JP5447819B2 - 真正性識別体 - Google Patents

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Description

本発明は、不正な意図に基づく偽造や改ざん等により得られたものと真正なものとの区別を可能にした真正性識別体、真正性判定シート及び真正性判定方法に関するものである。また、本発明は、そのような真正性識別体を物品に適用するのに適するラベルの形態や転写シートの形態に加工したものにも関するものである。
本明細書において、配合を示す「部」は質量基準である。また、「ホログラム」はホログラムと、回折格子などの光回折性、その回折光の干渉性、そして回折像を再生する機能を有するものをいう。
(主なる用途)本発明の真正性識別体、真正性判定シート及び真正性判定方法の主なる用途としては、偽造防止分野に使用されるホログラムシートであって、具体的には、クレジットカード等の偽造されて使用されると、カード保持者やカード会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、証券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関や公衆電話用のプリペイドカード等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
また、これら情報記録体以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等も偽造され得るものである。また、量産品でも有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体、またはそれらのケース等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
(背景技術)
従来、情報記録体や上記した種々の物品(総称して、真正性識別対象物と言う。)の偽造を防止する目的で、その構造の精密さから、製造上の困難性を有すると言われるホログラムを真正性の識別可能なものとして適用することが多く行なわれている。しかしながら、ホログラムの製造方法自体は知られており、その方法により精密な加工を施すことができることから、ホログラムが単に目視による判定だけのものであるときは、真正なホログラムと偽造されたホログラムとの区別は困難である。
これらの真正性識別対象物、特にラベル形態や転写形態にてホログラム画像を施された物品は、ホログラム画像の目視確認という真正性識別のみでなく、新たな真正性識別方法を用いてその対象物の真正性を識別する必要が生じている。
(先行技術)
これらの要求に応えるため、ホログラムに積層して、入射した光の内、左回り偏光もしくは、右回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する光選択反射層を有する真正性識別体が提案された。(例えば、特許文献1参照。)
この光選択反射層として、コレステリック液晶を使用し、偏光版等を用いて確認する方法で偽造防止性を高めている。
しかしながら、特許文献1の記載にあるように、ホログラム形成層上の反射性薄膜層の反射率が高いため、コレステリック液晶層で反射されず透過した光(選択的反射光の補色光)が、この反射性薄膜層で反射し、再びコレステリック液晶層へ戻る(以下戻り光とする)ことにより、この戻り光が、コレステリック液晶を観察する際のノイズ成分となって、選択的反射光に付加・混在し、液晶本来の色調とならず、視認・識別することすら難しくなっていた。
また、コレステリック液晶材料そのものが高価であり、その液晶性能を引き出すためには液晶層に接して、配向膜の形成が不可欠であって煩雑であり、さらには、コレステリック液晶の光散乱性により、ホログラム画像を再生する光がその液晶層を通過するときに画像にボケ・歪みを生じる等の問題があった。
このため、コレステリック液晶層の光散乱性を抑えたり、コレステリック液晶層そのものを薄くする等の工夫が考えられたが、コレステリック液晶層の光散乱性を抑えるために屈折率差を小さくしたり、コレステリック液晶層を薄くしたりすると、上記した光選択反射層としての機能が低下してしまい、ホログラム画像の鮮明性と偽造防止性能を確保する最適な条件を得ることが難しいという欠点を有していた。
これに対して、コレステリック液晶等の高価な材料を用いない真正性判定方法として、2種類の異なる帯状の回折格子を一対の帯とし、部分的にこの帯の角度を90度変え、その部分的領域が視認できない効果及び、その部分領域の帯と同一角度を有する判定具を用いて、その部分的領域が形成する文字、図柄等を出現させるという真正性判定を行う、光回折構造による隠しパターン及びその作製方法が提案されている。
しかしながら、この判定に用いる光回折構造は、幾つもの回折格子パターンを複雑かつ精密に組み合わせて形成したものであって、その作製に多大な労力を必要とするだけでなく、その精密さゆえに、通常の光学顕微鏡でその文字等を容易に確認できるという欠点を有してした。
特開2007−90538号公報 特開2003−344631号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、ホログラム画像を再生する回折格子を微細な画素単位に離散して形成し、離散した部分で反射し、部分的な回折、干渉現象を生じて離散した回折光を発生する段階で、隣接する別の反射性の光学要素からの反射光により、その離散した部分での干渉現象を妨害し、視認できるホログラム像を結像させず、さらに、その離散状態が不規則であって、光学顕微鏡を用いても何らの真正性判定情報を得ることができない真正性識別体をを提供することである。
その上、その真正性識別体固有の真正性判定シートをその真正性識別体の上に接するようにかざすだけで容易にその真正性判定が可能である真正性判定方法を提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明の真正性識別体の第1の態様は、
透明基材の一方の面に、参照光の入射方向とその再生方向が略同一であるホログラム画像に対応する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフと、前記回折格子による回折光とは干渉性を持たぬよう、反射光が散乱性となる光学要素(すなわち、回折格子とは異なる光学要素であり、以降「回折格子とは異なる光学要素」とも呼ぶ)とが交互に形成された面を有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上及び前記光学要素形成面上に追従するように反射性薄膜層が設けられていることを特徴とするものである。
上記第1の態様の真正性識別体によれば、
透明基材の一方の面に、参照光の入射方向とその再生方向が略同一であるホログラム画像に対応する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフと、回折格子とは異なる光学要素とが交互に形成された面を有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上及び前記光学要素形成面上に追従するように反射性薄膜層が設けられていることを特徴とする真正性識別体を提供することができる。

ホログラム画像を再生する回折格子は、光の干渉を用いてもしくは、電子線描画方法を用いて、約1μmもしくは、サブμmの周期の溝を、その再生するホログラム画像より大きい領域に形成したものであり、その形成領域全体に所定の照明光を当てることにより、所定の角度にそのホログラム画像を再生するものである。
その現象を詳細に説明する。
照明光は、その回折格子形成面上の個々の溝の表面に届き、その溝の形状に追従して設けられた反射性薄膜と、溝を形成してある樹脂との界面で反射される。この反射の現象はホイヘンスの原理に従い、この樹脂と反射性薄膜との界面のあらゆる点から新たに二次波が球面波(波の位相が同じ値を持つ点からなる球面)として送りだされ、これらの二次波の波面のすべてに接する曲面、すなわち包絡面が、その後の時刻における波面となり、全てのその球面波が十分な干渉現象(照明光の可干渉性に依存する。)を起こすことにより、所定の方向にそのホログラム画像を結像するものである。
この球面波は、個々の溝の単位で個々の溝特有の波面形状を形作り、個々の溝特有の波面同士がさらに干渉現象を生じて、1つのホログラム画像となる。
個々の溝で形成された波面同士の干渉は、単純回折格子の回折光の回折強度の理論式さらには種々の実験より、数十本の溝がその中心にある溝の派面の干渉に寄与しており、回折格子形成面から数十μmの距離内の空間で発生する光の干渉が、最終的に結像されたホログラム画像の画像品質に大きく影響することが判明している。
但し、物体光と参照光の光の干渉により形成した干渉縞の場合には、その干渉は干渉縞形成面全体に及んでおり、形成面全体の個々の溝が発生する波面が全て干渉することで、所望のホログラム画像を結像するというものであるため、部分的な干渉縞の波面のみでは、完全な再生はできないことになる。しかしながら、この物体光と参照光の光の干渉は、あらゆる点と点の干渉を幾重にも重ねて形成してあるため、再生画像の最大強度や、微細な強弱に言及しなければ、ホログラム画像の再生は可能ということができる。
本発明は、上記した2つの原理、
一つは、「ホログラム画像を再生する回折格子」は、ホログラム形成面上で数十μmの領域を専有し、かつ、ホログラム形成面から数十μmまでの距離内に干渉効果を発揮するための空間が確保されていること、
もう一つは、ホログラムは、その冗長性より、離散して形成しても所望のホログラム画像を再生することができること、
を応用したものである。
従って、ホログラム画像を再生する回折格子の部分領域の大きさ、すなわち、微細な画素単位の大きさは、数十μm以上とし、少なくとも、隣の微細な画素との距離は、数十μm以上とする。
実際には、ホログラム画像を再生する回折格子製造工程、再生されるホログラム画像の画像品質等及び、この微細な画素と隣の画素との間に形成される「回折格子とは異なる光学要素」とのバランスから、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位の大きさは、30μm〜300μm、特には、50μm〜100μmが好適である。
30μm未満では、個々の領域の干渉効果が十分でなく、300μmを超えると、隣の光学要素からの光の干渉性阻害がその領域全体にいきわたらず、ホログラム画像が真正性判定シートなく見えてしまうことになる。
その中でも、50μm〜100μmの場合には、その干渉効果と阻害効果の双方が十分に発揮され良好である。
さらに、上記したように、その領域の大きさ、さらには、その領域間の距離を精密に同一としたり、均一とすることは、その偽造防止目的より望ましくなく、むしろ、上記範囲内においてそれぞれの値をランダムとすることが好適である。
従って、部分領域の形状も上記範囲内において、ランダムな形状もしくは、複数の形状のランダムな配置としてもよい。
次に、「回折格子とは異なる光学要素」について説明する。
この光学要素を形成する目的は、上記したように、離散した「ホログラム画像を再生する回折格子」の個々の領域の干渉現象を妨害、もしくは撹乱して、ホログラム画像の再生を阻止することであり、そのためには、個々の領域の上記した「ホログラム再生に重要な干渉空間」、すなわち、個々の領域の「ホログラム形成面上で数十μm、かつ、ホログラム形成面から数十μmまでの距離内」に、その光学要素が発生する反射光を投げかける(重ねる)ものである必要がある。
もちろん、その光学要素が発生する反射光は、上記した個々の領域の回折光との干渉性が全くないことが必須である。もしも、この干渉性が少しでもあると、干渉光同士の干渉により新たな像を結像する可能性が生まれてしまう。
従って、本発明の「回折格子とは異なる光学要素」とは、回折格子や、鏡面のような光の干渉性をもった反射光を導出するものでなく、光の干渉性を全く持たない反射をするもの、すなわち、反射する個々の点において、反射光の方向や、位相をランダムにする性質を持つものである。
最も単純には、粗い面からの散乱性の反射光、特に、全方向に同様の強さで散乱光を発するものが望ましい。
しかしながら、照明する光がある程度の広がりを持つスポット状であると、その照明光が斜めに入射したとき、粗い面からの散乱性の反射光は、その正反射方向に強く反射される傾向がある。もちろん、ホログラム画像を再生する回折格子の「0次回折光」も同様に正反射方向にある程度の強度で反射する。
従って、この方向とは全く異なる方向、すなわち、照明する光の入射角度と略同一方向にホログラム画像を再生する回折格子の「1次回折光(ホログラム画像)」を回折させることで、これらの不要な光(正反射光)のホログラム再生画像の鮮明度を向上することができる。すなわち、その不要な光による干渉現象の妨害、もしくは撹乱を最小限に抑えて、真正性を判定するときのみ、簡易な真正性判定シートによって、鮮明なホログラム画像を視認することができる。
また、散乱性反射光を出す面(そのベースとなる面。)は、平坦である必要はなく、凸面鏡のような盛り上がった形をとって、その周辺に光を発するようにすることも好適である。
粗い面の凹凸の大きさは、最大落差として、0.1μmから10μmであり、好適には、3μm〜5μmである。最大落差であるので、この値より小さい凹凸が多数存在することになる。0.1μm未満では、散乱光が小さいものとなり、10μmを超えると、その散乱性にムラが発生する。粗い面の凹凸の周期は、比較的なだらかでよく、最大落差以上であればよい。
粗い面としては、樹脂フィルム等や金属膜の表面のサンドブラスト処理、ウエットエッチング処理、ドライエッチング処理等の表面処理や、フォトレジストの現像処理、ポリエチレンパウダー等のマイクロビーズのコーティング処理等を用いることができる。特に、マイクロビーズを用いた場合は、その粒径制御が容易なこと、及びその粒子表面も粗面であるため、不要な干渉が発生せず好適である。
また、凸面状とする最大高さは、領域の大きさ、すなわち、30μm〜300μmが好適である。例えば、個々の領域を円形と想定し、円形領域が点在するその隙間を「回折格子とは異なる光学要素」が埋めている場合、散乱光が個々の領域の周りからその中心に向かっており、円形領域をその散乱光が埋め尽くすように、その盛り上がり形状を取ることが最適である。
次に、個々の「ホログラム画像を再生する回折格子」と「回折格子とは異なる光学要素」とを併設する最も単純な手順を説明する。
ガラス基板の表面を、フッ化水素を用いて上記した範囲の値をとる「回折格子とは異なる光学要素」となる粗面を全面に形成し、その上に、ホログラム用フォトレジストをこの粗面の影響がでない十分な厚さに全面コーティングして(厚さが薄いと干渉縞形成時、粗化からの反射光による不必要な干渉縞も形成されてしまうため、凹凸の最大高さの2倍以上の厚さとする。)、干渉法により「ホログラム画像を再生する回折格子」を形成した後、個々の領域の形状を定めたマスクパターンを使用して、「ホログラム画像を再生する回折格子」形成部分のみフォトレジストを残し、それ以外の部分はフォトレジストを完全に除去してガラス基板の粗面を露出させる。
このようにして作製した、「ホログラム画像を再生する回折格子」と「回折格子とは異なる光学要素」とを合わせもつ、ガラス基板の凹凸面を、フィルム基材上に形成した複製用樹脂で複製し、複製面に反射性薄膜を形成して真正性識別体を得る。
この反射性薄膜層上に粘着剤を施してラベルとしたり、接着剤を施して転写シートとすることもできる。
本発明の真正性識別体の第2の態様は、
前記交互に形成された前記光学要素の個々の領域の大きさが、前記回折格子の微細な画素単位の大きさよりも大きいことを特徴とする。
上記第2の態様の真正性識別体によれば、
前記交互に形成された前記光学要素の個々の領域の大きさが、前記回折格子の微細な画素単位の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の真正性識別体を提供することができる。
「ホログラム画像を再生する回折格子」と「回折格子とは異なる光学要素」とが併設された真正性識別体を照明光下において観察した際に、その「ホログラム画像を再生する回折格子」の干渉現象を「回折格子とは異なる光学要素」が妨げる効果を十分に醸し出すため、「回折格子とは異なる光学要素」の個々の領域の大きさを、「ホログラム画像を再生する回折格子」の個々の領域の大きさよりも大きくする。
但し、その大きさが3倍を超えると、照明光全体に対する「ホログラム画像を再生する回折格子」部分を照明する割合が小さくなりすぎて、真正性判定シートを用いて、真正性を判定する場合の信頼性の低下を招く。
但し、上記した個々の領域の比は、画一的に固定するものでなく、上記した範囲内で複数の値とするか、ランダムなものとすることが好ましい
記真正性識別体の上に真正性判定シートを重ねて、前記ホログラム画像を観察することにより、前記真正性識別体の真正性を判定することを特徴とする真正性判定方法を提供することができる。
真正性識別体を照明光下において観察すると、「ホログラム画像を再生する回折格子」と「回折格子とは異なる光学要素」とが同時に反射光を発して、ぼんやりとした虹色の輝きを観察するのみであるが、一方の面に入射する光を透過する角度と、他方の面に入射する光を透過する角度とが略同一である真正性判定シートを重ねて観察すると、反射(回折)してくる光としては、スポット状に入射した照明光と略同一の方向(逆向き。)に返ってくる光のみを透過し、その他の光は遮断するため、正反射方向はもちろん、その他の方向へ散乱する光も遮断するため、この特定の角度にホログラム画像が再生されると、余分な光の少ない、鮮明なホログラム画像が浮き上がるように観察され、そのことにより、確実に真正性を判定することができる。
この画像の明確さは、真正性判定シートの角度選択性と、ホログラム画像の再生角度とが一致する度合いに依存する。再生するホログラム画像に対応して所定の広がりを持って照明する光にも、さらに拡がる性質があり、またホログラム再生画像もその画像サイズの広がりを持つため、この一致する度合いも若干変化する。略同一の幅は、これらの要素を勘案して定める必要があるが、入射角度α度に対し、再生する角度βは、α±5度〜±25度、さらにはα±5度〜±10度が好適である。5度未満であると、入射光と重なってしまい、25度を超えると真正性判定シートによって遮断されてしまう。従って5度〜10度の範囲内が再生像をより鮮明に視認するのに好適である。
このような真正性判定シートは、同一形状を有するブレーズド格子を所定距離離して対向するように重ねることにより得ることができる。そのブレーズ角度は、10度〜30度までの範囲で任意に設定することができ、透明な材料であれば、ガラス、透明プラスチック等任意に採用することができる。また、その離間した空間の中は、空気としてもよいが、ブレーズ格子を構成する透明材料とは屈折率の異なる透明材料で充填してもよい。
このようにして作製された真正性判定シートは、所定の角度でのみ光を透過するため、この角度に上記したホログラム画像の参照光と再生光の角度を合わせることで、上記した効果を醸し出すことができる。
「ホログラム画像を再生する回折格子」は、離散して、且つ、様々な形状で形成されているため、上記した真正性判定シートは、その全ての部分を開放することはできず、部分的にのみ開放することになるが、離散的に形成してあるがゆえに、比較的偏りなく「ホログラム画像」を再生することができる。
また、離散的に、且つ、様々な形状で形成されているため、その真正性識別媒体をいくら分析しても、それと同一のものを偽造することは理論的にも不可能であるという高い偽造防止性を有する。
微細な画素は、離散的に形成されるが、その全体を目視にて観察したときにその輪郭から、何らかの画像を表示(示唆)するものとなるように形成することもできる。もちろん、この画像表示が、真正性判定シートをかざすと出現するホログラム画像等と関連するものであると、かざした際に即座に真正性を識別できることになる
本発明の真正性識別体によれば、
透明基材の一方の面に、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフと、回折格子とは異なる光学要素とが混在して形成された面を有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上及び前記光学要素形成面上に追従するように反射性薄膜層が設けられていることを特徴とする真正性識別体が提供される。
また、本発明の他の真正性識別体によれば、
前記真正性識別体の真正性を判定する真正性判定シートであって、一方の面に入射する光を透過する角度と、他方の面に入射する光を透過する角度とが略同一であり、前記角度が前記回折格子の入射角度及び回折角度と各々略等しいことを特徴とする真正性判定シートを提供することができ、また、前記真正性判定シートを前記真正性識別体の上に重ねて、前記ホログラム画像を観察することにより、前記真正性識別体の真正性を判定することを特徴とする真正性判定方法が提供される。
は、本発明の1実施例を示す真正性識別体Aの断面図である。 は、本発明の他の実施例を示す真正性判定シートBの断面図である。 は、本発明の他の実施例を示す真正性判定方法である。
(透明基材)
本発明で使用される透明基材1は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、真正性識別体Aを製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材1の厚さは、通常5〜100μmであるが、反射性薄膜層3からの回り込み光を配慮する場合には、5〜50μm、特に5〜25μmとすることが望ましい。
(ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフと、回折格子とは異なる光学要素とが交互に形成された面を有する透明樹脂層)
本発明のホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフ面(ホログラム画像を再生する回折格子面3)と、回折格子とは異なる光学要素面4とが交互に形成された面を有する透明樹脂層2(以下ホログラム形成層2と称す。)を形成する。
透明な樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記の樹脂材料を用いてホログラム形成層2を形成するには、まず、所望の凹凸面を有する原盤を作製する。
原盤を作製するには、厚さ5mmの100mm角の透明なガラス基板の表面を、フッ化水素を用いて部分的に溶解し最大深さ3μmからなる粗面を形成し、この上にホログラム用感光性樹脂材料(フォトレジスト)を10μm厚さに全面コーティングして、アルゴンレーザーを用いて、物体光と参照光をこのレジスト面上で所定の角度(再生時の回折角度となる。)で干渉させて「ホログラム画像を再生する回折格子」の潜像を形成し、個々の領域の形状を定めたマスクパターンを使用して、さらに露光して、現像し、「ホログラム画像を再生する回折格子」形成部分のみフォトレジストを残し、それ以外の部分はフォトレジストを完全に除去してガラス基板の粗面を露出させる。
このようにして作製した、「ホログラム画像を再生する回折格子」と「回折格子とは異なる光学要素」とを合わせもつ原盤に対して、
厚さ50μmの前記透明フィルム基材上に形成した20μmの前記透明な樹脂材料を原盤の凹凸面と接するようにして重ね合わせ、加熱、加圧してその凹凸を複製してもよく、また、前記原盤からあらかじめ複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を前記樹脂材料の層に押し付けることにより、賦型を行なうのがよい。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸および回折格子とは異なる光学要素の凹凸を形成することができる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造として使用できる。
ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
微細な凹凸を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再現もしくは再生する光もしくは光源の波長(域)と、再現もしくは再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。
また、カラーホログラム画像を、回折格子線からなる回折格子画素(同一の回折格子線からなる単一回折格子エリアの最小単位。これら画素から回折光としてでてくる光の集合が一つのカラーホログラム画像を形成する。)に要素分解し、所定の画素のサイズ、格子線ピッチ、格子線角度をその各要素に割り当てて再現するという画像処理方法を用いて形成することも可能である。
凹凸のピッチ(周期)は再現もしくは再生角度に依存するが、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再現もしくは再生強度に大きな影響を与える要素であるが、通常0.1μm〜1μmである。
もちろん、ホログラムの冗長性は、反射する干渉光がかなりの部分にわたり削除されたとしても、その再生は十分可能であり、真正性判定という目的に適している。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、画像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再現もしくは再生画像が鮮明となる。
さらに、反射性薄膜層が、透明金属化合物薄膜の場合は、その薄膜の上下の面が、同一レリーフ形状であり且つ、その面と面の距離(すなわち膜厚さ)が均一であればあるほど、再現もしくは再生強度が大きくなる。
ホログラムレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記透明基材1及び反射性薄膜層3上に、前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行う。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、Ni薄膜層を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成した後、金属を剥離することで作ることができる。
複製方式は、平板式もしくは、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、複製温度は、通常60℃〜200℃とする。
(反射性薄膜層)
本発明では、ホログラム形成層2の面上に、反射性薄膜層5を形成する。この薄膜層は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層2よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。
反射性薄膜層5としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、又は透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、その透明反射層を通して真正性識別対象物のデザイン等を確認できるので好ましい。但し、磁気パターンを隠すという意味では、金属光沢反射膜が望ましい。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層2のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム形成層2よりも光屈折率の高い薄膜、例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。
好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなどが例示できる。またアルミニウムなどの一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出てきて透明反射層として使用できる。
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム形成層2のホログラムレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)などの真空薄膜法などにより設ければよい。透明反射膜を使用する場合は、磁気パターン層を隠すために、同一の色調の印刷層を重ねて設け磁気層のない部分を埋める必要がある。
(粘着剤層)
また、本発明の真正性識別体にさらに、粘着剤を施して粘着剤層を形成してラベルとしたり、接着剤を施して転写シートとすることもできる。
その場合、粘着剤としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。
自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良く、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
また、接着剤としては、種々の物品に対する接着性を確保するためのものであるので、反射性薄膜層5との接着性がよく、被着体と強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができ、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
(真正性判定シート)
図2に示したごとく、真正性判定シートBは、ブレーズド格子原盤をフォトレジスト法、エッチング法、研削法等により所定のブレーズ角度(所定の形状)、所定のピッチで作製し、射出成型等によりポリカーネート、TAC等の透明性及び耐久性を有する材料にてシート状に作製することができる。
もちろん、光学的特性、耐久性に優れるガラス製が最も望ましいが、真正性判定シートとしてのハンドリングを考慮すると軽量なプラスチック素材が好適である。従って、50μm〜250μmの厚さとする。
透明フィルム基材に電離放射線硬化タイプの樹脂を塗布し、シート成型法によりブレーズドパターンを転写する方法を用いると量産性、耐久性に優れるブレーズド格子シートを作れ、このシートを対向させ(図2参照。)、その間を屈折率の異なる透明樹脂性接着剤で充填し、電離放射線等により硬化させて、真正性判定シートを作製することができる。
(真正性判定方法)
図3に示したごとく、真正性識別体Aに、真正性判定シートBをかざして、上記した「ホログラム再生に重要な干渉空間」内に配置し、照明用のスポット光を、そのブレーズド格子に合わせた角度で照明すると、ホログラム画像は、照明された角度の略同一方向に再生されるため、その方向に所定の「ホログラム画像12」が浮き上がるように出現し、そのことにより、確実に真正性を判定することができる。
(実施例1)
厚さ5mmの100mm角の透明なガラス基板の表面を、サンドブラスト処理により粗面化(最大凹凸5μm)し、この上にホログラム用フォトレジストを10μm厚さに全面コーティングして、アルゴンレーザー光にて、物体光(「当」の文字の立体模型からの反射光)と参照光をこのレジスト面上で10度(入射光15度−回折光5度=10度。)の角度でレインボーホログラム撮影技術を用いて干渉させてホログラム像の潜像を形成し、さらに個々の領域として、50μm〜100μmの最大幅をもち、ランダムなサイズの円形の領域50μm程度の間隔を設けて形成したをマスキングするマスクフィルムを重ねて、それ以外の領域を露光し、現像液にて現像処理し、個々の領域のみにホログラムレリーフを形成し、それ以外をガラス基板の粗面として持つ複製用原盤とした。
次に、透明基材1として、50μmのPETフィルムの表面に、メラミン樹脂組成物を塗布し、前記凹凸構造を持つ複製用原版の凹凸面を、接触させたまま加熱硬化させることにより、ホログラムレリーフ(2つのホログラム画像を異なる方向に再生する、「ホログラム画像を再生する回折格子面3」)及びサンドブラスト面(回折格子とは異なる光学要素面4)の形成を行ない、厚さ10μmのホログラム形成層2を得た。
このホログラム形成層2上に、ALを真空蒸着して、厚みが50nmの反射性薄膜層5を形成し、実施例1の真正性識別媒体Aを得た。
この真正性識別体Aを観察しても、わずかな虹色を呈するのみで、ホログラム画像を視認することはできなかった、
その反射性薄膜層5上に、次の組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が20μmになるように、塗工し70℃で乾燥させて、粘着剤層を形成し、パスポートに貼着した。
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部
酢酸ビニル 40質量部
また、厚さ100μmのTACフィルムの一方の面にブレーズド角10度、ピッチ1.0μmのブレーズ格子原盤を紫外線硬化型樹脂を挟んでに押し当て硬化した2枚の20mmサイズのブレーズド格子シートを所定の位置合わせを行って対向して重ね合わせ固定し真正性判定シートBを作製した。(シート間は空気とした。)
この真正性判定シートBを、前記パスポート上に設けた真正性識別体A上にかざすと、物体像「当」のホログラム画像を個々に視認することができた。
このことにより、このパスポートが真正であると判断できた。
(実施例2)
個々の領域として、ランダムなサイズの円形の領域を100〜150μmの間隔をあけて形成したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2を得た。
実施例1と同様に観察したところ、真性製識別体Aの観察時、ほとんど虹色が観察されれずホログラム画像の存在を示唆することなく、偽造防止性が向上した。
真正性判定シートによる観察においては、少しホログラム画像が薄く感じられたが、確実に視認可能であり、実施例1と同様に、このパスポートが真正であると判断できた。
(比較例)
ガラス基板の表面を、サンドブラスト処理により粗面化せず使用したこと以外は実施例1と同様に処理し、比較例を得た。
実施例1と同様にして判定したところ、真正性判定シートをかざす前からホログラム画像を視認できてしまい、偽造防止用途には使用できないと判断した。
A 真正性識別体
B 真正性判定シート
C 真正性判定方法
1 透明基材
2 ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形 成されているホログラムレリーフと、回折格子とは異なる光学要素 とが交互に形成された面を有する透明樹脂層
3 ホログラム画像を再生する回折格子面
4 回折格子とは異なる光学要素面
5 反射性薄膜層
6 ブレーズド格子シート
7 ブレーズド格子面
8 ブレーズド格子シート(6と同一形状)
9 入射光
10 反射光
11 真正性判定シート
12 ホログラム画像

Claims (2)

  1. 一方の面に入射する光を透過する角度と、他方の面に入射する光を透過する角度とが略同一である真正性判定シートを重ねて観察することにより真正性の判定を可能とする真正性識別体であって、
    透明基材の一方の面に、参照光の入射方向とその再生方向が略同一であるホログラム画像に対応する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフと、前記回折格子による回折光とは干渉性を持たぬよう、反射光が散乱性となる光学要素とが交互に形成された面を有する透明樹脂層、及び、
    前記ホログラムレリーフ上及び前記光学要素形成面上に追従するように反射性薄膜層が設けられていることを特徴とする真正性識別体。
  2. 前記交互に形成された前記光学要素の個々の領域の大きさが、前記回折格子の微細な画素単位の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の真正性識別体。
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