JP2018087930A - 表示体及びラベル付き物品 - Google Patents

表示体及びラベル付き物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2018087930A
JP2018087930A JP2016231757A JP2016231757A JP2018087930A JP 2018087930 A JP2018087930 A JP 2018087930A JP 2016231757 A JP2016231757 A JP 2016231757A JP 2016231757 A JP2016231757 A JP 2016231757A JP 2018087930 A JP2018087930 A JP 2018087930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
display cell
display
diffraction grating
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016231757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6834413B2 (ja
Inventor
聡 内田
Satoshi Uchida
聡 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2016231757A priority Critical patent/JP6834413B2/ja
Publication of JP2018087930A publication Critical patent/JP2018087930A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6834413B2 publication Critical patent/JP6834413B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】高い偽造防止効果を有した表示体を提供することにある。【解決手段】赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルから成るセル群を画素として、第一観察条件で観察すると第一フルカラー画像を表示し、第二観察条件で観察すると第二カラー画像を表示する表示体であって、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち一つ以上のセルは、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有し、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルは、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有し、前記セル群とは別のセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのすべては、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、偽造防止効果を提供する表示技術が施された表示体及びラベル付き物品に関する。
通常、有価証券類、カード類、証明書類には、それらの偽造を困難にするために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する表示体が貼り付けられている場合がある。
従来の偽造防止技術を有した表示体として、複数の溝を有してなる回折格子を含んだ表示体がある。回折格子は虹色に光る分光色を表現し、その原理は、例えば、非特許文献1に記載されている。回折格子に入射する光は回折格子の空間周波数に応じて波長分散されるため、回折格子を含んだ表示体を任意の角度から観察すると、特定の波長のみが観察される。
一方、任意の色を表現する方法として、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三つの原色を混合する加法混色がある。R、G、Bを適切な割合で混合することにより、特定の色を表現出来る。また、R、G、Bを混合することで白色を表現することもできる。テレビやパソコンのモニタでは、この加法混色により様々な色が表現されている。さらに、R、G、Bの三色の組み合わせ方や三色の光の混合具合により明度を調整することもできる。
回折格子と加法混色を用いて特定の色を表現する表示体としては、特許文献1や特許文献2に記載の表示体がある。回折格子の空間周波数によりR、G、Bに対応する空間周波数の回折格子を含んだ表示体では、それぞれの回折格子により光が分散され、射出される回折光は波長ごとに角度が異なる。よって、表示体を任意の角度から観察するとR、G、Bの回折格子からそれぞれ射出される特定の波長の混合比により、観察者は特定の色を認識出来る。R、G、Bの混合比は、それぞれの回折格子の面積比に対応しており、面積比によりそれぞれの回折格子から射出される回折光の光量が異なるため、特定の色を認識出来る。また、R、G、Bの組合せ間でそれぞれのR、G、Bの面積比は等しいが、相対面積が異なるR、G、Bを表示体に設けることで、特定の色の輝度階調を表現することも出来る。
このようにR、G、Bの回折格子を任意に配置することにより、任意のカラー画像を表示することが可能となる。R、G、Bに対応する空間周波数を含んだ表示体はカラー画像を表示できるため、従来の回折格子による虹色表現とは異なる視覚効果を実現でき、デザイン性に優れている。しかし、このような表示体は回折格子からの回折光が届く特定の観察角度でのみ観察者に回折光によるカラー画像を表示するものであった。
特開平9−043594号公報 特開2007−219551号公報
辻内順平編著、「ホログラフィックディスプレイ」、産業図書株式会社
本発明の目的は、観察者が表示体からの回折光が届かない観察条件で表示体を観察すると、回折格子によるカラー画像とは異なる別のカラー画像を観察できるという新しい視覚効果を実現する高い偽造防止効果を有した表示体を提供することにある。
上述した課題を解決するための手法として、第1の発明は、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルから成るセル群を画素として、第一観察条件で観察すると第一フルカラー画像を表示し、前記第一観察条件とは異なる第二観察条件で観察すると前記第一フルカラー画像とは異なる第二カラー画像を表示する表示体であって、前記画素を構成するセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち一つ以上のセルは、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有し、前記画素を構成する赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルは、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有し、前記画素を構成する前記セル群とは別のセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのすべては、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有することを特徴とする表示体である。
第2の発明は、基材、光透過層、インキ層の順で構成され、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの回折格子が光透過層の第一領域に設けられ、光透過層の第一領域は、光反射層で被覆され、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの回折格子が設けられていない光透過層の第二領域は、光反射層で被覆されていないことを特徴とする上記第1の発明に記載の表示体である。
第3の発明は、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルに設けられた回折格子は、それぞれの表示用セル間で空間周波数が互いに異なり、かつ、長手方向が互いに等しいことを特徴とする上記第1の発明乃至第2の発明のいずれかに記載の表示体である。
第4の発明は、第二カラー画像が、第一観察条件では視認できない隠し画像であることを特徴とする上記第1の発明乃至第3の発明のいずれかに記載の表示体である。
第5の発明は、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルに対応する光透過層の第二領域に、表面積が回折格子より大きいテーパー構造が設けられていることを特徴とする上記第1の発明乃至第4の発明のいずれかに記載の表示体である。
第6の発明は、セル群の大きさが3μm以上かつ300μm以下であることを特徴とする上記第1の発明乃至第5の発明のいずれかに記載の表示体である。
第7の発明は、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの各々のセル面積は、16段階以上で定められていることを特徴とする上記第1の発明乃至第6の発明のいずれかに記載の表示体である。
第8の発明は、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの少なくとも一つにブレーズド型回折格子を有することを特徴とする上記第1の発明乃至第7の発明のいずれかに記載の表示体である。
第9の発明は、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有するセルの第二領域のインキ層に目視では認識できない微細パターンが含まれていることを特徴とする上記第1の発明乃至第8の発明のいずれかに記載の表示体である。
第10の発明は、セル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうちの一つあるいは二つの回折格子が設けられたセルに対応する第一領域、および、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられたセル以外の残りの全ての回折格子が設けられていないセルに対応する第二領域とは異なる第三領域にテーパー構造が設けられていることを特徴とする上記第1の発明乃至第9の発明のいずれかに記載の表示体である。
第11の発明は、テーパー構造のピッチが、250nm以上、かつ、400nm以下であり、テーパー構造の高さが、100nm以上、かつ、500nm以下であることを特徴とする上記第1の発明乃至第10の発明のいずれかに記載の表示体である。
第12の発明は、上記第1の発明乃至第11の発明のいずれかに記載の前記表示体と、前記表示体を支持する物品とを具備したことを特徴とするラベル付き物品である。
第1の発明によると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルから成るセル群を画素として、第一観察条件で観察すると第一フルカラー画像を表示し、前記第一観察条件とは異なる第二観察条件で観察すると前記第一フルカラー画像とは異なる第二カラー画像を表示する表示体であって、前記画素を構成するセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち一つ以上のセルは、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有し、前記画素を構成する赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルは、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有し、前記画素を構成する前記セル群とは別のセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのすべては、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有することによって、第一観察条件で表示体を観察すると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの全ての表示用セルの回折格子とインキの色の混色による第一フルカラー画像を表示し、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルに設けられた回折格子による回折光が観察されない第二観察条件で表示体を観察すると、回折格子が設けられていない色の表示用セルからのインキによる第一フルカラー画像とは異なる第二カラー画像が観察できるため、新しい視覚効果と高い偽造防止効果を有した表示体を得られる。
また、第2の発明によると、基材、光透過層、インキ層の順で構成され、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの回折格子が光透過層の第一領域に設けられ、光透過層の第一領域は、光反射層で被覆され、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの回折格子が設けられていない光透過層の第二領域は、光反射層で被覆されていないことによって、表示体を観察した際に、第一領域からは回折格子による回折光を、第二領域からはインキの色を観察できる。
また、第3の発明によると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルに設けられた回折格子は、それぞれの表示用セル間で空間周波数が互いに異なり、かつ、長手方向が互いに等しいことによって、特定の観察条件で表示体を観察すると、表示用セルの色に応じた組合せの色を観察できる。
また、第4の発明によると、第二カラー画像が、第一観察条件では視認できない隠し画像であることによって、表示体1の観察角度により隠し画像が表れる新しい視覚効果を有する表示体を得られる。
また、第5の発明によると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルに対応する光透過層の第二領域に、表面積が回折格子より大きく、回折格子より作製が困難なテーパー構造が設けられていることによって、高い偽造防止効果を有した表示体を得られる。
また、第6の発明によると、セル群の大きさを3μm以上とすることで、回折格子の長手方向によらず1本以上の回折格子を設けることができ、300μm以下であることによって、肉眼でセル群を認識できない表示体を得られる。
また、第7の発明によると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの各々のセル面積は、16段階以上で定められていることによって、表示体を観察した際にカラー階調を認識できる表示体を得られる。
また、第8の発明によると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち少なくとも一つにブレーズド型回折格子を有することによって、特定の条件で高い回折効率が実現され、カラー画像の輝度が高く、認識しやすい表示体を得られる。
また、第9の発明によると、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有するセルの第二領域のインキ層に目視では認識できない微細パターンが含まれていることによって、高い偽造防止効果を有した表示体を得られる。
また、第10の発明によると、セル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうちの一つあるいは二つの回折格子が設けられたセルに対応する第一領域、および、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられたセル以外の残りの全ての回折格子が設けられていないセルに対応する第二領域とは異なる第三領域にテーパー構造が設けられていることによって、表示体の鏡面反射する領域がなく、表示されるカラー画像のコントラストが上がり、カラー画像を認識しやすい表示体を得られる。
また、第11の発明によると、テーパー構造のピッチが、250nm以上、かつ、400nm以下であり、テーパー構造の高さが、100nm以上、かつ、500nm以下であることによって、テーパー構造が設けられた領域に入射する光の反射を防止、または、低減し、黒い色もしくは暗灰色等の無彩色に見える表示体が得られる。
また、第12の発明によると、本発明の表示体を、有価証券やカード、証明書類、紙幣、その他の物品に貼りあわせる、または組み合わせることによって、従来の物品に高い偽造防止効果を付与することが可能となる。
表示体1の一例と表示体1を複数の観察角度a、b、cから観察した際に見える第一フルカラー画像と第二カラー画像の色の様子を示す図。 表示体1の一部拡大した平面図。 矩形型回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示す図。 空間周波数の異なる回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示した図。 空間周波数の異なる回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示した図。 空間周波数の異なる回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示した図。 表示体1の一部を拡大した平面図。 ブレーズド型回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示した図。 インキ層に設けられた微細なパターンを示す図。 表示体1の層構成の一例を示す断面図。 テーパー構造が第二領域に設けられた表示体1の層構成の一例を示す断面図。 テーパー構造の一例を示す図。 第三領域に設けられたテーパー構造の配置例を示す図。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、全ての図面を通じて、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
(表示体概要の説明)
図1は、本発明の一態様に係る表示体1を示す図である。表示体1は、図1に示すように複数の観察角度a、b、cによって、R、G、Bの異なる組み合わせからなる色のカラー画像を表示することができる。表示体1は、第一観察条件で観察すると第一フルカラー画像を表示し、第一観察条件とは異なる第二観察条件で観察すると第一フルカラー画像とは異なる第二カラー画像を表示する。例えば、特定の観察条件である第一観察条件の観察角度bから表示体1を観察すると第一フルカラー画像RGBが観察され、第一観察条件とは異なる特定の観察条件である第二観察条件の観察角度a及びcから表示体1を観察すると第二フルカラー画像Bが観察される。例えば、第二フルカラー画像Bは、第一観察条件では視認できない隠し画像である。
表示体1の一部の細部を拡大すると、図2のように整然配列されたセル群2及びセル群3が観察出来る。セル群2及びセル群3は赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの各セルから成る。セル群2には、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCのうち一つ、あるいは、二つの色の表示用セルに、R、G、Bに対応した空間周波数の回折格子が設けられている。また、R、G、Bに対応する空間周波数の回折格子が設けられていない色の表示用セルには、セルを通して下面に設けられたインキ面が観察できる。つまり、画素を構成するセル群2の赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCのうち一つ以上のセルは、第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有する。画素を構成するセル群2の赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCのうち回折格子が設けられていないセルは、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有する。さらに、別のセル群2とは異なるセル群3には、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの全てに、R、G、Bに対応した空間周波数の回折格子が設けられている。つまり、画素を構成するセル群2とは別のセル群3の赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCのすべては、第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有する。
図2のセル群2の場合、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCのうち、赤色表示用セルRCと緑色表示用セルBCには、それぞれ観察点に対して、R、Gに対応した波長の光を射出する空間周波数の回折格子RD、および、GDが設けられており、青色表示用セルBCには、セルを通して下面に設けられたインキ面BIが観察できる。一方、セル群3には、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの全てに、それぞれ観察点に対して、R、G、Bに対応した波長の光を射出する空間周波数の回折格子RD、GD、BDが設けられている。赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCに設けられた回折格子RD、GD、BDは、それぞれの表示用セル間で空間周波数が互いに異なり、かつ、長手方向が互いに等しい。
図2に示したように赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの各色の表示用セルはR、G、Bの階調に対応してセルの面積が異なる。セル面積が異なることによりR、G、Bの光の混合比率を変えることができるため、任意の色表現が可能となる。赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCの各々のセル面積は、16段階以上で定められている。例えば、各色の表示用セルのR、G、Bの各要素が16階調で表現されていれば、カラー階調を各要素に対応するR、G、Bのセルのセル面積に対応させることで、16×16×16=1536通りの色を表現できる。同様に、各色の各表示用セルのR、G、Bの各要素が256階調で表現されていれば、256×256×256=16777216通りの色を表現できる。
赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCから成るセル群2及びセル群3は、セル群2及びセル群3の大きさを長辺の長さと定義した場合、セル群2及びセル群3の大きさは3μm以上かつ300μm以下である。セル群2及びセル群3の大きさを3μm以上とすることで、R、G、Bの空間周波数に対応した回折格子の長手方向によらず1本以上の回折格子を設けることが出来る。また、セル群2及びセル群3の大きさを300μm以下とすることによって、肉眼でセル群2及びセル群3を認識できない表示体となる。
(回折格子の説明)
次に、表示体1の一つ、あるいは、二つの色の表示用セルに採用可能な回折格子について説明する。ここでは、代表的な回折格子として図3に示す矩形型回折格子4について説明する。回折格子に照明光源を用いて照明光ILを照射すると、回折格子は、入射光である照明光ILの進行方向に応じて特定の方向に強い回折光を射出する。
m(m=0、1、2、・・・)次の回折光は、照明光の入射角をα、回折光の射出角をβとすると、下記の式(1)から算出することができる。
d=mλ/(sinα−sinβ) ・・・(1)
この式(1)において、λは照明光と回折光の波長であり、dは回折格子のピッチを示している。なお、図3では、入射光ILが矩形型回折格子4に入射し、正反射光RL、+1次回折光DL+1、−1次回折光DL−1、+2次回折光DL+2が射出する概略を示している。
次に、回折格子のピッチ及び照明光の波長と、回折光の射出方向における回折光の角度(回折効率)との関係について説明する。
ピッチdの回折格子に対してαの入射角で入射した照明光ILは、式(1)に基づいて角度βの方向に回折光を射出する。この際、波長λの光の射出強度、すなわち回折効率は、回折格子のピッチや高さ等によって変化し、式(2)によって導出される。
η = (2/π)sin{(2π/λ)(r/cosα)}sin{(π/d)L}・・・(2)
ここで、ηは回折効率(0〜1の値をとる)、rは回折格子の高さ、Lは回折格子の格子幅、dは格子線のピッチ、αは照明光の入射角、λは入射光及び回折光の波長である。なお、式(1)および式(2)は、凹凸構造からなる浅い矩形型回折格子4について成り立つものである。
式(2)から明らかなように回折効率は回折格子の高さrや回折線のピッチd、入射光の入射角αや波長λによって変化する。また、回折効率は回折次数mが高次になるのに伴って徐々に減少していく傾向にある。
(異なる空間周波数の回折格子の組み合わせの説明)
図4A、図4B及び図4Cに示すように、表示体1に用いられる赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの三種類のうち、一つ、あるいは、二つ、又は三つ全てに設けられる矩形型回折格子4の空間周波数は、白色光WLが矩形型回折格子4に垂直な軸である法線NL1を基準とし45度で入射した場合、それぞれの矩形型回折格子4から法線NLを基準とし0度において+1次の回折光DL+1の波長がR、G、Bに対応する本数である。例えば、R=1000本/mm、G=1300本/mm、B=1600本/mmとなる。表示体1を第一観察条件である法線NLを基準とし0度から観察した場合に、各空間周波数の回折格子から回折されるR、G、Bの光が混合し、混合の比率によって任意の色が表現される。
矩形型回折格子4の空間周波数を変えることで、白色光WLが異なる空間周波数の回折格子に入射した場合、観察者の眼の位置で特定の波長を重ねることが出来る。この重なり合う光の強度を変えることにより、任意の色を観察すること出来る。
(回折格子とインキによる色の表示の説明)
次に、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの各色の表示用セルの組合せから成る色の表示について説明する。
例えば、図2に示したように、セル群2の赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCのうち、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGCに、それぞれR、Gに対応する空間周波数の回折格子RD、および、GDを設けた場合、観察者は、R、Gに対応する特定の波長の重ね合わせによる光を観察することになる。さらに、青色表示用セルBCにBに対応するインキ面BIを有する場合、観察者はBのインキ面BIも同時に観察することになる。よって、観察者は、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCのうち、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGCからはR、Gに対応する回折格子による回折光を観察し、青色表示用セルBCからはBに対応するインキ面BIを観察することになる。このため、観察者はR、G、Bの三原色の組合せから任意の色を観察することができる。
また、図1の観察角度bのように、回折格子から回折光が観察される第一観察条件では、表示体1のセル群2からは赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCのそれぞれR、G、Bすべての要素からなる色を観察できる。一方、回折格子の回折効率は回折次数が高次になるにつれて減少していくため、図1の観察角度a、および、観察角度cのように、回折格子から回折光が観察されない、あるいは、回折光が弱い第二観察条件では、表示体1のセル群2からは赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCのうち、回折格子が設けられていない、Bの印刷面BIを有する色の表示用セルからなる色を強く観察できる。
一方、図2に示したセル群3のように赤色表示用セルGC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの全てのセルにそれぞれR、G、Bに対応する空間周波数の回折格子RD、GD、BDを設けた場合、図1の観察条件bのように観察者が回折格子からの回折光が観察される第一観察条件ではR、G、Bに対応する特定の波長の重ね合わせによる光を観察することになる。
図1の観察条件a、cのように第二観察条件では、表示体1のセル群3からは回折格子からの回折光が観察されない。
このように、表示体1の観察者は、表示体1の観察条件によって、セル群2及びセル群3のR、G、Bの任意の組み合わせから成るカラー画像を観察することができる。回折格子からの回折光が観察される第一観察条件では、回折格子とインキ面のR、G、Bから成る元画像に忠実なカラー画像を観察でき、回折光の到達しない、または、回折光の弱い第二観察条件では、セル群2のインキ面により表示されるR、G、Bの元画像とは異なるカラー画像を観察できる。
(回折格子とインキによるカラー画像のチェンジングの説明)
表示体1には図5のようにセル群のR、G、Bのセルのうち回折格子とインキ印刷面の組み合わせによって構成されるセル群2とR、G、Bのセルの全てが回折格子からなるセル群3によって構成される。図5では、セル群2のうちR、GのセルにはRとGの空間周波数に対応する回折格子が設けられており、Bのセルにはインキ面が設けられている。一方、セル群3のR、G、BのセルにはそれぞれR、G、Bの空間周波数に対応する回折格子が設けられている。以上のように、表示体1のBのセルには、回折格子とインキ面の両方が表示体1のセルの位置により選択的に設けられている。
回折格子の回折光が観察される第一観察条件では、セル群2とセル群3のR、G、Bの全てのセルから構成される第一フルカラー画像が観察される。一方、回折格子の回折光が観察されない第二観察条件では、セル群2のインキ面で構成される第二カラー画像が観察される。
セル群2のインキ面で設けられたセルは第一フルカラー画像の一つの画素として構成されている。一方、セル群2のインキ面だけでも第一フルカラー画像と異なる第二カラー画像の画素として構成される。よって、表示体1を第二観察条件で観察した際に、第一観察条件では視認できなかった第二カラー画像を観察できるようになる。以上のように、表示体1は観察条件により観察できるカラー画像が異なるチェンジング効果を発揮する。
(回折格子の種類の説明)
表示体1に設ける回折格子としては、さまざまな種類が考えられる。代表的な種類として、先に挙げた矩形型回折格子4があるが、矩形型回折格子4の代わりに正弦波型回折格子を用いることもできる。また、表示体1には矩形型回折格子4または正弦波型回折格子とは形状の異なる回折格子として、ブレーズド型回折格子5を用いることもできる。ブレーズド型回折格子5を用いる場合、以下で説明するように、赤色表示用セルRCと、緑色表示用セルGCと、青色表示用セルBCの少なくとも一つは、ブレーズド型回折格子5を有する。
(ブレーズド型回折格子の説明)
図6に示すようにブレーズド型回折格子5は、溝の断面形状が鋸歯状であり、特定の次数と波長に対して高い回折効率を示す。
ブレーズド型回折格子5の波長ごとの入射角αと回折角βの関係は、下記の式(3)から算出することが出来る。
sinα+sinβ=Nmλ・・・(3)
この式(3)において、λは照明光と回折光の波長であり、照射光ILが回折格子の法線NL1からの角度αの角度で入射しβの角度で回折する場合を示している。
このとき、入射光とm次の回折光が鏡面反射の関係にあるとき、m次の回折光にエネルギーが集中する。このときの回折角βをブレーズド角θと呼び、下記の式(4)で算出される。
θ=(α+β)/2・・・・(4)
また、このときの波長をブレーズド波長と呼び、λで表す。ここで、式(4)を式(3)に代入することによりブレーズド波長とブレーズド角を下記の式(5)から算出することが出来る。
λ=(2d/m)(sinθ){cos(α−θ)}・・・(5)
R、G、Bの空間周波数の異なる回折格子の深さを変えることにより、それぞれの回折格子のブレーズド角θを変えることができる。ブレーズド角θを変えることで、白色光が回折格子の法線NL1に対して45度で入射した場合に、0度の角度でR、G、Bの光がブレーズド波長となるように設計できる。例えば、R、G、Bのそれぞれの回折格子に先に述べた矩形型回折格子4と同じ空間周波数であるR=1000本/mm、G=1300本/mm、B=1600本/mmとする場合、ブレーズド角をそれぞれθBR=15.6度、θBG=18.1度、θBB=21.7度とできる。よって、回折効率の高いブレーズド波長がR、G、Bの回折格子からそれぞれR、G、Bの波長の回折光を射出し、観察者は任意のカラーを観察することができる。
赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCに設ける回折格子をブレーズド型回折格子5とすることで、特定の観察角度において、高い回折効率が実現されるため、特定の観察角度で輝度の高い表示体を得られる。
(インキ面の説明)
赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCにのうちR、G、Bに対応するインキ面とする表示用セルは、有機顔料を用いたインキで印刷されたインキ面とすることができる。
また、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCにのうちインキ面とする表示用セルは、蛍光インキを用いた高輝度印刷とすることで、インキ面の輝度を上げることもできる。
蛍光インキ以外でも、機能性インキやUVインキ、耐光インキ、パールインキ、示温インキを用いることもできる。
さらに、赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCのうち、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有するセルの第二領域のインキ層に目視では認識できない微細パターンが含まれていてもよい。インキ層には肉眼で確認できない微細印刷パターンや文字を設けることで、表示体の偽造防止効果を高めることもできる。この際、微細印刷パターンや文字の印刷を各色の表示用セルと異なる色にする場合、セルから観察される色がずれてしまうため、各色の表示用セルと同じ色であることが望ましい。微細印刷パターンや文字を設ける場合、微細印刷パターンや文字を設けることにより、通常のセルの大きさよりインキの色を表示する面積が小さくなってしまうため、あらかじめ、セルの大きさをその分大きく設計するとなお良い。
例えば、図7に示すように、インキ層に微細印刷パターン6として、微細なQRコード(登録商標)が印刷されており、このQRコードを拡大し、専用端末で読みこむことによって、特定の情報にアクセスすることが可能となる。また、印刷面に隠し情報となる微細な文字を印刷しておくことで、光学顕微鏡などを用いて、この情報を読み取ることもできる。
(層構成と作製方法の説明)
次に、表示体1の層構成と作製方法について説明する。
表示体1の層構成の一例として、図8のように基材7/光透過層8/インキ層9の順が挙げられる。
光透過層8の材料としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの光透過性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂を使用すると、赤色表示用セルRC、緑色表示用セルGC、青色表示用セルBCの回折格子が形成された原版から、回折格子が設けられた光透過層8を基材7上に転写成形することができる。
基材7は、それ自体を単独に扱うことが可能なフィルムまたはシートであり、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリカーボネート(PC)、紙などを用いることができる。光透過層8は、基材7上に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、あるいは、光硬化性樹脂を塗布し、この塗布面に回折格子が設けられた原版を押し当て樹脂を硬化させることで得られる。なお、基材7には、基材7を通してインキ層9を観察した際に、インキ層9の色が観察できれば良いため、特定の波長を透過する半透明の材料を用いることもできる。
インキ層9は、例えば、有機顔料を含んだインキや蛍光インキなどを用いて設けることができる。インキ層9は、基材7上にグラビア印刷やオフセット印刷、スクリーン印刷などによって設けられる。
図8のように回折格子が設けられた第一領域A1の光透過層8は、さらに光反射層10が被覆されるように設けられる。つまり、赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCの回折格子は、光透過層8の第一領域A1に設けられる。光透過層8の第一領域A1は、光反射層10で被覆されている。一方、回折格子が設けられていない第二領域A2の光透過層8は、光反射層10で被覆されない。つまり、赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCの回折格子が設けられていない光透過層8の第二領域A2は、光反射層10で被覆されていない。これにより、表示体1に入射する光は、第一領域A1では光透過層8に設けられた光反射層10で反射し、反射率の高い回折格子として機能する。一方、第二領域A2では、入射光は光透過層8を透過し、インキ層9で反射し、印刷の色を表示する。このようにして、第一領域A1の回折格子による回折光と第二領域A2のインキ層9による反射光を同時に観察することができる。
なお、光反射層10としては、アルミニウム、銀、金、及びそれらの合金などの金属材料などの金属材料からなる金属層を使用することができる。光反射層10は、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。例えば、光反射層10は、真空蒸着法によって、アルミニウムを光透過層8上に50nm設ける。光反射層10が極端に薄いと光反射層10は光透過率が高くなるため、光反射率が低くなってしまう。典型的には、光反射層10は20〜100nm程度とすると良い。
(光反射層の部分的な形成方法1)
次に、光透過層8の第一領域A1と第二領域A2に、部分的に光反射層10を設ける方法について説明する。
まず、基材7、光透過層8からなる表示体の光透過層8の全面に、光反射層10を設ける。その後、いずれかの方法で光反射層10を部分的に除去する。
例えば、光反射層10を除去する部分に強度の強いレーザーを選択的に照射し、選択的に光反射層10を破壊する。図8および、図9では、光反射層10を除去する部分として、第二領域A2が該当する。
また、光反射層10を残す部分にマスク印刷を行い、マスク印刷されていない部分である第二領域A2を腐食剤で腐食させることで、部分的に光反射層10を形成させることもできる。
さらに、表示体1に光透過層8の全面に光反射層10を設ける前に、光反射層10を除去するネガパターンを水性インキで印刷しておき、光反射層10を全面に設けた後に、水性インキを水で洗い流すことで、その上の光反射層10を除去する方法もある。
(テーパー構造の説明)
また、表示体1の第二領域A2には、テーパー構造11を設けてもよい。この場合、テーパー構造11は光透過層8の第二領域A2に設けられるため、光反射層10で被覆されない。テーパー構造11は、表面積が回折格子より大きい。
図9は、光透過層8の第二領域A2にテーパー構造11を設けた場合の一例である。テーパー構造11のピッチは、例えば、250nm以上、かつ、400nm以下である。テーパー構造11は、例えば400nm以下のような可視光の波長以下で、例えば250nm以上の精度良く加工できるピッチの構造が設けられている。そして、その構造は、100nm以上且つ500nm以下の精度良く加工できる範囲の高さで設けられている。テーパー構造11の典型的な構造として、円錐状構造があり、角錐状構造および直線状矩形構造でも同様の視覚効果が実現される。なお、図10には、第二領域に設けられるテーパー構造11の一例として、円錐状のテーパー構造11を示す。
テーパー構造11に、光反射層10が設けられた場合には、テーパー構造11に入射する可視光の反射を防止もしくは低減する機能を有し、観察した際に黒い色もしくは暗灰色等の無彩色に見える表示体を得ることができる。また、テーパー構造11を設けることで、回折格子よりも小さい構造を作製するための技術が必要となり、偽造防止性も上げることが可能となる。
(光反射層の部分的な形成方法2)
光透過層8の第二領域A2にテーパー構造11が設けられる場合、このテーパー構造11と第一領域A1の回折格子の表面積の違いを利用して、部分的に光反射層10を形成することができる。
まず、表示体1の全面に、真空蒸着法やスパッタリング法に光反射層10を設ける。さらに、光反射層10の場合と同様に、真空蒸着法やスパッタリング法により、光反射層10の上にマスク層を設ける。マスク層の材料としては、例えば、MgFを用いる。この際、テーパー構造11は回折格子より表面積が大きいため、光反射層10の膜厚は、回折格子が設けられている第一領域A1より薄くなる。その後、表示体1をエッチングすることで、光反射層10の膜厚が薄いテーパー構造11が設けられた第二領域A2の光反射層10を選択的に除去することができる。この際、エッチング液としては、例えば、光反射層10をアルミニウムとする場合、アルカリ性であるNaOHなどを用いる。このようにエッチングを行うことで、部分的に光反射層10を形成することもできる。
(第三領域の説明)
表示体1の光透過層8には、回折格子を設ける第一領域A1、インキ面となる第二領域A2以外の第三領域A3も存在する。第三領域は、通常、構造のない平坦面である。しかし、図11のように第三領域A3に、テーパー構造11を設けることもできる。つまり、セル群の赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCのうちの一つ以上の回折格子が設けられたセルに対応する第一領域A1、および、赤色表示用セルRCと緑色表示用セルGCと青色表示用セルBCのうち回折格子が設けられたセル以外の残りの全ての回折格子が設けられていないセルに対応する第二領域A2とは異なる第三領域A3にテーパー構造11が設けられる。テーパー構造11に、さらに、第三領域A3のテーパー構造11に光反射層10を設けることで、第三領域A3は先に述べたように黒色に観察されることになる。よって、第三領域A3にテーパー構造11を設けた表示体1は、第一領域A1と第二領域A2から成り、第三領域A3にテーパー構造11がない表示体1に観察されてしまう正反射光を除くことができ、表示体1のカラー画像のコントラストを上げることができる。表示体1のコントラストを上げることで、カラー画像の視認性を高めることができる。
表示体1は、粘着層を付与することができるので偽造防止用ラベルとして印刷物やカードに貼り付けて使用することができる。
例えば、表示体1の各層に、基材7にはPETを使用し、光透過層8に熱可塑性樹脂、インキ層9には有機顔料のインキを用いる。さらに、光反射層10としてアルミ層を設け、さらに粘着層を設ける。この粘着層を用いて、物品に表示体1を支持させる。
表示体1は、それ自体の偽造又は模倣が困難であるため、表示体1が含まれる偽造防止ラベルを物品に支持させれば、真正品であるこの偽造防止ラベル付き物品の偽造又は模造も困難である。
また、表示体1はカラー画像を表示するため、デザイン性に優れており表示体1のアイキャッチ効果も高い。表示体1を特定の観察条件で観察すると、R、G、Bの三原色による混色が観察されるが、表示体1を十分傾け観察すると、Bのみの色が観察される。
1…表示体、2…回折格子と印刷面で構成されるセル群、3…回折格子のみによるセル群、4…矩形型回折格子、5…ブレーズド型回折格子、6…微細印刷パターン、7…基材、8…光透過層、9…インキ層、10…光反射層、11…テーパー構造、
RGB…R、G、Bの色から成る第一フルカラー画像、B…Bの色から成る第二カラー画像、
RC…赤色表示用セル、GC…緑色表示用セル、BC…青色表示用セル、
RD…Rに対応する空間周波数の回折格子、GD…Gに対応する空間周波数の回折格子、BD…Bに対応する空間周波数の回折格子、BI…Bに対応する色のインキ面、
a…観察角度a、b…観察角度b、c…観察角度c、
A1…第一領域、A2…第二領域、A3…第三領域、
IL…単一波長の入射光、NL1…垂線、NL2…垂線、L…正反射光、DL+1…+1次回折光、DL+2…+2次回折光、DL−1…−1次回折光、DL_R…Rの波長の+1次回折光、DL_G…Gの波長の+1次回折光、DL_B…Bの波長の+1次回折光、
d…任意の格子ピッチ、d_R…Rに対応する格子ピッチ、d_G…Gに対応する格子ピッチ、d_B…Bに対応する格子ピッチ。

Claims (12)

  1. 赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルから成るセル群を画素として、
    第一観察条件で観察すると第一フルカラー画像を表示し、
    前記第一観察条件とは異なる第二観察条件で観察すると前記第一フルカラー画像とは異なる第二カラー画像を表示する表示体であって、
    前記画素を構成するセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち一つ以上のセルは、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有し、前記画素を構成する赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルは、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有し、
    前記画素を構成する前記セル群とは別のセル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのすべては、前記第一観察条件でそれぞれに対応する色に応じた波長の光の回折光が観察される回折格子を有する、
    ことを特徴とする表示体。
  2. 基材、光透過層、インキ層の順で構成され、
    赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの回折格子が光透過層の第一領域に設けられ、
    光透過層の第一領域は、光反射層で被覆され、
    赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの回折格子が設けられていない光透過層の第二領域は、光反射層で被覆されていない
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルに設けられた回折格子は、それぞれの表示用セル間で空間周波数が互いに異なり、かつ、長手方向が互いに等しい
    ことを特徴とする請求項1乃至2に記載の表示体。
  4. 第二カラー画像が、第一観察条件では視認できない隠し画像である
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の表示体。
  5. 赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられていないセルに対応する光透過層の第二領域に、表面積が回折格子より大きいテーパー構造が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の表示体。
  6. セル群の大きさが3μm以上かつ300μm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の表示体。
  7. 赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの各々のセル面積は、16段階以上で定められている
    ことを特徴とする請求項1乃至6に記載の表示体。
  8. 赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルの少なくとも一つにブレーズド型回折格子を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至7に記載の表示体。
  9. 赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち、それぞれに対応する色に応じた色を呈するインキを有するセルの第二領域のインキ層に目視では認識できない微細パターンが含まれている
    ことを特徴とする請求項1乃至8に記載の表示体。
  10. セル群の赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうちの一つ以上の回折格子が設けられたセルに対応する第一領域、および、赤色表示用セルと緑色表示用セルと青色表示用セルのうち回折格子が設けられたセル以外の残りの全ての回折格子が設けられていないセルに対応する第二領域とは異なる第三領域にテーパー構造が設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の表示体。
  11. テーパー構造のピッチが、250nm以上、かつ、400nm以下であり、
    テーパー構造の高さが、100nm以上、かつ、500nm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の表示体。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の前記表示体と、前記表示体を支持する物品とを具備したことを特徴とするラベル付き物品。
JP2016231757A 2016-11-29 2016-11-29 表示体及びラベル付き物品 Active JP6834413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016231757A JP6834413B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 表示体及びラベル付き物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016231757A JP6834413B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 表示体及びラベル付き物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018087930A true JP2018087930A (ja) 2018-06-07
JP6834413B2 JP6834413B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=62494320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016231757A Active JP6834413B2 (ja) 2016-11-29 2016-11-29 表示体及びラベル付き物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6834413B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007309960A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Toppan Printing Co Ltd ディスプレイ及びその製造方法
JP2008107471A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Toppan Printing Co Ltd 表示体及び印刷物
JP2010072384A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 回折格子記録媒体
JP2011013287A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Dainippon Printing Co Ltd 真正性識別体
JP2011031420A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びラベル付き物品
JP2013193268A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びラベル付き物品
JP2015123593A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 凸版印刷株式会社 画像表示デバイス、画像表示デバイスの製造方法、および、転写リボン
JP2015182306A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 凸版印刷株式会社 情報表示媒体及び情報表示媒体の認証方法
WO2016125488A1 (ja) * 2015-02-03 2016-08-11 凸版印刷株式会社 光学情報媒体

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007309960A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Toppan Printing Co Ltd ディスプレイ及びその製造方法
JP2008107471A (ja) * 2006-10-24 2008-05-08 Toppan Printing Co Ltd 表示体及び印刷物
JP2010072384A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 回折格子記録媒体
JP2011013287A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Dainippon Printing Co Ltd 真正性識別体
JP2011031420A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びラベル付き物品
JP2013193268A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びラベル付き物品
JP2015123593A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 凸版印刷株式会社 画像表示デバイス、画像表示デバイスの製造方法、および、転写リボン
JP2015182306A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 凸版印刷株式会社 情報表示媒体及び情報表示媒体の認証方法
WO2016125488A1 (ja) * 2015-02-03 2016-08-11 凸版印刷株式会社 光学情報媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP6834413B2 (ja) 2021-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10843419B2 (en) Display and labeled article
US9933551B2 (en) Display and information-printed matter
US10598833B2 (en) Display
JP5303879B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5338177B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP6520360B2 (ja) 表示体、物品、原版、および、原版の製造方法
JP6520359B2 (ja) 表示体、物品、原版、および、原版の製造方法
JP2012123102A (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP2010015022A (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5742361B2 (ja) 表示体及び情報印刷物
JP5903824B2 (ja) 偽造防止表示体及び情報印刷物
WO2018003989A1 (ja) 表示体、および表示体を備えた物品
JP6834413B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5834466B2 (ja) 表示体及び情報印刷物
JP5949079B2 (ja) 画像表示体および物品
JP6003450B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP2017032900A (ja) 表示体及び表示体付き物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6834413

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250