JP6379547B2 - 画像表示体および情報媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示体およびこの画像表示体を備えた情報媒体に関し、好適には、肉眼での真偽判定が容易であり、高いセキュリティ性を有し、偽造防止機能を備えた画像表示体およびこの画像表示体を備えた情報媒体に関する。
一般に、商品券および小切手などの有価証券類、クレジットカード、キャッシュカードおよびIDカードなどのカード類、並びにパスポートおよび免許証などの証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する画像表示体が貼着されている。また、近年、これら以外の物品についても、偽造品の流通が社会問題化している。そのため、そのような物品に対しても、同様の偽造防止技術を適用する機会が増えてきている。
通常の印刷物とは異なる視覚効果を有している画像表示体としては、複数の溝を並べた回折格子を含んだ画像表示体が知られている。この画像表示体には、たとえば、観察条件に応じて変化する像を表示させることや、立体像を表示させることができる。また、回折格子が表現する虹色に輝く分光色は、通常の印刷技術では表現することができない。そのため、回折格子を含んだ画像表示体は、偽造防止対策が必要な物品に広く用いられている。
たとえば、特許文献1には、溝の長さ方向または格子定数(すなわち、溝のピッチ)が異なる複数の回折格子を配置して絵柄を表示することが記載されている。回折格子に対する観察者または光源の相対的な位置が変化すると、観察者の眼に到達する回折光の波長が変化する。したがって、上記の構成を採用すると、虹色に変化する画像を表現することができる。
回折格子を利用した画像表示体では、複数の溝が形成されたレリーフ型の回折格子を使用することが一般的である。レリーフ型回折格子は、通常、フォトリソグラフィを利用して製造した原版から複製することにより得られる。
上記特許文献1には、レリーフ型回折格子の原版の作製方法として、一方の主面に感光性レジストを塗布した平板状の基板をXYステージ上に載置し、コンピュータ制御の基でステージを移動させながら感光性レジストに電子ビームを照射することにより、感光性レジストをパターン露光する方法が記載されている。また、回折格子の原版は、二光束干渉を利用して形成することもできる。
レリーフ型回折格子の製造では、通常、まず、このような方法により原版を形成し、そこから電鋳等の方法により金属製のスタンパを作製する。次いで、この金属製スタンパを母型として用いて、レリーフ型の回折格子を複製する。
すなわち、まず、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)からなるフィルムまたはシート状の薄い透明基材上に、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂を塗布する。
次に、塗膜に金属製スタンパを密着させ、この状態で樹脂層に熱または光を与える。樹脂が硬化した後、硬化した樹脂から金属製スタンパを剥離することにより、レリーフ型回折格子の複製物を得る。
一般に、このレリーフ型回折格子は透明である。したがって、通常、レリーフ構造を設けた樹脂層上には、蒸着法を用いてアルミニウムなどの金属または誘電体を単層または多層に堆積させることにより反射層を形成する。
その後、このようにして得られた画像表示体を、たとえば、紙またはプラスチックフィルムからなる基材上に接着層または粘着層を介して貼り付ける。以上のようにして、偽造防止対策を施した画像表示体を得る。
レリーフ型回折格子を含んだ画像表示体の製造に使用する原版は、それ自体の製造が困難である。また、金属製スタンパから樹脂層へのレリーフ構造の転写は、高い精度で行わなければならない。すなわち、レリーフ型回折格子を含んだ画像表示体の製造には高い技術が要求される。
しかしながら、偽造防止対策が必要な物品の多くでレリーフ型回折格子を含んだ画像表示体が用いられるようになった結果、この技術が広く認知され、これに伴い、偽造品の発生も増加する傾向にある。そのため、回折光によって虹色の光を呈することのみを特徴とした画像表示体を用いて充分な偽造防止効果を達成することが難しくなってきている。
特許文献2には、回折格子パターンと光散乱パターンとの組み合わせにより絵柄を表示することが示されている。これによると、虹色に変化する画像のみでなく、光の散乱で表現した画像を表示することができる。
また、特許文献3によれば、レリーフ型の回折格子パターンのように、照明の位置や観察者の位置の変化に応じて虹色に色変化することがなく、従来の回折格子とは異なる視覚効果を実現できる。
特許文献2、特許文献3に記載のディスプレイおよび画像表示体は、従来の回折格子パターンが有する虹色とは大きく異なる視覚効果を有する。ゆえに、より高い偽造防止効果を期待できる。
米国特許第5058992号明細書 特許第2751721号公報 特開2011−118035号公報
しかしながら、特許文献2、特許文献3に記載のディスプレイおよび画像表示体は、従来の回折格子パターンの視覚効果とは差別化できている一方で、いずれも反射型の画像表示体の一種である。反射型の画像表示体は、入射光に対して反射として射出する射出光によって表示する前提で作製されており、透過光で観察する点は考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、観察者が観察できる領域が光源の大きさに依存することのない画像表示体および情報媒体を提供することである。本発明が解決しようとする別の課題は、反射観察時および透過観察時の両方で特徴的な視覚効果、より高い偽造防止効果、および、より高い意匠性を併せ持つ画像表示体および情報媒体を提供することである。
本発明の課題を解決するための手段の一例は、透明基材層の一方の面に少なくとも、光透過性の接着層、光反射層、および光透過性の構造形成層がこの順に形成され、かつ、前記光反射層と前記光透過性の構造形成層との層間を除く任意の位置に散乱パターン層を積層することにより形成された画像表示体であって、前記光透過性の構造形成層が複数の構造領域を含み、前記複数の構造領域の各々は凹凸構造から形成されており、前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有することを特徴とする画像表示体である。
ここで、前記散乱パターン層が光散乱性を有さない部分を更に有し、光散乱性の有無が表示される画像情報に即して設定されることにより、階調表現のある画像表示を実現していることが好ましい。あるいは、前記散乱パターン層の厚さが、表示される画像情報に即して設定されることにより、階調表現のある画像表示を実現していることが好ましい。
また、前記複数の構造領域が、前記凹凸構造の深さ、高さ、周期、および幅の少なくとも1つに関して互いに異なっていてもよい。この場合、前記複数の構造領域が、前記凹凸構造の深さ、高さ、周期、および幅の少なくとも1つに関して互いに異なっていることにより、前記構造形成層を透過する透過光の主波長が、前記複数の構造領域毎に異なっていてもよい。
また、前記凹凸構造の少なくとも一部が直線構造であってもよく、前記凹凸構造が、風紋状の縦断面を有していてもよい。更に、前記構造領域が、マトリクス状に配置されていてもよい。なお、散乱パターン層は、屈折率の異なる複数の粒子を分散状態で含むことにより光散乱性を実現していることが好ましい。
ここで、散乱パターン層は、透明基材層と接着層との間に配置されていてもよく、接着層と光反射層との間に配置されていてもよく、透明基材層の他方の面に配置されていてもよく、構造形成層の外側に配置されていてもよい。
更に、前記散乱パターン層が最表面となる場合、表面に更なる凹凸構造を備えていることにより、前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有していてもよく、散乱パターン層は、表面に更なる凹凸構造を備えていることにより、散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有していてもよい。この場合、前記更なる凹凸構造が、回折格子として構成されていることが好ましい。
本発明の課題を解決するための手段の別の例は、前述の画像表示体を具備したことを特徴とする情報媒体である。
本発明によれば、観察者が観察できる領域が光源の大きさに依存することのない画像表示体および情報媒体を提供できる。本発明によれば、反射観察時および透過観察時の両方で特徴的な視覚効果、より高い偽造防止効果、および、より高い意匠性を併せ持つ画像表示体および情報媒体を提供できる。
本発明の画像表示体の一例を模式的に示す平面図。 図1のA−A線に沿った縦断面図。 本発明の画像表示体からの透過光を観察する様子を説明する模式図。 本発明の画像表示体の別の例の縦断面図。 本発明の画像表示体を含む情報媒体を模式的に示す平面図。 接着層を光反射層と散乱パターン層との間に配置した構成の一例を模式的に示す縦断面図。 接着層を透明基材層と散乱パターン層との間に配置した構成の一例を模式的に示す縦断面図。 散乱パターン層を透明基材層の他方の面に配置した構成の一例を模式的に示す縦断面図。 散乱パターン層を構造形成層の外側に配置した構成の一例を模式的に示す縦断面図。 凹凸形状を備えた散乱パターン層を透明基材層の他方の面に配置した構成の一例を模式的に示す縦断面図。 凹凸形状を備えた散乱パターン層を構造形成層の外側に配置した構成の一例を模式的に示す縦断面図。
以下、本発明を実施するための形態の一例を図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、同様または類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の画像表示体の一例を模式的に示す平面図である。図2は、図1のA−A線に沿った縦断面図である。図1、図2に示す画像表示体10は、透明基材層11の一方の面に、光透過性の接着層14、光反射層13、光透過性の構造形成層12、散乱パターン層15をこの順に積層することにより形成されている。
透明基材層11および構造形成層12の材料としては、たとえば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、あるいは、アクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等があげられる。
なお、上記樹脂の硬化物はいずれも光透過性であり、屈折率は一般的に1.5程度である。
構造形成層12は、上記した材料を所望の凹凸構造を賦型して硬化させることにより、凹凸構造を設けた形に成型することができる。
構造形成層12は、複数の構造領域16a,16bおよび非構造領域17を備えている。
なお、構造形成層12は、3つの構造領域16aおよび3つの構造領域16bを備えているが、構造領域は複数あればよく、6つに限らない。
また、構造領域16a,16bの凹凸構造は凸部から形成されている。なお、凹凸構造は、凹部から形成される構造、凸部から形成される構造、あるいは凹部および凸部の両方から形成される構造であってよい。
また、構造領域16a,16bは市松状に配置されているが、構造領域の配置はこれに限定されない。
接着層14は、透明基材層11と光反射層13との間に配置されている。接着層14は、たとえば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂等から形成することができる。接着層14は、透明基材層11および光反射層13に対して密着性および加刷性のあるものであれば、特に限定されない。なお、本発明は、接着層14を光反射層13と散乱パターン層15との間に配置した構成(図6)、および、接着層14を透明基材層11と散乱パターン層15との間に配置した構成(図7)も含む。すなわち、本発明は、散乱パターン層15が透明基材層11と接着層14との間に配置された構成、および、散乱パターン層15が接着層14と光反射層13との間に配置された構成を含む。この場合、接着層には、それぞれの層間に対する密着性および加刷性が求められる。
光反射層13は、構造形成層12の構造領域16a,16bおよび非構造領域17を被覆している。光反射層13は構造領域16a,16bの少なくとも一部を被覆すればよいが、全体を被覆してもよい。
光反射層13は、透明被膜または金属被膜から形成することができる。光反射層13が透明被膜から形成される場合、透明被膜の屈折率は、光透過性の構造形成層の屈折率と異なる屈折率とすることが好ましい。透明被膜は、誘電体層、誘電体多層膜、もしくは高屈折率材料から形成することができる。透明被膜は、屈折率が2.0以上であるZnS、TiO、PbTiO、ZrO、ZnTe、およびPbCrOからなる群から選択された材料から形成することが好ましい。光透過性の構造形成層と透明被膜との屈折率差は0.5以上であるのが好ましい。光透過性の構造形成層と透明被膜との屈折率差が0.5未満であると、凹凸構造からの射出光の視覚効果が弱まる。
光反射層13が金属被膜から形成される場合、光反射層13は、クロム、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金、銅、およびこれらの混合物、およびこれらの合金からなる群から選択された材料から形成することが好ましい。
散乱パターン層15は、たとえば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、あるいは、アクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等からなる群から選択された材料をベースとし、これに屈折率の異なる粒子を分散させることにより形成することが好ましい。粒子の材料としては、有機材料、無機材料いずれを用いても良い。なお、本発明は、散乱パターン層15が表出している場合、例えば散乱パターン層15を透明基材層11の他方の面に配置した構成(図8)、および、散乱パターン層15を構造形成層12の外側に配置した構成(図9)も含む。
画像表示体10の視覚効果の一例を、図3を参照して説明する。
図3において、光源22からの光(入射光23)は、画像表示体10を透過することにより透過光24として観察者21に到達する。光源22は、画像表示体10を挟んで観察者21と反対側にある。この場合、透過光24の波面は、画像表示体10の内部で反射を偶数回繰り返した後に透過する複数の光の波面を重畳することにより形成される。各波面に位相差が無い場合に、透過光24の最大強度が得られる。この場合の光学距離の差は、波長の整数倍となり、下記式1が成立する。
nλ=2Tcosθ……(式1)
上記式1において、nは次数を表し、λは入射光23の波長を表し、Tは光学距離を表し、θは透過光24の射出角度を表す。上記式1を満たさない波長の場合、強度を打ち消し合う干渉が起こり、光源22から射出される光(入射光23)は、画像表示体10を透過しないか、または強度の小さな透過光24となる。これは、薄膜の光学距離を制御することで画像表示体10を透過する光の波長を制御可能であることを意味している。
つまり、構造領域16の凹部の深さまたは凸部の高さ、あるいは凹凸構造の周期または幅を変化させると、光学距離が変化する。すなわち、凹凸構造の形状を変えることで画像表示体10を透過する透過光24の波長も変化する。なお、凹凸構造の深さは凹凸構造の凹部の谷部分から最上辺までの深さ、凹凸構造の高さは凹凸構造の凸部の山部分から最底辺までの高さ、凹凸構造の周期は凹凸構造の隣り合う凹部または凸部の間隔、凹凸構造の幅は凹凸構造の凹部の深さまたは凸部の高さを2等分する中心線の長さをいうものとする。
これにより、白黒濃淡表現からなる透かし模様ではなく、例えば着色された(カラーの)透かし模様が形成される。また、例えば各構造領域を画像における画素と見なすと、凹凸構造の形状を変えることにより各構造領域から種々の色の透過光を透過させることで、同一平面上に複数の色を有した、彩りの鮮やかな画像が表示される。
しかし一方で、透かし模様を観察する際には、以下のような問題点がある。
観察者21が画像表示体10を観察する場合、前記式1に応じた波長の透過光24を観察できる領域は、光源22の大きさに依存してしまう。たとえば、光源22が微小な点光源である場合、観察者21が画像表示体10を透過する透過光24を観察できる領域は、光源22の大きさに応じた微小な一点のみとなる。
すなわち、観察者21が画像表示体10に表示された透過光24で観察できる画像全体を観察するためには、その画像の大きさに応じた光源22が必要である。言い換えれば、適切な光源22が無ければ画像表示体10に表示された透過光24で観察できる画像全体を同時に観察することは困難である。極端に言えば、画像表示体10の画像表示部全体に入射光23を照射できるようなライトテーブルのような器具が必要となる。
ところで、本発明においては、散乱パターン層15の少なくとも一部が光散乱性を有している。透過光24の波面が、画像表示体10の内部で反射を偶数回繰り返した後に透過する複数の光の波面を重畳することにより形成されたものである場合、前記した問題点、すなわち観察者21が観察できる領域が光源22の大きさに依存する点が発生しない。こうして、光源の位置、大きさ等の照明環境に依存することなく、画像を表示させることが可能となる。
特に、図2に示すように、構造形成層12に異なる周期または幅の凹凸構造から形成される構造領域16a、16bを形成すれば、階調表現あるいは色付きのある画像を、光源の位置、大きさ等の照明環境に依存することなく表示させることが可能となる。
図4は、本発明の画像表示体の別の例の縦断面図である。図4に示す画像表示体10の構造形成層12は、構造領域16cおよび構造領域16dを備えている。構造領域16cおよび構造領域16dは、互いに厚さが異なっている。また、構造領域16cおよび構造領域16dに対応する領域の散乱パターン層15の厚さも異なっている。例えば、構造領域16cに対応する領域の散乱パターン層15の厚さは、構造領域16cの凸部の山部分に対応する散乱パターン層15の凹部の谷部分の厚さ、構造領域16cの凹部の谷部分に対応する散乱パターン層15の凸部の山部分の厚さ、または構造領域16cに隣接する非構造領域17cに対応する領域の散乱パターン層15の厚さとすることができる。例えば、構造領域16cに対応する領域の散乱パターン層15の厚さが、構造領域16dに対応する領域の散乱パターン層15の厚さよりも大きい(厚い)ことを条件として、構造領域16cに対応する領域の散乱パターン層15の厚さが構造領域16cに隣接する非構造領域17c部分の厚さであってその厚さが1〜2μmであるとし、構造領域16dに対応する領域の散乱パターン層15の厚さが構造領域16dに隣接する非構造領域17d部分の厚さであってその厚さが0.1〜1μmであるとすることができる。
このとき、散乱パターン層15は、酸化チタン等のフィラーを含有することで光散乱性を備えているとする。フィラーが散乱パターン層15内で均一に分散しているとき、散乱パターン層15を透過して射出される光(透過光24)の分散性は、散乱パターン層15の厚さが厚いほど高くなる。これは、散乱パターン層15の厚さを制御することで階調表現のある画像を表示することが可能であることを意味する。
図4に示す画像表示体10を構造形成層12側から観察する場合、観察者21は光反射層13で反射された反射光を観察することとなる。構造領域16cおよび構造領域16dの幅または周期は同一であり、当該反射光は散乱パターン層15を透過しないため、観察者21は構造領域16cおよび構造領域16dを同一の色として観察する。これに対し、画像表示体10を透明基材層11側から観察する場合、観察者21は散乱パターン層15を透過した透過光24を観察することとなる。このとき、構造領域16cおよび構造領域16dに対応する領域の散乱パターン層15の厚さが異なり、透過光24の分散性は散乱パターン層15の厚さによって異なるため、観察者21は構造領域16cおよび構造領域16dを異なる色として観察する。こうして、観察者21は、構造形成層12側から観察する場合と透過基材層11側から観察する場合とで異なる画像を観察可能となる。画像表示体10は、構造形成層12側から観察される場合と透過基材層11側から観察される場合とで異なる画像を表示可能である。
光散乱性の一例としてフィラー分散を挙げたが、光散乱性を付与させる方法はそれに限らない。例えば、散乱パターン層15が表出している場合は、その表面に凹凸形状を備えることで光散乱性を付与させても良く、その方法はここで挙げた例に限らない。本発明は、凹凸形状を備えた散乱パターン層15を透明基材層11の他方の面に配置した構成(図10)、および、凹凸形状を備えた散乱パターン層15を構造形成層12の外側に配置した構成(図11)も含む。凹凸構造は直線構造であってもよい。
本発明の画像表示体の更に別の例において、散乱パターン層は、表面に更なる凹凸構造を備えていることにより、散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有している。好ましくは、更なる凹凸構造の少なくとも一部は回折格子で構成される。
回折格子の格子線に垂直な面内で光が進行する場合、m次回折光(m=0、±1、±2、…)の射出角βは、下記式2から算出することができる。
d=mλ(sinα−sinβ)……(式2)
上記式2において、dは回折格子の格子定数(格子周期、ピッチ)を表し、mは回折次数を表し、λは入射光および回折光の波長を表している。また、αは入射光の射出角を表している。また、βは回折光の射出角度を表している。
観察に用いる照明光が複数の波長成分を含む白色光である場合、回折光の射出角は波長によって異なる。従って、太陽や蛍光灯などの白色照明光源下で回折格子を観察すると、白色光が分光し、単一波長の光が別々の角度に射出され、観察する角度によって虹色に変化するように見える。
この場合、たとえば、複数の構造領域において、凹凸構造の周期を互いに同一とし、かつ、凹凸構造の深さまたは高さを互いに異なるようにすれば、透過光側(散乱パターン層側)から透過光を観察する場合は異なる色の透過光として観察できる一方で、入射光側(透過基材層側)から反射光(回折光)を観察する場合は同一の色の反射光として観察できる。これは、前記したように回折格子から射出される射出光(回折光)の波長は、式2より回折格子の格子定数によって決まるからである。
ゆえに、本例においても、透過観察と反射観察で異なる画像を観察できる画像表示体を提供することが可能である。
図5は、本発明の画像表示体を具備した情報媒体の一例を概略的に示す。図5に示す情報媒体50は、たとえば、磁気カードであって、カード上の基材51には印刷層52および帯状の磁気記録層53が形成されている。基材51は、たとえば、プラスチックにより形成されている。そして、基材51には、前述した画像表示体10が偽造防止用として貼着されている。
ここで、この情報媒体50は画像表示体10を含んでいる。ゆえに、この情報媒体50の偽造または模造は困難である。
図5に示す情報媒体50の基材51が光透過性であれば、色付きのある透かし画像を観察することが可能となる。ゆえに、情報媒体50の基材51は光透過性であることが好ましい。
なお、本発明は、図示された実施形態に限定されない。本発明は、各例に示された層に追加して、更なる任意の層を追加した形態を含む。本発明は、各例に示された画像表示体の構成要素を互いに組み合わせた画像表示体を含む。
10…画像表示体、11…透過基材層、12…構造形成層、13…光反射層、14…接着層、15…散乱パターン層、16,16a,16b,16c,16d…構造領域、17,17c,17d…非構造領域、21…観察者、22…光源、23…入射光、24…透過光、50…情報媒体、51…基材、52…印刷層、53…磁気記録層。

Claims (16)

  1. 透明基材層の一方の面に少なくとも、光透過性の接着層、光反射層、および光透過性の構造形成層がこの順に積層され、かつ、前記光反射層と前記光透過性の構造形成層との層間を除く任意の位置に散乱パターン層を積層することにより形成された画像表示体であって、
    前記光透過性の構造形成層が複数の構造領域を含み、前記複数の構造領域の各々は凹凸構造から形成されており、
    前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有することを特徴とする画像表示体。
  2. 透明基材層の一方の面に少なくとも、光透過性の接着層、光反射層、および光透過性の構造形成層がこの順に積層され、かつ、前記光反射層と前記光透過性の構造形成層との層間を除く任意の位置に散乱パターン層を積層することにより形成された画像表示体であって、
    前記光透過性の構造形成層が複数の構造領域を含み、前記複数の構造領域の各々は凹凸構造から形成されており、
    前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有し、
    前記散乱パターン層の厚さが、表示される画像情報に即して設定されることにより、階調表現のある画像表示を実現していることを特徴とする画像表示体。
  3. 透明基材層の一方の面に少なくとも、光透過性の接着層、光反射層、および光透過性の構造形成層がこの順に積層され、かつ、前記光反射層と前記光透過性の構造形成層との層間を除く任意の位置に散乱パターン層を積層することにより形成された画像表示体であって、
    前記光透過性の構造形成層が複数の構造領域を含み、前記複数の構造領域の各々は凹凸構造から形成されており、
    前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有し、
    前記散乱パターン層が、前記透明基材層と前記接着層との間に配置されていることを特徴とする画像表示体。
  4. 透明基材層の一方の面に少なくとも、光透過性の接着層、光反射層、および光透過性の構造形成層がこの順に積層され、かつ、前記光反射層と前記光透過性の構造形成層との層間を除く任意の位置に散乱パターン層を積層することにより形成された画像表示体であって、
    前記光透過性の構造形成層が複数の構造領域を含み、前記複数の構造領域の各々は凹凸構造から形成されており、
    前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有し、
    前記散乱パターン層が、前記接着層と前記光反射層との間に配置されていることを特徴とする記載の画像表示体。
  5. 透明基材層の一方の面に少なくとも、光透過性の接着層、光反射層、および光透過性の構造形成層がこの順に積層され、かつ、前記光反射層と前記光透過性の構造形成層との層間を除く任意の位置に散乱パターン層を積層することにより形成された画像表示体であって、
    前記光透過性の構造形成層が複数の構造領域を含み、前記複数の構造領域の各々は凹凸構造から形成されており、
    前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有し、
    前記散乱パターン層が、前記構造形成層の外側に配置されていることを特徴とする画像表示体。
  6. 前記散乱パターン層が光散乱性を有さない部分を更に有し、光散乱性の有無が表示される画像情報に即して設定されることにより、階調表現のある画像表示を実現していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示体。
  7. 前記複数の構造領域が、前記凹凸構造の深さ、高さ、周期、および幅の少なくとも1つに関して互いに異なっていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示体。
  8. 前記複数の構造領域が、前記凹凸構造の深さ、高さ、周期、および幅の少なくとも1つに関して互いに異なっていることにより、前記構造形成層を透過する透過光の主波長が、前記複数の構造領域毎に異なっていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示体。
  9. 前記凹凸構造の少なくとも一部が直線構造であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示体。
  10. 前記凹凸構造が、風紋状の縦断面を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示体。
  11. 前記構造領域が、マトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像表示体。
  12. 前記散乱パターン層が、屈折率の異なる複数の粒子を分散状態で含むことにより、光散乱性を実現していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像表示体。
  13. 前記散乱パターン層が、前記透明基材層の他方の面に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像表示体。
  14. 前記散乱パターン層が、表面に更なる凹凸構造を備えていることにより、前記散乱パターン層の少なくとも一部が光散乱性を有することを特徴とする請求項5または12に記載の画像表示体。
  15. 前記更なる凹凸構造が、回折格子として構成されていることを特徴とする請求項14に記載の画像表示体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像表示体を具備したことを特徴とする情報媒体。
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