JP5316231B2 - 表示体及び情報印刷物 - Google Patents

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本発明は、偽造防止機能を備えた表示体及びこれを用いた情報印刷物に関するものである。
近年、商品券や小切手等の有価証券類やクレジットカードやキャッシュカード、IDカード等のカード類、パスポートや免許証等の証明書類の偽造防止を目的として、通常の印刷物とは異なる視覚効果をもつ表示体を転写箔やステッカー等の形態にして、前記証券類やカードなどの証明書類の表面に貼付、圧着するなどして設けることが行われている。また、有価証券類や証明書類以外の物品においても偽造品の流通が社会問題化しており、そのような物品についても同様の偽造防止技術を適用する機会が多くなってきている。
偽造防止技術としては、マイクロ文字、特殊発光インキ、すかし、回折格子、ホログラムなどがある。この偽造防止技術は大きく二つに分けることができる。一つは、簡易な機器や測定装置などを使用して真偽を判別する偽造対策である。もう一つは、肉眼で容易に真偽判定が可能な偽造対策である(例えば、特許文献1、2参照)。後者の偽造対策は器具などを必要としないため、どこでも誰でも真偽判定が可能であり、特に多く用いられている。
ホログラムや回折格子は、微細な凹凸部からなるレリーフ構造により回折光を制御することによって、光沢やカラーシフト(色変化)、立体的な像を形成している。これらの物品を作製するには、高度な技術と装置が必要となるため、偽造や模造が困難であった。
しかし、近年ではブランド品などの偽造品対策で使われるホログラムは、ホログラム自体を偽造する技術が高度化し、従来から使用されていた技術によるホログラムは、比較的容易に偽造や模造が可能となり、偽造防止効果としての機能が弱くなっている。そこで、従来の技術とは明確に差別化でき、偽造・模造が困難な表示体及びこれを用いた情報印刷物が開発されている。
特開2005−518956号公報 特開2007−223100号公報
本発明は、上記のような点に鑑みなされたもので、従来の技術とは明確に差別化できるとともに目視による判定を容易かつ確実にでき、かつ偽造・模造が困難な表示体及びこれを用いた情報印刷物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、偽造防止機能を備えた表示体であって、一方の面を光入射及び光射出面とする光透過性の基材と、前記基材の前記一方の面と反対の面の一部に回折用の凹部及び凸部の何れか一方または両方を予め決められたピッチで配列形成され、かつ前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが予め決められ、低反射性及び低散乱性を有するレリーフ構造部と、前記反対の面で前記レリーフ構造部の全部または一部の表面、及び前記レリーフ構造部を除く前記反対の面に形成された、金属層からなる複素屈折率の光反射層とを備え、前記基材は、光を散乱する散乱性領域と光を散乱しない非散乱性領域とが混在し、前記一方の面の鉛直方向からから照明光を入射して前記基材を前記一方の面の鉛直方向から観察した場合に前記レリーフ構造を有する前記基材の前記散乱性領域が白く見えるように、かつ前記レリーフ構造の低反射性及び低散乱性と前記光反射層の複素屈折率による入射光の吸収作用によって前記レリーフ構造を有する前記基材の前記非散乱性領域が黒く見えように構成され、前記一方の面に対し所定の角度で斜め上方から照明光を入射して前記凹部及び凸部からの回折光が視認できる方向から前記一方の面を観察した場合に、前記レリーフ構造が視認されるように構成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の表示体において、前記入射光の散乱性は、前記基材の内部に該基材を構成する物質と異なる屈折率の微粒子を分散することで発揮されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の表示体において、前記微粒子は気泡、アルミニウム、銀、金、クロム、銅、ニッケルの何れか1つまたはこれらを複数混合したものであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3記載の表示体において、前記微粒子の大きさが10μm以上100μm以下であり、前記微粒子の含有量が前記基材の体積の5%以上40%以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4に何れか記載の表示体において、前記凹部同士または凸部同士または凹部と凸部のピッチが200nm以上400nm以下であり、前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが200nm以上450nm以下であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至4に何れか1項記載の表示体において、前記レリーフ構造部は前記凹部及び凸部の何れか一方または両方を前記反対の面に沿い一定のピッチでマトリクス状に配列することで構成されることを特徴とする。
請求項7の発明は、情報印刷物であって、印刷物基材と、前記印刷物基材の表面の少なくとも一部の領域に設けられた請求項1乃至6記載の表示体を備えることを特徴とする。
本発明の表示体によれば、基材が入射光を散乱させる機能を有するので、レリーフ構造領域又はレリーフ構造のない領域に光を入射させた場合、入射光は散乱性の基材によって散乱され、表示体を白く表現することが可能になる。これにより、従来の技術とは明確に差別化できるとともに目視による判定を容易かつ確実にでき、かつ偽造・模造を困難にする。
また、本発明の表示体によれば、基材と異なる屈折率の気泡やアルミニウム等の微粒子を基材内に混入することで基材に光散乱性を持たせているため、微粒子の大きさや含有量を可変させることによって、レリーフ構造領域またはレリーフ構造のない領域に光を入射させた時の入射光の散乱具合を制御することが可能となり、しかも、微粒子の含有量を徐々に多くすることによって諧調などを表現することができる。
本発明の表示体によれば、レリーフ構造を構成する凹部同士または凸部同士または凹部と凸部のピッチを200nm乃至350nmの範囲に設定することにより、凹部及び凸部の何れか一方または両方の周期構造による回折光は表示体の正面方向すなわち基材の光入射面に鉛直な方向に発生せず、基材の光入射面に鉛直な方向に対して大きな角度の方向に回折光が射出するので、基材の光入射面に鉛直な方向から大きく傾けて観察したときのみ、回折光による絵柄、文字、記号等を表示することが可能になる。
また、凹部同士または凸部同士または凹部と凸部のピッチが200nm乃至350nmの範囲にある場合には、可視光の赤は回折光として生じず、緑や青だけを表示することが可能になる。また、350nm乃至400nmの範囲にある場合では、赤、緑、青が回折される。したがって、凹部同士または凸部同士または凹部と凸部のピッチが異なる領域を設けることにより、射出する回折光が変化することで真偽判定ができる。
また、本発明によれば、表示体をステッカー、転写箔などの媒体とし、情報印刷物などに容易に添付することが可能で、添付した情報印刷物の偽造防止効果の向上、真偽判定の容易さを向上させることができる。
本発明にかかる表示体の一例を示す概略平面図である。 図1のA−Aに沿う表示体の概略断面図である。 本発明の表示体を構成する基材の気泡のない領域に照明光を入射させた場合を示す説明図である。 本発明の表示体を構成する基材の気泡のない領域に所定の角度から表示体を照明した場合の光の状態を示す説明図である。 本発明の表示体を構成する基材の気泡のない領域に照明光を入射させた場合を示す説明図である。 本発明の表示体を構成する基材の気泡のない領域に所定の角度から表示体を照明した場合の光の状態を示す説明図である。 本発明にかかる表示体の他の例を示す説明用平面図である。 図7のB−Bに沿う表示体の概略断面図である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明の実施の形態1について図1乃至図6を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施の形態1に示す表示体10は、図1及び図2に示すように、一方の面12aを光入射及び光射出面とする一定厚さの平板状の光透過性の基材12を備え、この基材12の一方の面12aと反対の面12bの一部には、目視による真偽の判別を可能にする複数のレリーフ構造部11が形成されている。
レリーフ構造部11は、観察する角度により明度及び彩度の低い色の表示と回折光射出の2つの機能を選択的に実現させるもので、図2に示すように、基材12の反対の面12bから基材12の厚さ方向に凹状の円錐形状を呈する凹部11aを反対の面12bに沿い予め決められたピッチPでマトリクス状に配列し形成することにより構成される。また、各凹部11aの反対の面12bからの深さがHである。
基材12は、光を散乱するための気泡を含有しない非散乱性領域12cと光を散乱するための気泡15を含有する散乱性領域12dで構成されている。このような基材12は、例えば光透過性のフィルムにグラビア印刷で気泡を含有した樹脂と含有していない樹脂を2回にわけて塗工することにより作製する。また、基材12の反対の面12bで、レリーフ構造部11の表面及びレリーフ構造部11を除く反対の面12bである平坦領域13には光反射層14が形成されている。この光反射層14は、一方の面12aから入射し凹部11aの界面及び非レリーフ構造部である平坦領域13の界面を透過した照明光を一方の面12a側へ反射させるためのものである。
基材12は1つの層から構成されても良いし、複数の層から構成されていても良い。
また、基材12を構成する材料も特に指定するものではなく、可視光において光を透過すればよく、透明樹脂などの材料を使用することができる。例えば、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂を使用し、金型を用いた転写により凹部11aを形成できる。
光反射層14は、例えばアルミニウム、銀、金等の金属材料からなる金属層からなり、これら金属層は基材12に対して屈折率が異なる誘電体層を一層ないし複数層設けるのが高い反射率が得られるので好適である。また、それら金属層は、蒸着やスパッタリング等の薄膜形成技術により形成することができる。
図3は、レリーフ構造部11のない領域またはレリーフ構造部11を有する領域で、基材12の非散乱性領域12cの一方の面12aの鉛直方向から入射される照明光の反射光を示したもので、基材12の非散乱性領域12cに、その一方の面12aに対し鉛直方向から照明光17が入射された場合、照明光17は基材12中を直進し、レリーフ構造のない平坦領域13に達して光反射層14で正反射され、正反射光18として一方の面12aから射出される。また、基材12の非散乱性領域12cに入射した入射光は同様に基材12中を直進し、レリーフ構造部11に達する。レリーフ構造部11は、低反射性、低散乱性であるため、入射した照明光19は光反射層14に進入する。したがって、レリーフ構造部11の下層に金属などの複素屈折率の大きな物質(反射層14)を設けると入射光はその層に吸収されるため、基材12の光入射面である一方の面12a側に光が戻ってくることはない。そのため、従来のホログラムや回折格子では表現することができなかった黒さを表現することができる。
図4は、レリーフ構造部11がある基材12の非散乱性領域12cの一方の面12aに対し所定の角度から入射される照明光20を回折して所定の位置へ射出する回折光21を示したもので、レリーフ構造部11を有しない平坦領域13で、基材12の非散乱性領域12cの光入射面12aに対し所定の角度から入射した照明光20は、正反射して光入射面12a側へ反射光18として射出する。
ここで「所定の角度」とは、照明光からの光が表示体10の光入射面である基材12の一方の面12aに向け斜め上方から急な角度を持っていることを意味する。また「所定の位置」とは観察者が回折光を観察できる位置を意味する。
図5は、レリーフ構造部11のない領域またはレリーフ構造部11を有する領域で、基材12の散乱性領域12dの光入射面である一方の面12aの鉛直方向から入射される照明光の散乱を示したもので、基材12の散乱性領域12dでは入射光17は気泡によって散乱されるため、表示体10は白く表現される。また、レリーフ構造部11を有する領域で、基材12の散乱性領域12dの光入射面である一方の面12aの鉛直方向から入射される照明光17も同様に散乱される。したがって、散乱光23が観察されるため、表示体は白く表現される。
図6は、レリーフ構造部11のない領域またはレリーフ構造部11を有する領域で、基材12の散乱性領域12dの光入射面である一方の面12aから所定の角度で入射される照明光の回折を示したもので、基材12の散乱性領域12dでは入射光20は散乱されるため、非レリーフ構造領域である平坦領域13に達する光は、基材12の非散乱性領域12cに入射した場合に比較して少なく、反射光より散乱光23を強く観察することができる。また、レリーフ構造部11に所定の角度で照明光20が入射されると、所定の位置にて回折光21を観察することができる。
本実施の形態1における代表的な回折光は、1次回折光であり、1次回折光の射出角βは、数式[1]から算出することができる。
Figure 0005316231
この数式[1]において、dは凹部同士(または凸部同士)間の距離、すなわちピッチを表し、λは入射光及び回折光の波長を表している。また、αは入射角を表している。
数式[1]から明らかなように、1次回折光の射出角βは、波長λに応じて変化する。すなわち、凹部(または凸部)からなるレリーフ構造部11は、分光器としての機能を有している。したがって、照明光が白色光である場合、凹部からなるレリーフ構造11の領域の観察角度を変化させると、観察者が知覚する色が変化する。
本実施の形態1に示す表示体10によれば、レリーフ構造部11を構成する凹部11a同士間のピッチが200nm乃至350nmの範囲である。可視波長400〜700nmの範囲において、少なくとも赤色成分の回折光が凹部(または凸部)からなるレリーフ構造部11において観察されることがなくなる。
上記数式[1]において、350nmのピッチでは、基材12の光入射面である一方の面12aに対して89°の照明光の場合、700nmの波長の光が89°方向へ回折することになるので、実質的に赤色光については、あらゆる照明条件下で十分な強度の回折光が凹部11a(または凸部)から表示体の正面方向に発生することがなくなる。
一方、200nmのピッチでは、基材12の光入射面である一方の面12aに対して89°の照明光の場合、400nmの波長の光が89°方向へ回折することになるので、青色光が回折される下限であることが分かる。
従って、凹部11aのピッチが200nm乃至350nmの範囲に設定することにより、深い角度の照明光に対して、同様に深い角度から赤色以外の回折光を観察することができる。また、それ以外の条件では、回折光が発生せず、一般的な観察条件下では回折光が認識されることはない。
凹部の最適な深さ差において、情報記録体を表面から見たときの黒さを表現するには少なくとも200nm以上で深いほど望ましいが、500nmを超えると樹脂の成形が難しく適さない。よって、凹部の深さ(または凸部の高さ)は200nm乃至400nm程度が望ましい。
また、レリーフ構造部11を構成する凹部(または凸部)は断面がテーパー状の形状であることが望ましい。レリーフ構造部は凹凸構造が形成された原版から、電鋳等の方法により金属製のスタンパーを作製し、この金属製スタンパーを母型として透明基材上に熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂を塗布し、金属製スタンパーを密着させ、熱や光を与え樹脂を硬化させることで複製を行うため、凹凸構造の断面がテーパー状であるほうが原版と樹脂との離型性が高く量産性に優れている。
基材11に含まれるに気泡15の大きさは、100μm以下であり、気泡の含有量は基材の体積の5%乃至40%である。気泡が100μm以上であると気泡により、レリーフ構造の成形不良が多くなる。また、気泡の含有量が5%以下であると基材による散乱を得ることが難しい。気泡が40%以上を含有している場合には、レリーフ構造の成形不良が多くなることや散乱が強くなり、回折光に寄与する入射光が弱くなってしまうため、回折光の観察が困難となる。
上記のようにそれぞれのレリーフ構造部11を有する領域またはレリーフ構造部のない領域、すなわち平坦領域13と基材12の非散乱性領域12c及び散乱性領域12dにより、表示体を鉛直方向から観察した場合には、黒さと白さを表現することが可能である。よって、白と黒を用いることで新しい視覚的光学効果を持つ表示体を作製可能である。
また、表示体10をステッカー、転写箔などの媒体とし、情報印刷物などに容易に添付することで、添付した情報印刷物の偽造防止効果の向上、真偽判定の容易さを向上させることができる。
(実施の形態2)
図7に示す表示体10は、レリーフ構造部11を有する領域とレリーフ構造部11を有しない平坦領域13で構成されている。上記レリーフ構造部11を構成する凹部11aは凹状の円錐形状であり、この凹部(または凸部)が平面方向にマトリックス状に配列することで構成される。
また、図7及び図8において、基材12の散乱性領域24aには、この散乱性領域24aにおける基材12の体積の30%の気泡15が含有しており、気泡15の大きさは10μmである。また、基材12の非散乱性領域24cには気泡が含まれておらず、基材12の散乱性領域24bには、この散乱性領域24aにおける基材12の体積の5%の気泡15が含有しており、気泡の大きさは10μmである。
表示体10の光入射面である一方の面12aの鉛直方向から照明光を基材12の非散乱性領域24cに照らし、表示体10の正面から観察すると、レリーフ構造部11では低反射、低散乱構造であるため黒く見え、レリーフ構造部を有しない平坦領域13では低反射構造でないため、光反射層14による正反射が観察でき明るく見える。また、所定の角度で表示体10を照明し、所定の位置で観察すると、レリーフ構造部では回折光が見える。しかし、レリーフ構造のない平坦領域13では回折光は観察することはできない。
表示体10の光入射面である一方の面12aの鉛直方向から照明光を基材12の散乱性領域24aに照らした場合には、気泡15によって照明光が散乱されるため、表示体10を正面から観察すると白く見える。また、所定の角度で表示体10を照明し所定の位置で観察すると、レリーフ構造部11では回折光が見える。レリーフ構造のない平坦領域13では回折光は観察できない。また、基材12の散乱性領域24bに表示体10の光入射面である一方の面12aの鉛直方向から照明光を入射させると基材12の散乱性領域24bの気泡15の含有量が少ないため散乱性領域24aに比べ、表示体は黒く観察される。
上記と同様に所定の角度で表示体10を照明し、所定の位置で観察すると、レリーフ構造部の領域では回折光が見える。レリーフ構造のない平坦領域13では回折光は観察できない。つまり、正面から表示体を観察すると、基材12の散乱性領域24a、24bは、散乱光が観察され白く見え、レリーフ構造11を有する基材12の非散乱性領域24cでは低反射性、低散乱性及び光反射層によって入射光は吸収されるため黒く見える。また、所定の角度から照明光を入射させると、レリーフ構造部11では、回折光が射出されるため「T」「●」「P」を所定の位置から視認することが可能である。
このような表示体をステッカー、転写箔などの媒体とし、情報印刷物などに容易に添付することが可能で、添付した情報印刷物の偽造防止効果の向上、真偽判定の容易さを向上させることが可能である。
なお、上記の実施の形態では、表示体10のレリーフ構造部11を凹部11aで構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、基材12の一方の面12aと反対の面12bに凹部及び凸部の何れか一方または両方を予め決められたピッチで配列形成するようにしてもよい。
また、レリーフ構造部を構成する凹部は凹状の円錐形状のものに限らず、凹状の円柱状、截頭円錐柱状、四角錐柱状、半楕円柱状を呈するもの、またはこれら形状のものを組合わせた形状のもの、またはこれらを変形させた形状を有していてもよい。また、レリーフ構造部を構成する凸部は、凸状の円柱状、截頭円錐柱状、四角錐柱状、半楕円柱状を呈するもの、またはこれら形状のものを組合わせた形状のもの、またはこれらを変形させた形状を有していてもよい。
10…表示体1、11…レリーフ構造領域、12…基材、12a…光入射及び光射出面である一方の面、12b…反対の面、12c…散乱性領域、12d…非散乱性領域、13…非レリーフ構造部である平坦領域、14…光反射層、15…気泡、17…照明光(鉛直)、18…正反射光、20…照明光(所定の角度)、21…回折光、23…散乱光、24a…散乱性領域(気泡30%含有)、24b…散乱性領域(気泡5%含有)、24c…非散乱性領域。

Claims (7)

  1. 一方の面を光入射及び光射出面とする光透過性の基材と、
    前記基材の前記一方の面と反対の面の一部に回折用の凹部及び凸部の何れか一方または両方を予め決められたピッチで配列形成され、かつ前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが予め決められ、低反射性及び低散乱性を有するレリーフ構造部と、
    前記反対の面で前記レリーフ構造部の全部または一部の表面、及び前記レリーフ構造部を除く前記反対の面に形成された、金属層からなる複素屈折率の光反射層とを備え、
    前記基材は、光を散乱する散乱性領域と光を散乱しない非散乱性領域とが混在し、
    前記一方の面の鉛直方向からから照明光を入射して前記基材を前記一方の面の鉛直方向から観察した場合に前記レリーフ構造を有する前記基材の前記散乱性領域が白く見えるように、かつ前記レリーフ構造の低反射性及び低散乱性と前記光反射層の複素屈折率による入射光の吸収作用によって前記レリーフ構造を有する前記基材の前記非散乱性領域が黒く見えように構成され、
    前記一方の面に対し所定の角度で斜め上方から照明光を入射して前記凹部及び凸部からの回折光が視認できる方向から前記一方の面を観察した場合に、前記レリーフ構造が視認されるように構成されている、
    ことを特徴とする表示体。
  2. 前記光の散乱性は、前記基材の内部に該基材を構成する物質と異なる屈折率の微粒子を分散することで発揮されることを特徴とする請求項1記載の表示体。
  3. 前記微粒子は気泡、アルミニウム、銀、金、クロム、銅、ニッケルの何れか1つまたはこれらを複数混合したものであることを特徴とする請求項2記載の表示体。
  4. 前記微粒子の大きさが10μm以上100μm以下であり、前記微粒子の含有量が前記基材の体積の5%以上40%以下であることを特徴とする請求項2または3記載の表示体。
  5. 前記凹部同士または凸部同士または凹部と凸部のピッチが200nm以上400nm以下であり、かつ前記凹部の深さまたは前記凸部の高さが200nm以上450nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の表示体。
  6. 前記レリーフ構造部は前記凹部及び凸部の何れか一方または両方を一定のピッチでマトリクス状に配列することで構成されることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の表示体。
  7. 印刷物基材と、
    前記印刷物基材の表面の少なくとも一部の領域に設けられた請求項1乃至6記載の表示体を備える、
    ことを特徴とする情報印刷物。
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