JP2003057804A - リソグラフィ用ペリクル - Google Patents

リソグラフィ用ペリクル

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JP2003057804A
JP2003057804A JP2001249806A JP2001249806A JP2003057804A JP 2003057804 A JP2003057804 A JP 2003057804A JP 2001249806 A JP2001249806 A JP 2001249806A JP 2001249806 A JP2001249806 A JP 2001249806A JP 2003057804 A JP2003057804 A JP 2003057804A
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filter
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titanium oxide
dust
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Akihiko Nagata
愛彦 永田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光環境に存在する有機ガス等の汚染ガスの
影響を排除し、より短波長化の進む半導体リソグラフィ
にも対応できるペリクルを提供する。 【解決手段】 少なくともペリクルフレームにペリクル
膜を接着してなるリソグラフィ用ペリクルであって、前
記ペリクルフレーム2が通気口6を有するとともに、該
通気口に除塵用フィルターとケミカルフィルターが設け
られていることを特徴とするリソグラフィ用ペリクル
1。ケミカルフィルターとしては、酸化チタンを含有す
るものを好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI、超LSI
などの半導体装置あるいは液晶表示板を製造する際のリ
ソグラフィ用マスクのゴミよけとして使用される、リソ
グラフィ用ペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】LSI、超LSIなどの半導体製造或い
は液晶表示板などの製造においては、半導体ウエーハあ
るいは液晶用原板に光を照射してパターニングを行う
が、この場合に用いる露光原板(一般的に「リソグラフ
ィ用マスク」あるいは「レチクル」等と呼ばれる)にゴ
ミが付着していると、このゴミが光を吸収したり、光を
曲げてしまうために、転写したパターンが変形したり、
エッジががさついたものとなるほか、下地が黒く汚れた
りして、寸法、品質、外観などが損なわれてしまう。
【0003】このため、これらのリソグラフィに関する
作業は通常クリーンルームで行われているが、このクリ
ーンルーム内でも露光原板を常に清浄に保つことは難し
いので、露光原板の表面にゴミよけのための、露光用の
光をよく透過させるペリクルを貼着する方法がとられて
いる。この場合、ゴミは露光原版の表面上には直接付着
せず、ペリクル膜上に付着するため、リソグラフィ時に
焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、ペリク
ル膜上のゴミは転写に無関係となる。
【0004】図1は、ペリクルの基本的な構成を示した
ものである。このようなペリクル1´は、例えば、露光
に用いる光を良く透過させるニトロセルロース、酢酸セ
ルロースなどからなる透明なペリクル膜3を、黒色アル
マイト処理を施したA7075などのアルミニウム合
金、ステンレス、ポリエチレンなどからなるペリクルフ
レーム2の上端面にペリクル膜3の良溶媒を塗布し、風
乾して接着するか(特開昭58−219023号公報参
照)、あるいはアクリル樹脂やエポキシ樹脂などの接着
剤で接着する(米国特許第4861402号明細書、特
公昭63−27707号公報参照)。更に、ペリクルフ
レーム2の下端面には露光原版に装着するための、ポリ
ブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等から
なる粘着層4と、粘着層4の保護を目的としたレチクル
粘着剤保護用ライナー5が設けられている。
【0005】露光を行う際、ペリクルは、マスク基板の
表面に形成されたパターン領域を囲むように設置される
が、ペリクルは、前記したようにマスク基板(レチク
ル)上にゴミが付着することを防止するためのものであ
り、換言すれば、ペリクル外部の塵埃がパターン面に付
着しないように、パターン領域は隔離される必要があ
る。従って、従来、通気性の無い密閉されたペリクルが
使用されてきた。
【0006】しかしながら、このようにマスク(レチク
ル)のパターン形成面がペリクルによって密閉された状
態になっていると、例えば、マスク面にペリクルを貼り
付けた状態でレチクルを高地の工場に搬送したり、低気
圧が接近したりすると、雰囲気の気圧が低下するため、
ペリクル膜が膨み、露光用の装置の一部にペリクル膜が
接触したり、ペリクル膜面の異物検査を行う際に、例え
ば照明用のレーザーのフォーカスがずれて、誤検出した
りするという問題があった。
【0007】このような問題を解決するために、ペリク
ルフレームの側面に通気口を設けるとともに、通気口の
外側にフィルターを設けて、気圧調整を行うことができ
るペリクルが提案されている(例えば実開昭61−41
255号公報参照)。また、ペリクルフレームに設けた
小さな通気口の内部に粘着性の樹脂を付与したペリクル
なども提案されている(特開平2−250055号公報
参照)。これらのペリクルは、いずれも塵埃などの異物
の侵入を防ぐとともに、ペリクル内外の圧力差を無くす
という効果を奏するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、LS
Iのパターンルールはサブクオーターミクロンへと微細
化が進んでおり、それに伴い露光光源の一層の短波長化
が進んでいる。すなわち、これまで主流であった水銀ラ
ンプによるg線(436nm)やi線(365nm)からK
rFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマ
レーザー(193nm)、さらにはFレーザー(157
nm)などが使用されつつある。このような露光の短波
長化が進むと、当然露光光の持つエネルギーが高くなっ
てくる。
【0009】上記のような高いエネルギーの光を用いる
場合、従来使用されている比較的波長の長い光に比べ、
露光雰囲気に存在するガス状物質の反応を引き起こし易
く、反応生成物を生成する可能性が格段に高くなってく
る。そこで、クリーンルーム内のガス状物質を極力低減
したり、ペリクルの構成物質からガスを発するものを排
除するなどの対策がとられてきた。しかしながら、その
ような対策には莫大な費用を要する場合があったり、あ
まり効果も上がらず現実的でないものだった。
【0010】そこで本発明では、露光環境に存在する有
機ガス等の汚染ガスの影響を排除し、より短波長化の進
む半導体リソグラフィにも対応できるペリクルを提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意検討努力を重ねた結果、ペリクル
フレームに形成した通気口に、除塵用フィルターのほか
に、ケミカルフィルターを設けることによって外部から
の汚染ガスの侵入を防ぐとともに、ペリクルとレチクル
の間の閉空間にある汚染ガスの除去も行い得ることを見
い出し、本発明を完成させたものである。
【0012】すなわち、本発明によれば、少なくともペ
リクルフレームにペリクル膜を接着してなるリソグラフ
ィ用ペリクルであって、前記ペリクルフレームが通気口
を有するとともに、該通気口に除塵用フィルターとケミ
カルフィルターが設けられていることを特徴とするリソ
グラフィ用ペリクルが提供される(請求項1)。
【0013】前記したように、従来、フレーム側面に設
けた通気口に除塵用のフィルターを備えることで通気と
ともに除塵をはかったペリクルはあったが、本発明のペ
リクルでは、さらにケミカルフィルターを具備すること
で、除塵効果に加え、汚染ガスを吸着や分解などして除
去することができる。従って、半導体リソグラフィにお
いて本発明のペリクルを用いれば、より短波長の光で露
光する際にも汚染ガス等は除去されているので、ガスか
らの析出物の発生を防止することができ、結果的に、基
板上に極めて微細なパターンを好適に形成させることが
できる。
【0014】ケミカルフィルターは、酸化チタンを含有
するものであることが好ましい(請求項2)。このよう
な酸化チタンを含有するケミカルフィルターを用いるこ
とで、有機ガス等の汚染ガスをより効果的に除去するこ
とができる。
【0015】さらに、酸化チタンを含有するケミカルフ
ィルターとしては、ポリテトラフルオロエチレンに酸化
チタンを練り込んだもの、または無機材料の繊維に酸化
チタンをコーティングしたものであることが好ましい
(請求項3)。このような形態の酸化チタン含有ケミカ
ルフィルターであれば、比較的容易に作製することがで
き、また、汚染ガスの除去効果を十分発揮することがで
きる。
【0016】前記除塵用フィルターは、フッ素系樹脂、
金属、またはセラミックスからなるものであることが好
ましい(請求項4)。このような材質からなる除塵用フ
ィルターを用いれば、十分な除塵効果を有するとともに
ケミカルフィルターに含まれている酸化チタン等による
酸化作用を受けても変質するのを防ぐことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明についてさらに詳細に説明する。図2は、本発明に
かかるペリクルの一例を示したものであり、図3は、本
発明にかかるフィルターの一例を示したものである。本
発明のペリクルは、ペリクルフレームの少なくとも一側
面に少なくとも1つの通気口が形成されており、該通気
口に除塵用フィルターとケミカルフィルターを設けたこ
とを特徴としている。図2のペリクル1では、一側面の
略中央に長方形状の通気口6が1つ設けられている。
【0018】通気口のサイズ、形状、個数、場所につい
ては特に制限はないが、通気口に設置するフィルターの
メッシュサイズ、濾過面積またはこれらから求められる
通気量によってそのサイズ、形状、個数、場所を選択す
ればよい。好ましくは必要以上に大きな通気口を形成せ
ず、必要最低量の通気を確保する通気口を形成するのが
よい。
【0019】図3のフィルター集成体7は、有機繊維ま
たは無機繊維等からなる保護ネット10a,10bに酸
化チタン層を含むケミカルフィルター9を挟在させたも
のを、除塵用フィルター8に積層して構成されている。
また、除塵用フィルター8の反対側の周辺部には両面粘
着テープ11が貼着されており、この両面粘着テープ1
1を介すことにより、フィルター集成体7をペリクルフ
レーム2の通気口6を覆うようにして設けることができ
る。なお、本発明にかかるフィルターの構造は、図3の
ものに限定されず、同様な効果が発揮できればどのよう
な構造でも構わない。
【0020】ケミカルフィルターは、除去するガスに応
じて適宜決めれば良く、例えば、活性炭、賦活活性炭、
またはイオン交換樹脂を含むものを使用できるが、特
に、酸化チタン層を有するフィルター等、酸化チタンを
含有するものが好ましい。このように酸化チタン含有の
ケミカルフィルターであれば、有機ガス等の汚染ガスを
吸着や分解により効果的に除去することができる。
【0021】このような酸化チタンを含有するケミカル
フィルターの形態も特に限定されず、繊維等に酸化チタ
ンを含有させたもの、あるいは除塵用フィルターを形成
する微細な孔を持った有機繊維または無機繊維の表面に
酸化チタン層を形成して除塵用フィルターと一体的なも
のとしても良い。
【0022】具体的には、例えば、ポリテトラフルオロ
エチレンに酸化チタンを練り込んだもの、またはセラミ
ックス等の無機材料からなる繊維にゾルゲル法により酸
化チタンをコーティングしたものを使用することができ
る。このようなケミカルフィルターであれば、汚染ガス
の除去効果を十分発揮することができる上、比較的容易
に作製することができる。なお、ケミカルフィルターの
形成方法についても上記のものに特に限定されない。
【0023】このようなケミカルフィルターをフレーム
の通気口に設けることで、ペリクル外部からの有機、無
機の各種ガスがペリクル内に侵入するのを効果的に防止
するとともに、ペリクル貼りつけ時に封入されたりして
ペリクル内に存在するガス類も通気時に除去することが
できる。すなわち、ペリクルとレチクルの閉空間内への
汚染ガスの侵入を防ぐとともに、内部のガスの除去を行
えるため、ArFやF レーザーなどの高エネルギーの
リソグラフィ環境下においても、ガスに起因する異物の
発生や析出を防ぐことができる。
【0024】除塵用フィルター8としては、フレーム2
の通気口6部分に設置することができるものであれば、
形状、個数、場所に特に制限はない。また、除塵用フィ
ルターの材質としては、樹脂(PTFE、ナイロン66
等)、金属(316Lステンレススチール等)、セラミ
ックス(アルミナ、窒化アルミニウム等)等が挙げられ
る。ただし、除塵用フィルターの外側部分に、ケミカル
フィルターとして酸化チタンを含有するものを使用する
ならば、除塵用フィルターの材質は、酸化チタンによる
酸化作用を受けても変質しないものであることが必要で
ある。従って、好ましくは、PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)などのフッ素系樹脂、316Lステンレ
ススチール等の金属、アルミナ、窒化アルミニウム等の
セラミックスが望ましい。
【0025】なお、本発明では、除塵用フィルターを内
側(閉空間側)へ、ケミカルフィルターを外側にするの
が望ましい。こうすることによってケミカルフィルター
が発塵源となってペリクルの閉空間に塵埃が侵入するこ
とはない。
【0026】本発明のペリクルは、ペリクルフレーム
に、通気口と、除塵用フィルターと、ケミカルフィルタ
ーを備えていること以外は、図1に示した一般的なペリ
クル1´と同様のものとすることができる。すなわち、
本発明のペリクルを構成する他の部材の大きさは通常の
ペリクルと同様であり、また、その材質も前述したよう
な公知の材質とすることができる。具体的には、図1に
示したように、ペリクルフレーム2の上端面にペリクル
膜貼り付け用接着剤を介してペリクル膜3を張設したも
のであり、通常は、フレーム2の下端面にはレチクル接
着用粘着剤4が形成され、レチクル接着用粘着剤4の下
端面には保護用ライナー5が剥離可能に貼着されてい
る。
【0027】例えば、ペリクル膜については、従来のエ
キシマレーザー用に使用されている非晶質フッ素ポリマ
ー等が用いられる。非晶質フッ素ポリマーの例として
は、サイトップ(旭硝子(株)製商品名)、テフロンA
F(デュポン(株)製商品名)等が挙げられる。これら
のポリマーは、そのペリクル膜作製時に必要に応じて溶
媒に溶解して使用しても良く、例えばフッ素系溶媒など
で適宜溶解し得る。
【0028】また、ペリクルフレームの材質についても
特に制限はなく、従来使用されているアルミ材に陽極酸
化処理を行ったもの、ステンレス、あるいは、ポリアセ
タール、ポリカーボネート、PMMA(ポリメチルメタ
クリレート)、アクリル樹脂等の合成樹脂、さらに、青
板ガラス、石英ガラス等が挙げられる。
【0029】ペリクルフレーム表面については、通常、
サンドブラストや化学研磨によって粗化されるが、本発
明ではこのフレーム表面の粗化についても何ら制約を与
えるものではない。例えば、アルミ材を使用した場合に
は、ステンレス、カーボランダム、ガラスビーズ等によ
って表面をブラスト処理し、さらにNaOH等によって
化学研磨を行い表面を粗化する方法が知られており、こ
れを適用することができる。
【0030】ペリクル膜接着用接着剤としては、従来の
ものを使用でき、例えばアクリル樹脂接着剤、エポキシ
樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤、含フッ素シリコー
ン接着剤等のフッ素系ポリマー等を挙げることができる
が、中でもフッ素系ポリマーが好適である。フッ素系ポ
リマーとしては、具体的にはフッ素系ポリマーCT69
(旭硝子(株)製商品名)が挙げられる。
【0031】なお、ペリクルフレーム上端面に形成され
るペリクル膜貼り付け用接着剤層は、必要により溶媒で
希釈してペリクルフレーム上端面に塗布し、加熱して乾
燥し、硬化させることにより形成することができる。こ
の場合、接着剤の塗布方法としては、刷毛塗り、スプレ
ー、自動ディスペンサーによる方法等を採用することが
できる。
【0032】レチクル貼り付け用接着剤としては、両面
粘着テープ、シリコーン樹脂粘着剤、アクリル系粘着剤
等を挙げることができる。
【0033】レチクル接着剤保護用ライナーについて
は、従来使用されているものであれば特にその材質は制
限されず、例えば、PET、PTFE、PFA、PE、
PC(ポリカーボネート)、塩ビ、PP等が挙げられ
る。
【0034】そして、ペリクル膜の張設等に関しては、
通常の方法でペリクルフレームの上端面にペリクル膜貼
着用接着剤層を介してペリクル膜を張設し、また、通
常、フレームの下端面にレチクル貼り付け用接着剤層を
形成し、さらに、このレチクル貼り付け用接着剤層の下
面に離型層(保護用ライナー)を剥離可能に貼り付けす
ることでペリクルとすることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0036】(実施例) <ペリクルフレームの作製>初めに、ペリクルフレーム
として、フレーム外寸149mm×122mm×5.8
mm、フレーム厚さ2mmのアルミニウム合金製フレー
ムを用意し、フレームの一側面中央に通気口として直径
0.5mmの孔を設けた。
【0037】このフレームを表面洗浄した後、サンドブ
ラスト装置にてガラスビーズを使用し、吐出圧1.5k
g/cmで1分間表面処理を行い、表面を粗化した。
次いで、これをNaOH処理浴中にて10秒間洗浄した
後、陽極酸化、黒色染色、封孔処理して表面に黒色の酸
化被膜を形成した。さらにこのアルミフレームを純水と
超音波洗浄装置を用いて洗浄した。次いで、このフレー
ムの内面にスプレーコーティング装置を用いてシリコー
ン系粘着剤を厚さ約1μmでコーティングした。
【0038】次に、フレームの通気口に、材質がPTF
Eで、塵埃濾過サイズが0.1μm〜3.0μmで9
9.9999%である、幅9.5mm、高さ2.5m
m、厚さ300μmのフィルターを設置した。このフィ
ルターの構造は、図3に示したような除塵用フィルター
の外側に、ケミカルフィルターとしての酸化チタン含有
層を積層したものである。
【0039】<ペリクル膜の作製>テフロンAF160
0(米国デュポン社製商品名)をフッ素系溶剤・フロリ
ナートFC−75(米国スリーエム社商品名)に溶解さ
せて濃度8%の溶液を調製した。この溶液を用い、直径
200mm、厚さ600μmの鏡面研磨したシリコン基
板面に、スピンコーターを用いて厚みが0.8μmの透
明膜を形成させた。
【0040】さらに、この膜に外寸200mm×200
mm、幅5mm、厚さ5mmの枠(調製用フレーム)を
エポキシ系接着剤アラルダイトラピッド(昭和高分子
(株)製商品名)を用いて接着し、水中でシリコン基板
から膜を剥離した。
【0041】<ペリクルの作製>前記のようにして準備
したアルミニウム合金製のペリクルフレームの一端面
に、レチクル貼り付け用接着剤として、シリコーン系粘
着剤を塗布し、100℃で10分間加熱して乾燥硬化さ
せた。また、このフレームの反対側の端面上に、ペリク
ル膜接着用として、フッ素系溶媒CTソルブ180(旭
硝子製商品名)に希釈したフッ素系高分子ポリマーCT
X(旭硝子製商品名)を塗布し、100℃で10分間加
熱し乾燥硬化させた。さらに、PET製ライナーを用意
し、CCDカメラによる画像処理位置決め機構を有する
ライナー貼り付け装置によってレチクル接着剤上に貼り
合わせた。
【0042】次に、前記したテフロンAF1600から
作製し、調製用フレームに接着されているペリクル膜の
表面にペリクルフレームをペリクル膜接着剤を介して密
着させた後、IRランプにてペリクルフレームを加熱
し、ペリクルフレームと膜を融着させた。このとき、2
つのフレーム(調製用フレームとペリクルフレーム)
は、ペリクルフレームの接着面を上向きにした状態で固
定用の治具に取り付け、相対的に位置がずれないように
固定した。次いで、ペリクルフレームの外側に位置する
調製用フレームを引き上げて固定し、ペリクルフレーム
外側の膜部に0.5g/cmの張力を与えた。
【0043】次いで、スカラーロボットに取り付けたカ
ッターにチューブ式ディスペンサを用いて、フロリナー
トFC75(デュポン社製商品名)を毎分10マイクロ
リットル滴下しながら、前記ペリクルフレームの接着剤
部分の周辺部に沿ってカッターを移動しながら、ペリク
ルフレーム外側の膜の不要部分を切断除去し、ペリクル
を完成させた。
【0044】<気圧調整試験>完成したペリクルを、予
め異物検査をしたマスク基板に貼り付けした。これを減
圧チャンバー内にセットし、500mmHgまで減圧し
た後、再び大気圧に戻した。大気圧に戻ったあと、超音
波センサーによりペリクル膜の復元時間を調べた。さら
に、実験後、マスク基板上の異物(0.3μm以上)を
検査した。これを5回実施し、その結果を表1に示し
た。この結果から、0.1μm〜3μmメッシュのフィ
ルターを使用しても、塵埃が侵入することなく、10分
間の気圧調整時間で外気圧との差を無くすことができた
ことがわかった。
【0045】
【表1】
【0046】<ガス除去試験>さらに、蛍光灯下でマス
ク基板に貼りつけしたペリクルを30分間放置し、室内
とペリクル内の雰囲気をサンプリングして汚染ガス濃度
を測定したところ、室内は約1ppmのアルコール類が
検出されたが、ペリクル内は0.001ppmのアルコ
ール類しか検出されなかった。
【0047】(比較例)フレームに直径0.5mmの通
気口をあけ、これを覆うフィルターとして、材質がPT
FEで塵埃濾過サイズが0.1μm〜3μmで99.9
999%である幅9.5mmの除塵用フィルターのみを
用い、ケミカルフィルターは設置しなかったこと以外、
前記実施例と同じ条件でペリクルを作製した。
【0048】このペリクルを実施例と同じ方法で評価し
た。その結果、蛍光灯下でマスク基板に貼りつけしたペ
リクルを30分間放置し、室内とペリクル内の雰囲気を
サンプリングして汚染ガス濃度を測定したところ、室内
は約1ppmのアルコール類が検出され、ペリクル内も
1ppmのアルコール類が検出された。
【0049】以上の結果から、除塵用フィルターとケミ
カルフィルターを備えたペリクルとすれば、塵埃が侵入
することなく、ペリクル内部の気圧を調整することがで
きるとともに、ペリクル内部の汚染ガスを除去すること
ができたことがわかった。
【0050】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0051】
【発明の効果】本発明のペリクルは、除塵用フィルター
の他に酸化チタン等を含むケミカルフィルターを使用す
ることによって、ペリクル外部からの有機、無機の各種
ガスがペリクル内に侵入するのを防止するとともに、ペ
リクル貼りつけ時に封入されたりしてペリクル内に存在
するガス類も除去することができる。従って、LSI、
超LSIなどの半導体装置等の製造において、より短波
長化の進む半導体リソグラフィに本発明のペリクルを用
いれば、短波長光(ArFレーザー、Fレーザーな
ど)で露光する際にもガスからの析出物等の発生を防止
することができるため、結果的に、基板上に極めて微細
なパターンを好適に形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペリクルの構成を示す概略図である。
【図2】ペリクルフレームの通気口にフィルタを設けた
ペリクルの斜視図である。
【図3】本発明にかかるペリクルに設けるフィルタの一
例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,1´…ペリクル、 2…ペリクルフレーム、 3…
ペリクル膜、 4…レチクル接着用粘着剤(粘着層)、
5…保護用ライナー、 6…通気口、 7…フィルタ
ー集成体、 8…除塵用フィルター、 9…ケミカルフ
ィルター、 10a,10b…保護ネット、 11…両
面粘着テープ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともペリクルフレームにペリクル
    膜を接着してなるリソグラフィ用ペリクルであって、前
    記ペリクルフレームが通気口を有するとともに、該通気
    口に除塵用フィルターとケミカルフィルターが設けられ
    ていることを特徴とするリソグラフィ用ペリクル。
  2. 【請求項2】 前記ケミカルフィルターが、酸化チタン
    を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載
    のリソグラフィ用ペリクル。
  3. 【請求項3】 前記酸化チタンを含有するケミカルフィ
    ルターが、ポリテトラフルオロエチレンに酸化チタンを
    練り込んだもの、または無機材料の繊維に酸化チタンを
    コーティングしたものであることを特徴とする請求項2
    に記載のリソグラフィ用ペリクル。
  4. 【請求項4】 前記除塵用フィルターが、フッ素系樹
    脂、金属、またはセラミックスからなるものであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に
    記載のリソグラフィ用ペリクル。
JP2001249806A 2001-08-21 2001-08-21 リソグラフィ用ペリクル Pending JP2003057804A (ja)

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