JP2013205640A - 画像表示体及び情報媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の回折格子とは大きく異なる視覚効果を有し、より高い偽造防止効果を発揮させることにある。
【解決手段】 光透過層11と、この光透過層11の一方の面上に設けられ、方向の揃った複数の直線状の凹部又は凸部からなる凹凸構造を有するランダムに配置された複数の構造領域12と、この複数の構造領域の少なくとも一部に設けられた光反射層13とを備え、前記凹部の底面又は凸部の上面に前記光透過層面と略平行であり、前記複数の直線状の凹部又は凸部における隣接する凹部間又は凸部間は複数の間隔を有し、
少なくとも一部の構造領域同士において、前記各構造領域内の凹凸構造の複数の間隔の平均値及び標準偏差の少なくとも一方を異ならせて、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示可能にする画像表示体である。
【選択図】図11

Description

本発明は、肉眼で真偽判定可能なセキュリティ性の高い偽造防止機能を備えた画像表示体及び情報媒体に関する。
一般に、商品券及び小切手などの有価証券類、クレジットカード、キャッシュカード及びIDカードなどのカード類、並びにパスポート及び免許証などの証明書類には、それらの偽造を防止するために、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する表示体が貼り付けられている。また、近年、これら以外の物品についても、偽造品の流通が社会的な問題となっている。そのため、そのような物品に対しても、同様の偽造防止技術を適用する機会が増えてきている。
ところで、通常の印刷物とは異なる視覚効果を有する表示体としては、複数の溝を並べてなる回折格子を含んだ表示体が知られている。この表示体には、例えば、観察条件に応じて変化する像を表示させるとか、立体像を表示させることができる。また、回折格子が表現する虹色に輝く分光色は、通常の印刷技術では表現することができない。そのため、回折格子を含んだ表示体は、偽造防止対策が必要な物品に広く用いられている。
例えば、偽造防止対策用に使用する表示体としては、溝の長さ方向又は格子定数(即ち溝のピッチ)が異なる複数の回折格子を配置させて絵柄として表示するものが提案されている(特許文献1)。
この表示体は、回折格子に対する観察者又は光源の相対的な位置が変化すると、観察者の眼に到達する回折光の波長が変化する。従って、この構成を採用すると、虹色に変化する画像を表現することができる。
このように回折格子を利用した表示体では、複数の溝を形成してなるレリーフ型の回折格子を使用することが一般的である。レリーフ型回折格子は、通常、フォトリソグラフィを利用して製造した原版から複製することにより得られる。
この特許文献1におけるレリーフ型回折格子の原版の作製方法は、一方の主面に感光性レジストを塗布した平板状の基板をXYステージ上に載置し、コンピュータ制御のもとにステージを移動させながら感光性レジストに電子ビームを照射することにより、感光性レジストをパターン露光する方法である。また、回折格子の原版は、二光束干渉を利用して形成することもある。
レリーフ型回折格子の製造方法においては、通常、まず、前述する手順に従って原版を作り、そこから電鋳等の方法で金属製のスタンパを作製する。次に、金属製スタンパを母型として用いて、レリーフ型の回折格子を複製する。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)からなるフィルム又はシート状の薄い透明基材上に、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を塗布する。引き続き、塗膜に金属製スタンパを密着させ、この状態で樹脂層に熱又は光を与える。樹脂が硬化した後、硬化した樹脂から金属製スタンパを剥離することにより、レリーフ型回折格子の複製物を得るものである。
一般に、レリーフ型回折格子は透明である。従って、通常、レリーフ構造を設けた樹脂層上には、蒸着法を用いて、アルミニウムなどの金属又は誘電体を単層又は多層に堆積させることにより、反射層を形成して表示体を得る。
その後、得られた表示体を、例えば紙又はプラスチックフィルムから成る基材上に接着層又は粘着層を介して貼り付けるこれにより、偽造防止対策を施した表示体を得ることができる。
レリーフ型回折格子を含んだ表示体の製造に使用する原版は、それ自体の製造が困難である。また、金属製スタンパから樹脂層へのレリーフ構造の転写は、高い精度で行う必要がある。よって、レリーフ型回折格子を含んだ表示体は、高い製造技術が要求される。
しかしながら、偽造防止対策が必要な多くの物品でレリーフ型回折格子を含んだ表示体が使用されるようになった結果、この技術が広く認知され、それに伴って、偽造品の発生も増加する傾向にある。その結果、回折光によって虹色の光を出射することのみを特徴とする表示体は、充分な偽造防止効果を達成することが難しくなってきている。
また、回折格子を有する表示体としては、回折格子パターンと光散乱パターンとの組み合わせにより絵柄を表示するものが提案されている(特許文献2)。この表示体は、虹色に変化する画像のみでなく、光の散乱で表現した画像も表示することができる。
さらに、別の回折格子を有する表示体としては、レリーフ型の回折格子パターンのように、照明の位置や観察者の位置の変化に応じて虹色に色変化することがなく、従来の回折格子とは異なる視覚効果が得られるものもある(特許文献3)。
従って、上記特許文献2、特許文献3に記載のディスプレイや表示体は、従来の回折格子パターンが有する虹色とは大きく異なる視覚効果を有する。ゆえに、より高い偽造防止効果を期待することができる。
米国特許第5058992号明細書 特許第2751721号公報 特開2011−118035号公報
しかしながら、特許文献2、特許文献3に記載のディスプレイや表示体は、従来の回折格子パターンの視覚効果とは差別化できているが、観察者や光源の位置など,観察条件の変化に伴った色変化や画像変化するといった視覚効果が殆ど得られない。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、従来の回折格子とは大きく異なる視覚効果が得られ、より高い偽造防止効果及びより高い意匠性を併せ持つ画像表示体及び情報媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に対応する発明は、光透過層と、この光透過層の一方の面上に設けられ、方向の揃った複数の直線状の凹部又は凸部からなる凹凸構造を有するランダムに配置された複数の構造領域と、この複数の構造領域の少なくとも一部に設けられた光反射層とを備え、
前記凹部の底面又は凸部の上面に前記光透過層面と略平行であり、前記複数の直線状の凹部又は凸部における隣接する凹部間又は凸部間は複数の間隔を有し、
少なくとも一部の構造領域同士において、前記各構造領域内の凹凸構造の複数の間隔の平均値及び標準偏差の少なくとも一方を異ならせて、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示可能にすることを特徴とする画像表示体である。
請求項2に対応する発明は、前記各構造領域内の少なくとも一部において、前記凹凸構造の凸部の高さ又は凹部の深さを異ならせることにより、入射光に対して強弱をもった色の複数の回折光を射出することを特徴とする請求項1に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項3に対応する発明は、少なくとも一部の前記構造領域同士において、前記凹凸構造の凸部の高さ又は凹部の深さの前記各構造領域における平均値を異ならせることで、入射光に対して異なる明るさ(階調)をもった回折光を射出することを特徴とする請求項2に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項4に対応する発明は、前記各構造領域内における前記凹凸構造を形成する凸部の高さ又は凹部の深さを同一にすることで、特定の色を表現する回折光を射出することを特徴とする請求項1に対応する発明に記載の画像表示体である。
請求項5に対応する発明は、少なくとも一部の前記構造領域同士において、前記凹凸構造を形成する凸部の高さ又は凹部の深さが異なることを特徴とする請求項4に対応する発明に記載の画像表示体である。
また、請求項6に対応する発明は、少なくとも一部の前記構造領域同士において、前記各構造領域に備えてある複数の直線状の凹部又は凸部の方向を異ならせて、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の画像表示体である。
また、請求項7に対応する発明は、前記複数の直線状の凹部又は凸部は計算機ホログラムとしての複数の溝又は筋であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
さらに、請求項8に対応する発明は、前記複数の構造領域の配置によって形成される画像が複数存在する場合、個々の画像は、前記凹凸構造の間隔の平均値及び標準偏差が同一である前記複数の構造領域で構成し、別個の画像同士では、前記複数の構造領域を構成する凹凸構造の間隔の平均値又は標準偏差の少なくとも一方を異ならせることにより、異なる画像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に対応する発明に記載の画像表示体である。
さらに、請求項9に対応する発明は、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載された構成の画像表示体と、この画像表示体が一部の領域に支持される物品とを具備した情報媒体である。
本発明によれば、従来の回折格子とは大きく異なる視覚効果を有し、より高い偽造防止効果及びより高い意匠性を併せ持つ画像表示体及び情報媒体を提供することが可能となる。
本発明に係る画像表示体の一実施の形態を概略的に示す平面図。 図1のA−A線に沿う画像表示体の断面図。 ピッチdの回折格子に対する光入射角及び+1次回折光の射出角の関係を説明する図。 本発明の実施の形態に係る構造領域の凹凸構造が射出する回折光を概略的に示す図。 本発明の実施の形態に係る構造領域を断面したときの入射光と回折光の拡がりの両方を含む平面を概略的に示す図。 本発明の実施の形態に係る構造領域を概略的に示す図。 本発明の実施の形態に係る別の構造領域を概略的に示す図。 図6に示す平面図をフーリエ変換して得られる画像を示す図。 図7に示す平面図をフーリエ変換して得られる画像を示す図。 本発明の実施の形態に係る構造領域の凹凸構造が射出する回折光を概略的に示す図。 本発明に係る画像表示体の一具体例を説明する図。 本発明に係る画像表示体の別の具体例を説明する図。 本発明に係る情報媒体の一実施の形態を概略的に示す平面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一または類似した機能を発揮する構成要素には全て同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明に係る画像表示体の一実施の形態について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は画像表示体を概略的に示す平面図、図2は図1に示す画像表示体のA−A線に沿った断面図である。
画像表示体10は、光透過層11と光反射層13とを含む構成である。光透過層11の一方の面には、例えば、構造領域12a1、12a2及び非構造領域12bを備えている。これら構造領域12a1、12a2及び非構造領域12bを備える面上に光反射層13が施されている。
この画像表示体10の例では、光透過層11は、二つの構造領域12a1及び12a2を備えているが、構造領域は複数あればよく、二つに限定するものではない。
一方、光反射層13は、構造領域12a1、12a2及び非構造領域12bの全体を覆うように施されているが、これら構造領域12a1、12a2、12bの少なくとも一部を覆うように施されていればよい。
また、各構造領域12a1及び12a2は、凹部のみから成っているが、実際には凸部のみから成っていてもよい。光透過層11自体に複数の凹部が形成されているが、実際には平坦な光透過層11の一方の面上に積層した光透過性の層に凹部又は凸部が備えてあってもよい。
各構造領域12a1,12a2内に備えてある凹部の深さは、それぞれ異なっているが、同一であってもよい。
光透過層11の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の光硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
光透過層11の上記材料については、所望の凹凸構造を賦型して硬化させることにより、凹凸構造を成型することができる。なお、これらの樹脂材料の硬化物は何れも光透過性であり、屈折率は一般的に1.5程度である。
光反射層13の材料としては、透明被膜もしくは、金属被膜等を用いることができる。透明材料の場合、光透過層11と屈折率が異なる誘電体層、誘電体多層膜、もしくは高屈折率材料を使用する。例えば、屈折率が2.0以上であるZnS、TiO2、PbTiO2、ZrO、ZnTe、PbCrO4等が好ましい。これは、光透過層との屈折率が小さい場合、凹凸構造からの射出光の視覚効果が弱まってしまうためである。具体的には、光透過層と透明被膜との屈折率差は少なくとも0.5以上あると良い。
また、金属被膜である場合、クロム、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金、銅の中から選択される単体又はそれらの混合物、合金等を用いることができる。
次に、本発明に係る画像表示体を説明するにあたり、まず、回折格子のピッチ及び照明光の波長と、照明光入射角及び回折光の射出角の関係とについて説明する。
照明光源を用いて回折格子に照明光を照射したとき、該回折格子から入射光である照明光の進行方向に対応して特定の方向に強い回折光を射出する。
今、m次回折光(m=0、±1、±2、・・・)の射出角をβとすると、回折格子の格子線に垂直な面内で光が進行する場合、m次回折光の射出角βは次の式1から算出することができる。
d=mλ(sinα−sinβ) ………(式1)
この式1において、dは回折格子の格子定数(格子周期、ピッチ)、mは回折次数、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは0次回折光、即ち、正反射光RLの射出角を表している。換言すれば、αの絶対値は照明光の入射角と等しく、反射型回折格子の場合には、照明光の入射方向と正反射光の射出方向とは、回折格子が設けられた界面の法線NLに関して対称である。
なお、回折格子が反射型である場合、角度αは、0°以上であり、且つ、90°未満である。また、回折格子が設けられた界面に対して斜め方向から照明光を照射し、法線方向の角度、即ち0°を境界値とする2つの角度範囲を考えると、角度βは、回折光の射出方向と正反射光の射出方向とが同じ角度範囲内にあるときには正の値であり、回折光の射出方向と照明光の入射方向とは同じ角度範囲内にあるときには負の値である。
図3はピッチdの回折格子における照明光入射角及び+1次回折光の射出角の関係を示す図である。
ここで、照明光が複数の波長成分を含む白色光である場合、回折光の射出角は波長によって異なる。そのため、太陽や蛍光灯などの白色照明光源下で回折格子を観察すると、白色光が分光し、単一波長の光が別々の角度に射出され、観察する角度によって虹色に見える。
図3では、点光源LSから白色光IL(ここでは、白色光を構成する波長成分はR、G、Bの3波長であると仮定する)の照射光を回折格子GRに入射したとき、回折格子GRから波長成分Rの回折光DLr、波長成分Gの回折光DLg、波長成分Bの回折光DLbに分光して射出している様子を表している。このとき、波長成分Rの回折光DLrの射出角度βrと、波長成分Gの回折光DLgの射出角βgと、波長成分Bの回折光DLbの射出角βbはそれぞれ異なる値となる。なお、図3では、説明の便宜上、波長成分Rの回折光DLrの射出角βrのみを図示してある。他の次数の回折光については、式1から導出される角度に射出されるが、図3への記載は省略している。
次に、回折格子のピッチ及び照明光の波長と、回折光の射出角方向における回折光の強度(回折効率)との関係について説明する。
ピッチdの回折格子に対して、入射角αで照明光を入射したとき、式1に基づいて角度βの方向に回折光が射出される。この際、波長λの光の射出強度、すなわち回折効率ηは、回折格子のピッチや高さ等によって変化し、下記式2から導出することができる。
η=(2/π)2sin2{(2π/λ)・(r/cosθ)}sin2{(π/d)L}
………(式2)
式2において、ηは回折効率(0乃至1の値をとる)、rは回折格子の高さ、Lは回折格子の格子線幅、dは格子線のピッチ、θは照明光の入射角、λは入射光及び回折光の波長である。なお、式2は、凹凸構造から成る矩形回折格子について成り立つものである。
この式2から明らかなように、回折効率ηは、回折格子の高さr、格子線のピッチd、入射光の入射角θや波長λなどによって変化する。また、回折効率ηは、実際には回折次数mが高次になるのに伴って徐々に減少していく傾向にある。
次に、本発明に係る画像表示体を観察した際の視覚効果について説明する。
まず、構造領域12a1、12a2の凹部の深さ又は凸部の高さは、前述したように、各構造領域内で同一であっても良く、異なっていても良い。
そこで、各構造領域12a1、12a2内において、凹部の深さ又は凸部の高さが同一である場合の視覚効果について説明する。なお、構造領域12a1、12a2が備える構造は凹部であっても良く、凸部であっても良いが、以降、説明を簡略化するために凹凸構造に備えてある構造は凹部であるとする。
今、矩形の凹凸構造に光を入射すると、凹凸構造からは回折光が射出される。このとき、その凹凸構造における屈折率をn、構造の深さをp、入射光の波長をλとする。
入射光の入射角をθとすると、凹凸構造内部では、凹部に入射した光と凹部以外の平坦部に入射した光との間に光路差2pcosθが生じる。ゆえに、凹部に入射した光と凹部以外の平坦部に入射した光の位相差は、4πnpcosθ/λとなる。
ここで、位相差が2πの整数倍であれば、凹部に入射した光と凹部以外の平坦部に入射した光の双方の位相が揃うため、光の干渉によって正反射光が強くなり、回折されて射出する光の強度は弱くなる。
一方、位相差がπの奇数倍の場合、正反射光が弱くなり、回折されて射出する光の強度は強くなる。
すなわち、射出光の回折効率は、凹凸構造の深さp、入射光の入射角θ、入射光の波長λによって異なってくる。つまり、凹凸構造の深さp、入射光の入射角θが同一であっても、入射光の波長λに応じて回折効率は異なる。
ところで、回折格子は構造同士の間隔が一定である一方で、本発明に係る画像表示体では、凹凸構造の構造同士の間隔の値に複数ある。ゆえに、回折格子から射出される回折光は、式1に示すように、その波長により射出角度が大きく異なる一方で、本発明に係る画像表示体から射出される回折光は、何れの波長においても射出角度がある一定の角度範囲を有することとなる。
ゆえに、本発明に係る画像表示体は、太陽光や蛍光灯等の複数の波長成分を含む光を入射すると、何れの波長成分も、その波長に応じたある一定の角度範囲に回折光を射出する。その際、射出する回折光の回折効率は前記したように波長に応じて異なっている。
そのため、本発明に係る画像表示体は、太陽光や蛍光灯等の複数の波長成分を含む光源から光の入射を受けると、観察者がある特定の角度で観察することができる。この際、観察者の観察角度において複数の波長成分の射出光が射出されているとすると、観察者は複数の波長成分の回折光を知覚することとなる。すなわち、観察者が知覚する色は複数の波長成分の光の混色となる。
前記したように、射出する回折光の回折効率は、凹凸構造の深さp、入射光の入射角θによって異なってくる。ここで、本発明に係る画像表示体は、凹凸構造の構造同士の間隔の値は複数あるため、観察者が知覚する色は複数の波長成分の光の混色となっている。ゆえに、観察者が知覚する色は、入射光の入射角や観察者の観察角度に応じて変化するものの、通常の回折格子のように大きく変化せず、緩やかな変化となる。一方、観察者が知覚する色は複数の波長成分の光の混色であるため、波長成分それぞれの回折効率の違いによって観察者が観察する光の波長分布が大きく変化する。
ゆえに、本発明に係る画像表示体では、太陽光や蛍光灯等の複数の波長成分を含む光が入射した状態で観察すると、凹凸構造の深さpに応じた色を知覚することができ、また、入射光や観察の角度を変化させても、回折格子のように大きく色変化することのない視覚効果を得ることができる。
図4は本発明の実施の形態に係る構造領域の凹凸構造が射出する回折光を概略的に示す図である。
構造領域12a(12a1,12a2)はXY平面に平行な面で形成されている。この構造領域12aに入射光ILλが入射するものとする。入射光ILλは、ある単一の波長λから成っており、構造領域12aに対して垂直方向、すなわちZ軸に平行な方向で入射している。
このとき、構造領域12aはY軸に平行な直線状の凹凸構造となっている。そのため、構造領域12aが射出する回折光は、入射光ILλを含みZX平面に平行な面内においてのみ拡がりを持って射出する。射出する回折光DLλは、入射光ILλを含みZX平面に平行な面内においてγλの拡がりを持って射出している。
この図4の例は、射出する回折光DLλは2つの方向に向けて描かれているが、実際には2方向のみに回折光が射出するのではなく、回折光は角度範囲γλの拡がりを持って射出される。
図5は本発明の実施の形態に係る構造領域を断面したときの入射光と回折光の拡がりの両方を含む平面を概略的に説明する断面図である。
図4の例で説明したように、構造領域12aから射出する回折光は、入射光を含みZX平面に平行な面内において拡がりを持って射出する。しかし、図4では、XYZ空間上に概略図で示したものの、入射光と射出光との関係を概略的に示すためには、ZX平面に平行であり、かつ入射光を含む面内における入射光、射出光の振る舞いを示してあれば充分である。
よって、図5は、入射光と回折光の拡がりの両方を含む平面を、構造領域12aの断面と合わせて図示したものである。
しかし、図5に示す入射光ILは、図4とは異なって白色光であり、その入射光ILの波長成分はR、G、Bであるとする。
従って、本発明に係る画像表示体の構造領域12aから射出する回折光は、それぞれある一定の角度範囲を有して射出しており、波長成分Rは角度範囲γrを有する回折光DLrを、波長成分Gは角度範囲γgを有する回折光DLgを、波長成分Bは角度範囲γbを有する回折光DLbを射出している。
そこで、観察者20は、観察方向21から構造領域12a内の凹凸構造を観察したとすると、当該凹凸構造から射出する回折光DLr、DLg、DLbの混色からなる色を知覚することになる。
ここで、例えば、構造領域12a内の凹凸構造の深さがある値のとき、回折光DLr、DLgの回折効率に対して、回折光DLbの回折効率が小さい場合、観察者20が知覚する色はY(イエロー)となる。また、構造領域12a内の凹凸構造が別の深さのとき、回折光DLg、DLbの回折効率に対して回折光DLrの回折効率が小さい場合、観察者20が知覚する色はC(シアン)となる。
このように、凹凸構造の深さを変えることで、観察者20が知覚する色を変えることが可能となる。
ここまでは、構造領域12aの断面形状が矩形形状を例に上げて説明したが、実際には必ずしも矩形である必要はないが、以下の理由から矩形形状の方が好ましい。
すなわち、所望の凹凸構造以外の意図していない凸凹であったり、凹凸構造の平坦部と凹部が滑らかに接続されている場合、凹凸構造の深さに応じて波長ごとの回折効率が異なることによって特定の色を表現する効果が弱くなってしまうためである。ゆえに、凹凸構造の断面形状は矩形形状であることが好ましい。
また、各構造領域12a内の凹凸構造の深さを同一とすることによって、凹凸構造の深さに応じて特定の色を表現する効果をより有効に発現することができる。この場合、1つの構造領域12a全体で、ある単色(実際には、波長毎に回折効率が異なることにより、その結果、ある特定の分光特性を持つ光となることによって色を表現しているが、観察者が知覚するのはある特定の色となるため、単色と表現している)を表現することになる。
よって、構造領域12aごとに凹凸構造の深さを異なるようにすれば、構造領域12aそれぞれが異なる単色を表現することが可能となる。このように構造領域12aごとに異なる色を表現することにより、各構造領域12aが画像の画素に相当することになり、全体として多色の画像を表示することが可能となる。
これまでは、各構造領域12a内の凹凸構造の深さが同一である場合を例に上げて説明してきたが、本発明の凹凸構造の深さは、各構造領域12a内で同一であっても良く、異なっていても良い。
構造領域12内に複数の構造深さがある場合、凹凸構造の深さに応じて特定の色を表現する効果が弱くなる。なぜならば、凹凸構造の深さに応じて特定の波長成分が強く、又は弱くなることによって単色を表現するため、構造深さが複数ある場合には、特定の波長成分を強く、又は弱くすることが困難となるためである。
構造領域12a内に複数の構造深さがある場合、なだらかな波長分布を有する単色、すなわち、白色、灰色等の無彩色を表現することが可能となる。
また、回折効率は、各構造領域12a内に複数の構造深さがある場合、その構造深さが全体的に浅く、又は深く、すなわち、各構造領域12aの構造深さの平均値が小さく、又は大きくなることにより変化する。
ゆえに、凹凸構造から射出される回折光の射出角度範囲が同一である構造領域同士において、構造深さの平均値が異なっていれば、それぞれの構造領域12aを異なる明るさで表現できる。このように、各構造領域12a内に複数の構造深さがある場合、構造領域12aごとに異なる明るさを表現することによって、階調豊かな画像を表示することが可能となる。
次に、各構造領域12a内の凹凸構造での隣接する凹部同士の間隔について説明する。
図6は本発明の実施の形態に係る構造領域を概略的に示す平面図である。なお、同図において、黒色部が凹部14を表しているが、実際には白色部が凹部であってもよい。ここでは、黒色部が凹部14を表すものとし、以降の説明でも同様とする。
図6(a)及び図6(b)は、何れもY軸に平行な直線状の凹部14が複数の間隔の値を有するように配置されている。ゆえに、図6(a)や図6(b)に示す凹凸構造に入射光が入射すると、入射光を含みかつZX平面に平行な面内で拡がりを持つ回折光が射出される。
図7は本発明の実施の形態に係る別の構造領域を概略的に示す平面図である。
図7(a)に示す凹凸構造は、Y軸に平行な直線状の凹部14がランダムな間隔で配置されている。図6(a)及び図6(b)では、全ての凹部14が同一の長さとなっているが、図7(a)に示す凹凸構造における凹部14は隣接する凹部同士の長さが異なっている。
図7(b)に示す凹凸構造は、図6(a)、図6(b)及び図7(a)に示す凹凸構造と比較すると、凹部14の形状の配向性が低い。しかし、各凹部14は概ねY軸に平行な直線状の構造として捉えることができる。
従って、図7(a)及び図7(b)に示す凹凸構造は、Y軸に概ね平行な直線状の凹部14が複数の間隔の値を有して配置されている。よって、これらの凹凸構造も本発明の一実施の形態に含めることができる。
図8、図9は、それぞれ図6、図7に示す平面図をフーリエ変換して得られた図である。
図8(a)は図6(a)を、図8(b)は図6(b)を、図9(a)は図7(a)を、図9(b)は図7(b)をそれぞれフーリエ変換して得られた図である。
ここで、フーリエ変換して得られた図は、光学的には、フーリエ変換前の凹凸構造から射出するフラウンホーファー回折の回折光分布を示している。この点を踏まえると、図6及び図7に示す凹凸構造は、図8及び図9からも明らかなように、いずれも指向性を持った回折光を射出することがわかる。
ところで、図7に示す凹凸構造から射出される回折光は、図8に示すように、何れもX軸方向の指向性を有する分布となっていることがわかる
しかし、図8(a)と図8(b)を比較すると、それぞれ分布の範囲が異なっていることがわかる。
図10は本発明の実施の形態に係る構造領域の凹凸構造が射出する回折光を概略的に示す図である。
図10(a)における構造領域12aaは、X軸に平行な面で形成してあり、Y軸に平行な直線状の凹凸構造から成る。入射光ILλは単一の波長λから成り、構造領域12aaに対して垂直方向、すなわちZ軸に平行な方向で入射している。入射光の波長は単一でも良く、複数でも良いが、ここでは説明を簡略化するために単一の波長とする。
射出する回折光DLλaは、XZ平面においてγλaの拡がりを持って射出している。
図10(a)に示す例では、構造領域12aaから射出する回折光DLλaは4つ描かれているが、実際には4方向のみに回折光が射出するのではなく、γλaの範囲を有して射出している。
ここで、観察者20aは、観察方向21から凹凸構造12aaを観察すると、回折光DLλaを知覚し、波長λに対応する色を観察することが出来る。
また、図10(b)における構造領域12abは、X軸に平行な面で形成してあり、Y軸に平行な直線状の凹凸構造から成る。入射光ILλは、図10(a)と同様に単一の波長λから成っており、構造領域12abに対して垂直方向、すなわちZ軸に平行な方向で入射している。入射光の波長は単一でも良く、複数でも良いが、ここでは説明を簡略化するために単一の波長とする。
射出する回折光DLλbは、XZ平面においてγλbの拡がりを持って射出している。
図10(b)に示す例は、構造領域12abから射出する回折光DLλbは4つ描かれているが、実際には4方向のみに回折光が射出するのではなく、γλbの範囲を有して射出している。
ここで、観察者20bは観察方向21から凹凸構造12abを観察すると、回折光DLλbを知覚することは出来ない。但し、図10(a)及び図10(b)とも、観察方向21が入射光ILλと成す角度は同一であるとする。
つまり、本発明の実施の形態における凹凸構造を観察したとき、入射光の波長分布、入射角度や観察者の観察角度が同一の条件であっても、回折光を観察できる場合と観察できない場合の両方があり得る。要するに、観察者が回折光を観察できるか否かは、それぞれの回折光DLλa、DLλbの射出する範囲γλa、γλbによって決定される。
ここで、回折光の射出範囲は、前述する式1から、回折格子の格子定数dと入射光及び回折光の波長λによって決まることがわかる。
本発明において適用される凹凸構造は、通常の回折格子のような固有のピッチを有しておらず、凹凸構造の間隔は複数の値を有している。言い換えれば、本発明において適用される凹凸構造は、複数の間隔を有しているものと言える。ゆえに、凹凸構造の間隔(以下、ピッチと呼ぶ)が全体的に大きいほど、回折光の射出範囲は入射光の入射角度により近い値となり、全体的に小さいほど、回折光の射出範囲が入射光の入射角と成す角度はより大きくなる。ここで、特にピッチの平均値及び標準偏差は回折光の射出範囲の中心位置や拡がりに寄与するため、重要な因子となることがわかる。
ゆえに、本発明によれば、少なくとも一部の構造領域同士において、各構造領域内の凹凸構造の複数の間隔の平均値及び標準偏差の少なくとも一方を異ならせることにより、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示することができる画像表示体を提供することが可能となる。
また、この画像表示体が表示する色は、前述したように、一般的な回折格子とは大きく異なる視覚効果を有するため、画像表示体としては高い偽造防止効果を有する。
図11は、本発明に係る画像表示体のさらに他の実施の形態を概略的に示す平面図である。
この画像表示体10は、複数の構造領域12a3、12a4と非構造領域12bとを備えている。ここで、それぞれの構造領域12a3、12a4から射出する回折光の射出範囲は異なっており、双方の回折光を同時に観察できる観察条件(入射光の入射角度及び観察者の観察角度)は無いとする。
このとき、観察者は、マトリクス状に配置された複数の構造領域の配置の形状から、ある観察角度においてアルファベットの「P」を観察することができ、また、異なる観察角度においてアルファベットの「I」を観察することができる。
図11に示す例では、例えばアルファベット「P」に着目すると、アルファベット「P」は複数の構造領域12a3で構成されている。しかし、必ずしも構成する全ての構造領域の凹凸構造が同一のパターンである必要は無く、構成する全ての構造領域の凹凸構造からの射出光の射出範囲が同一であればよい。
ゆえに、本発明によれば、個々の画像は、ピッチの平均値及び標準偏差が同一である複数の構造領域で構成されており、かつ、別個の画像同士ではピッチの平均値又は標準偏差の少なくとも一方が異なることにより、異なる画像を表示可能な画像表示体を提供することが可能となる。このとき、各構造領域が画像の画素に相当することで複雑な画像を表示することができる。また、同一の領域において異なる画像を表示することが可能となる。
図12は本発明に係る画像表示体のさらに他の実施形態を概略的に示す平面図である。
この画像表示体10は、構造領域12a5、12a6及び非構造領域12bとを備えている。構造領域12a5、12a6を構成する凹凸構造は、それぞれX軸、Y軸に平行な直線状の構造から成る。ゆえに、例えば、Z軸に平行な向きの入射光が入射した場合、構造領域12a5、12a6から射出する回折光は、それぞれYZ平面、ZX平面に平行な方向へ射出する。
一方、図1に示す画像表示体10の場合、構造領域12a1及び12a2を構成する凹凸構造は、何れもY軸に平行な直線状の構造から成る。ゆえに、Z軸に平行な入射光を入射した場合、構造領域12a1及び12a2から射出する回折光は何れも、ZX平面に平行な方向へ射出する。そのため、複数の構造領域12a1、12a2を用いて別個の画像を表示する場合、それぞれの画像を観察できる角度範囲は何れもある同一の平面上における異なる角度範囲となる。
よって、本発明によれば、少なくとも一部の構造領域同士において、各構造領域に備えてある複数の直線状の凹部又は凸部の方向を異ならせることにより、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示することができる画像表示体を提供することが可能となる。この場合、前述したように、ある平面内において観察角度や画像表示体の向き、入射光の入射角度を変えるのみでなく、例えば画像表示体や入射光の入射角度をXYZ空間における任意の角度とすることによって表示画像を変えることが可能となり、より複雑な視覚効果を有する画像表示体を提供することが可能となる。
本発明に係る凹凸構造のパターンは、例えば計算機ホログラムの手法で設計することができる。計算機ホログラムは、ランダムな位相を有した回折構造を有している。このような構造を採用することにより、回折光の射出範囲をより高精度に制御することが可能となるため、より高品位な画像表示体を提供することが可能となる。
図13は本発明に係る情報媒体の一実施の形態を概略的に示す平面図である。
情報媒体50は、磁気カードであって、基材51を含んでいる。基材51は、例えばプラスチックから成る。基材51には印刷層52と帯状の磁気記録層53とが形成されている。更に、基材51には画像表示体10が偽造防止用又は個人識別用ラベルとして貼り付けられている。
ここで、この情報媒体50は画像表示体10を含んでいる。ゆえに、この情報媒体の偽造又は模造は困難である。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
さらに、上記実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
10…画像表示体、11…光透過層、12a、12a1、12a2、12a3、12a4、12a5、12a6、12aa、12ab…構造領域、12b…非構造領域、13…光反射層、14…凹部、20、20a、20b…観察者、21…観察方向、22a、22b、22c、22d…フーリエ変換画像、50…情報媒体、51…基材、52…印刷層、
53…磁気記録層、α…入射角、β…射出角、βr…波長成分Rの回折光の射出角、βg…波長成分Gの回折光の射出角、βb…波長成分Bの回折光の射出角、γλ、γλa、γλb…回折光の射出角の範囲、d…凹凸構造の間隔、DLr…波長成分Rの回折光、DLg…波長成分Gの回折光、DLb…波長成分Bの回折光、DLλ、DLλa、DLλb…波長λの回折光、GR…回折格子、IL…入射光、ILλ…単一の波長λからなる入射光、LS…光源、NL…法線、r…回折格子の高さ、RL…0次回折光。

Claims (9)

  1. 光透過層と、この光透過層の一方の面上に設けられ、方向の揃った複数の直線状の凹部又は凸部からなる凹凸構造を有する複数の構造領域と、この複数の構造領域の少なくとも一部に設けられた光反射層とを備え、
    前記凹部の底面又は凸部の上面に前記光透過層面と略平行であり、
    前記複数の直線状の凹部又は凸部における隣接する凹部間又は凸部間は複数の間隔を有し、
    少なくとも一部の構造領域同士において、
    前記各構造領域内の凹凸構造の複数の間隔の平均値及び標準偏差の少なくとも一方を異ならせて、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示可能にすることを特徴とする画像表示体。
  2. 前記各構造領域内の少なくとも一部において、
    前記凹凸構造の凸部の高さ又は凹部の深さを異ならせることにより、入射光に対して強弱をもった色の複数の回折光を射出することを特徴とする請求項1に記載の画像表示体。
  3. 少なくとも一部の前記構造領域同士において、
    前記凹凸構造の凸部の高さ又は凹部の深さの前記各構造領域における平均値が異ならせることで、入射光に対して異なる明るさ(階調)をもった回折光を射出することを特徴とする請求項2に記載の画像表示体。
  4. 前記各構造領域内における前記凹凸構造を形成する凸部の高さ又は凹部の深さを同一にすることで、特定の色を表現する回折光を射出することを特徴とする請求項1に記載の画像表示体。
  5. 少なくとも一部の前記構造領域同士において、
    前記凹凸構造の凸部の高さ又は凹部の深さが異なることを特徴とする請求項4に記載の画像表示体。
  6. 少なくとも一部の前記構造領域同士において、
    前記各構造領域に備えてある複数の直線状の凹部又は凸部の方向を異ならせて、観察角度又は入射光の入射角度を変えることで異なる画像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の画像表示体。
  7. 前記複数の直線状の凹部又は凸部は計算機ホログラムとしての複数の溝又は筋であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の画像表示体。
  8. 前記複数の構造領域の配置形状によって表示される画像が複数存在する場合、
    個々の画像は、前記凹凸構造の間隔の平均値及び標準偏差が同一である前記複数の構造領域で構成し、
    別個の画像同士では、前記複数の構造領域を構成する凹凸構造の間隔の平均値又は標準偏差の少なくとも一方を異ならせることにより、
    異なる画像を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の画像表示体
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載された構成の画像表示体と、この画像表示体が一部の領域に支持される物品とを具備したことを特徴とする情報媒体。
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