JP6434422B2 - 周期的偏光ナノ構造によって表されるデータを読み取る方法 - Google Patents

周期的偏光ナノ構造によって表されるデータを読み取る方法 Download PDF

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Description

本発明は、マーキングによって表されたデータを読み取るため、たとえば、識別、偽造防止、または認証目的のためのデータの読取りのための方法および装置に関する。
表面マーキングを使用して、認証または偽造防止目的のために使用され得るデータを表すことが知られている。そのような認証または偽造防止対策は、高価な商品、容易にコピーされ得る商品、または品質、コンテンツ、もしくは出所が特に重要な商品、たとえば、マイクロチップ、半導体デバイス、回路板、薬剤包装、メモリデバイス、または記録された音楽、画像、ビデオ、もしくはテキストコンテンツに関して特に重要であり得る。
認証または偽造防止目的の表面マーキングが、たとえば特殊な知識または装備なしでは、複製するのが難しいことは好都合であり得る。また、実際にマーキングが適用される製品が従い得る異なる条件の範囲において、そのようなマーキングがロバストであることが重要であり得る。
表面との超高速レーザパルス相互作用は、レーザ誘起周期的表面構造(Laser Induced Periodic Surface Structure:LIPSS)と一般に称される周期的表面構造の形成をもたらすことができることが知られている。ルビーレーザからの光によって損傷を受けた種々の半導体の表面上に出現する「平行直線の規則的システム(regular system of parallel straight lines)」の効果が、非特許文献1に開示されている。それ以降、これらの構造は、連続波からピコ秒のレーザのいずれかを使用して生成されているが、最も一般的にはフェムト秒レーザを使用する。
特許文献1には、物体またはドキュメントの識別、追跡可能性、または認証のために、LIPSS構造の形態の周期的ナノ構造を使用してデータを表すことが提案されている。特許文献1では、データはLIPSS構造の配向によって表され、配向は、構造を形成するために使用されるレーザ放射の偏光を制御することによって制御される。構造に光を照射し、構造から受け取られた結果の光の色を決定することによって、データが読み取られ、LIPSS構造から受け取られた光の色は、回折効果によるLIPSS構造の配向に依存する。カメラのような画像取込みデバイスが、LIPSS構造によりマーキングされた表面の画像を取り込むために使用されることができ、データが処理されて、現在の色、および色によって表されるデータ値を決定することができる。
LIPSS構造で表面をマーキングすることによる表面の色の制御はまた、非特許文献2、非特許文献3、および非特許文献4において説明されている。
特許文献2には、ピットまたはマーク配向および幅が変動するマルチレベル配向されたナノ構造として構成されたピットまたはマークからなる表面を有するディスク形状にされた光データ/情報記憶および検索媒体の光学的読出しのための偏光検出システムが説明されている。
多くのマーキングの用途では、実際にマーキングの精密な読取りを確実にするために、使用中のマーキングのロバストネスおよび劣化の防止が重要であり得る。表面色の検出は、表面の劣化に敏感であり、表面上の擦り傷、汚れ、または他の付着物の増大が、計測される色を変化させる可能性がある。
国際公開第2009/090324号パンフレット 米国特許出願公開第2007/0206480号明細書 同時係属出願「Measurement Scale」 欧州特許第0207121号明細書 国際公開第2012/038707号パンフレット
"Semiconductor surface damage produced by ruby lasers", Birnbaum, Milton, Journal of Applied Physics, 1965, Vols. 36, 3688 Ahsan et al, Applied Surface Science, 257 (2011), 7771−7777, 2011 Dusser et al, Laser Applications in Microelectronics and Optoelectronic Manufacturing VII, Proc. of SPIE, Vol. 7201, 2009 Dusser et al, Optics Express 2913, Vol. 18, No. 3, 1 February 2010 Spectral and polarization responses of femtosecond laser−induced period surface structures on metals, A.Y. Vorobyev, Chunlei Guo, Journal of Applied Physics, 2008, Vol 103, 043513
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの周期的ナノ構造を含むマーキングによって表されたデータを読み取る方法が提供され、マーキングは、周期的ナノ構造の偏光特性を使用してデータを表し、方法は、ナノ構造から反射されたまたはナノ構造によって透過された偏光された電磁放射を検出することと、検出された偏光された電磁放射から、マーキングによって表されたデータを決定することとを含む。検出することは、偏光感知可能検出器装置を使用して行われ、および/または、方法は、偏光された電磁放射をナノ構造へ照射することをさらに含む。
周期的ナノ構造から反射された電磁放射の偏光を決定することによってデータを読み取ることは、そのような周期的ナノ構造によってエンコードされたデータを読み取る特にロバストな手段を提供することができる。実際的な環境において発生し得る表面上の汚れの存在、表面の損傷または他の劣化は、反射された信号の強度または他の特性を変え得るが、検出器は、依然として、ロバストな様式で直交偏光状態間を区別可能であり得る。
そのナノ構造または各ナノ構造は、複数の実質的に平行なラインを含むことができる。
偏光特性は、偏光の優先方向を含むことができる。偏光特性は、周期的ナノ構造の配向を含むことができる。
そのナノ構造または各ナノ構造は、レーザ誘起周期的表面構造(LIPSS)を含むことができる。
その周期的ナノ構造または各周期的ナノ構造は、複数の実質的に平行なラインを含むことができる。
複数の実質的に平行なラインは、ラインの伸びに対して直角な方向において、1m未満、任意選択により10nmから1μmの間隔で規則的に離間され得る。任意選択により、間隔は、200nmから800nmの範囲にあってよく、さらに任意選択により400nmから650nmの範囲にあってよい。ナノ構造の周期は、直接可視化または回折技法以外の用途でナノ構造を読み取るために使用される光の波長より小さくされ得る。
照射された電磁放射は、周期的ナノ構造の周期より大きい波長で最大強度を有することができる。
ナノ構造から反射されたまたはナノ構造によって透過された偏光された電磁放射の検出ことは、第1の偏光の電磁放射を表す第1の信号を検出することと、第2の異なる偏光の電磁放射を表す第2の信号を検出することと、第1の信号と第2の信号との間の差を決定することとを含むことができる。
偏光感知可能検出器装置は、偏光感知可能検出器の少なくとも1つのペアを含むことができ、ペアの第1の検出器は、ペアの第2の検出器とは異なる偏光に対して最大感度を有し、各検出器は、検出された電磁放射を表すそれぞれの出力信号を提供するように構成される、
方法は、そのペアまたは各ペアの検出器について、第1の検出器および第2の検出器を使用して得られた出力信号の差を決定することを含んでよい。
第1の検出器は、第1の偏光に対して最大感度を有してよく、第2の検出器は、第2の実質的に直交する偏光に対して最大感度を有してよい。
偏光感知可能検出器装置は、動作に際して、第1の検出器および第2の検出器が、順次にまたは実質的に同時に、同じナノ構造から電磁放射を検出するように構成され得る。
照射された電磁放射は、偏光された電磁放射を含むことができ、ナノ構造への電磁放射の照射ことは、異なる偏光の電磁放射を順にナノ構造へ照射することを含む。
照射された電磁放射は、偏光された電磁放射を含むことができ、方法は、実質的非偏光感知可能検出器装置を使用して、ナノ構造から反射または透過された電磁放射を検出することを含むことができる。
マーキングは、複数のナノ構造を含むことができる。各ナノ構造は、ナノ構造の偏光特性を使用してそれぞれのデータ値を表し、方法は、検出された偏光された電磁放射からデータ値を決定することを含むことができる。
マーキングは、高価な物品に対するマーキング、およびロバストな追跡可能性を要するアイテムに対するマーキングの少なくとも一方であり得る。マーキングは、マイクロチップ、半導体デバイス、回路板、薬剤包装、メモリデバイス、または記録された音楽、画像、ビデオ、もしくはテキストコンテンツ担体、医療インプラントもしくは他の医療デバイス、航空機部品、芸術作品、宝石、または他の工芸品のうちの少なくとも1つに対するマーキングである。
データは、コード、シリアル番号、製造者、製造の日付、時間、または場所、記録または修正、認証マークのうちの少なくとも1つを表すことができる。
少なくとも1つのマーキングは、測定スケールデバイス上の少なくとも1つのマーキングを含むことができ、方法は、検出された偏光された電磁放射から決定されたデータから位置を決定することができる。
少なくとも1つのスケールマーキングは、スケールマーキングの系列の部分を形成するスケールマーキングを含むことができる。系列の他のスケールマーキングは、少なくとも1つのナノ構造を含んでも含まなくてもよい。
少なくとも1つのマーキングは、スケールマーキングの第1の系列を形成する複数のスケールマーキングを含むことができ、測定スケールは、スケールマーキングの第2の系列をさらに含むことができ、方法は、スケールマーキングの第1の系列とスケールマーキングの第2の系列との両方から測定スケール上の位置を決定することを含むことができる。
スケールマーキングの第1の系列とスケールマーキングの第2の系列とは、重ね合わされる、および/または測定の共通軸を共有することができる。
スケールマーキングの第1の系列は、アブソリュートスケールマーキングおよび増分スケールマーキングのうちの一方を含むことができ、スケールマーキングの第2の系列は、アブソリュートスケールマーキングおよび増分スケールマーキングのうちの他方を含むことができ、方法は、スケールマーキングの第1の系列およびスケールマーキングの第2の系列を読み取ることを含むことができる。
本発明のさらなる独立した態様では、少なくとも1つの周期的ナノ構造を含むマーキングによって表されたデータを読み取るための装置が提供され、マーキングは、周期的ナノ構造の偏光特性を使用してデータを表し、装置は、ナノ構造から反射されたまたはナノ構造によって透過された偏光された電磁放射を検出するための検出器装置と、検出された偏光された電磁放射から、マーキングによって表されたデータを決定するように構成された処理リソースとを備える。装置は、偏光された電磁放射をナノ構造へ照射するように構成された電磁放射の源をさらに備え、および/または、検出器装置が、偏光感知可能検出器装置を含む。
本発明のさらなる独立した態様では、少なくとも1つの周期的ナノ構造を含むマーキングを有する物体(object)が提供され、マーキングは、周期的ナノ構造の偏光特性を使用してデータを表しナノ構造から反射されたまたはナノ構造によって透過された偏光された電磁放射を検出するための検出器装置によって読取り可能である。
物体は、マイクロチップ、半導体デバイス、回路板、薬剤包装、メモリデバイス、(記録された音楽、画像、ビデオ、もしくはテキスト用の)コンテンツ担体、医療インプラントもしくは他の医療デバイス、航空機部品、芸術作品、宝石のアイテム、または他の工芸品など、高価な物品およびロバストな追跡可能性を要するアイテムのうちの少なくとも1つであり得る。
前述のように、データは、コード、シリアル番号、製造者、製造の日付、時間、または場所、記録または修正、および認証マークのうちの少なくとも1つを表すことができる。
物体は、マーキングが測定スケールデバイス上のスケールマーキングである、測定スケールデバイスであり得る。
スケールマーキングは、スケールマーキングの系列の部分を形成してよい。系列の他のスケールマーキングは、少なくとも1つのナノ構造を含んでも含まなくてもよい。
測定スケールデバイスは、スケールマーキングの第2の系列をさらに含むことができ、方法は、スケールマーキングの第1の系列とスケールマーキングの第2の系列との両方から測定スケール上の位置を決定することを含むことができる。
スケールマーキングの第1の系列とスケールマーキングの第2の系列とは、重ね合わされる、および/または測定の共通軸を共有することができる。
スケールマーキングの第1の系列は、アブソリュートスケールマーキングおよびインクリメンタルスケールマーキングのうちの一方を含むことができ、スケールマーキングの第2の系列は、アブソリュートスケールマーキングおよびインクリメンタルスケールマーキングのうちの他方を含むことができ、方法は、スケールマーキングの第1の系列およびスケールマーキングの第2の系列を読み取ることを含むことができる。
また、添付の図面を参照して本明細書で説明されるような方法および装置も実質的に提供される。
本発明の一態様における任意の特徴は、任意の適切な組み合わせで本発明の他の態様に適用され得る。たとえば、装置の特徴が方法の特徴として適用されてよく、逆も同様である。
次に、本発明の実施形態が非限定的例によって説明され、以下の図に示される。
実施形態に従う、1または複数のナノ構造を読み取るための装置の概略図である。 図1の装置のさらなる概略図である。 図1の装置のさらなる概略図である。 図1の装置を使用して読み出すことのできるマーキングの概略図である。 1または複数のナノ構造を含むマーキングの読取りを概略的に示すフローチャートである。 他の実施形態に従う、1または複数のナノ構造を含むマーキングの読み取る装置の概略図である。 測定スケールを形成するためのシステムの図である。 図1または図6の装置を使用して読み取り可能なさらなるマーキングの図である。 ナノ構造のラインの配向が位置とともに変化する周期的ナノ構造を含むマーキングの図である。 周期的ナノ構造を含むマーキングを含む測定スケールの図である。 図1のスケールの拡大された部分の図である。 スケールマーキングの系列を含むスケール、および基準マークのペアを含むスケールの図である。 さらなるスケールマーキングの系列および基準マークのペアの図である。 さらなる実施形態に従う、1または複数のナノ構造を含むマーキングを読み取るための装置の概略図である。 1のナノ構造のアレイを含むマーキングの概略図である。
複数のナノ構造を含むマーキングのための装置の概略図が図1に示されている。図1は、物体2の部分、この場合、その表面上にマーキングを含む集積回路板の部分を示す。装置は、光源22を備える読取りヘッド20を備える。
図2は、読取りヘッド20をより詳細に示す概略図である。読取りヘッドは、4つのLEDの形態の光源22、および2つの平行アレイの偏光検出器24a、24bを備える。検出器は、直交偏光を検出するための差動ペアとして配置される。図2では、第1の平行アレイの偏光検出器24aは、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8としてラベル付けされた16個の検出器を備える。第2の平行アレイの偏光検出器24bは、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、a8、b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8としてラベル付けされたさらなる16個の検出器を備える。
偏光感知可能な光検出器が、差動ペアとして配置されることができ、ペアの各一方がその相手に対する光の直交偏光に対して敏感である。この方法によって、共通モード信号の除去により偏光測定の小さい差を確実に測定することが可能である。ペアは、偏光の場またはストリームの検出のためにアレイに配置されてもよい。
図2の実施形態では、検出器アレイ24aの各検出器は、検出器アレイ24bの対応する検出器とペアにされて検出器ペアを形成する。図4の実施形態では、検出器A1とa1、A2とa2、B1とb1、B1とb2などが検出器ペアを形成する。
検出器の各ペアの各検出器(たとえば検出器Aおよびa)は、検出器上に置かれた偏向されたフィルム26a、26bによって、偏光された光に敏感にされる。ペアの第1の検出器(たとえばA1)は、第1の偏光方向(この場合、測定軸に対して+45度)に敏感にされ、ペアの第2の検出器(たとえばa1)は、第2の直交偏光方向(この場合、測定軸に対して−45度)に敏感にされる。
図3は、物体2に隣接した読取り位置の読取りヘッドを側面から示す、さらなる簡略化された概略図である。読取りヘッドは、各検出器ペアのためのI−V変換器28a、28bのペアを含む。各I−V変換器28a、28bは、検出器ペアの検出器の対応する1つの出力に接続される。各I−V変換器28a、28bの出力は差動増幅器30に接続され、差動増幅器30はプロセッサ32に接続され、プロセッサ32は、検出された信号を処理するための処理リソースを提供する。
図4は、物体2の表面上に形成され、かつ図1の装置を使用して読み取れることが可能なナノ構造を含む、マーキング4の概略図である。マーキング4は、測定の軸10に沿って配置された偏光フィーチャ12を含む。
この場合、マーキング4は、複数の偏光フィーチャを含み、データは、偏光フィーチャの偏光特性を使用して表される。図4のマーキングの場合、各偏光フィーチャが、周期的ナノ構造、この場合、レーザ誘起周期的表面構造(LIPSS)を含み、これらは、ラインの伸びに直角の方向の周期的間隔を有する複数の実質的に平行のラインを含む。LIPSSナノ構造の形成は以下により詳細に説明される。図4のマーキング4の場合、ナノ構造の周期的間隔は600nmであるが、他の実施形態では任意の他の適切な周期が選ばれてよい。
図4では、LIPSSの各領域は、陰付けされたエリアとして描かれ、影付けの方向は、実質的に平行のラインの配向を示す。LIPSSの各領域は、別個の偏光フィーチャであるとされ得る。図4の実施形態では、LIPSSの領域は、測定の軸に対して−45度または+45度のいずれかで配置される実質的に平行のラインを含み、図において左(L)または右(R)配向されていると呼ばれる。この実施形態では、LIPSSの領域は空間的に分離される。あるいは、それらは、重なり合っても連接してもよい。隣接したLIPSS領域の間の距離は、インクリメンタル周期またはクロック周期と呼ばれる。
LIPSSの各領域は、2進数字を表すために使用される。LIPSS領域のラインの各配向(たとえば、+45度および−45度)は、2進状態の1つを表す。複数のLIPSS領域は、各マーキングを形成するように配置される。各マーキングは、離散2進コードワードを表すことができる。
LIPSSなどの周期的マイクロ構造は、マイクロ構造に照射される偏光された光の反射または吸収に弁別的に影響する、または構造に照射される非偏光の光の反射または透過から生じる光の偏光を引き起こす。
提示された実験結果(たとえば、非特許文献5参照)は、表面構造のラインに平行または直角にアライメントされた偏光された光が、どのように異なる反射率となるかを示す。800nm(光学エンコーダでしばしば使用される波長)でその図から数を挙げると、偏光されていない光は、処理されていない表面から95%の反射率となることを示す。これは、LIPSSの出現後は77%に低減される。表面構造のラインに平行にアライメントされた偏光された光の反射率は71%であり、これに対し、表面構造のラインに直角にアライメントされた光に関しては87%である。
表面ナノ構造の異なる配向を有する領域の光反射率の差は、適切な検出器を使用して検出され得る。図4のマーキングを読み取るために、+45度偏光フィーチャと−45度偏光フィーチャを区別する必要がある。これらのフィーチャは、それらが光の異なる偏光を異なるように反射することによって区別され得るが、これはそれほど強い効果でないことがある。したがって、図2および図3に示されているような差動ペアの検出器が使用されることがあり、両方の偏光からの信号が、信号の共通モード成分を除去するために組み合わされ得る。
次に、図4のマーキングの読取りが、図5に示されるフローチャートを参照して説明される。
プロセッサ40の第1の段で、光源22からの光が物体2の表面へ照射され、物体2の表面から反射される。この場合、物体2は、複数の偏光フィーチャから光が反射されるように位置付けられ、偏光フィーチャのそれぞれ1つからの光は、検出器ペアの対応する1つの検出器によって受け取られるようにされる。
次の段42で、反射された光は、2つの検出器アレイ24a、24bの検出器によって検出される。アレイの一方24aの検出器は、測定の軸に対して+45度で偏光された光を選択的に検出し、検出器アレイの他方24bの検出器は、−45度で偏光された光を選択的に検出する。
段44で、各検出器からの結果の信号は、それぞれのI−V変換器28a、28bによって電圧に変換される。次いで、各検出器ペアに関する2つの変換された信号は、そのペアに対する差動増幅器30に入力され、差動増幅器30は、検出器信号の(DC成分を含む)共通モード成分が除去されている差信号を出力する。結果の信号は、プロセッサ32によって受け取られ、プロセッサ32は、信号を処理して、その検出器ペアが反射された信号を受け取った偏光フィーチャが測定の軸に対して+45度または−45度で配向されたラインを有したかどうか、したがって、それが2進コードで0または1を表したかどうかを決定する。
検出器アレイ24a、24bは、7個の検出器ペアを含み、各々が、それぞれの偏光フィーチャから反射された光を検出し、プロセッサ32は、読取りヘッド20の所与の位置について、マーキングの最大7個の偏光フィーチャに関して、配向および結果として関連付けられた2進コード値を決定することができる。
次いで、読取りヘッド20が新しい位置に移動され、段40から46が繰り返される。マーキングに沿った位置の系列に対して段40から46の読取りプロセスを繰り返すことによって、マーキングによって表されたデータが蓄積され得る。
図4のマーキングの場合、マーキングによって表されたデータは、マーキングが形成された集積回路板のシリアル番号および製造者を表すコードを構成する。データが読み取られた後、この場合の集積回路板が真正であるか偽物もしくは不正なコピーであるかを決定するために、コードは、製造者に関する知られているコードと比較され得る。
ナノ構造から反射された電磁放射の偏光を決定することによってデータを読み取ることは、データを読み取る特にロバストな手段を提供することができる。実際的な環境において発生し得る表面上の汚れの存在または表面の他の劣化もしくは損傷は、反射された信号の強度または他の特性を変え得るが、差動検出器は、依然として、ロバストな様式で直交偏光状態間を区別することができる。
図4の実施形態では、物体2上のマーキングは、集積回路板上のセキュリティマーキングである。代替的実施形態では、マーキングは、任意の適切なタイプのデータを表すことができ、任意の適切な物体に適用され得る。
たとえば、特定の代替的実施形態では、マーキングは、マイクロチップ、半導体デバイス、回路板、薬剤包装、メモリデバイス、または記録された音楽、画像、ビデオ、もしくはテキストコンテンツ担体、医療インプラントもしくは他の医療デバイス、航空機部品、芸術作品、宝石、または他の工芸品のうちの少なくとも1つに対するマーキングである。
ナノ構造マーキングは、たとえば、使用中の摩耗または損傷を受けることがある物体に適用され得る。ナノ構造マーキングは、ロバストであることが可能であり、いくつかの場合、物体それ自体に対する損傷に十分によく耐えて読取り可能なままであり得る。たとえば、航空機部品の場合、ナノ構造マーキングは航空機の墜落に耐える可能性があり、墜落の残骸の中に存在する航空機部品の識別を可能にして、墜落調査の助けとなることがある。
特定の代替的実施形態におけるデータは、コード、シリアル番号、製造者、製造の日付、時間、もしくは場所、記録もしくは修正、または認証マークのうちの少なくとも1つを表す。
図1から3の装置の検出器は検出器を偏光検知可能にするための偏光フィルムを含むが、代替的実施形態では、光の直交偏光に対して異なる感度を有する検出器が、任意の適切な方法によって、たとえば、ブルースター効果、ワイヤグリッド、または直接表面構造化を使用して偏光フィルタを適合させることによって作成され得る。2つの同一の読取りチップが、偏光ビームスプリッタの2つの面に取り付けられることができ、2つの読取りチップからの出力が比較されることができる。
偏光フィルタは、偏光配向をブロックする際に光の良好な減衰をもたらすことができる一般的な廉価な部品であるが、プラスチックバージョンは感湿性を有する可能性があり、ガラスバージョンは切断するのが難しい可能性がある。検出器または検出器の前の光学要素を配向して、ブルースター効果を利用して1つの偏光配向の通路を支持することが可能である。
あるいは、精巧な金属グリッドが、検出器表面に適用されたフォトレジストに書き込むために電子ビームを使用して検出器上に直接形成され得る。これらの格子は、光の波長の何分の1かであり、したがって、電子ビームが、この空間分解能での書込みのために必要である。次いで、金属層の堆積および過剰レジストの除去が、偏光された光の特定の配向の透過を支持する精巧なグリッドまたは格子を形成することができる。この方法は、検出器製造で使用される半導体作製方法によく適合する。
代替的実施形態では、LIPSSそれら自体が、格子の表面上で使用されてよく、ワイヤグリッドのように無視できる厚さである。グリッドおよびLIPSSは、好まれない偏光配向の大きな減衰をもたらさず、したがって、高度な信号弁別のために差動検出が推奨される。
特定の実施形態では、周期的構造が、検出器の表面上に直接形成されることができ、それにより、入射光の直交偏光の差動吸収を実現する。
図1から図3の装置は、非偏光電磁放射の源、および偏光感知可能検出器を備える。代替的実施形態では、電磁放射の源は、偏光された電磁放射を提供するように構成され、1または複数の検出器は、偏光検知可能ではない。図6には、1つのそのような実施形態が示されており、それは、物体2の表面上のマーキング4によって表されたデータを読み取るための読取りヘッド50を示す。
読取りヘッド50は、光源52aおよび52b、ならびに、物体2の表面の画像を取り込むように配置されたCCD画像センサの形態の検出器54を備える。この場合、光源52aおよび52bは、マーキング4を構成する周期的ナノ構造の周期600nmよりも長い700nmから900nmの範囲の波長の光によって表面を照射するように動作可能である。この場合の検出器54は、いかなる偏光素子も含まないが、光源52aおよび52bは、偏光ビームスプリッタを含み、一方の光路は、第1の光源52aについて第1の偏光、この場合は+45°を選択するように動作可能であり、他方の光路は、第2の光源52bについて第2の直交偏光、この場合は−45°を選択するように動作可能である。
読取りヘッド50は、光源からの光を選択的に偏光フィルタの一方または他方を介して物体2の表面に向けて送るように動作可能であるコントローラ56を含む。動作に際して、コントローラ56は、+45度および−45度の偏光の光が表面に交互に照射されるように、光源を制御し、偏光ごとに、表面の画像が検出器54を使用して取り込まれる。照射された偏光ごとに、照射された光の偏光と配向が一致するマーキングを形成するそれらのナノ構造が、照射された光の偏光と配向が一致しないそれらのナノ構造よりも強く、照射された光を最もしっかりと反射する。したがって、異なる配向のナノ構造の位置は、検出器54によって取り込まれた画像における明帯および暗帯の外観によって区別され得る。コントローラ56は、取り込まれた画像を処理し、取り込まれた画像におけるより明るいエリアおよびより暗いエリアの存在から、異なる配向のナノ構造の配列を自動的に決定するように構成される。
偏光されていない検出器54は、第1の偏光の光によって照明され、次いで第2の偏光の光によって照明されたとき、反射された光を検出するように使用される。検出された信号は、上述のように差分様式で比較され得る。
偏光光源および/または偏光感知可能検出器の任意の他の適切な配置が、マーキングのナノ構造の配向を決定するために使用され得る。検出器は、ナノ構造から透過または反射された光を受け取るように配置され得る。
代替的実施形態における読取りヘッドが図14に概略的に示されており、図14では同様の特徴が同様の参照番号を使用して参照される。この場合、マーキングのナノ構造は3つ以上の異なる偏光配向を有し、源52aおよび52bは異なる配向で読取りヘッドのまわりに配置されて、3つ以上の異なる偏光の光が、物体2上のナノ構造に順次に照射されることを可能にする。集束光学素子72が、反射された光を検出器54上に集束させるために提供される。
前述のように、図4のマーキングの偏光フィーチャはLIPSS構造である。そのようなLIPSS構造は、測定スケール上のスケールデバイス情報を表すために特に有用であり、それらは、表面へのレーザパルスの照射によってロバストかつ精密な様式で形成され得ることが分かっている。LIPSSは、比較的大きなエリア(単体の検出器のエリア、たとえば、照射に適する幅たとえば3mmを有するビット発生方向において10μmより大きい)上で、レーザパルス、任意選択で超高速レーザパルスによって形成されてよい。
図7は、マーキングの各周期的ナノ構造がLIPSSの領域を含む図4のマーキングのようなマーキングを形成するためのシステムを示す。
システムは、マーキングが形成されるべき基板2(この場合、物体)が実装される梁(beam)60を備える。システムはまた、書込みヘッド70を備えるキャリッジ66と、キャリッジ66の書込みヘッドに光路64によってリンクされたレーザユニット62と、コントローラ68とを備える。レーザユニット62は、LIPSS構造の形成のための超高速レーザを含む。
動作に際して、レーザユニット62からのレーザ放射は、光路64を経由して書込みヘッドに供給され、書込みヘッド70は、レーザ放射を基板2上の位置へ向ける。コントローラ68は、梁60に対するキャリッジの位置を制御し、レーザユニットの動作を制御し、それにより、選択された特徴のレーザ放射を、基板2上の任意の選択された位置に照射する。
LIPSS構造を作成するために、材料表面が、適切なパルス長、形状およびフルーエンスの偏光レーザパルス(たとえば、ラインに収束した表面のアブレーション閾値に近いフルーエンスの超高速パルス)にさらされる。表面構造のラインは、レーザ光の偏光に直交するようにみえ、したがって、書込みレーザビームの偏光の回転が、スケール表面上の2進ビットの形成を促進する。ラインの周期は、表面材料、およびレーザの波長の特徴を示す。
図7の実施形態では、超高速パルスレーザユニット62が、キャリッジ66の1または複数の移動の間に使用されて、測定の軸に対して+45度で配向されたLIPSSの領域を形成し、したがって、すべての正の2進状態を書き込む。キャリッジ66の次の移動において、超高速レーザの偏光が、−90度だけ(測定の軸に対して−45度に)回転され、スケール上に負のデータ領域を書き込む。
図7の実施形態におけるLIPSS構造を作成するために使用されるレーザは、アブレーション閾値近く(単一パルス書込みのためのアブレーション閾値のすぐ上、マルチパルス書込みのためのアブレーション閾値のすぐ上またはすぐ下)のエネルギーを有する、超高速レーザである。パルスの連続が表面に照射される。各パルスは、4mm幅および10μm長のフィーチャを作り出すように成形され、基板は、レーザ繰返し率、影響される表面の幅、および要求されるパルスの数によって決定される速度で、レーザに対して移動される。あるいは、(たとえば直径10μmの)レーザビームが、所望される幅を有する周期的ナノ構造を得るためにラスタースキャンされ得る。
LIPSS構造が1または複数のレーザパルスによって形成されると、同じ領域に照射される同じ偏光の後続のパルスが、既存のパターンにロックされ、元の構造の周期性および位相を維持し、それにより、LIPSSの拡張された領域が複数のパルスから組み立てられることを可能にする。LIPSS形成のそのフィーチャは、マーキングフィーチャとして使用される適切なサイズおよび均一性の偏光フィーチャが、簡単で信頼性のある様式で形成されることを可能にする。
パルス化レーザプロセスは、任意の適切な表面上でLIPSSを形成するために使用され得る。図4の実施形態では、LIPSS構造は、集積回路板の表面上で形成される。しかしながら、代替的実施形態では、LIPSSまたは他の偏光フィーチャを含むマーキングは、任意の適切な材料または物体上に書き込まれ得る。
銀またはステンレス鋼は両方とも、多くの他の金属、たとえば、ニッケル、金、チタンと同様に、LIPSSを形成することが示されている。LIPSSの最初の報告は、表面損傷が1または複数のルビーレーザパルスによって引き起こされた後、種々の半導体上に周期的構造を観察した。その報告以来、Si、Ge、InP、GaP、GaAs他の化合物半導体を含む半導体の多くの研究が存在する。LIPSSは溶融石英上に作られている。しかしながら、LIPSSはまた、金属、誘電体、または半導体であるかにかかわらず、多種多様な他の材料から形成され得る。実際、LIPSSは、たとえば、材料のアブレーション閾値近くのレーザパルスからの強い電磁場のような強い電磁場への露出中に見られる条件の下で、表面プラズモンを形成することができる任意の材料上で形成され得る。
図4の実施形態では、各偏光フィーチャは、それが偏光の第2の方向で電磁放射を反射するよりも強く偏光の第1の方向で電磁放射を反射する。代替的実施形態では、偏光フィーチャ、たとえばLIPSSまたは他の周期的ナノ構造は、好ましい偏光方向で、照射された電磁放射を反射するのではなく透過する。いずれの場合も、偏光の優先方向が確立されることができ、この偏光の優先方向は、スケールデバイス情報を表すために使用される。特定の実施形態では、当該の電磁放射は、可視、近紫外線、または近赤外線の範囲の光である。
LIPSSが、周期的ナノ構造を含むスケールマーキングを作成するための有利な技法を提供することが分かっているが、代替的実施形態では、周期的ナノ構造を作成するための他の方法、たとえば、複製、電子ビームリソグラフィ、収束イオンビーム、(紫外線での)フォトエッチング、または半導体製造リソグラフィが使用され得る。
図4の実施形態では、マーキングは、直交配向を有する周期的ナノ構造を含み、スケールマーキングによって表されたデータは、周期的ナノ構造によって生成された対応する直交配向によってエンコードされる。代替的実施形態では、マーキングが、中間偏光および直交偏光を用いて提供される。そのような実施形態は、データを2進コード化する代わりに、データが3以上の基数で実装されることを可能にすることができる。これは、コードのロバストネス、または利用可能な一意のコードの個数を増大させることができる。
4つの異なる配向を有し、したがって基数4のデータのエンコードを可能にする、周期的ナノ構造を含むマーキングが、例として図8に概略的に示されている。0°、+45°、−45°、および90°のLIPSSの領域が、データをエンコードするために交代の順序で使用される。
図4および図8の実施形態では、各偏光フィーチャは、すべての平行ラインが単一配向であるLIPSSの領域である。LIPSSの領域は、図4および図8に示されるように分離され得る。あるいは、LIPSSの領域の1または複数が、異なる配向のLIPSSの領域に連接して、それらの間の境界で不連続が発生したようにされてもよい。そのような配置の例が図15に示されており、そこで、マーキングは、+45度または−45度の配向を各々が有するナノ構造のアレイを含む。
代替的実施形態では、偏光フィーチャは、ラインの配向が偏光フィーチャの横方向の伸びでの変位とともに変動する、LIPSSの拡張された領域または他のナノ構造を含む。一実施形態によるそのタイプの偏光フィーチャが、図9に概略的に示されている。
図9に示されたタイプの単一の偏光フィーチャは、たとえば基準マーカまたは基準(fiducial)として使用され得る。検出器は、偏光の優先方向を検出するように構成され得る。基準位置は、偏光の優先方向がLIPSSまたは他のナノ構造の拡張された領域の部分の配向と一致するポイントとして定義され得る。あるいは、検出器は、基準マークの長さに沿って偏光の変化に一致した偏光感度、偏光がエンコードされた領域全体が明確な相関出力を与えるようにアライメントするときの基準ポイント、偏光がエンコードされたデータのための自己相関器を有する。そのようなエンコードされた領域は、(修正されたバーカーコード(modified Barker code)のような)相関、またはフィーチャおよび一致された検出器に沿った距離とともに偏光の角度が連続的もしくは単調に増大する偏光の角度に特に適合されたエンコードされたワードであり得る。
先行の段落で説明された実施形態の変形では、変化する偏光の偏光フィーチャの系列が連接して書き込まれて、拡張された領域を形成する。位置の系列が決定されることができ、各位置は、偏光の優先方向が平行なラインの配向と一致するときに決定され、したがって、等しく離間されたマークの配列を決定する。
中間偏光を読み取る検出器が、図14などの代替的実施形態で提供される。あるいは、プロセッサまたは関連付けられた回路が、検出器の差動ペアによって測定を補間し、それにより、ペアの検出器のいずれかの偏光と完全にはアライメントされていないマーキングの領域によって反射または透過された光の偏光を測定する。このようにして、何らかのセンサとアライメントされているかどうかにかかわらず、スケールの領域の偏光を表すアナログ信号が生成され得る。
測定スケールのいくつかの実施形態では、偏光フィーチャが連接する。他では、それらは分離しているまたは重なり合う。
特定の実施形態では、周期的ナノ構造を含むマーキングが、他のマーキング、たとえば、データを表すために使用される他のマーキングと重なり合う。いくつかの場合、周期的ナノ構造を含むマーキングは、そのような他のマーキングの上に形成される。そのような重ねられたナノ構造マーキングは、たとえば、アブソリュート測定スケールがインクリメンタル測定スケール上に重ねられることを可能にできるので、測定スケールに適用されるときに特に有用であり得る。
ナノ構造を有する測定スケールのマーキングは、本出願の出願人の名義の特許文献3の主題であり、この同時係属出願の内容は本明細書で参照により組み込まれる。
図10は、(図4に示す)複数のスケールマーキングを含むスケール4を備える、測定スケールデバイス2の実施形態を示す。周期的ナノ構造が形成されたアブソリュートスケールマーキング6の系列は、測定の共通軸10に沿ってインクリメンタルスケールマーキング8の系列上に重ねられる。アブソリュートスケールマーキング6とインクリメンタルスケールマーキング8は、独立して読取り可能である。明瞭にするために、アブソリュートスケールマーキング6のみが図10に示されている。
図11は、図10のスケールの拡大された部分の図であり、アブソリュートスケールマーキング6とインクリメンタルスケールマーキング8の両方を示す。
図10および図11の実施形態では、インクリメンタルスケールマーキング8の系列は、たとえば、参照により本明細書で組み込まれる本出願人の名義の特許文献5で説明されるように、スケールデバイスの表面のレーザ加熱によって形成される(反射の)稼働光の波長の約4分の1または(透過の)稼働光の波長の約半分の振幅のピークおよび谷の実質的に正弦波のプロファイルで構成される。スケールデバイス2は、304ステンレス鋼から作製され、ピークおよび谷が304ステンレス鋼の表面上に形成される。ピークおよび谷は図2に示されているが、ピーク−谷の高さ(peak-to-trough height)は図面上で見ることができるように誇張されている。この実施形態では、ピーク−谷の高さは200nmであり、隣接ピーク間の間隔は8μmである。インクリメンタルスケールマーキングの各々は、周期的表面の完全なサイクルを含むものとされ得る。
アブソリュートスケールマーキング6の系列は、インクリメンタルスケールマーキング8の系列上に書き込まれる。アブソリュートスケールマーキング6の各々は、複数の偏光の特徴を備え、偏光の特徴の偏光特性を使用してアブソリュート位置データが表される。アブソリュートスケールマーキング6の各々が、複数の周期的ナノ構造、この場合、レーザ誘起周期的表面構造(LIPSS)を含む。
LIPSSの各領域は、2進数字を表すために使用される。LIPSS領域のラインの各配向(たとえば、+45度および−45度)は、2進状態の1つを表す。複数のLIPSS領域は、各アブソリュートスケールマーキングを形成するように配置される。各アブソリュートスケールマーキングは、測定の軸に沿って一意の位置をマーキングするために使用される離散2進コードワードである。
たとえば、図11では、n−1、n、n+1、およびn+2としてラベル付けされた4つの周期的ナノ構造が全体または部分的に示されている。各周期的ナノ構造はビットを表し、この場合、それらのビットは0、1、0、および1の値を有することが分かる。それら4つのビットは、偏光フィーチャが配置されるスケールの部分を識別する単一コードワードの部分を構成する。
図10および図11のスケールデバイス情報は、従来の技法を使用してインクリメンタルスケールマーキングを読み取るように動作可能である位相スケール検出ユニットを含むように修正された、図1から図3の読取りヘッドの修正されたバージョンを使用して、読み取られることができる。位相スケール検出ユニット22は、読取りヘッド20によってアブソリュートスケールを読み取るのと独立して、インクリメンタルスケールを読み取ることができる。
読取りヘッド20のサイズおよび検出器の個数は、マーキングに対する読取りヘッド20の位置に関わらず、それが、少なくとも1つの完全なコードワードを構成するために読取りヘッドの所与の位置において十分な偏光フィーチャを常に読み取ることができるように、選ばれることができる。
図10および図11の測定スケールのアブソリュートスケールマーキングは、図4のマーキングの読取りに関して前述されたのと同様に、読取りヘッド20を使用して読み取られることができる。
アブソリュートスケールが読取りヘッド20によって読み取られている間、位相スケール検出ユニットが、知られている技法(たとえば、特許文献4参照)を使用してインクリメンタルスケールマーキング8を読み取る。動作に際して、位相スケール検出ユニットの光源によって照射された偏光されていない光は、インクリメンタルスケールの複数のピークおよび谷から反射し、位相スケール検出ユニット22は、スケール2に対する読取りヘッド20の位置に応じて、反射された光の建設的および相殺的干渉パターンに基づいて、知られている技法を使用して検出することができる。インクリメンタルスケールは、読取りヘッドによって読み取られる周期的領域の平均精度、およびノイズによってのみ制限される多数回にわたって補間され得る。
アブソリュート位置マーキング間を補間するために、位相スケール検出ユニットを使用してプロセッサ32によって決定されたインクリメンタルスケール情報とアブソリュート位置が組み合わされ得る。
アブソリュートスケールマーキング6およびインクリメンタルスケールマーキング8は、図10および図11の実施形態において単一の測定軸上に重ねられて提供されるので、両方のセットのスケールマーキングは、同じ読取りヘッド20を使用して測定されることができ、ヨー効果によるエラーが低減または除去されることができる。
インクリメンタルスケールマーキング8の谷およびピーク上に重ねられた偏光フィーチャ12の存在は、偏光されていない光についても、インクリメンタルスケールマーキングの反射率のいくらかの変動を引き起こし得る。(ナノ構造の±45°のアライメントを有する)示された対称的設計は、状態間の反射率差を最小限にする。
図10および図11の測定スケールは、2つの異なるレーザプロセスを使用して図7のシステムによって形成される。まず、インクリメンタルスケールマーキングが形成され、次いで、LIPSS偏光フィーチャを書き込むことによって、アブソリュートスケールマーキングが形成される。
第1のプロセスにおいて、特許文献5で説明されるように基板の表面を溶融することによって、インクリメンタルスケールが形成される。数十ナノ秒の期間のレーザパルスが、書込みヘッド70を介してレーザユニット62によって照射される。レーザパルスは、レーザ62をキャリッジ66にリンクする光路64によって書込みのポイントへ送達され、あるいは、レーザ62がキャリッジ66とともに移動する。キャリッジ66は、梁の長さに沿った移動をすることができ、溶融された領域が所望される精度で正確に配置されることを確実にするために(コントローラ68を介して)精密な位置フィードバックを装備される。インクリメンタルスケールの形成は、スケールの長さに沿ってキャリッジ66の1または複数の移動を行うことがある。たとえば、たとえば4μmまたは8μmの周期、およびたとえば190nmまたは200nmのピークから谷の平均距離を有する滑らかに起伏する表面プロファイルが、数十ナノ秒の期間のレーザパルスによる溶融によって304ステンレス鋼上で作られ得る。
第2のプロセスにおいて、アブソリュートスケールマーキングを構成するLIPSS構造が、次いで、インクリメンタルスケールマーキング上に書き込まれる。
スケールマーキングの第1の系列の部分を形成する各偏光フィーチャの横方向の広がりが、特定の実施形態では、スケールマーキングの第2の系列のパラメータに応じて選択される。たとえば、スケールマーキングの第2の系列が振幅スケールである実施形態では、LIPSS構造の領域が、スケールマーキングの第2の系列が存在するエリア全体にわたって書き込まれ得る。それは、重ねられたLIPSS構造または他のナノ構造の存在または不在によって引き起こされる偏光されていない光に関するスケールの反射率の変動を低減させるために役立つことができる。
スケールマーキングの第2の系列がインクリメンタルスケールである場合、偏光フィーチャの横方向の広がりは、特定の実施形態では、スケールマーキングの第2の系列のインクリメンタル周期に応じて選択される。たとえば、各偏光フィーチャの横方向の広がりは、いくつかの実施形態では、インクリメンタル周期の非整数倍、たとえば、インクリメンタル周期のサイズの1.5倍、または3.7倍のような基本倍数(prime multiple)が選択される。
測定軸に沿った方向の各偏光フィーチャの横方向の広がりは、任意の適切な値、たとえば、1μmと100μmの間で選ばれ得る。複数のレーザパルスが、LIPSSの拡張されたエリアを構築するために使用され得る。
偏光特性を使用してスケールデバイス情報を表す偏光フィーチャを含むスケールマーキングは、アブソリュートスケールマーキングに限定されず、代わりに代替的実施形態では、任意の所望されるタイプのマーキングを表す。
種々の実施形態では、少なくとも1つのナノ構造を含むスケールマーキングが、位置情報、またはスケールもしくはスケールデバイスに関する非位置関係のデータを表すことができる。いくつかの実施形態では、スケールマーキングは、たとえば、スケールのシリアル番号、製造者もしくは他の識別子、または認証もしくはセキュリティデータを表す。
特定の実施形態では、偏光特性によって表されるスケールデバイス情報は、境界の標識である。境界マークは、スケールの端部を示すために使用される。特定の実施形態での境界マークは、偏光フィーチャ、たとえば、LIPSS構造を含み、スケールの端部をマーキングする。いくつかの実施形態では、どの境界が読み取られているかを示すために、異なる偏光の境界パターンがスケールの各端部で使用される。代替的実施形態では、境界が、(測定軸に直角の)スケールを横切って書き込まれた異なる偏光によって実装され、測定軸の第1の側に対する1つの偏光、第2の側に対する別の偏光を有し、2つの偏光がスケールの反対端で逆にされる。
図12は、(偏光フィーチャを含むことも含まないこともある)スケールマーキング8の系列を含むスケール、ならびに境界マーク44aおよび44bのペアの簡略化された図を示す。第1の境界マーク44aは、測定の軸10に対して+45度で配向されたLIPSSの領域であり、第2の境界マーク44bは、測定の軸に対して−45度で配向されたLIPSSの領域である。したがって、スケールの端部は、マークの異なる配向を決定するために、偏光された光の差動検出によって区別され得る。
他の実施形態では、偏光特性によって表されるスケールデバイス情報は、基準位置の標識である。インクリメンタルスケールにおいて、基準マークは、そのような知られている位置を参照して、インクリメンタル位置の決定を可能にする知られている位置を示すために使用される。実施形態による基準マークは、スケール上に書き込まれた直交偏光の2つの領域の間の遷移を含む。この場合、差動読取り器の分割ペアが、基準マークの検出のために、通常の方法で和および差信号を生成するために使用される。他の実施形態では、偏光フィーチャを含む基準マークがより複雑であり、いくつかの場合、発散自己相関パターンもしくは相互相関パターンを含み、またはコードワードを含み、および/または、基準マークの線形の伸びに沿って回転する偏光特性を有する。基準マークが偏光フィーチャを含む実施形態では、基準マークは、スケールマーキングの系列から分離していることが可能であり、または、スケールマーキングの系列上に重ねられる、スケールマーキングの系列と重なり合う、もしくはスケールマーキングの系列と交互配置されることが可能である。
図13は、スケールマーキング8の系列の簡略化された図を示す。基準マーク42aは、スケールの上にある。基準マークは基準位置を示す。それは、ヨーアライメントの範囲にわたる精密な基準位置付けのためにスケールの反対側の別の基準マーク42bとペアにされる。基準マークは、+45度または−45度のナノ構造フィーチャのアライメントの角度を有する周期的ナノ構造にエンコードされた領域を含むが、代替的実施形態では、任意の他の適切な偏光特性が使用され得る。代替的実施形態では、基準マークがスケールの片側または両側に描かれ得る。
他の実施形態では、少なくとも1つのナノ構造を含むスケールマーキングが、方向マーカを表し、方向マーカは、スケールフィーチャに対する方向、たとえば、スケールの一端に対する方向、または位置マークもしくは基準マークに対する方向を示す。
他の実施形態では、少なくとも1つの周期的ナノ構造を含むマークは、エラー情報、たとえば、エラーマップまたはエラーコードをエンコードするために使用される。特定の実施形態では、そのようなマークは、インクリメンタルまたはアブソリュートスケールマーキングの既存の系列の上または近くに重ねられる。スケールマーキングのインクリメンタルまたはアブソリュート系列は、形成中のエラーによるいくつかの位置エラーを含み得る。エラーは、知られている技法に従って真空中で行われる干渉計測定によって決定される。次いで、少なくとも1つの周期的ナノ構造を含むエラーマークは、スケールに沿った位置の系列で書き込まれ、それらの位置の各々に関するインクリメンタルまたはアブソリュートスケールにおけるエラーを表す。いくつかのそのような実施形態では、エラーは、周期的ナノ構造の偏光角度または配向の角度によって表され、その角度は、角度の連続系列の任意の1つを取ることが可能にされる。したがって、エラーは、アナログ信号として読み取られることができ、そのため、処理要件を低減することができる。
図10および図11の実施形態では、インクリメンタルスケールは、知られているプロセスを使用して形成され、次いで、アブソリュートスケールマーキングがインクリメンタルスケールマーキング上に重ねられる。実施形態はそのような配置に限定されず、LIPSSまたは他の技法が、任意の所望される配置において偏光フィーチャを含むスケールマークを形成するために使用され得る。たとえば、代替的実施形態では、アブソリュートスケールマーキングがインクリメンタルスケールマーキングに重なり合うように、またはアブソリュートスケールマーキングとインクリメンタルスケールマーキングが交互配置されるもしくは空間的に分離されるように、アブソリュートスケールマーキングが配置される。これらの場合のいずれでも、アブソリュートスケールマーキングとインクリメンタルスケールマーキングは、それらが測定の共通の軸を共有するように形成され得る。
前述のように、代替的実施形態では、偏光フィーチャを含むスケールマーキングは、アブソリュートスケールマーキングでなく、インクリメンタルスケールマーキングまたは基準マークである。いくつかの実施形態では、スケールはまた、任意の所望されるタイプのスケールマーキングの第2の系列、たとえば、アブソリュートスケールマーキング、インクリメンタルスケールマーキング、または基準マークを含む。そのような実施形態では、スケールマーキングの第2の系列は、光学的に読み取られることに限定されない。スケールマーキングの第2の系列は、任意の適切な方法、たとえば、スケールマーキングの第1の系列に対して独立して読取り可能な任意の方法で、スケールデバイス情報を表すことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、スケールマーキングの第2の系列は、光学パラメータ、磁気パラメータ、または容量パラメータを有するスケールデバイス情報を表す。
スケールフィーチャの第2の系列に使用され得るスケールマーキングのタイプの例は、エッチングされたガラス、エッチングされた金属、レーザーアブレーションされた金属、鍛造された金属、背面ミラー付きガラス上のクロムめっきされた領域、ガラスロンキ上のクロム(chrome on glass Ronchi)、磁気領域、容量(誘電率領域)を含む。これらのスケールの各々は、周期的ナノ構造たとえばLIPSS構造の追加によって選択的に修正され得る表面を有する。
一実施形態では、アブソリュートスケールマーキングを表すLIPSSまたは他の偏光フィーチャは、ガラスにエッチングされ金めっきされた矩形プロファイルスケール格子に追加される。既存のスケール設計、たとえば、レニショー(Renishaw)(登録商標)RG、スパー、リング、またはリボンスケールは、基準マーク、アブソリュートデータまたは他の追加情報を形成するために追加されるLIPSSまたは他の偏光フィーチャの領域を有することができる。
通常の作製プロセス中の追加ステップとして、LIPSS領域が、スケールマーキングの系列を含む測定スケールに追加され得る。あるいは、LIPSSは、スケールマーキングの第2の系列が形成された後にいつでも追加され得る。LIPSS領域は、任意の適切な既存スケールに付加され得る。
LIPSSは、連続波からフェムト秒レーザの範囲のレーザを使用して作成されている。第1の実施形態が、アブレーション閾値のすぐ上のレーザ強度を使用して説明された。しかしながら、これは、他の形態を軽視するものではない。任意のレーザおよび適切な表面上にLIPSSを形成できる動作条件の関連付けられたセットが使用され得る。
測定スケールは、単一の測定軸に沿った測定のための線形スケールに限定されない。代替的実施形態の測定スケールは、たとえば、回転スケールを含む。特定の実施形態におけるスケールは、2つの実質的に直交する測定の軸を有する2次元スケールであり、偏光フィーチャを含むスケールマーキングが、一方または両方の測定の軸に沿って配置される。
本発明は単に例として上記に説明されており、本発明の範囲内で細部の修正が行われ得ることは理解されよう。
本明細書で開示された各特徴ならびに(適切な場合)特許請求の範囲および図面は、独立してまたは任意の適切な組み合わせで提供され得る。

Claims (14)

  1. 少なくとも1つの周期的ナノ構造を含むマーキングにより表されたデータを読み取る方法であって、前記マーキングが、前記周期的ナノ構造の偏光特性を使用して前記データを表す、データを読み取る方法において、
    前記周期的ナノ構造から反射されたまたは前記周期的ナノ構造によって透過された、偏光された電磁放射を検出することと、
    検出された偏光された前記電磁放射から前記マーキングにより表された前記データを決定することと
    を含み、
    前記データを読み取る方法は、光された電磁放射を前記周期的ナノ構造へ照射することをさらに含む、および/または、
    偏光感知可能検出装置を使用して前記検出を行うことを含み、
    前記各周期的ナノ構造は、レーザ誘起周期的表面構造(LIPSS)を備える
    ことを特徴とするデータを読み取る方法。
  2. 前記周期的ナノ構造は、10nmと1μmとの間の周期を有し、選択により、300nmと900nmとの間の周期を有することを特徴とする請求項に記載のデータを読み取る方法。
  3. 照射された前記電磁放射は、前記周期的ナノ構造の周期より大きい波長で最大強度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータを読み取る方法。
  4. 前記周期的ナノ構造から反射されたまたは前記周期的ナノ構造によって透過された前記偏光された電磁放射を検出することは、第1の偏光の電磁放射を表す第1の信号を検出することと、第2の偏光の電磁放射を表す第2の信号を検出することと、前記第1の信号と前記第2の信号との間の差を決定することとを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  5. 前記偏光感知可能検出装置は、偏光感知可能検出器の少なくとも一つのペアを含み、前記ペアの第1の偏光感知可能検出器は、前記ペアの第2の偏光感知可能検出器とは異なる偏光に対し最大感度を有し、各偏光感知可能検出器は、検出された電磁放射を表すそれぞれの出力信号を提供するように構成され、
    前記方法は、任意的に、前記偏光感知可能検出器は、前記第1の偏光感知可能検出器と前記第2の偏光感知可能検出器とを使用して取得された前記出力信号の間の差を決定することを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  6. 前記照射された電磁放射は、偏向された電磁放射を備え、
    少なくとも、
    a)前記電磁放射を前記周期的ナノ構造に照射することは、異なる偏光の電磁放射を、順に前記周期的ナノ構造に照射することを含む、及び、
    b)前記データを読み取る方法は、実質的非偏光感知可能検出器を使用して前記周期的ナノ構造から反射された又は前記周期的ナノ構造によって透過された電磁放射を検出することを含む
    のいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  7. マーキングは、複数のナノ構造を含み、各ナノ構造は、前記周期的ナノ構造の偏光特性を使用してそれぞれのデータ値を表し、前記検出された偏向された電磁放射からデータ値を決定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  8. 前記マーキングは、マイクロチップ、半導体デバイス、回路基板、薬剤包装、メモリデバイス、又は記録された音楽、画像、ビデオ、もしくはテキストコンテンツ単体、医療インプラント、または他の医療デバイス、航空機部品、芸術作品、宝石、または他の工芸品のうちの少なくとも一つに対するマーキングであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  9. 前記データは、コード、シリアル番号、製造者、製造の日付、時間、又は場所、記録又は修正、認証マークのうちの少なくとも一つを表すことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  10. 少なくとも一つの前記マーキングは、測定スケールデバイス上の少なくとも一つのマーキングを備え、前記データを読み取る方法は、前記検出された偏光された電磁放射から決定された前記データから位置を決定することを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のデータを読み取る方法。
  11. 前記少なくとも一つのマーキングは、スケールマーキングの第1の系列を形成する複数のスケールマーキングを備え、前記測定スケールデバイスは、スケールマーキングの第2の系列をさらに備え、前記データを読み取る方法は、前記スケールマーキングの第1の系列及び前記スケールマーキングの第2の系列の両方から前記測定スケールデバイス上の位置を決定することを含むことを特徴とする請求項10に記載のデータを読み取る方法。
  12. 前記スケールマーキングの第1の系列及び前記スケールマーキングの第2の系列は、重ね合わされ、測定の共通軸を共有することを特徴とする請求項11に記載のデータを読み取る方法。
  13. 前記スケールマーキングの第1の系列は、アブソリュートスケールマーキング及びインクリメンタルスケールマーキングのうちの一方を含み、前記スケールマーキングの第2の系列はアブソリュートスケールマーキング及びインクリメンタルスケールマーキングのうちの他方を含むことができ、方法は、前記スケールマーキングの第1の系列及び前記スケールマーキングの第2の系列を読み取ることを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のデータを読み取る方法。
  14. 少なくとも一つの周期的ナノ構造を含むマーキングによって表されたデータを読み取るための装置であって、前記マーキングは前記周期的ナノ構造の偏光特性を使用してデータを表す、装置において、
    前記周期的ナノ構造から反射されたまたは前記周期的ナノ構造によって透過された、偏光された電磁放射を検出するための検出装置と、
    検出された偏光された前記電磁放射から前記マーキングにより表された前記データを決定するための処理リソースと
    を含み、
    前記装置は、光された電磁放射を前記周期的ナノ構造へ照射するように構成された電磁放射源をさらに備える、および/または、
    前記検出装置は、偏光感知可能検出装置を備え
    前記各周期的ナノ構造は、レーザ誘起周期的表面構造(LIPSS)を備える
    ことをさらに含むことを特徴とする装置。
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