等に、ホログラム形成層の他方の面から入射した参照光は、着色パターン層Aの領域及び、その他の領域から、ホログラム形成層を透過し、ホログラムレリーフ面で反射すると同時に、ホログラム再生像の情報を含み、再び、ホログラム形成層を透過し、さらに、着色パターン層Aの領域においては、着色パターン層Aをも透過し、その他の領域においては、そのまま、観察者側に戻ってくる。
この際、ホログラム再生像を含んだ反射光は、上記したように、「物体光の位相や、振幅の情報」を含んでいるため、着色パターン層Aの領域、すなわち、「パターンa」の領域の「色」に、僅かではあるが「変化」を与えることになる。
これに対して、着色パターン層Bの視認性は、上記したようなホログラム再生像による影響を全く受けない。これは、着色パターン層Bが形成する「パターンb」の領域内においてホログラム再生像が発生しないためである。着色パターン層Bは、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成されており、従って、着色パターン層Bが形成する「パターンb」の領域内においては、ホログラムレリーフ面(界面)にて、ホログラム形成層を構成する透明樹脂と、着色パターン層Bを構成する樹脂が、直接、「接着」しているため、この界面での反射が抑制され、この界面に入射する光は、この界面を単に「透過」してしまうこととなる(ホログラム情報を含まず、「素通り」するという意味。)。
従って、ホログラム形成層の一方の面にホログラムレリーフを形成したホログラムシート等に、垂直上方から入射した参照光は、ホログラム形成層を透過し、着色パターン層Bの領域、すなわち、「パターンb」の領域においては、ホログラムレリーフ面(界面)を透過(素通り)し着色パターン層Bをも透過して、反射性薄膜層に到達することとなり、また、着色パターン層Bの領域以外の領域、すなわち、「パターンb」の領域以外の領域においては、ホログラム形成層透過後、直接、反射性薄膜層に到達することとなる。
そして、着色パターン層Bの、ホログラムレリーフと接している面と反対側の面は、「球面形状」となっており、この「球面形状」に追従して、反射性薄膜層が接着しているため、この領域での「光の反射」は、この反射性薄膜層が構成する凹面鏡によって「集光される光」となる。
この「集光される光」(凹面鏡に「入射する光」の入射角度と、「集光される光」の進む方向、すなわち「集光される光」の出射角度は、凹面鏡の光軸に対して対称となる。)は、ホログラム再生像の情報を持たず、「パターンbの形」をその「情報」(イメージ情報という意味。)として、集光方向へ進み、再び、着色パターン層B及びホログラム形成層を「透過」して、その観察側に戻ってくるため、観察側において「パターンb」をその「色」において鮮明に視認することとなる。
すなわち、本発明のホログラムシート等を観察する際に、例えば、その垂直上方から観察した場合には、「パターンb」の領域内には、ホログラム再生像が視認されず、形成した着色パターン層Bの「色」そのものを確認することができ、しかも、その着色パターン層Bの球面形状の上に設けられた反射性薄膜層によって集光される光は、その集光方向に集光されて、垂直上方には戻ってこないため、反射性薄膜層によって集光される光がその「色」に影響を及ぼすことはない。
従って、垂直上方からの観察において、着色パターン層Aの「色」と、着色パターン層Bの「色」とを「同一」とするには、 着色パターン層Aにおいては、参照光がその着色パターン層Aの表面で反射される、その反射光と、その着色パターン層Aを透過し反射性薄膜層で反射して戻ってくる戻り光の割合を調整し、表面での反射光の割合を多くすることが求められ、着色パターン層Bにおいては、反射性薄膜層で構成される凹面鏡からの垂直方向(凹面鏡の光軸方向にもなっている。)への戻り光がないため(照明光が垂直線上方20度から入射する場合等。)、着色パターン層Bの形成領域である「パターンb」の領域の厚さ変化を踏まえてその領域内の「色」を同一に調整する必要があるとともに、ホログラム形成層の透明性を確保することが求められる。
このような「視認性の違い」(「パターンa」、及び「パターンb」の各々の「見え方」が、「色の違い」を根拠として、「異なるもの」として認識されたり、「同一の色」と認識されたりすることを意味する。)を有する、着色パターン層Aの「パターンa」と、着色パターン層Bの「パターンb」とが、特定の観察条件下では、「同一の色を有する一つのパターンc」であるがごとく形成されているため、ホログラム再生像の光が進む方向や球面形状による集光方向以外の観察角度においては、この「色」の同一性により、本発明のホログラムシート等の上には、単に、「一つの色を有する、一つのパターンc」が形成されているように観察される。(この「特定の観察条件」は、ホログラムシート等を真正面から観察する場合のような、ごく一般的な観察条件とすることが好ましい。)
しかし、ホログラム再生像が発現する方向(予め定まった角度)で、且つ、ホログラム再生像が結像する位置(予め定まった距離)において、観察すると、全く「色」に変化を生じない「パターンb」と、僅かに「色」に変化を生じる「パターンa」とで、確実に判別可能な「色差」が発生し、「パターンc」が、単一の「一つのパターン」ではなく、2種類の「パターン」で構成されていることが判読されることとなる。
さらに、その球面形状による反射光の集光方向(予め定まった角度)で、且つ、実際に反射光が集光する位置(予め定まった距離)において、観察すると、「パターンb」が、反射性薄膜層で集光された光によって着色パターン層Bの背後から照明された状態となり、「パターンb」の明るさが明るい方へ変化して、「パターンa」との間で、確実に判別可能な「色差」が発生し、「パターンc」が、単一の「一つのパターン」ではなく、2種類の「パターン」で構成されていることがこの角度においても判読されることとなる。
この「視認性の違い」は、一方のパターンが、限られた所定の「観察『角度及び距離』」を除いて、それ以外の「観察『角度及び距離』」の範囲においては、「観察『角度及び距離』」に依存せず、一定の色にて、「安定」して視認できるものとして認識され、他方のパターンが、「観察『角度及び距離』」を変えたとき(ホログラムシート等をそのシート等の平面内において回転させる等により、ホログラム再生像の再生方向を変えることができ、そのことは、相対的に、その「観察『角度』」を変えたこととなる。)、その「色」が、変化しやすく、いわば「不安定」なものとして認識されることを意味すると言うこともできる。
ここでいう「色差」とは、例えば、L*a*b*色度図(LAB表色系)における△E{=(△a2+△b2+△L21/2)}で表される「色差」であって、「同色」とは、この「色差」が、0.5以下となることを意味する。
国際照明委員会(CIE)が提唱する表色系には、その他、RGB系、XYZ系(Yxy系)、UVW系(Luv系)等があるが、これらは相関しており、容易に換算が可能であって、その換算値を用いることもできる。
そして、「色」の変化は、この△Eが0.5を超えると「差があるもの」として認識され(SLIGHT:差がわずかに感じられる。)、1.5を超えると明確にその「違い」を視認できる(NOTICEABLE:差がかなり感じられる。)。
そもそも、本発明のホログラムシート等を観察する一般的環境は、上記した種々の用途において、そのホログラムシート等を適用した物品等を使用する環境であって、身に着けたり、持ち運びする場合には、屋外環境であったり、外出先のデパートやショッピングモール等の室内環境となり、家庭内に据え置くものに適用した場合には、その家庭内環境となる。
屋外環境においては、太陽光線や、その太陽光線が建物等で反射した光が入射光となり、室内環境においては、デパート等や、ショッピングモール等、さらには、一般家庭内の照明である蛍光灯等が光源となって、その蛍光灯等が発する光が入射光となるため、その角度は、複数、且つ、様々であり、それら多数の入射光によって、個々に対応するホログラム再生像が発現する。
従って、この着色パターン層Aの「パターンa」は、それら対応する複数のホログラム再生像が発現する『角度及び距離』において、その度に、その「色」を変化させることとなり、他方、着色パターン層Bの「パターンb」の領域は、非常に限られた所定の角度方向(反射性薄膜層によって反射光が集光される角度方向。)にたまたま照明光源が存在し、且つ、所定の距離だけ離れた位置から観察していた場合を除き、一つの「色」を常に呈することとなる。しかも、そのような偶然によって、所定の角度に照明光源が存在したとし、且つ、所定の距離だけ離れた位置から観察していたとしても、その一つや二つの照明光源からの照明光の量は、室内全体の照明光源による照明光の量と比較すると無視できる。
これは、所定の角度が非常に狭く設定してあり、しかも、観察者とホログラムシート等を結ぶ線から左右に外れるものは対象外となるため、着色パターン層Bの「色」に影響を及ぼすと考えられる角度範囲は、非常に狭い範囲に限定されるためである。(例えば、ホログラムシート等を中心とするドーム状の半円球の曲面を想定したとき、その曲面上の中で、該当する範囲が、その曲面の面積全体に比較し、1/100未満となるという意味である。)
従って、観察者は、照明光源を着色パターン層Bの「色」に影響を及ぼす角度範囲内にのみに配置するような方法(その光源以外の周辺の光源を遮蔽するという意味。これが真正性判定方法の一例である。)をとらない限り、着色パターン層Bの「色」の変化に気づくことはない。
このように、「パターンb」が「一定」の色を呈することは、この「色」を基準として、僅かに色が変化する「パターンa」を「対比する」ことを可能にしており、この「対比」により、確実な真正性判定を実現している。
さらに、着色パターン層A及び着色パターン層Bを、比較的隠ぺい性が高いもの、例えば、可視光透過率にして10%〜30%(層内を往復して戻る光は1%〜9%になる。)とし、ホログラム再生像を発現する反射光や、球面形状で反射する光を僅かなものとすると(透過後のホログラム再生像のホログラム再生効率を回折格子換算の回折効率で表して、20%以上とする必要があり、好適には30%以上とする。)、ホログラムシート等を一瞥したのみでは、上記した「視認性の差」を「認識し難いもの」とすることができ、この僅かな「視認性の差」が存在することを知り得る者(正当な権利を有する者を意味する。)のみが、その「差」を探し出すようにして判読し、真正性を判定することができるようにすることも好適である。
また、「パターンa」を、ホログラム再生像を発現しない方向から観察した場合には、その背後にある反射性薄膜層からの均一な反射光を受けて、その領域の隅々まで一様な明るさを付加された、同一の「色」として観察される。すなわち、この反射光は、「パターンa」においては、ホログラムレリーフ面及びその面に追従して形成されている反射性薄膜層からの「0次回折光」であって、その強度は均一であり、そして、その反射角度は、垂直方向となる。
そして、「パターンb」を垂直上方から観察した場合には、着色パターン層Bの下の「球面形状」及び、その面に追従して形成されている反射性薄膜層から出てくる「集光された光」は、観察者の方には戻ってこないため、背後からの明るさは付加されないため、「パターンa」と「パターンb」には、大きな「明るさ」の差が生じてしまう。
従って、このような「パターンa」と「パターンb」を同一の「色」とするためには、少なくとも、着色パターン層Bの「明度」を着色パターン層Aよりも上げるか、または、着色パターン層Aの厚さを着色パターン層Bの厚さより厚くして、光の透過性を下げる必要がある。
このような調整により、「パターンa」と「パターンb」の視認性を同一とする。(ここでいう「視認性が同一」とは、それらの戻り光を色差計等により光学的に測定した場合に、「同一の色」となることを意味することは言うまでもない。)
例えば、観察者に対して、「パターンb」から戻ってくる光と、「パターンa」から戻ってくる光との比が、(1.5)対(1)のときには、着色パターン層Bと着色パターン層Aに、同一の透明樹脂、同一の染料または顔料を用い、その厚さの比を(1.5)対(1)とする等の調整を行う。
もしくは、着色パターン層Bに、透明性を維持しながら透過する光を散乱させる効果を有する、シリコン樹脂等の透明な微粒子を添加することも、その調整が容易であるため好適である。
また、着色パターン層Aの透明性を高いものとし、ホログラム再生像のホログラム再生効率を回折格子換算の回折効率で表して、20〜40%と高くすると、反射性薄膜層からホログラム再生像の強い光が反射してくるため、ホログラムシート等の全体領域が明るくなって、着色パターン層Aの「パターンa」の領域と、その領域の周辺領域とのコントラスト(明るさの差)が小さくなり、あたかも「パターンa」が消失したように視認されるため、このように「消失」する部分を混入させることも、その偽造防止性を高めるためには好適である。
ここで、回折効率は、光源として、半導体レーザー(例えば、キコー技研 MLX標準コリメートレーザー:電圧DC4.8〜6.5Vの平行光時ビーム径拡大6mm)を用い、入射光強度に対する反射光強度の割合(%)で求めることができる。
また、着色パターン層Aと着色パターン層Bを、いずれも透明性の高いものとすると、「パターンa」においては、ホログラムレリーフの0次回折光が、正反射光として強く反射し、明るい「色」を有する領域となり、「パターンb」に用いられる着色パターン層Bの「明るさ」を上げることにより、その「視認性の差」を僅かなものとすることができるが、これらの効果は、反射性薄膜層そのものの光の反射率が高い場合(照明光となる可視光線の反射率が70%以上の場合。)に顕著に表れる。
逆に、着色パターン層Aと着色パターン層Bを隠ぺい性の高いものとしたときには、反射性薄膜層そのものの光の反射率が低い場合(照明光となる可視光線の反射率が30%以下の場合。)にさらに顕著に表れることとなる。
以上のように、着色パターン層Aの上下の面、及び、着色パターン層Bの下の面、の形成形状は、透過乃至は反射する光に対して、散乱性を持たず、「平滑な面」(「鏡面」に近いものを意味する。)とする必要があり、ステンレススクリーン印刷方式、凹版方式、レジスト処理方式、さらには、着色層転写方式を用い、インキとしては、透明な樹脂に、その樹脂に溶解性の高い染料を混入させるか、もしくは、透明な樹脂に、粒径の小さい顔料を混入させ、その顔料が二次凝集しないように、ボールミルや、ニーダー等を用いて、顔料を樹脂中に十分に分散させたものを用いることが好ましい。
また、オフセット印刷方式や、グラビア印刷方式、シルクスクリーン方式を用いる場合には、形成時のインキの粘度調整、及び、乾燥条件の管理により、上記のような「平滑な面」を実現する必要がある。
着色パターン層Aの厚さは、2.0μm〜20μmであり、その平滑性は、表面粗さRaで表して、可視光の波長以下、すなわち、0.1μm〜0.5μmとする。
2.0μm未満では、安定した「色」を呈することができず、20μmを超えると、その段差が視認できるようになるため不都合である。
また、平滑性については、Raが0.5μmを超えると光の散乱性が高くなり、その界面での光の反射が多くなって、その界面の視認性と、着色パターン層Bの視認性との間に、大きな差を生じることとなるため不都合である。平滑性は、もちろん、0.1μm未満とすることが好ましいが、印刷方式や、レジスト処理方式等において形成する場合には、物理的な困難性を伴うものとなる。
ホログラムレリーフ面は、その凹凸の形状そのものが、「3次元物体」の立体形状(位相)や、立体表面の反射強度(強度)を再現して、ホログラム再生像を結像し、その凹凸形状の精密性が、再現するホログラムの鮮明性に直結している。
ホログラムは、ホログラム再生の冗長性から、ホログラムレリーフの一部を消失(ホログラム再生像が結像する方向へ光が進行しない部分を設けるという意味。)しても、その鮮明性には影響を及ぼさないという性質を持つものの、それは、不要な光の成分が加わらないことによることを意味し、例えば、その凹凸形状に変形を加えた場合は、ホログラム再生像を形成する光の位相や強度を歪めることから、その変形が僅かであっても、ホログラム再生像の鮮明性を低下させることとなる。
従って、そのホログラムレリーフ面に、0.01μm厚さの僅かな油等の汚れが付着したり、微細な傷や凹みがついたり、僅かであっても凹凸が歪むような圧力が加わったりすると、その鮮明性の低下を招き、その真正性の判定を不安定なものとする。
このため、着色パターン層Bをホログラムレリーフ面上に形成する際には、細心の注意が必要であり、着色パターン層Bを設ける領域以外の凹凸面には、何らの作用も生じない方法を用いる。
このことから、オフセット印刷方式や、グラビア方式は、その原理から、着色パターン層B形成領域以外の凹凸面に、版胴が押し付けられ、その圧力のみならず、溶剤や湿し水が付着するという課題を有する。
従って、原理的に、着色パターン層Bを設ける領域のみに作用する方式である、ステンレススクリーン方式や、あらかじめパターン状に着色層を形成した転写シートを用いて、その着色層部分のみを転移させる着色層転写方式を用いることが好ましい。
もちろん、ホログラムレリーフに使用される透明樹脂をその表面強度の大きい電離放射線硬化タイプとして、ホログラムレリーフ形成後に十分硬化させ、且つ、着色パターン層Bを形成する際には、そのホログラムレリーフに全く影響を及ぼさない純度の高い溶剤や、純度の高い水(純水等。)を用いて、余分な付着物を後処理において除去可能とするなどの手法も好適である。
着色パターン層Bの厚さは、着色パターン層Aの厚さに対応して決められるが、少なくとも、ホログラムレリーフを埋めることが可能であって、且つ、一方の面が「球面形状」となるのに十分な厚さが必要であり、着色パターン層Bの断面形状を、「土台とその上に設けられた球面形状」で例えた場合には、まず、その土台となる部分の厚さは2.0μm〜10μmとする。
そして、土台の上にある球面形状部分は、「球面形状」の曲率半径及び光軸の角度によってその形状が決まることとなる。そして、その球面形状の平滑性(「実際の球面形状の、理想的な球面形状からのずれ」を、「実際の平面の、理想平面からのずれ」と同様に扱うという意味で「平滑性」という言葉を用いる。)は、0.1μm〜1.0μmとする。
ホログラムレリーフの凹凸深さは、0.1μm〜2.0μmであるため、その土台となる部分の厚さは、2.0μm以上とし、その段差を目立たなくするため、10μm以下とする。平滑性については、その面が、着色パターン層Bの下となって目立たなくなるため、着色パターン層Aよりやや粗いものであっても、その視認性には影響しない。
また、上記したように、直径10mmの底面の領域を、直径方向に50μm毎の同心円で分割し、その小さな個々のドーナツ状の領域の最外周にあたる領域の着色層の厚さを10μmとした場合に、個々のドーナツ状の領域の中心にあたる領域に、23.9μmの厚さの着色層を設けることで球面形状を形成する代わりに、フレネルレンズの原理を用いて、各々のドーナツ領域の球面形状側の厚さ変化のみを再現した層を、土台上に形成することで、いわゆるレンズ効果を維持しながら、各々のドーナツ状の領域に形成する着色層の厚さを[10μm+(0μm〜0.1μm)] (変化する部分の厚さは、0μm〜0.1μmの範囲内となる。)の範囲に圧縮し、各々の着色層に用いるインキ組成を同一としても、着色パターン層Bの中で不要な「色」のムラを発生させず、均一な「色」を呈するものとすることも好適である。
「パターンa」や、「パターンb」、そして、それらが一つとなった「パターンc」としては、文字、図形、記号、及びそれらの組み合わせを用いることができる。
特に、ブランドや、メーカー等が使用している「ロゴ」のように、互いに離間している(接していないという意味。)、複数の文字から構成されるものが好適であって、文字毎に、着色パターン層Aと着色パターン層Bとを交互に変化させても良いし、複数の文字の「一文字」のみを着色パターン層Bとし、残りの文字を全て着色パターン層Aとするものであっても良い。
これは、「視認性」の差が、「一文字」の中の一部のみで発生し(着色パターン層A)、他の部分は変化しないもの(着色パターン層B)とした場合には、真正性を判定する者が、その「変化」を判定する際に、「偽造防止のために意図して設けられたもの」か、「単なる印刷ムラ」なのかを判別することが困難なものとなるためであり、「一文字」全体が、「一様に変化」するか、「一様に変化しない」かを判定させることにより、判定の信頼性を確保するためである。
また、着色パターン層A(「パターンa」)と、着色パターン層B(「パターンb」)とを接して形成し、それを合体したものを「パターンc」とすると、「パターンc」内に、その境界線が発生して、その境界線上で二つの領域を見比べることを可能とし、その二つの領域に何らかの差があることを容易に気付かせる要因となる。
しかも、その境界線領域において、着色パターン層Aと着色パターン層Bとが、部分的に重なった場合には、その境界線領域が別の「色」を呈し、判定の信頼性を大幅に低下させることとなる。
さらに、着色パターン層A(「パターンa」)と、着色パターン層B(「パターンb」)の占める領域の大きさは、上記した「ロゴ」等の大きさ(例えば、ロゴを表す線の線幅が2mm。)であれば十分であるが、上記したそれぞれの層の効果を十分に引き出すためには、少なくとも、100μm以上の線幅を有することが必要である。さらには、300μm以上とすることが好適である。
この線幅は、例えば、「文字を表す画線の内の一つの画線の幅」を意味し、これが、100μm未満であると、反射性薄膜層からの反射光に埋もれて、その「色」の変化を判読し難くなる。
ホログラム形成層を形成するには、透明樹脂基材にあたる、透明性を有する感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料からなる透明樹脂基材に押し付けることにより、賦型を行なうか、もしくは、射出形成や、押し出し成型の型を上記の複製用型として用い、成形と同時に形成することも好適である。
ホログラムとしては、レインボーホログラム等を用いることができるが、「パターンc」と同様のデザインの回折格子パターンとすることも、「パターンa」と、「パターンb」の視認性の「差」を隠ぺいする効果を生じ、より偽造防止性に優れるものとすることができる。
このレインボーホログラムや、回折格子パターンは、一つの光源からの光に対する再生方向(回折方向)が、「光」の波長成分に依存して異なり、一つの角度ではなく、比較的広い角度へと再生像が発現する(回折光が進む。)ため、安定して、「パターンa」の変化を視認することができ、好適である。
その一方の面(ホログラムレリーフ形成面)、及び他方の面にそれぞれ、着色パターン層B及び、着色パターン層Aを上記したように形成し、さらに、その着色パターン層B上と、その着色パターン層Bを形成しておらずホログラムレリーフ面が露出している領域上に、それらの面形状に追従するように、反射性薄膜層を形成する。
反射性薄膜層には、アルミニウム等の金属薄膜や、TiOx等の金属酸化物薄膜、さらには、金属窒化物薄膜を用い、真空蒸着法等の物理的形成方法、もしくは、CVD(化合気相成長)法等により形成することができる。
この反射性薄膜層を形成した際に、着色パターン層Bの端部に存在する「段差」(10μm厚さで形成すると、10μmの段差となる。)が、反射性薄膜層の付着ムラや、反射性薄膜層用材料の変質等により、その光反射性にムラを生じて(目立って)、着色パターン層Aの段差に対して、「明らかな差(視認性の差)」を生じてしまうことを解消するため、「パターンb」領域の端部(境界領域)の5μm〜20μmに「階調(グラデーション)」を設け、且つ、同様の「階調」を「パターンa」の端部にも設ける等の工夫を施すことは、偽造防止性を高くするためにも好適である。この「諧調」領域は、上記の「球面形状」を形成する領域とは考えず、「球面形状」を取り囲む、「周辺領域」と位置づけるものとする。
その「階調」を施す方法としては、その厚さを10μm、5μm、及び1μmと徐々に小さくするか、もしくは、その領域を厚さ1μmの適宜な大きさの網点領域として、その段差の視認性を抑制する方法が好適である。
また、観察者が、「パターンa」領域の色と、「パターンb」領域の色を視認する場合、単純には、「着色パターン層Aで反射する光」と、「一旦、ホログラム形成層を通過し、着色パターン層Bで反射して、再び、ホログラム形成層を通過して戻ってくる光」とを比較するため(特に、着色パターン層Aと、着色パターン層Bの隠ぺい性が高い場合に顕著となる。)、その色差を小さくするために、ホログラム形成層の透明性は高いことが望ましく、その透明性を示す指標である、「ヘーズ」として10%以下とする。さらには、「ヘーズ」を1%以下とすることがより好適である。
この「ヘーズ」が10%を超えると、着色パターン層Bの視認性が低下するとともに、「色」を判定する際に、「色」の3要素とは異なる要素である、「色のにごり」が発生し、「パターンa」と「パターンb」の「色」を同一とすることが困難となる。
さらに、着色パターン層Aの透明性が高い場合には、着色パターン層Aの「ヘーズ」も10%以下とする必要がある。着色パターン層Aを透過した光は、その背後にあるホログラムレリーフに届き、そのホログラムレリーフにおいて、十分な光の回折現象を生じ、鮮明なホログラム再生像を出現させなければならないが、この着色パターン層Aの「ヘーズ」が10%を超えるとこの回折現象が十分に発現せず、不鮮明なホログラム再生像となるためである。
「ヘーズ」を、10%以下に抑えるためには、
ホログラム形成層においては、ホログラム形成層となる透明樹脂基材に「ヘーズ」が10%以下の透明な樹脂を用い、着色パターン層Aにおいては、「ヘーズ」が5%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に相溶する染料を1%〜10%添加したものを用いるか、「ヘーズ」が2%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に分散性の良い微粒子有機顔料もしくは、微粒子無機顔料を、1%〜5%添加したものを用いる。
これにより、着色パターン層Aの視認性をより明確なものとし、その偽造防止性をさらに高めることができる。
また、着色パターン層Bは、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成されているが、そのホログラム形成層と着色パターン層Bとで形成されている「界面」を、ホログラムシート等に入射した「光」が通過(透過)する際に、その「光」が、不要な「位相」変化や、「強度」変化を受けないことが望ましい。
特に、着色パターン層Bが透明であって、ホログラム形成層のホログラムレリーフを埋めるように形成されている場合には、その「界面」を、ホログラムシート等に入射した「光」が比較的多く通過(透過)するため、その通過する「光」が、不要な「位相」変化や、「強度」変化を受けないことが必須となる、これは、この界面において「位相」変化や「強度」変化を受けると透過型ホログラム再生像を反射性薄膜層の正反射光の中に出現させてしまい、偽造防止性を低下させることとなるからである。
そのために、ホログラム形成層の屈折率と、着色パターン層Bの屈折率を同一、もしくは、その屈折率差を0.1以下とする。
その屈折率差が「0」の場合には、その「界面」そのものが存在しないように「光」が透過し、また、屈折率差が存在したとしても、その屈折率差が「0.1以下」の場合には、その「光」に対する不要な「位相」変化や、「強度」変化を十分に抑制することができ、着色パターン層Bによる、ホログラムレリーフを消失させる効果をより明確なものとして、その偽造防止性をさらに高めることができる。
また、上記した、反射性薄膜層の上に、溶剤系もしくは水系の粘着剤を設けることにより、ホログラムラベルとする。
このことにより、種々の用途における、被貼着体への適用を容易とすることができる。
反射性薄膜層の下にある着色パターン層Bへの影響を抑制するためには、水系の粘着剤を用いることが好ましい。
さらに、上記したホログラムシートの反射性薄膜層の上に、溶剤系もしくは水系の接着剤層を設け、さらに、着色パターン層Aの領域においては着色パターン層Aを覆い、且つ、着色パターン層Aを設けていない領域においては、ホログラム形成層である透明樹脂基材が露出している領域を覆う、透明基材を設けて、ホログラム転写シートとする。
このとき、透明基材は、透明基材と、着色パターン層A、もしくは、ホログラム形成層との剥離が容易なものを用いる。
このことにより、偽造防止性を付与する対象物へ容易に適用でき、且つ、適用後、透明基材を剥離すると、残った層が非常に薄いため、もはや、その残った層を剥がすことを物理的に難しくでき、偽造防止性の高いものとすることができる。
このときの各層の形成順序は、例えば、透明基材の上に、着色パターン層Aを設け、その着色パターン層Aを覆うようにして、ホログラム形成層を設け、ホログラムレリーフを形成し、その上に、着色パターン層Bを設け、それらを覆うように反射性薄膜層を設けた後に、その反射性薄膜層上に接着剤層を設ける順序とすることができる。
この場合には、透明基材の上に、透明基材との剥離性を有する「剥離層」を追加しても好適である。
また、この順序で設けた場合には、着色パターン層Aが、ホログラム形成層の中に埋め込まれているため、偽造防止性を付与する対象物へ転写後、透明基材を剥がした状態で、その剥がした面が面一(着色パターン層Aが飛び出していないという意味。)であるため、偽造防止性にさらに優れるものとなる。
本発明のホログラムシート等を、蛍光灯下で観察したところ、ホログラム再生像が発現しない「方向及び距離」、且つ、球面形状によって集光される光の「光軸方向及び距離」ではない「方向及び距離」においては、着色パターン層Aの領域である「パターンa」も、着色パターン層Bの領域である「パターンb」も、同一の「色」に見え、一つの「色」からなる「一つのパターンc」として認識できた。
このホログラムシートを、ホログラムシート面内において、所定角度回転させ、且つ、観察する方向を所定の方向へと少し変えたところ、ホログラム再生像が発現する方向となり、その方向の所定の距離だけ離れた位置において、「パターンa」のみ「色」に変化が生じて、その真正性を容易に確認することができた。さらに、このホログラムシートに対して、照明光源を一つとし、その照明光源、ホログラムシート、及び、観察位置の空間配置を変化させ、照明光源からの照明光が着色パターン層Bの球面形状によって集光されて出てくる光の進行方向及び所定の距離だけ離れた位置に観察位置がくるように動かしたところ、その配置にぴったりと合致したところで、「パターンb」のみ「色」に変化が生じ、真正性を確認することができた。
また、本発明のホログラムラベルを適宜な被貼着体へ貼り付けた状態で、同様の効果を確認することができた。
さらに、本発明のホログラム転写シートを用いて、適宜な対象物へ転写した状態でも、同様の効果を確認できた。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本発明の一実施例を示すホログラムシートHの断面図である。 本発明の別の実施例を示すホログラムラベルH´の断面図である。 本発明のさらに別の実施例を示すホログラム転写シートH´´の断面図である。
(透明樹脂基材からなるホログラム形成層、すなわち、透明樹脂基材の一方の面にホログラムレリーフが設けられたホログラム形成層。以下、単に、ホログラム形成層ともいう。)
本発明のホログラムシートHのホログラム形成層1を構成するための透明樹脂基材に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。(図1参照。)
これらの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記の樹脂材料を用いてホログラム形成層1を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を、上記の樹脂材料をプレス成型や、射出成型、ブロー成型等により作成した透明樹脂基材に押し付けることにより、賦型を行ない、ホログラムレリーフ2を形成する。(図1参照。)
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂基材の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ2となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、ホログラム形成層1のホログラムレリーフ2。)として使用できる。
ホログラムは、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーテッドホログラム(CGH)や、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
微細な凹凸(すなわち、ホログラムレリーフ2。)を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再生する光もしくは光源の波長(域)と、再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再生角度に依存し、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再生強度に大きな影響を与える要素であって、通常0.1μm〜2μmである。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、画像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再生画像が鮮明となる。
さらに、透明金属化合物薄膜の場合は、その薄膜の上下の面が、同一レリーフ形状であり且つ、その面と面の距離(すなわち膜厚)が均一であればあるほど、再生強度が大きくなる。また、レリーフ面にホログラム画像の凹凸とは異なる周期や形状の凹凸が存在すると、それはホログラムもしくは回折格子の再生時のノイズとなり、画像を不鮮明にする要因となる。
レリーフ形状を複製(賦形ともいう。)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパともいう。)として用い、上記ホログラム形成層1上に、もしくは、下記する反射性薄膜層5上に、その原版を重ねて加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱圧着して、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温、且つ、高圧下で複製を行う。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCrまたはNi薄膜を真空蒸着法や、スパッタリングなどにより、5〜50nmの厚さで形成後、その上に、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成し、それらの金属層全体を剥離することで作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平滑化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、好ましくは、5トン/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいとレリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。
ホログラム形成層1をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、ホログラム形成層1全体を加熱するのではなく、ホログラム形成層1のホログラムレリーフ2面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。通常60℃〜110℃に加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
また、上記した透明樹脂基材に用いられる樹脂材料の中から、ヘーズが10%以下である透明材料を選定して用いることで、ホログラム形成層1のヘーズを10%以下とすることができる。
(着色パターン層A、または、着色パターン層B)
本発明のホログラムシートHでは、透明樹脂基材の一方の面にホログラムレリーフ2が設けられたホログラム形成層1の、その透明樹脂基材の他方の面に「着色パターン層A」3を形成し、ホログラムレリーフ2を埋めるように「着色パターン層B」4を形成する。(図1参照。)
「着色パターン層A」3に用いられる顔料としては、
有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)などがある。
特に、不溶性アゾ顔料、不溶性多環式顔料、不溶性レーキ顔料は、着色力が強く、鮮明な色相を有し、透明性が高いため好適である。
無機顔料としては、複合酸化物系顔料、微粒子複合酸化物系顔料、紺青、ハイブリッド型顔料等があるが、さらに、弁柄、モリブデンレッド、カドミウムレッド、鉛丹(以上、赤色。)、黄鉛(赤口)、モリブデンオレンジ(橙色)、カドミウムオレンジ(橙色)、群青(ウルトラマリンブルー)、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー、セルリアン、マンガン青(以上、青色。)、アンバー(茶色。)、黄鉛、カドミウムイエロー、チタン黄、黄色酸化鉄(以上、黄色。)、酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック(以上、緑色。)、マルス紫、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット(以上、紫色。)その他、体質顔料や、金属粉顔料等が用いられる。
顔料の粒径は、通常のものを使用できるが、「着色パターン層A」3の透明性を確保するには、顔料の粒径が0.01〜0.1μmのもの(微粒子顔料)を使用する。但し、この粒径のものは、二次凝集しやすく、再分散処理等を施す必要がある。添加量は、用いる形成方法において、形成する厚さとのバランスで決められるが、通常1%〜20%添加が好適であり、適宜な溶剤または水に溶かして、2〜20μmの厚さに形成する。
形成方法は、「着色パターン層A」3の平滑性を、表面粗さRaで、0.1μm〜0.5μmとするため、ステンレススクリーン印刷方式、凹版方式、レジスト処理方式、さらには、着色層転写方式が好ましい。
さらに、「着色パターン層A」3の「ヘーズ」を、10%以下に抑えるためには、「ヘーズ」が2%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に分散性の良い微粒子有機顔料もしくは、微粒子無機顔料を、1%〜5%添加したものを用いる。
アクリル樹脂(ヘーズ2%以下)、ポリカーボネート樹脂(同2%以下)等に、上記微粒子顔料を1%〜5%添加し、ホログラム形成層1に対する溶解性の小さい溶剤系を用いて、固形分30%〜50%として形成する。
このとき、溶剤系に乾燥速度の比較的遅いもの(沸点100°以上、好ましくは、沸点130°以上のもの。)を溶剤成分の10%〜20%混入させ、その乾燥中に、「着色パターン層A」3の表面のレベリングを促進することも好適である。
「着色パターン層A」3に用いられる染料としては、天然染料、及び合成染料があり、ダイレクトレッド2、ダイレクトレッド28(コンゴレッド)などの直接染料、オレンジ2などの酸性染料、メチレンブルーなどの塩基性染料、カチオン染料、アリザリンなどの媒染染料、モーダントブラック3などの酸性媒染染料、硫化染料、インディゴなどの建染染料、ナフトール染料、ディスパースイエロー7、ディスパースオレンジ3、ディスパースレッド17、1,4−ジアミノアンスラキノンなどの分散染料及び、レアクティブレッド1などの反応染料等を用いることができる。
これら染料を、適宜な樹脂に溶解させて、着色パターン層A用のインキとすることができるが、相溶性の高い透明樹脂に溶解させることで、より鮮明な色相と、より高い透明性を得ることができる。
染料の添加量は、1%〜30%とする。また、染料系を用いた場合は、顔料系よりも形成時のレンズベリング性や、表面平滑性に優れるため、より「平滑な面」を実現することができる。
固形分及び、形成方法は顔料系と同様である。
さらに、「着色パターン層A」3の「ヘーズ」を、10%以下に抑えるためには、「ヘーズ」が5%以下の透明な樹脂を用い、その樹脂に相溶する染料を1%〜10%添加したものを用いる。
また、「着色パターン層A」3に使用される樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ、ホログラム形成層1との接着性の良好なもの、顔料や染料の分散性や相溶性の良いものが使用できる。
さらに、これらの顔料や、染料に加えて、「色」を調整するため、粒径0.1μm〜1.0μmの炭酸カルシウム等の透明体質顔料や、透明性を有しながら光散乱性を有するシリコンパウダー等の高屈折率透明樹脂粒子を使用することもできる。
これらの透明体質顔料や、透明樹脂粒子は、「着色パターン層A」3の光透過性を抑制する効果を持ち、その添加量は、固形分比1%〜10%とする。1%未満では、添加した効果が表れず、10%を超えると、インキとしてのレベリング性や、分散性に悪影響を及ぼすことになる。
「着色パターン層B」4に用いられる樹脂、顔料、及び染料としては、上記したものにおいて、反射性薄膜層5や、ホログラム形成層1との接着性の良好なもの、顔料や染料の分散性や相溶性の良いものが使用でき、「着色パターン層A」3と同様の透明性を付与する場合には、その配合も「着色パターン層A」3と同様とするが、隠ぺい性を付与する場合には、隠ぺい性に優れるチタン白や、鉛白等の顔料を用いることになる。
また、その形成時に、ホログラム形成層1のホログラムレリーフ2の面の形状や性質に影響を及ぼさないようにするため、その溶剤系や、形成方法を選択する。特に、その形成プロセスにおいて、「着色パターン層B」4を形成する領域(「パターンb」の領域。)以外の領域にあるホログラムレリーフ2面には、物理的または、化学的な接触が全く無い方法が望ましい。
また、「着色パターン層B」4が設けられている領域における、ホログラムレリーフ2の面(ホログラム形成層1と「着色パターン層B」4との界面。)において、その界面での反射率をほぼ「0%」とするために、ホログラム形成層1に使用する透明樹脂基材の屈折率と、「着色パターン層B」4に使用する樹脂の屈折率を同一とするか、または、その屈折率差を0.1以下とするように、「着色パターン層B」4に使用する樹脂を選定する。
例えば、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができ、熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、ニトロセルロース樹脂(n=1.54)、酢酸ビニル樹脂(n=1.47)、もしくは、ポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、ウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、もしくはフェノール樹脂(n=1.60)等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができ、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.55)、ウレタンアクリレート(n=1.54)、アクリル変性ポリエステル(n=1.64)等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
さらに、環境に配慮して、生分解性プラスチックを用いることもできる。
もちろん、これらの樹脂を、「着色パターン層A」3にも使用し、その耐久性や、物理特性の高いものとすることも好適である。
「着色パターン層B」4の斜面を形成する方法としては、「着色パターン層A」の形成方法と同様の方法を用いることができるが、球面形状を再現性よく形成することや、その平滑性である、表面粗さRaで0.1μm〜1.0μmとすることを実現するためには、凹版方式、着色層転写方式及び着色層成形方式を用いることが好適である。
凹版印刷方式は、凹版の底面を球面形状とし、自由なパターンで100μm程度の厚さの印刷をすることができ、且つ、印刷形状の再現性が高い。
着色層転写方式は、転写基材上にあらかじめ「着色パターン層B」4に相当する着色層を設けておき、ホログラム形成層1のホログラムレリーフ2面に位置合わせをして重ね合わせ、転写基材上から加熱し、且つ、加圧して、その着色層自体の接着性を利用して、着色層部分のみをホログラムレリーフ2面へ転写(転移)させるものである。その転写後に球面形状となる面は、転写基材上の表面が写し取られた面となるため、高い平滑性と、高い再現性を付与することが可能である。
着色層成形方式は、あらかじめ凹版と同様の成形型をフォトレジストの露光量調節等の手法を用いて作成しておき、この成形型の凹部に電離放射線硬化型の樹脂を埋め込んで、ホログラム形成層1のホログラムレリーフ2面に接するように重ねて、電離放射線を照射した後、その成形型を剥がすことで、「着色パターン層B」4を高い精度で形成することができるものである。ここで、フォトレジストの露光量調節とは、通常の「露光するか否かのON/OFFの露光」ではなく、一つのパターンを細分化し、その細かな領域に、パターンの端部から徐々に露光量を増加させ、フォトレジスト現像後には、ドーナツ状、且つ、階段状の略球面を形成することをいう。このとき、その階段の一つのステップの段差が0.1μm未満であれば、本発明の「球面形状」に該当することになる。これは、例えば、電子線レジストを用いた電子線描画方式により実現できる。(形成方法は図示せず。)
また、それぞれの方式で、凹版や、転写基材表面、及び成形型の底の部分の面が、「着色パターン層B」4の斜面に該当するため、この面を表面粗さRaで0.1μm〜1.0μmとなる「平滑な面」とすることが必須である。
さらに、これらの形成方法は、「パターンb」を微細な領域に分割して、「着色パターン層B」を形成する場合にも好適に用いることができる。
(反射性薄膜層)
本発明のホログラムシートHでは、ホログラム形成層1の上に形成されているホログラムレリーフ2に接して、追従するように、且つ、ホログラムレリーフ2の上に「着色パターン層B」4が設けられている領域においては、その「着色パターン層B」4に接して、追従するように、反射性薄膜層5を形成する。(図1参照。)
この反射性薄膜層5は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層1、及び、「着色パターン層B」4よりも高い屈折率を有する薄膜であれば、特に限定されない。
反射性薄膜層5としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、又は透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、ホログラムシートHを、偽造防止を図る対象物に適用した後、ホログラムシートHに覆われた対象物上の画像などがホログラムを通して観察できるので好ましい。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層1のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。
例えば、ホログラム形成層1よりも光屈折率の高い薄膜の例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物、または、それらの2種以上を混合したものなどが例示できる。またアルミニウムなどの一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出て使用できる。
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化合気相成長)法などの真空薄膜法などにより設ければよい。特にCVD法はホログラム形成層1への熱的ダメージが少ない。また、他の薄膜形成法を用いても、形成する薄膜層を薄くしておくと、その熱的ダメージを少なくすることができる。例えば、アルミニウム蒸着層であれば、形成条件によるが、ほぼ20nmで透明性が無くなり全反射性(可視光波長の光を90%以上反射することをいう。)を出現する臨界点である。この厚さは薄膜材料、形成方法、金属加熱温度や真空度等の形成条件により異なる。
(粘着剤層)
本発明のホログラムラベルH´(図2参照。)に用いられる粘着剤層6としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤も用いることができる。例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などを挙げることができる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、または、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着剤層6の塗工量は、約8〜30g/平方メートル(固形分)が一般的であり、従来公知の方法、すなわち、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、塗布し乾燥して粘着剤層6を形成する。また、粘着剤層6の粘着力は、反射性薄膜層5と粘着剤層6との剥離強度で、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、0.1〜1kg程度の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
本発明のホログラムラベルH´を、偽造防止を図る対象物(被貼着体)の所望の位置に、その粘着剤層6が接するように貼りつけ、加圧することで、容易にその対象物に適用することができる。
(透明基材、または、接着剤層)
本発明のホログラム転写シートH´´(図3参照。)で使用される透明基材7は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、ホログラム転写シートH´´を製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性及び耐熱性を有するものが好ましく、さらに、ホログラム形成層1及び、「着色パターン層A」3との剥離性を有するもの(透明基材7を容易に剥離することができるという意味。)とする。
使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材7の一方の面に、シリコン処理等の表面不活性化処理を全面に施し、透明基材7の剥離強度を所望の値に抑えることも好適である。
透明基材7の厚さは、通常5〜100μmであるが、転写シートとしての取り扱い適正から12〜25μmとすることが望ましい。
もちろん、環境影響を配慮して、透明な生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートを使用することもでき、化学合成系として、ラクトン系樹脂:εーカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、βープロピオラクトン、γーブチロラクトン、δーバレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体またはこれら2種以上のモノマーの共重合体、これらの混合物、ポリカプロラクトン、もしくは、ポリブチレンサクシネート系樹脂:ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネートとポリカプロラクトンとの混合物、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンサクシネート・アジペートとの混合物、ポリブチレンサクシネート・アジペートとポリ乳酸との混合物、もしくは、ポリ乳酸、ポリ乳酸とD−乳酸との混合物など、もしくは、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂、例えばコハク酸とブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせや、シュウ酸とネオペンチルグリコール、ブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせなど、もしくは、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物、または、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものなどが好適である。
また、天然物系として、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質など、もしくは、澱粉脂肪酸エステル、澱粉キトナン・セルロースなど、または、微生物生産系として、ポリヒドロキシブチレートや、ポリエステル系、さらには、炭素源として3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、もしくは、γ―ブチロラクトンをベースとするP(3HB−CO―4HB)、または、炭素源としてプロピオン酸、吉草酸をベースとしたP(3HB−CO―3HV)などが好適である。
また、透明基材7の上に、ホログラム形成層1及び、「着色パターン層A」3との剥離性を有する剥離層(図示せず。)を設けてもよく、剥離層は、透明基材7とは剥離する性質を有し、ホログラム形成層1及び、「着色パターン層A」3との接着性に優れ、且つ、耐久性に優れるものが望ましく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等より選定する。透明性を有し、且つ、耐久性を有するシリコン樹脂微粒子等を添加することも好適である。
そして、反射性薄膜層5の上に、接着剤層8を設ける。(図3参照。)
接着剤層8に用いられる接着剤としては、偽造防止を図る対象物に対する接着性を確保するためのものであるので、反射性薄膜層5等との接着性がよく、被転写物である対象物と強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、または、その他の添加剤を加えて使用することができ、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
本発明のホログラム転写シートH´´を、その対象物に接着剤層8を接するように重ね、透明基材7側から100°〜200°の加熱と、1g/平方ミリメートル〜100g/平方ミリメートルの加圧により、その対象物に貼着させ、その後、透明基材7のみを剥離することにより、容易に、偽造防止を図る対象物に適用することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂基材として、50μm厚さのメラミン樹脂を押し出し成形法によりシート上に形成したものを用いた。そして、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(回折効率20%)を備えたNi原版を用意し、上記したホログラム形成層1の一方の面に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3mの水冷式で、圧力を2トン/m、複製速度を10m/分とする。)にてホログラムレリーフ2をホログラム形成層1の一方の面に形成した。(図1参照。)
このホログラム形成層1の他方の面に、下記組成の「着色パターン層A」3を、ステンレススクリーン方式を使用して、厚さ5.0μmの赤色の文字(ロゴ)「BR ND」を形成した。
この一つ一つの文字サイズは、10mm×10mmの文字とし、一つのブランクを含む、「4文字+1ブランク」の5文字長のものを繰り返えして天地左右に配置したデザイン(天地方向には2mmの隙間をあけ、左右方向には、3mmの隙間を設けた。)とした。
また、「BR ND」の文字の画線幅は、ほぼ300μmであった。(このデザインが、「パターンa」に相当する。)
そして、乾燥条件は、緩やかなものとし、文字表面の平滑性を高めた。このときの「着色パターン層A」3の平滑性は、表面粗さRaで、0.5μmであった。
・<着色パターン層A用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
さらに、このホログラム形成層1のホログラムレリーフ2面上に、下記組成の「着色パターン層B」4を、凹版印刷方式を使用して形成した。
このとき、文字サイズを10mm×10mm(一つの文字の外接円直径は14.1mmとなる。)、及び、曲率半径を900mmに設定した球面形状と、その土台となる部分を厚さ6.6μmとした凹版を作製した。しかも、その球面形状部分も、フレネルレンズの原理を利用して、ドームの底面となる円の直径を14.1mm、且つ、ドームの最も高い部分の高さである中心高さを13.9μmとした球面形状を想定し、その球面形状を高さ方向に20分割(そのドームを高さ方向に0.7μmのピッチでスライスすることを意味する。)し、その厚さ変化部分のみ(スライスしてできる薄い円盤から、その円盤の「芯(円柱形状)」の部分を除去したもの。)を、その土台上に形成できるように凹版を作製し、且つ、画線部は、10mm×10mmの文字「A」とし、「着色パターン層A」3の文字「BR ND」の空白部に合致する配置とした。
この時の「着色パターン層B」4の平均厚さは、7.0μmであった。(図示せず。図1〜3には、「着色パターン層B」4として、一つの球面形状を有する例を示している。)
・<着色パターン層B用組成物>
メラミン樹脂(屈折率n=1.50) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
その結果、平均厚さ7.0μmの赤色の文字(ロゴ)「 A 」を形成した。
このとき、このロゴ「 A 」は、4つのブランクと一つの文字からなり、その「A」の位置が、ちょうど、「着色パターン層A」3の(ロゴ)「BR ND」の中央に位置するように配置した。「 A 」の文字の画線幅も、ほぼ300μmであった。(このデザインが、「パターンb」に相当する。)(図1参照。)
このときの「着色パターン層B」4の平滑性は、「球面形状」の一部を「小さい領域での平面」と近似して測定し、表面粗さRaで、0.5μmであった。
さらに、このホログラムレリーフ2面及び、「着色パターン層B」4に接して、追従するように、アルバック社製真空蒸着機にて、200nm厚さのアルミニウム薄膜からなる反射性薄膜層5を形成し、実施例1のホログラムシートHとした。(図1参照。)
このホログラムシートHを、ホログラム形成層1側から、事務所室内の天井に等間隔に設置されている10本の蛍光灯の照明下にて観察したところ、ホログラムシートHを正面から観察した際には、「BR ND」(「パターンa」)の赤い文字が、反射性薄膜層5からの反射光を背後から受けて、また、「 A 」(「パターンb」)の赤い文字は、明度を向上させた組成物を1.4倍の厚さで設けたことで、「BR ND」の赤い文字の「色」と、「 A 」の赤い文字の「色」が「同一」と認識され、あたかも、それらの文字が合わさって、「赤色一色」からなる「BRAND」という「一つのロゴ」が印刷されているように認識された(「パターンa」と「パターンb」とが同色であるため、一体となって、「パターンc」である「BRAND」と視認されることを意味する。)。
このとき、「パターンb」である「 A 」の赤い文字の画線内は均一の「色」を呈していると認識できた。(図示せず。)
そして、このホログラムシートHを観察する角度を、そのホログラムのホログラム再生像が再生する方向であって、且つ、ホログラム再生像が結像する位置で観察すると、「着色パターン層A」3の文字である「BR ND」の文字のみが明るく見えて、その「色」が変化し、「着色パターン層B」4の文字である「 A 」の文字の「色」はそのままであったことにより、容易に、その真正性を判定することができた。
さらに、このホログラムシートHを、上記蛍光灯の中の1本のみを点灯させ、この蛍光灯からのホログラムシートHへの入射光が、「着色パターン層B」4の球面形状によって集光される方向であって、且つ、集光される距離だけ離れた位置(集光点を意味する。距離は約300mm。)でホログラムシートHを観察すると、「 A 」(「パターンb」)の赤い文字のみが明るくなり、その真正性を判定することができた。(図示せず。)
以上のことから、本発明のホログラムシートHが高い偽造防止性を有するものと思われた。
(実施例2)
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂基材として、アクリル樹脂(ヘーズ2%)を用い、「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4に、下記組成のインキを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のホログラムシートHとした。(図1参照。)
・<着色パターン層A用組成物>
アクリル樹脂(ヘーズ2%) 30質量部
レイキッドC微粒子有機顔料 1質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 3 4質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
・<着色パターン層B用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
レイキッドC微粒子有機顔料 1質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 3 4質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層A」3の「色」(青色)の変化が、より明確に視認されたこと以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
(実施例3)
ホログラム形成層1を構成する透明樹脂基材として、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)を用い、「着色パターン層A」3と「着色パターン層B」4に、下記組成のインキを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のホログラムシートHとした。(図1参照。)
・<着色パターン層A用組成物>
アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
・<着色パターン層B用組成物>
アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層B」4の領域におけるホログラムレリーフ2の消失効果が明確に認識されたこと(観察角度を変えても、その「色」が変化しないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
(実施例4)
実施例3の「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4用インキ組成物として、下記組成物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4のホログラムシートHを得た。(図1参照。)
・<着色パターン層A用組成物>
エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 5質量部
・<着色パターン層B用組成物>
エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55) 30質量部
フタロシアニン系染料 10質量部
蛍光増白剤 2質量部
トルエン 30質量部
イソプロピルアルコール 2 5質量部
ブチルセルソルブ 3質量部
このホログラムシートHを、実施例1と同様に評価したところ、「着色パターン層B」4の領域におけるホログラムレリーフ2の消失効果が、強く感じられたこと(観察角度を変えても、その「色」が変化しないことを意味する。)以外は、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
(実施例5)
実施例1の反射性薄膜層5の上に、下記組成の粘着剤層6を30μm厚さで形成し、実施例4のホログラムラベルH´を得た。(図2参照。)
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部
酢酸ビニル 40質量部
このホログラムラベルH´の粘着剤層6を、偽造防止性を付与する対象物の表面に置き、圧力をかけたところ、ホログラムラベルH´が、その対象物表面に容易に貼着し、ホログラム形成層1側から、室内蛍光灯下にて観察したところ、実施例1と同様の良好な評価結果を得た。
(実施例6)
透明基材7として、25μmポリエチレンテレフタレートを用い、その一方の面に、実施例1の「着色パターン層A」3を同様の方法を用いて形成し、その一方の面と、「着色パターン層A」3の表面を覆うように、下記組成の組成物を、グラビアコーティング方式を用いて、10μmの厚さで形成し、その上に、実施例1の「着色パターン層B」4を同様の配置となるように形成した。(図3参照。)
・<ホログラム形成層用組成物>
メラミン樹脂 30質量部
トルエン 40質量部
イソプロピルアルコール 1 0質量部
酢酸エチル 20重量部
その上に実施例1と同様にして、反射性薄膜層5を形成し、その上に、下記組成の接着剤層8をグラビアコーティング方式を用いて、10μmの厚さで形成し、実施例6のホログラム転写シートH´´を得た。(図3参照。)
このホログラム転写シートH´´の接着剤層8面を、偽造防止性を付与する対象物の表面に接するように置き、透明基材7側から、120℃、且つ、10g/平方ミリメートルにて加熱且つ加圧した後、その透明基材7を剥離し、その対象物上に、ホログラム部分(ホログラム転写シートH´´の構成から、透明基材7を剥離した部分。)を転写した。
そのホログラム部分は、もはや、その対象物から剥がすことができず、高い偽造防止性を有すると思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な評価を得た。
(実施例7)
実施例6において、反射性薄膜層5を、アルバック社製電子線加熱方式真空蒸着機を用いて、TiOx薄膜層40nmを形成したこと以外は、同様にして、実施例7のホログラム転写シートH´´を得た。(図3参照。)
このホログラム転写シートH´´を実施例6と同様にして、偽造防止性を付与する対象物のデザインの上に転写したところ、ホログラム部分を通して、ホログラム転写シートH´´のホログラム再生像、及び、「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4の「ロゴ」の背後に、その対象物にあらかじめ印刷されていたデザインを視認することができ、意匠性が向上するとともに、さらに偽造防止性が高いものとなったこと以外は、実施例6と同様に良好な評価結果を得た。
(比較例)
(比較例1)「着色パターン層A」3及び「着色パターン層B」4を設けず、「着色パターン層A」3と同様の組成物を用いて、「BRAND」の「ロゴ」を一様に形成したこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1のホログラムシートを得た。
このホログラムシートを実施例1と同様に評価したところ、形成した「BRAND」の「ロゴ」は、いずれの文字も同様に視認されるものであり、「BRAND」の「ロゴ」をホログラムシートの上に単に印刷形成するだけで、同様のものが容易に作成でき、偽造防止性に劣るものであると思われた。
H ホログラムシート
H´ ホログラムラベル
H´´ ホログラム転写シート
1 ホログラム形成層
2 ホログラムレリーフ
3 着色パターン層A
4 着色パターン層B
5 反射性薄膜層
6 粘着剤層
7 透明基材
8 接着剤層
本発明は、ホログラムシート、ホロラムラベル及びホログラム転写シート(以下、ホログラムシート等ともいう。)に係り、詳しくは、視認性の異なる2種類の着色パターンをあたかも一つのパターンとして認識することができるように形成したことにより、高い偽造防止性を有し、且つ、その真正性を容易に判定できる偽造防止用ホログラムシート、ホログラムラベル及びホログラム転写シートに関するものである。
本発明は、一方がホログラム再生像を透過するタイプ、及び、他方がホログラム再生像を消失させるタイプである、2種類の着色パターン層(例えば、「印刷」層など。)を、ホログラム形成層の上下に設けることによって、あたかも、一つの着色パターンがホログラムと複合されているように観察されるものの、あらかじめ定められた観察方法によっては、目視にて容易に、その2種類の着色パターン層を判別可能である、偽造防止性に優れ、且つ、真正性の判定が簡易な、ホログラムシート、ホロラムラベル及びホログラム転写シートを提供する。

Claims (5)

  1. 透明樹脂基材からなるホログラム形成層と、反射性薄膜層とを積層してなるホログラムシートにおいて、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフが形成されていない面の一部に着色パターン層Aを設け、前記ホログラム形成層のホログラムレリーフ形成面の一部に着色パターン層Bを設け、前記着色パターン層Bの前記ホログラムレリーフと接していない面は、球面の一部からなる形状をなし、且つ、前記ホログラムレリーフ並びに前記着色パターン層Bに追従するように前記反射性薄膜層を設けたことを特徴とするホログラムシート。
  2. 前記透明樹脂基材のヘーズが、10%以下であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムシート。
  3. 前記ホログラム形成層の屈折率と、前記着色パターン層Bの屈折率が同一、もしくは、その屈折率差が0.1以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のホログラムシート。
  4. 請求項1〜3に記載のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、粘着剤層が設けられていることを特徴とするホログラムラベル。
  5. 請求項1〜3に記載のホログラムシートの前記反射性薄膜層の上に、接着剤層が設けられ、且つ、前記透明樹脂基材と前記着色パターン層Aを覆うように透明基材が剥離可能に設けられていることを特徴とするホログラム転写シート。
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