JP2001249442A - 半導体リソグラフィ用ペリクル - Google Patents

半導体リソグラフィ用ペリクル

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JP2001249442A JP2000061682A JP2000061682A JP2001249442A JP 2001249442 A JP2001249442 A JP 2001249442A JP 2000061682 A JP2000061682 A JP 2000061682A JP 2000061682 A JP2000061682 A JP 2000061682A JP 2001249442 A JP2001249442 A JP 2001249442A
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Akihiko Nagata
愛彦 永田
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/62Pellicles, e.g. pellicle assemblies, e.g. having membrane on support frame; Preparation thereof

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リソグラフィ工程での照射光によるペリクル
からの散乱光などの迷光を防止し、かつペリクルの膜面
およびフレーム内面に付着した異物検査の容易な半導体
リソグラフィ用ペリクルを提供する。 【解決手段】 本発明の半導体リソグラフィ用ペリクル
は、ペリクルフレームにペリクル膜が張設されてなるペ
リクルにおいて、フレーム内面での光線の反射率を0.
3%以下、好ましくは0.3%以下0.05%以上とす
るものであり、光線の反射率は、フレーム表面の粗さ
(Ra)あるいはフレーム表面の酸化皮膜層の厚さ及び
色調によって制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リソグラフィ用ペ
リクル、特にはLSI、超LSIなどの半導体装置ある
いは液晶表示板を製造する際の露光原版(レチクル)の
ゴミよけとして使用される半導体リソグラフィ用ペリク
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】LSI、超LSIなどの半導体装置ある
いは液晶表示板などの製造においては、半導体ウエハー
あるいは液晶用原版に光を照射してパターニングされる
が、このとき用いる露光原版にゴミ等の異物が付着して
いると、異物が光を吸収したり反射するため、転写した
パターンが変形したり、エッジががさついたものとなる
ほか、下地が黒く汚れたりして、寸法、品質、外観など
が損われ、半導体装置や液晶表示板などの性能や歩留り
の低下を来すという問題があった。
【0003】このため、これらの作業は通常クリーンル
ーム内で行われているが、クリーンルーム内でも露光原
版を常に清浄に保つことが難しいため、ゴミ等の異物よ
けとして露光原版の表面に、露光用の光をよく透過させ
るペリクルを装着する方法が採られている。この場合、
異物は露光原版の表面には直接付着せず、ペリクル膜に
付着するため、リソグラフィ時に焦点を露光原版のパタ
ーン上に合わせておけば、ペリクル膜面上の異物は転写
に無関係となる。
【0004】ペリクルフレーム(以下,単にフレームと
称する)に張設されるペリクル膜は、通常光をよく透過
させるニトロセルロース、酢酸セルロースなどからなる
透明な膜を、アルミニウム、ステンレス、ポリエチレン
などからなるフレームの上端面に、ペリクル膜の良溶媒
を塗布して、風乾し接着することにより(特開昭58‐21
9023号公報参照)、あるいはペリクル膜をアクリル樹脂
やエポキシ樹脂などの接着剤で接着することにより製作
される(米国特許第4,861,402号明細書、特公昭63‐277
07号公報参照)。ペリクルを露光原版に装着するため
に、フレームの下部にはポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、アクリル樹脂などからなる粘着層、及びこの粘
着層の保護を目的とした保護シートが貼付されている。
【0005】ペリクルは、半導体リソグラフィの工程で
使用されるため、ペリクル膜、フレーム、接着剤等に高
い清浄性が要求される。このためペリクルの製造工程に
おいて、特に、直接露光に関わるペリクル膜上に、微少
な異物が付着していないことを確認する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般にペリクルには、
黒色に塗装されたフレームが用いられているが、黒色塗
装フレームは、アルミニウム合金やステンレスなどの金
属或いは樹脂やガラスなどを塗装せずそのまま用いたフ
レームに比べて、光線を反射しにくく、上記ペリクル膜
上の異物検査を行うのにさほどの困難は無く、また、リ
ソグラフィ工程においてもさほどの不都合はなかった。
【0007】ところが、近年、LSIの集積度が上が
り、LSI製造上の主要な工程であるリソグラフィ工程
において、使用される光源が従来のg線、i線から、よ
り波長の短いKrFエキシマレーザー、ArFエキシマ
レーザー、F2レーザーへと変わりつつあり、これに伴
って、ペリクル膜面のより高度な清浄度が要求されるよ
うになってきた。このような清浄性を管理するために、
検査装置の検出感度を高める必要があった。
【0008】現在、一般的に使用されているペリクルや
露光原版(レチクル)の異物検査装置は、He−Neレ
ーザーやArレーザーといったレーザー光線をペリクル
やレチクル上に照射し、異物からの散乱光をフォトマル
や半導体検出器(CCD)等によって検出する方法を採
っている。ところが、単純にこれらの検査装置の検出感
度を高めても、フレームからの微弱な散乱光によって検
出器が誤検出を起こし、異物の検出が正常に行えないと
いう問題があった。
【0009】本発明は、リソグラフィ工程での照射光に
よるペリクルからの散乱光などの迷光を防止し、かつペ
リクルの膜面およびフレーム内面に付着した異物検査の
容易な半導体リソグラフィ用ペリクルの提供を課題とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、フレーム表面の
光線反射率をある規定された範囲内に制御することによ
って、フレームからの散乱光を少なく抑えることがで
き、検出器の感度を上げても誤検出を引き起こすことな
く、ペリクル膜面上のより微細な異物を検査することが
できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の半導体リソグラフィ用
ペリクルは、フレームにペリクル膜が張設されてなるペ
リクルにおいて、フレーム内面での光線の反射率を0.
3%以下、好ましくは0.3%以下0.05%以上とす
るものである。上記光線は検査時に照射される検査光で
あり、この光線の波長は400〜1,100nmとされ
る。また、光線の反射率は、フレーム表面の粗さ、ある
いはフレーム表面の酸化皮膜層の厚さ及び色調によって
制御される。なお、フレーム表面の粗さ(Ra)は、
0.3〜2μmとするのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。図1は、ペリクルの構造を示す断面図であ
り、フレーム1の上端面にペリクル膜貼り付け用接着剤
を介してペリクル膜2を張設したもので、この場合、通
常、フレーム1の下端面にレチクル貼り付け用接着剤層
3が形成され、レチクル貼り付け用接着剤層3の下面に
保護シート4が剥離可能に貼着されている。
【0013】フレーム表面の反射率の値は低い方がより
好ましいが、半導体リソグラフィ用のフレームとして
は、単に光線反射率を低くすれば良いというものではな
い。つまり、反射率を下げるための加工手段、加工の程
度によっては発塵の原因となり、フレームの清浄度が下
がるという好ましくない結果をもたらす。極めて反射率
の低い表面を得る方法は幾つか有り、例えば、表面に特
殊なメッキを行うことによっても得られるが、この方法
は、極めて反射率の低い表面が得られる反面、メッキが
剥離しやすく、発塵の原因となるため好ましくない。
【0014】また、表面を著しく荒らすことによっても
低反射率の表面を得ることができるが、この方法も荒ら
された表面に異物が付着し易くなるために、発塵の問題
が有る。本発明者は、反射率の値には加工上適正な範囲
が存在することを見出し、本発明に到達したものであ
り、特には、フレーム表面の粗さ(Ra)は、0.3〜
2μmとし、フレーム内面での光線の反射率を0.3%
以下、好ましくは0.3%以下0.05%以上とするも
のである。これによってフレーム内面からの散乱光を少
なく抑えることができ、ペリクル膜面上のより微細な異
物の検査が可能となる。
【0015】なお、フレーム表面の粗さ(Ra)を上記
範囲とするのは、0.3μm未満では目的とする効果が
得られず、他方、2μmを超えるとフレームの表面に異
物が付着しやすくなるためである。また、光線の反射率
を上記範囲とするのは、0.05%未満では微細な異物
の検出に難点があり、他方、0.3%を超えるとフレー
ムからの散乱光によって誤検出を生じ、異物の検出が正
常に行えないためである。
【0016】本発明は、フレーム表面の粗面化の方法に
対してなんら制約を与えるものではなく、通常採用され
ているサンドブラスト法や化学研磨法を採用してもなん
ら差し支えなく、またその他の方法であってもよい。例
えば、アルミ材を使用した場合には、カーボンランダ
ム、ガラスビーズ等によって表面をブラスト処理し、さ
らにNaOH等によって化学研磨を行い表面を粗面化す
る方法が挙げられる。
【0017】フレーム表面の反射率を制御する手段とし
ては、フレームの表面を上記のような方法で粗面化した
後、さらに染色する方法がある。その他にも、例えばア
ルマイト処理を行ったアルミ合金フレームであれば、染
色されたアルマイト皮膜の膜厚を制御することによって
も同じ効果を得ることができる。本発明では、フレーム
表面の反射率を制御するために、フレームの表面を粗面
化する方法を例示したが、これによって反射率の制御方
法がいささかも制限されるものではなく、その他のいか
なる方法であってもよい。なお、反射率の測定方法は、
JISに準拠する反射率測定法に従っている。
【0018】なお、ペリクル構成部材のサイズは通常の
ペリクルと同様であり、その材質についても公知の材質
でよい。例えば、ペリクル膜の種類については特に制限
はなく、従来使用されているニトロセルロース、酢酸セ
ルロース、プロピオン酸セルロース、非晶質フッ素ポリ
マー等が挙げられる。非晶質フッ素ポリマーの例として
は、サイトップ(旭硝子社製、商品名)、テフロンAF
(デュポン社製、商品名)等が有る。これらのポリマー
は、ペリクル膜作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使
用してもよく、例えば、フッ素系溶媒などで適宜溶解し
て使用すればよい。
【0019】また、フレームについても特に制限はな
く、その材質としては、従来使用されているアルミ材に
陽極酸化処理を行ったものや、ステンレス、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、PMMA、アクリル樹脂等の
樹脂、青板ガラス等が挙げられる。
【0020】ペリクル膜接着用の接着剤としては、従来
のものを使用でき、例えば、アクリル樹脂接着剤、エポ
キシ樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、含フッ素シリ
コーン接着剤等のフッ素ポリマー等が挙げられるが、な
かでもフッ素系ポリマーが好適である。フッ素系ポリマ
ーとしては、例えば、フッ素系ポリマーCT69(旭硝
子社製、商品名)が挙げられる。なお、必要により溶媒
で希釈してフレーム上端面に塗布し、加熱して乾燥し硬
化させることにより接着剤層を形成することができる。
この場合、接着剤の塗布方法としては、刷毛塗り、スプ
レー、自動ディスペンサーによる方法等が採用される。
【0021】さらに、ペリクルの下端面にはレチクル貼
着用の接着剤層が設けられ、この接着剤層下端面に保護
シート(セパレーター)が貼着されるが、これも公知の
ものでよい。レチクル貼着用の接着剤としては、シリコ
ーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤等を挙げることがで
きる。また、接着剤層と離型層を一体化した両面粘着テ
ープを使用することもできる。
【0022】本発明は、フレームの反射率を0.3%以
下、好ましくは0.3%以下0.05%以上とすること
によって、フレームから反射する散乱光を抑え、フレー
ム内面の検査を容易にするものである。これにより、よ
り微細な回路を用いるLSIの高度なリソグラフィシス
テムに対応可能なペリクルを製造することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例と比較例にもとづきさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (実施例1,2、比較例1,2)初めに、外寸100m
m×100mm×6mm、厚さ2mmのアルミニウム合
金製フレームを用意した。このフレームの表面を洗浄し
た後、サンドブラスト装置にて、ガラスビーズを吐出圧
1.5kgで10分間吹き付け、表面を粗面化した。次
いで、NaOH処理液浴中にて10秒間処理し、洗浄し
た後、陽極酸化、黒色染色、封孔処理して表面に黒色の
酸化被膜を形成した。
【0024】仕上がったフレームの表面を、表面粗さ計
サーフコーダー(小坂研究所製、商品名)で測定し、そ
の結果を表1に示した。さらに、このフレームを超音波
洗浄装置を用いて純水で洗浄した。次いで、フレーム上
面にスプレーコーティング装置を用いて、シリコーン系
接着剤を1μmの厚さにコーティングした。
【0025】次いで、テフロンAF1600(米国デュ
ポン社製、商品名)をフッ素系溶剤・フロリナートFC
−75(米国スリーエム社製、商品名)に溶解させて濃
度8%の溶液を調整した。この溶液を直径200mm
φ、厚さ600μmの鏡面研磨したシリコーン基板面上
に、スピンコーターを用いて膜厚0.8μmの透明なペ
リクル膜を形成した。次に、この膜に外径200mmφ
×幅5mm、厚さ5mmのリング状フレームを、エポキ
シ系接着剤アラルダイトラピッド(昭和高分子社製、商
品名)を用いて接着し、基板より剥離した。
【0026】次に、先に準備したアルミニウム合金製フ
レームの上端面に、フッ素系溶剤CTソルブ180(旭
硝子社製、商品名)に希釈したフッ素系高分子ポリマー
CTX(旭硝子社製、商品名)を塗布し、10分加熱し
て乾燥した。このフレームの塗布面に、先に用意したリ
ング状フレームに接着したペリクル膜を密着させた後、
赤外線(IR)ランプでペリクルフレームを加熱し、こ
れにペリクル膜を融着させた。
【0027】これらのペリクルフレームとリング状フレ
ームを、ペリクルフレームの接着面を上向きにして固定
用の治具に取り付け、相対的に位置がずれないように固
定した。次いで、外側のリング状フレームを引き上げて
固定し、ペリクルフレーム外側の膜部に0.5g/cm
の張力を与えた。次いで、スカラーロボットに取り付け
たカッターにチューブ式ディスペンサを用いて、フロリ
ナートFC75(デュポン社製、商品名)を毎分10マ
イクロリットル滴下しながら、ペリクルフレームの接着
剤部分の周辺部に沿ってカッターを移動しながら、ペリ
クルフレーム外側の不要膜部分を切断除去した。
【0028】得られたペリクルフレーム表面の反射率を
分光装置U−4000型(日立製作所製、型式名)を用
いて、入射光角度60°で測定し、反射率を求めた。さ
らに、ペリクル膜面に粒子径0.2μmのポリスチレン
製標準粒子を付着させ、これをハロゲンランプで照明し
ながらフレーム内側5mmの領域について、目視および
金属顕微鏡による付着異物数を検査した。これらの検査
結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、フレーム表面の
粗さ(Ra)が0.3〜2μmの範囲内にあり、光線の
反射率が0.3%以下の実施例1,2は、フレーム近傍
の検査が容易で、しかも検出漏れのないものであった。
これに対して、比較例1,2は、表面粗さが0.3μm
未満で、反射率も0.3%を超え、検査が困難で検出漏
れがあった。
【0031】
【発明の効果】本発明は上記構成からなり、リソグラフ
ィ工程での照射光によるペリクルからの散乱光などの迷
光を防止するとともに、ペリクル膜面の異物検査をより
微細なものまで行うことができ、さらに、フレーム内面
に付着した異物の検査を容易にするという効果を有す
る。また、本発明のペリクルは、より微細な回路を用い
るLSIの高度なリソグラフィシステムに対応すること
ができる、等の極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ペリクルの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1. フレーム 2. ペリクル膜 3. 接着剤層 4. 保護シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペリクルフレームにペリクル膜が張設さ
    れてなるペリクルにおいて、ペリクルフレーム内面での
    光線の反射率を0.3%以下とすることを特徴とする半
    導体リソグラフィ用ペリクル。
  2. 【請求項2】 前記光線の波長が、400〜1,100
    nmである請求項1に記載の半導体リソグラフィ用ペリ
    クル。
  3. 【請求項3】 前記光線の反射率を、ペリクルフレーム
    表面の粗さによって制御する請求項1または2に記載の
    半導体リソグラフィ用ペリクル。
  4. 【請求項4】 前記ペリクルフレーム表面の粗さ(R
    a)が、0.3〜2μmである請求項3に記載の半導体
    リソグラフィ用ペリクル。
  5. 【請求項5】 前記光線の反射率を、ペリクルフレーム
    表面の酸化皮膜層の厚さ及び色調によって制御する請求
    項1または2に記載の半導体リソグラフィ用ペリクル。
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