JPH10160909A - 光散乱板及びその製造方法 - Google Patents

光散乱板及びその製造方法

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JPH10160909A
JPH10160909A JP8317492A JP31749296A JPH10160909A JP H10160909 A JPH10160909 A JP H10160909A JP 8317492 A JP8317492 A JP 8317492A JP 31749296 A JP31749296 A JP 31749296A JP H10160909 A JPH10160909 A JP H10160909A
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thin film
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Toru Nakamura
徹 中村
Sumuto Shimizu
澄人 清水
Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
Katsuhiko Murakami
勝彦 村上
Tetsuya Oshino
哲也 押野
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 等方的な散乱特性を有し、表面にゴミが付着
しにくく、洗浄が容易であり、かつ長期保存が可能な光
散乱板及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、基板11と、該基板11上
に設けた透明薄膜層12と、該透明薄膜層12中に固定
された、或いは該透明薄膜層12により固定された複数
の微粒子13とを備え前記微粒子13の形状を球状また
は概球状とし、かつ該微粒子13の屈折率を前記透明薄
膜層12の屈折率よりも大きくした光散乱板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射した光を散乱
させる光散乱板及びその製造方法に関するものであり、
特に、試料に光を照射したときの散乱光の強度から微小
なゴミを検知する検査装置におけるキャリブレーション
を行うのに好適な光散乱板と、その製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の製造工程等で用いられるフ
ォトマスクやシリコンウエハ等の部材上に存在するゴミ
の大きさや個数を検査するゴミ検査装置は、該部材に光
を照射したときの散乱光の強度や散乱角度分布から微小
なゴミを検知する検査装置であり、その感度調整には光
散乱板が用いられる。
【0003】光散乱板は、例えば基板上に多数の散乱体
を設け、入射した光を散乱させるようにしたものであ
る。光散乱板を前記ゴミ検査装置の感度調整に用いる場
合には、散乱体の光散乱特性はゴミによる散乱特性とほ
ぼ同等であることが望ましい。また、前記ゴミ検査装置
では通常、フォトマスク上やシリコンウエハ上に設けら
れた回路パターンによる光の反射とゴミによる光の散乱
を区別するために、散乱光が比較的等方的に出るものを
ゴミとし、角度依存性の大きなものは回路パターンによ
る反射として区別する工夫がなされている。また、ゴミ
の大きさは散乱光強度で判定するのが普通である。
【0004】したがって、光散乱板に光を照射した時に
発生する散乱光は、強度がゴミによる散乱強度と同程度
であるばかりでなく、散乱光の角度分布も等方的である
ことが必要とされる。これまでに、光散乱板としては、
特開昭63−144242、特開昭63−21284
9、特開昭62−206433等に、表面に凸または凹
の形状加工を施した基板からなる光散乱板が開示されて
いる。
【0005】また、ポリスチレンなどの真球ビーズを揮
発性溶媒に分散させた液を基板に吹き付けたものを光散
乱板とすることが広く行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面に
凸または凹の形状加工を施した基板を光散乱板とする場
合には、形状が球状でないことに起因する散乱光の異方
性が生じるため、回路パターンの反射光と正確に区別す
るのが困難であるという問題点があった。さらに、表面
に凹凸があるためゴミが付着しやすく、洗浄にも技術を
要するという問題点があった。
【0007】一方、ポリスチレンなどの真球ビーズを揮
発性の溶媒に分散させた液を基板に吹き付けたものを光
散乱板とする場合には、真球ビーズを凝集させることな
く一定の間隔及び密度で吹き付けるのが困難であること
に加え、この方法で作製した光散乱板は長期保存ができ
ないという問題点があった。本発明は、かかる問題点に
鑑みてなされたものであり、等方的な散乱特性を有し、
表面にゴミが付着しにくく、洗浄が容易であり、かつ長
期保存が可能な光散乱板及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「少なくとも、基板と、該基板上に設けた透明薄膜層
と、該透明薄膜層中に固定された、或いは該透明薄膜層
により固定された複数の微粒子とを備え、前記微粒子の
形状を球状または概球状とし、かつ該微粒子の屈折率を
前記透明薄膜層の屈折率よりも大きくした光散乱板(請
求項1)」を提供する。
【0009】また、本発明は第二に「前記微粒子の屈折
率を前記透明薄膜層の屈折率の略1.5 倍から略2倍と
し、かつ前記微粒子の粒子径を略0 .05 μmから略5μ
mまでの範囲の値としたことを特徴とする請求項1記載
の光散乱板(請求項2)」を提供する。また、本発明は
第三に「前記複数の微粒子は平均粒子間距離が50μm
以上、1mm以下となるように分布して固定されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の光散乱板(請
求項3)」を提供する。
【0010】また、本発明は第四に「前記微粒子の材料
を無機酸化物、金属、半導体、またはこれらの複合物と
したことを特徴とする請求項1〜3記載の光散乱板(請
求項4)」を提供する。また、本発明は第五に、「前記
透明薄膜層の材料を無機酸化物または有機ポリマーとし
たことを特徴とする請求項1〜4記載の光散乱板(請求
項5)」を提供する。
【0011】また、本発明は第六に、「請求項1〜5記
載の光散乱板を製造する方法に於いて、少なくとも、前
記透明薄膜層の原料物質と前記微粒子を揮発性溶媒にそ
れぞれ溶解及び分散させた液を作製する工程と、前記作
製した液を前記基板上に塗布する工程と、前記揮発性溶
媒を揮発させることにより、前記微粒子を固定した透明
薄膜層を前記基板上に形成する工程と、を備えたことを
特徴とする光散乱板の製造方法(請求項6)」を提供す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の光散乱板は、少なくと
も、基板と、該基板上に設けた透明薄膜層と、該透明薄
膜層中に固定された、或いは該透明薄膜層により固定さ
れた複数の微粒子とを備え、前記微粒子の形状を球状ま
たは概球状とし、かつ該微粒子の屈折率を前記透明薄膜
層の屈折率よりも大きくしてある。
【0013】即ち、本発明の光散乱体は、散乱体である
複数の微粒子が球状または概球状であるので、等方的な
散乱特性を有する。また、複数の微粒子が透明薄膜層中
に完全に包含されて固定されている場合には、表面にゴ
ミが付着しにくく、洗浄が容易であり、しかも長期保存
が可能である。本発明にかかる光散乱板の一例を図1に
示す。
【0014】図1の光散乱板は、基板11と、基板11
上に設けた透明薄膜層12と、透明薄膜層12中に完全
に包含されて固定された複数の球状微粒子13により構
成され、球状微粒子13の屈折率は透明薄膜層12の屈
折率よりも大きくしてある。図1に示した光散乱板は、
球状微粒子13が透明薄膜層で完全に覆われておりその
表面は滑らかであるので、ゴミが付着しにくく、また付
着した場合でも容易に洗浄して落とすことができる。し
かも、微粒子は透明薄膜層に固定されている為、洗浄操
作によって剥離したり、破損することも無く、取扱いが
容易であり半永久的に使用することができる。
【0015】なお、複数の微粒子が透明薄膜層中に完全
に包含されないで、その一部が透明薄膜層上に露出する
場合においても、露出部分が球または概球の一部である
ため表面に凸または凹の形状加工を施した従来の光散乱
板と比較すると、表面にゴミが付着しにくく、洗浄が容
易であり、しかもより長期的な保存が可能である。本発
明にかかる基板の材質に特別な制限はなく、プラスチッ
ク、ガラス、セラミック、金属板など、基板にしたとき
にそれ自体から発塵のないものであれば、あらゆる物質
が使用可能である。
【0016】前述したように、本発明にかかる微粒子
は、球状または概球状であるため、入射した光を等方的
に散乱する。微粒子の大きさ、及び透明薄膜層と微粒子
の屈折率比により散乱光強度が決まり、一般に、微粒子
の粒子径が大きい程、或いは透明薄膜層の屈折率に対し
て微粒子の屈折率が大きい程、散乱光強度は強くなる。
したがって、散乱光強度を最適化するには、これら二つ
の因子を最適化すればよい。一例として微粒子の屈折率
が透明薄膜層の屈折率の略1.5 倍から略2倍である場合
には、微粒子の粒子径は略0 .05 μmから略5μmまで
の範囲にあるものが実用的見地から望ましいといえる
(請求項2)。
【0017】本発明にかかる微粒子は、複数個が凝集し
た形態で存在することは望ましくない。その理由は、微
粒子凝集体からの散乱光は単一微粒子からの散乱光より
も強くなり、所望の散乱強度が得られなくなるからであ
る。また、凝集はしていなくても複数の微粒子が極めて
接近して存在することも望ましくない。なぜなら、ゴミ
検査装置のゴミ検出は通常、ビーム径が数十μm程度の
レーザービームを用いて被検物を走査する際に発生する
散乱光を検出することにより行われるが、レーザービー
ムスポット内に複数の微粒子が存在すると、複数の微粒
子による散乱光を単一の微粒子からの散乱光とみなして
しまうため、実際より大きな微粒子であると判断してし
まうからである。
【0018】逆に、微粒子間の距離が大きくなり過ぎる
のも好ましくない。なぜならば、検査装置の感度調整
は、ゴミ検出領域全域にわたって行う必要があるので、
微粒子の存在しない領域が広いと、未調整領域ができて
好ましくないからである。最適な微粒子間距離は、ゴミ
検査装置の種類や使用目的に応じて異なるが、一般的に
は50μm以上、1mm以下が好適といえる(請求項
3)。
【0019】本発明にかかる微粒子を構成する物質は、
無機酸化物、金属、半導体、絶縁体、有機物などの幅広
い物質群から選択することができるが、一般に所望の屈
折率を得るには、無機酸化物、金属、半導体、またはこ
れらの複合物が好適である(請求項4)。さらに、微粒
子を構成する物質としては、透明薄膜層を構成する物質
よりも高い屈折率を有するものを選択することは、前述
したとおりである。
【0020】本発明にかかる微粒子に適用可能な金属の
例として、金、銀、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、鉄、
アンチモン、白金、ロジウム、などを挙げることができ
る。また、微粒子に適用可能な半導体や絶縁体の例とし
て、AgCl、AgBr、AgI、CsI、CsBr、
CsI、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdS
e、CdTe、AlAs、AlSb、GaP、GaA
s、GaSb、InP、InAs、InSb、SiC、
PbS、HgS、Si、Geなどを挙げることができ
る。
【0021】さらに、微粒子に適用可能な無機酸化物の
例として、TiO2 、SrTiO3、SiO2 、Zn
O、MgO、Ag2 O、CuO、Al2 3 、B
2 3 、ZrO2 、Li2 O、Na2 O、K2 O、Ba
O、CaO、PbO、P2 5 、Cs2 O、La
2 3 、SrO、WO3 、CdO、Ta2 5 、及びこ
れらの混合物を挙げることができる。
【0022】本発明にかかる透明薄膜層を構成する物質
としては、前記微粒子よりも屈折率が小さいものを選択
する。また、光学的に透明で、光の吸収が無いか、ある
としてもごくわずかである物質が望ましい。さらに、薄
膜層としたときにそれ自体から発塵が無いか、或いは極
めて少ない物質であることが望ましい。本発明にかかる
透明薄膜層を構成する物質は、上記条件を満たすもので
あればさらに特別な制限は無いが、一般には透明な樹脂
または無機酸化物が好適である(請求項5)。
【0023】透明な樹脂としては様々なものが使用可能
であるが、一例を挙げると、ウレタン系物質、アクリル
系物質、アクリル−ウレタン共重合物質、エポキシ樹脂
系物質、メラミン樹脂系物質、ポリビニルアセタール系
物質、ポリビニルアルコール系物質などを挙げることが
できる。透明な無機酸化物としては例えば、珪素酸化
物、チタン酸化物、錫酸化物、タングステン酸化物、セ
リウム酸化物などを挙げることができる。
【0024】本発明(請求項1〜5)にかかる光散乱板
は、透明薄膜層の原料物質と微粒子を揮発性溶媒にそれ
ぞれ溶解(原料物質)及び分散(微粒子)させた液を前
記基板に塗布した後、揮発性溶媒を揮発して微粒子を固
定した透明薄膜層を基板上に形成することにより製造す
ることができる(請求項6)。透明薄膜層が樹脂からな
る場合には例えば、ウレタン系物質、アクリル系物質、
アクリル−ウレタン共重合物質、エポキシ樹脂系物質、
メラミン樹脂系物質、ポリビニルアセタール系物質、ポ
リビニルアルコール系物質のポリマーを透明薄膜層の原
料物質として揮発性溶媒に溶解して用いることができ
る。
【0025】また、透明薄膜層が透明な無機酸化物から
なる場合には例えば、シリコンアルコキシド類、チタン
アルコキシド類、錫アルコキシド類、タングステンアル
コキシド類、セリウムアルコキシド類などを原料物質と
して揮発性溶媒に溶解して用いることができる。揮発性
溶媒としては、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、
エステル類、エーテル類、アミン類等、幅広い物質が使
用可能である。
【0026】微粒子は、前記透明薄膜層の原料物質を揮
発性溶媒に溶解して得られた溶液中に分散させる。この
際、粉末状微粒子を該溶液に直接分散させても良いし、
予め液体に分散させたものを添加しても良い。微粒子の
分散性を向上させるためには、撹拌や超音波照射が効果
的である。また、少量の界面活性剤の添加も安定した分
散性を得るためには効果的である。さらに、前記溶液に
は必要に応じて架橋剤や硬化触媒を添加することもでき
る。
【0027】架橋剤としては、テトラエトキシシラン、
メチルトリメトキシシランなどのオルガノシラン化合
物、テトラメトキシチタン、メチルトリメトキシチタン
などのオルガノチタン化合物、グリオキサール、マロン
ジアルデヒド等のジアルデヒド化合物またはジアルデヒ
ドのアセタール化合物などを例として挙げることができ
る。
【0028】硬化触媒としては、各種の有機酸もしくは
それらの酸無水物、窒素含有有機化合物、各種金属錯体
もしくは金属アルコキシド、またはアルカリ金属の有機
カルボン酸塩、炭酸塩等の各種塩等を挙げることができ
る。本発明にかかる製造方法の一例を示すと、先ず、透
明薄膜層の原料物質、微粒子、(必要に応じて界面活性
剤、架橋剤、及び硬化触媒)を揮発性溶媒に溶解して得
られたコート液をディップコート法またはスピンコート
法により基板上に塗布する。
【0029】その後、揮発性溶媒を揮発させて、透明薄
膜層を硬化させる。透明薄膜層を硬化させる際には必要
に応じて加熱処理を行う。加熱温度は、透明薄膜層が樹
脂からなる場合には室温から150°C位の間が好適で
ある。一方、透明薄膜層が無機酸化物からなる場合には
室温から500°C位の間が好適である。さらに、紫外
線や放射線を照射することにより硬化を促進させること
も可能である。
【0030】また、透明薄膜層と基板の密着性を向上さ
せる目的で、コート液塗布前の基板を前処理することに
より表面改質することも効果的である。表面改質には、
プラズマ処理や紫外線照射、アルカリ処理などの方法が
使用可能である。以下、本発明を実施例に基いて説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0031】
【実施例1】本実施例の光散乱板の部分断面を図1に示
す。本実施例の光散乱板は、基板11と、基板11上に
設けた透明薄膜層12と、透明薄膜層12中に完全に包
含されて固定された複数の球状微粒子13により構成さ
れ、球状微粒子13の屈折率は透明薄膜層12の屈折率
よりも大きくしてある。
【0032】本実施例の光散乱板は、球状微粒子13が
透明薄膜層で完全に覆われておりその表面は滑らかであ
るので、ゴミが付着しにくく、また付着した場合でも容
易に洗浄して落とすことができる。しかも、微粒子は透
明薄膜層に固定されているため、洗浄操作によって剥離
したり、破損することも無く、取扱いが容易であり半永
久的に使用することができる。
【0033】さらに、本実施例の光散乱体は、散乱体で
ある複数の微粒子が球状または概球状であるので、等方
的な散乱特性を有する。以下、本実施例の光散乱板を製
造する方法を示す。まず、オルガノシラン化合物(チッ
ソ(株)製サイラエースS510)200重量部に少量
の0.01規定塩酸水溶液を加えたものを24時間撹拌して
加水分解反応させた。
【0034】次に、これに少量の界面活性剤、少量のア
セチルアセトン鉄(硬化触媒)、粒子径0.5 μmのTi
2 微粒子を分散させたメタノール液(固形分濃度10
重量%)0.26重量部を加え、さらに撹拌を1時間継続す
ることによりコート液を作製した。以上の手順で作製し
たコート液を片面をシールした石英ガラス基板にディッ
プコート法により、引き上げ速度2mm/秒にて塗布し
た。シールを除去した後、コート液を塗布した石英ガラ
ス基板を加熱炉に入れ、100°Cで4時間の加熱処理
を施すことにより本実施例の光散乱板を作製した。
【0035】以上の工程により作製した光散乱板を複数
枚用意して、その光散乱特性を調べたところ、すべて同
等の光散乱特性を示し、その特性値は所望の光散乱特性
であった。また、この光散乱板を用いてゴミ検査装置の
感度のキャリブレーションを行ったところ、所望の検出
感度に調節することができた。また、前記工程により作
製した光散乱板について、メタノールによる手拭き洗浄
及び超音波洗浄を行い、洗浄操作前後で光散乱特性を比
較したところ、全く変化は見られず、洗浄操作による光
散乱特性の変化が無いことが明らかになった。
【0036】
【実施例2】本実施例の光散乱板の部分断面を図1に示
す。本実施例の光散乱板は、基板11’と、基板11’
上に設けた透明薄膜層12’と、透明薄膜層12’中に
完全に包含されて固定された複数の球状微粒子13’に
より構成され、球状微粒子13’の屈折率は透明薄膜層
12’の屈折率よりも大きくしてある。
【0037】本実施例の光散乱板は、球状微粒子が透明
薄膜層で完全に覆われておりその表面は滑らかであるの
で、ゴミが付着しにくく、また付着した場合でも容易に
洗浄して落とすことができる。しかも、微粒子は透明薄
膜層に固定されているため、洗浄操作によって剥離した
り、破損することも無く、取扱いが容易であり半永久的
に使用することができる。
【0038】さらに、本実施例の光散乱体は、散乱体で
ある複数の微粒子が球状または概球状であるので、等方
的な散乱特性を有する。以下、本実施例の光散乱板を製
造する方法を示す。まず、ポリビニルブチラール700
重量部をn−ブタノール630重量部に溶解した後、メ
タノール400重量部、水100重量部、さらに架橋剤
としてテトラメトキシシラン4.2 重量部を添加して均一
になるまで撹拌した。
【0039】次に、これに硬化触媒としてP−トルエン
スルホン酸1.2 重量部、及び界面活性剤FC430(住
友スリーエム(株)製)1重量部を添加して撹拌した。
そして、粒子径1μmの塩化銀微粒子を分散させた水溶
液(固形分濃度0.1 重量%)16.8gを添加して、さらに
1時間撹拌することによりコート液を作製した。低圧水
銀ランプの紫外線を1分間照射して前処理を行ったアク
リル製基板の片面をシールした後、該基板に前記コート
液をディップコート法により引き上げ速度2mm/秒に
て塗布した。
【0040】そして、シールを除去してから、100°
Cで15分間の加熱処理を施すことにより硬化させて本
実施例の光散乱板を作製した。以上の工程により作製し
た光散乱板を複数枚用意して、その光散乱特性を調べた
ところ、すべて同等の光散乱特性を示し、その特性値は
所望の光散乱特性であった。また、この光散乱板を用い
てゴミ検査装置の感度のキャリブレーションを行ったと
ころ、所望の検出感度に調節することができた。
【0041】また、前記工程により作製した光散乱板に
ついて、メタノールによる手拭き洗浄及び超音波洗浄を
行い、洗浄操作前後で光散乱特性を比較したところ、全
く変化は見られず、洗浄操作による光散乱特性の変化が
無いことが明らかになった。
【0042】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、等方的な散
乱特性を有し、表面にゴミが付着しにくく、洗浄が容易
であり、かつ長期保存が可能な光散乱板を提供すること
ができる。また、本発明の光散乱板を用いると、従来よ
りも容易に、かつ再現性よくゴミ検査装置の感度調整を
行うことができる。
【0043】さらに本発明の製造方法によれば、前述し
た様な優れた特性を有する光散乱板を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例の光散乱板を示す部分断面図であ
る。
【符号の説明】
11、11’・・・基板 12、12’・・・透明薄膜層 13、13’・・・微粒子 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 勝彦 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 押野 哲也 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、基板と、該基板上に設けた
    透明薄膜層と、該透明薄膜層中に固定された、或いは該
    透明薄膜層により固定された複数の微粒子とを備え前記
    微粒子の形状を球状または概球状とし、かつ該微粒子の
    屈折率を前記透明薄膜層の屈折率よりも大きくした光散
    乱板。
  2. 【請求項2】 前記微粒子の屈折率を前記透明薄膜層の
    屈折率の略1.5 倍から略2倍とし、かつ前記微粒子の粒
    子径を略0 .05 μmから略5μmまでの範囲の値とした
    ことを特徴とする請求項1記載の光散乱板。
  3. 【請求項3】 前記複数の微粒子は平均粒子間距離が5
    0μm以上、1mm以下となるように分布して固定され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の光散乱
    板。
  4. 【請求項4】 前記微粒子の材料を無機酸化物、金属、
    半導体、またはこれらの複合物としたことを特徴とする
    請求項1〜3記載の光散乱板。
  5. 【請求項5】 前記透明薄膜層の材料を無機酸化物また
    は有機ポリマーとしたことを特徴とする請求項1〜4記
    載の光散乱板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の光散乱板を製造する
    方法に於いて、 少なくとも、 前記透明薄膜層の原料物質と前記微粒子を揮発性溶媒に
    それぞれ溶解及び分散させた液を作製する工程と、 前記作製した液を前記基板上に塗布する工程と、 前記揮発性溶媒を揮発させることにより、前記微粒子を
    固定した透明薄膜層を前記基板上に形成する工程と、を
    備えたことを特徴とする光散乱板の製造方法。
JP8317492A 1996-11-28 1996-11-28 光散乱板及びその製造方法 Pending JPH10160909A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010280109A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Toppan Printing Co Ltd 表示体及び情報印刷物

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