JP2011013287A - 真正性識別体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ホログラムを用いた真正性識別体において、その真正性を高めるために、ホログラムとは異なる機能を有する、コレステリック液晶等の機能性材料を積層すると、積層工程が煩雑であって、且つ、積層によるホログラム画像のボケ・歪み等の劣化を抑制することが難しい等の問題があった。
【解決手段】
ホログラム形成層のホログラム画像に対応する画素を離散的に形成し、その画素と同一形状、同一位置に所定の保磁力を有する磁気層を積層し、その磁気層の位置のみ光を通過させる磁気チェッカー等を用いて、目視にて鮮明なホログラム画像が浮き出でてくる判定を可能とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不正な意図に基づく偽造や改ざん等により得られたものと真正なものとの区別を可能にした真正性識別体に関するものである。また、本発明は、そのような真正性識別体を物品に適用するのに適するラベルの形態や転写シートの形態に加工したものにも関するものである。
本明細書において、配合を示す「部」は質量基準である。また、「ホログラム」はホログラムと、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)本発明の真正性識別体の主なる用途としては、偽造防止分野に使用されるホログラムシートであって、具体的には、クレジットカード等の偽造されて使用されると、カード保持者やカード会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、証券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関や公衆電話用のプリペイドカード等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
また、これら情報記録体以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等も偽造され得るものである。また、量産品でも有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体、またはそれらのケース等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
(背景技術)
従来、情報記録体や上記した種々の物品(総称して、真正性識別対象物と言う。)の偽造を防止する目的で、その構造の精密さから、製造上の困難性を有すると言われるホログラムを真正性の識別可能なものとして適用することが多く行なわれている。しかしながら、ホログラムの製造方法自体は知られており、その方法により精密な加工を施すことができることから、ホログラムが単に目視による判定だけのものであるときは、真正なホログラムと偽造されたホログラムとの区別は困難である。
これらの真正性識別対象物、特にラベル形態や転写形態にてホログラム画像を施された物品は、ホログラム画像の目視確認という真正性識別のみでなく、新たな真正性識別方法を用いてその対象物の真正性を識別する必要が生じている。
(先行技術)
これらの要求に応えるため、ホログラムに積層して、入射した光の内、左回り偏光もしくは、右回り偏光のいずれか一方の光のみを反射する光選択反射層を有する真正性識別体が提案された。(例えば、特許文献1参照。)
この光選択反射層として、コレステリック液晶を使用し、偏光版等を用いて確認する方法で偽造防止性を高めている。
しかしながら、特許文献1の記載にあるように、ホログラム形成層上の反射性薄膜層の反射率が高いため、コレステリック液晶層で反射されず透過した光(選択的反射光の補色光)が、この反射性薄膜層で反射し、再びコレステリック液晶層へ戻る(以下戻り光とする)ことにより、この戻り光が、コレステリック液晶を観察する際のノイズ成分となって、選択的反射光に付加・混在し、液晶本来の色調とならず、視認・識別することすら難しくなっていた。
また、コレステリック液晶材料そのものが高価であり、その液晶性能を引き出すためには液晶層に接して、配向膜の形成が不可欠であって煩雑であり、さらには、コレステリック液晶の光散乱性により、ホログラム画像を再生する光がその液晶層を通過するときに画像にボケ・歪みを生じる等の問題があった。
このため、コレステリック液晶層の光散乱性を抑えたり、コレステリック液晶層そのものを薄くする等の工夫が考えられたが、コレステリック液晶層の光散乱性を抑えるために屈折率差を小さくしたり、コレステリック液晶層を薄くしたりすると、上記した光選択反射層としての機能が低下してしまい、ホログラム画像の鮮明性と偽造防止性能を確保する最適な条件を得ることが難しいという欠点を有していた。
特開2007−90538号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、
ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されていることで、十分な干渉効果が得られず、単なる虹色の領域、もしくは着色された領域としか観察されない領域に、その微細な画素単位の位置に設けられた磁気層部分に感応する磁気チェッカー等を用いたとき、ホログラム画像が出現する、真正性の識別が容易な真正性識別体を提供することである。
上記の課題を解決するために、
本発明の真正性識別体の第1の態様は、
透明基材の一方の面に、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフを有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上に前記ホログラムレリーフに追従するように反射性薄膜層が設けられており、当該反射性薄膜層上の前記微細な画素単位に対応した位置に所定の保磁力を有する磁気層が形成されていることを特徴とするものである。
上記第1の態様の真正性識別体によれば、
透明基材の一方の面に、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフを有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上に前記ホログラムレリーフに追従するように反射性薄膜層が設けられており、当該反射性薄膜層上の前記微細な画素単位に対応した位置に所定の保磁力を有する磁気層が形成されていることを特徴とする真正性識別体を提供することができる。
ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されており、反射性薄膜層を介して、この離散して形成されている位置と同一位置に所定の磁気性能を有する磁気層(以下、「微細磁気パターン層」という。)を設けてあることにより、その磁気パターン層のパターンに感応する「磁気チェッカー」や、「磁気マイクロカプセルシート」、「磁気検知カード」等により、微細な画素単位の位置のみを、透過光を散乱させることなく通過させることで、ホログラム画像が、磁気チェッカー等の上に現れることを容易に確認できる。
これにより、簡易にその真正性識別体の「真正性」を判断できる。
微細磁気パターン層は、前記微細な画素単位の位置に同調して形成されるが、これは、位置情報を表わす小さく周期的な回折格子を設けておき、この回折格子を位置情報として、間欠送りが可能なシルクスクリーン印刷等を用いて形成することができる。
微細な画素単位の大きさは、10μm〜300μmであり、10μm〜100μmの場合は、フォトリソグラフィー方式等の高精度な位置決めが可能な方法を採用する。
従って、微細磁気パターン層の個々の大きさも、10μm〜300μmが基準となるが、磁場の広がりを考慮して、微細な画素単位の大きさより、一回り小さいものとする。
微細磁気パターン層には、ホログラム形成層を挟んで、その反対側にある「磁気チェッカー」等がその中に含んでいる「磁性材料」をパターン状に動かすものであるため、硬質磁性材料であって保磁力として10〜1000kA/mを持ち、且つ、残留磁束の大きい磁性体を用いて磁気インキとし、パターン印刷が可能なシルクスクリーン印刷や、フォトリソグラフィー方式等を用いて、対応する前記微細な画素単位と同一形状、同一位置に形成される。
この磁性体を強く配向させることにより、透明基材及びホログラムレリーフを有する透明樹脂層を通して、その先にある磁気チェッカー等が有する磁性体(軟質磁性材料:磁性強度、すなわち保磁力として0.1〜10kA/mを有し、微粒子粉体として流動性を有するものや、マイクロカプセルの中に極薄い円盤状であって容易に回転する磁性体を閉じ込められていて、磁場に感応して、光の通過/遮断を制御するもの。)を動かして、磁気チェッカー等上にホログラム画像を浮き出させる。
配向は、水平方向でも有効であるが、垂直配向をかけると、磁気チェッカー等を動かすことができる磁場が、微細な画素単位からほとんど広がりなく立ち上がるため、より鮮明なホログラム画像を確認することができる。
もちろん、微細磁気パターン層が含む磁性体を交流消磁しておくと、「磁気チェッカー」等をかざしても、何もでてこず、前もって強く配向しておくことで上記の判別機能を発揮するため交流消磁を利用する偽造防止方法も可能である。
磁性材料としては、
硬質磁性材料として、フェライト系磁性材料(Coフェライト、Baフェライト等)、NdFeB系磁性材料、SmCo系磁性材料等の希土類系磁性材料、白金鉄、白金コバルト、FeCoCr合金等がある。Baフェライト等の円盤状磁性体は、その楕円体の中心軸方向(垂直方向)に磁化するため、上記した垂直配向に好適である。
軟磁性材料としては、鉄系:電磁軟鉄、けい素鉄、鉄-コバルト合金(Fe 49Co-2Vのパーメンジュール等)、Fe-Si-Al合金(9.5Si-5.5Alのセンダスト等)、ニッケル−鉄系( Ni40〜50%パーマロイ、Ni70〜80%パーマロイ、PBパーマロイ、PCパーマロイ等)、NB添加ハードパーム(79Ni-9Nb-Fe)等が使用できる。
磁気インキとしては、軟磁性材料又は、硬質磁性材料の粉体(粒径0.1μm〜10μmの針状、円筒状、円盤状のもの)を、熱可塑性樹脂例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等、又は、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等に均一に分散させ、パターン同調性能の高いシルクスクリーン印刷(ホログラム画像と同調させて、等間隔でホログラムレリーフ面に形成した位置検知用回折格子をLED等で照明し、受光部でその位置を高い精度で検知しながら、パターン印刷ができる。)、オフセット印刷、グラビア印刷等により、反射性薄膜層上に形成し、加熱乾燥(イソシアネート等の架橋剤を加えても良い)、超音波乾燥、UV硬化乾燥、EB硬化乾燥等により乾燥、硬化させる。
微細磁気パターン層を硬化させることで、強い磁場で配向させたときの磁性材料の動き(回転・ズレ)を抑えることができる。もしくは、隣接する磁気パターン層間の相互作用を抑えることができる。垂直配向させるとこの相互作用はさらに小さくなる。
このパターン形状を目立たなくするため、同一色調(茶系、黒色等)の着色インキ層を重ねて設ける(反射性薄膜層上全面に設け、その上に微細磁気パターン層を設ける等。)ことにより、微細な画素単位が形成してある領域を目視観察したときに、磁気パターン層の存在を判別しにくくすることもできる。
このパターン形状と、微細な画素単位との同調は、真正性識別機能を考慮して、平面方向のズレは、微細な画素単位のサイズの1/10以内であることが望ましく、さらには、1/30以内とするこが望ましい。微細な画素単位が100μmであると、±10μm以内、さらには、±3μm以内ということになる。1/10以内であると、微視な画素領域外からの反射光による、ホログラフィックな干渉効果への撹乱作用が小さく、ホログラム画像を鮮明に観察することができる。さらに1/30以内では、その撹乱作用を解消することができる。
このために、上記した微細な画素と微細磁気パターンとの同調性を高める位置検知用回折格子を小さく精度良く形成しておく必要がある。
本発明においては、所定の保磁力の微細磁気パターンを形成し、それぞれの微細磁気パターンに対応した位置に、一つのホログラムを再生可能な微細な画素を形成しているため、「磁気マイクロカプセルシート」等をかざしたときに、個々の磁気パターンに対応した位置のみ、「磁気マイクロカプセルシート」等が透過性を示し、その対応した位置に、その対応したホログラムを見ることができる。
もちろん、ホログラム画像は、複数の結像方向に複数の結像画像を含んでいてもよいし、複数の方向へ回折光を発する回折格子であってもよい。
さらには、微細な画素が複数のグループを形成しており、それぞれのグループがそれぞれ異なるホログラム画像や、回折格子を再生するものであってもよく、且つ、それぞれのグループに対応する微細磁気パターンの保磁力がそれぞれ異なるものとしてもよい。
複数のグループがある場合には、その全てを一度に観察してもよいし、そのうちの一つのグループのみを観察してもよい。
微細磁気パターンの保磁力が複数ある場合には、異なるグループに属する微細な画素が同一領域内に併設されていてもよい。その場合には、「磁気マイクロカプセルシート」等をかざしてときの微細な画素等やその他の領域からの反射光の撹乱効果が増大する。
このホログラムの出現の様子は、以下の様になる。
まず、「磁気マイクロカプセルシート」等をかざさず、真正性識別体を観察すると、微細な画素及び、その他の領域(微細な画素と微細な画素との間の領域であって、通常は鏡面、もしくは散乱面である。)からの干渉光や鏡面反射光もしくは散乱光が混ざり合って、ホログラフィックな干渉とならず、領域全体にわたる「虹色」状の反射光のみが現れる。
次に、「磁気マイクロカプセルシート」等を真正性識別体から離れた位置から近づけていくと、磁性材料に対応した位置のみに光透過性が現れ、この光透過性部分を通して、微細な画素へ観察する光がそそぎ、その微細な画素のみから反射したホログラフィックな干渉光のみが透過して対応したホログラム画像等を所定方向へ再生する。
このとき、微細な画素間の反射面(鏡面反射もしくは散乱光反射面となる。)からの反射光(鏡面反射光もしくは散乱光。)が混入すると、この再生画像が不鮮明となる。
このとき、複数の磁性材料を用いていると、最初に硬質磁性材料に対応した位置からホログラム画像等が出現し、さらに「磁気マイクロカプセルシート」等を真正性識別体に近づけると、軟質磁性材料に対応した別の位置にも、別の対応したホログラムが出現する。
この出現するパターンは、保磁力の異なる数だけ表れる。
このホログラムが出現するパターンは、同一の保磁力を持つ磁性材料で形成した磁気パターンの形状に沿って現れ、最終的には(「磁気マイクロカプセルシート」等が真正性識別体に接したとき。)全ての磁気パターンが出現することになる。
もちろん、その微細磁気パターンは、同一の領域に形成してもよく、このとき、各微細磁気パターンを微細な帯状として、互い違いに隣接して形成することもできる。各々の帯と再生されるホログラム画像等とは、その個々について対応しており、一つの微細磁気パターンに対応する位置のホログラムと、別の微細磁気パターンに対応する位置のホログラムとは、全く別のものとすることができる上、上記した撹乱作用を強くすることができる。
このようにして作成した微細な画素と微細磁気パターンが同調した真正性識別体に対して、「磁気マイクロカプセルシート」等をかざすと、強く着磁している磁気パターン部分のみ「磁気マイクロカプセルシート」等が透明となり、ホログラム画像(もしくは、回折格子のパターンと同一のパターン)が現れて、その真正性を証明することができる。
「磁気マイクロカプセルシート」内のカプセルに包まれた燐片状の軟磁性材料を水平状態(遮蔽)から垂直状態(透過)へ回転させるためには、画像パターンに対して垂直方向の磁場を発生させる必要があるため、磁気パターンを形成する磁性材料としてBaフェライトの様な円盤状磁性体を垂直方向に磁化できるように、その主軸(円盤の中心を通り円盤に垂直な軸)を垂直に向かせる配向処理を施して、磁気パターンの隅から隅まで垂直に着磁させる。
逆に、真正性識別体の近くのみに磁場を形成するためには、針状磁性体を水平方向に配置し、且つ、水平方向に着磁する。もちろん、円盤状磁性体の円盤に水平方向に着磁しても同様の効果が得られる。
このことにより、「磁気マイクロカプセルシート」がホログラム画像に精度良く同調し、その透過部分を通して歪みの少ない鮮明なホログラム画像を観察することができる。
微細な画素は、離散的に形成されるが、その全体を目視にて観察したときに何らかの画像を表示するものとなるように形成することもできる。もちろん、この画像表示が、「磁気マイクロカプセルシート」等をかざすと出現するホログラム画像等と関連するものであると、かざした際に即座に真正性を識別できることになる。
複数の微細磁気パターンとしては、2種類〜5種類とするが、特に2種類、もしくは3種類とすることが望ましい。これは、真正性識別体に「磁気マイクロカプセルシート」等を近づけたときに、真正性識別体との距離によって観察されるホログラムの様子を明確に切り替えるためである。すなわち、対応した磁気パターンの中にある磁性材料の保磁力とその発現する磁場の大きさにより「磁気マイクロカプセルシート」が透明となる位置がきまるが、各々の位置を再現性よく判定するために、設定する保磁力の差及び、パターンサイズ、充填する磁性材料の割合、磁化の強さを調整するが、6種類以上となると、その切り替わり位置が不明確となりるため、好適には2種類乃至は3種類とする。もちろん5種類までであれば、判定可能であるが、上記した種々の工夫が必要となる。
ただ、磁気パターン領域を離散的に設けるのであれば、その透明開始位置が個々変化するのみであるから、磁気パターンの種類をさらに増して用いることは可能である。
典型的な例を以下に示す。
・最も遠い位置:20mm〜50mmの距離において、強く磁化された硬質磁性材料
(保磁力500kA/m〜800kA/m)の発現する磁場により、
「磁気マイクロカプセルシート」の対応する位置が透明となり、
最初のホログラムを確認する。
・次に遠い位置:5mm〜20mmの距離において、強く強く磁化された硬質磁性材料
(保磁力100kA/m〜500kA/m)の発現する磁場により、
「磁気マイクロカプセルシート」の対応する位置が透明となり、
最初のホログラムを確認する。
・接する位置 :0mm〜5mmの距離において、強く強く磁化された硬質磁性材料
(保磁力1kA/m〜100kA/m)の発現する磁場により、
「磁気マイクロカプセルシート」の対応する位置が透明となり、
最初のホログラムを確認する。
このように磁気パターンを形成した真正性識別体に向けて「磁気マイクロカプセルシート」を近づけると、まず最初に部分的に透明になったところに、ホログラムを観察でき、さらに近づけると、その近傍に別のホログラムが見えてきて、「磁気マイクロカプセルシート」を真正性識別体に接すると、第3のホログラムを観察することができ、目視にて簡易に真正性を判別、確認することができる。
また、本発明の真正性識別体の第2の態様は、
前記ホログラムレリーフを有する透明樹脂層の前記微細な画素の形成されていない部分に着色層が形成されていることを特徴とする。
前記異なる回折格子群が、交互に隣接して設けられていることを特徴とする。
本発明の真正性識別体の第2の態様によれば、
前記ホログラムレリーフを有する透明樹脂層の前記微細な画素の形成されていない部分に着色層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の真正性識別体を提供することができる。
ホログラムレリーフを有する透明樹脂層の微細な画素の形成されていない部分に着色層を形成することにより、その着色層からの散乱反射光が、微細な画素から反射されるホログラフィックな干渉光を撹乱し、そのホログラム画像の存在を隠蔽する効果が増大する。
特に、着色層によって特定の絵柄を形成することで、微細な画素を目立たなくすることができ、さらにその効果を増長することができる。
着色層は、透明樹脂層と同様の屈折率を有するので、ホログラムレリーフ上に形成すると、その透明樹脂層と着色層との界面での反射光強度が極く小さいものなり、その部分のフォログラフィックな干渉効果を無くす作用がある。
従って、着色層の位置精度が不十分であって、一部微細な画素までずれて着色層が形成された場合には、その重なった部分はもはや回折効果をもたず、着色層の境界線があらたな微細な画素の境界となる。
このことより、磁気層形成の精度は着色層に対して位置決めすることが可能となり、着色層形成工程と同一工程により精度よく磁気層を形成することができる。
「出現したホログラム画像」と「着色層のパターン」とが、例えば、「くじ」と「当選マーク」のような関連するものであった場合には、「その組み合わせに関連性がある」ことをもって、その媒体の真正性を識別することができる。
本発明の真正性識別体によれば、
透明基材の一方の面に、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフを有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上に前記ホログラムレリーフに追従するように反射性薄膜層が設けられており、当該反射性薄膜層上の前記微細な画素単位に対応した位置に所定の保磁力を有する磁気層が形成されていることを特徴とする真正性識別体が提供される。
また、本発明の他の真正性識別体によれば、
前記ホログラムレリーフを有する透明樹脂層の前記微細な画素の形成されていない部分に着色層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の真正性識別体が提供される。
すなわち、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフと同一形状、同一位置に所定の保磁力をもつ磁気層を積層し、その磁気層の位置のみ光を通過させる「磁気チェッカー」等を用いて、目視にて、鮮明なホログラム画像が浮き上がる効果を確認することで、容易且つ、信頼性の高い真正性の識別が可能である真正性識別体が提供される。
は、本発明の1実施例を示す真正性識別体Aの断面図である。 は、本発明の他の実施例を示す真正性識別体A´の断面図である。 は、本発明の1実施例を判定するプロセスである。
(透明基材)本発明で使用される透明基材1は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、真正性識別体Aを製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材1の厚さは、通常5〜100μmであるが、反射性薄膜層3からの回り込み光を配慮する場合には、5〜50μm、特に5〜25μmとすることが望ましい。
(ホログラムレリーフを有する透明樹脂層:ホログラム形成層ともいう。)本発明のホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
上記の樹脂材料を用いてホログラム形成層2を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料の層に押し付けることにより、賦型を行なうのがよい。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造として使用できる。
ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
微細な凹凸を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再現もしくは再生する光もしくは光源の波長(域)と、再現もしくは再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。
また、カラーホログラム画像を、回折格子線からなる回折格子画素(同一の回折格子線からなる単一回折格子エリアの最小単位。これら画素から回折光としてでてくる光の集合が一つのカラーホログラム画像を形成する。)に要素分解し、所定の画素のサイズ、格子線ピッチ、格子線角度をその各要素に割り当てて再現するという画像処理方法を用いて形成することも可能である。
凹凸のピッチ(周期)は再現もしくは再生角度に依存するが、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再現もしくは再生強度に大きな影響を与える要素であるが、通常0.1μm〜1μmである。
本発明は、再生されるホログラム画像を「磁気チェッカー」等の透明化した部分を通過する観察光(ホログラムにおける参照光となる。)により、真正性媒体を照明し、その照明された微細な画素から反射する干渉性を持ち、ホログラム画像を再生する光を、再びその透明化部分を通して観察することになるため、照明する角度に対して、0度〜30度の回折角度で結像するホログラム乃至は、その方向へ回折する回折格子である必要がある。
特に、真正性識別体と「磁気チェッカー」等の距離を離して判定する場合はよりこの角度を狭くする必要がある。
もちろん、ホログラムの冗長性は、反射する干渉光がかなりの部分遮蔽されたとしても、その再生は十分可能であり、真正性判定という目的に適している。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、画像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再現もしくは再生画像が鮮明となる。
さらに、反射性薄膜層が、透明金属化合物薄膜の場合は、その薄膜の上下の面が、同一レリーフ形状であり且つ、その面と面の距離(すなわち膜厚さ)が均一であればあるほど、再現もしくは再生強度が大きくなる。
ホログラムレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記透明基材1及び反射性薄膜層3上に、前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行う。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、Ni薄膜層を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成した後、金属を剥離することで作ることができる。
複製方式は、平板式もしくは、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、複製温度は、通常60℃〜200℃とする。
(反射性薄膜層)本発明では、ホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、反射性薄膜層3を形成する。この薄膜層は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層2よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。
反射性薄膜層3としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、又は透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、その透明反射層を通して真正性識別対象物のデザイン等を確認できるので好ましい。但し、磁気パターンを隠すという意味では、金属光沢反射膜が望ましい。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層2のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム形成層2よりも光屈折率の高い薄膜、例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。
好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなどが例示できる。またアルミニウムなどの一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出てきて透明反射層として使用できる。
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム形成層2のホログラムレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)などの真空薄膜法などにより設ければよい。透明反射膜を使用する場合は、磁気パターン層を隠すために、同一の色調の印刷層を重ねて設け磁気層のない部分を埋める必要がある。
(磁気パターン層)
磁気パターン層4は、前記した磁気インキを用いて、ホログラム形成層2に形成した個々の微細な画素に対応した位置に形成する。ホログラムはその原理から高い冗長性を有するため、一つのホログラムの一部でも参照光があたると、その全体像を再生する機能がある。従って、前記磁気パターンは、対応する個々のホログラム形成部分より小さく形成する。すなわち、磁気パターンから発生する磁場は、その磁気パターンより一回り大きく発生するため、隣のホログラムに対応した部分まで開放してしまうことになる。この回り込みは、形成する磁気パターンの厚さと、磁性材料の形状、その磁気配向方向に依存するため、これらを考慮してその縮小割合を定める。例えば一つのホログラム2が300μmのサイズに離散的に分割して形成したものであれば、厚さ20μmとして260μmセルサイズ程度とする。
この縮小は、磁気パターン層4の厚さ、その磁気パターン層から出る磁場の状況、判定する「磁気チェッカー」等までの距離等から定められるが、磁場の広がりがその厚さ及び配向方向に大きく依存することから、磁気パターン層の厚さ程度の縮小とする。
磁気パターン層4の形成態様は図1のようになる。
磁性材料として、フェライト系磁性材料等の硬質磁性材料又は鉄-コバルト合金等の軟磁性材料を用いて、前記したごとく磁気インキとし、適宜な樹脂等に分散して、前記反射性薄膜層3上に、それぞれ対応するホログラム画像に対応する微細な画素が形成されている位置にあわせて、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等により、UV硬化乾燥等により乾燥、硬化させ形成する。
磁気パターン層は強い磁場で配向させるため磁気パターン層の硬化は、磁性材料の動き(回転・ズレ)を抑えることができる。もしくは、磁気パターンの形成部分同士の相互作用を抑えることができる。
磁気パターン層を形成し、その磁性体の保磁力より強い磁場(通常2倍〜3倍の磁場をかける。)で、飽和させた後、最大残留磁束密度までの磁化を行う。
垂直磁化を行うためには、真正性識別媒体の上下に永久磁石を当てて磁化する。複数の磁性体を有する場合は、対応する磁性体の磁化時、他の磁性体への影響を解消するため、高透磁率材料を永久磁石の周りにおいて、磁気遮蔽する。
この磁気遮蔽は、磁化した磁気パターンの形成部分同士の相互作用を抑えるために、形成部分と形成部分の間に、高透磁率材料を形成しておくと、磁化時及び、磁化後にその効果を発揮して好適である。高透磁率材料としては、パーマロイ等、透磁率μが、0.011〜20(ニュートン毎平方アンペア)のものを使用できる。
このパターン形状を目立たなくするため、同一色調(茶系、黒色等)の着色インキ層を重ねてもしくは、隙間を埋めるように設けて、磁気パターン層を判別しにくくすることも好適である。さらには、薄膜層の全面にその着色インキ層を1〜5μm厚さで設けてもよい。
(着色層)
本発明では、ホログラム形成層2上に、着色層6を形成する。
着色層に用いられる顔料としては、
有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)がある。
無機顔料としては、複合酸化物系顔料、微粒子複合酸化物系顔料、紺青、ハイブリッド型顔料等があるが、さらに、弁柄、モリブデンレッド、カドミウムレッド、 鉛丹(以上、赤色。)、黄鉛(赤口)、モリブデンオレンヂ(橙色)、カドミウムオレンジ(橙色)、群青(ウルトラマリンブルー)、紺青(プルシャンブルー)、紺青、コバルトブルー、セルリアン、 マンガン青(以上、青色。)、アンバー(茶色。)、黄鉛、 カドミウムエロー、チタン黄、黄色酸化鉄(以上、黄色。)、 酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック(以上、緑色。)、マルス紫、コバルトバイオレット、 マンガンバイオレット(以上、紫色。)その他、体質顔料、金属粉顔料等が用いられる。
顔料の粒径は、通常0.01μmから10μmのものが用いられるが、0.01〜0.1μmのものは、透明性も兼ね備えており、反射性薄膜層3の色調を一部透過する性質を示す。但し、この粒径のものは、二次凝集しやすく、再分散処理等を施す必要がある。添加量は、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式等、適宜な形成パタ形成方法で形成する厚さとのバランスで決められるが、通常10%〜50%添加が好適であり、適宜な溶剤に溶かして、2〜20μm厚さに形成する。
染料も、一部透明性を有しているため、反射性薄膜層3の色調の影響を受けるため、その影響を含めて設計することが望ましい。いずれにしても、使用する樹脂との分散性、溶解性等に優れるものが使用できる。
着色層6形成後、表面粗さ1.0μm以上の凹凸を有する金属製スタンパにて加熱プレスすることで、着色層3の表面を粗面化することができる。また、この着色顔料に加えて、粒径1.0μm以上の炭酸カルシウム、二酸化チタン等の体質顔料を使用することでも、着色パターン層を粗面化することができる。この粗面化により、この着色層3の反射光の特性を変化させ、調整することができる。
着色層6に使用される樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ、ホログラム形成層2や、反射性薄膜層3等との接着性の良好なもの、顔料や染料の分散性の良いものがが使用できる。その他添加剤は適宜使用する。
(粘着剤層)
また、本発明の真正性識別体にさらに、粘着剤を施して粘着剤層5を形成してラベルとしたり、接着剤を施して転写シートとすることもできる。
その場合、粘着剤5としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。
自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良く、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
また、接着剤としては、種々の物品に対する接着性を確保するためのものであるので、磁気パターン層4との接着性がよく、被着体と強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができ、形成厚さ、形成方法等は適宜選択する。
(実施例1)
透明基材1として、12μmのPETフィルムの表面に、メラミン樹脂組成物を塗布し、ホログラム画像位置検知パターン付きのホログラム画像(「当」の文字画像:図3参照。)に対応する微細な画素(画素サイズ:100μm×100μmで、周期性を持たないよう50μm〜150μmの間を置いて離散的に形成。)の凹凸構造を持つ複製用型の型面を、接触させたまま加熱硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行ない、厚さ3μmのホログラム形成層2を得た。
このホログラム形成層2上に、ALを真空蒸着して、厚みが100nmの反射性薄膜層3を形成し、位置検知パターンを検知しながら、シルクスクリーン印刷にて下記組成の磁気インキを用いて、それぞれのホログラム画像に対応する微細な画素(各々のホログラム画像再生部分)と同一位置に、20μmずつだけ小さく厚さ10μmで形成した。
・<磁気インキ組成物1>
塩ビ・酢ビ樹脂 50質量部
磁性材料(Baフェライト:100kA/m) 25質量部
体質顔料 5質量部
メチル・イソブチルケトン 20質量部
この磁気パターン層4及び反射性薄膜層3上に、次の組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が20μmになるように、塗工し70℃で乾燥させて、粘着剤層5を形成し、実施例1の真正性識別媒体Aを得た。
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部
酢酸ビニル 40質量部
この真正性識別媒体Aをパスポートに貼着した。そしてこのパスポート全体を強い磁場を用いて(200KA/m)、磁気パターン層を着磁した。
この真正性識別媒体A上に、磁気マイクロカプセルシートを含む「checker」をパスポートに近づけて観察側から眺めると、磁気パターン1に対応するホログラム再生像の微細な画素と同一位置、同一部分の磁気カプセル部が開放(透明)となり、その開放部を通して、ホログラム画像「当」が鮮明に観察できた。
このことにより、このパスポートが真正であると判断できた。
(実施例2)
透明基材1として、12μmのPETフィルムの表面に、メラミン樹脂組成物を塗布し、ホログラム画像位置検知パターン付きのホログラム画像(「当」の文字画像:図3参照。1つのホログラム2aは「当」の下半分の「ヨ」とし、別のホログラム2bは「当」のその残りの部分とした。)に対応するそれぞれの微細な画素を、形成領域を明確に区分けして形成(下の領域に「ヨ」に対応する微細な画素を、下の領域に「当」のその残りの部分に対応する微細な画素を形成した。)し、各々の領域において、実施例1と同様として、複製用型の型面を、接触させたまま加熱硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行ない、厚さ3μmのホログラム形成層2を得た。
このホログラム形成層2a及び2b上に、ALを真空蒸着して、厚みが100nmの反射性薄膜層3を形成し、位置検知パターンを検知しながら、シルクスクリーン印刷にて下記組成の磁気インキ1及び2を用いて、それぞれのホログラム画像(各々のホログラム画像再生部分)に対応した微細な画素と同一位置に、各々40μm及び20μmだけ小さく、それぞれ厚さ20μm及び10μmで形成した。
・<磁気インキ組成物1>
塩ビ・酢ビ樹脂 50質量部
磁性材料(Baフェライト:100kA/m) 25質量部
体質顔料 5質量部
メチル・イソブチルケトン 20質量部
・<磁気インキ組成物2>
塩ビ・酢ビ樹脂 50質量部
磁性材料(フェライト:10kA/m) 25質量部
体質顔料 5質量部
メチル・イソブチルケトン 20質量部
この磁気パターン層4及び反射性薄膜層3上に、次の組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が20μmになるように、塗工し70℃で乾燥させて、粘着剤層5を形成し、実施例1の真正性識別媒体Aを得た。
・<粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30質量部
トルエン 40質量部
酢酸ビニル 40質量部
この真正性識別媒体Aをパスポートに貼着した。そしてこのパスポート全体を強い磁場を用いて(200KA/m)各磁気パターン層を着磁した。
この真正性識別媒体A上に、磁気マイクロカプセルシートを含む「checker」をパスポートに近づけて観察側から眺めると、磁気パターン1に対応するホログラム再生像と同一位置、同一部分の磁気カプセル部が開放(透明)となり、その開放部を通して、ホログラム画像「ヨ」が鮮明に観察できた。
さらに「checker」をパスポートに近づけて観察側から眺めると、磁気パターン1及び2に対応するホログラム再生像と同一位置、同一部分の磁気カプセル部が開放(透明)となり、その開放部を通して、ホログラム画像「当」が鮮明に観察できた。
このことにより、このパスポートが真正であると判断できた。
(実施例3)
ホログラム形成層2上のホログラム画像に対応した微細な画素の無い部分に、下記組成の着色層6をシルクスクリーン方式を使用して、厚さ3μmの着色層を離散的な微細な画素の間を埋めるように形成した。赤色の第1表示パターンにより「当」の下半分の「ヨ」とし、と青色の第2表示パターンにより「当」のその残りの部分とし、それぞれの磁気パターンを対応した以外は、実施例2と同様に作成し、真偽判定用識別体A´を得た。
・<着色パターン組成物>
上記メラミン樹脂 樹脂組成物 30質量部
弁柄若しくは群青 10質量部
体質顔料 5質量部
エチルセルソルブ 55質量部
実施例2と同様に、観察すると同様の結果がえられた上、着色層6において、2つの表示パターンと、現れてくる2つのホログラム画像とが関連していることから、より信頼性の高い判定が可能であった。
(比較例)
磁気パターン層4を形成せず、実施例1と同様にして判定したところ、磁気マイクロカプセル部分は遮蔽したままであり、なんらホログラム画像を観察することができなかった。このことにより、このパスポートが偽物であると判断できた。
A 真正性識別体
1 透明基材
2 ホログラム形成層(ホログラムレリーフを有する透明樹脂層)
3 反射性薄膜層
4 磁気パターン層
5 粘着剤層
6 着色層

Claims (2)

  1. 透明基材の一方の面に、ホログラム画像を再生する回折格子が微細な画素単位に離散して形成されているホログラムレリーフを有する透明樹脂層、及び、前記ホログラムレリーフ上に前記ホログラムレリーフに追従するように反射性薄膜層が設けられており、当該反射性薄膜層上の前記微細な画素単位に対応した位置に所定の保磁力を有する磁気層が形成されていることを特徴とする真正性識別体。
  2. 前記ホログラムレリーフを有する透明樹脂層の前記微細な画素の形成されていない部分に着色層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の真正性識別体。
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