JP2008107471A - 表示体及び印刷物 - Google Patents

表示体及び印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008107471A
JP2008107471A JP2006288843A JP2006288843A JP2008107471A JP 2008107471 A JP2008107471 A JP 2008107471A JP 2006288843 A JP2006288843 A JP 2006288843A JP 2006288843 A JP2006288843 A JP 2006288843A JP 2008107471 A JP2008107471 A JP 2008107471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display body
light
wavelength
main surface
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006288843A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5082378B2 (ja
Inventor
Toshitaka Toda
敏貴 戸田
Yuichiro Shimizu
雄一郎 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2006288843A priority Critical patent/JP5082378B2/ja
Publication of JP2008107471A publication Critical patent/JP2008107471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5082378B2 publication Critical patent/JP5082378B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B42BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
    • B42DBOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
    • B42D25/00Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
    • B42D25/20Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof characterised by a particular use or purpose
    • B42D25/29Securities; Bank notes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B42BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
    • B42DBOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
    • B42D25/00Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
    • B42D25/30Identification or security features, e.g. for preventing forgery
    • B42D25/324Reliefs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B42BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
    • B42DBOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
    • B42D25/00Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
    • B42D25/30Identification or security features, e.g. for preventing forgery
    • B42D25/351Translucent or partly translucent parts, e.g. windows
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F3/00Labels, tag tickets, or similar identification or indication means; Seals; Postage or like stamps
    • G09F3/02Forms or constructions
    • G09F3/0291Labels or tickets undergoing a change under particular conditions, e.g. heat, radiation, passage of time
    • G09F3/0294Labels or tickets undergoing a change under particular conditions, e.g. heat, radiation, passage of time where the change is not permanent, e.g. labels only readable under a special light, temperature indicating labels and the like
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F3/00Labels, tag tickets, or similar identification or indication means; Seals; Postage or like stamps
    • G09F3/02Forms or constructions
    • G09F2003/0276Safety features, e.g. colour, prominent part, logo

Abstract

【課題】より高い偽造防止効果を実現する。
【解決手段】本発明の表示体10は、面内方向に隣り合うと共に厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含んだ光透過性の誘電体層12bを備えた反射層12を具備し、前記第1部分の厚さはその一方の主面と他方の主面との間で可視光線波長域内の波長を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定されており、前記誘電体層12bの一方の主面には前記第1及び第2部分に対応した各々の位置に複数の凹部及び/又は凸部が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偽造防止技術に関する。
キャッシュカード、クレジットカード及びパスポートなどの認証物品並びに商品券及び株券などの有価証券には、偽造が困難であることが望まれる。そのため、従来から、そのような物品には、その偽造を抑止すべく、偽造又は模造が困難であると共に、偽造品や模造品との区別が容易なラベルが貼り付けられている。
また、近年では、認証物品及び有価証券以外の物品についても、偽造品の流通が問題視されている。そのため、このような物品に、認証物品及び有価証券に関して上述した偽造防止技術を適用する機会が増えている。
特許文献1には、複数の画素を配列してなる表示体が記載されている。この表示体において、各画素は、複数の溝を配置してなるレリーフ型回折格子を含んでいる。
この表示体は、回折光を利用して画像を表示するため、印刷技術や電子写真技術を利用した偽造等は不可能である。したがって、この表示体を真偽判定用のラベルとして物品に取り付ければ、このラベルが表示する画像を見てその物品が真正品であることを確認することができる。それゆえ、このラベルを取り付けた物品は、このラベルを取り付けていない物品と比較して偽造され難い。
しかしながら、先のレリーフ型回折格子は、レーザなどの装置があれば、比較的容易に形成することができる。また、先の表示体は、照明光の入射角、観察角度、又は表示体の方位を変化させることにより表示画像の変化を生じるが、その変化は多様性に富んでいる訳ではない。それゆえ、技術の発展に伴い、この表示体の偽造防止効果は低下しつつある。なお、ここでは、偽造又は模造が困難であること、偽造品や模造品との区別が容易であることを偽造防止効果と呼ぶ。
特開平2−72320号公報
本発明の目的は、より高い偽造防止効果を実現することにある。
本発明の第1側面によると、面内方向に隣り合うと共に厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含んだ光透過性の第1誘電体層を備えた反射層を具備し、前記第1部分の厚さはその一方の主面と他方の主面との間で可視光線波長域内の波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定されており、前記第1誘電体層の一方の主面には前記第1及び第2部分に対応した各々の位置に複数の凹部及び/又は凸部が設けられていることを特徴とする表示体が提供される。
本発明の第2側面によると、基材と、前記基材上に形成された印刷層と、前記基材に支持された第1側面に係る表示体とを具備したことを特徴とする印刷物が提供される。
本発明によると、より高い偽造防止効果を実現することが可能となる。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図である。
この表示体10は、光透過層11と反射層12とを含んでいる。反射層12は、光透過層11の一方の主面を被覆している。図2に示す例では、光透過層11側を前面側とし且つ反射層12側を背面側としている。
光透過層11の前面は、平坦面である。光透過層11の背面には、領域R1乃至R5に対応した位置の各々に複数の凸部及び/又は凹部が設けられている。これら凸部及び/又は凹部は、例えば、照明光を回折及び/又は散乱する。表示体10は、この回折光及び/又は散乱光により像を表示する。
例えば、これら凸部及び/又は凹部は、レリーフ型の回折格子及び/又は光散乱性構造を形成している。典型的には、これら凸部及び/又は凹部は、レリーフ型の回折格子を形成しているか、又は、レリーフ型の回折格子とレリーフ型の光散乱性構造とを形成している。以下の説明では、主として、これら凸部及び/又は凹部がレリーフ型の回折格子を形成している場合を例に説明する。
なお、用語「回折格子」は、自然光などの照明光を照射することにより回折波を生じる構造を意味し、例えば複数の溝を平行且つ等間隔に配置する通常の回折格子に加え、ホログラムに記録された干渉縞も包含することとする。また、溝又は溝に挟まれた部分を「格子線」と呼ぶこととする。
回折格子を形成している凸部及び/又は凹部は、光透過層11の背面上の領域内で規則的に配列している。一様な回折格子を形成した領域は、例えば、100μm以下の幅を有するように形成する。この幅を小さくすると、目視で領域の構成を識別することは困難になり、高い解像度で像を表示することができる。
回折格子を形成している凸部及び/又は凹部の高さ又は深さは、典型的には、0.1μm乃至1μmの範囲内にある。また、この回折格子の格子定数は、典型的には、0.5μm乃至2μmの範囲内にある。
光散乱性構造を形成している凸部及び/又は凹部は、光透過層11の背面上の領域内で不規則に配置されている。これら凸部及び/又は凹部は、例えば、光透過層11の主面に平行な方向の寸法が100μm以下となるように形成する。この寸法を小さくすると、領域を小さくすることができ、領域の構成を識別することは困難になり、高い解像度で像を表示することができる。また、光散乱性構造を形成している凸部及び/又は凹部は、例えば、光透過層11の主面に平行な方向の寸法が0.1μm以上となるように形成する。この寸法を小さくすると、より大きな光散乱効果を得ることができる。
光散乱性構造を形成している凸部及び/又は凹部の高さ又は深さは、典型的には、0.1μm乃至10μmの範囲内にある。また、これら凸部及び/又は凹部の中心間距離は、典型的には、0.1μm乃至10μmの範囲内にある。
光透過層11は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。光透過層11に多層構造を採用した場合、例えば、強度に優れた材料を最外層に使用し、パターン形成に適した材料を最内層に使用することができる。
光透過層11の材料としては、例えば、光透過性を有する樹脂を使用することができる。例えば、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を使用すると、原版を用いた転写により、一方の主面に複数の凸部及び/又は凹部が設けられた光透過層11を容易に形成することができる。
光透過層11は、例えば、以下の方法により形成することができる。
まず、光透過性を有する樹脂フィルム又はシートを準備する。この樹脂フィルム又はシートの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、又はトリアセチルセルロースを使用することができる。次いで、この樹脂フィルム又はシートの一方の主面上に紫外線硬化性樹脂層などの光硬化性樹脂層を形成し、この光硬化性樹脂層に原版を押し当てる。この状態で、例えば、樹脂フィルム又はシートを介して光硬化性樹脂層に紫外線などの光を照射して硬化させる。その後、光硬化性樹脂層から原版を取り除き、光透過層11を得る。
或いは、先の樹脂フィルム又はシートの一方の主面上に熱可塑性樹脂層を形成し、この熱可塑性樹脂層に熱を加えながら原版を押し当てる。これにより、原版に形成されている凹構造及び/又は凸構造を、熱可塑性樹脂層に転写する。その後、熱可塑性樹脂層から原版を取り除くことにより、光透過層11を得る。なお、樹脂フィルム又はシートが熱可塑性である場合は、これに熱を加えながら原版を押し当て、原版に形成されている凹構造及び/又は凸構造を樹脂フィルム又はシートに転写してもよい。
光透過層11は、染料などの着色材料を含有していてもよい。例えば、光透過層11に多層構造を採用し、その1層が着色材料を含有していてもよい。この場合、着色材料の光吸収特性と反射層12の構造に起因した光干渉効果との組み合わせにより、後述する視覚効果をより複雑にすることができる。
光透過層11は、省略することができる。但し、光透過層11を設けると、反射層12の損傷を抑制することができる。また、光透過層11を設けると共にその前面を平坦面とすると、反射層12に設ける凹構造及び/又は凸構造の複製が困難となる。光透過層11の厚さは、典型的には、1μm乃至50μmの範囲内にある。なお、光透過層11には、後述する誘電体層12bと同様の役割を担わせることができる。
反射層12は、光透過層11の凸部及び/又は凹部が設けられた主面を被覆している。典型的には、反射層12は、複数の誘電体層を積層してなる多層構造を有している。
反射層12が複数の誘電体層を積層してなる多層構造を有している場合、反射層12は、高屈折材料からなる誘電体層と、高屈折率材料と比較して屈折率がより小さい低屈折材料からなる誘電体層との積層体である。反射層12が3つ以上の誘電体層を含んでいる場合、典型的には、高屈折材料からなる誘電体層と低屈折材料からなる誘電体層とを交互に積層する。
反射層12が含む各誘電体層は、光透過性である。反射層12が多層構造を有している場合、その背面を形成している層は誘電体層でなくてもよい。すなわち、この誘電体層の代わりに、金属層を使用してもよい。金属層の材料としては、例えば、アルミニウム、銀、又はそれらの合金を使用することができる。
反射層12が含む誘電体層の少なくとも1つは、面内方向に隣り合うと共に厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含んでいる。
図2に示す例では、反射層12は、誘電体層12a乃至12cの積層体からなる。この例では、誘電体層12bが第1及び第2部分を含んでいる。一例として、図1において、領域R1、R3及びR5は第1部分に対応し、領域R2及びR4は第2部分に対応しているとする。
誘電体層12aは、光透過層11の背面を被覆している。可視光線波長域内の波長λ1を有する光についての屈折率は、誘電体層12aと光透過層11とで異なっている。誘電体層12aは、ほぼ均一な厚さを有している。誘電体層12aの背面には、光透過層11の背面に設けられた複数の凸部及び/又は凹部に対応して、複数の凸部及び/又は凹部が設けられている。
誘電体層12bは、誘電体層12aの背面を被覆している。先の波長λ1についての屈折率は、誘電体層12bと誘電体層12aとで異なっている。誘電体層12bの前面には、誘電体層12aの背面に設けられた複数の凸部及び/又は凹部に対応して、複数の凹部及び/又は凸部が設けられている。誘電体層12bの背面は、例えば平坦面である。上記の通り、誘電体層12bは、面内方向に隣り合うと共に厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含んでいる。第1及び第2部分の各々の前面は、複数の凹部及び/又は凸部を含んでいる。
誘電体層12cは、誘電体層12bの背面を被覆している。先の波長λ1についての屈折率は、誘電体層12cと誘電体層12bとで異なっている。
誘電体層12a乃至12cの材料としては、例えば、セラミックスを使用することができる。波長が500nmの光についての屈折率が1.5より大きい材料を高屈折率材料とし、この光についての屈折率が1.5以下である材料を低屈折率材料とした場合、高屈折率材料としては、例えば、ZnS、TiO2、Nb25、Ta25、ZrO2、CeO2、HfO2、Y23、PbF2を挙げることができる。また、この場合、低屈折材料としては、例えば、Na3AlF6、Na5Al314、AlF3、MgF2、SiO2、BaF2を挙げることができる。
誘電体層12a乃至12cは、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、又は塗工法により形成することができる。真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法は、下地と同様の凹構造及び/又は凸構造が表面に設けられた層を形成するのに適している。また、気相堆積法によると、膜厚を高精度に制御することができる。他方、塗工法は、平坦な表面を有する層を形成するのに適している。なお、気相堆積法により誘電体層12bを形成する場合、例えばマスクを使用することにより、第1部分と第2部分とで厚さを異ならしめることができる。
この表示体10は、光透過層11及び反射層12以外の部材をさらに含むことができる。例えば、反射層12の背面上に接着層を形成してもよい。
次に、先の回折格子がもたらす視覚効果について説明する。
図3は、レリーフ型の回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示す図である。図3において、31は照明光を示し、32は正反射光又は0次回折光を示し、33は1次回折光を示している。
回折格子を照明すると、回折格子は、入射光である照明光31の進行方向に対して特定の方向に強い回折光を射出する。
最も代表的な回折光は、1次回折光33である。1次回折光33の射出角βは、格子線に垂直な面内で光が進行する場合、下記等式(1)から算出することができる。
d=λ/(sinα−sinβ) …(1)
この等式(1)において、dは回折格子の格子定数を表し、λは入射光31並びに回折光32及び33の波長を表している。また、αは、0次回折光32,すなわち、透過光又は正反射光,の射出角を表している。換言すれば、αの絶対値は、照明光31の入射角と等しく、回折格子の法線に対して対称な関係にある。なお、α、βは、Z軸から時計回りの方向を正方向とする。
等式(1)から明らかなように、1次回折光33の射出角βは、波長λに応じて変化する。すなわち、回折格子は、分光器としての機能を有している。したがって、照明光31が白色光である場合、回折格子の格子線に垂直な面内で観察角度を変化させると、観察者が知覚する色が変化する。
また、或る観察条件のもとで観察者が知覚する色は、格子定数dに応じて変化する。
一例として、回折格子は、その法線方向に1次回折光33を射出するとする。すなわち、1次回折光33の射出角βは、0°であるとする。そして、観察者は、この1次回折光33を知覚するとする。このときの0次回折光32の射出角をαとすると、等式(1)は、下記等式(2)へと簡略化することができる。
d=λ/sinα …(2)
等式(2)から明らかなように、観察者に特定の色を知覚させるには、その色に対応した波長λと照明光31の入射角|α|と格子定数dとを、それらが等式(2)に示す関係を満足するように設定すればよい。例えば、波長が400nm乃至700nmの範囲内にある全ての光成分を含んだ白色光を照明光31として使用し、照明光31の入射角|α|を45°とする。そして、空間周波数(格子定数の逆数)が1000本/mm乃至1800本/mmの範囲内で分布している回折格子を使用するとする。この場合、回折格子をその法線方向から観察すると、空間周波数が約1600本/mmの部分は青く見え、空間周波数が約1100本/mmの部分は赤く見える。
なお、回折格子は、空間周波数が小さいほうが形成し易い。そのため、通常の表示体では、回折格子の大多数は、空間周波数が500本/mm乃至1600本/mmの回折格子である。
このように、或る観察条件のもとで観察者が知覚する色は、回折格子の格子定数d(又は空間周波数)で制御することができる。そして、先の観察条件から観察角度を変化させると、観察者が知覚する色は変化する。
上記の説明では、光が格子線に垂直な面内で進行することを仮定している。この状態から回折格子をその法線の周りで回転させると、一定の観察方向に対して、この回転角度に応じて格子定数dの実効値が変化する。その結果、観察者が知覚する色が変化する。逆に言えば、格子線の方位のみが異なる複数の回折格子を配置した場合、それら回折格子に異なる色を表示させることができる。また、回転角度が十分に大きくなると、一定の観察方向からは回折光が認識できなくなり、回折格子が無い場合と同様に見える。
また、回折格子を構成している溝の深さを大きくすると、回折効率が変化する(照明光の波長などにも依存)。そして、単位領域に対する回折格子の面積比,例えば、後で説明する画素に対する回折格子の面積比,を大きくすると、回折光の強度はより大きくなる。
したがって、例えば、領域R1乃至R5間で、溝の空間周波数及び/又は方位を異ならしめると、それら領域R1乃至R5に異なる色を表示させたり、光って見える方向を変えることができる。そして、例えば、領域R1乃至R5間で、溝の深さ及び/又は単位領域に対する回折格子の面積比の少なくとも1つを異ならしめると、領域R1乃至R5の輝度を異ならしめることができる。それゆえ、これらを利用することにより、フルカラー像及び立体像などの像を表示させることができる。
なお、ここで言う「像」は、色及び/又は輝度の空間的分布として観察できるものを意味する。「像」は、写真、図形、絵、文字、記号などを包含している。
さて、この表示体10では、誘電体層12bは、面内方向に隣り合うと共に厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含んでいる。図1及び図2の例では、領域R1、R3及びR5は第1部分に対応し、領域R2及びR4は第2部分に対応している。
第1部分の厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で可視光線波長域内の波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定されている。例えば、n1を正の整数としたときに、第1部分の光学的厚さD1と波長λ1とは等式:D1=n1×λ1/2で示す関係を満足している。
なお、第1部分の光学的厚さD1は、第1部分の厚さと、その波長λ1の光についての屈折率との積である。第1部分の厚さd1は、図4に示すように、第1部分の一方の主面のみに凹部が設けられ、これら凹部の幅は凹部間の間隔と比較してより狭く、他方の主面が平坦面である場合には、第1部分のうち凹部以外の部分の厚さを意味する。また、図5に示すように、第1部分の一方の主面のみに凸部が設けられ、これら凸部の幅は凸部間の間隔と比較してより狭く、他方の主面が平坦面である場合には、第1部分の厚さd1は、第1部分のうち凸部以外の部分の厚さを意味する。また、第1部分の一方の主面のみに凹部及び/又は凸部が設けられ、これら凹部及び/又は凸部の幅は凹部及び/又は凸部間の間隔と等しく、他方の主面が平坦面である場合には、第1部分の厚さd1は、それら主面間の厚さ方向についての最長距離と最短距離との平均を意味する。そして、図8に示すように、第1部分の両面に凹部及び/又は凸部が設けられている場合には、第1部分の厚さd1は、一方の主面に設けられた凹部の底部から、これに対応して他方の主面に設けられた凸部の頂部までの距離を意味する。
また、後述する第2部分の光学的厚さD2は、第2部分の厚さと、その波長λ1の光についての屈折率との積である。第2部分の厚さd2は、図4に示すように、第2部分の一方の主面のみに凹部が設けられ、これら凹部の幅は凹部間の間隔と比較してより狭く、他方の主面が平坦面である場合には、第2部分のうち凹部以外の部分の厚さを意味する。また、図5に示すように、第2部分の一方の主面のみに凸部が設けられ、これら凸部の幅は凸部間の間隔と比較してより狭く、他方の主面が平坦面である場合には、第2部分の厚さd2は、第2部分のうち凸部以外の部分の厚さを意味する。また、第2部分の一方の主面のみに凹部及び/又は凸部が設けられ、これら凹部及び/又は凸部の幅は凹部及び/又は凸部間の間隔と等しく、他方の主面が平坦面である場合には、第2部分の厚さd2は、それら主面間の厚さ方向についての最長距離と最短距離との平均を意味する。そして、図8に示すように、第2部分の両面に凹部及び/又は凸部が設けられている場合には、第2部分の厚さd2は、一方の主面に設けられた凹部の底部から、これに対応して他方の主面に設けられた凸部の頂部までの距離を意味する。
この構造を採用すると、第1部分の厚さを上記のように設定していない場合と比較して、領域R1、R3及びR5が射出する波長λ1の光の強度が増大する。すなわち、領域R1、R3及びR5では、波長λ1に対応した色が強調される。
それゆえ、例えば、照明光の入射角を一定としたまま、回折格子の格子線に垂直な面内で観察角度を変化させると、或る特定の角度で、領域R1、R3及びR5は波長λ1に対応した色で明るく見える。このような視覚効果は、この表示体10を物品に取り付けてなるラベルつき物品が真正品であることの確認を容易にする。
また、この視覚効果は、他の構成で実現することは困難である。しかも、完成した表示体10から、厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含み且つ上述した凹部及び/又は凸部が一方の主面に設けられた誘電体層12bの構造を正確に解析することは困難である。そして、例え、完成した表示体10から先の構造を解析できたとしても、この構造を含んだ表示体の偽造又は模造は難しい。したがって、この表示体10を偽造防止用のラベルとして使用すると、高い偽造防止効果を実現することができる。
第2部分の厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に弱め合う干渉を生じるように設定することができる。例えば、n2を正の整数としたときに、第2部分の光学的厚さD2と波長λ1とが等式:D2=(2n2−1)×λ1/4で示す関係を満足するように第2部分の厚さを設定してもよい。
こうすると、領域R2及びR4で、波長λ1に対応した色を弱めることができる。すなわち、例えば、照明光の入射角を一定としたまま、回折格子の格子線に垂直な面内で観察角度を変化させると、どの角度で観察しても、領域R2及びR4で波長λ1に対応した色を知覚することは難しくなる。したがって、この構成を採用すると、より複雑な視覚効果が得られる。
第2部分の厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ2とは異なる可視光線波長域内の波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定してもよい。例えば、n3を正の整数としたときに、第2部分の光学的厚さD2と波長λ2とが等式:D2=n3×λ2/2で示す関係を満足するように第2部分の厚さを設定してもよい。
この構造を採用すると、第2部分の厚さを上記のように設定していない場合と比較して、領域R2及びR4が射出する波長λ2の光の強度が増大する。すなわち、領域R2及びR4では、波長λ2に対応した色が強調される。
それゆえ、例えば、照明光の入射角を一定としたまま、回折格子の格子線に垂直な面内で観察角度を変化させると、或る特定の角度で、領域R2及びR4は波長λ2に対応した色で明るく見える。すなわち、領域R1、R3及びR5と領域R2及びR4とで、異なる色を強調することができる。
この構成を採用した場合、第1部分の厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ2を有する光が繰り返し反射したときに弱め合う干渉を生じるように設定することができる。例えば、n4を正の整数としたときに、第1部分の光学的厚さD1と波長λ2とが等式:D2=(2n4−1)×λ2/4で示す関係を満足するように第1部分の厚さを設定してもよい。
こうすると、領域R1、R3及びR5で、波長λ2に対応した色を弱めることができる。すなわち、例えば、照明光の入射角を一定としたまま、回折格子の格子線に垂直な面内で観察角度を変化させると、どの角度で観察しても、領域R1、R3及びR5で波長λ2に対応した色を知覚することは難しくなる。したがって、この構成を採用すると、より複雑な視覚効果が得られる。
この表示体10では、誘電体層12aの厚さは、例えば、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定することができる。或いは、誘電体層12aの厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ2を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定することができる。或いは、誘電体層12aの厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ1及びλ2とは異なる可視光線波長域内の波長λ3を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定することができる。
また、誘電体層12cの厚さは、例えば、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定することができる。或いは、誘電体層12cの厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ2を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定することができる。或いは、誘電体層12cの厚さは、その一方の主面と他方の主面との間で波長λ1及びλ2とは異なる可視光線波長域内の波長λ4を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定することができる。
上記の通り、この表示体10では、誘電体層12a乃至12cの各々の厚さは、所定の波長を有する光が所定の入射角で入射した場合にその一方の主面と他方の主面との間で繰り返し反射することにより強め合う干渉を生じるように設定している。これにより、観察方向に応じた反射光強度プロファイルの波長依存性が生じ、反射層12の構造に固有の干渉色を観察することができる。
また、高屈折材料からなる誘電体層と低屈折材料からなる誘電体層とを交互に多数積層すると、波長選択性,すなわち、反射光強度が大きい波長帯域の狭さ,がさらに向上し、彩度及び輝度がより高い特定波長の反射光が得られる。
表示体10に表示させる像は、二次元的に配列した複数の画素で構成することが有利である。これについて、以下に説明する。
図6は、複数の画素で表示面を構成する方法の一例を概略的に示す平面図である。
この表示体10では、マトリクス状に配列した複数の画素PX1乃至PX7で表示面を構成している。画素PX1乃至PX3が含む回折格子とPX5乃至PX7が含む回折格子とは、同様の格子定数を有しており、方位のみが異なっている。誘電体層12bのうち、画素PX1乃至PX3及びPX5乃至PX7の一部に対応した部分は第1部分であり、画素PX1乃至PX3及びPX5乃至PX7の他の一部に対応した部分は第2部分である。また、画素PX4には、回折格子が設けられていない。
すなわち、図6に示す表示体10では、7種の画素で像を形成している。これら7種の画素の各々の視覚効果が分かっていれば、それらの並べ替えによって得られる像の予想は容易である。それゆえ、デジタル画像データから、各画素に採用すべき構造を容易に決定することができる。したがって、表示体10に表示させる像を二次元的に配列した複数の画素で構成すると、表示体10の設計が容易になる。
図6に示す表示体10では7種の画素で像を形成しているが、像を形成する画素の種類は2以上であればよい。但し、画素の種類を多くすると、より複雑な像を表示することができる。
また、像を構成する画素の数は2以上であればよい。但し、画素の数を多くすると、より高精細な像を表示することができる。
画素PX1乃至PX3及びPX5乃至PX7の各々の寸法は、例えば、300μm以下とする。各画素の寸法が小さい場合、表示面を肉眼で観察したときに各画素を識別することは不可能となる。
図6に示す表示体10では、画素PX1乃至PX3及びPX5乃至PX7の回折格子は方位のみが異なっているが、それらの構造を異ならしめてもよい。すなわち、回折格子を形成している溝の空間周波数、方位、及び深さ、並びに、画素に対する回折格子の面積比の少なくとも1つを互いに異ならしめてもよい。
上述した表示体10には、様々な変形が可能である。
図7乃至図10は、図1及び図2に示す表示体の変形例を概略的に示す断面図である。
図7に示す表示体10は、誘電体層12a及び12cを省略し、反射層12の背面上に接着層15を設けたこと以外は、図1及び図2に示す表示体10と同様の構造を有している。すなわち、この表示体10では、反射層12を誘電体層12bのみで構成している。光透過層11及び接着層15は、誘電体層12bとは屈折率が異なっている。
この構造を採用した場合、図2に示す構造を採用した場合と比較して、反射層12での光干渉について上述した効果,すなわち、誘電体多層膜の波長選択性,は小さい。しかしながら、この表示体10は、図2に示す表示体10と比較して、構造が簡略化されている。それゆえ、この表示体10は、図2に示す表示体10と比較して、製造が容易である。
図8に示す表示体10は、光透過層11の背面に設けられた複数の凹部及び/又は凸部に対応して誘電体層12bの背面並びに誘電体層12cの前面及び背面に複数の凹部及び/又は凸部が設けられ、反射層12の背面上に接着層15を設けたこと以外は、図1及び図2に示す表示体10と同様の構造を有している。
この構造を採用した場合、図2に示す構造を採用した場合と比較して、複数の凹部及び/又は凸部が設けられた界面の数が増加する。それゆえ、例えば、複数の凹部及び/又は凸部が回折格子を形成している場合、図8に示す構造を採用すると、図2に示す構造を採用した場合と比較して回折効率が向上する。したがって、より鮮明な画像を表示することが可能となる。また、この構造を採用した場合、一般的なホログラムのような虹色に変化する現象が著しく抑制される。それゆえ、この構造を採用すると、真偽判定が容易になる。
この構造を採用した場合、接着層15には、多層構造を採用してもよい。例えば、平坦化層としての第1接着層で誘電体層12cの背面を被覆し、次いで、第1接着層と比較して接着力に優れた第2接着層を第1接着層上に形成してもよい。
図9に示す表示体10は、誘電体層12cを省略し、反射層12の背面上に接着層15を設けたこと以外は、図1及び図2に示す表示体10と同様の構造を有している。接着層15は、誘電体層12bとは屈折率が異なっている。
この構造を採用した場合、図2に示す構造を採用した場合と比較して、反射層12での光干渉について上述した効果,すなわち、誘電体多層膜の波長選択性,は小さい。しかしながら、この表示体10は、図2に示す表示体10と比較して、構造が簡略化されている。それゆえ、この表示体10は、図2に示す表示体10と比較して、製造が容易である。
図10に示す表示体10は、反射層12の背面上に光吸収層16及び接着層15をこの順に積層していること以外は、図1及び図2に示す表示体10と同様の構造を有している。光吸収層16は、典型的には、可視光線波長域の全体に亘って低い反射率を示す黒色着色層であるが、可視光線波長域の一部でのみ低い反射率を示す着色層であってもよい。
この構造を採用した場合、図2に示す構造を採用した場合と比較して、可視光線波長域内の少なくとも一部で反射層12の下側からの反射光又は透過光の強度が小さくなる。それゆえ、反射層12の波長選択性に起因した視覚効果を確認し易くなる。
なお、光吸収層16を設ける代わりに、接着層15に染料及び顔料などの着色材料を含有させてもよい。この場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
上述した例では、反射層12を3つ以下の誘電体層で構成しているが、反射層12は、より多くの誘電体層で構成してもよい。誘電体層の積層数を多くすると、反射層12の波長選択性が高くなる。例えば、反射層12での干渉により強め合う光の強度と反射層12での干渉により弱め合う光の強度との差が大きくなる。その結果、上述した視覚効果がより顕著となる。
上記の例では、主として、光透過層11の背面に設けた複数の凸部及び/又は凹部でレリーフ型の回折格子を形成したが、これら凸部及び/又は凹部は、レリーフ型の光散乱性構造を形成していてもよい。或いは、複数の凸部及び/又は凹部の一部でレリーフ型の回折格子を形成し、他の一部でレリーフ型の光散乱性構造を形成してもよい。
光散乱性構造は、上述した回折格子とは異なり、観察方向に応じた光強度プロファイルの波長依存性が小さく、広い角度範囲に光を広げる効果を有している。したがって、凸部及び/又は凹部が光散乱性構造を形成している場合、凸部及び/又は凹部が回折格子を形成している場合と比較して、像を視認し易くすることができる。また、凸部及び/又は凹部の大きさや形状に応じて、光を広げる方向や角度範囲も設定できるため、光散乱性構造によって形成した像は白っぽい像となるものの、優れた視認性と視覚効果とを実現できる。
以上説明した通り、反射層12の誘電体層12bは、特定の入射角で入射した特定波長の光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じる第1部分と、これとは厚さが異なる第2部分とを含んでいる。したがって、第1部分では、先の波長に対応した色のみが観察されるか、又は、この色が強調されて観察される。他方、第2部分では、例えば、暗色に見えるか、又は、先の色とは異なる色に見える。そして、照明光の入射角を一定としたまま観察角度を変えた場合には、第1及び第2部分は、互いに異なる色変化を生じる。例えば、表示体10を正面から観察したときには、第1及び第2部分でそれぞれ黄色及び青色が観察され、表示体10を斜めから観察したときには、第1及び第2部分でそれぞれ赤色及び緑色が観察され得る。すなわち、この反射層12は、極めて特徴的な視覚効果を有している。
しかも、複数の凸部及び/又は凹部が回折格子を形成している場合には、反射層12における繰り返し反射干渉の効果と回折格子による回折効果とが組み合わされ、先の視覚効果が増幅される。他方、複数の凸部及び/又は凹部が光散乱性構造を形成している場合には、特定の色に着色した散乱光を得ることができる。それゆえ、極めて複雑な視覚効果が得られると共に、真偽判定が容易になる。
加えて、厚さが異なる第1及び第2部分又はこれらと複数の凸部及び/又は凹部との組み合わせに起因した視覚効果は、レーザ光を用いて回折格子等を複製するだけでは得られない。それゆえ、この表示体10は、偽造又は模造が極めて難しい。
それゆえ、この表示体10は、極めて高い偽造防止効果を達成する。
上述した表示体10は、例えば、偽造防止用又は識別用ラベルとして使用することができる。表示体10は偽造又は模造が困難であるため、このラベルを物品に支持させた場合、真正品であるこのラベル付き物品の偽造又は模造も困難である。また、このラベルは上述した視覚効果を有しているため、真正品であるかが不明の物品を真正品と非真正品との間で判別することも容易である。
図11は、偽造防止用又は識別用ラベルを物品に支持させてなるラベル付き物品の一例を概略的に示す平面図である。図11には、ラベル付き物品の一例として、印刷物100を描いている。
この印刷物100は、磁気カードであって、基材51を含んでいる。基材51は、例えば、プラスチックからなる。基材51上には、印刷層52と帯状の磁気記録層53とが形成されている。さらに、基材51には、上述した表示体10が偽造防止用又は識別用ラベルとして貼りつけられている。
この印刷物100は、表示体10を含んでいる。それゆえ、上記の通り、この印刷物100の偽造又は模造は困難である。また、この印刷物100は、表示体10を含んでいるので、真正品であるかが不明の物品を真正品と非真正品との間で判別することも容易である。しかも、この印刷物100は、表示体10に加えて、印刷層52をさらに含んでいるため、印刷層52の見え方と表示体10の見え方とを対比することが容易である。それゆえ、印刷物100が印刷層52を含んでいない場合と比較して、真正品であるかが不明の物品を真正品と非真正品との間で判別することがより容易である。
なお、図11には、表示体10を含んだ印刷物として磁気カードを例示しているが、表示体10を含んだ印刷物は、これに限られない。例えば、表示体10を含んだ印刷物は、無線カード、IC(integrated circuit)カード、ID(identification)カードなどの他のカードであってもよい。或いは、表示体10を含んだ印刷物は、商品券及び株券などの有価証券であってもよい。或いは、表示体10を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品に取り付けられるべきタグであってもよい。或いは、表示体10を含んだ印刷物は、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体又はその一部であってもよい。
また、図11に示す印刷物100では、表示体10を基材51に貼り付けているが、表示体10は、他の方法で基材に支持させることができる。例えば、基材として紙を使用した場合、表示体10を紙に漉き込み、表示体10に対応した位置で紙を開口させてもよい。
また、ラベル付き物品は、印刷物でなくてもよい。すなわち、印刷層を含んでいない物品に表示体10を支持させてもよい。
本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図。 図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図。 レリーフ型の回折格子が回折光を射出する様子を概略的に示す図。 第1及び第2部分を含んだ誘電体層の一例を概略的に示す断面図。 第1及び第2部分を含んだ誘電体層の他の例を概略的に示す断面図。 複数の画素で表示面を構成する方法の一例を概略的に示す平面図。 図1及び図2に示す表示体の変形例を概略的に示す断面図。 図1及び図2に示す表示体の変形例を概略的に示す断面図。 図1及び図2に示す表示体の変形例を概略的に示す断面図。 図1及び図2に示す表示体の変形例を概略的に示す断面図。 偽造防止用又は識別用ラベルを物品に支持させてなるラベル付き物品の一例を概略的に示す平面図。
符号の説明
10…表示体、11…光透過層、12…反射層、12a…誘電体層、12b…誘電体層、12c…誘電体層、15…接着層、16…光吸収層、31…照明光、32…正反射光又は0次回折光、33…1次回折光、51…基材、52…印刷層、53…磁気記録層、100…印刷物。

Claims (11)

  1. 面内方向に隣り合うと共に厚さが互いに異なる第1及び第2部分を含んだ光透過性の第1誘電体層を備えた反射層を具備し、前記第1部分の厚さはその一方の主面と他方の主面との間で可視光線波長域内の波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定されており、前記第1誘電体層の一方の主面には前記第1及び第2部分に対応した各々の位置に複数の凹部及び/又は凸部が設けられていることを特徴とする表示体。
  2. 前記複数の凹部及び/又は凸部は、回折格子及び/又は光散乱性構造を形成していることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 前記第1誘電体層の前記複数の凹部及び/又は凸部が設けられた主面は、複数の画素をマトリクス状に配列してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示体。
  4. 前記第2部分の厚さはその一方の主面と他方の主面との間で前記波長λ1を有する光が繰り返し反射した場合に弱め合う干渉を生じるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示体。
  5. 前記第2部分の厚さはその一方の主面と他方の主面との間で前記波長λ1とは異なる可視光線波長域内の波長λ2を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の表示体。
  6. 1及びn2を正の整数としたときに、前記第1部分の光学的厚さD1と前記波長λ1とは等式:D1=n1×λ1/2で示す関係を満足し、前記第2部分の光学的厚さD2と前記波長λ1とは等式:D2=(2n2−1)×λ1/4で示す関係を満足していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示体。
  7. 前記第2部分の厚さはその一方の主面と他方の主面との間で前記波長λ1とは異なる可視光線波長域内の波長λ2を有する光が繰り返し反射した場合に強め合う干渉を生じるように設定されており、n3及びn4を正の整数としたときに、前記第1部分の光学的厚さD1と前記波長λ2とは等式:D1=(2n3−1)×λ2/4で示す関係を満足し、前記第2部分の光学的厚さD2と前記波長λ1とは等式:D2=(2n4−1)×λ1/4で示す関係を満足していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示体。
  8. 前記反射層は、前記第1誘電体層と前記複数の凹部及び/又は凸部が設けられた主面側で隣接し、均一な厚さを有し、前記第1誘電体層とは前記波長λ1についての屈折率が異なっている第2誘電体層をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示体。
  9. 前記第2誘電体層の前記第1誘電体層から離れた主面には、前記第1誘電体層の前記主面に設けられた前記複数の凹部及び/又は凸部に対応して、複数の凹部及び/又は凸部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の表示体。
  10. 前記反射層と向き合った光吸収層をさらに具備したことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の表示体。
  11. 基材と、前記基材上に形成された印刷層と、前記基材に支持された請求項1乃至10の何れか1項に記載の表示体とを具備したことを特徴とする印刷物。
JP2006288843A 2006-10-24 2006-10-24 表示体及び印刷物 Active JP5082378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006288843A JP5082378B2 (ja) 2006-10-24 2006-10-24 表示体及び印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006288843A JP5082378B2 (ja) 2006-10-24 2006-10-24 表示体及び印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008107471A true JP2008107471A (ja) 2008-05-08
JP5082378B2 JP5082378B2 (ja) 2012-11-28

Family

ID=39440878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006288843A Active JP5082378B2 (ja) 2006-10-24 2006-10-24 表示体及び印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5082378B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009276518A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Toppan Printing Co Ltd 光学素子、粘着ラベル、転写箔、ラベル付き物品及び判別装置
JP2010015022A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びラベル付き物品
JP2010128096A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びその製造方法
JP2010280079A (ja) * 2009-06-02 2010-12-16 Toppan Printing Co Ltd 表示体、粘着ラベル、転写箔及びラベル付き物品
JP2011126029A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体、物品、ブランク媒体及び転写箔
JP2011173379A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びその製造方法
JP2015016695A (ja) * 2014-09-03 2015-01-29 凸版印刷株式会社 画像表示体、物品
JP2018087930A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 凸版印刷株式会社 表示体及びラベル付き物品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003122234A (ja) * 2001-10-11 2003-04-25 Dainippon Printing Co Ltd 真正性証明用の光学構造体、真正性証明用記録体、および確認方法
JP2005091699A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Toppan Printing Co Ltd 偽造防止媒体および偽造防止シール
JP2005099090A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd 部分的回折構造転写シート、及びその製造方法
JP2005266398A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003122234A (ja) * 2001-10-11 2003-04-25 Dainippon Printing Co Ltd 真正性証明用の光学構造体、真正性証明用記録体、および確認方法
JP2005091699A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Toppan Printing Co Ltd 偽造防止媒体および偽造防止シール
JP2005099090A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd 部分的回折構造転写シート、及びその製造方法
JP2005266398A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009276518A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Toppan Printing Co Ltd 光学素子、粘着ラベル、転写箔、ラベル付き物品及び判別装置
JP2010015022A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びラベル付き物品
JP2010128096A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びその製造方法
JP2010280079A (ja) * 2009-06-02 2010-12-16 Toppan Printing Co Ltd 表示体、粘着ラベル、転写箔及びラベル付き物品
JP2011126029A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体、物品、ブランク媒体及び転写箔
JP2011173379A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Toppan Printing Co Ltd 表示体及びその製造方法
JP2015016695A (ja) * 2014-09-03 2015-01-29 凸版印刷株式会社 画像表示体、物品
JP2018087930A (ja) * 2016-11-29 2018-06-07 凸版印刷株式会社 表示体及びラベル付き物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP5082378B2 (ja) 2012-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4420138B2 (ja) 表示体及び情報印刷物
JP4961944B2 (ja) 表示体及び印刷物
JP5303879B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
US10598833B2 (en) Display
JP5082378B2 (ja) 表示体及び印刷物
JP5741125B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5338177B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5338193B2 (ja) 表示体、粘着ラベル、転写箔及びラベル付き物品
JP5176529B2 (ja) 表示体、粘着ラベル、転写箔及びラベル付き物品
JP2012123102A (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5515244B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP6225408B2 (ja) 表示体及びその真偽判定方法
JP6171291B2 (ja) 表示体の真偽判定方法
JP6349834B2 (ja) 表示体、表示体の製造方法、ラベル付き物品
JP5481953B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP2015068849A (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP5349772B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP6102051B2 (ja) 真偽判定方法
JP6379547B2 (ja) 画像表示体および情報媒体
JP5903824B2 (ja) 偽造防止表示体及び情報印刷物
JP5040557B2 (ja) 光学素子、ラベル付き物品及び光学キット
JP2010078821A (ja) 表示体、粘着ラベル及びラベル付き物品
JP2013246367A (ja) 画像表示体及び情報媒体
JP5994899B2 (ja) 表示体及びラベル付き物品
JP2016212439A (ja) 表示体及びラベル付き物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111109

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5082378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250