JP5790174B2 - 偽造防止媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、セキュリティ(偽造防止)の用途に用いられる偽造防止媒体に関するものである。
回折格子又はホログラムによって構成されるパターンは、通常の印刷技術では表現することのできない指向性のある光沢を有することから、装飾用途や偽造防止を目的としたセキュリティを必要とする商品に広く用いられている。
他の偽造防止技術に比べ、回折格子技術の利点としては、判別用の機器類を使わずに真偽判定が容易にできる機能、目視で判別できるいわゆるオバート機能を持つことや、製造にあたってEB描画装置やナノインプリント技術等の高価で高度な技術が必要で、容易に模造品ができないこと、媒体の総厚が薄いこと、回折光による独特の輝きがあり、意匠性に優れることといった点をあげることができる。
しかし、最近、各国の紙幣を偽造しようとする偽造団においては、従来の回折格子技術で製造されたものと近いものが作製できるようになってきた。そこで、回折格子の中でも高精細化したものが提案されている(特許文献1)。
この文献では2次元の回折格子かつ通常の回折格子に対して2倍以上の細かさを有するものが提案されている。この高精細な回折格子は通常のホログラム製造工程よりもはるかに難しく、ナノインプリントの技法を取り入れなければ達成できないものである。
この高精細な回折格子の視認性特徴は、従来の回折格子とは全く異なり、正面方向(大部分の視域)では黒色を示し、対象物の水平方向に近い角度(法線方向に対し深い角度)で回折光が射出する。このような新しい構造物は新しい光学効果を有し、オバート効果も高い。
特開2008−107470号公報
判別用の機器である検証器具の必要のない、オバート効果のある新規セキュリティデバイスを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材フィルム上に、剥離層と、ノングレア層と、反射型位相差層と、接着層と、をこの順に積層し、前記反射型位相差層はエンボス層と前記エンボス層上に積層された反射層からなり、前記エンボス層は空間周波数2000本/mm以上4000本/mm以下、深さが30nm以上250nm以下からなる第一の周期凹凸構造体により直線偏光性と位相差特性を備え、前記直線偏光性に対し前記位相差特性の方が強く発現し、前記ノングレア層が前記剥離層上の一部領域にパターン状に形成され、オバート機能を備えることを特徴とする偽造防止媒体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記基材フィルムのパターン部上に前記反射型位相差層を、非パターン部上に回折格子形成層を備え前記回折格子形成層は、空間周波数500本/mm以上1800本/mm以下、深さが100nm以上200nm以下からなる第二の周期凹凸構造体が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体である。
また、請求項3に記載の発明は、前記ノングレア層に酸化チタン微粒子が樹脂分に対し0.5〜5.0重量%含まれていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の偽造防止媒体である。
空間周波数2000〜4000本/mmかつ深さが30nm以上250nm以下の範囲の該凹凸構造体に反射膜が被覆された表示体は、空間周波数が高いため回折光があまり射出しないが、他に正反射付近で有色化し、光の入射方向で色が変化することがわかってきた。この有色化する範囲は、回折光などのように狭い角度範囲でなく、比較的広い範囲で観測できる。
この有色化は、回折光ではなく位相差による有色化であり、複屈折を有する物質をクロスニコル条件で観察すると様々な色が見える現象と原理は類似している。なお、このような現象の詳細な理論解析は不明であるが、該凹凸構造体が直線偏光性と位相差特性とを有しているために、観測されるのではないかと思われる。
一方、この構造体の有色化する範囲は正反射付近が強く観測されるので、光の映り込みが眩しいために、ノングレア層を具備することで光の映り込みを低減でき、該構造体の色をはっきりと認識できるようになる。
前記ノングレア層と基材フィルムの間には、剥離層があり、前記ノングレア層は部分的に形成させることによって、転写箔の剥離性が安定化することと、ノングレア層は上記構造体に対しては有色化した際の認識向上に役立つ。
一般的な回折格子パターンは、回折光が見え易い角度、すなわち良く輝く角度に射出されており、視認性及び意匠性が良い500〜1800本/mmが、一般的に良く使用される。この時の最適な深さ(回折効率が高い)は100〜200nmであり、そのような回折光で表現しようとする表示体は、散乱成分によって回折光がわからなくなるので、ノングレア層を設けることは不適合である。
本発明の空間周波数2000〜4000本/mm、深さが30nm以上250nm以下の周期凹凸構造体と、空間周波数500〜1800本/mm、深さ100〜200nmの一般的な回折格子パターンとでは、構造が異なるだけでなく、ノングレア層を設けたときの効果も大きく異なる。
よって、上記の本発明の構造体と一般的な回折格子パターンとが含まれる表示体では、本発明の上記構造体の部分のみ、ノングレア層が具備され、一般的な回折格子パターンの側には具備されないことが好ましい。よって、本発明によれば、前記構造体の色彩も一般
的な回折光パターンも両方とも良く認識することが可能となる。
酸化チタンは無機物の中でも屈折率が高いため、0.5重量%以上添加で光の映り込みを低減することができる。一方、5.0重量%を超えて添加してしまうと酸化チタンによる遮蔽が顕著になるため、表示体の色やパターンも認識しにくいものになる。なお、転写箔は、箔切れ性に影響するため、通常、層膜厚は限られ0.5μm〜5.0μmの範囲である。本発明のように前記ノングレア層に酸化チタン微粒子が樹脂分に対し0.5〜5.0重量%含まれていることで前記構造体の特徴的な色彩を観察可能となる。
本発明の実施例を示した平面概念図である。 本発明の実施例を示した平面概念図である図1におけるII−IIの断面概念図である。 本発明の実施例を示した平面概念図である図1におけるIII−IIIの断面概念図である。 図1の光源、視点を変えた場合の見え方を示した概念図である。 図1の光源、視点を変えた場合の見え方を示した概念図である。 本発明の構造体を説明した概念図である。 図1に示す表示体の第1界面部に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視概念図である。 図1に示す表示体の第1界面部に採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視概念図である。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る表示体を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す表示体10のII−II線に沿った断面図であり、図3は、図1に示す表示体10のIII−III線に沿った断面図である。
この表示体10は、基材19及び剥離層6、ノングレア層1、エンボス層2、反射層3、アンカー層4、接着層5を含んだ積層体である。エンボス層2と金属反射層3との界面は、第1領域DP1に対応する第1界面部のパターン12aと、第2領域DP2に対応する第2界面部のパターン12b、第3領域DP3に対応する第3界面部のパターン12cとを含んでいる。後述するように、第1界面部のパターン12a及び第2界面部12bには、本発明の周期凹凸構造が設けられ、第3界面部のパターン12cには一般の回折格子パターンが設けられている。
次に各層に適用可能な材料及び組成について述べる。基材19は、透明な材料が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、セロファンフィルムといった基材が使用可能である。なお、少しマット調である方が、基材19と剥離層6との間から剥離した際に、剥離層表面が少しマット調となるため、光の映り込みが少なく、表示良好なものとなる。
剥離層6としては、前記基材19から剥離性を有し、複屈折を持たないような材料が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、
酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルスチレン共重合体、塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどの熱可塑性樹脂やポリイミド、ポリアミド、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、エポキシウレタン、シリコン、エポキシ、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、及び紫外線又は電子線硬化樹脂として、各種アクリルモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマー、アクリル基やメタクリル基等を有するアクリルやエポキシ及びセルロース系樹脂などの反応性ポリマーが使用可能である。
ノングレア層1に使用する樹脂系としては剥離層6と同じものが使用可能であり、また、散乱成分として高屈折率材料(酸化チタンや硫化亜鉛、酸化亜鉛)や低屈折率材料(フッ化物)を混ぜ合わせることで作製可能である。中でも酸化チタン微粒子が分散性や散乱性が高く好適である。酸化チタンの添加量は、0.5重量%以上添加で光の映り込みを低減することができる。一方、2.0重量%を超えて添加してしまうと酸化チタンによる遮蔽が顕著になるため、表示体の色やパターンも認識しにくいものになる。なお、転写箔は、箔切れ性に影響するため、通常、層膜厚は限られ0.5μm〜5.0μmの範囲である。本発明のように前記ノングレア層に酸化チタン微粒子が樹脂分に対し0.5〜2.0重量%含まれていることで好適なノングレアとして機能する。
反射層3としては、例えば、アルミニウム、銀、錫、クロム、ニッケル、銅、金及びそれらの合金などの金属材料からなる金属層、又は、酸化チタン、硫化亜鉛などの高屈折材料反射層又は高屈折及び低屈折材料からなる層を多層形成した多層膜反射層を使用することができる。そして、真空製膜法を利用してこの薄膜を形成することができる。真空製膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用でき、厚みは、1〜100nm程度に制御できればよい。
エンボス層2に用いる材料としては、例えば、光透過性を有する樹脂を使用することができる。光透過性を有する樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネイト、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルスチレン共重合体、塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどの熱可塑性樹脂やポリイミド、ポリアミド、ポリエステルウレタン、アクリルウレタン、エポキシウレタン、シリコン、エポキシ、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、及び紫外線又は電子線硬化樹脂として、各種アクリルモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマー、アクリル基やメタクリル基等を有するアクリルやエポキシ及びセルロース系樹脂などの反応性ポリマーが使用可能である。また、例えば、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂を使用すると、原版を用いた転写により、一方の主面に凹凸構造が設けられたエンボス層2を容易に形成することができる。
アンカー層4は、反射層との密着に優れる透明な材料であれば良く、例えば、塩酢ビ樹脂、オレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などをあげることができる。
接着層6としては、公知のヒートシール性接着剤又は粘着剤を使用できる。例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、塩酢ビ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などがあげられる。
図7、図8は、図1に示す表示体の第1界面部のパターン12a、第2界面部のパターン12bに採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図である。第1界面部のパターン1
2a、第2界面部パターン12bには、第1界面部のパターンの構造形状(複数の溝)14aを配置してなる周期凹凸構造が設けられている。第1界面部のパターンの構造形状(溝14a)の周期凹凸の空間周波数2000〜4000本/mmであり、該周期状凹凸構造体の深さが30nm以上250nm以下の範囲であるにあり、より最適な範囲としては周期凹凸の空間周波数2500〜3500本/mmであり、該周期凹凸構造体の深さが50nm以上150nm以下の範囲である。
空間周波数が2000本/mmよりも低い場合や深さが30nm未満の場合、偏光特性が弱いためか色彩が弱い、一方、空間周波数が4000本/mmを超えたり、深さが250nmを超えたりすると偏光特性は強いが位相差特性が悪いためか、黒ずんで色彩色が良くない。なお、本発明では、偏光特性や位相差特性は透過光や回折光ではなく、反射光(正反射光)の効果を論じている。なお、本発明の周期凹凸構造の場合、水平線に近い角度に回折光が射出するが、一般に表示体を観察する際には非常に見にくい。
このようなエンボスするための周期凹凸構造の原版は、各種レジストが塗布してある基材にエレクトロンビームによる描画法又は、レーザーによる2光束干渉法によって、レジスト版が作製され、ニッケル薄膜を蒸着法で施した後に、ニッケル電鋳によって、ニッケル型として準備することができる。
次に表示体10の極めて特殊な視覚効果(偽造防止効果)及びその効果の原理について説明する。表示体10は、観察する方向によって、色が変化することが特徴である。例えば、図4のようにX軸上で照明及び観察した際には、第1界面部25では緑色を示し、第2界面部26では赤色を示す。一方、図5のようにY軸上に照明及び観察した際には、第1界面部27では赤色を示し、第2界面部28では緑色を示す。ここでは緑と赤色の変化の例を示したが、凹凸構造の周期や深さを変えることで、黄と赤色変化や青と緑変化なども可能である。
図7、図8は、図1に示す表示体の第1界面部のパターン12a、第2界面部のパターン12bに採用可能な構造の一例を拡大して示す斜視図である。第1界面部のパターン12a、第2界面部のパターン12bには、第1界面部のパターンの構造形状(複数の溝)14aを配置してなる1次元の周期凹凸構造が設けられている1次元格子である(1次元格子とは1方向のみという意味で、例えばX軸のみに溝があり、2次元格子とは、XY軸に溝あり溝が交差している格子を指す)。第1界面部のパターンの構造形状(溝)14aの凹凸構造の周期は、2000〜4000本/mm範囲内にあり、より最適な範囲としては2500〜3500本/mmの範囲内にある。
次に本発明の周期凹凸構造と比較的に構造が近似している光学部材について説明する。いわゆるワイヤーグリッド型偏光子は、100nm乃至150nmが最適の周期で、その周期性構造の山又は谷のどちらかのみに金属膜を形成すること偏光効果が発現する。そのワイヤーグリッド型偏光子の特徴は、1方向の振動の光を反射し、一方、その垂直方向の振動の光を透過する偏光子である。
しかし、反射型偏光子としての効果だけならば、200nm乃至500nmの範囲の周期性格子で、かつ格子深さが250nm以上であり、その格子の表面全面に金属膜若しくは高屈折率材料で被覆されている場合でも発現する。その原理はワイヤーグリッドと異なり、1方向の振動の光は、構造に吸収又は回折に利用されて反射されず、一方、その垂直方向の振動の光はよく反射することで反射型偏光子として作用する。
一方、構造型位相差板は、透過型のものしか公知にはなっておらず、凹凸構造によって透過観察時に位相差性能を出現する構造型透過位相差板であり、その構造は250nm乃
至500nm程度の周期構造を持ち、格子深さを1000nm以上としなければならない。これはアスペクト比(深さ/周期)が大きすぎるため、この位相差板を作製することは非常に難しい。よって、半分の深さ(500nm)の格子を2層重ねることで実現しようという試みがされている。
一方、本発明は、凹凸構造によって反射観察時に位相差性能を出現する構造型反射位相差板であり、250nm乃至500nmの範囲の周期凹凸構造でかつ、格子深さが30nm乃至250nmの時に、全面に反射膜若しくは高屈折材料で被覆されているとき、位相差特性が発現する。
さらに好ましくは300nm以上400nm以下の周期であって、50nm以上200nm以下の格子深さの時に反射膜で全面覆われた際に優れた位相差特性となる。格子深さが30nm未満では位相差特性が弱く、250nmよりも大きいときには位相差特性よりも偏光特性が強くなり本発明の期待する効果が発現できなくなる。なお、本発明では、周期凹凸構造は反射膜若しくは高屈折材料で覆われかつ、1.4から1.6程度の屈折率を有する樹脂で充填されていることから、本発明の位相差特性を有する構造仕様の範囲は、空気(屈折率1.0)での説明ではない。
ここで、位相差値は、凹凸構造の周期や深さ、光の入射角度や各光の波長によって異なってくるため、その構造若しくは入射角度によって、表示体が様々な色に見える。しかし、この構造体の有色化する範囲は正反射付近が強く観測されるので、光の映り込みが眩しいために、観察しにくい。本発明では、この構造体にノングレア層1を具備することで光の映り込みを低減でき、該構造体の色をはっきりと認識できるようにしたものである。
第1界面部のパターン12a及び第2界面部のパターン12bには前記の範囲内の周期性である1次元の凹凸構造が配置され、第1界面部のパターン12aと第2界面部のパターン12bにおける格子線の方向は異なって配置され、最適な格子線のなす角度は凡そ90度である。このように表示体の中で領域を2つ以上に別けて、各々格子方向を90度異なるようにすれば、異なる視覚効果が近隣にあり、角度変化時の色変化が認識されやすく、かつ製造も難しくなることから偽造防止効果の向上も期待できる。
上述した表示体10は、例えば、偽造防止媒体としてストライプ転写箔、スポット転写箔などに使用することができる。表示体10は、構造が非常に細かく、偽造又は模造が困難であるため、この表示体10を物品に支持させた場合、偽造又は模造も困難である。また、この表示体10は上述した視覚効果を有しているため、真正品であるかが不明の物品を真正品と非真正品との間で判別することも容易である。
以下本発明を実施例により、さらに詳しく説明する。
厚み12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製E5202)からなる基材19上に、アクリル系剥離インキ(東洋インキ製造製K275ワニス)をグラビア印刷法でドライ膜厚1.0μm厚となるように印刷し、剥離層6を形成した。続いて、上記アクリル系剥離インキに酸化チタン微粒子をインキの固形分に対して1.0重量%になるように処方し、分散してノングレアインキを用意した。このインキを所定のパターンでグラビア印刷し、ノングレア層1を形成した。
エンボス層2インキ組成:
アクリルポリオール(東洋インキ製造製K448ワニス) 100重量部イソシアネート(東洋インキ製造製UR100B) 6重量部
からなるインキをグラビア印刷法でドライ膜厚1.0μmとなるように印刷し、周期凹凸構造を形成するエンボス層2を形成した。
続いて、1次元の周期350nmの周期凹凸構造をに2箇所以上有し、格子深さが100nmである光制御パターンが形成されているニッケル製スタンパーを準備し、そのニッケル製スタンパーが装着されたシリンダーロールで熱圧エンボスすることで光制御フィルムを連続して得た。
次いで、前記光制御パターン形成面へ真空蒸着法によって反射層3として厚さ500Åのアルミニウム蒸着層を形成させた。次に下記の接着剤をドライ膜厚3μm厚で塗布して接着層5を設け、プラスチックカードと貼り合わせした。
接着剤組成:
ポリエステルウレタン(東洋モートン製TM595) 85重量部イソシアネート(東洋モートン製AD−52) 15重量部50℃6日、エージング後にポリエステルフィルムを剥がし、所定抜き型にて、抜き取り、偽造防止媒体を得た。
この偽造防止媒体の角度を変え、回転させることで、赤色又は青色に表示が変化するため、従来の表示体と異なり、真偽判定が容易である。本発明を使用すれば、検証器具が必要のなく、光の入射方向によって色変化する新規セキュリティデバイスを提供することが可能となる。
1・・・ノングレア層
2・・・エンボス層
3・・・反射層
4・・・アンカー層
5・・・接着層
6・・・剥離層
7・・・入射光
8・・・直線偏光
9・・・直線偏光(8と90度角度が異なる)
10・・・表示体
12a・・・第1界面部のパターン
12b・・・第2界面部のパターン
12c・・・第3界面部のパターン
13・・・偏光子の光軸方向
14a・・・第1界面部のパターンの構造形状
14b・・・第2界面部のパターンの構造形状
15・・・アルミ蒸着膜
16・・・凹凸構造体
17・・・法線
18・・・表示体
19・・・基材
23・・・照明
24・・・観察者
25・・・第1界面部
26・・・第2界面部
27・・・第1界面部
28・・・第2界面部
29・・・第3界面部
DP1・・・第1領域
DP2・・・第2領域
DP3・・・第3領域

Claims (3)

  1. 基材フィルム上に、
    剥離層と、
    ノングレア層と、
    反射型位相差層と、
    接着層と、
    をこの順に積層し、
    前記反射型位相差層はエンボス層と前記エンボス層上に積層された反射層からなり、
    前記エンボス層は空間周波数2000本/mm以上4000本/mm以下、深さが30nm以上250nm以下からなる第一の周期凹凸構造体により直線偏光性と位相差特性を備え、
    前記直線偏光性に対し前記位相差特性の方が強く発現し、
    前記ノングレア層が前記剥離層上の一部領域にパターン状に形成され、
    オバート機能を備えることを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 前記基材フィルムのパターン部上に前記反射型位相差層を、非パターン部上に回折格子形成層を備え
    前記回折格子形成層は、空間周波数500本/mm以上1800本/mm以下、深さが100nm以上200nm以下からなる第二の周期凹凸構造体が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
  3. 前記ノングレア層に酸化チタン微粒子が樹脂分に対し0.5〜5.0重量%含まれていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の偽造防止媒体。
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